特許第6935293号(P6935293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6935293
(24)【登録日】2021年8月27日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】電気接続箱及びワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20210906BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20210906BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   H02G3/16
   B60R16/02 610A
   H01R13/46 301M
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-192417(P2017-192417)
(22)【出願日】2017年10月2日
(65)【公開番号】特開2019-68631(P2019-68631A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 慎也
(72)【発明者】
【氏名】三重 卓斗
【審査官】 鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−308048(JP,A)
【文献】 特開2017−077087(JP,A)
【文献】 特開2014−097727(JP,A)
【文献】 特開2013−143802(JP,A)
【文献】 特開2009−232552(JP,A)
【文献】 特開2006−042587(JP,A)
【文献】 特開2006−050769(JP,A)
【文献】 特開2007−060758(JP,A)
【文献】 特開平10−243526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
B60R 16/02
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状且つ板状に形成され電流値に応じて幅長が定められたバスバと、
前記バスバが配索される配索面、及び、絶縁性材料から形成され前記配索面に直交する高さ方向に沿って当該配索面から前記バスバの前記幅長よりも高く突出し前記バスバを固定する固定部、を有する筐体と、
前記高さ方向に交差する奥行き方向に沿って前記固定部に対向して設けられ相手側コネクタが前記奥行き方向に沿って前記固定部とは反対側から篏合されるコネクタ本体、及び、前記コネクタ本体の前記固定部側から延在するコネクタ配索線を有するコネクタと、
前記高さ方向に沿って延在し前記コネクタ配索線に接続される第1端子部、及び、前記第1端子部の端部から前記奥行き方向に沿って延在し前記バスバに接続される第2端子部を有するL字状のL字端子と、を備え、
前記固定部は、前記配索面とは反対側に設けられる頂部と、前記頂部と前記配索面との間に設けられる側面部とを有し、前記バスバが前記側面部に沿って前記高さ方向に交差する方向に延在し、
前記コネクタ配索線は、前記高さ方向に沿って前記コネクタ本体から前記配索面側に延在し、
前記第1端子部は、前記側面部と前記コネクタ本体との間で当該側面部に対向し、前記第1端子部の前記配索面側の端部が前記コネクタ配索線の前記配索面側の端部に接続され、
前記第2端子部は、前記高さ方向に沿って前記頂部に対向し、当該頂部で前記バスバに接続されることを特徴とする電気接続箱。
【請求項2】
導電性材料により形成された配索材と、
前記配索材に電気的に接続される電気接続箱と、を備え、
前記電気接続箱は、
長尺状且つ板状に形成され電流値に応じて幅長が定められ前記配索材に接続されるバスバと、
前記バスバが配索される配索面、及び、絶縁性材料から形成され前記配索面に直交する高さ方向に沿って当該配索面から前記バスバの前記幅長よりも高く突出し前記バスバを固定する固定部、を有する筐体と、
前記高さ方向に交差する奥行き方向に沿って前記固定部に対向して設けられ相手側コネクタが前記奥行き方向に沿って前記固定部とは反対側から篏合されるコネクタ本体、及び、前記コネクタ本体の前記固定部側から延在するコネクタ配索線を有するコネクタと、
前記高さ方向に沿って延在し前記コネクタ配索線に接続される第1端子部、及び、前記第1端子部の端部から前記奥行き方向に沿って延在し前記バスバに接続される第2端子部を有するL字状のL字端子と、を有し、
前記固定部は、前記配索面とは反対側に設けられる頂部と、前記頂部と前記配索面との間に設けられる側面部とを有し、前記バスバが前記側面部に沿って前記高さ方向に交差する方向に延在し、
前記コネクタ配索線は、前記高さ方向に沿って前記コネクタ本体から前記配索面側に延在し、
前記第1端子部は、前記側面部と前記コネクタ本体との間で当該側面部に対向し、前記第1端子部の前記配索面側の端部が前記コネクタ配索線の前記配索面側の端部に接続され、
前記第2端子部は、前記高さ方向に沿って前記頂部に対向し、当該頂部で前記バスバに接続されることを特徴とするワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続箱及びワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載される従来の電気接続箱として、例えば、特許文献1には、リレー等の各種電子部品が接続されるバスバと、バスバ及び各種電子部品を収容するケースと、バスバをケースに締結する締結部材とを備えるリレーボックスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−115580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の特許文献1に記載のリレーボックスは、例えば、バスバをケースに締結するときに沿面距離を確保するために配索面が相対的に大きくなる場合があり、この場合、当該リレーボックスの設置領域が大きくなり、この点で更なる改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、設置領域が拡大することを抑制できる電気接続箱及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱は、長尺状且つ板状に形成され電流値に応じて幅長が定められたバスバと、前記バスバが配索される配索面、及び、絶縁性材料から形成され前記配索面に直交する高さ方向に沿って当該配索面から前記バスバの前記幅長よりも高く突出し前記バスバを固定する固定部、を有する筐体と、前記高さ方向に交差する奥行き方向に沿って前記固定部に対向して設けられ相手側コネクタが前記奥行き方向に沿って前記固定部とは反対側から篏合されるコネクタ本体、及び、前記コネクタ本体の前記固定部側から延在するコネクタ配索線を有するコネクタと、前記高さ方向に沿って延在し前記コネクタ配索線に接続される第1端子部、及び、前記第1端子部の端部から前記奥行き方向に沿って延在し前記バスバに接続される第2端子部を有するL字状のL字端子と、を備え、前記固定部は、前記配索面とは反対側に設けられる頂部と、前記頂部と前記配索面との間に設けられる側面部とを有し、前記バスバが前記側面部に沿って前記高さ方向に交差する方向に延在し、前記コネクタ配索線は、前記高さ方向に沿って前記コネクタ本体から前記配索面側に延在し、前記第1端子部は、前記側面部と前記コネクタ本体との間で当該側面部に対向し、前記第1端子部の前記配索面側の端部が前記コネクタ配索線の前記配索面側の端部に接続され、前記第2端子部は、前記高さ方向に沿って前記頂部に対向し、当該頂部で前記バスバに接続されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るワイヤハーネスは、導電性材料により形成された配索材と、前記配索材に電気的に接続される電気接続箱と、を備え、前記電気接続箱は、長尺状且つ板状に形成され電流値に応じて幅長が定められ前記配索材に接続されるバスバと、前記バスバが配索される配索面、及び、絶縁性材料から形成され前記配索面に直交する高さ方向に沿って当該配索面から前記バスバの前記幅長よりも高く突出し前記バスバを固定する固定部、を有する筐体と、前記高さ方向に交差する奥行き方向に沿って前記固定部に対向して設けられ相手側コネクタが前記奥行き方向に沿って前記固定部とは反対側から篏合されるコネクタ本体、及び、前記コネクタ本体の前記固定部側から延在するコネクタ配索線を有するコネクタと、前記高さ方向に沿って延在し前記コネクタ配索線に接続される第1端子部、及び、前記第1端子部の端部から前記奥行き方向に沿って延在し前記バスバに接続される第2端子部を有するL字状のL字端子と、を有し、前記固定部は、前記配索面とは反対側に設けられる頂部と、前記頂部と前記配索面との間に設けられる側面部とを有し、前記バスバが前記側面部に沿って前記高さ方向に交差する方向に延在し、前記コネクタ配索線は、前記高さ方向に沿って前記コネクタ本体から前記配索面側に延在し、前記第1端子部は、前記側面部と前記コネクタ本体との間で当該側面部に対向し、前記第1端子部の前記配索面側の端部が前記コネクタ配索線の前記配索面側の端部に接続され、前記第2端子部は、前記高さ方向に沿って前記頂部に対向し、当該頂部で前記バスバに接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る電気接続箱及びワイヤハーネスは、固定部がバスバの幅長よりも高く突出し、当該バスバが固定部の側面部に沿って延在する。この構成により、電気接続箱及びワイヤハーネスは、側面部により沿面距離を稼ぐことができるので、配索面における沿面距離を抑制することができ、当該配索面の大型化を抑制することができる。この結果、電気接続箱及びワイヤハーネスは、電気接続箱を設置する設置領域が拡大することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る電気接続箱の構成例を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電気接続箱の構成例を示す分解斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る電気接続箱の構成例を示す要部の斜視図である。
図4図4は、図1のX−X切断面を示す断面図である。
図5図5は、実施形態に係るL字端子の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0012】
〔実施形態〕
実施形態に係る電気接続箱1、及び、ワイヤハーネス2について説明する。電気接続箱1は、自動車等の車両に搭載され、ワイヤハーネス2に組み込まれるものである。ワイヤハーネス2は、例えば、車両に搭載される各装置間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材Wを各装置に接続するようにしたものである。ワイヤハーネス2は、導電性の配索材Wと、配索材Wに電気的に接続される電気接続箱1とを備える。配索材Wは、例えば、電線、電線束等によって構成される。電線は、複数の導電性の金属素線からなる導体部(芯線)の外側を絶縁性の被覆部によって覆ったものである。電線束は、当該電線を束ねたものである。ワイヤハーネス2は、複数の配索材Wを束ねて集約すると共に、束ねられた配索材Wの端末に設けられた端子や相手側コネクタ2a、2b等を介して電気接続箱1が電気的に接続される。ワイヤハーネス2は、この他、さらに、グロメット、プロテクタ、固定具等を含んで構成されてもよい。
【0013】
電気接続箱1は、コネクタとしての第1及び第2コネクタ部11、12、図示しない第1及び第2リレー等の電装品を集約して収容するものである。電気接続箱1は、例えば、車両に設けられた負荷部に組み付けられ、負荷部に流れる電流を通電又は遮断する。電気接続箱1は、リレーボックスなどとも呼ばれる場合がある。
【0014】
ここで、以下の説明では、電気接続箱1のバスバ21〜26が配索される配索面32fに直交する方向を高さ方向と称する。高さ方向は、アッパカバー31とロアカバー32とを嵌合する方向に沿った方向ともいえる。高さ方向のアッパカバー31側を高さ方向の上側と称し、高さ方向のロアカバー32側を高さ方向の下側と称する。第1コネクタ部11と第2コネクタ部12が並ぶ方向を幅方向と称する。第1及び第2コネクタ部11、12に相手側コネクタ2a、2bが挿入される方向を奥行き方向と称する。高さ方向、幅方向、及び、奥行き方向は、互いに略直交する。
【0015】
電気接続箱1は、図1図5に示すように、第1及び第2コネクタ部11、12と、バスバ群20と、筐体30とを備える。第1コネクタ部11は、相手側コネクタ2aと電気的に接続される部分である。第1コネクタ部11は、第1コネクタ本体11aと、2本の第1配索線11bと、2つの第1L字端子11cとを有する(図5参照)。第1コネクタ本体11aは、図示しない第1コネクタ端子と、当該第1コネクタ端子を収容する第1筒部11dとを有する。第1コネクタ本体11aは、相手側コネクタ2aが第1筒部11dに嵌合され、第1コネクタ端子が相手側コネクタ端子と電気的に接続される。第1配索線11bは、導電部材であり、一端が第1コネクタ端子に接続され、他端が第1L字端子11cに接続される。第1L字端子11cは、L字状に形成され、第1端子部11eと、第2端子部11fとを有する。第1端子部11eは、高さ方向に沿って延在し、第1コネクタ本体11aの第1配索線11bの他端に接続される。第1端子部11eは、例えば、第1コネクタ本体11aの第1配索線11bの他端が高さ方向の下側を向いた状態で、当該第1端子部11eと第1配索線11bの他端とが締め付け部材11gにより締め付けられて固定される。第2端子部11fは、第1端子部11eの他端から奥行き方向に沿って延在する。第2端子部11fは、例えば、後述する第1ボルト41及び第1ナット51等により第1締結柱(固定部)32gに固定されバスバ23に接続される。第1L字端子11cは、第1端子部11eが第1コネクタ本体11aと側面部32jとの間で側面部32jに対向し、且つ、第2端子部11fが第1締結柱32gの頂部32iに対向した状態で第1締結柱32gに固定される。
【0016】
第2コネクタ部12は、第1コネクタ部11と同等に形成される。第2コネクタ部12は、相手側コネクタ2bと電気的に接続される部分である。第2コネクタ部12は、第2コネクタ本体12aと、2本の第2配索線12bと、2つの第2L字端子12cとを有する(図5参照)。第2コネクタ本体12aは、図示しない第2コネクタ端子と、当該第2コネクタ端子を収容する第2筒部12dとを有する。第2コネクタ本体12aは、相手側コネクタ2bが第2筒部12dに嵌合され、第2コネクタ端子が相手側コネクタ端子と電気的に接続される。第2配索線12bは、導電部材であり、一端が第2コネクタ端子に接続され、他端が第2L字端子12cに接続される。第2L字端子12cは、L字状に形成され、第1端子部12eと、第2端子部12fとを有する。第1端子部12eは、高さ方向に沿って延在し、第2コネクタ本体12aの第2配索線12bの他端に接続される。第1端子部12eは、例えば、第2コネクタ本体12aの第2配索線12bの他端が高さ方向の下側を向いた状態で、当該第1端子部12eと第2配索線12bの他端とが締め付け部材12gにより固定される。第2端子部12fは、第1端子部12eの他端から奥行き方向に沿って延在する。第2端子部12fは、例えば、後述する第3ボルト43及び第3ナット53等により第2締結柱(固定部)32hに固定されバスバ23に接続される。第2L字端子12cは、第1端子部12eが第2コネクタ本体12aと側面部32rとの間で当該側面部32rに対向し、且つ、第2端子部12fが第2締結柱32hの頂部32qに対向した状態で第2締結柱32hに固定される。
【0017】
バスバ群20は、複数のバスバ21〜26を含んで構成される。各バスバ21〜26は、金属板から形成された導電部材である。各バスバ21〜26は、金属板に対するプレス加工等によって長尺状且つ板状に形成される。各バスバ21〜26は、例えば、各バスバ21〜26の電流密度と各バスバ21〜26の断面積に基づいて電流容量が定められるため、電気接続箱1が適用される負荷部の電流値に応じて幅長H(図2参照)が定められる。バスバ21は、負荷部に接続される部分である。バスバ21は、高さ方向に沿って延在し、挿通口31j(図4参照)から一部が筐体30の外部に露出する。バスバ22は、バスバ21及び図示しない第1リレーに接続される部分である。バスバ22は、配索面32fに沿って延在する。なお、バスバ22は、高さ方向において配索面32fとの間に間隔を有して配索される。バスバ23は、第1リレー、第1コネクタ部11の一方側の第1L字端子11c、及び、第2コネクタ部12の一方側の第2L字端子12cに接続される部分である。バスバ23は、幅方向に沿って延在する延在部23aと、この延在部23aと奥行き方向に並んで設けられ、幅方向に沿って延在する延在部23bとを有する。バスバ23は、さらに、幅方向の第1締結柱32g側の端部に設けられ延在部23aと延在部23bとを連結する固定片23cと、延在部23bの幅方向の第2締結柱32h側の端部に設けられた固定片23dとを有する。バスバ23は、さらに、延在部23aの幅方向の第1リレー側の端部に設けられ第1リレーに接続される固定片23eを有する。
【0018】
バスバ24は、負荷部に接続される部分である。バスバ24は、高さ方向に沿って延在し、挿通口(不図示)から一部が筐体30の外部に露出する。バスバ25は、バスバ24及び第2リレーに接続される部分である。バスバ25は、配索面32fに沿って延在する。なお、バスバ25は、高さ方向において配索面32fとの間に間隔を有して配索される。バスバ26は、第2リレー、第1コネクタ部11の他方側の第1L字端子11c、及び、第2コネクタ部12の他方側の第2L字端子12cに接続される部分である。バスバ26は、幅方向に沿って延在する延在部26aを有する。バスバ26は、さらに、バスバ26の幅方向の第1締結柱32g側の端部に設けられた固定片26bと、バスバ26の幅方向の第2締結柱32h側の端部に設けられた固定片26cと、バスバ26の略中央部から奥行き方向の第2リレー側に延在し第2リレーに接続される固定片26dとを有する。
【0019】
筐体30は、第1及び第2コネクタ部11、12の一部、及び、バスバ群20等を収容するものである。筐体30は、例えば、絶縁性の合成樹脂で形成される。筐体30は、アッパカバー31と、ロアカバー32とを有する。アッパカバー31は、ロアカバー32と高さ方向に沿って嵌合し、ロアカバー32と共に閉空間を形成する。アッパカバー31は、上面部31aと、側壁部31bと、第1及び第2リレー保持部31c、31dと、第1及び第2接続部31e、31fと、取り付け部31gとを有する。上面部31aは、ロアカバー32の高さ方向の上側の開口部を覆う部分である。上面部31aは、高さ方向から視た場合、略矩形状に形成される。側壁部31bは、上面部31aの外周縁から高さ方向の下側に沿って延在する部分である。側壁部31bは、上面部31aの外周縁の周りに枠状に形成される。
【0020】
第1リレー保持部31cは、上面部31aに設けられ、第1リレーを保持する部分である。第1リレー保持部31cは、高さ方向の上側から視た場合、筒状且つ矩形状に形成される。第1リレー保持部31cは、第1リレーが内側に装着される。第2リレー保持部31dは、第1リレー保持部31cと幅方向に沿って並んで配置され、第1リレー保持部31cと同等に形成される。第2リレー保持部31dは、上面部31aに設けられ、図示しない第2リレーを保持する部分である。第2リレー保持部31dは、高さ方向から視た場合、筒状且つ矩形状に形成される。第2リレー保持部31dは、第2リレーが内側に装着される。
【0021】
第1接続部31eは、上面部31aに設けられ、負荷部が接続される部分である。第1接続部31eは、高さ方向の上側から視た場合、筒状且つ矩形状に形成される。第1接続部31eは、高さ方向の下側の底面が閉塞される。第1接続部31eは、底面に開口された挿通口31j(図4参照)からバスバ21が高さ方向に沿って上側に突出する。第1接続部31eは、バスバ21の突出した部分に負荷部が接続される。第2接続部31fは、第1接続部31eと幅方向に沿って並んで配置され、第1接続部31eと同等に形成される。第2接続部31fは、上面部31aに設けられ、負荷部が接続される部分である。第2接続部31fは、高さ方向の上側から視た場合、筒状且つ矩形状に形成される。第2接続部31fは、高さ方向の下側の底面が閉塞される。第2接続部31fは、底面に開口された挿通口(不図示)からバスバ24が高さ方向に沿って上側に突出する。第2接続部31fは、バスバ24の突出した部分に負荷部が接続される。
【0022】
取り付け部31gは、側壁部31bが一部平坦状に形成された平坦部31hを複数有し、この各平坦部31hに孔部31iが形成される。取り付け部31gは、アッパカバー31とロアカバー32とが嵌合された状態で、孔部31iに挿通された締結部材(不図示)が、リング部材32wを介して電気接続箱1を設置する設置面の孔部に締結されることにより電気接続箱1が設置面に固定される。
【0023】
ロアカバー32は、各バスバ21〜26等を収容する有底の筒状の部材である。ロアカバー32は、底面部32aと、側壁部32bと、第1及び第2コネクタ保持部32c、32dと、固定部としての締結柱32eと、絶縁リブ32pとを有する(図2等参照)。底面部32aは、高さ方向の下側を閉塞する部分である。底面部32aは、高さ方向から視た場合、略矩形状に形成される。底面部32aは、各バスバ21〜26を配索する配索面32fを有する。配索面32fは、底面部32aの高さ方向の上側の面部である。側壁部32bは、底面部32aの外周縁から高さ方向の上側に沿って延在する部分である。側壁部32bは、底面部32aの外周縁の周りに枠状に形成される。第1コネクタ保持部32cは、第1コネクタ本体11aを固定する部分である。第1コネクタ保持部32cは、奥行き方向の一方側の側壁部32bに設けられる。第1コネクタ保持部32cは、側壁部32bが第1コネクタ本体11aの外形に合わせて奥行き方向に開口されて形成される。第1コネクタ保持部32cは、この開口に第1コネクタ本体11aが嵌合されることで当該第1コネクタ本体11aを保持する。第2コネクタ保持部32dは、第1コネクタ保持部32cと幅方向に沿って並んで配置され、第1コネクタ保持部32cと同等に形成される。第2コネクタ保持部32dは、第2コネクタ本体12aを固定する部分である。第2コネクタ保持部32dは、奥行き方向の一方側の側壁部32bに設けられる。第2コネクタ保持部32dは、側壁部32bが第2コネクタ本体12aの外形に合わせて奥行き方向に開口されて形成される。第2コネクタ保持部32dは、この開口に第2コネクタ本体12aが嵌合されることで当該第2コネクタ本体12aを保持する。
【0024】
締結柱32eは、各バスバ23、26を締結する部分である。締結柱32eは、絶縁性材料から形成され、例えば、直方体形状に形成される。締結柱32eは、例えば、第1締結柱32gと、第2締結柱32hとを有する。第1締結柱32gは、配索面32fから高さ方向に沿ってバスバ23、26の幅長Hよりも高く突出する。第1締結柱32gは、配索面32fとは反対側(高さ方向の上側)に設けられる頂部32iと、頂部32iと配索面32fとの間に設けられる側面部32jとを有する。第1締結柱32gは、この頂部32iに第1及び第2凹部32k、32mが設けられる。第1凹部32kと第2凹部32mとは、幅方向に沿って並んで配置される。第1凹部32kは、頂部32iの平面部32nよりも窪んで形成され、第1ボルト41の頭部41aが固定される。第2凹部32mは、頂部32iの平面部32nよりも窪んで形成され、第2ボルト42の頭部42aが固定される。絶縁リブ32pは、絶縁性材料から形成される。絶縁リブ32pは、配索面32fから高さ方向に沿ってバスバ23、26の幅長Hよりも高く突出し、第1締結柱32gと同等の高さに形成される。絶縁リブ32pは、板状に形成され、第1締結柱32gの第1リレー側の側面部32jから奥行き方向に沿って延在し、さらに、幅方向の第2締結柱32h側に延在する。
【0025】
第2締結柱32hは、第1締結柱32gと幅方向に並んで配置され、第1締結柱32gと同等に形成される。第2締結柱32hは、配索面32fから高さ方向に沿ってバスバ23、26の幅長Hよりも高く突出する。第2締結柱32hは、配索面32fとは反対側に設けられる頂部32qと、頂部32qと配索面32fとの間に設けられる側面部32rとを有する。第2締結柱32hは、頂部32qに第1及び第2凹部32s、32tが設けられる。第1凹部32sと第2凹部32tとは、幅方向に沿って並んで配置される。第1凹部32sは、頂部32qの平面部32uよりも窪んで形成され、第3ボルト43の頭部43aが固定される。第2凹部32tは、頂部32qの平面部32uよりも窪んで形成され、第4ボルト44の頭部44aが固定される。
【0026】
バスバ23は、当該バスバ23の固定片23cの孔部と一方側の第1L字端子11cの孔部とが第1ボルト41に挿入された状態で、当該第1ボルト41に第1ナット51が締結される。この締結により、バスバ23は、当該バスバ23及び一方側の第1L字端子11cが第1締結柱32gに固定される。さらに、バスバ23は、当該バスバ23の固定片23dの孔部と一方側の第2L字端子12cの孔部とが第3ボルト43に挿入された状態で、第3ボルト43に第3ナット53が締結される。この締結により、バスバ23は、当該バスバ23及び一方側の第2L字端子12cが第2締結柱32hに固定される。そして、バスバ23は、延在部23bが第1締結柱32gの第1コネクタ部11側の側面部32jに沿って幅方向に延在する。また、バスバ23は、延在部23bが第2締結柱32hの第2コネクタ部12側の側面部32rに沿って幅方向に延在する。また、バスバ23は、延在部23aが絶縁リブ32pの第1リレー側の側面部32vに沿って幅方向に沿って延在する。
【0027】
バスバ26は、当該バスバ26の固定片26bの孔部と他方側の第1L字端子11cの孔部とが第2ボルト42に挿入された状態で、第2ボルト42に第2ナット52が締結される。この締結により、バスバ26は、当該バスバ26及び他方側の第1L字端子11cが第1締結柱32gに固定される。さらに、バスバ26は、当該バスバ26の固定片26cの孔部と他方側の第2L字端子12cの孔部とが第4ボルト44に挿入された状態で、第4ボルト44に第4ナット54が締結される。この締結により、バスバ26は、当該バスバ26及び他方側の第2L字端子12cが第2締結柱32hに固定される。そして、バスバ26は、延在部26aが第1締結柱32gの第1リレー側の側面部32jに沿って幅方向に延在し、さらに、第2締結柱32hの第2リレー側の側面部32rに沿って幅方向に延在する。本実施形態では、バスバ26の延在部26aとバスバ23の延在部23aとの奥行き方向に重なる部分が絶縁リブ32pにより区切られる。
【0028】
以上のように、実施形態に係る電気接続箱1は、バスバ23、26と、筐体30とを備える。ワイヤハーネス2は、さらに、電気接続箱1に電気的に接続される配索材Wを備える。バスバ23、26は、長尺状且つ板状に形成され電流値に応じて幅長Hが定められる。筐体30は、配索面32fと締結柱32eとを有する。配索面32fは、バスバ23、26が配索される。締結柱32eは、絶縁性材料から形成され、配索面32fに直交する高さ方向に沿って当該配索面32fからバスバ23、26の幅長Hよりも高く突出し、バスバ23、26を固定する。締結柱32eは、配索面32fとは反対側に設けられる頂部32i、32qと、頂部32i、32qと配索面32fとの間に設けられる側面部32j、32rとを有する。そして、締結柱32eは、バスバ23、26が側面部32j、32rに沿って高さ方向に交差する方向(幅方向)に延在する。
【0029】
この構成により、電気接続箱1及びワイヤハーネス2は、バスバ23、26が締結柱32eの側面部32j、32rに沿って延在するので、配索面32f以外の部分で沿面距離を稼ぐことができる。この構成により、電気接続箱1及びワイヤハーネス2は、バスバ23、26が配索面32fに延在することを抑制することができる。つまり、電気接続箱1及びワイヤハーネス2は、側面部32j、32rにより沿面距離を稼ぐことができるので、その分配索面32fにおける沿面距離を抑制することが可能となり、当該配索面32fの大型化を抑制することができる。また、電気接続箱1及びワイヤハーネス2は、配索面32fに設けられる絶縁リブ32pを可能な限り省略することができる。この結果、電気接続箱1及びワイヤハーネス2は、筐体30の配索面32fを相対的に小さくすることが可能となり、電気接続箱1を設置する設置領域が拡大することを抑制できる。
【0030】
上記電気接続箱1は、L字状に形成された第1及び第2L字端子11c、12cを備える。第1L字端子11cは、高さ方向に沿って延在し第1コネクタ部11の第1配索線11bに接続される第1端子部11e、及び、第1端子部11eの端部から高さ方向に交差する方向(奥行き方向)に沿って延在する第2端子部11fを有する。そして、第1L字端子11cは、第1端子部11eが第1コネクタ本体11aと側面部32jとの間で当該側面部32jに対向し、且つ、第2端子部11fが頂部32iに対向した状態で、第2端子部11fがバスバ23、26に接続される。この構成により、電気接続箱1は、第1コネクタ部11の第1配索線11bが高さ方向に沿って第1端子部11eに接続されるので、第1配索線11bの長さの誤差を吸収することができる。つまり、電気接続箱1は、第1配索線11bに余剰が生じても当該第1配索線11bを高さ方向の下側に延在させることで、余剰分を吸収することができる。この構成により、電気接続箱1は、第1コネクタ部11の組み付け性を向上させることができる。なお、第2L字端子12cは、第1L字端子11cと同等に構成され、第1L字端子11cと同等の作用効果を有する。
【符号の説明】
【0031】
1 電気接続箱
2 ワイヤハーネス
2a、2b 相手側コネクタ
11 第1コネクタ部(コネクタ)
11b 第1配索線(配索線)
11c 第1L字端子
11e、12e 第1端子部
11f、12f 第2端子部
12 第2コネクタ部(コネクタ)
12b 第2配索線(配索線)
12c 第2L字端子
21〜26 バスバ
23c〜23e、26b〜26d 固定片
30 筐体
32e 締結柱(固定部)
32g 第1締結柱(固定部)
32h 第2締結柱(固定部)
32f 配索面
32i、32q 頂部
32j、32r 側面部
W 配索材
図1
図2
図3
図4
図5