特許第6935360号(P6935360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6935360
(24)【登録日】2021年8月27日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】エレベーターの運行監視システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/02 20060101AFI20210906BHJP
   B66B 5/04 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   B66B5/02 X
   B66B5/04 Z
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-85524(P2018-85524)
(22)【出願日】2018年4月26日
(65)【公開番号】特開2019-189416(P2019-189416A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2020年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 悠太
(72)【発明者】
【氏名】土井 裕介
【審査官】 今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第206735561(CN,U)
【文献】 特開2016−222438(JP,A)
【文献】 特開平09−077412(JP,A)
【文献】 特開2008−143698(JP,A)
【文献】 特開2012−224435(JP,A)
【文献】 特表2013−505180(JP,A)
【文献】 特開2004−352448(JP,A)
【文献】 特開2009−202999(JP,A)
【文献】 特開2012−121695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00 − 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3種類の加速度センサを備えたエレベーターの運行監視システムであって、
前記加速度センサは、かごに設置された前記かごの移動方向の加速度を検出する垂直方向の加速度センサと、前記かごのかごドアに設置された前記かごドアの開閉方向の加速度を検出する水平方向の加速度センサと、前記かごドアに設置された前記かごドアの開閉方向と垂直な乗り場方向の加速度を検出する乗り場方向の加速度センサと、を含み、
前記垂直方向の加速度センサから得られた情報に基づいて前記かごの移動を検出するかご監視部と、
前記水平方向の加速度センサから得られた情報に基づいて前記かごドアの開閉を検出し、前記乗り場方向の加速度センサから得られた情報に基づいて前記かごドアの乗り場方向の振動を検出するドア監視部と
前記垂直方向の加速度センサが予め定められた値以上の加速度を検出し、前記かご監視部が前記かごの緊急停止と判定し、前記水平方向の加速度センサが予め定められた値以上の前記かごドアが開く方向の加速度を検出し、前記ドア監視部が前記かごドアが開いたと判定したとき、前記エレベーターの異常を示す情報を監視センターに送信する外部通報部を備え、
前記外部通報部は、前記エレベーターの異常を前記監視センターに送信する場合、前記乗り場方向の加速度センサが予め定められた値以上の加速度を検出したことを示す情報を添付するとき、前記かごの乗客により前記かごドアが開けられた可能性を示す情報を含め、前記乗り場方向の加速度センサが予め定められた値以上の加速度を検出していないことを示す情報を添付するとき、前記かごドアが自由に開かないようにする機器の不良である可能性を示す情報を含める、
レベーターの運行監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエレベーターの運行監視システムに関し、例えば少なくとも3種類の加速度センサを備えたエレベーターに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なエレベーターでは、エレベーターの制御信号に基づいて、エレベーターの異常を検出している。また、エレベーターの制御信号を取得できない旧型のエレベーター等については、エレベーターの異常を検知するために、様々な取り組みが行われている。
【0003】
近年、エレベーターのかごに加速度センサを設置し、加速度センサからの出力に基づいて、ドアの開閉動作の異常原因を特定する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−222438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、エレベーターの異常を十分に検出することができないという問題がある。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、加速度センサを用いてエレベーターの異常を検出可能な運行監視システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、少なくとも3種類の加速度センサを備えたエレベーターの運行監視システムであって、前記加速度センサは、かごに設置された前記かごの移動方向の加速度を検出する垂直方向の加速度センサと、前記かごのかごドアに設置された前記かごドアの開閉方向の加速度を検出する水平方向の加速度センサと、前記かごドアに設置された前記かごドアの開閉方向と垂直な乗り場方向の加速度を検出する乗り場方向の加速度センサと、を含み、前記垂直方向の加速度センサから得られた情報に基づいて前記かごの移動を検出するかご監視部と、前記水平方向の加速度センサから得られた情報に基づいて前記かごドアの開閉を検出し、前記乗り場方向の加速度センサから得られた情報に基づいて前記かごドアの乗り場方向の振動を検出するドア監視部と、前記垂直方向の加速度センサが予め定められた値以上の加速度を検出し、前記かご監視部が前記かごの緊急停止と判定し、前記水平方向の加速度センサが予め定められた値以上の前記かごドアが開く方向の加速度を検出し、前記ドア監視部が前記かごドアが開いたと判定したとき、前記エレベーターの異常を示す情報を監視センターに送信する外部通報部を備え、前記外部通報部は、前記エレベーターの異常を前記監視センターに送信する場合、前記乗り場方向の加速度センサが予め定められた値以上の加速度を検出したことを示す情報を添付するとき、前記かごの乗客により前記かごドアが開けられた可能性を示す情報を含め、前記乗り場方向の加速度センサが予め定められた値以上の加速度を検出していないことを示す情報を添付するとき、前記かごドアが自由に開かないようにする機器の不良である可能性を示す情報を含めるようにした。
【0008】
上記構成によれば、加速度センサから得られた情報に基づいて、かごの移動、かごドアの開閉、かごドアの乗り場方向の振動を把握できるので、例えば、エレベーターの所定の異常を検出できるようになる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エレベーターの保守性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態によるエレベーターの運行監視システムに係る構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施の形態によるエレベーターの模式図である。
図3】第1の実施の形態による加速度センサ、かご状態監視装置、および外部通報装置に係る構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施の形態による異常監視処理に係る処理手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)第1の実施の形態
図1において、1は全体として第1の実施の形態によるエレベーターの運行監視システムを示す。エレベーターの運行監視システム1では、例えば、エレベーターが緊急停止した際、エレベーターの異常を検出し、その異常の原因を特定することができる。かかるエレベーターの運行監視システム1について説明する。
【0013】
エレベーターの運行監視システム1では、図1に示すように、かご2とつり合いおもり3とが主ロープ4により連結され、主ロープ4が巻き掛けられた巻き上げ機5を駆動することで、主ロープ4を介してかご2とつり合いおもり3とが昇降路内6をつるべ式に昇降する構成を有する。また、かご2には、テールコード7が設けられ、テールコード7を介して電力および制御信号の授受が行われている。
【0014】
また、図2に示すように、かご2のかごドア8には、少なくとも3種類の加速度センサ9が設けられている。加速度センサ9は、少なくとも、かごドア8の開閉方向の加速度を検出する水平方向(X軸方向)の加速度センサと、かご2の移動方向(昇降方向)の加速度を検出する垂直方向(Y軸方向)の加速度センサと、かごドア8の開閉方向と垂直な乗り場方向(Z軸方向)の加速度を検出する乗り場方向の加速度センサと、を備える。加速度センサ9は、検出した加速度を加速度データとしてかご状態監視装置10に常時(例えば、微小時間ごとに)送信する。
【0015】
かご状態監視装置10は、加速度センサ9から送信された加速度データに基づいて、加速度データを記録し、エレベーターの状態(かご2が移動しているか停止しているか、かごドア8が開いたか閉じたか、乗客によりかごドア8が押されたか否か等)の検出を行い、外部通報装置11に検出結果を送信する。
【0016】
外部通報装置11は、かご状態監視装置10から送信された検出結果に基づいて、発報内容を選定するとともに、公衆回線12を通じて監視センター13に発報内容を送信する。
【0017】
監視センター13は、外部通報部111から公衆回線12を通じて送信された発報内容を担当営業所14に送信する。
【0018】
続いて、図3を用いて、加速度センサ9、かご状態監視装置10、および外部通報装置11の詳細について説明する。
【0019】
加速度センサ9は、水平方向の加速度センサ91を用いて開閉方向の加速度を検出し、開閉加速度送信部92を用いて開閉加速度記録部1011に開閉方向の加速度を送信する。また、加速度センサ9は、垂直方向の加速度センサ93を用いて移動方向の加速度を検出し、移動加速度送信部94を用いて移動加速度記録部1013に移動方向の加速度を送信する。また、加速度センサ9は、乗り場方向の加速度センサ95を用いて乗り場方向の加速度を検出し、乗り場加速度送信部96を用いて乗り場加速度記録部1015に乗り場方向の加速度を送信する。
【0020】
かご状態監視装置10は、計算機(コンピュータ)の一例であり、ノートパソコン、携帯端末等であり、図示は省略するCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、通信装置などを含んで構成される。
【0021】
かご状態監視装置10の機能(加速度記録部101、監視制御部102など)は、例えば、CPUがROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路などのハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。また、かご状態監視装置10の機能の一部は、かご状態監視装置10と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
【0022】
加速度記録部101では、加速度センサ9から送信された加速度を開閉加速度記録部1011と移動加速度記録部1013と乗り場加速度記録部1015とを用いて記録する。また、加速度記録部101では、加速度センサ9から送信された加速度を開閉加速度送信部1012と移動加速度送信部1014と乗り場加速度送信部1016とを用いて、監視制御部102に送信する。
【0023】
監視制御部102では、加速度記録部101から送信された加速度に基づいて、かご監視部1021とドア監視部1022とでエレベーターの状態を検出し、検出結果を検出結果送信部1023を用いて外部通報装置11に送信する。
【0024】
かご監視部1021は、例えば、垂直方向の加速度センサ93から得られた情報(例えば、移動方向の加速度)に基づいて、かご2の移動を検出する。ドア監視部1022は、例えば、水平方向の加速度センサ91から得られた情報(例えば、開閉方向の加速度)に基づいて、かごドア8の開閉を検出する。また、ドア監視部1022は、例えば、乗り場方向の加速度センサ95から得られた情報(乗り場方向の加速度)に基づいて、かごドア8の乗り場方向の振動を検出する。
【0025】
外部通報装置11は、計算機(コンピュータ)の一例であり、ノートパソコン、携帯端末、制御盤等であり、図示は省略するCPU、RAM、ROM、HDD、通信装置などを含んで構成される。
【0026】
外部通報装置11の機能(例えば、外部通報部111)は、例えば、CPUがROMに格納されたプログラムをRAMに読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路などのハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。また、外部通報装置11の機能の一部は、外部通報装置11と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
【0027】
外部通報部111では、監視制御部102から送信された検出結果に基づいて、発報内容を選定し、公衆回線12を通じて監視センター13に発報内容を送信する。
【0028】
例えば、外部通報部111は、垂直方向の加速度センサ93が予め定められた値以上の移動方向の加速度を検出し、かご監視部1021がかご2の緊急停止と判定し、水平方向の加速度センサ91から予め定められた値以上のかごドア8が開く方向の加速度を検出し、ドア監視部1022がかごドア8が開いたと判定したとき、エレベーターの異常を監視センター13に送信する。
【0029】
続いて、図4を用いて、エレベーターの運行監視システム1において、エレベーターの異常を監視する処理(異常監視処理)について説明する。図4は、異常監視処理に係る処理手順の一例を示す図である。
【0030】
ステップS11では、かご監視部1021は、かご2が走行中であるか否かを判定する。かご監視部1021は、垂直方向の加速度センサ93がかご2の移動方向の加速度Ayを検出し、移動速度Vyがゼロ「0」でない(かご2が走行中である)と判定した場合、エレベーターが運転を開始したことを確認し、ステップS12に処理を移し、移動速度Vyがゼロ「0」である(かご2が停止中である)と判定した判定した場合、ステップS11に処理を移す。
【0031】
ここで、移動速度Vyについては、かご2の移動方向の加速度Ayの積分値より算出される。例えば、等加速度運動を行うと仮定して、次式を基に算出できる。
Vy=Ay・t(Vy:移動速度、Ay:移動方向の加速度、t:微小時間)
【0032】
ステップS12では、かご監視部1021は、かご2が緊急停止したか否かを判定する。かご監視部1021は、垂直方向の加速度センサ93が予め定められた値以上の加速度Ayを検出した場合、かご2の緊急停止と判定し、ステップS13に処理を移し、垂直方向の加速度センサ93が予め定められた値未満の加速度Ayを検出した場合、かご2が正常に動作していると判定し、ステップS11に処理を移す。
【0033】
ステップS13では、ドア監視部1022は、停止時にかごドア8が開いたか否かを判定する。ドア監視部1022は、水平方向の加速度センサ91が予め定められた値以上のかごドア8が開く方向の加速度Axを検出した場合、かごドア8が開いたと判定し、ステップS14に処理を移し、水平方向の加速度センサ91が予め定められた値未満のかごドア8が開く方向の加速度Axを検出した場合、かごドア8が開いていないと判定し、ステップS15に処理を移す。
【0034】
なお、かごドア8が開いたか否かを加速度Axを用いて判定する構成に限られるものではなく、例えば、かごドア8の走行距離Xxを用いて判定するようにしてもよい。この場合、かごドア8の走行距離Xxについては、移動速度Vyと同様に等加速度運動を行うと仮定して、次式を基に算出できる。
Xx=1/2Ax・t(Xx:かごドア8の走行距離、Ax:かごドア8の開閉方向の加速度、t:微小時間)
【0035】
ステップS14では、外部通報部111は、エレベーターの異常を示す情報(かご2が緊急停止したこと、かごドア8が開いたことによりかご2が緊急停止したこと等)を監視センター13に送信(発報)する。かかる処理によれば、担当営業所14は、エレベーターの異常を把握できるようになるので、エレベーターの復旧作業を迅速に行うことができる。
【0036】
より詳細には、ステップS141〜ステップS143の処理を行ってもよい。
【0037】
ステップS141では、ドア監視部1022は、乗客がかごドア8をこじ開けたか否か(乗客のいたずらによるドア開であるか否か)を判定する。ドア監視部1022は、乗り場方向の加速度センサが予め定められた値以上の加速度Azを検出し、乗客がかごドア8をこじ開けたと判定した場合、乗客のいたずらによるドア開であると判定し、ステップS142に処理を移し、乗り場方向の加速度センサが予め定められた値未満の加速度Azを検出し、乗客がかごドア8をこじ開けていないと判定した場合、かごドア8が自由に開かないようにする機器の不良(かごドア8のロック不良)によりかごドア8が開いたと判定し、ステップS143に処理を移す。
【0038】
ステップS142では、外部通報部111は、乗り場方向の加速度センサ95からの予め定められた値以上の乗り場方向の加速度Azを検出したことを示す情報を添付して監視センター13に送信する。
【0039】
ステップS143では、外部通報部111は、乗り場方向の加速度センサ95からの予め定められた値以上の乗り場方向の加速度Azを検出していないことを示す情報を添付して監視センター13に送信する。
【0040】
なお、ステップS142では、外部通報部111は、添付する情報に、乗客によりかごドア8が開けられた可能性を示す情報を含め、ステップS143では、添付する情報に、かごドア8が自由に開かないようにする機器の不良である可能性を示す情報を含めてもよい。かかる情報を含めることで、担当営業所14は、ドア開による緊急停止の原因を容易に把握することができるようになる。
【0041】
ステップS15では、外部通報部111は、かごドア8以外の原因で緊急停止した旨を監視センター13に送信する。
【0042】
上述したように、エレベーターの運行監視システム1では、加速度センサ9から得られた情報に基づいて、かご2の移動、かごドア8の開閉、かごドア8の乗り場方向の振動を把握できる。かかる構成によれば、エレベーターの所定の異常(かご2の緊急停止、かごドア8以外の原因によるかご2の緊急停止、かごドア8の保全不良によるかご2の緊急停止、かごドア8のこじ開けによるかご2の緊急停止など)を検出できるようになる。
【0043】
また、かご2の移動方向の加速度、およびかごドア8の開閉方向の加速度に基づいて、かご2の緊急停止時の原因がドア開によるものであるか否かを特定できる。かかる構成によれば、担当営業所14は、かご2の緊急停止の原因について、かごドア8のドア開が原因であるか、かごドア8以外が原因であるかを識別できるので、エレベーターの復旧作業を迅速に行うことができる。
【0044】
また、かご2の緊急停止の原因がドア開である場合には、乗客がかごドア8をこじ開けたことが原因であるか、かごドア8の保全不良が原因であるかを判定できる。かかる構成によれば、担当営業所14は、ドア開の原因を把握できるので、エレベーターの復旧作業をより迅速に行うことができる。
【0045】
上述した構成によれば、エレベーターの保守性を高めることができる。
【0046】
(2)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明をエレベーターの運行監視システム1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法に広く適用することができる。
【0047】
また上述の実施の形態においては、3種類の加速度センサ9は、1つの装置で実現される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、3種類の加速度センサ9は、2つの装置で実現されてもよいし、3つの装置で実現されてもよい。つまり、かご2の移動方向の加速度を検出する垂直方向の加速度センサは、かご2の任意の個所(かごドア8であってもよいし、他の個所であってもよい。)に設置される。かごドア8の開閉方向の加速度を検出する水平方向の加速度センサは、かごドア8の任意の個所に設置される。かごドア8の開閉方向と垂直な乗り場方向の加速度を検出する乗り場方向の加速度センサは、かごドア8の任意の個所に設置される。
【0048】
また上述の実施の形態においては、加速度センサ9が開閉加速度送信部92、移動加速度送信部94、および乗り場加速度送信部96を備える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、加速度センサ9がX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向の加速度を一度に送信する加速度送信部を備えるようにしてもよい。
【0049】
また上述の実施の形態においては、監視制御部102がかご状態監視装置10に設けられる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、監視制御部102が外部通報装置11に設けられるようにしてもよい。
【0050】
また上述の実施の形態においては、外部通報部111が外部通報装置11に設けられる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、外部通報部111がかご状態監視装置10に設けられるようにしてもよい。
【0051】
また、上記の説明において各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0052】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1……エレベーターの運行監視システム、2……かご、8……かごドア、9……加速度センサ、91……水平方向の加速度センサ、93……垂直方向の加速度センサ、95……乗り場方向の加速度センサ、111……外部通報部、1021……かご監視部、1022……ドア監視部。
図1
図2
図3
図4