(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。また、本明細書において「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」等の方向を表す用語が用いられる場合、それらは車両用灯具が車両に装着されたときの姿勢における方向を意味する
【0023】
まず、実施の形態に係る発明を得るに至った経緯を説明する。
通常、年をとると視力が低下するため、年齢が高い運転者にとっては照射光の相関色温度が高い方が視認性が向上する。もちろん、若者であっても視力が低い運転者には、照射光の相関色温度が高い方が視認性が向上する。
【0024】
また、発明者らの検討によると、走行状況によって、光源モジュールひいては車両用灯具の照射光に最適な相関色温度は異なる。表1は、走行状況ごとの最適な相関色温度をまとめたものである。
【表1】
【0025】
しかしながら、従来の光源モジュールおよび車両用灯具は、その照射光の相関色温度は固定されており、運転者の視力や走行状況等に基づいて調整することができない。以上の知見から、本発明者らは、実施の形態に係る発明を得るに至った。
【0026】
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施形態に係る車両用灯具10の構成を示す断面図である。車両用灯具10は、車体前部の左右両側にそれぞれ配置され、前照灯として機能する。車両用灯具10は、ランプボディ12と、透光カバー14と、灯具ユニット18と、ブラケット20と、を備える。
以降、灯具の前後方向をX方向、灯具の左右方向(すなわち車両の車幅方向)をY方向、灯具の上下方向をZ方向として説明する。
【0027】
ランプボディ12は開口を有する箱状に形成される。この開口に透光カバー14が取り付けられる。灯具ユニット18は、ランプボディ12と透光カバー14とによって形成される灯室16内に配置される。灯具ユニット18は、例えばプロジェクタ型の光学ユニットであり、光源モジュール22と、投影レンズ24と、レンズホルダ26と、放熱フィン38と、ファン40と、を含む。
【0028】
光源モジュール22は、その照射軸が灯具ユニット18の照射方向(
図1では左方向)と略平行となるようブラケット20に固定される。レンズホルダ26は、その後方側がブラケット20に固定される。
【0029】
投影レンズ24は、レンズホルダ26の前方側に固定される。投影レンズ24は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズである。投影レンズ24の後方焦点近傍には、光源モジュール22が配置されている。光源モジュール22から出射した光は、投影レンズ24に直接入射する。投影レンズ24に入射した光は、投影レンズ24で集光されて略平行な光として前方に照射される。
【0030】
ブラケット20は、エイミングスクリュー30によってランプボディ12に傾動自在に支持される。エイミングスクリュー30が回転するとブラケット20が傾動し、それに伴って灯具ユニット18が傾動する。これにより、灯具ユニット18の光軸を水平方向および鉛直方向に調整できる。
【0031】
放熱フィン38は、ブラケット20の後方側の面に設けられる。放熱フィン38は、主に光源モジュール22が発した熱を放熱する。ファン40は、放熱フィン38とランプボディ12との間に設けられる。ファン40は、放熱フィン38に向けて空気を送風し、放熱フィン38を冷却する。
【0032】
図2は、
図1の光源モジュール22を灯具正面から(すなわちX方向から)見た図である。
図2では、波長変換部材56および反射部材58の表示は省略する。
図3は、
図2のA−A線断面図である。光源モジュール22は、基板50と、4つの第1LED素子(発光素子)52a〜52dと、4つの第2LED素子54a〜54dと、波長変換部材56と、反射部材58と、を含む。以下、第1LED素子52a〜52dをまとめていうときや特に区別しないときには単に「第1LED素子52」と呼ぶ。同様に、第2LED素子54a〜54dをまとめていうときや特に区別しないときには単に「第2LED素子54」と呼ぶ。
【0033】
基板50は、熱伝導性が高い材料によって平板状に形成される。4つの第1LED素子52a〜52dおよび4つの第2LED素子54a〜54dは、基板50上に配置される。すなわち、これらは同一の基板50上に配置される。
【0034】
第1LED素子52a、第2LED素子54b、第1LED素子52c、第2LED素子54dは、この順にY方向に並ぶよう基板50上に配置される。また、これらと平行に、第2LED素子54a、第1LED素子52b、第2LED素子54c、第1LED素子52dが、この順にY方向に並ぶよう基板50上に配置される。これにより、第1LED素子52は、Y方向およびZ方向において第2LED素子54と隣り合う。したがって、当然、第2LED素子54は、Y方向およびZ方向において第1LED素子52と隣り合う。
【0035】
第1LED素子52は、420〜485nmの波長域に主波長を有する青色の光を発するLED素子である。第2LED素子54は、577〜587nmの波長域に主波長を有するアンバー色の光を発するLED素子である。
【0036】
波長変換部材56は、4つの第1LED素子52a〜52dおよび4つの第2LED素子54a〜52dの光路上に配置される。本実施の形態では、波長変換部材56は、4つの第1LED素子52a〜52dの発光面60a〜60dと4つの第2LED素子54a〜54dの発光面62a〜62dとに対向するよう配置される。
【0037】
波長変換部材56は、第1LED素子52が発する青色の光の一部を、550〜570nmの波長域に主波長を有する黄色の光に変換するとともに、第1LED素子52が発する青色の光の他の少なくとも一部を透過させる。また、波長変換部材56は、第2LED素子54が発するアンバー色の光を実質的に透過させる。例えば、波長変換部材56は、第2LED素子54が発するアンバー色の光を50%以上透過させてもよい。
【0038】
具体的には、波長変換部材56には蛍光体が含まれている。この蛍光体は、第1LED素子52が発する青色の光の一部を吸収して、ランバーシアンに黄色の光を発光する。第1LED素子52が発する青色の光の他の少なくとも一部は、蛍光体に吸収されることなく波長変換部材56から出射される。また、第2LED素子54が発するアンバー色の光は、実質的に蛍光体に吸収されることなく(例えば70%以上が蛍光体に吸収されることなく)波長変換部材56から出射される。第2LED素子54が発するアンバー色の光は特に、蛍光体で拡散されて、波長変換部材56から出射される。
【0039】
波長変換部材56を透過した青色の光と波長変換部材56によって黄色に変換された光とが混色され、白色光が生成される。本実施の形態では、この白色光に、波長変換部材56を透過したアンバー色の光がさらに混色される。後述のように、白色光に混色させるアンバー色の輝度を変化させることにより、白色光の色温度を変化させることができる。
【0040】
図4は、XY色度図を示す。
図4において矩形の領域Rは車両用灯具の白色規格範囲を示す。また、グラフBは黒体放射軌跡を示している。色度点P1、P2はそれぞれ、第1LED素子52と波長変換部材56とに基づく白色光の色度点、第2LED素子54からのアンバー色の光の色度点を示している。色度点P1の相関色温度は6000K〜7200Kであり、色度点P2の主波長は577〜587nmである。白色光とアンバー色の光の混色の比率を変化させることにより、色度点P1と色度点P2とを結ぶ直線上で任意に相関色温度を調整できる。
図4から明らかなように、白色規格範囲内で色温度を変化させることができる。特に、黒体放射軌跡に沿って白色光の色温度を調整できる。
【0041】
図2,3に戻り、反射部材58は、LED素子からの光を反射する。これにより、波長変換部材56に直接向かわずに反射部材58に到達した光も反射され、照射光として利用される。そのため、光源モジュール22ひいては車両用灯具10における光源の利用効率が向上し、より明るい光を実現する、あるいは同じ明るさの光を低消費電力で実現できる。
【0042】
第1LED素子52と第2LED素子54との間隔は、波長変換部材56から出射される光ひいては光源モジュール22から出射される光の輝度ムラおよび色ムラを抑えることを考慮しながら、実験やこれまでの知見を用いて適宜設計される。
【0043】
第1LED素子52と第2LED素子54との間隔は、好ましくは、第1LED素子52と第2LED素子54とが並ぶ並設方向における第1LED素子52の幅と、当該並設方向における第2LED素子54の幅とのうちの小さい方の幅以下とされる。その間隔は、より好ましくは、第1LED素子52と第2LED素子54とが並ぶ並設方向における第1LED素子52の幅と、当該並設方向における第2LED素子54の幅とのうちの小さい方の幅の1/2倍以下とされる。
【0044】
本実施の形態では、第1LED素子52と第2LED素子54とはY方向およびZ方向に並んでいる。Y方向におけるの第1LED素子52と第2LED素子54との間隔Gyは、好ましくは、「Gy≦min(W1y,W2y)」とされる。ここで、W1yはY方向における第1LED素子52の幅であり、W2yはY方向における第2LED素子54の幅である。間隔Gyは、より好ましくは、「Gy≦min(1/2×W1y,1/2×W2y)」とされる。
【0045】
Z方向における第1LED素子52と第2LED素子54との間隔Gzは、好ましくは、「Gz≦min(W1z,W2z)」とされる。ここで、W1zはZ方向における第1LED素子52の幅であり、W2zはZ方向における第2LED素子54の幅である。間隔G
Zは、より好ましくは、「Gz≦min(1/2×W1z,1/2×W2z)」とされる。なお
図2では、Gy=Gz、W1y=W2y=W1z=W2zの場合が示されている。
【0046】
図5は、
図1の車両用灯具10を備える車両灯具システム100を示すブロック図である。車両灯具システム100は、車両用灯具10と、車両制御部66と、を備える。
【0047】
車両制御部66は、車両用灯具10を統合的に制御する。車両制御部66は、ランプのオン、オフの点消灯指令S1、走行状況を示す情報(走行情報)S2などを車両用灯具10に送信する。点消灯指令S1には、ユーザからの光源モジュール22のオン、オフの指示に加えて、光源モジュール22から照射される白色光の相関色温度の調整指示が含まれる。走行情報S2には、運転時間(運転を開始してからの時間)、車速、降雨状況などが含まれる。
【0048】
車両用灯具10は、灯具制御部72と、2つの駆動回路76と、をさらに備える。
灯具制御部72は、車両制御部66からの点消灯指令S1および走行情報S2に基づいて、第1LED素子52と第2LED素子54とを個別に制御する。具体的には、灯具制御部72は、点消灯指令S1および走行情報S2に基づいて調光信号S3を生成する。駆動回路76は、この調光信号S3に応じた駆動電流I
LEDをLED素子に供給する。
【0049】
灯具制御部72は、走行情報S2が示す運転時間が所定時間(例えば30分)より短い場合や、走行情報S2が示す車速が所定値(例えば80km/h)以上の場合(すなわち高速道を走行中であると判断される場合)、光源モジュール22ひいては車両用灯具10から照射される白色光の相関色温度が比較的高く(例えば6000〜7200Kに)なるよう第1LED素子52および第2LED素子54を制御する。具体的には、灯具制御部72は、青色の光を発する第1LED素子52の輝度を上げる、またはアンバー色の光を発する第2LED素子の輝度を下げる、あるいはこれらを併用することにより、光源モジュール22ひいては車両用灯具10から照射される白色光の相関色温度を比較的高くする。なお、灯具制御部72は、車速の増加に応じて相関色温度が高くなるよう第1LED素子52および第2LED素子54の輝度を制御してもよい。
【0050】
また灯具制御部72は、走行情報S2が降雨中であることを示す場合、光源モジュール22ひいては車両用灯具10から照射される白色光の相関色温度が比較的低く(例えば2800〜4000Kに)なるよう第1LED素子52および第2LED素子54を制御する。具体的には、灯具制御部72は、青色の光を発する第1LED素子52の輝度を下げる、またはアンバー色の光を発する第2LED素子の輝度を上げる、あるいはこれらを併用することにより、光源モジュール22ひいては車両用灯具10から照射される白色光の相関色温度を比較的低くする。なお、灯具制御部72は、降雨量の増加に応じて相関色温度が低くなるよう第1LED素子52および第2LED素子54の輝度を制御してもよい。
【0051】
また灯具制御部72は、走行情報S2が示す車速が所定値(例えば80km/h)未満の場合(すなわち市街地を走行中であると判断される場合)、光源モジュール22ひいては車両用灯具10から照射される白色光の相関色温度が中程度(例えば4000〜6000K)になるよう第1LED素子52および第2LED素子54を制御する。
【0052】
また灯具制御部72は、点消灯指令S1に含まれる相関色温度の調整指示に基づいて第1LED素子52および第2LED素子54を制御する。例えば、相関色温度を高くする指示の場合、灯具制御部72は、青色の光を発する第1LED素子52の輝度を上げる、またはアンバー色の光を発する第2LED素子の輝度を下げる、あるいはこれらを併用する。また例えば、相関色温度を低くする指示の場合、灯具制御部72は、青色の光を発する第1LED素子52の輝度を下げる、またはアンバー色の光を発する第2LED素子の輝度を上げる、あるいはこれらを併用する
【0053】
以上説明した本実施の形態に係る光源モジュール22によると、第1LED素子52と第2LED素子54とを個別に制御して、白色光における第2LED素子54からのアンバー色の光の比率を変化させることにより、白色光の色温度を白色規格内で調整できる。
【0054】
また、本実施の形態に係る光源モジュール22によると、第1LED素子52と第2LED素子54との間隔は、好ましくは、第1LED素子52の幅と第2LED素子54の幅とのうちの小さい方の幅の1/2倍以下とされる。この場合、光源モジュール22から出射される光の輝度ムラおよび色ムラを抑えることができる。
【0055】
また、本実施の形態に係る車両用灯具10によると、走行状況に適した相関色温度に自動で調整される。これにより、視認性が向上し、安全性が向上する。
【0056】
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態に係る光源モジュール122を示す。
図6は
図2に対応する。光源モジュール122は、基板50と、4つの第1LED素子52a〜52dと、2つの第2LED154a〜154bと、2つの第3LED155a〜155bと、波長変換部材(不図示)と、反射部材(不図示)と、を含む。
【0057】
第2LED154a〜154bは、582〜700nmの波長域に主波長を有するアンバー色から赤色の光を発するLED素子である。第3LED素子155a〜155bは、551〜582nmの波長域に主波長を有する緑色からアンバー色の光を発するLED素子である。
【0058】
波長変換部材は、第1の実施の形態と同様に、第1LED素子52が発する青色の光の一部を、550〜570nmに主波長を有する黄色の光に変換するとともに、第1LED素子52が発する青色の光の他の少なくとも一部を透過させる。また、波長変換部材は、第2LED素子154が発するアンバー色から赤色の光を実質的に透過させる。例えば、波長変換部材は、第2LED素子154が発するアンバー色から赤色の光を50%以上透過させてもよい。さらに、波長変換部材は、第3LED素子155が発する緑色から緑色からアンバー色の光を実質的に透過させる。例えば、波長変換部材は、第3LED素子155が発する緑色からアンバー色の光を50%以上透過させてもよい。
【0059】
具体的には、波長変換部材の蛍光体が、第1LED素子52が発する青色の光の一部を吸収して、ランバーシアンに黄色の光を発光する。第1LED素子52が発する青色の光の他の少なくとも一部は、蛍光体に吸収されることなく波長変換部材から出射される。また、第2LED素子154が発するアンバー色から赤色の光は、蛍光体に実質的に吸収されることなく(例えば70%以上が蛍光体によって吸収されることなく)波長変換部材から出射される。第2LED素子154が発するアンバー色から赤色の光は特に、蛍光体で拡散されて、波長変換部材から出射される。
【0060】
また、第3LED素子155が発する緑色からアンバー色の光は、蛍光体に実質的に吸収されることなく(例えば70%以上が蛍光体によって吸収されることなく)波長変換部材から出射される。第3LED素子155が発する緑色からアンバー色の光は特に、蛍光体で拡散されて、波長変換部材から出射される。
【0061】
波長変換部材を透過した青色の光と波長変換部材によって黄色に変換された光とが混色された白色光が生成される。本実施の形態では、この白色光に、波長変換部材を透過したアンバー色から赤色の光と緑色からアンバー色の光がさらに混色される。したがって、白色光に混色させるアンバー色から赤色の光および/または緑色からアンバー色の光の比率を変化させることにより、白色光の色温度を白色規格内で変色させることができる。
【0062】
図7は、XY色度図を示す。色度点P1、P2、P3はそれぞれ、第1LED素子52と波長変換部材56とに基づく白色光の色度点、第2LED素子154からのアンバー色から赤色の光の色度点、第3LED素子155からの緑色からアンバー色の光の色度点を示している。色度点P1の相関色温度は6000K〜7200Kであり、色度点P2の主波長は551〜582nmであり、色度点P3の主波長は582〜700nmであり、白色光と、アンバー色から赤色光と、緑色からアンバー色の光との混色の比率を変化させることにより3個の色度点、P1、P2、P3で囲む3角形の範囲内で任意に相関色温度を調整できる。したがって、
図7から明らかなように、白色規格範囲内で黒体放射上のすべての白色で発光させることができる。
【0063】
以上説明した本実施の形態に係る光源モジュール122によると、第1の実施の形態に係る光源モジュール22によって奏される作用効果と同様の作用効果が奏される。加えて、本実施の形態に係る光源モジュール122によると、3色の光を混色して照射光を生成するため、白色規格内で黒体放射状のすべての白色に変色させることができる。
【0064】
(第3の実施の形態)
図8は、第3の実施の形態に係る車両用灯具210の構成を示す断面図である。車両用灯具210は、車体前部の左右両側にそれぞれ配置され、前照灯として機能する。車両用灯具210は、ランプボディ212と、透光カバー214と、灯具ユニット218と、ブラケット220と、エクステンション234と、を備える。
【0065】
ランプボディ212は開口を有する箱状に形成される。この開口に透光カバー214が取り付けられる。ランプボディ212と透光カバー214とによって形成される灯室216内には、灯具ユニット218と、ブラケット220と、エクステンション234とが配置される。
【0066】
ブラケット220は、灯具ユニット218を支持する。ブラケット220は、エイミングスクリュー230によってランプボディ212に傾動自在に支持される。エイミングスクリュー230が回転するとブラケット220が傾動し、それに伴って灯具ユニット218が傾動する。これにより、灯具ユニット218の光軸を水平方向および鉛直方向に調整できる。
【0067】
エクステンション234は、ランプボディ212の開口部と灯具ユニット218との間の領域を覆うように配置される。これにより、車両用灯具210の内部構造を隠すことができる。
【0068】
灯具ユニット218は、本実施の形態ではパラボラ型の光学ユニットであり、光源モジュール222と、リフレクタ224と、支持部材226と、放熱フィン238と、ファン240と、を含む。支持部材226は、前後方向に延在する部材であり、その後方側がブラケット220に固定される。
【0069】
放熱フィン238は、支持部材226の上面に設けられる。放熱フィン238は、主に光源モジュール222が発した熱を放熱する。ファン240は、放熱フィン238とランプボディ212との間に設けられる。ファン240は、放熱フィン238に向けて空気を送風し、放熱フィン238を冷却する。
【0070】
光源モジュール222は、主光軸がやや灯具後方を向くよう支持部材226の下面に取り付けられる。
【0071】
図9は、
図8の光源モジュール222の概略断面図である。光源モジュール222は、基板250と、1つの第1光源251と、2つの第2光源252と、1つの第3光源253と、を含む。基板250は、熱伝導性が高い材料によって平板状に形成される。
【0072】
第1光源251、第2光源252、および第3光源253は、互いに異なる相関色温度の光を照射する。本実施の形態では、第1光源251は相関色温度Tc1(特に、Tc1>6,500K)の光を照射し、第2光源252は相関色温度Tc2(特に、3,000K≦Tc2≦6,500K)の光を照射し、第3光源253は相関色温度Tc3(特に、Tc3<3,000K)の光を照射する。これらの光により白色光が生成される。本実施の形態では特に、第1光源251、第2光源252、第3光源253のそれぞれが照射する光の出力を変化させることにより、白色光の相関色温度を調整することができる。
【0073】
具体的には、第1光源251は、LED素子(発光素子)280と、第1波長変換部材291と、を含む。第2光源252は、LED素子280と、第2波長変換部材292と、を含む。第3光源253は、LED素子280と、第3波長変換部材293と、を含む。すなわち、各光源は、実質的に同一の波長域に主波長を有する光を発するLED素子を含む。
【0074】
第1波長変換部材291、第2波長変換部材292、第3波長変換部材293はそれぞれ、対応するLED素子280の光路上に配置される。本実施の形態では、第1波長変換部材291、第2波長変換部材292、第3波長変換部材293はそれぞれ、対応するLED素子280の発光面280aに対向するよう配置される。
【0075】
第1波長変換部材291、第2波長変換部材292、第3波長変換部材293にはそれぞれ、第1蛍光体241、第2蛍光体242、第3蛍光体243を含んでいる。各蛍光体は、対応するLED素子280が発する光の一部を吸収して、LED素子280が発する光とは波長が異なる光を発光する。
【0076】
本実施の形態では、各光源の構成に関して下記(1)〜(3)の少なくとも1つが異なる。これにより、各光源は、実質的に同一の波長域に主波長を有するLED素子280の光に基づいて、互いに相関色温度の異なる光を照射できる。
(1)第1蛍光体241の組成と第2蛍光体242の組成と第3蛍光体243の組成
(2)第1波長変換部材291に含まれる第1蛍光体241の濃度と第2波長変換部材292に含まれる第2蛍光体242の濃度と第3波長変換部材293に含まれる第3蛍光体243の濃度、または第1波長変換部材291に含まれる第1蛍光体241の賦活剤濃度と第2波長変換部材292に含まれる第2蛍光体242の賦活剤濃度と第3波長変換部材293に含まれる第3蛍光体243の賦活剤濃度
(3)第1波長変換部材291の厚みと第2波長変換部材292の厚みと第3波長変換部材293の厚み
【0077】
一例としては、LED素子280は、420〜490nmの波長域に主波長(ドミナント波長)を有する光を発する。第1波長変換部材291は、LED素子280からの光の一部を560〜568nmの波長域に主波長を有する光に変換するとともにLED素子280が発する光の他の少なくとも一部を透過させる。これにより、第1光源251は、第1波長変換部材291を透過した光と第1波長変換部材291によって波長が変換された光とが混合された相関色温度Tc1の光を照射する。
【0078】
第2波長変換部材292は、LED素子280からの光の一部を568〜576nmの波長域に主波長を有する光に変換するとともにLED素子280が発する光の他の少なくとも一部を透過させる。これにより、第2光源252は、第2波長変換部材292を透過した光と第2波長変換部材292によって波長が変換された光とが混合された相関色温度Tc2の光を照射する。
【0079】
第3波長変換部材293は、LED素子280からの光の一部を576〜584nmの波長域に主波長を有する光に変換するとともにLED素子280が発する光の他の少なくとも一部を透過させる。これにより、第3光源253は、第3波長変換部材293を透過した光と第3波長変換部材293によって波長が変換された光とが混合された相関色温度Tc3の光を照射する。
【0080】
図8に戻り、リフレクタ224は、支持部材226の下方に位置するようブラケット220の前面に取り付けられる。リフレクタ224は、光源モジュール222が発した光を灯具前方に向けて集光する光学部材として機能する。具体的には、リフレクタ224は、1つの第1光源251、2つの第2光源252、および1つの第3光源253から照射される光を部分的にまたは全体的に重畳した合成配光パターンとして灯具前方に向けて照射する。言い換えると、リフレクタ224は、各光源からの光を部分的にまたは全体的に重畳しうる形状に形成されている。
【0081】
したがって、第1光源251から照射される相関色温度Tc1の光の出力、2つの第2光源252から照射される相関色温度Tc2の光の出力、第3光源253から照射される相関色温度Tc3の光の出力を変化させることにより、それらの合成配光パターンの相関色温度を部分的または全体的に変化させることができる。すなわち、配光パターンの色を部分的または全体的に、同系色の範囲内(本実施の形態では白色の範囲内)で変化させることができる。なお、特に、白色規格範囲内で変化させてもよい。
【0082】
図10は、
図8の車両用灯具210を備える車両灯具システム300を示すブロック図である。車両灯具システム300は、車両用灯具210と、車両制御部266と、を備える。
【0083】
車両制御部266は、車両用灯具210を統合的に制御する。車両制御部266は、ランプのオン、オフの点消灯指令S1、走行状況を示す情報(走行情報)S2などを車両用灯具210に送信する。点消灯指令S1には、ユーザからの光源モジュール222のオン、オフの指示に加えて、光源モジュール222から照射される白色光の相関色温度についてのユーザからの調整指示が含まれる。走行情報S2には、運転時間(運転を開始してからの時間)、車速、降雨状況などが含まれる。
【0084】
車両用灯具210は、灯具制御部272と、3つの駆動回路276と、をさらに備える。
灯具制御部272は、車両制御部266からの点消灯指令S1および走行情報S2に基づいて、第1光源251、2つの第2光源252、および第3光源253を個別に制御する。具体的には、灯具制御部272は、点消灯指令S1および走行情報S2に基づいて調光信号S3を生成する。駆動回路276は、この調光信号S3に応じた駆動電流I
LEDをLED素子280に供給する。
【0085】
灯具制御部272は、走行情報S2が示す運転時間が所定時間(例えば30分)より短い場合や、走行情報S2が示す車速が所定値(例えば80km/h)以上の場合(すなわち高速道を走行中であると判断される場合)、光源モジュール222ひいては車両用灯具210から照射される白色光の相関色温度が比較的高く(例えば5500〜7000Kに)なるよう各光源を制御する。例えば、灯具制御部272は、第1光源251の出力を上げる(すなわち第1光源251のLED素子280の出力を上げる)、または第3光源253の出力を下げる(すなわち第3光源253のLED素子280の出力を下げる)、あるいはこれらを併用することにより、光源モジュール222ひいては車両用灯具210から照射される白色光の相関色温度を比較的高くする。なお、灯具制御部272は、車速の増加に応じて光源モジュール222からの白色光の相関色温度が比較的高くなるよう第1光源251、第2光源252、第3光源253の出力を制御してもよい。
【0086】
また灯具制御部272は、走行情報S2が降雨中であることを示す場合、光源モジュール222ひいては車両用灯具210から照射される白色光の相関色温度が比較的低く(例えば2500〜3200Kに)なるよう各光源を制御する。例えば、灯具制御部272は、第3光源253の出力を上げる、または第1光源251の出力を下げる、あるいはこれらを併用することにより、光源モジュール222ひいては車両用灯具210から照射される白色光の相関色温度を比較的低くする。なお、灯具制御部272は、降雨量の増加に応じて光源モジュール222からの白色光の相関色温度が低くなるよう第1光源251、第2光源252、第3光源253の出力を制御してもよい。
【0087】
また灯具制御部272は、走行情報S2が示す車速が所定値(例えば80km/h)未満の場合(すなわち市街地を走行中であると判断される場合)、光源モジュール222ひいては車両用灯具210から照射される白色光の相関色温度が中程度(例えば3200〜5500K)になるよう各光源を制御する。例えば、灯具制御部272は、第2光源252の出力を上げる(すなわち第2光源のLED素子280の出力を上げる)、または第1光源251および第3光源253の出力を下げる、あるいはこれらを併用することにより、光源モジュール222ひいては車両用灯具210から照射される白色光の相関色温度が中程度になるよう制御する。
【0088】
また灯具制御部272は、点消灯指令S1に含まれる相関色温度についてのユーザからの調整指示に基づいて第1光源251、第2光源252、および第3光源253を制御する。例えば、相関色温度を高くする指示が含まれる場合、灯具制御部272は、第1光源251の出力を上げる、または第3光源253の出力を下げる、あるいはこれらを併用する。また例えば、相関色温度を低くする指示が含まれる場合、灯具制御部272は、第3光源253の出力を上げる、または第1光源251の出力を下げる、あるいはこれらを併用する。また例えば、相関色温度を中程度にする指示が含まれる場合、灯具制御部272は、第2光源252の出力を上げる、または第1光源251および第3光源253の出力を下げる、あるいはこれらを併用する。
【0089】
以上説明した本実施の形態に係る光源モジュール222によると、第1光源251と、第2光源252と、第3光源253とを個別に制御して、各光源からの光の出力を変化させることにより、白色光の色温度を調整することができる。
【0090】
また、本実施の形態に係る車両用灯具210によると、各光源からの光が重畳した合成配光パターンが形成され、その合成配光パターンの相関色温度を部分的または全体的に変化させることができる。すなわち、配光パターンの色を部分的にまたは全体的に、白色の範囲内で変化させることができる。
【0091】
また、本実施の形態に係る車両用灯具210によると、走行状況に適した相関色温度に自動で調整される。また、ユーザの好みの相関色温度に調整できる。これにより、視認性が向上し、安全性が向上する。
【0092】
(第4の実施の形態)
図11は、第4の実施の形態に係る光源モジュール322の概略断面図を示す。
図11は
図9に対応する。光源モジュール322は、基板250と、第1光源351と、第2光源352と、反射部材395と、を含む。第1光源351は相関色温度Tc1の光を照射し、第2光源352は相関色温度Tc2(>Tc1)の光を照射する。本実施の形態では、第1光源351の照射光と第2光源352の照射光との相関色温度差は500K以上(すなわち(Tc2−Tc1)≧500K)とされる。
【0093】
具体的には、第1光源351は、第1LED素子381と、波長変換部材390と、を含む。第2光源352は、第2LED素子382と、波長変換部材390と、を含む。すなわち、本実施の形態では、各光源は、異なる主波長を有する光を発するLED素子を含む。また、各光源は、実質的に同一の構成の波長変換部材を含む。波長変換部材390には、所定の蛍光体(不図示)を含んでいる。この蛍光体は、第1LED素子381や第2LED素子382が発する光の一部を吸収してそれらが発する光とは波長が異なる光を発する。つまり、本実施の形態では、第1光源351および第2光源352は、それぞれのLED素子が異なる主波長を有する光を発することにより、互いに異なる相関色温度の光を照射する。
【0094】
一例としては、第1LED素子381は、430〜450nmの波長域に主波長を有する光を発する。第2LED素子382は、450〜475nmの波長域に主波長を有する光を発する。
【0095】
反射部材395は、隣接する光源同士を仕切るよう設けられる。反射部材395は、第1LED素子381または第2LED素子382からの光を波長変換部材390に向けて反射する。これにより、対応する波長変換部材390に直接向かわずに反射部材395に到達した光も照射光として利用される。そのため、光源モジュール222ひいては車両用灯具210における光源の利用効率が向上し、より明るい光を実現する、あるいは同じ明るさの光を低消費電力で実現できる。また、反射部材395は、隣接する光源同士を仕切るように設けられるため、第1光源351の第1LED素子381からの光が第2光源352の波長変換部材390に入射して意図せず発光するのを抑止できる。同様に、第2光源352の第2LED素子382からの光が第1光源351の波長変換部材390に入射して意図せず発光するのを抑止できる。
【0096】
以上説明した本実施の形態に係る光源モジュール322によると、第3の実施の形態に係る光源モジュール222によって奏される作用効果と同様の作用効果が奏される。加えて、本実施の形態に係る光源モジュール322によると、各光源の波長変換部材の構成は同じであるため、光源モジュール322は比較的簡単な構成となる。したがって、光源モジュール322の加工コストを低減できる。
【0097】
(第5の実施の形態)
図12は、第5の実施の形態に係る光源モジュール422の概略断面図を示す。
図12は
図11に対応する。光源モジュール422は、基板250と、第1光源451と、第2光源452と、反射部材395と、を含む。第1光源451は相関色温度Tc1の光を照射し、第2光源452は相関色温度Tc2(>Tc1)の光を照射する。本実施の形態では、第1光源451の照射光と第2光源452の照射光との相関色温度差は500K以上(すなわちTc2−Tc1≧500K)とされる。
【0098】
第1光源451の波長変換部材390と第2光源452の波長変換部材390とは一体に形成され、第1光源451の第1LED素子381の発光面381aと第2光源452の第2LED素子382の発光面382aの両方に対向する。
【0099】
以上説明した本実施の形態に係る光源モジュール422によると、第4の実施の形態に係る光源モジュール322によって奏される作用効果と同様の作用効果が奏される。
【0100】
(第6の実施の形態)
図13は、第6の実施の形態に係る光源モジュール522の概略断面図を示す。
図13は
図11に対応する。光源モジュール522は、基板250と、第1光源551と、第2光源352と、反射部材395と、を含む。
【0101】
第1光源551は、第1LED素子581と、第3LED素子583と、波長変換部材390と、を含む。つまり、第1光源551は2種類のLED素子を含む。波長変換部材390は、第1LED素子581および第3LED素子583の光路上に配置される。本実施の形態では、波長変換部材390は、第1LED素子581の発光面581aと第3LED素子583の発光面583aとに対向するよう配置される。
【0102】
第1LED素子581が発する光の一部は波長変換部材390によって波長が変換され、第1LED素子581が発する光の他の少なくとも一部は波長変換部材390を透過する。一方、第3LED素子583が発する光は波長変換部材390を実質的に透過する。例えば、第3LED素子583が発する光の50%以上が透過してもよい。
【0103】
波長変換部材390によって波長が変換された光と、波長変換部材390を透過した第1LED素子581からの光と、波長変換部材390を実質的に透過した第3LED素子583からの光と、に基づいて相関色温度がTc1の白色光が生成される。
【0104】
一例としては、第1LED素子581は、420〜490nmの波長域に主波長を有する青色の光を発する。第3LED素子583は、577〜700nmの波長域に主波長を有するアンバー色から赤色の光を発する。
【0105】
波長変換部材390は、第1LED素子581が発する青色の光の一部を、560〜568nmの波長域に主波長を有する黄色の光に変換するとともに、第1LED素子581が発する青色の光の他の少なくとも一部を透過させる。また、波長変換部材390は、第3LED素子583が発するアンバー色から赤色の光を実質的に透過させる。例えば、波長変換部材390は、第3LED素子583が発するアンバー色から赤色の光を50%以上透過させてもよい。
【0106】
具体的には、波長変換部材390には蛍光体が含まれている。この蛍光体は、第1LED素子581が発する青色の光の一部を吸収して、ランバーシアンに黄色の光を発光する。第1LED素子581が発する青色の光の他の少なくとも一部は、蛍光体に吸収されることなく波長変換部材390から出射される。また、第3LED素子583が発するアンバー色の光は、実質的に蛍光体に吸収されることなく(例えば50%以上が蛍光体に吸収されることなく)波長変換部材390から出射される。第3LED素子583が発するアンバー色から赤色の光は特に、波長変換部材390で拡散されて、波長変換部材390から出射される。
【0107】
波長変換部材390を透過した青色の光と波長変換部材390によって黄色に変換された光とが混色され、白色光が生成される。本実施の形態では、この白色光に、波長変換部材390を透過したアンバー色の光がさらに混色される。白色光に混色させるアンバー色の出力を変化させることにより、白色光の相関色温度Tc1を変化させることができる。
【0108】
以上説明した本実施の形態に係る光源モジュール522によると、第1光源551と第2光源352とを個別に制御して各光源からの光の出力を変化させることにより、白色光の相関色温度を調整できる。
【0109】
以上、実施の形態に係る光源モジュールおよび車両用灯具の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0110】
(第1変形例)
第1〜2の実施の形態では、光源モジュール22が2×4列のLED素子を含む場合について説明したが、これに限られない。光源モジュール22が複数のLED素子を含み、それら複数のLED素子がm×1(mは2以上の整数)、1×n(nは2以上の整数)、m×n(m、nはいずれも2以上の整数)で配列されてもよい。
【0111】
(第2変形例)
第1〜2の実施の形態では特に言及しなかったが、波長変換部材は、蛍光体と異なる屈折率をもつ成分を含み、光拡散機能を有していてもよい。これにより、波長変換部材内における各色の光の散乱が著しくなり、波長変換部材から出射される光ひいては光源モジュール22から照射される光の輝度ムラおよび色ムラがより低減する。また、蛍光体と異なる屈折率をもつ成分の代わりに、または蛍光体と異なる屈折率をもつ成分とともに、波長変換部材の表面に凹凸が形成されてもよい。表面の凹凸によっても同様の効果が得られる。
【0112】
(第3変形例)
第1〜2の実施の形態では、第1LED素子52が青色の光を発し、波長変換部材が青色の光の一部を吸収して黄色の光を発光する蛍光体を含む場合について説明したが、これに限られない。第1LED素子52は紫外光を発し、波長変換部材は紫外光の一部を吸収して青色の光を発光する蛍光体と、紫外光の他の少なくとも一部を吸収して黄色の光を発光する蛍光体と、を含んでいてもよい。この場合、波長変換部材により変換された青色の光と黄色の光とによって、白色光が形成される。
【0113】
(第4変形例)
第1〜2の実施の形態では、灯具制御部72に送信される走行情報S2が運転時間、車速、降雨状況を含む場合について説明したが、これに限られない。例えば走行情報S2は、カーナビからの情報を含んでもよい。この場合、灯具制御部72は、高速道路を走行中か市街地を走行中かを容易に判断できる。また例えば、走行情報S2は、車両前方を撮影するカメラからの画像を含んでもよい。この場合、灯具制御部72は、カメラの画像から、市街地を走行中か高速道路を走行中が判断できる。
【0114】
(第5変形例)
第3の実施の形態では、光源モジュール222が、1つの第1光源251と、2つの第2光源252と、1つの第3光源と、を含む場合について説明したが、これに限られない。光源モジュール222は、2つ以上の第1光源251を含んでもよい。また、光源モジュール222は、1つまたは3つ以上の第2光源を含んでもよい。また光源モジュール222は、2つ以上の第3光源253を含んでもよい。すなわち、各光源からの光により白色光が生成でき、かつ、各光源の出力を変化させることによりその白色光の相関色温度を変化できれば、第1光源251の数、第2光源252の数、第3光源253の数は問わない。
第4〜6の実施の形態についても同様のことがいえる。
【0115】
(第6変形例)
第3の実施の形態では、光源モジュール222が、第1光源251、第2光源252、第3光源253の3種類の光源を含む場合について説明したが、これに限られない。光源モジュールは、互いに相関色温度の異なる光を照射する2種類の光源、または互いに相関色温度の異なる光を照射する4種類以上の光源を含んでもよい。すなわち、互いに相関色温度の異なる光を照射する複数種類の光源からの光により白色光が生成でき、かつ、各種類の光源の出力を変化させることによりその白色光の相関色温度を変化できれば、光源の種類の数は問わない。
第4〜6の実施の形態についても同様のことがいえる。
【0116】
(第7変形例)
第6の実施の形態では、第1光源551が第1LED素子581と第3LED素子583とを1つずつ含む場合について説明したが、これに限られず、第1光源は複数の第1LED素子581を含んでも、複数の第3LED素子583を含んでもよい。また、第2光源が第1光源551と同様に構成されてもよい。すなわち、第2光源が、波長変換部材390を実質的に透過する光を発するLED素子をさらに含んでもよい。
【0117】
(第8変形例)
第3〜6の実施の形態では特に言及しなかったが、波長変換部材は、光拡散機能を含んでもよい。これにより、波長変換部材内における各色の光の散乱が著しくなり、波長変換部材から出射される光ひいては光源モジュール222から照射される光の輝度ムラおよび色ムラが低減する。
【0118】
(第9変形例)
第3〜6の実施の形態では、灯具制御部272に送信される走行情報S2が運転時間、車速、降雨状況を含む場合について説明したが、これに限られず、その他の情報を含んでもよい。例えば走行情報S2は、カーナビからの情報を含んでもよい。この場合、灯具制御部272は、高速道路を走行中か市街地を走行中かを容易に判断できる。また例えば、走行情報S2は、車両前方を撮影するカメラからの画像を含んでもよい。この場合、灯具制御部272は、カメラの画像から、市街地を走行中か高速道路を走行中が判断できる。