(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態による色材配合情報検索システムの構成例を示す概略ブロック図である。
図1において、色材配合情報検索システム200は、少なくとも配合色材検索サーバ1、色検索データベース群2、CCSシステム(機能部)3及びユーザ端末4の各々がネットワーク5により接続されて構成されている。
【0015】
配合色材検索サーバ1は、CCSシステム3から供給される対象色彩値と、色材を印刷する下地の情報と、色材数と、色材の属性情報とを含む色材検索依頼情報に対応し、色検索データベース群2から色見本の色彩値に近い(近似する)色彩値を有する最適な配合色材(以下、近似配合色材(後述)と示す)を検索し、この近似配合色材における配合に用いる色材及び色材各々の配合比を含む配合情報(近似配合色材情報)を出力する。ここで、対象色彩値は、ユーザが選択した色見本の色彩値に限らず、実際の物品や印刷物等を測色計で計測して得られた色彩値でもよい。また、下地の情報とは、色見本が印刷される印刷媒体の材質を示しており、この印刷媒体の印刷面の分光反射率を含んでいる。色材数とは、上記近似配合色材を配合する色材のセット(以下、色材セットと示す)における、この近似配合色材を配合するため用いる異なる色の色材の最大数を示している。色材の属性情報とは、色材の耐性(例えば耐光性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐ボイル性、耐レトルト性など)、透明度及び価格帯などである。この色材数と色材の属性情報との各々の組合わせにより、上記色材セットの各々が構成されている。
【0016】
色検索データベース群2は、再現可能色域データベース21、パラメータデータベース22及び色見本データベース23から構成されている。
再現可能色域データベース21には、上記近似配合色材を求めるために使用する、実際に配合した配合色材の配合色材情報を示す配合色材テーブルが書き込まれて記憶されている。この配合色材テーブルは、上記下地の情報と、色材セット(色材数及び色材の属性情報)の各々の組合わせ毎に設けられている。
【0017】
パラメータデータベース22には、下地素材テーブル及び色材テーブルの各々が書き込まれて記憶されている。下地素材テーブルは、少なくとも、刷媒体の材質と、この材質の印刷面の分光反射率との各々が対応付けて記憶されている。色材テーブルは、色材毎に、少なくとも色の名称と色材濃度と光学濃度と色彩値との各々が対応付けて記憶されている(後述)。
【0018】
色見本データベース23には、再現可能色域データベース21に記憶されている配合色材テーブルの配合色材情報に基づいて算出された近似配合色材テーブルが書き込まれて記憶されている。すなわち、色見本データベース23の近似配合色材テーブルは、色彩値毎に、分光反射率と配合情報との各々が対応付けて記憶されている。上記近似配合色材テーブルは、配合色材テーブルと同様に、下地の情報と、色材数と、色材の属性情報との組合わせ毎に作成されている。ここで、近似配合色材テーブルの各々は、それぞれの配合色材テーブルの組合わせに対応して作成されている。
【0019】
CCSシステム3は、ユーザからネットワーク5を介して入力される対象色彩値と、色材を印刷する下地の情報と、色材数と、色材の属性情報を含む色材検索依頼情報に基づき、上記配合色材検索サーバ1に対して、配合色材情報の検索を依頼する。そして、ユーザは、配合色材検索サーバ1から検索結果として近似配合色材情報をCCSシステム3から得る。ユーザは、近似配合色材情報に記載された配合する色材とその配合比に基づいて配合色材を生成し、印刷媒体に対して印刷し、色彩値を測定する。
【0020】
また、CCSシステム3は、色材検索依頼情報における対象色彩値と、印刷媒体に印刷された配合色材の色彩値とを比較し、所定の色差の範囲で一致していない場合、近似配合色材情報における色材の配合比を調整し、分光反射率の合わせ込みを行い、ユーザの要求する色見本の色彩値に対して所定の色差の範囲となるように配合色の色彩値の調整を行う。
【0021】
ユーザ端末4は、例えば、パーソナルコンピュータであり、ユーザが近似配合色材情報を得る際、CCSシステム3にアクセスするために用いる。
ネットワーク5は、有線及び無線のインターネットを含む情報通信回線である。
【0022】
以下の説明において、色彩値をL
*a
*b
*値(L
*a
*b
*表色系の3次元の色空間における座標値)として説明する。
図2は、色見本データベース23に記憶されている近似配合色材テーブルの構成例を示す図である。近似配合色材テーブルは、レコード毎に、色彩値識別情報、色彩値、分光反射率及び配合情報の各々の欄が設けられている。色彩値識別情報は、この近似配合色材テーブルに対応する色材セットにおける色材の各々を配合して得られる近似配合色材の色彩値それぞれを識別する情報である。色彩値は、色材検索依頼情報に指定された印刷媒体に対して近似配合色材を印刷した際の推定値としてのL
*a
*b
*値を示している。分光反射率は、色材検索依頼情報に指定された印刷媒体に対して近似配合色材を印刷した際の推定値としての推定分光反射率が示されている。配合情報は、配合する色材の種類及びこれら色材の各々の配合比が示されている。
【0023】
図3は、近似配合色材テーブルにおける近似配合色材各々のL
*a
*b
*値をL
*a
*b
*表色系の色空間の各座標にプロットした図である。
図3に示されるように、色材セットにおける色材によって再現可能領域内に、近似配合色材の各々のL
*a
*b
*値それぞれが求められる所定の精度に対応した整数値の刻み幅により、L軸、a軸及びb軸の各々からなる離散化された格子点の数値として記憶されている。また、近似配合色材テーブルにおける配合情報は、上記離散化されたL
*a
*b
*値となる、配合する色材の種類及びこれら色材の各々の配合比として求められている。同様に、近似配合色材テーブルにおける近似配合色材の各々の分光反射率は、上記離散化されたL
*a
*b
*値となる分光反射率として計算されている。
また、再現可能領域500内における格子点(座標)のL
*a
*b
*値が色材セットにより再現可能な色である。
【0024】
図4は、再現可能色域データベース21に記憶されている配合色材テーブルの構成例を示す図である。
配合色材テーブルは、レコード毎に、配合色材識別情報、色彩値、分光反射率及び配合情報の各々の欄が設けられている。配合色材識別情報は、この配合色材テーブルに対応する色材セットにおける色材の各々を配合して得られる配合色材それぞれを識別する情報である。色彩値は、印刷媒体に対して配合色材を印刷した際の推定値としてのL
*a
*b
*値を示している。分光反射率は、印刷媒体に対して近似配合色材を印刷した際の推定値としての推定分光反射率が示されている。配合情報は、配合する色材の種類及び色材の各々の配合比が示されている。
【0025】
図5は、パラメータデータベース22に記憶されている色材テーブルの構成例を示す図である。色材テーブルは、レコード毎に、色材識別情報、色名称、色材濃度、光学濃度及び色彩値の各々の欄が設けられている。色材識別情報は、この色材テーブルの色材それぞれを識別する情報である。色名称は、色材の色の名称を示している。色材濃度と光学濃度とは、波長毎に所定の数式により分光反射率から算出された数値である。色彩値は、L
*a
*b
*値であり、例えばD50/2度視野による計算値とし、その計算方法はJIS Z8729にある方法が使用されている。
【0026】
図1に戻り、配合色材検索サーバ1は、例えば、入出力制御部11、色彩値検索部12、色彩値シミュレーション部13及び記憶部14の各々を備えている。
入出力制御部11は、CCSシステム3から入力される色材検索依頼情報を、記憶部14に書き込んで記憶させる。このとき、色見本の色の情報を、色彩値(L
*a
*b
*値)に変更する。ここで、色見本の情報としては、色彩値(L
*a
*b
*値)を用いても良いし、分光反射率、カラーガイド番号、マンセル値など色が特定できる情報であり、色彩値(L
*a
*b
*値)に変更可能、あるいは得ることができる情報であれば、いずれの種類の色を示す情報を用いても良い。
【0027】
色彩値検索部12は、記憶部14の色材検索依頼情報を参照し、色見本データベース23から色材検索情報における、色材を印刷する下地の情報と、色材数と、色材の属性情報との各々に基づき、対応する近似配合色材テーブルを検索する。そして、色彩値検索部12は、検索した近似配合色材テーブルにおいて、色材検索依頼情報と同様なL
*a
*b
*値の近似配合色材を検索する。色彩値検索部12は、検索された近似配合色材情報を、入出力制御部11を介してCCSシステム3に対して出力する。
【0028】
また、色彩値検索部12は、
図3に示す色空間において対応する色彩値としてのL
*a
*b
*値を検索する際、対象色彩値(対象L
*a
*b
*値)が小数点以下の数値を有する場合、直接に対応する色彩値が検索されない。このため、色彩値検索部12は、例えば、対象L
*a
*b
*値の小数点以下の数値を四捨五入する、あるいは色差の最も小さな色彩値を有する近似配合色材を選択するなどの対象L
*a
*b
*値の整数化を行う。
また、上述した整数化の方法では、ユーザが視認した際、得られた近似配合色材と色見本の色との違いを顕著に認識してしまう場合がある。このため、本実施形態においては、予め設定した整数化ルールにより、対象L
*a
*b
*値の整数化を行ってもよい。
【0029】
図6は、予め決められた整数化ルールによる対象L
*a
*b
*値の整数化の処理について説明する図である。
図3における格子状の配列において、所定の整数値の刻みにより形成されているため、L
*軸、a
*軸及びb
*軸それぞれが「1」毎の刻みであれば、対象L
*a
*b
*値におけるL
*値、a
*値及びb
*値のいずれかでも小数点の場合、
図6に示すように、対象L
*a
*b
*値の座標点100は、整数化されたL
*a
*b
*値の座標点である格子点101、102、103、104、105、106、107、108を頂点とする立方体内に含まれる。本実施形態における整数化ルールとは、対象L
*a
*b
*値の近傍にある上記立方体の頂点(近傍の格子点のL
*a
*b
*値)において、色相角の変化が少なく、より高明度(L値が大きく)かつ高彩度(a
*値とb
*値とからなるベクトル値が大きい)の色彩値、すなわち対象L
*a
*b
*値に対して色相角の差が最も小さく、よりきれいめと視認される色彩値を選択するというルールである。これにより、色彩値検索部12は、整数化された対象L
*a
*b
*値を、対象L
*a
*b
*値に所定の範囲内における色彩値を有する近似配合色材として選択する。しかしながら、対象L
*a
*b
*値の実数値が再現可能色域の境界面における格子内に存在すると、より高明度及び高彩度のL
*a
*b
*値に対応させて整数化した際、対象L
*a
*b
*値が、再現可能色域の外側に位置する場合がある。この場合、現在の色材セットでは、対象L
*a
*b
*値の近似配光色材を選択することができなくなる。そのため、色彩値検索部12は、対象L
*a
*b
*値が再現可能色域の外側のL
*a
*b
*値として整数化されたことを検出した場合、より低明度かつ低彩度の色彩値のL
*a
*b
*値、すなわち再現可能色域内の格子点の色彩値として整数化する。この処理は、ユーザが対象L
*a
*b
*値の整数化モードを設定可能とすることにより実行される。
【0030】
また、近似配合色材の整数化されたL
*a
*b
*値がL
*軸、a
*軸及びb
*軸それぞれにおいて、「10」毎の刻みで生成されている場合、対象L
*a
*b
*値100が整数であっても、L
*値、a
*値及びb
*値の一桁目が10の倍数でなければ、
図6のように、整数化されたL
*a
*b
*値の座標点である格子点101、102、103、104、105、106、107、108を頂点とする立方体内に含まれる。この場合においても、上記整数化ルールに従い、正の値で彩度が最も高く、かつ最もL値が大きいL
*a
*b
*値である格子点106の色彩値に対応する近似配合色材を、対象L
*a
*b
*値に所定の範囲内における色彩値を有する近似配合色材として選択される。
また、上述したように、格子点106が再現可能色域の外側に位置する場合、
図6における対象L
*a
*b
*値が含まれる立方体において、対象L
*a
*b
*値に対して再現可能色域内のより低明度かつ低彩度の色彩値のL
*a
*b
*値(例えば、格子点103)として整数化する。
【0031】
ここで、対象L
*a
*b
*値が、
図3における再現可能領域500の範囲外のL
*a
*b
*値である場合もある。この場合、色彩値検索部12は、再現可能領域500の範囲内にある、対象L
*a
*b
*値と色差が最も小さいL
*a
*b
*値の近似配合色材を、対象L
*a
*b
*値と同様の色彩値を有する近似配合色材として選択する。
また、対象L
*a
*b
*値が、
図3における再現可能領域500の範囲外のL
*a
*b
*値である場合に、色彩値検索部12は、再現可能領域500の範囲内にあり、対象L
*a
*b
*値と色差が所定の距離内にあるL
*a
*b
*値から、正の値で彩度が最も高く、かつ最もL値が大きいL
*a
*b
*値の近似配合色材を、対象L
*a
*b
*値と同様の色彩値を有する近似配合色材として選択する構成としても良い。
【0032】
図7は、本実施形態による色材配合情報検索システムによる近似配合色材の選択処理の動作例を示すフローチャートである。
ステップS101:
ユーザがユーザ端末4によりCCSシステム3にアクセスし、ユーザ端末4を介して、色見本の色彩値(あるいは色見本の色情報)を含む色材検索依頼情報を、CCSシステム3に送信する。また、担当者がCCSシステム3の入力手段(不図示)により、直接にCCSシステム3に対して色材検索依頼情報を入力しても良い。
【0033】
ステップS102:
そして、CCSシステム3は、配合色材検索サーバ1に対して、ユーザ端末4から入力された色材検索依頼情報を送信し、近似配合色材の問い合わせを行う。
これにより、入出力制御部11は、入力された色材検索依頼情報を記憶部14に書き込んで記憶させる。このとき、入出力制御部11は、色材検索依頼情報における色見本の色の情報がL
*a
*b
*値でない場合、L
*a
*b
*値に変更した後に、対象L
*a
*b
*値として記憶部14に対して書き込んで記憶させる。
【0034】
ステップS103:
色彩値検索部12は、記憶部14に記憶されている色材検索依頼情報を参照し、対象L
*a
*b
*値が整数値であるか否か、あるいは対象L
*a
*b
*値の一桁目が、近似配合色材の整数化されたL
*a
*b
*値の刻み幅の倍数であるか否かの判定を行い。
そして、色彩値検索部12は、対象L
*a
*b
*値が整数値で無い場合、あるいは対象L
*a
*b
*値の一桁目が、近似配合色材の整数化されたL
*a
*b
*値の刻み幅の倍数で無い場合、整数化ルールによって、対象L
*a
*b
*値を色見本データベース23における近似配合色材テーブルにおいて検索可能な整数化とする検索前の処理を行う。
【0035】
ステップS104:
色彩値検索部12は、記憶部14に記憶されている色材検索依頼情報を参照し、この色材検索依頼情報に含まれている、色材を印刷する下地の情報と、色材数と、色材の属性情報との各々の組合わせに対応する近似配合色材テーブルを、色見本データベース23から検索する。
そして、色彩値検索部12は、検索前の処理を行った対象L
*a
*b
*値と同様なL
*a
*b
*値を有する近似配合色材を、近似配合色材テーブルから検索して抽出する。
【0036】
ステップS105:
色彩値検索部12は、近似配合色材テーブルから抽出した近似配合色材の近似配合色材情報を、入出力制御部11を介してCCSシステム3に対して送信して通知する。
そして、CCSシステム3は、受信した近似配合色材情報を、ユーザ端末4に対して送信する。
【0037】
ステップS106:
ユーザは、得た近似配合色材情報における配合する色材と色材の各々の配合比とにより、実際に色材を用いて配合色材を生成する。
【0038】
ステップS107:
そして、ユーザは、自身が指定した印刷媒体に対して、生成した配合色材を印刷し、印刷物の色彩値の測定を行う。
【0039】
ステップS108:
ユーザは、この測定した色彩値と、自身が指定した色見本の色彩値とを比較する。このとき、ユーザは、測定した色彩値と色見本の色彩値とが一致していると判定した場合、処理をステップS109へ進める。一方、ユーザは、測定した色彩値と色見本の色彩値とが一致していないと判定した場合、処理をステップS110へ進める。
【0040】
ステップS109:
ユーザは、近似配合色材情報における配合する色材とこれら色材各々の配合比とを、配合色材の生成に用いる配合色材情報に決定する。
【0041】
ステップS110:
ユーザは、近似配合色材情報と、この近似配合色材情報により生成した配合色材を印刷した印刷物を測定して得た色彩値と、色材検索依頼情報とをCCSシステム3に対して送信する。
CCSシステム3は、印刷物の色彩値と、色見本の色彩値とが所定の範囲で一致するように、すなわち印刷物の色彩値と、色見本の色彩値との色差が最小となるように、近似配合色材情報における色材の配合比率を変更する。
そして、CCSシステム3は、変更した色材の配合比を含む近似配合色材情報を、ユーザ端末4に対して送信する。そして、ユーザは上記近似配合色材情報を受信した後、処理をステップS106へ進める。
【0042】
上述したように、本実施形態によれば、CCSシステムを利用するのみで、CCMシステムを用いた場合と同様に、色見本と同様な色が再現できる近似配合色材情報として、すでに生成されている色見本データベース23から容易に抽出することができ、高価なCCMシステムを用いる必要がなくなる。
【0043】
また、本実施形態によれば、色見本データベース23における近似配合色材テーブルの各々は、実測された配合色材の色彩値から、シミュレーションにより整数化した近似配合色材のL
*a
*b
*値を算出して生成するため、実測から求めて形成する従来の配合色材テーブルに比較し、より多くの配合比による配合色材の色彩値を用意することができ、色見本の色の色彩値に対応する配合色材の情報を高い精度で供給することができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、色見本の色の色彩値に対応する配合色材の情報を高い精度で得ることが可能のため、CCSシステムによる色見本の色と、配合色材情報の色材の配合比の調整も簡易となり、従来に比較してより短時間で収束させることができる。
【0045】
以下、色彩値シミュレーション部13による、再現可能色域データベース21及びパラメータデータベース22の各々を用いた色見本データベース23における近似配合色材テーブルの生成について説明する。
色彩値シミュレーション部13は、再現可能色域データベース21の配合色材テーブルから、作成する対象の近似配合色材テーブルと同一の組合わせ、すなわち色材を印刷する下地の情報と、色材数と、色材の属性情報との各々の組合わせに対応する配合色材テーブルを抽出する。
【0046】
そして、色彩値シミュレーション部13は、配合色材テーブルに基準配合色材として書き込まれている配合に用いる色材とこれら色材の配合比を読み出し、配合比を所定の割合で変更して、パラメータデータベース22の下地素材テーブル及び色材テーブルの各々を参照して、それぞれの変更した配合比の近似配合色材の分光反射率及びL
*a
*b
*値の算出を行う。このとき、色彩値シミュレーション部13は、下地の情報として下地の分光反射率を考慮し、この近似配合色材をこの下地(印刷媒体)に印刷した際に推定される測定値としての分光反射率及びL
*a
*b
*値の各々を算出する。
【0047】
また、色彩値シミュレーション部13は、上述のように得られたL
*a
*b
*値を、所定の刻み幅により整数化したL
*a
*b
*値となるように補完を行い、最終的に色見本データベース23における近似配合色材テーブルを生成する。
上述した近似配合色材テーブルの生成については、国際公開番号WO 2015/005152A1(発明の名称:色見本生成システム、色見本生成方法及びプログラムに詳細に記載されている。
【0048】
また、
図1における配合色材検索サーバ1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより色見本データベースから配合色材の情報を抽出する処理を行ってもよい。例えば、ユーザ端末4又はCCSシステム3で配合色材検索サーバ1の行う処理を実行してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0049】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0050】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。