(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンテンツ決定部は、前記移動速度に基づいて定まる前記通信端末と前記デジタルサイネージとの相対速度が遅いほど、広告コンテンツに含まれる情報が多い広告コンテンツを決定する、
請求項7に記載の広告制御装置。
前記広告種別決定部は、前記デジタルサイネージと前記所定の位置関係にある複数の通信端末それぞれのユーザの特性情報に関連付けられた広告種別を決定し、決定した広告種別が複数のユーザの特性情報に関連付けられた場合、前記複数のユーザの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する、
請求項1から10のいずれか一項に記載の広告制御装置。
前記デジタルサイネージと前記所定の位置関係にある複数の通信端末それぞれの位置の変化に基づいて、前記複数の通信端末それぞれの移動先の位置を推定する推定部をさらに備え、
前記広告種別決定部は、前記推定部が推定した位置が、前記デジタルサイネージと前記所定の位置関係にある通信端末のユーザの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の広告制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態の概要を説明するための図である。広告制御システムSは、広告制御装置1と、デジタルサイネージ2と、通信端末3と、特性情報データベース4と、広告種別データベース5とを備える。広告制御システムSは、デジタルサイネージ2が出力する広告を制御するシステムである。
【0020】
広告制御装置1は、デジタルサイネージ2と、通信端末3と、特性情報データベース4と、広告種別データベース5とインターネットや電話回線等の通信ネットワークを介して接続され、情報を送受信できる。広告制御装置1は、他の装置から情報を取得して、デジタルサイネージ2に出力させる広告を管理する。
【0021】
デジタルサイネージ2は情報・広告媒体である。デジタルサイネージ2は、例えば、駅又は空港等の公共施設、地下道、商店、又はビルの壁面等に設置され、画像又は文字を表示する表示部を備える。
【0022】
通信端末3は、例えば、ユーザUが所持するスマートフォン等のコンピュータである。通信端末3は、通信端末3の位置を示す位置情報を取得する。通信端末3は、広告制御装置1と携帯電話網の基地局を介して情報を送受信する。
【0023】
特性情報データベース4は、ユーザ識別情報と、当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの特性を示す特性情報とを関連付けて記憶するデータベースである。特性情報は、ユーザが興味を示す物事を示す情報である。ユーザが興味を示す物事を示す情報は、ユーザの好む物事を示す嗜好情報である。広告制御装置1は、ユーザIDに関連付けて、ユーザIDで特定されるユーザの属性情報と、ユーザの行動履歴とを記憶し、ユーザの属性情報とユーザの行動履歴とに基づいて、ユーザIDごとに嗜好情報を定める。ユーザの属性情報は、例えば年齢、性別、職業、住所である。ユーザの行動履歴は、例えば、商品またはサービスの購買履歴、アクセスしたサイトの履歴である。嗜好情報は、例えば、酒、化粧品、スポーツ等である。
【0024】
広告種別データベース5は、特性情報と、広告の種別を示す広告種別とを関連付けて記憶するデータベースである。広告種別は、広告対象を分類する分類情報である。分類情報は、商品又はサービスの種類を示す種類情報である。種類情報は、例えば、酒、化粧品、スポーツ用品等である。なお、広告制御装置1は、特性情報データベース4と、広告種別データベース5とを含んでいてもよい。
以下、広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させる処理の流れを説明する。
【0025】
まず、通信端末3は、通信端末3の位置を示す位置情報と通信端末3のユーザUを識別するためのユーザ識別情報(以下、ユーザIDという)と関連付けて広告制御装置1に送信する。広告制御装置1は、通信端末3から位置情報とユーザIDとを関連付けて取得する(
図1の(1))。広告制御装置1は、特性情報データベース4を参照して、ユーザIDに関連付けられた特性情報を取得する(
図1の(2))。広告制御装置1は、広告種別データベース5を参照して、特性情報に関連付けられた広告種別を決定する(
図1の(3))。
【0026】
広告制御装置1は、位置情報が示す通信端末3の位置に存在するユーザUが見ることができる位置に設置されたデジタルサイネージ2に広告種別により分類される広告対象を広告するための広告コンテンツを出力させる(
図1の(4))。なお、
図1において、破線で示す矢印は、ユーザUの視線を模式的に示す。広告コンテンツは、例えば、広告対象を広告するための動画、又は静止画である。
【0027】
このようにすることで、広告制御装置1は、通信端末3から取得したユーザIDで識別されるユーザUが興味を示す物事を広告するための広告コンテンツを、ユーザUが見ることができる位置に設置されたデジタルサイネージ2に出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0028】
[通信端末3の機能]
通信端末3は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信モジュールを含み、GPS衛星から受信した信号に基づいて特定した通信端末3の位置を示す位置情報を広告制御装置1に送信する。通信端末3は、歩行者自律航法(Pedestrian Dead Reckoning;PDR)を用いて位置を特定してもよい。具体的には、通信端末3は、加速度を測定するセンサーを含み、センサーが測定した値に基づいて通信端末3の移動方向と移動量とを推定することにより、通信端末3の位置を特定する。
【0029】
[デジタルサイネージ2の機能構成]
図2は、デジタルサイネージ2の機能構成を示す図である。デジタルサイネージ2は、通信部21と、表示部22と、記憶部23と、制御部24とを備える。通信部21は、広告制御装置1と情報を送受信するための通信インターフェースである。通信部21は、例えば、LAN(Local Area Network)モジュールを備える。
【0030】
表示部22は、例えば液晶ディスプレイである。表示部22は、制御部24の制御に基づいて広告コンテンツを表示する。記憶部23は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶する。記憶部23は、広告種別に対応する広告コンテンツを記憶してもよい。
【0031】
制御部24は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、デジタルサイネージの各機能構成部を制御する機能を実現する。制御部24は、通信部21を介して広告制御装置1から広告種別を示す情報、又は広告コンテンツを取得する。
【0032】
[広告制御装置1の機能構成]
図3は、広告制御装置1の機能構成を示す図である。広告制御装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、デジタルサイネージ2と、通信端末3と、特性情報データベース4と、広告種別データベース5と、情報を送受信するための通信インターフェースである。通信部11は、例えば、LANモジュールを備える。記憶部12は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。
【0033】
制御部24は、例えばCPU等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、端末情報取得部131、特性情報取得部132、広告種別決定部133、出力制御部134、及び選択部135としての機能を実現する。端末情報取得部131は、通信端末3から位置情報と、ユーザIDとを関連付けて取得する。
【0034】
選択部135は、広告コンテンツを出力させるデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDを選択する。例えば、選択部135は、端末情報取得部131が取得した位置情報が示す通信端末3の位置と所定の位置関係にあるデジタルサイネージ2のサイネージIDを選択する。所定の位置関係は、通信端末3の位置と、デジタルサイネージ2が設置された位置との位置関係が、通信端末3の位置に存在するユーザUがデジタルサイネージ2を見ることができる関係である。具体的には、選択部135は、位置情報が示す通信端末3の位置に存在するユーザUが見ることができる位置に設置されたデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDを選択する。
【0035】
選択部135は、デジタルサイネージ2ごとに定められた設定範囲に位置情報が示す通信端末3の位置を含むデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDを選択してもよい。例えば、選択部135は、デジタルサイネージ2のサイネージIDと、デジタルサイネージ2ごとに定められた設定範囲を示す範囲情報とを関連付けて記憶するサイネージデータベースを参照して、位置情報が示す位置を含む設定範囲を示す範囲情報に関連付けられたサイネージIDを選択する。
【0036】
デジタルサイネージ2ごとに定められた設定範囲は、ユーザUが当該デジタルサイネージ2を見ることができる範囲である。デジタルサイネージ2を見ることができる範囲は、例えば、デジタルサイネージ2が設置された位置を中心とする所定の角度の範囲内である。所定の角度は、デジタルサイネージ2の表示部22の性能又は仕様などに応じて適宜定めればよい。例えば、デジタルサイネージ2の表示部22が液晶ディスプレイである場合、所定の角度は、液晶ディスプレイの視野角に応じて定める。
【0037】
図4は、デジタルサイネージ2ごとに定められた設定範囲に、通信端末3の位置情報が示す位置が含まれるデジタルサイネージを選択する機能を説明するための図である。一点鎖線で示すエリアA1は、デジタルサイネージ2aに定められた設定範囲を示す。二点鎖線で示すエリアA2は、デジタルサイネージ2bに定められた設定範囲を示す。白丸Pは、位置情報が示す通信端末3の位置を示す。白丸Pの位置は、エリアA1に含まれている。この場合、選択部135は、白丸Pの位置を含むエリアA1を示す範囲情報に関連付けられたデジタルサイネージ2aを特定するためのサイネージIDを選択する。このようにすることで、広告制御装置1は、位置情報が示す通信端末3の位置に存在するユーザUが見ることができる位置に設置されたデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることができる。
【0038】
デジタルサイネージ2が、地上に存在するユーザUよりも高い位置に設置されている場合、地上からデジタルサイネージ2が設置された位置までの高さに基づいて設定範囲を定めてもよい。例えば、デジタルサイネージ2の視野角と、地上からデジタルサイネージ2が設置された位置までの高さとに基づいて定まる距離より外側を設定範囲として定める。このようにすることで、広告制御装置1は、例えば、ビルの壁面などに設置されたデジタルサイネージ2に、ビルの近傍に存在し、デジタルサイネージ2の視野角の外側にいるユーザの興味を引く広告を出力させることなく、ビルから離れた位置に存在し、デジタルサイネージ2の視野角の内側にいるユーザの興味を引く広告を出力させることができる。
【0039】
また、ユーザUがデジタルサイネージ2に出力された広告コンテンツを認識できない位置より遠い位置に存在する場合、当該ユーザUに対応する広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させても広告の効果を高めることができない。そのため、設定範囲は、ユーザUがデジタルサイネージ2に出力された広告コンテンツを認識できる距離内の範囲としてもよい。広告コンテンツを認識できる距離は、ユーザUが、デジタルサイネージ2に出力された広告に含まれる情報を読み取ることができる距離である。情報を読み取ることができる距離は、例えば、ユーザUがデジタルサイネージ2の表示部22に表示された文字を読むことができる距離である。このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2に出力された広告コンテンツを認識できる距離内に存在するユーザUに対応する広告を出力させることができる。
【0040】
特性情報取得部132は、特性情報データベース4を参照して、端末情報取得部131が取得したユーザIDに関連付けられた特性情報を取得する。
図5は、特性情報データベース4に記憶されている情報の一例を示す図である。
図5に示すように、特性情報データベース4には、ユーザIDと、特性情報とが関連付けて記憶されている。
【0041】
続いて、広告種別決定部133は、広告種別データベース5を参照して、特性情報取得部132が取得した特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。
図6は、広告種別データベース5に記憶されている情報の一例を示す図である。
図6に示すように、広告種別データベース5には、特性情報と広告種別とが関連付けて記憶されている。
【0042】
出力制御部134は、位置情報が示す通信端末3の位置と所定の位置関係にあるデジタルサイネージ2に広告種別決定部133が決定した広告種別に対応する広告コンテンツを出力させる。具体的には、出力制御部134は、選択部135が選択したサイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる。
【0043】
出力制御部134は、広告種別決定部133が決定した広告種別に対応する広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させる。例えば、出力制御部134は、広告種別により分類される広告対象を広告するための広告コンテンツを出力させる。具体的には、出力制御部134は、端末情報取得部131がユーザID「U001」を取得し、特性情報取得部132が「U001」に関連付けられた特性情報「酒」を取得し、広告種別決定部133が特性情報「酒」に関連付けられた広告種別「酒」を決定した場合、広告種別「酒」を広告するための広告コンテンツを出力させる。
【0044】
出力制御部134は、デジタルサイネージ2の記憶部23が広告種別に対応する広告コンテンツを記憶している場合、広告種別を送信する。デジタルサイネージ2は、広告制御装置1から広告種別を受信すると、記憶部23を参照して、受信した広告種別に対応する広告コンテンツを表示部22に表示させる。このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2に広告種別を送信すると、広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、通信帯域に制限がある場合でも、デジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることができる。
【0045】
また、出力制御部134は、広告種別に対応する広告コンテンツを取得して、取得した広告コンテンツをデジタルサイネージ2に送信してもよい。出力制御部134は、例えば、広告コンテンツを提供する広告事業者のサーバから広告種別に関連付けられた広告コンテンツを取得する。具体的には、広告制御装置1は、広告種別を広告事業者のサーバに送信し、広告事業者のサーバが送信した広告コンテンツを取得する。このように、広告制御装置1は、広告事業者から広告種別に対応する広告コンテンツを適宜取得することができる。そのため、広告制御装置1は、広告事業者が出力させたい広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させることができる。
【0046】
出力制御部134は、記憶部12に広告コンテンツが記憶されている場合、記憶部12に記憶された広告種別に対応する広告コンテンツを取得してもよい。このようにすることで、広告制御装置1は、広告事業者のサーバから広告コンテンツを取得する必要がないので、広告コンテンツを取得する時間がかからない。そのため、広告制御装置1は、サイネージIDとユーザIDとを関連付けて取得してから、サイネージIDで特定されるデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させるまでにかかる時間を、広告事業者のサーバから広告コンテンツを取得する場合より短くできる。
【0047】
デジタルサイネージ2を見ることができるユーザが複数存在する場合、広告の効果を高めるために、より多くのユーザUの興味を引く広告をデジタルサイネージ2に出力させてもよい。この場合、広告制御装置1は、複数のユーザの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。以下、具体的な処理について説明する。
【0048】
広告種別決定部133は、デジタルサイネージ2と所定の位置関係にある複数の通信端末3それぞれのユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。例えば、広告種別決定部133は、デジタルサイネージ2を見ることができる位置に存在する複数の通信端末3それぞれのユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。具体的には、広告種別決定部133は、複数の通信端末3のうち、デジタルサイネージ2ごとに設定された設定範囲に、通信端末3の位置が含まれる通信端末3のユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。
【0049】
次に、広告種別決定部133は、決定した広告種別が複数のユーザUの特性情報に関連付けているか否かを判定する。そして、広告種別決定部133は、決定した広告種別が複数のユーザUの特性情報に関連付けられた場合、複数のユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を複数の通信端末3と所定の位置関係にあるデジタルサイネージ2に出力させる広告の種別として決定する。
【0050】
このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2を見ることができるユーザUが複数存在する場合、より多くのユーザUの興味を引く広告をデジタルサイネージ2に出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0051】
以下、広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させる処理の流れについて説明する。
図7は、広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させる処理のシーケンス図である。まず、通信端末3は、通信端末3の位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報と、通信端末3のユーザUを識別するためのユーザIDとを関連付けて広告制御装置1に送信する(ステップS1)。
【0052】
広告制御装置1は、取得した位置情報が示す通信端末3の位置と所定の位置関係にあるデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDを選択する(ステップS2)。広告制御装置1は、特性情報データベース4を参照して、ユーザIDに関連付けられた特性情報を取得する(ステップS3)。広告制御装置1は、広告種別データベース5を参照して、特性情報に関連付けられた広告種別を決定する(ステップS4)。なお、広告制御装置1は、ステップS2を実行する前に、ステップS3及びステップS4を実行してもよい。広告制御装置1は、決定した広告種別をデジタルサイネージ2に送信する(ステップS5)。
【0053】
デジタルサイネージ2は、広告制御装置1から広告種別を受信すると、記憶部23を参照して、受信した広告種別に対応する広告コンテンツを表示部22に出力させる(ステップS6)。このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2に広告種別を送信すると、広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させることができる。
【0054】
[第1の実施の形態に係る広告制御装置1の効果]
このように、広告制御装置1は、通信端末3の位置を示す位置情報と、通信端末3のユーザUを識別するためのユーザIDとを通信端末3から取得する。広告制御装置1は、特性情報データベースを参照してユーザIDに関連付けられた特性情報を取得し、広告種別データベースを参照して特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。そして、広告制御装置1は、ユーザUが見ることができる位置に設置されたデジタルサイネージ2に広告種別に対応する広告コンテンツを出力させる。
【0055】
このようにすることで、広告制御装置1は、通信端末3のユーザUが興味を示す物事を示す特性情報に関連付けられた広告種別により分類される広告対象を広告する広告コンテンツを、ユーザUが見ることができる位置に設置されたデジタルサイネージ2に出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、ユーザUが見ることができるデジタルサイネージ2に、ユーザUが興味を示す広告コンテンツを出力させることができるので、当該デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0056】
<第2の実施の形態>
ユーザUの移動状態によって、ユーザUが見ることができるデジタルサイネージ2、又は認識できる情報の量が変化する。デジタルサイネージ2の広告の効果を高めるためには、ユーザUの移動状態に対応して、ユーザUの興味を引きやすい態様で広告を出力させる必要がある。
【0057】
そこで、第2の実施の形態に係る広告制御装置1は、通信端末3の移動状態を、通信端末3のユーザUの移動状態とみなして、通信端末3の位置を示す位置情報に基づいて通信端末3の移動状態を推定する。そして、広告制御装置1は、推定した移動状態に応じて選択したデジタルサイネージ2に、移動状態に応じて決定した広告を出力させる。このようにすることで、広告制御装置1は、ユーザの興味を引きやすい態様で広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させることができるので、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0058】
[第2の実施の形態に係る広告制御装置1の機能構成]
図8は、第2の実施の形態に係る広告制御装置1の機能構成を示す図である。以下、第1の実施の形態に係る広告制御装置1と異なる点について説明し、同様の点については適宜省略する。第2の実施の形態に係る広告制御装置1の制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、推定部136、及びコンテンツ決定部137としての機能を実現する。
【0059】
推定部136は、位置情報が示す位置の変化に基づいて通信端末3の移動状態を推定する。例えば、推定部136は、第1時刻における第1位置を示す位置情報と、第1時刻よりも後の第2時刻における第2位置を示す位置情報とに基づいて移動状態を推定する。推定部136は、例えば第1時刻と第2時刻との時間差と、第1位置と第2位置との位置関係とに基づいて、通信端末3の移動速度を推定する。なお、移動速度は、移動方向と移動の速さとを含むベクトルである。そして、推定部136は、位置情報が示す位置の変化に基づいて推定した移動速度に基づいて通信端末3の移動先の位置を推定する。
【0060】
なお、推定部136は、位置情報が示す位置の変化に基づいて、通信端末3が移動しているか否かを移動状態として推定してもよい。例えば、推定部136は、第1時刻における第1位置と、第2時刻における第2位置との距離が、通信端末3が移動したか否かを判定する移動判定閾値以下である場合、通信端末3が移動していないと判定する。移動判定閾値は、通信端末3が取得する位置情報の精度により定める。位置情報の精度は、例えば、通信端末3がGPS受信モジュールを含む場合、GPSの測位精度により定める。
【0061】
選択部135は、推定部136が推定した通信端末3の移動先の位置と所定の位置関係にあるデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDを選択する。例えば、選択部135は、推定部136が推定した位置を含む設定範囲を示す範囲情報に関連付けられたサイネージIDを選択する。
【0062】
図9は、推定した位置を含む設定範囲を示す範囲情報に関連付けられたサイネージIDを選択する機能を説明するための図である。一点鎖線で示すエリアA1は、デジタルサイネージ2aに定められた設定範囲を示す。二点鎖線で示すエリアA2は、デジタルサイネージ2bに定められた設定範囲を示す。白丸Paは、位置情報が示す通信端末3の位置を示す。
【0063】
白丸Pbは、推定部136が推定した通信端末3の移動先の位置を示す。白丸Pbの位置は、エリアA2に含まれている。この場合、選択部135は、白丸Pbの位置を含むエリアA2を示す範囲情報に関連付けられたデジタルサイネージ2bを特定するためのサイネージIDを選択する。このようにすることで、広告制御装置1は、推定部136が推定した位置に移動すると推定されるユーザUが見ることができる位置に設置されたデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることができる。
【0064】
(ユーザUが向かう方向に設置されたデジタルサイネージ2に広告を出力させる処理)
デジタルサイネージ2に向かうユーザUの興味を引く広告を当該デジタルサイネージ2に出力させることができれば、当該デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。そこで、広告制御装置1は、推定したユーザUの移動方向に設置されたデジタルサイネージ2に、移動方向を推定したユーザUが興味を引く広告を出力させる。以下、ユーザUが向かう方向に設置されたデジタルサイネージ2に広告を出力させる処理について説明する。
【0065】
記憶部12は、デジタルサイネージ2が設置された設置位置を示す設置位置情報と、当該設置位置に設置されたデジタルサイネージ2のサイネージIDとを関連付けて記憶する。選択部135は、通信端末3と所定の位置関係にある複数のデジタルサイネージ2のうち、通信端末3の位置を始点として、推定部136が推定した移動方向に設置されたデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDを選択する。例えば、推定部136は、通信端末3の位置を頂点として、推定部136が推定した移動方向を中心とする所定の角度範囲内に含まれる設置位置を示す設置位置情報に関連付けられたサイネージIDを選択する。
【0066】
図10は、推定した移動方向に設置されたデジタルサイネージ2を特定するためのサイネージIDを選択する機能を説明するための図である。白丸P1、P2及びP3は、通信端末3の位置を示し、白丸P1、P2及びP3の順に取得したものとする。矢印Dは、推定した通信端末3の移動方向を示す。この場合、選択部135は、矢印Dが示す移動方向に設置されたデジタルサイネージ2aのサイネージIDを選択し、矢印Dが示す移動方向に設置されていないデジタルサイネージ2bのサイネージIDを選択しない。
【0067】
このようにすることで、広告制御装置1は、移動するユーザUが向かう方向に設置されたデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、ユーザUの正面に設置されたデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させることができるので、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0068】
(デジタルサイネージ2に向かうユーザUの興味を引く広告を出力させる処理)
デジタルサイネージ2から遠ざかるユーザUの興味を引く広告を出力させるよりも、デジタルサイネージ2に向かうユーザUの興味を引く広告を出力させる方が、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。そこで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2に向かうユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定することで、デジタルサイネージ2に向かうユーザUの興味を引く広告をデジタルサイネージ2に出力させてもよい。以下、具体的に説明する。
【0069】
広告種別決定部133は、推定部136が推定した通信端末3の移動状態に応じて広告種別を決定する。例えば、広告種別決定部133は、推定部136が推定した通信端末3の移動方向が、デジタルサイネージ2に向かう方向である通信端末3のユーザUに対応する広告種別を決定する。具体的には、広告種別決定部133は、推定部136が推定した移動方向が、デジタルサイネージ2に向かう方向である通信端末3のユーザIDに関連付けられた特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。より具体的には、広告種別決定部133は、推定部136が推定した通信端末3の移動方向にデジタルサイネージ2が設置された位置が存在すると判定すると、当該通信端末3のユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。
【0070】
図11は、推定した通信端末3の移動方向が、デジタルサイネージ2に向かう方向である通信端末3のユーザUに対応する広告種別を決定する機能を説明するための図である。白丸P1、P2及びP3は、通信端末3aの位置を示し、白丸P1、P2及びP3の順に取得したものとする。矢印D1は、推定部136が推定した通信端末3aの移動方向を示す。白丸Q1、Q2及びQ3は、通信端末3bの位置を示し、白丸Q1、Q2及びQ3の順に取得したものとする。矢印D2は、推定部136が推定した通信端末3bの移動方向を示す。
【0071】
図11において、広告種別決定部133は、推定部136が推定した通信端末3aの移動方向である矢印D1の先にデジタルサイネージ2が設置された位置が存在すると判定し、通信端末3aのユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。一方、広告種別決定部133は、推定部136が推定した通信端末3bの移動方向である矢印D2の先にデジタルサイネージ2が設置された位置が存在しないと判定し、通信端末3bのユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定しない。
【0072】
このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2に向かうユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定することができるので、デジタルサイネージ2に向かうユーザUの興味を引く広告をデジタルサイネージ2に出力させる。
【0073】
(デジタルサイネージ2を見ることができる位置に移動すると推定されるユーザUの興味を引く広告を出力させる処理)
デジタルサイネージ2を見ることができない位置に移動すると推定されるユーザUの興味を引く広告を出力するよりも、デジタルサイネージ2を見ることができる位置に移動すると推定されるユーザUの興味を引く広告を出力させる方が、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。そこで、広告制御装置1は、複数の通信端末3それぞれの移動先の位置を推定し、推定した移動先の位置が、デジタルサイネージ2を見ることができる位置である通信端末3のユーザUの興味を引く広告コンテンツを当該デジタルサイネージ2に出力させる。以下、具体的に説明する。
【0074】
推定部136は、複数の通信端末3それぞれの位置の変化に基づいて、複数の通信端末3それぞれの移動先の位置を推定する。広告種別決定部133は、推定部136が移動先の位置を推定した複数の通信端末3それぞれについて、推定した位置が、デジタルサイネージ2と所定の位置関係にあるか否かを判定する。例えば、広告種別決定部133は、複数の通信端末3それぞれについて、推定した移動先の位置がデジタルサイネージ2を見ることができる位置であるか否かを判定する。具体的には、広告種別決定部133は、複数の通信端末3の位置それぞれが、デジタルサイネージ2ごとに設定された設定範囲に含まれるか否かを判定する。広告種別決定部133は、推定した位置がデジタルサイネージ2と所定の位置関係にあると判定した通信端末3のユーザUの特性情報に関連付けられた広告種別を決定する。
【0075】
このようにすることで、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2を見ることができると推定されるユーザUの興味を引く広告を出力させることができる。そのため、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0076】
なお、推定部136は、複数の通信端末3のうち、デジタルサイネージ2と所定の位置関係にある複数の通信端末3それぞれの移動状態を推定してもよい。例えば、推定部136は、デジタルサイネージ2と所定の位置関係にある複数の通信端末3それぞれの位置の変化に基づいて、デジタルサイネージ2と所定の位置関係にある複数の通信端末3それぞれの移動先の位置を推定する。具体的には、推定部136は、デジタルサイネージ2を見ることができる位置に存在する複数の通信端末3それぞれの移動先の位置を推定する。より具体的には、推定部136は、通信端末3の位置が、デジタルサイネージ2ごとに設定された設定範囲に含まれる複数の通信端末3それぞれの移動先の位置を推定する。
【0077】
このようにすることで、推定部136は、デジタルサイネージ2と所定の位置関係である複数の通信端末3のうち、所定の位置関係を維持する通信端末3と、所定の位置関係を維持しなくなる通信端末3とを特定することができる。そのため、広告制御装置1は、所定の位置関係を維持すると判定した通信端末3のユーザUの興味を引く広告をデジタルサイネージ2に出力させることができる。したがって、広告制御装置1は、デジタルサイネージ2を見ることができる位置に居続けると推定されるユーザUの興味を引く広告を出力させることができるので、広告の効果を高めることができる。
【0078】
(出力する広告コンテンツを決定する処理)
ユーザUがデジタルサイネージ2に出力された広告コンテンツを見る時間が長いほどユーザUが認識できる情報の量は増え、広告コンテンツを見る時間が短いほどユーザUが認識できる情報の量は減る。そのため、ユーザUが広告コンテンツを見る時間に応じて、デジタルサイネージ2に出力させる広告コンテンツに含まれる情報の量を決定する必要がある。そこで、広告制御装置1は、広告コンテンツを見ることができる時間に応じて、デジタルサイネージ2に出力させる広告コンテンツを決定する。
【0079】
コンテンツ決定部137は、推定部136が推定した通信端末3の移動状態に基づいて、広告種別決定部133が決定した広告種別に対応する広告コンテンツを決定する。具体的には、コンテンツ決定部137は、推定部136が推定した通信端末3の移動速度に基づいてデジタルサイネージ2に出力させる広告コンテンツを決定する。例えば、コンテンツ決定部137は、移動速度に基づいて、通信端末3とデジタルサイネージ2との相対速度を特定する。次に、コンテンツ決定部137は、特定した相対速度が遅いほど、ユーザUがデジタルサイネージ2を見ることができる時間が長くなるので、広告コンテンツに含まれる情報が多い広告コンテンツを決定する。具体的には、コンテンツ決定部137は、相対速度が所定の閾値以上の場合は静止画の広告コンテンツを決定し、相対速度が所定の閾値未満の場合は動画の広告コンテンツを決定する。
【0080】
閾値は、広告コンテンツに含まれる情報の量を定める情報量決定閾値である。広告種別決定部133は、相対速度に基づいて、通信端末3がデジタルサイネージ2と所定の位置関係になってから、所定の位置関係でなくなるまでの時間に基づいて情報量決定閾値を定めてもよい。所定の位置関係になってから、所定の位置関係でなくなるまでの時間は、例えば、通信端末3の位置が、ユーザUがデジタルサイネージ2を見ることができる位置になってから、見ることができない位置になるまでの時間である。また、情報量決定閾値は、通信端末3の位置が、デジタルサイネージ2ごとに設定された設定範囲に含まれてから、設定範囲に含まれなくなるまでの時間に基づいて定めてもよい。
【0081】
このようにすることで、広告制御装置1は、広告コンテンツを見る時間が長いユーザUに対して、含まれる情報が多い広告をデジタルサイネージ2に出力させるので、多くの情報を提供できる。また、広告制御装置1は、広告コンテンツを見る時間が短いユーザUに対して、含まれる情報が少ない広告をデジタルサイネージ2に出力させるので、ユーザUが認識しやすい広告を出力できる。
【0082】
[第2の実施の形態に係る広告制御装置1の効果]
以上説明したとおり、第2の実施の形態に係る広告制御装置1は、通信端末3の移動状態を、通信端末3のユーザUの移動状態とみなして、通信端末3の位置を示す位置情報に基づいて通信端末3の移動状態を推定する。そして、広告制御装置1は、推定した移動状態に応じた態様でデジタルサイネージ2に広告コンテンツを出力させる。このようにすることで、広告制御装置1は、ユーザの興味を引きやすい態様で広告コンテンツをデジタルサイネージ2に出力させることができるので、デジタルサイネージ2の広告の効果を高めることができる。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。