(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記充電対象機器は、前記充電インターフェースと前記バッテリ給電回路との間に接続された第2充電回路をさらに含み、前記第2充電回路は、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における直列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加するか、または前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加し、
前記第2充電回路が、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における直列接続された前記第1セルおよび前記第2セルの両端に直接印加する場合、前記第1充電回路は、前記第1セルに接続され、前記第1セルの両端の電圧で前記他の回路に給電し、
前記第2充電回路が、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における直列接続された前記第1セルおよび前記第2セルの両端に直接印加する場合、前記第1充電回路は、前記アダプタにも接続され、前記アダプタからエネルギーを取得して前記他の回路に給電する、
ことを特徴とする請求項4に記載の機器。
前記アダプタは、第1充電モード、第2充電モード、および第3充電モードをサポートし、前記第1充電モードで、前記第1充電回路は、変換された前記出力電圧を前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に印加し、前記第2充電モードで、前記第2充電回路は、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加し、前記第3充電モードで、前記第2充電回路は、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における直列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加する、
ことを特徴とする請求項5に記載の機器。
前記充電インターフェースは、データラインをさらに含み、前記充電対象機器は、前記データラインを介して前記アダプタと双方向通信を行って、前記アダプタと前記充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションする制御ユニットをさらに含み、
前記制御ユニットが前記データラインを介して前記アダプタと双方向通信を行って、前記アダプタと前記充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションすることは、
前記制御ユニットが前記アダプタによって送信された、前記充電対象機器が前記第3充電モードをオンにするか否かを尋ねるための第1命令を受信することと、
前記制御ユニットが、前記充電対象機器が前記第3充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための前記第1命令の返事命令を前記アダプタに送信することと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の機器。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。しかし、例示的な実施形態は、様々な形態で実施することができ、本明細書に記載される例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態を提供することにより、本開示がより包括的且つ完全であり、例示的な実施形態の思想が当業者に完全に伝えられるようになる。図面は、単に本開示の概略図であり、必ずしも縮尺通りに作成されていない。図面中の同一の符号は同一または類似の部分を表すため、それらの重複な説明は省略する。
【0013】
また、説明された特徴、構成、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。以下の説明では、本開示の実施形態が完全に理解されるために、多数の具体的な詳細が提供されている。しかしながら、当業者は、上記の1つ以上の特定の詳細を省略して本開示の技術案を実施可能であること、または他の方法、構成要素、装置、ステップなどを採用可能であることを認識する。他の場合では、本開示の各態様の曖昧さを回避するために、周知の構成、方法、装置、実現、材料、または動作が詳細に示されていない。
【0014】
本開示おいて、明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」などの用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。机械的な接続や、電気的な接続も可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、二つの要素の内部が連通することも可能である。当業者であれば、具体的な状況に合わせて上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0015】
さらに、「第1」および「第2」という用語は、説明のみを目的として使用されており、相対的な重要性を示すまたは暗示する、または示された技術的特徴の数を暗黙的に示すと理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定されている特徴は、少なくとも一つの当該特徴を含んでいることを明示的又は暗黙的に示す。本発明の説明において、ほかの説明がない限り、「複数」とは、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0016】
まず、従来技術において、充電対象機器を充電するための関連アダプタについて説明する。
関連アダプタが定電圧モードで動作する場合、出力電圧は、5V、9V、12V、または20Vなどのほぼ一定に維持される。出力電流は、脈動直流電流(方向が一定であり、振幅が経時的変化する)、交流電流(方向および振幅の両方とも経時的変化する)、または定直流電流(方向および振幅の両方時間とともに変化しない)である。
【0017】
関連アダプタの出力電圧は、バッテリの両端に直接印加するのに適合せず、先に充電対象機器内の変換回路によって変換され、充電対象機器内のバッテリの予期の充電電圧および/または予期の充電電流を取得する必要がある。
【0018】
変換回路によってバッテリの充電電圧および/または充電電流を制御することを説明する前に、バッテリの充電プロセスを説明する。バッテリの充電プロセスは、トリクル充電段階(またはモード)、定電流充電段階(またはモード)、定電圧充電段階(またはモード)、および補足充電段階(またはモード)を含む。トリクル充電段階では、完全に放電されたバッテリを予備充電する(すなわち回復的充電する)。トリクル充電電流は、通常、定電流充電電流の10分の1であり、バッテリ電圧がトリクル充電電圧閾値以上に上昇した場合、充電電流を上昇させて定電流充電段階に入る。定電流充電段階では、定電流でバッテリを充電し、充電電圧は急速に上昇し、充電電圧がバッテリの予期の充電電圧閾値に達した場合、定電圧充電段階に切り替わる。定電圧充電段階では、定電圧でバッテリを充電し、充電電流は徐々に減少し、充電電流が設定された電流閾値まで減少した場合(当該電流閾値は、通常、定電流充電段階における充電電流の値の10分の1であるか、またはさらに低く、選択可能に、当該電流閾値は数十ミリアンペアであるか、またはさらに低い)、バッテリは完全に充電された。バッテリが完全に充電された後、バッテリの自己放電の影響によって一部の電流損失が発生するが、この時点で、補足充電段階に切り替わる。補足充電段階では、単にバッテリが完全に充電された状態であることを確保するために、充電電流は非常に小さい。
【0019】
変換回路は、異なる充電段階でバッテリの充電電圧および/または充電電流を制御することができる。例えば、定電流充電段階では、変換回路は、電流フィードバックループを利用して、バッテリに流れ込む電流の大きさがバッテリの予期の第1充電電流の大きさを満たすようにすることができる。定電圧充電段階では、変換回路は、電圧フィードバックループを利用して、バッテリに印加された電圧の大きさがバッテリの予期の充電電圧を満たすようにすることができる。トリクル充電段階では、変換回路は、電流フィードバックループを利用して、バッテリに流れ込む電流がバッテリの予期の第2充電電流を満たすようにすることができる(第2充電電流は、第1充電電流より小さい)。
【0020】
例えば、関連アダプタの出力電圧がバッテリの予期の充電電圧より大きい場合、変換回路は、関連アダプタの出力電圧に対して降圧変換処理を行って、降圧変換された充電電圧の大きさが予期のバッテリの充電電圧の大きさを満たすようにする。
【0021】
以下、まず、後述する「通常充電モード」および「急速充電モード」を説明する。通常充電モードとは、アダプタが比較的小さな電流値(通常2.5A未満)を出力するか、または比較的小さな電力(通常15W未満)で充電対象機器内のバッテリを充電することを意味する。通常充電モードで、比較的大きなバッテリ(3000 mAhという容量のバッテリなど)を完全に充電するには数時間がかかる。急速充電モードとは、アダプタが比較的大きな電流(通常2.5Aより大きく、例えば4.5A、5Aなどであるか、またはさらに大きい)を出力するか、または比較的大きな電力(通常15W以上)で充電対象機器内のバッテリを充電できることを意味する。通常充電モードと比較すると、アダプタは、急速充電モードで、充電速度がより速く、同じ容量のバッテリを完全に充電するのに必要な充電時間を大幅に短縮することができる。
【0022】
図1は、一例に係る充電対象機器およびそれを充電するための関連アダプタの概略構成図である。
図1に示すように、充電対象機器1は、充電インターフェース11、バッテリユニット12、充電集積回路(IC)13、および他の回路14を含む。
【0023】
充電対象機器1は、10W(5V/2A)のアダプタ6によって充電することができる。アダプタ6は、通常充電モードで充電対象機器1を充電する。アダプタ6は、整流回路61、フィルタリング回路62、および充電インターフェース63を含む。整流回路61は、入力された交流電力を直流電力に変換するように構成される。フィルタリング回路62は、整流回路61によって出力される直流電力に対してフィルタリング動作を行って、安定した直流電力を充電インターフェース63を介してそれに接続された充電対象機器1に供給するように構成される。バッテリユニット12は、例えば、単一のリチウムセルを備えており、単一のセルの充電終止電圧が通常4.2Vであるため、5Vの電圧をバッテリユニット12に適した予期の充電電圧に変換する充電集積回路13を構成する必要がある。さらに、充電集積回路13は、充電対象機器1内の他の回路14(例えば、CPUなど)に給電するように構成される。
【0024】
図2は、一例に係る別の充電対象およびそれを充電するための関連アダプタの概略構成図である。
図2に示すように、充電対象機器2は、充電インターフェース21、バッテリユニット22、充電集積回路23、他の回路24、および充電回路25を含む。
【0025】
充電対象機器2は、20W(5V/4A)の高電力のアダプタ7によって急速に充電することができる。つまり、アダプタ7は、急速充電モードで充電対象機器2を充電する。アダプタ7は、整流回路71、フィルタリング回路72、電圧変換(Voltage conversion)回路73、制御ユニット74、および充電インターフェース75を含む。整流回路71は、入力された交流電力を直流電力に変換するように構成される。フィルタリング回路72は、整流回路71によって出力される直流電力に対してフィルタリング動作を行って、安定した直流を給電するように構成される。電圧変換回路73は、フィルタリング回路72によって出力される直流電力の電圧変換を行うように構成され、電圧変換回路73は、通常、充電インターフェース75を介してそれに接続された充電対象機器2に適切な電圧の直流を給電するための降圧回路である。制御ユニット74は、充電対象機器2のフィードバックを受信して、整流回路71によって出力される直流電力の電圧および/または電流を制御するように構成される。充電回路25は、充電インターフェース21およびバッテリユニット22に接続されており、バッテリユニット22を充電するように構成される。バッテリユニット22は、依然として単一のリチウムセルを含むリチウムバッテリを例とする。アダプタ7には電圧変換回路73があるため、アダプタ7によって出力される電圧をバッテリユニット22の両端に直接印加することができ、つまり、充電回路25は、直接充電の方式でバッテリユニット22を充電し、アダプタ7によって出力される電力は、充電回路25を通過してバッテリユニット22に直接供給され、電圧変換なしにバッテリを充電する。選択可能に、充電回路25は、スイッチング回路であってもよく、アダプタ7によって出力される電流が充電回路25を通過した後、電圧降下(Voltage drop)は小さいので、バッテリユニット22の充電プロセスに実質的な影響を与えない。充電集積回路23は、充電対象機器2内の他の回路24(例えば、CPUなど)に給電するように構成される。
【0026】
いくつかの実施例では、アダプタ7は、脈動直流または交流給電して充電対象機器2を充電することもできる。アダプタ7が脈動直流または交流を出力することを実現するために、一実施例では、整流回路71によって出力されるフィルタリングされていない電流が電圧変換回路73および充電インターフェース75を通過して充電対象機器2に直接給電するように、前述したフィルタリング回路72は省略されてもよい。または、脈動直流または交流を出力するように、前述したフィルタリング回路72に含まれる電解コンデンサは省略されてもよい。
【0027】
また、充電集積回路23は、定電流充電段階で多段階定電流充電(Multi−stage constant current charging)を採用するようにアダプタを制御することもできる。多段階定電流充電は、M個の定電流段階を有する(Mは2以上の整数である)。多段階定電流充電は、所定の充電電流で第1段階の充電を開始する。前記多段階定電流充電のM個の定電流段階は、第1段階から第M段階まで順番に実行され、定電流段階における前の定電流段階が次の定電流段階に移行した後、電流の大きさが小さくなれる。バッテリ電圧が充電終止電圧閾値に達した場合、定電流段階における前の定電流段階は、次の定電流段階に進む。隣接する2つの定電流段階間の電流変換プロセスは、漸進的に変化してよいし、または階段式ジャンプ的に変化してもよい。
【0028】
単一のセルを含む充電対象機器の場合、大きな充電電流で単一のセルを充電する場合、充電対象機器の発熱現象が深刻である。充電対象機器の充電速度を確保し、充電中に充電対象機器の発熱現象を軽減するために、バッテリの構成を改善して、直列接続された複数のセルを使用し、当該複数のセルを直接充電することができ、すなわち、アダプタによって出力される電圧を複数のセルを含むバッテリユニットの両端に直接印加する。単一のセルの構成と比較して(つまり、改善前の単一のセルの容量は、直列接続された改善後の複数のセルの合計容量と同じであると考える)、同じ充電速度を達成しようとするなら、複数のセルに必要な充電電流は、単一のセルに必要な充電電流の約1/N(Nは直列接続されたセルの数)である。つまり、同じ充電速度を確保するという前提で、複数のセルは、充電電流を大幅に小さくすることができ、充電中の充電対象機器の発熱量をさらに削減することができる。
【0029】
図3は、一例に係る更なる別の充電対象機器およびそれを充電するための関連アダプタの概略構成図である。
図3に示すように、充電対象機器3は、充電インターフェース31、第1バッテリユニット32、第2バッテリユニット32'、充電集積回路33、他の回路34、および充電回路35を含む。
【0030】
充電対象機器3は、50W(10V/5A)の高電力のアダプタ8によって急速に充電することができる。つまり、アダプタ8は、急速充電モードで充電対象機器3を充電する。アダプタ8は、整流回路81、フィルタリング回路82、電圧変換回路83、制御ユニット84、および充電インターフェース85を含む。整流回路81は、入力された交流を直流に変換するように構成される。フィルタリング回路82は、整流回路81によって出力される直流電力に対してフィルタリング動作を行って、安定した直流を給電するように構成される。電圧変換回路83は、フィルタリング回路82によって出力される直流の電圧変換を行って、充電インターフェース85を介してそれに接続された充電対象機器3に適切な電圧の交流給電するように構成される。制御ユニット84は、充電対象機器3のフィードバックを受信して、直流の電圧および/または電流を出力するように整流回路81を制御するように構成される。第1バッテリユニット32と第2バッテリユニット32'とは、直列接続されている。第1バッテリユニット32および第2バッテリユニット32'の両方は、例えば、単一のセルを含むリチウムバッテリである。充電回路35は、充電インターフェース31および直列接続された第1バッテリユニット32および第2バッテリユニット32'に接続され、第1バッテリユニット32および第2バッテリユニット32'を充電する。アダプタ8によって出力される電圧を、直列接続された第1バッテリユニット32および第2バッテリユニット32'の両端に直接印加することができる。つまり、充電回路35は、直列接続された第1バッテリユニット32および第2バッテリユニット32'を直接充電の方式で充電する。なお、充電回路35は、直列接続された第1バッテリユニット32および第2バッテリユニット32'を直接充電の方式で充電し、ラインインピーダンスによって充電ラインにおける電圧降下を引き起こすため、充電回路35が受け取ったアダプタ8の出力電圧を、第1バッテリユニット32および第2バッテリユニット32'に含まれる複数のセルの合計電圧より大きくする必要がある。一般的に、単一のセルの作動電圧は3.0Vから4.35Vにある。二つのセルを直列接続した場合を例とし、アダプタ8の出力電圧を10V以上に設定することができる。充電集積回路33は、充電対象機器3内の他の回路34(例えば、CPUなど)に給電するように構成される。
【0031】
急速充電を達成するために、
図4および
図5に示される高電圧且つ低電流の急速充電の技術案を採用してもよい。
【0032】
図4は、一例に係る更なる別の充電対象機器の概略構成図である。
図4に示すように、充電対象機器4は、充電インターフェース41、バッテリユニット42、充電集積回路43、他の回路44、およびスイッチトキャパシタ変換回路45を含む。
【0033】
充電対象機器4は、例えば、最大出力電圧が10Vであり、単一のバッテリのみをサポートするアダプタ9によって急速に充電することができる。スイッチトキャパシタ変換回路45は、例えば、スイッチトキャパシタDC−DCコンバータ(Switched−capacitor DC−DC Converter)であってもよい。スイッチトキャパシタ変換回路45は、充電インターフェース41およびバッテリユニット42に接続されており、充電インターフェース41を介してアダプタの出力電圧を受信してバッテリユニット42を充電する。バッテリユニット42は、依然として単一のリチウムセルを含むリチウムバッテリを例とし、アダプタの出力電圧は10Vであるため、バッテリユニット42の両端に直接印加することができない。したがって、スイッチトキャパシタ変換回路45をバッテリユニット42の充電回路とし、アダプタの出力電圧の電圧降下処理を行って、バッテリユニット42の予期の充電電圧を満たす必要がある。充電集積回路43は、充電対象機器4内の他の回路44に給電するように構成される。
【0034】
スイッチトキャパシタ変換回路を用いた充電対象機器は、複数のセルを直列接続したバッテリを使用してもよい。
【0035】
図5は、一例に係る更なる別の充電対象機器の概略構成図である。
図5に示すように、充電対象機器5は、充電インターフェース51、第1バッテリユニット52、第2充電ユニット52'、充電集積回路53、他の回路54、およびスイッチトキャパシタ変換回路55を含む。
【0036】
充電対象機器5は、例えば、最大出力電圧が20Vであり、二つのセルをサポートすることができるアダプタ9'によって急速に充電することができる。スイッチトキャパシタ変換回路55は、例えば、スイッチトキャパシタDC−DCコンバータ(Switched−capacitor DC−DC Converter)であってもよい。スイッチトキャパシタ変換回路55は、充電インターフェース51および直列接続された第1バッテリユニット52および第2充電ユニット52'に接続されている。充電インターフェース51は、アダプタによって出力される電圧を受信して、直列接続された第1バッテリユニット52および第2充電ユニット52'を充電する。第1バッテリユニット52および第2充電ユニット52'の両方は、単一のセルを含むリチウムバッテリを例とする。アダプタの出力電圧は20Vであり、第1バッテリユニット52および第2充電ユニット52'における2つのセルの合計電圧より大きいため、スイッチトキャパシタ変換回路55によってアダプタの出力電圧を降下させる必要がある。充電集積回路53は、充電対象機器5内の他の回路54に給電するように構成される。
【0037】
以下は、本開示の実施例によって提供されるバッテリ給電回路、充電対象機器、および充電方法を説明する。
【0038】
図6は、例示的な一実施形態に係るバッテリ給電回路の概略構成図である。
図6を参照すると、バッテリ給電回路10は、充電対象機器(図示せず)に適用することができ、第1セル102、第2セル104、スイッチ106、第1切り替えユニット108、および第2切り替えユニット110を含む。
【0039】
第2セル104の第1端は、第2切り替えユニット110の第1端に接続され、第2セル104の第2端は、スイッチ106の第1端に接続され、第2切り替えユニット110の第2端は、スイッチ106の第2端に接続されている。第1セル102の第1端は、スイッチ106の第2端に接続され、第1セル102の第2端は、第1切り替えユニット108の第1端に接続され、第1切り替えユニット108の第2端は、スイッチ106の第1端に接続されている。
図6では、第1セル102の第2端が接地端であることを例として取り上げられているが、本開示はそれに限定されない。
【0040】
スイッチ106がオンであり、且つ第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110がオフ状態にある場合、第1セル102と第2セル104とは直列接続される。スイッチ106がオフであり、且つ第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110がオン状態にある場合、第1セル102と第2セル104とは並列接続される。
【0041】
図7は、例示的な一実施形態に係るスイッチ106がオンであり、且つ第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110がオフ状態にあるときのバッテリ給電回路の等価回路図である。
図8は、例示的な一実施形態に係るスイッチ106がオフであり、且つ第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110がオン状態にあるときのバッテリ給電回路の等価回路図である。
【0042】
いくつかの実施例では、第1セル102および第2セル104は、それぞれ、単一のセルであってもよく、または直列接続された複数のセルであってもよい。
【0043】
いくつかの実施例では、第1セル102および第2セル104は、充電対象機器に含まれる複数のセルにおけるセルであってもよい。
【0044】
いくつかの実施例では、第1セル102および第2セル104は、1つのバッテリユニットに一緒にパッケージされてもよいし、2つのバッテリにパッケージされもよい。
【0045】
現在の充電対象機器(または充電対象機器内のコンポーネント、または充電対象機器内のチップ)は、一般に、単一のセルで給電するため、第1セル102と第2セル104とが直列接続されて充電する場合、第1セル102または第2セル104によって充電対象機器(または充電対象機器内のコンポーネント、または充電対象機器内のチップ)に給電すると、給電するためのセルは電力量を持続的に消費し、その結果、第1セル102と第2セル104との間の電圧は不均衡である(または電圧が一致していない)。第1セル102と第2セル104との間の電圧の不均衡により、第1セル102および第2セル104の全体的な性能を低下させ、第1セル102および第2セル104の寿命に影響を与える。また、第1セル102と第2セル104との間の電圧の不均衡により、複数のセルを統一的に管理することが困難になる。したがって、本出願の実施例に係る給電回路は、さらに、均衡化回路である第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110を導入する。
【0046】
いくつかの実施例では、第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110は、スイッチングトランジスタ(例えば、MOSトランジスタ、CMOSトランジスタなど)である。充電の終了時に、第1セル102と第2セル104との電圧差が第1電圧差閾値より大きい場合、第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110は均衡状態で動作しており、線形領域で動作して電流制限抵抗(
図7の電流制限抵抗R1およびR2を参照)の作用を提供するように第1切り替えユニット108および/または第2切り替えユニット110を制御することにより、第1セル102と第2セル104との電圧差を減少させ、二者の電圧差が大きい場合に大きな電流が発生してバッテリを損傷することを回避することができる。均衡化により、第1セル102と第2セル104との電圧差が第2電圧差閾値より小さくなった(第2電圧差閾値が第1電圧差閾値より小さい)場合、第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110を完全にオンにすることにより、第1セル102と第2セル104とは並列接続される。
【0047】
本開示の実施形態によって提供されるバッテリ給電回路によれば、スイッチ制御により、充電対象機器で複数の充電接続方式を提供することができる。例えば、第1セル102と第2セル104とを並列接続して充電する場合、
図1に示す通常充電方案に適用することができるし、
図2または
図4に示す急速充電方案にも適用することができる。第1セル102と第2セル104とを直列接続して充電する場合、
図3または
図5に示す急速充電方案にも適用することができる。
【0048】
図9は、例示的な一実施形態に係る充電対象機器の概略構成図である。
図9に示す充電対象機器20は、例えば、端末または通信端末であってもよい。当該端末または通信端末は、公衆交換電話網(public switched telephone network、 PSTN)、デジタル加入者線(digitalsubscriber line、 DSL)、デジタルケーブル、直接ケーブル接続などの有線回路を介して接続されるか、および/または別のデータ接続/ネットワーク、および/または携帯電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、 WLAN)、ハンドヘルドデジタルビデオ放送(digital video broadcasting handheld、DVB−H) ネットワークのデジタルTVネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調−周波数変調(amplitude modulation−frequency modulation、AM−FM)ブロードキャストトランスミッタ、および/または別の通信端末の)無線インターフェースを介して通信信号を受信/送信するように構成される装置を含むが、これらに限定されない。無線インターフェースを介して通信するように構成される通信端末は、「無線通信端末」、「無線端末」および/または「移動端末」と呼ばれてもよい。例として、移動端末は、衛星またはルラー電話と、セルラー無線電話およびデータ処理、ファックスおよびデータ通信能力を組み合わせ得るパーソナルコミュニケーションシステム(personal communication system、PCS)端末と、無線電話、ポケットベル、インターネット/イントラネットアクセス、Webブラウザ、メモ、カレンダーおよび/または全地球測位システム(global positioning system、GPS) レシーバを含むパーソナルデジタルアシスタント (Personal Digital Assistant、PDA)と、通常のラップトップレシーバおよび/またはハンドヘルドレシーバまたは無線電話レシーバを含む他の電子装置を含むが、これらに限定されない。
【0049】
充電対象機器20は、上記の
図6に示されたバッテリ給電回路10、充電インターフェース202、第1充電回路206、および第2充電回路208を含む。
【0050】
なお、本出願の実施形態は、充電インターフェース202のタイプについて特に限定しない。例えば、充電インターフェース202は、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)インターフェースであってもよい。USBインターフェースは、標準USBインターフェースであってもよいし、マイクロUSBインターフェースであってもよいし、Type-Cインターフェースであってもよい。第1充電回路206および/または第2充電回路208は、USBインターフェース内の電源ケーブルを介して第1セル102および第2セル104を充電することができ、USBインターフェース内の電源ケーブルは、USBインターフェースのVBusおよび/またはアースであってもよい。
【0051】
図10は、例示的な一実施形態に係る充電対象機器20が第1充電回路206によって第1充電モードで充電する回路の概略図である。
【0052】
図9および
図10を参照すると、
図10は、
図9に示されるスイッチ106がオフである場合、充電対象機器20が第1充電回路206によって第1充電モードで充電するときの回路の概略図を示す。第1充電モードは、例えば、
図1に示す通常充電モードであってもよい。
【0053】
第1充電回路206は、例えば、従来の充電回路設計を採用することができ、すなわち、充電インターフェース202と第1セル102の第1端との間に変換回路(充電集積回路など)を設けて、並列接続された第1セル102および第2セル104を充電する。当該変換回路は、充電対象機器20を充電するためのアダプタ(
図1に示すアダプタ6など)の充電プロセスに対して定電圧および定電流の制御を行い、実際のニーズに応じてアダプタの出力電圧の降圧などの変調を行うことができる。いくつかの実施例では、当該充電集積回路は、例えば、Buck降圧回路であってもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、第1充電回路206は、さらに、充電対象機器20の他の回路204に給電するように構成され、第1セル102および第2セル104の充電経路、および他の回路に給電する電力供給経路を管理するための経路管理モジュール2062を含むことができる。
【0055】
第1充電回路206によって提供される通常充電モードで、アダプタは、比較的小さな電流値を出力するか、充電対象機器20内の並列接続された第1セル102および第2セル104を比較的小さな電力で充電する。
【0056】
図11は、例示的な一実施形態に係る、
図9に示された充電対象機器20が第2充電回路208によって第2充電モードで充電する回路の概略図である。
図12は、例示的な一実施形態に係る、
図9に示された充電対象機器20が第2充電回路208によって第3充電モードで充電する回路の概略図である。
【0057】
図9および
図11を参照すると、
図11は、
図9に示されたスイッチ106がオフである場合、充電対象機器20が第2充電回路208によって第2充電モードで充電するときの回路の概略図を示す。第2充電モードは、例えば、
図2に示す急速充電モード、すなわち、20W(5V/4A)の高電力充電方案であってもよい。第2充電回路208によって提供される第2充電モードで、第2充電回路208は、並列接続された第1セル102および第2セル104を
図2に示す直接充電方式で充電することができる。
【0058】
図9および
図12を参照すると、
図12は、
図9に示されたスイッチ106がオンである場合、第2充電回路208によって第3充電モードで充電対象機器20を充電するときの回路の概略図を示す。第3充電モードは、例えば、
図3に示す急速充電モード、すなわち、50W(10V/5A)の高電力充電方案であってもよい。第2充電回路208によって提供される第3充電モードで、第2充電回路20は、直列接続された第1セル102および第2セル104を
図3に示す直接充電方式で充電することができる。
【0059】
第1セル102と第2セル104との接続態様は、例えば、スイッチまたは制御ユニットに基づいて制御することができる。スイッチまたは制御ユニットは、実際のニーズ(接続されたアダプタのタイプなど)に応じて、直列接続方式と並列接続方式とを柔軟に切り替えることができる。
【0060】
また、
図12に示すように、第2充電回路206によって第3充電モードで第1セル102および第2セル104を充電する場合、第1充電回路206は、さらに、アダプタからエネルギーを直接取得して、充電対象機器20の他の回路204に給電するか、または、第1セル102の正極によって出力される電気エネルギーは、第1充電回路106によって他の回路204に給電することもできる。
【0061】
回路図を簡素化するために、
図12に第1セル102および第1セル104の均衡化回路が示されていないが、当業者であれば、
図12に示される充電対象機器20は、直列充電を完了したとき、第1セル102と第2セル104とが並列接続に変わる前に、第1切り替えユニット108と第2切り替えユニット110とによって均衡化する前述した方法により、第1セル102と第2セル104との電圧差を低下させることを理解することができる。
【0062】
図13は、例示的な一実施形態に係る別の充電対象機器の概略構成図である。
図13を参照すると、
図9に示す充電対象機器20との違いは、充電対象機器30が制御ユニット302をさらに含むことである。
【0063】
制御ユニット302は、充電インターフェース202に接続されたケーブルのデータラインを介して、充電対象機器30を充電するアダプタと双方向通信を行って、アダプタと充電対象機器30との間の充電モードをネゴシエーションすることができる。また、制御ユニット302は、第1セル102と第2セル104との間の接続態様を制御することもでき、すなわち、スイッチ106のオンとオフ、および第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110の状態または動作領域を制御することもできる。
【0064】
充電インターフェース202がUSBインターフェースであることを例とすると、データラインは、USBインターフェース内のD+ラインおよび/またはD−ラインであってもよい。
【0065】
なお、本開示の上記の説明は、アダプタおよび制御ユニット302のマスタースレーブを限定しない。言い換えると、アダプタおよび制御ユニット302のいずれか一方は、マスター機器側として双方向通信会話を開始することができる。これに応じて、他方は、スレーブ機器側としてマスター機器によって開始された通信に対して第1応答または第1返事を行うことができる。実行可能な一実施形態として、通信中に、アースに対するアダプタ側と充電対象機器側とのレベルの大きさを比較することにより、マスター及びスレーブ機器の身分を確認することができる。
【0066】
本開示は、アダプタと制御ユニット302との間の双方向通信の具体的実現形態を限定しない。すなわち、アダプタおよび制御ユニット302のいずれか一方は、マスター機器側として双方向通信会話を開始することに応じて、他方がスレーブ機器側としてマスター機器によって開始された通信に対して第1応答または第1返事を行い、同時に、マスター機器側は、スレーブ機器の第1応答または第1返事に対して第2応答を行うことができれば、マスター機器とスレーブ機器とが充電モードに関する1回のネゴシエーションプロセスを完了した(またはマスター機器とスレーブ機器とが「双方向通信」プロセスを完了した)と見なすことができる。実行可能な一実施形態として、マスター及びスレーブ機器の間に複数回の充電モードに関するネゴシエーションが完了した後、マスター及びスレーブ機器の充電動作を実行することにより、ネゴシエーション後の充電プロセスが安全的に信頼的に実行されることを確保することができる。
【0067】
マスター機器側がスレーブ機器側の通信会話に対する第1応答または第1返事に基づいて第2応答を行うことができる一方式として、マスター機器側がスレーブ機器側の通信会話に対する第1応答または第1返事を受信し、受信した前記スレーブ機器の第1応答または第1返事に応じた第2応答を行うことができる。例として、マスター機器側が所定の時間内で前記スレーブ機器側の通信会話に対する第1応答または第1返事を受信すると、マスター機器側が前記スレーブ機器の第1応答または第1返事に応じた第2の応答を行うことは、具体的には、マスター機器側とスレーブ機器側とが充電モードに関する1回のネゴシエーションを完了し、マスター機器側とスレーブ機器側との間でネゴシエーション結果に基づいて第1充電モードまたは第2充電モードで充電動作を実行し、即ち、アダプタが、ネゴシエーション結果に基づいて第1充電モードまたは第2充電モードで動作して充電対象機器を充電することである。
【0068】
マスター機器側が前記スレーブ機器側の通信会話に対する第1応答または第1返事に基づいて第2応答を行うことができる一方式として、さらに、マスター機器側が所定の時間内で通信会話に対するスレーブ機器側の第1応答または第1返事を受信していなくても、マスター機器側も前記スレーブ機器の第1応答または第1返事に応じた第2応答を行うことであってもよい。例として、マスター機器側が所定の時間内で通信会話に対する前記スレーブ機器側の第1応答または第1返事を受信していなくても、マスター機器側も前記スレーブ機器側の第1応答または第1返事に応じた第2応答を行うことは、具体的には、マスター機器側とスレーブ機器側とが充電モードに関する1回のネゴシエーションを完了し、マスター機器側とスレーブ機器側とが第1充電モードで充電動作を実行し、即ち、アダプタが第1充電モードで動作して充電対象機器を充電することである。
【0069】
充電対象機器30がマスター機器として通信会話を開始し、アダプタがスレーブ機器としてマスター機器側によって開始された通信会話に対して第1応答または第1返事を行った後、充電対象機器がアダプタの第1応答または第1返事に応じた第2応答を行う必要はなく、アダプタと充電対象機器30とが充電モードに関する1回のネゴシエーションを完了したと見なすことができ、ネゴシエーション結果に基づいて、第1充電回路206または第2充電回路208によって第1セル102および第2セル104を充電することができる。
【0070】
いくつかの実施例では、制御ユニット302が、データラインを介してアダプタと双方向通信を行って、アダプタと充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションすることは、制御ユニット302が、アダプタによって送信された、充電対象機器30が第3充電モードをオンにするか否かを尋ねるための第1命令を受信することと、制御ユニット302が、充電対象機器30が第3充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための第1命令の返事命令をアダプタに送信することと、充電対象機器30が第3充電モードをオンにすることに同意した場合、制御ユニット302が、さらに第2充電回路208によって第1セル102および第2セル104を充電するようにアダプタを制御し、直列接続するように第1セル102および第2セル104を制御し、アダプタに接続して、充電対象機器30の他の回路に給電するときにアダプタからエネルギーを取得するように第1充電回路206を制御することと、を含む。
【0071】
いくつかの実施例では、制御ユニット302が、データラインを介してアダプタと双方向通信を行って、アダプタと充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションすることは、制御ユニット302が、アダプタによって送信された、充電対象機器30が、第2充電モードをオンにするか否かを尋ねるための第2命令を受信することと、制御ユニット302が、充電対象機器30が第2充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための第2命令の返事命令をアダプタに送信することと、充電対象機器30が第2充電モードをオンにすることに同意した場合、制御ユニット302が、さらに第2充電回路208によって第1セル102および第2セル104を充電するようにアダプタを制御するとともに、並列接続するように第1セル102および第2セル104を制御することと、を含む。
【0072】
いくつかの実施例では、制御ユニット302が、データラインを介してアダプタと双方向通信を行って、アダプタと充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションすることは、第1命令および第1命令の返事命令、および第2命令および第2命令の返事命令に基づいて、充電対象機器30が第2充電モードをオンにすることにも同意せず、第3充電モードをオンにすることにも同意しない場合、制御ユニット302が、第1充電回路206によって第1セル102および第2セル104を充電するようにアダプタを制御するとともに、並列接続するように第1セル102および第2セル104を制御することを含む。
【0073】
図14は、例示的実施例に係る更なる別の充電対象機器の概略構成図である。
図14を参照すると、充電対象機器40は、上記の
図6に示されるバッテリ給電回路10、充電インターフェース202、第1充電回路206、および第3充電回路402を含む。
【0074】
図15は、例示的な一実施形態に係る、充電対象機器40が第3充電回路402によって第4充電モードで充電する回路の概略図である。
図16は、例示的な一実施形態に係る、充電対象機器40が第3充電回路402によって第5充電モードで充電する回路の概略図である。
【0075】
図14および
図15を参照すると、
図15は、
図14に示されるスイッチ106がオフである場合に、充電対象機器40が第3充電回路402によって第4充電モードで充電するときの回路の概略図を示す。第4充電モードは、例えば、
図4に示す急速充電モード、すなわち、アダプタの出力電圧が10Vである高電力充電方案であってもよい。第3充電回路402によって提供される第4充電モードで、第3充電回路402は、例えば、スイッチトキャパシタDC−DCコンバータを含み、並列接続された第1セル102および第2セル104を、
図4に示される充電方式で充電する。
【0076】
図14および
図16を参照すると、
図16は、
図14に示されるスイッチ106がオフである場合に、充電対象機器40が第3充電回路402によって第5充電モードで充電するときの回路の概略図を示す。第5充電モードは、例えば、
図5に示す急速充電モード、すなわち、アダプタの出力電圧が20Vである高電力充電方案であってもよい。第3充電回路402によって提供される第5充電モードで、第3充電回路402は、例えば、スイッチトキャパシタDC−DCコンバータを含み、直列接続された第1セル102および第2セル104を、
図5に示される充電方式で充電する。
【0077】
なお、回路図を簡素化するために、
図16に第1セル102および第1セル104の均衡化回路が示されていない。しかし、当業者であれば、
図16に示される充電対象機器40は、直列充電を完了したとき、第1セル102と第2セル104とが並列接続に変わる前に、第1切り替えユニット108および第2切り替えユニット110によって均衡化する前述した方法により、第1セル102と第2セル104との電圧差を低下させることを理解することができる。
【0078】
いくつかの実施例では、充電対象機器40は、制御ユニット302'をさらに含み、制御ユニット302'が、データラインを介してアダプタと双方向通信を行って、アダプタと充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションすることは、制御ユニット302'が、アダプタによって送信された、充電対象機器30が第5充電モードをオンにするか否かを尋ねるための第3命令を受信することと、制御ユニット302'が、充電対象機器30が第5充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための第3命令の返事命令をアダプタに送信することと、充電対象機器30が第5充電モードをオンにすることに同意した場合、制御ユニット302'が、スイッチトキャパシタコンバータ402によって第1セル102および第2セル104を充電するようにアダプタを制御するとともに、直列接続するように第1セル102および第2セル104を制御することと、を含む。
【0079】
いくつかの実施例では、制御ユニット302'が、データラインを介してアダプタと双方向通信を行って、アダプタと充電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションすることは、制御ユニット302'が、アダプタによって送信された、第4充電モードがオンになっているか否かを尋ねるための第4命令を受信すること、制御ユニット302'が、充電対象機器30が第4充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための第4命令の返事命令をアダプタに送信することと、充電対象機器30が第4充電モードをオンにすることに同意した場合、制御ユニット302'が、スイッチトキャパシタコンバータ402によって第1セル102および第2セル104を充電するようにアダプタを制御するとともに、並列接続するように第1セル102および第2セル104を制御することと、を含む。
【0080】
本開示の実施例によって提供される充電対象機器によれば、通常充電モードおよび急速充電モードを両立し、急速充電モードでさらにフラッシュ充電モード(例えば、上記の第2充電モード)及びスーパーフラッシュ充電モード(例えば、上記の第3充電モード)を両立するなど、複数の充電方案を両立するバッテリ給電回路を提供することができる。また、充電対象機器内では、異なる充電モードに対して、給電時に2つのバッテリを並列接続して給電したり、充電集積回路によって給電したりすることができる。このような給電方式には、電力変換による損失がないため、充電対象機器のバッテリ寿命をさらに向上させることができます。また、充電対象機器はアダプタとの双方向通信に基づいて、アダプタのタイプに応じて異なる充電モードに自動的に切り替えることができるため、ユーザの使用体験を向上させることができる。
【0081】
なお、上記の図に示されているブロック図は、機能的なエンティティであり、必ずしも物理的または論理的に独立したエンティティに対応するわけではないことに注意されたい。これらの機能的なエンティティは、ソフトウェアの形で実現されるか、1つまたは複数のハードウェアモジュールまたは集積回路で実現されるか、異なるネットワークおよび/またはプロセッサデバイスおよび/またはマイクロコントローラデバイスで実現されてもよい。
【0082】
以下は、本開示の方法の実施例である。本開示の方法の実施例に開示されていない詳細については、本開示の機器の実施例を参照されたい。
【0083】
図17は、例示的な一実施形態に係る充電制御方法のフローチャートである。当該充電方法は、充電対象機器の充電に適用され、当該充電対象機器は、充電インターフェースと、上記の給電回路20、30、または40のいずれか1つとを含む。
【0084】
図17を参照すると、充電制御方法50は、
第1制御命令を受信した場合、前記給電回路におけるスイッチをオンにし、前記給電回路における第1切り替えユニットおよび第2切り替えユニットをオフ状態にすることにより、前記給電回路における第1セルと第2セルとが直列接続されるステップS502と、
第2制御命令を受信した場合、前記スイッチをオフにし、前記第1切り替えユニットおよび前記第2切り替えユニットをオン状態にすることにより、前記第1セルと前記第2セルとが並列接続されるステップS504と、を含む
【0085】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記第1セルと前記第2セルとが直列接続されて充電する場合、充電が完了した後、前記第1セルと前記第2セルとの電圧差が第1電圧差閾値より大きいか否かを決定するステップと、前記第1セルと前記第2セルとの電圧差が前記第1電圧差閾値より大きいと決定された場合、線形領域で動作するように前記第1切り替えユニットおよび/または前記第2切り替えユニットを制御して、前記第1セルおよび/または前記第2セルに電流制限抵抗を提供するステップと、前記第1セルと前記第2セルとの電圧差が前記第1電圧差閾値より小さい第2電圧差閾値より小さい場合、オン状態で動作するように前記第1切り替えユニットおよび前記第2切り替えユニットを制御するステップと、を含む。
【0086】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、充電インターフェースを介してアダプタの出力電圧および出力電流を受信するステップをさらに含む。
【0087】
いくつかの実施例では、前記充電対象機器は、充電集積回路をさらに含み、前記方法は、前記充電集積回路によって前記バッテリ給電回路が前記充電対象機器の他の回路に給電するようにするステップをさらに含む。
【0088】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記充電集積回路によって前記出力電圧を変換し、前記変換された出力電圧を前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に印加するステップをさらに含む。
【0089】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記出力電圧および前記出力電流を、前記バッテリ給電回路における直列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加するか、または前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加するステップをさらに含む。
【0090】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における直列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加する場合、前記充電用集積回路によって前記第1セルの電圧で前記他の回路に給電するステップをさらに含む。
【0091】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における直列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加する場合、前記充電用集積回路によって前記アダプタからエネルギーを取得して前記他の回路を充電するステップをさらに含む。
【0092】
一部の実施例では、前記アダプタは、第1充電モード、第2充電モード、および第3充電モードをサポートし、前記第1充電モードで、前記充電集積回路によって変換された前記出力電圧を前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に印加し、前記第2充電モードで、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加し、前記第3充電モードで、前記出力電圧および前記出力電流を前記バッテリ給電回路における直列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加する。
【0093】
いくつかの実施例では、前記充電インターフェースはデータラインをさらに含み、前記方法は、前記データラインを介して前記アダプタと双方向通信を行って、前記アダプタと前記電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションするステップをさらに含む。
【0094】
いくつかの実施例では、前記データラインを介して前記アダプタと双方向通信を行って、前記アダプタと前記電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションするステップは、前記アダプタによって送信された、前記充電対象機器が前記第3充電モードをオンにするか否かを尋ねるための第1命令を受信するステップと、前記充電対象機器が前記第3充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための前記第1命令の返事命令を前記アダプタに送信するステップと、を含む。
【0095】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記充電対象機器が前記第3充電モードをオンにすることに同意した場合、前記第1制御命令を送信するステップをさらに含む。
【0096】
いくつかの実施例では、前記データラインを介して前記アダプタと双方向通信を行って、前記アダプタと前記電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションするステップは、前記アダプタによって送信された、前記充電対象機器が前記第2充電モードをオンにするか否かを尋ねるための第2命令を受信するステップと、前記充電対象機器が前記第2充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための前記第2命令の返事命令を前記アダプタに送信するステップと、を含む。
【0097】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記充電対象機器が前記第2充電モードをオンにすることに同意した場合、前記第2制御命令を送信するステップをさらに含む。
【0098】
いくつかの実施例では、前記充電対象機器は、スイッチトキャパシタコンバータをさらに含み、前記方法は、前記スイッチトキャパシタコンバータによって前記出力電圧を変換し、変換された前記出力電圧を、前記バッテリ給電回路における直列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加するか、または前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に直接印加するステップをさらに含む。
【0099】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記スイッチトキャパシタコンバータが前記出力電圧および前記出力電流を直列接続された前記第1セルおよび前記第2セルの両端に直接印加する場合、前記充電用集積回路によって前記第1セルの電圧で前記他の回路を充電するステップをさらに含む。
【0100】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記スイッチトキャパシタコンバータが前記出力電圧および前記出力電流を直列接続された前記第1セルおよび前記第2セルの両端に直接印加する場合、前記アダプタからエネルギーを取得して前記他の回路を充電するステップをさらに含む。
【0101】
いくつかの実施例では、前記アダプタは、第4充電モードおよび第5充電モードをサポートし、前記第4充電モードで、前記スイッチトキャパシタコンバータによって変換された前記出力電圧を前記バッテリ給電回路における並列接続された第1セルおよび第2セルの両端に印加し、前記第5充電モードで、前記スイッチトキャパシタコンバータによって変換された前記出力電圧を前記バッテリ給電回路における直列接続された第1セルおよび第2セルの両端に印加する。
【0102】
いくつかの実施例では、前記充電インターフェースは、データラインをさらに含み、前記方法は、前記データラインを介して前記アダプタと双方向通信を行って、前記アダプタと充前記電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションするステップをさらに含む。
【0103】
いくつかの実施例では、前記データラインを介して前記アダプタと双方向通信を行って、前記アダプタと前記電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションするステップは、前記アダプタによって送信された、前記充電対象機器が前記第5充電モードをオンにするか否かを尋ねるための第3命令を受信するステップと、前記充電対象機器が前記第5充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための前記第3命令の返事命令を前記アダプタに送信するステップと、を含む。
【0104】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記充電対象機器が前記第5充電モードをオンにすることに同意した場合、前記第1制御命令を送信するステップをさらに含む。
【0105】
いくつかの実施例では、前記データラインを介して前記アダプタと双方向通信を行って、前記アダプタと前記電対象機器との間の充電モードをネゴシエーションするステップは、前記アダプタによって送信された、前記充電対象機器が前記第4充電モードをオンにするか否かを尋ねるための第4命令を受信するステップと、前記充電対象機器が前記第4充電モードをオンにすることに同意するか否かを示すための前記第4命令の返事命令を前記アダプタに送信するステップと、を含む。
【0106】
いくつかの実施例では、充電制御方法50は、前記充電対象機器が前記第4充電モードをオンにすることに同意した場合、前記第2制御命令を送信するステップをさらに含む。
【0107】
本開示の実施形態によって提供される充電制御方法によれば、様々な充電方案に適用可能なバッテリ給電回路を提供する充電対象機器の充電制御を行うことができ、アダプタとの双方向通信に基づいて、アダプタのタイプに応じて異なる充電モードに切り替えることにより、ユーザの使用体験を向上させる。
【0108】
なお、上記の図面は、本開示の例示的な実施形態に係る方法に含まれる処理の概略的な説明にすぎず、限定するものではない。上記の図面に示されている処理は、これらの処理の時系列的な順序を示すものでも制限するものでもないことを簡単に理解できる。また、これらの処理は、例えば複数のモジュールで同期的または非同期的に実行可能であることを簡単に理解できる。
【0109】
上記の記載は、本開示の例示的な実施形態を説明した。本開示は、本明細書に記載の詳細な構成、構成方式、または実現方法に限定されないことを理解すべきである。逆に、本開示は、添付の特許請求の範囲の思想および範囲内に含まれる様々な修正および同等の設定を網羅することを意図している。