(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
本願に記載するある種の例は、印刷システムにおいて使用するために印刷材料を収納する容器に関する。本願に記載する例示的な容器は、例えば現像剤またはトナー粒子として印刷材料を2次元印刷システムに供給するために、または造形材料を3次元印刷システムに供給するために使用されてよい。印刷材料は粉末または粉末状の材料であってよい。
【0028】
本願に記載するある種の例は、印刷材料を印刷システムへと効率的に搬送することを可能にする部品を備えた、回転式容器を提供する。回転式容器を使用することにより、印刷システム内部で空間をより効率的に使用でき、例えば容器は、垂直方向に長いホッパーを必要としうる重力送り給送システムと異なり、水平方向に配列されてよい。
【0029】
本願に記載するある種の例は、印刷材料を制御された速さで容器から分配しおよび/または容器に再充填することを可能にする、材料搬送および/または材料ガイド構造を提供する。例えば、本願に記載するところの材料搬送および/または材料ガイド構造は、容器の回転速度に依存した速さで容器から印刷システムへと印刷材料を供給することを可能にしてよい。
【0030】
本願に記載するある種の例は、2つの逆向きの方向、例えば時計回りと反時計回りにおける回転を可能にする部品を備えた容器を提供する。これら2つの方向の1番目における回転は、印刷材料を容器から印刷システムへと供給することを可能にしてよく、これに対して2つの方向の2番目における回転は、容器を印刷システムからの印刷材料で充填することを可能にしてよい。
【0031】
例えば、ある種の印刷プロセスでは、使用済み印刷材料が印刷システムに蓄積する結果となりうる。3次元印刷システムにおいては、これは印刷された3次元オブジェクトの周囲から除去された、固化されなかった、すなわち未融合の造形材料を含みうる。2次元印刷システムにおいては、これは印刷の間に光導電性表面から除去された、イメージに寄与しないトナーを含みうる。こうした余剰の使用済み材料を、きれいで整った仕方で印刷システムから除去することは、有用でありうる。このことは本願に記載するところの、ある種の例示的な容器を使用して達成されてよい。1つの場合には、余剰印刷材料は、容器が2番目の「充填」または「取り入れ」方向に回転している間に、容器の開口部内に配置された材料搬送部材へと材料を給送することによって、容器内へと装填し戻されてよい。余剰粉末を除去する速さを増大させることが望ましい場合には、回転の速さを増大させてよい。予め規定された速さにおいて、回転は印刷材料の圧密化を生じ、かくして容器の収容量を増大させうる。後の時点で再使用するために印刷材料を印刷システムから取り出すことが望ましい場合には、より遅い速さで回転させることによって、容器を通常のレベルに充填することができる。他の例においては、容器は2つの方向の一方における回転が印刷材料を搬送し、これに対して2つの方向の他方における回転が印刷材料を搬送しないように構成されてよく、例えば容器は印刷材料で充填されるが印刷材料を供給しないように構成されてよい。
【0032】
本願に記載するある種の例は、安価で効率的に製造されてよい容器を提供する。この容器は印刷材料が印刷システムへと簡単に搬送されることを可能にし、そして本願に記載のある種の部品は、容易な収納および取り扱いを可能にする。分配に際しての固化、圧密化、および分離による考えられる影響を低減および/または反転させるために、容器は2番目の「充填」または「取り入れ」方向に回転させて、印刷材料を再曝気および再混合(すなわち「リフレッシュ」)してよい。この意味における「混合」は印刷材料を容器内で、例えばそれ自体でまたは空気と共に混合することに関連している。このことは、予想されるおよび/または当初の特性および流動性挙動でもって、印刷材料を印刷システムへと供給することを可能にする。例えば、輸送に続いて設置を行った後に、印刷材料を供給するための方向とは逆の方向に短時間回転させることを通じて、容器は迅速に「リフレッシュ」させてよい。ある種の場合、例えば容器の充填の間に、ある容量の空気を容器に供給して、転動による後のリフレッシュを可能にしてよい。
【0033】
図1は、1つの例による、印刷材料用容器の幾つかの図を示している。これらの図は、以下の例に対する説明をもたらす例示的な容器の、ある種の態様を概略的に示している。実際の容器の構成は、
図1に示されたものからある種の態様において変更されていてよいことに留意すべきである。例えば、ある種の態様の形状および/または相対的な寸法は、実施形態に応じて変更されていてよい。最初の
図101は容器100の平面を示している。2番目の
図102は容器100の側部断面を示している。3番目の
図103は容器100の底面を示している。4番目の
図104は容器100の外側面を示している。
【0034】
図1の容器は、内壁120によって形成された中空のチャンバー110を含んでいる。チャンバー110は開放端部130と閉鎖端部140を有している。開放端部130は開口135を有し、それを通して印刷材料はチャンバー110へと搬入され、および/または搬出されてよい。開口135は、開口135を取り囲むチャネル構造150の内部に形成されている。チャネル構造150は開放端部130の一部分であり、開口135はその中に形成されている。閉鎖端部140は、印刷材料がチャンバー110から漏出するのを防止する。内壁120、開放端部130、閉鎖端部140およびチャネル構造150は単一の部品から形成されていてよく、または幾つかの接合された個別の部品から形成されていてよい。例えば、1つの場合において、容器100は単一の成形品からなるものであってよい。別の場合において、容器100は成形されたチャンバーおよび成形された上側部分が、例えば溶接によって相互に接合されて構成されていてよい。さらに別の場合において、容器100は成形されたチャンバーおよび別個の上側部分と下側部分が相互に接合されて構成されていてよい。後二者の場合には、チャネル構造150は、成形されたチャンバーに接合される上側部分の一部を形成していてよい。
【0035】
図1の容器100は、全体として円筒形の形状を有している。このことは例えば、容器100が円形の断面を有している1番目の
図101と3番目の
図103において看取されてよい。実施形態における断面は、正確な円とは異なっていてよく、例えば全体として湾曲しているが凹凸を備えたものであってよい。2番めの
図102と4番目の
図104においては、この例示における容器100が、軸155に沿って延びるどの程度の細長い円筒であるかを看取しうる。これらの特徴によって、容器100は例えば軸155の周囲で回転可能である。容器100は、直径Dおよび長さLで規定されてよい。ある種の実施形態において、Dは150から200mmの範囲にあってよく、そしてLは400から500mmの範囲にあってよい。他の例においては、容器100は種々の寸法を備えたものであってよい。他の例においては、容器100は異なる形状および/または断面を含むものであってよく、依然として中心軸の周囲で転可能である。加えて、後述するある種の例を参照して説明されるように、容器100の断面は真円でなくてよく、凹部および/または凸部を含んでいてよい。
図1において、開口135はチャンバー110は同軸であり、すなわち開口135の中心とチャンバー110の中心は両方とも軸155上に位置している。
【0036】
図1の容器100はまた、外壁160を有している。内壁120および外壁160はそれぞれ、容器100の側壁の内側表面および外側表面である。他の例においては、内壁120および外壁160は容器100の別々の壁を形成していてよく、例えば容器100は内壁120と外壁160の間にギャップまたはキャビティを含んでいてよい。容器100は使用時に回転されてよい。1つの場合において容器100は、ケージその他のような回転可能な台座内部に設けられていてよい。ケージを回転させることにより、容器100は回転される。他の場合には容器100は、例えば外壁160の周囲に設けられた1つまたはより多くのローラーを介して外壁160に力を加えることによって回転されてよい。1つの場合において、開放端部130および閉鎖端部140の一方または双方は、容器100を材料供給ステーションの内部に設けるための取着部分を含んでいてよい。
【0037】
図2は1つの例による印刷システム200を示しており、そこでは印刷システム200は
図1の容器100を使用するように適合されている。印刷システム200は、材料供給ステーション220および印刷ステーション230を囲うシャシー210を含んでいる。他の例においては、材料供給ステーション220および/または容器100は、印刷ステーション230とは異なるシャシー内に配置されていてよい。使用時に、材料供給ステーション220は印刷材料を印刷ステーション230へと供給する。ある種の場合には、印刷ステーション230はまた、余剰のまたは使用済の印刷材料を材料供給ステーション220(または同様の機能を有する別個の再使用ステーション)に戻すように供給してよい。ある種の場合には、印刷材料は印刷ステーション230へと送られる前に、印刷システム200から容器100へと供給されてよく、例えば未使用の印刷材料が内部収納庫から容器100へと印刷材料の種類を交換するために、例えば色または造形材料の種類を変更するために供給されてよい。
【0038】
印刷システム200が2次元印刷システムから構成されている場合には、印刷ステーション230は、感光ドラム、現像ユニットおよびクリーニングユニットを含むイメージ形成ユニットから構成されていてよい。現像ユニットは材料供給ステーション220から供給されたトナー材料を、帯電およびイメージ曝露に続いて感光ドラム上へと付着させてよく、すなわち「トナー像を現像する」。トナー像は、紙のような印刷媒体上へと転写されてよく、印刷された出力が形成される。余剰のトナーは感光ドラムから、クリーニングユニットによって除去されてよい。
【0039】
印刷システム200が3次元印刷システムから構成されている場合には、印刷ステーション230は、材料給送ユニット、プラテンおよび選択的固化ユニットを含んでいてよい。材料給送ユニットは造形材料を材料供給ステーション220から受け取ってよく、プラテン上に造形材料の層を生成する。固化ユニットは次いで、造形材料の各々の層の各部を選択的に固化するように動作してよい。プラテンは垂直方向に移動されてよく、造形材料の連続する層が形成されることを可能にする。このプロセスを繰り返すことにより、デジタル3次元モデルから、殆どどのような形状の3次元オブジェクトも生成することができる。
【0040】
印刷システム200が3次元印刷システムを含む場合には、印刷ステーション230は付加製造プロセスを実施してよい。そうしたプロセスにおいては、3次元オブジェクトはコンピュータ制御の下に、層から層へと生成される。印刷ステーション230は、1つまたはより多くの付加製造技術を実施して、供給された粉末造形材料から3次元オブジェクトを形成してよい。こうした技術には例えば、半結晶性熱可塑性粉末造形材料の選択的溶融、および/または金属粉末造形材料の選択的電子ビーム溶融が含まれる。
【0041】
幾つかの3次元印刷システムの例では、造形材料の固化は、接着剤のような液状結合剤を使用することによって可能とされる。この液状剤は、上述したプラテンの上方に配置された可動のプリントヘッドを使用して適用されてよい。ある種の例においては、固化は例えば集束されたレーザービームを使用して、造形材料に対してエネルギーを一時的に加えることによって可能とされてよいる。ある種の例においては、液状融合剤が造形材料に適用され、ここでの融合剤は、造形材料と融合剤の組み合わせに対して適切な量のエネルギーが適用された場合に、造形材料が昇温され、溶融され、融合して固化するようにさせる材料である。他の材もまた使用されてよく、例えば特定のエリアに選択的に付着された場合に、融合を阻止またはそのレベルを修正させる剤である。造形材料の融合は、熱的または非熱的な方法を使用して行われてよい。非熱的な融合技術には、バインダー噴射のような技術が含まれてよい。液状の剤は、サーマル式プリントヘッドまたは圧電式プリントヘッドを使用して適用されてよい。
【0042】
印刷システム200は、印刷すべきイメージまたはオブジェクトの定義をデジタル形式で受信してよい。2次元の場合には、イメージは印刷を行うために分解されて、複数の色分解イメージとされてよい。その場合、材料供給ステーション220は異なる容器100からの色の異なるトナーを含むものであってよい。各々の色について共通の材料供給ステーションまたは異なる材料供給ステーションがあってよい。3次元の場合には、デジタル表現がコンピュータソフトウェアによって仮想的にスライスへと断片化されてよく、または予備スライスされたフォーマットで提供されてよい。各々のスライスは、所望とするオブジェクトの断面を表す。
【0043】
図2の例においては、容器100は水平に設けられており、すなわち軸155は重力軸(例えば垂直)に対して実質的に直交している。他の場合には、容器100は水平に対して角度をなして設けられていてよく、例えば20〜30度までの角度にあってよい。印刷材料を印刷ステーション230に供給するために、材料供給ステーション220は容器100を回転するように配置されている。これについては、
図3、
図4および
図5を参照して以下でより詳細に説明する。
【0044】
図3は、容器100を材料供給ステーション220に結合するプロセスの幾つかのステージを概略的に示している。第1のステージ301は、容器が材料供給ステーション220の内部に設けられていない、第1の時点を示している。第2のステージ302は、容器が材料供給ステーション220内へと挿入される、第2の時点を示している。第3のステージ303は、容器100が材料供給ステーション220の内部に存在する、第3の時点を示している。ステージの各々について、材料供給ステーション220の概略的な側部断面が示されている。挿入プロセスを明瞭に示すために、各々のステージにおいて、容器100および材料供給ステーション220のある種の特徴は省略されている。第1のステージ301および第3のステージ303については、材料供給ステーション220の正面図もまた右手側に示されている。
図302および
図303は、容器100の概略的な断面を示している。
【0045】
図3の例においては、材料供給ステーション220は装着部、または受容接続部310および取入口320を含んでいる。取入口320は、容器100に結合される印刷システムの部品として看取されてよい。装着部310は、容器100を受容するように構成された、細長い通路またはケージを含んでいる。装着部310は閉鎖区域および/または開放区域から構成されていてよく、例えば連続する内側表面を備えた細長いチューブおよび/または容器100が配置される(例えばケージによって)空間容量の周囲に位置決めされた個別の支持部材を含んでいてよい。1つの場合において、装着部310は案内表面を含んでいてよく、容器100の対応する外側表面(例えば少なくとも外壁160の一部分)は、挿入の間にそれに沿って案内されてよい。この案内表面は、装着部310のベースに配置されていてよい。ある種の例においては、装着部310は引込部材を含んでいてよく、これらの部材は容器の挿入の間は引き込まれており、そして容器が位置決めされた場合には飛び出して容器を把持する。装着部310は容器100を材料供給ステーション220および/またはシャシー210の内部に完全に受容するよう構成されていてよく、または容器100の一端が材料供給ステーション220および/またはシャシー210から突出するように構成されていてよい。図示されてはいないが、材料供給ステーション220および/またはシャシー210はドアを含んでいてよく、それは開放されると装着部310を露呈させ、そして通常の作動時(例えば挿入された容器100があるか、またはない状態)には閉鎖されている。1つの場合において、装着部310は容器100を回転させるために回転されてよく、例えば装着部が容器100を受容するケージを含む場合には、ケージは容器100を回転させるために回転されてよい。
【0046】
取入口320は
図3に示されているように、容器100のチャネル構造150を受容する1つまたはより多くの部品を含んでおり、かくして印刷材料を容器へと開口135を経由して供給し、または取り出すことができるようにしている。取入口320は1つまたはより多くの軸受を、例えばチャネル構造160を受容する環状部材中に含んでいてよい。取入口320はまた、容器100に取着されて容器100をその位置に保持する機械継手を含んでいてよい。この機械継手は、以下でより詳細に説明するように、チャネル構造150および/または外壁160、および/または容器100の部品に対して取着されてよい。
【0047】
第2のステージ302は、容器100が装着部310と水平方向に、開口135が取入口320に面するようにして整列されていることを示している。容器100は次いで材料供給ステーション220の前側から、装着部310の中へと押し込まれる。容器100は、容器100の閉鎖端部140に対して力を加えることによって挿入されてよい。容器100は手作業により、ロボットアクチュエータを介して、および/または容器搬送システムを介して挿入されてよい。容器100は、容器100の開放端部130が取入口320に達するまで挿入される。この時点において、チャネル構造150は取入口320と密封された結合を形成していてよい。これは第3のステージ303に示されている。
【0048】
第3のステージ303は、装着部310の内部に位置決めされた容器100を示している。チャネル構造150は、取入口320内部に収容されている。1つの例においては、取入口320は、例えば以下でより詳細に説明するようにバルブ構造の平行移動を介して容器100を開封するよう構成されていてよい。容器100が一旦位置決めされたならば、開口135および取入口320を通じて、印刷材料は容器100から取り出されてよく、および/または印刷材料は容器100へと供給されてよい。例えば取入口320は、印刷材料を印刷ステーション230へと提供する給送システムに結合されていてよい。このプロセスは直接的または間接的であってよく、例えば印刷材料は直接的に印刷ステーション230へ、および/または印刷ステーション230から搬送されてよく、または印刷システム200内部の中間収納部品へ、および/またはそこから搬送されてよい。給送システムは、1つまたはより多くのチューブ、フィルター、ポンプ、ブロワー、セパレーターおよび/またはホッパーを含んでいてよい。この給送システムは、粉末の取り出しを容易にするために、および/または印刷システム内部で印刷材料を搬送するために、差圧を印加するものであってよい。
【0049】
図3は、容器100を材料供給ステーション220へと結合するための1つの例示的な方法を示している。他の方法および構造も可能である。例えば:容器100は水平または垂直に対して角度をなして設置されてよく;材料供給ステーション220は開口を前面ではなく、上側から、側部から、または下側から提供してよく;および/または容器100は転動または摺動して位置決めされてよい。
【0050】
図4は、設置された容器100へ、および/または容器100から、印刷材料をどのようにして容器100の回転を介して搬送しうるかを示している。この例において容器100は、容器100の第1の方向における回転が印刷材料を取入口320へと搬送し、そして回転式チャンバーの第2の方向における回転が印刷材料を取入口320から離れるように搬送するよう構成されている。特に、容器100の回転式チャンバー110を回転することによって、印刷材料は印刷システム200に、および/または印刷システム200から供給され、かくしてそれぞれ、チャンバー110の容積を空にし、および/または少なくとも部分的に充填する。
【0051】
図4における第1のステージ401においては、容器100が第1の方向410に回転される。この回転は材料供給ステーション220によって、または外部のエージェントによって適用されてよい。前者の場合には、容器100を保持するケージが回転されてよい。代替的に、他の例においては、容器100の周囲に配置されたローラーが外壁160に力を適用して、容器100を装着部310の内部で回転させてよい。後者の場合には、ハンドルまたはグリップを容器100の閉鎖端部140に配置して、人またはロボットのエージェントによって容器100が回転できるようにしてよい。
図4の第1のステージにおいて、回転は時計回りである。しかしながら、容器の実施形態に応じて、他の例においては方向を反時計回りとしてよい。第1のステージ401の左手の側面図は、印刷材料が回転の間に容器100から材料供給ステーション220へと供給されていることを示している。印刷材料は次いで、材料供給ステーション220から印刷システム200の他の部品へと分配されてよい。第1のステージ401において、印刷材料は回転の間に容器100内部から空にされる。
【0052】
図4の第2のステージ402において、容器100は第2の方向420に回転される。この場合にも、回転は材料供給ステーション220によって、または外部のエージェントによって適用されてよい。
図4の第2のステージにおいて、回転は反時計回り(または逆時計回り)である。しかしながら、容器の実施形態に応じて、他の例においては方向を時計回りとしてよい(すなわち第1のステージおよび第2のステージの方向は逆にしてよい)。第2のステージ402の左手の側面図は、印刷材料が回転の間に容器100へと材料供給ステーション220から供給されていることを示している。第2のステージ402において、容器100は印刷材料で充填される。
【0053】
ある種の場合には、容器100は、第1の方向における円筒の完全な1回転ごとに、所定量の印刷材料が材料供給ステーション220へと搬送されるように構成されていてよい。例えばこれは、材料搬送部材および/または材料ガイド構造を以下でより詳細に説明するようにして提供および構成することによって達成されてよい。
【0054】
図5は、
図3および
図4の例のバリエーションを示している。2つの図が示されている:概略的な側部断面
図501および概略的な前部断面
図502である。このバリエーションにおいては、2つの容器505および510を印刷供給ステーション520(材料供給ステーション220に基づく)の内部に設けることができる。例えば、第1の容器505は未使用の、または「バージン」粉末材料を提供してよく、そして第2の容器510は使用済の粉末材料を回収または提供するように使用してよい。例えば、ある種の場合には第2の容器510は、十分な使用済印刷材料を印刷システムそれ自体によって提供できない場合(例えば印刷作業が始まったばかりであったり、製造されているオブジェクトの寸法または品質に起因して)、使用済の印刷材料を提供してよい。使用済の印刷材料はまた、1つの印刷材料から別の印刷材料へと切り替えを行っている間に供給してもよい。かくして印刷プロセスの間に、第1の容器505を第1の方向に回転させることによって、印刷材料515は220のような印刷ステーションへと供給されてよく、そして印刷プロセスから得られる使用済の印刷材料は、第2の容器510を第2の方向に回転させることによって、第2の容器510へと供給されてよい。この手法は2つよりも多い容器に拡張されてよく、そして方向、および供給/充填の構成は、実施形態に応じて変更されてよいことが理解されよう。
【0055】
図5はまた、印刷材料用の2つの中間ホッパー540、550の使用を示している。これらは印刷システム200内部のバッファとして使用されてよい。例えば、第1の中間ホッパー540は印刷材料545を第1の容器505から受け取ってよい。印刷材料545は次いで第1の中間ホッパー540から、印刷ステーション230へと供給されてよい。第2の中間ホッパー550は次いで、印刷材料を印刷ステーション230から受け取ってよい。この印刷材料は、第2の容器510を充填し、および/または印刷出力を生成するために使用される前に、一時的に収納されてよい。各々の中間ホッパー540、550は、例えば上述したような部品を含む給送システムによって、材料供給ステーション520の内部で対応する取入口に結合されてよい。
【0056】
図6は、印刷材料を容器へ、または容器から搬送するための、例えば印刷システムの部品へ、または部品から搬送するための、例示的な方法600を示している。例えばこの方法は、印刷システム200または別の異なる印刷システムに適用されてよい。印刷システムの部品は、材料供給ステーション220、520またはその他といった材料供給ステーションを含んでいてよい。ブロック610において、容器(容器100のような)は第1の方向に回転されて、印刷材料は容器の内部から搬送され、例えば容器の内部に対して3次元印刷システムの部品に向けて搬送される。例えば、これは
図4の第1のステージ401に示されている。ブロック620において、容器は第2の方向に回転されて印刷材料は容器の内部へと搬送され、例えば容器の内部に対して印刷システムの部品から離れるように搬送される。例えば、これは
図4の第2のステージ402に示されている。第1の方向および第2の方向は、時計回りおよび反時計回り、またはその逆であってよい。いずれの方向における回転も、ある種の例においては独立して与えられてよく、例えば容器は空にされて再充填されていなくてよく、または充填されて空にされていなくてよい。例えば、空の容器または使用済の印刷材料で充填された容器はリサイクルされてよい。
【0057】
1つの場合において、第1の方向における円筒の完全な1回転は、所定量の印刷材料を印刷システムへと搬送する。このことは、印刷材料の「用量」として称されてよい。このことは、容器が少なくとも所定量の印刷材料を収容している場合に達成されてよい。随所で記載するように、印刷材料はパウダーを含んでいてよく、例えば粉末材料であってよい。
【0058】
1つの場合において、ブロック610は所定の時間間隔にわたって実行されて、所定量の印刷材料を印刷システムへと供給してよい。これは印刷ステーションへと直接的に供給されてよく、または中間ホッパーにおいて一時的な収納が行われてよい。この場合、容器の第2の方向への回転が、第1の方向における容器の回転の間の1つまたはより多くのインターバルにおいて行われてよく、印刷材料の印刷システムへの供給の間に印刷材料は混合される。この場合、「混合」は異なる印刷材料を混合するのではなく、容器の内部にある印刷材料に関して行われる。このことは「自己」混合として看取されてよく、例えば材料粒子の構成を変化させ、および/または容器内で空気と混合が行われる。例えば、印刷材料の第1の量を、容器を第1の方向に回転させることによって供給してよい。第1の量が供給されたならば、容器の第1の方向における回転は中止されてよく、そして容器の第2の方向における回転が開始されて、容器内における印刷材料の混合または「リフレッシュ」が開始されてよい。この第2の方向における回転は、第1の方向における回転と比較して、異なる時間長さにわたって行われてよい。例えば、第2の方向における回転は、より短い時間長さにわたって行われてよい。第2の方向における回転はまた、第1の方向における回転に対して、異なる回転速さで行われてよい。例えば、第2の方向における回転は、より高速であってよい。150から200mmの間の直径と400から500mmの間の長さを有する容器について、回転の速さは2Hzまでであってよい。容器は次いで、再度第1の方向に回転されてよく、新たにリフレッシュされた印刷材料がチャネル構造へと搬送され、そして取入口を介して印刷システムへと、回転速度に応じた速さで搬送される。1つの場合において容器は、容器が最初に設置された場合に、すなわち第1の方向に回転される前に、第2の方向に回転されてよい。このことは、輸送、保管および取り扱いに続いて、印刷材料を「リフレッシュ」することを可能にする。
【0059】
第2の方向における回転はまた、イメージまたはオブジェクトが印刷された後に、例えば未使用の印刷材料を容器に戻すよう供給するために行われてよい。印刷材料を容器に供給するためには、第2の方向における回転の速さを容器内へと5g/sの流量をもたらすように構成してよい。
【0060】
上記の場合には、容器を第2の方向に回転させることは、容器を所定の速さで回転させて、容器の充填の間に容器の内部で粉末状の印刷材料を圧密化することを含んでいてよい。上記した例示的な寸法の場合、所定の速さが2Hzを超えるかまたは等しいと遠心運動が生成され、印刷材料は容器内部で圧密化される。圧密化をもたらすためには、この速さを10分間程度適用してよい。圧密化は、回転の速さと回転の時間を制御することによって調節されてよい。例えば、より小さな遠心力がより長時間加えられると、より大きな遠心力がより短時間加えられたのと同様の効果がありうる。印刷材料の圧密化は容器の収容量を増大させてよく、すなわち容器の内部における所与の量の粉末材料の容積を低減させ、圧密化されていない場合と比較して、より多くの粉末を収容することを可能にする。圧密化は、印刷材料が容器から再度供給される場合(例えば第1の方向における回転を通じて)には、望ましくないことがある。ある種の場合においては、圧密化は回転パラメータを変更することによって逆行させてよい。この例では、1.2Hzで回転すると容器の内部での印刷材料の小滝状運動がもたらされ、そして1.5Hzで回転すると瀑布状運動がもたらされる。これらの形態の運動は、印刷材料を混合することによって、圧密化の効果を反転させうる。
【0061】
1つの場合において、印刷システムの部品は材料供給システムを含み、そしてこの方法は、容器を第1の方向に回転させる前に:容器を材料供給システム内へと挿入し;そして容器の開口を材料供給システムの取入口に結合することを含んでいてよい。このことは、例えば
図3に示されている。この図に示されているように、容器は材料供給システム内部で水平に整列させてよい。1つの場合において、容器の開口を材料供給システムの取入口に結合することは、バルブ構造を開口の内部で平行移動させて、容器を開封することを含んでいる。これはまた、容器を開封するための何らかの結合とは独立して行われてよい。バルブ構造はオーガーバルブであってよい。これについては後述の例でより詳細に説明する。
【0062】
印刷材料の例示的な性質について、手短に説明する。印刷材料は乾燥した、または実質的に乾燥した、粉末または粉末状の材料であってよい。他の例においては、印刷材料は粘稠な液体、ペースト、またはゲルのような、液体タイプの造形材料から構成されていてよい。3次元印刷の例においては、印刷材料は、容積ベースの平均断面粒径寸法が以下の何れか1つの間にあってよい:約5マイクロメートルと約400マイクロメートルの間、約10マイクロメートルと約200マイクロメートルの間、約15マイクロメートルと約120マイクロメートルの間、または約20マイクロメートルと約70マイクロメートルの間。適切な容積ベースの平均粒径の他の例には、約5マイクロメートルから約70マイクロメートル、または約5マイクロメートルから約35マイクロメートルが含まれる。容積ベースの粒径とは、印刷粒子と同じ容積を有する球形の寸法である。「平均」が意図することは、容器内の容積ベースの粒径の殆どは記載した寸法または寸法範囲内にあるが、容器はまた記載した範囲外の直径の粒子をも含有してよいと説明することである。例えば粒径は、約10マイクロメートルと約500マイクロメートルの間、または約10マイクロメートルと約200マイクロメートルの間、または約15マイクロメートルと約150マイクロメートルの間の厚さを有する印刷材料層の分配を容易にするように選択されてよい。付加製造システムの1つの例は、約40マイクロメートルと約60マイクロメートルの間の容積ベースの平均粒径を有する粉末を収容している造形材料容器を使用して、約80マイクロメートルの粉末材料層を形成するように事前設定されてよい。付加製造装置はまた、異なる層厚を有する粉末層を形成するように構成または制御されてよい。
【0063】
3次元印刷(すなわち付加製造)の場合には、本願で記載する例示的な容器において使用するための印刷材料は、ポリマー、結晶性プラスチック、半結晶性プラスチック、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アモルファスプラスチック、ポリビニルアルコールプラスチック(PVA)、ポリアミド、熱(固化性)プラスチック、樹脂、透明粉末、着色粉末、金属粉末、例えばガラス粒子のようなセラミック粉末、および/またはこれらの少なくとも2つまたは他の材料の組み合わせの少なくとも1つを含んでいてよく、ここでこうした組み合わせには、それぞれが異なる材料である異なる粒子、または同一のコンパウンドの粒子中における異なる材料が含まれてよい。ブレンドされた造形材料の例にはアルマイドが含まれ、これにはアルミニウムとポリアミドのブレンド、多色粉末、およびプラスチック/セラミックブレンドが含まれてよい。ブレンドされた造形材料は、2つまたはより多くの、それぞれの異なる平均粒径を含んでいてよい。印刷材料はまた、本願で使用するところでは繊維を含む造形材料を包含している。こうした繊維は例えば、押し出された繊維を短い長さに切断することによって形成されてよい。例えば繊維の長さは、プラテンまたは造形プラットフォーム上への造形材料の効果的な拡延を可能にするように選択されてよい。例えば、この長さは繊維の直径に大体等しいものであってよい。
【0064】
続けて3次元印刷の例について、「未使用」および「使用済」の印刷材料という概念についてさらに簡単に説明する。例えば、本願に記載するところの容器は当初、印刷システムに供給するための未使用印刷材料で充填されてよく、および/または印刷システムの印刷プロセスから発生する使用済印刷材料で充填されてよい。
【0065】
付加製造プロセスにおいて使用するための印刷材料の特定のバッチは、新品(例えば「未使用」)の造形材料または「使用済」造形材料であってよい。新品の造形材料とは、これまで3次元印刷造形ジョブにおいて使用されたことがない造形材料であると考えるべきである。例えばこれは、熱的プロセスの間に加熱されたことがない造形材料および/または非熱的プロセスにおいて化学的バインダーを受けたことがない造形材料を含んでいてよい。従って、造形材料製造業者によって供給された未開封の造形材料供給物は、新品の造形材料を収容していてよい。対照的に、使用済の造形材料とは、これまで付加製造プロセスにおいて使用するために3次元印刷システムへと供給されたことがあるが、プロセスの間に固化されたことがない造形材料である。例えば、使用済の造形材料は、熱的融合による3次元印刷動作の間に生成されてよく、そこでは粉末造形材料は、粉末の材料劣化を生ずるのに十分でありうる長さの時間にわたって融点付近まで加熱される。この点について、付加製造プロセスにおいて使用するために3次元印刷システムへと供給された造形材料の必ずしも全部が3次元印刷物品に使用されるものではなく、および/または3次元印刷物品中に取り込まれるものでもないことが理解されよう。3次元印刷ジョブの間または完了後に回収された、固化されなかった造形材料の少なくとも幾らかは、その後の付加製造プロセスにおいて再使用するのに適したものであってよい。そうした造形材料は後の使用のために、例えば本願で説明する容器中に収納されてよく、そして「使用済」造形材料と称されてよい。
【0066】
上記の例を続けると、使用済の造形材料はまた、後続の印刷プロセスのために、新品の造形材料と混合されてよい。
図5の例では、第1の容器505は、第2の容器510の内部に存在する使用済の造形材料と混合される、新品の造形材料を含んでいてよい。混合比率は可変であってよく、例えば粉末の性質に基づいている。混合は、容器に関して外部で、または内部で行われてよい。例えば、混合は給送システムおよび/または1つまたはより多くの中間ホッパーを使用して(またはその内部で)行われてよく、または使用済の造形材料を第1の期間にわたって容器に供給し、そしてバージン造形材料を第2の期間にわたって容器に供給してよい。1つの場合において、内部のホッパーは、容器の少なくとも2倍の容積を有していてよい。1つの場合において、混合は例えば容器および/または内部ホッパーから取り出された印刷材料について、空力的搬送に基づく給送システムの内部で使用中に行われてよい。容器は次いでさらに回転されて、組み合わせ物を容器内で混合してよい。1つの例においては、80%が使用済で20%が新品の造形材料の混合物を、幾つかの用途についてオブジェクトに使用してよく、100%新品の造形材料を他の用途についてオブジェクトに使用してよい。
【0067】
一般に、印刷材料容器は、新品の印刷材料に加えて、またその代わりに、リサイクルまたは再調整された(例えば3次元の場合に使用されたが固化されていない)印刷材料を供給するために使用されてよい。ある種の場合においては、種々の品質の印刷材料を供給してよく、例えば異なる印刷材料容器から、それぞれが異なる品質仕様に従う、異なる等級の印刷材料を供給してよい。幾つかの例においては、使用済の印刷材料は供給者に返却してよい。
【0068】
印刷システム用に印刷材料を収納するための回転式容器の態様、特にそうした容器についてのチャネルおよび/またはバルブ構造に関する態様について、
図7Aから
図7Eを参照して説明する。これらの態様は、容器の開口、例えば
図1に示すような開口135の内部に配置されてよい、材料搬送部材に関連する。
【0069】
図7Aは、印刷システム用に印刷材料を収納するための回転式容器701を概略的に示している。容器701は、
図1に示した容器100に基づいている。容器701は印刷材料を搬送するためのチャネル構造704を含み、このチャネル構造は容器701の開口を規定している。チャネル構造704は、以下に記載するようにチャネル構造150に基づいていてよい。チャネル構造704は、印刷動作の間に、またはそれに先立って、印刷材料を容器701から印刷システム内へと搬送するためのものであってよい。チャネル構造704はまた、充填または再充填動作の間に、印刷材料を印刷システムから容器701内へと搬送するためのものであってよい。
【0070】
容器701は、チャネル構造704の内部に少なくとも部分的に配置された、材料搬送部材705を含んでいる。材料搬送部材705は、印刷材料をチャネル構造704を介して、例えば容器701の中または外のいずれかへと搬送するように配置されている。この例においては、材料搬送部材は螺旋スクリューであるが、しかし他の構成も可能である。螺旋スクリューは例えば、2連螺旋スクリューのような複式螺旋スクリューであってよい。材料搬送部材705は、チャネル構造704に対する相対的な回転を防止するように設けられている。そのため、容器701およびそのチャンバーを回転させると、材料搬送部材705の回転も導かれる。例えば、材料搬送部材705およびチャネル構造704の一方にあるノッチが、チャネル構造704および材料搬送部材705の他方の突起と結合してよく、それによって相対的な回転が防止される。代替的にまたは追加的に、相対的な運動は材料搬送部材705とチャネル構造704を接合する接続手段、例えば接着剤、および/またはブラケットまたはネジのような接続部材によって防止されてもよい。幾つかの例では、容器701は全体が一体として回転するように構成され、材料搬送部材705、チャネル構造704および容器701の残りの部分の間で相対運動が生じないようにされる。例えば容器701は、本願で随所に記載するように、回転方向に応じて印刷材料をチャネル構造704へと、またはチャネル構造704から離れるように差し向けるための、螺旋状隆起部分を含んでいてよい。
【0071】
チャネル構造704および材料搬送部材705は、共有軸706の周囲で一体として回転するように配置されており、印刷材料をチャネル構造を通じて搬送する。これは
図1に示された軸155を包含する。例えば、材料搬送部材705およびチャネル構造704は、第1の方向に回転して印刷材料を容器701内へと搬送し、そして第1の方向とは逆の第2の方向に回転して、印刷材料を容器701から外へと搬送するように配置されてよい。
【0072】
ある種の場合においては、複式螺旋スクリューを材料搬送部材705として使用することは、単一の回転過程にわたり、1つより多い点において印刷材料をスクリューによって収集することを可能にする。例えば、2連螺旋スクリューは、単一螺旋のスクリューと比較して、回転の間に2倍の数の点において印刷材料を収集する。それにより、材料搬送の効率および速度が改善される。
【0073】
幾つかの例においては、印刷材料は材料搬送部材705へと、上側からまたは側部から供給される。例えば、再充填動作の間に、リサイクルされた印刷材料は材料搬送部材705へと、材料搬送部材705の上部に位置するノズルから重量によって給送されてよい。ある種の例においては、複式螺旋スクリューの使用は、回転サイクルの任意の時点において印刷材料を収集することを可能にする。単一の螺旋スクリューは、スクリューの螺旋の端部がノズルに対して後ろ向きになっている場合には、印刷材料を収集しない。この場合は印刷材料はスクリューから落下し、そこから回収されてノズルに戻されることになる。複式螺旋スクリューの使用はかくして、印刷材料の供給効率を、特に再充填動作において改善することになるが、それはこうした回収および戻しが低減されまたは回避されるからである。
【0074】
図7Bは印刷材料容器についての、例えば上述したように容器のチャネル構造の内部に配置されるバルブ構造710を概略的に示している。
【0075】
バルブ構造710は、バルブ構造の軸の周囲に周方向に配置されたシール712を含んでいる。例えば、このシールはゴム製のOリングような圧縮性部材から構成されるものであってよい。
【0076】
バルブ構造710は、例えば
図7Aに関して上述したように構成された、バルブ構造の軸と整列された材料搬送部材713を含んでいる。材料搬送部材713は、2連の螺旋スクリューであってよい。
【0077】
シール712は材料搬送部材713の末端、すなわち使用時に容器の内部から最も離れた端部に配置されている。材料搬送部材713は、印刷材料容器の開口に対する相対回転を防止するための構造を含んでいる。例えば、この構造は上述したようなノッチまたは接続手段を含んでいてよい。
【0078】
バルブ構造710は印刷材料容器の開口の内部で、例えば
図7Aに関して上述したチャネル構造の内部で平行移動可能なように構成されている。
【0079】
そうした平行移動の1例が、
図7Cに概略的に示されている。左手側のイメージ715において、バルブ構造710は印刷材料容器の開口718の内部に配置されており、シール712が開口718を封止するようになっている。右手側のイメージ720においては、バルブ構造710は左へと平行移動されており、シール712は開口718を封止していない。
【0080】
図7Dは、上述したようにバルブ710を含み、印刷システム725の内部に設けられた容器701を概略的に示している。例えば、印刷システム725は印刷システム200を含んでいてよく、そして容器701は
図3から
図5における材料供給ステーション220または520のような材料供給ステーションの内部に設けられていてよい。容器701は、印刷システム725のリテーナ部材726a、726bによってその場に保持されている。例えばリテーナ部材は、容器701を保持するためのバネ式ブラケットまたはラッチを含んでいてよい。容器701はその軸の周囲に方向727へと回転されて、印刷材料を容器701から印刷システム725の受容要素728へと搬送する。この受容要素728は、上述したように材料供給ステーションの取入口の内部に位置決めされていてよい。受容要素728は、搬送された材料を受け取るよう構成された漏斗またはホッパーであってよく、印刷材料はそこから、印刷システム725の部品へと運ばれる。
【0081】
図7Eは、印刷システム725の内部に設けられた容器701の端面図を概略的に示している。容器701は上述したように方向727へと回転される。容器701は印刷システム725の回転部材730によって、直接的または間接的のいずれかで回転される。例えば、回転部材はホイールであってよく、回転されると容器710を摩擦によって回転させ、またはケージを回転させて、ケージの内部に保持された容器を回転させる。別の例として、リテーナ部材726a、726bは容器701の中心軸の周囲で移動するように構成されていてよく、それによって容器701を回転させる。さらに別の例は、回転駆動を行うタイミングプーリーおよびベルトを用いたものでありうる。
【0082】
図8は、収納容器と印刷システムとの間で、例えば上述したようにして印刷材料を搬送する方法801を示している。
【0083】
この方法801はブロック804において、収納容器のチャネル構造の内部で、
図7Cに関して上述したようにして、収納容器を封止する近接位置から収納容器に対するアクセスを可能にする末端位置へと、バルブ構造を平行移動させることを含んでいる。例えば容器は、容器が封止されて印刷材料が漏出できないように、バルブ構造が近接位置にある状態でユーザーへと供給されてよい。容器はさらに、以下でより詳細に説明するように、ユーザーにより取り外されるキャップで封止されていてよい。この平行移動は、以下でより詳細に説明するように、印刷システムの平行移動要素によって行われてよい。
【0084】
この方法801はブロック805において、チャネル構造およびバルブ構造の材料搬送部材の共有軸の周囲で収納容器を回転することを含んでいる。上記したように、この回転は収納容器と印刷システムとの間での、共有軸の方向における印刷材料の搬送を生じさせる。例えば、印刷材料は印刷システムから容器へと、充填動作または再充填動作において搬送されてよく、または供給動作において容器から印刷システムへと搬送されてよい。
【0085】
例においては、収納容器は充填動作に際して、供給動作と比較した場合に異なる速さで回転されてよい。例えば、供給動作の間、容器は毎分40回転から60回転の間の速さで回転されてよい。充填動作の間、収納容器はより速い速さで回転されてよく、この速い速さは遠心力によって印刷材料がチャネル構造の外側領域を占めるようになるのに十分な速さである。このことは実際上、印刷材料がチャネル構造を外側から内側へと充填するようにさせる。チャネル構造をこのようにして充填することは、材料の流れにおける欠落の数を低減させ、それによって印刷材料の容器内へのより均一な流れを生じさせる。このことは、充填動作の効率を改善する。そうした例の1つにおいて、充填動作は容器を毎分80回転から120回転の間の速さで回転させることを含んでいる。
【0086】
幾つかの例においては、上記の回転に続いて、方法801は収納容器のチャネル構造の内部において、バルブ構造を末端位置(収納容器に対するアクセスが可能な)から近接位置(容器を封止する)へと平行移動することを含んでいる。容器はかくして、容器が印刷システムから取り出された場合に印刷材料がこぼれ落ちるのを防止するために、充填または供給動作に続いて封止される。
【0087】
幾つかの例において方法801は、バルブ構造を末端位置から近接位置まで平行移動させた後に、キャップをチャネル構造の開口に結合させてキャップがバルブ構造に対して接触力を及ぼすようにすることを含んでおり、そこにおいて接触力は、バルブ構造の部材をチャネル構造内部で圧縮して、収納容器を封止する。このことは、以下でより詳細に説明するように、封止の有効性を改善させる。
【0088】
さらなる例示的な容器の態様について、以下で
図9Aから
図9Eを参照して説明する。
図9Aから
図9Eは、例示的な容器のチャネル構造のさらなる構造を示している。以下に説明する態様は独立して、または本願で説明した他の態様およびバリエーションの1つまたはより多くと組み合わせて使用されてよい。
【0089】
図9Aは、印刷システムのために印刷材料を収納する容器901を概略的に示している。この容器は、
図1の容器100および/または
図7Aから
図7Eの容器701の実施形態を含んでいてよい。容器901は、印刷材料を搬送するためのチャネル構造903を含んでいる。例えば、これは
図1のチャネル構造150または
図7Aのチャネル構造704の実施形態を含んでいてよい。チャネル構造903は容器901の開口を提供し、そしてチャネル構造903の軸904は軸方向を規定する。軸904は
図1に示すように軸155を含んでいてよい。
【0090】
容器901は、チャネル構造903の内部に配置されたバルブ構造906を含んでいる。バルブ構造906は
図7Bおよび
図7Cに示されたバルブ構造710、または代替的な構造によって実施されてよい。バルブ構造906は上述したように、近接位置と末端位置との間でチャネル構造の内部を軸方向に平行移動可能である。近接位置は例えば
図9Bに示すように、バルブ構造906が容器の中心に最も近い位置を含んでいてよい。末端位置は例えば
図9Aに示すように、バルブ構造906が容器の中心から離れて配置された位置を含んでいてよく、そこではバルブ構造906はチャネル構造903から突出している。
【0091】
バルブ構造906はさらに、チャネル構造の軸の周囲において、チャネル構造903に対して相対的に回転可能でない。例えば、バルブ構造906とチャネル構造903との相対的な回転は、チャネル構造903の突起と結合されるバルブ構造906のノッチ、または同様に、バルブ構造906の突起と結合されるチャネル構造903のノッチのような要素によって防止されてよい。
【0092】
バルブ構造906は
図9Aにおいて、末端位置に示されている。末端位置におけるチャネル構造903からの突出量は、実施形態の異なりおよび取入口の構造の異なりによって変化してよい。この例では末端位置は、例えば印刷材料を容器901から印刷システムへと、または印刷システムから容器901へと搬送するために、容器901の内部へとアクセスすることを可能にする。この場合に印刷システムは、
図2に示すような印刷システム200であってよい。
【0093】
図9Bは、バルブ構造906が近接位置にある状態において容器901を示している。バルブ構造906はバルブ構造906が近接位置にある場合にチャネル構造を封止するように構成されており、それによって印刷材料の搬送を妨げる。バルブ構造906はかくして、チャネル構造903に対するその相対的な位置に応じて、印刷材料の搬送を妨げ、または可能にするように使用されてよい。例えば、印刷材料がこぼれ落ちるのを防止するため、バルブ構造906は貯蔵、輸送、および/または取り扱いの間に、近接位置へと配置されてよい。
【0094】
幾つかの例においては、バルブ構造906はチャネル構造の軸904と整列した材料搬送部材を含む。この材料搬送部材は例えば、上記でより詳細に説明したような複式螺旋スクリューを含んでいてよい。こうしたバルブ構造は従って、近接位置にある場合には印刷材料の搬送を防止することができ、そして末端位置にある場合にはスクリュー作用を介して印刷材料の搬送を促進することができる。
【0095】
例においては、バルブ構造906は圧縮性部材を含んでいる。圧縮性部材は、バルブ構造が近接位置にある場合にチャネル構造を封止するように配置される。圧縮性部材はバルブ構造906の一部分の周りに周方向に、例えばバルブ構造906が近接位置にある場合にバルブ構造906の当該一部分とチャネル構造903の内側との間となるような位置に位置決めされてよい。例えば、圧縮性部材はゴム製のOリングであってよい。
【0096】
例においては、キャップを容器901に結合可能である。
図9Cはそうした例を概略的に示しており、キャップ910が容器901に結合されている。キャップを容器に結合すると、バルブ構造906に対して力が作用し、バルブ構造906は近接位置へと押しやられる。上述した圧縮性部材はかくして、キャップ903を容器に結合することによって圧縮可能であり、それによって容器の開口を閉鎖する。このようにして、キャップを容器に結合するとチャネル構造903の確実な封止が確保され、印刷材料がこぼれ落ちるリスクが低減される。キャップ910の存在はまた、バルブ構造906がチャネル構造903を封止するよう適切に配置されているという視覚的な表示をユーザーに提供する。キャップ910の存在はさらに、例えば容器901の輸送中に、バルブ構造906を近接位置に保持するように作用する。
【0097】
例においては、ユーザーは容器901を印刷システムの中へと挿入する前に、キャップ910を容器901から手作業で取り外す。圧縮性部材は、キャップを容器から取り外した後も、圧縮状態にとどまるように構成されていてよい。かくしてキャップを取り外した後も、封止(シール)は維持される。このことは、例えばユーザーが印刷システムへと装填している際に容器901を落とした場合でも、印刷材料がこぼれ落ちるリスクを低減させる。
【0098】
図9Dは印刷システム915内へと装填された例示的な容器901を概略的に示している。例えば、これは
図3に示されたような容器100の挿入、特に第3のステージ303において示されたような取入口320に対する結合に対応していてよい。これはまた(または代替的に)
図7Dに示された構成配置に対応していてよい。近接位置に示されているバルブ構造906は、印刷システムの平行移動部材916によりチャネル構造内部で平行移動するよう構成されている。平行移動部材916は、220のような材料供給システムの機械的結合の一部を形成していてよい。
【0099】
図9Eは印刷システム915内へと装填された例示的な容器901を概略的に示しており、バルブ構造906は方向917において平行移動部材916により末端位置へと平行移動されている。このバルブ構造906はかくして、容器901が印刷システム915内へと装填されるまで、近接位置にとどまりチャネル構造を封止することができる。これにより、装填作業中に印刷材料がこぼれ落ちることは回避される。幾つかの例においては、バルブ部材906はさらに、容器901を印刷システム915から取り出す前に平行移動部材916によって末端位置から近接位置へと平行移動されるよう構成されており、それによって容器901を印刷システム915から取り出す間またはその後に、印刷材料がこぼれ落ちることを回避しまたは低減させる。
【0100】
そうした例の幾つかにおいて、また
図9Dおよび
図9Eに描かれているように、バルブ構造906は、印刷システムの平行移動部材916によって係合されるよう構成された、係合部材918を含んでいる。係合部材は例えば、ネジのような留め具、および留め具の負荷を分散させるように構成されたワッシャーを含んでいてよい。そうした例の幾つかにおいて、平行移動部材916は、係合部材918と係合するように構成された顎部を含んでいる。
【0101】
例えば
図9Cに示すようなキャップ910を実施するための、印刷材料容器のための例示的なキャップについて、
図9Fおよび
図9Gを参照して説明する。
【0102】
図9Fは、印刷材料容器のためのキャップ951の断面を概略的に示している。キャップ951は、キャップ951を印刷材料容器のチャネル構造に結合させるための結合機構955を含んでいる。例えば、結合機構955は図示のように、ネジ式構造、すなわち印刷材料容器の対応するネジ式構造と結合するように構成されたネジ山を含んでいる。代替的にまたは追加的に、結合機構955はキャップ951を印刷材料容器に固定するためのラッチまたは他の手段を含んでいてよい。
【0103】
キャップ951は、キャップ951の内側表面から軸方向に延びる隆起部分957を含んでいる。隆起部分957は、キャップ951がチャネル構造に結合された場合に、チャネル構造の内部に配置されたバルブ構造へと接触力を及ぼすように構成されている。この接触力はバルブ構造の部材を圧縮し、例えば
図9Cに関して上述したようにして、印刷材料容器を封止する。
【0104】
図9Gは、印刷材料容器のチャネル構造960に結合されたキャップ951を概略的に示している。上記に説明したように、結合によって隆起部分957は、チャネル構造内部に配置されたバルブ構造962に接触力を及ぼすようにされる。これによりバルブ構造962は近接位置へと押しやられ、そこにおいてチャネル構造960は封止される。結合機構955がネジ山を含んでいる場合には、キャップ951をチャネル構造にねじ込むとバルブ構造962に対して接触圧力が加えられる。
【0105】
かくしてチャネル構造960に対するキャップ951の結合は、バルブ構造962がチャネル構造960を確実に封止するよう位置決めされることを確保し、印刷材料が容器からチャネル構造960を通って漏出することを防止または低減させる。キャップ951の存在はまた、容器が封止されていることの視覚的な表示をもたらす。
【0106】
幾つかの例においては、隆起部分957はバルブ構造962の受容構造と結合するように構成される。例えば隆起部分957は、バルブ構造962の対応する着座位置と結合されてよい。このことは隆起部分957とバルブ構造962との間での結合の正確さを改善し、それによって近接位置におけるバルブの部分の位置決めの精度を増大させる。受容構造は、上述したように係合部材918の一部分を形成してよい。
【0107】
例においては、キットが提供されてよく、このキットは容器および上述したようなキャップを含んでいる。
【0108】
図10は、印刷材料容器、例えば上述したような容器を封止するための方法1001を概略的に示している。
【0109】
この方法1001はブロック1004において、バルブ構造を印刷材料容器のチャネル構造内の近接位置へと平行移動させることを含み、それによって上述したようにしてチャネル構造を封止する。
【0110】
この方法1001は次いでブロック1005において、印刷材料容器に結合されたキャップの隆起部分を介してバルブ構造に接触力を作用させることを含む。このブロックは、キャップを印刷材料容器に結合させることを含んでいてよい。キャップの隆起部分はバルブ構造に接触力を作用させる。上述したように、この接触力はバルブ構造の圧縮可能な封止部材、例えばゴム製のOリングを圧縮する。
【0111】
本願に記載するところの容器のある種の例は、当初は別々である2つの部品から形成されてよい。これは
図11に示されている。
図11は、製造の間の例示的な容器1101の第1の図を示している。容器1101はチャンバー1110およびベース1120を含んでいる。チャンバー1110は例示的な容器1101の本体部分を含んでおり、そして
図1における内壁120および閉鎖端部140のような側壁および閉鎖端部を提供してよい。
図11におけるチャンバー1110は開放端部1115を有している。この開放端部1115は、容器1110の直径と実質的に等しい、または比較可能な
図1の開口135より少なくとも広い開口を含んでいてよい。ベース1120は、開口1135およびチャネル構造1150を提供する。開口1135は図示のように、チャネル構造1150の内部に形成されていてよい。
【0112】
これらの例において、ベース1120はチャンバー1110の開放端部1115内へと挿入するように構成される。例えば、ベース1120は容器についての覆いまたは蓋として考えてよい。
図11は、ベース1120およびチャンバー1110から形成された例示的な容器1102を示している。ある種の場合において、ベース1120は挿入に続いて、例えば接着剤および/または溶接によってチャンバー1110へと固定されていてよい。ベース1120をチャンバー1110へと溶接するための例示的な方法については、以下でより詳細に説明する。チャンバー1110から分離されたベース1120を有することは、容器の各々の部分について異なる製造方法を使用することを可能にしうる。このことはまた、各々の部分に異なる特徴を存在させることを可能にしてよい。以下の例はそうした特徴の幾つかを説明する。以下の特徴の機能的な態様は、代替的に一体型の単一ユニットの容器および/または2よりも多い部品からなる容器において実施されてよいことが理解されるべきである。
【0113】
本願において用語「ベース」は、容器の主チャンバーから分離された部品を示すために使用されている;それは容器の底部に関連していることを必要としない。ある種の場合において、例えばハンドルがチャンバーの反対側の閉鎖端部に設けられている場合、容器はベース上に垂直に収容または載置されてよい。
【0114】
印刷材料容器のためのベースの例について、
図12Aから
図12Cを参照して以下に説明する。
図12Aは、ベース1201を上から下へと見た概略図を示している。
図12Bは、
図12AにおいてV2とラベル付けした矢印の方向から見たベース1201の断面図を示している。
図12Cは、
図12Aで見ている方向と
図12Bのそれとの間の方向から見た、ベース1201の等測図を示している。
【0115】
この例においてベース1201は、ベース1201の開口を規定しているチャネル構造1203を含んでいる。例えば、チャネル構造1203はチャネル構造150または1150を実施して、
図1および
図11にそれぞれ示された開口135または1135を提供してよい。この例において、チャネル構造1203は、例えば
図12Bに見られるような、端部の開放した円筒形を含んでいる。他の例においては、チャネル構造は円筒形ではなく、これに代えて規則的なまたは不規則な多角形の断面を有する、端部の開放した角柱として形成されている。チャネル構造は軸の周囲で対称であってよく、または軸の周囲で対称でなくてよい。チャネル構造は軸に沿って変化する断面を有してよく、例えばチャネル構造は円錐形状であってよい。
【0116】
チャネル構造1203の軸1205は軸方向を規定する。これは
図1に関して説明した軸155を実施してよい。チャネル構造が軸の周囲で対称でない例については、チャネル構造の軸はベース1201の開口の軸として規定されてよい。
【0117】
この例においては、材料ガイド構造1204はベース1201の開口の周囲に形成される。材料ガイド構造1204は、
図12Cに示すようにチャネル構造1203から軸方向に延びる螺旋形の下側表面1207を有している。例えば、材料ガイド構造は「スクリュースコップ」として看取されてよい。螺旋形の下側表面1207は螺旋体の一部分として形成され、軸方向および半径方向において切り詰められている。従って、軸1205上の固定点に対する螺旋形の下側表面1207上の任意の点の軸方向の位置は、軸1205の周囲におけるその点の角度的な位置と共に線形に変化する。他の例においては、螺旋形の下側表面は螺旋体の一部分として形成されていなくともよく、そして螺旋形の下側表面上の任意の点の軸方向の位置は、異なる関数関係に従って変動してよい。例えば、螺旋形の下側表面上の任意の点の軸方向の位置は軸上の固定点に対して、螺旋形の下側表面のピッチが軸の周囲での角度と共に変化するように変動してよい。螺旋形の表面のピッチとは、螺旋形の表面の軸の周囲に完全な1回転分の角度をなす、螺旋形の表面上にある湾曲部分が占める軸方向の距離である。材料ガイド構造1204は、印刷材料の容器からの供給および印刷材料での容器の充填の1つまたはより多くを行う場合に、機能を奏してよい。前者の場合には、材料ガイド構造1204は印刷材料を「掬い」、そしてそれを材料搬送部材へと置いてよい。後者の場合には、材料ガイド構造1204の「スコップ」または内部容積は、回転の間に材料搬送部材から材料を受け取り、そしてその材料を容器内部での螺旋状のリブまたはフライトの始まりへと案内してよい。
【0118】
1つの例においては、螺旋形の下側表面1207のピッチは、以下で説明するように、ベース1201を含む収納容器から印刷システムへと印刷材料を搬送するプロセスの間に、収納容器の所与の回転あたりに所望とする量の印刷材料が転送されるように選択される。
【0119】
材料ガイド構造1204の上側表面は、ベース1201の下側表面1209によって形成されている。この例において、ベース1201の下側表面1209は実質的に円錐形であり、かくしてベース1201の下側表面1209の各点は、軸方向に対して非ゼロの角度をなす法線を有している。他の例においては、材料ガイド構造の上側表面は軸方向と整列している法線を有し、例えば平坦である。他の例においては、材料ガイド構造の上側表面は螺旋形である。例えば、材料ガイド構造の上側表面は、材料ガイド構造の螺旋形の下側表面と実質的に同じ形状を有していてよい。さらに他の例においては、材料ガイド構造の上側表面はベースの表面から離れていてよく、例えば「スコップ」部分は、ベースまたは容器に固定または他の仕方で結合された別個の部品として提供されていてよい。
【0120】
図12Aから
図12Cにおいて、螺旋形の下側表面1207は、チャネル構造1203からベース1201の環状部分1213へと半径方向に延びる湾曲側壁1211において、ベース1201の下側表面1209と出会う。この例において、ベースの環状部分1213の外側表面は円錐形である。他の例においては、ベースの環状部分の外側表面は円筒形である。
【0121】
図12Aから
図12Cの例において、湾曲側壁1211は半径が小さくなっていく円弧を形成している。具体的には、湾曲側壁1211の軸1205からの半径方向距離は、第1の角度位置にある最大半径r
2から第2の角度位置にある最小半径r
1へと減少する。この例において、湾曲側壁1211は軸1205の周囲で完全な1回転分の角度をなし、かくして第1の角度位置は第2の角度位置と同じになる。他の例においては、湾曲側壁は軸1205の周囲で完全な1回転よりも小さな角度をなしている。例えば、湾曲側壁の半径方向距離は、半回転で最大値から最小値まで減少してよい。1つの例では、湾曲側壁は軸1205の周囲で完全な1回転よりも大きな角度をなしている。例えば、湾曲側壁は完全な回転の幾つか分にわたって、最大値から最小値まで減少してよい。
【0122】
図12Aから
図12Cの例において、湾曲側壁1211の最大半径r
2は湾曲側壁1211の最小半径r
1の2倍から4倍の間である。より具体的には、この例において湾曲側壁1211の最大半径r
2は約9cmおよび湾曲側壁1211の最小半径r
1は約3cmであり、よってこの例では湾曲側壁1211の最大半径r
2は湾曲側壁1211の最小半径r
1の約3倍である。最大半径r
2の最小半径r
1に対する比率は、印刷材料をベース1201を含む収納容器から印刷システムへと搬送するプロセスの間に、以下で説明するように収納容器の所与の回転について所望量の印刷材料が転送されるように選択される。例えばこれは、所与の量の印刷材料が容器内に存在する場合に達成されてよい。材料ガイド構造は、これを達成するための所定の容積を有するよう設計されてよい。
【0123】
湾曲側壁1211の短くなっていく半径は、連続的に短くなる半径である。この例においては、湾曲側壁1211の軸1205からの半径方向距離は、最大半径r
2を有する湾曲側壁1211の部分からの角度的な隔たりが大きくなるにつれて、連続的に減少する。さらにまた、この例においては湾曲側壁1211の軸1205からの半径方向距離は、湾曲側壁1211に角ができないように滑らかに減少する。側壁1211の連続的に小さくなる半径は、印刷材料をベース1201を含む収納容器から印刷システムへと搬送するプロセスの間に印刷材料を円滑に搬送することを可能にし、結果的に印刷材料は均一な稠度で搬送されることになり、側壁1211が連続的な小さくなる半径を有していない場合に生じうる、稠度における変動を有することはない。
【0124】
図12Aから
図12Cの例において、材料ガイド構造1204はベース1201と一体に成形された要素である。この例においては、ベース1201は射出成形プロセスの間に形成される。他の例においては、ベースは他の成形プロセス、例えば構造的発泡成形または圧縮成形によって形成される。他の例においては、ベースは第1のプロセスの間に形成され、材料ガイド構造は第2のプロセスの間に形成され、そしてベースおよび材料ガイド構造は次いで、例えばネジ込み固定またはスナップフィット技術、または溶接技術を使用して相互に取着される。
【0125】
ベース1201の材料ガイド構造1204は、ベースがチャネル構造1203の軸の周囲で回転された場合に、印刷材料を材料搬送部材へと搬送するように構成されている。例えば、この材料搬送部材は
図7Aから
図7Eに示すような複式螺旋スクリュー710を含んでいてよい。この材料搬送構造は、チャネル構造1203内に形成された開口の内部に配置されていてよい。この例においては、ベース1201は、軸1205が実質的に水平となるように向けられ、そして最大半径r
2を有する湾曲側壁1211の領域が垂直方向に軸1205の下側とされ、次いで
図12Aおよび
図12Cに示された方向に回転された場合に、印刷材料が材料ガイド構造1204に沿って、少なくとも部分的にチャネル構造1203の内部に配置された材料搬送部材に向かって案内されるように構成されている。
【0126】
ベースがチャネル構造の軸の周囲で回転された場合に、材料ガイド構造が印刷材料を材料搬送部材へと搬送するように構成された例においては、材料搬送部材はプリンター材料をチャネル構造を通じて搬送するように構成されている。
図12Aから
図12Cの例においては、ベース1201のチャネル構造1203内部において軸方向に平行移動可能な材料搬送部材が設けられていてよい。他の例においては、印刷材料容器についてベースのチャネル構造に関して軸方向に固定された材料搬送部材が設けられていてよい。幾つかの例においては、材料搬送部材は印刷材料容器についてベースと一体に成形された要素として設けられる。
【0127】
材料搬送部材がベース1201のチャネル構造を通じてプリンター材料を搬送するよう構成されている、
図12Aから
図12Cの幾つかの例において、材料搬送部材は先に説明したように、チャネル構造内部に少なくとも部分的に配置された複式螺旋スクリューである。より具体的な例においては、複式螺旋スクリューは2連の螺旋スクリューである。
【0128】
幾つかの例においては、材料搬送部材はチャネル構造1203を通じて印刷材料を搬送するように構成されている。上記した例においては、複式螺旋スクリューはベース1201に関して固定された向きを有し、そしてそれによってチャネル構造1203の軸1205の周囲でベース1201と共に回転するよう構成されており、印刷材料がチャネル構造を通して搬送されるようにする。
【0129】
図12Aから
図12Cの例においては、材料ガイド構造1204は、例えばある種の材料充填条件が満足された場合に材料の個別の用量を案内するように構成されている。この例においては、材料ガイド構造1204は、軸1205が実質的に水平に向けられ、そして湾曲側壁1211の最大半径r
2の領域が軸1205の垂直方向下側にあるようにベース1201が配置され、次いで
図12Aおよび
図12Cに示された方向において完全に1回転分回転された場合に、印刷材料の個別の用量が材料ガイド構造1204に沿って案内されうるように構成されている。軸1205の周囲で湾曲側壁1211がなす角度が完全な1回転分であるとベース1201が完全に1回転分回転された場合に印刷材料の個別の用量を案内するのであれば、材料ガイド構造に入るすべての印刷材料はチャネル構造1203へと案内されてよい。他の例においては、湾曲側壁がなす角度は完全な1回転分より小さい。こうした例においては、材料ガイド構造はベースが完全な1回転分より少なく回転された場合に、印刷材料の個別の用量を案内するように構成されてよい。
【0130】
印刷材料を収納容器と印刷システムとの間で搬送するための方法について、収納容器1215の断面を2つの異なる向きでそれぞれ示している
図12Dおよび
図12E、並びに方法1301のブロックを示している
図13を参照して以下に説明する。ブロック1304において、この方法は収納容器1215に一体型のスコップ1217を備えさせることを含み、この一体型のスコップ1217は収納容器1215のチャネル構造1219の周囲に配置されている。このことは、充填された収納容器1215を使用場所に供給することを含んでいてよい。この例においては、収納容器1215は実質的に円筒形であり、軸1221を有している。他の例においては、円筒形または全体的に円筒形ではない収納容器が備えられる。この例においては、チャネル構造1219は端部が開放した円筒形である。他の例においては収納容器は、
図12Aから
図12Cを参照して上述したように、端部が開放した円筒形ではないチャネル構造を備えている。一体型のスコップ1217は、
図12Aから
図12Cに示すような材料ガイド構造1204を含んでいてよい。
【0131】
一体型のスコップ1217は、チャネル構造1219の開口を取り囲む螺旋形の床1223を有している。この例においては、螺旋形の床1223は螺旋体の一部分として形成され、軸方向および半径方向において切り詰められている。従って、固定点に対する螺旋形の床1223上の任意の点の軸方向の位置は、容器1215の軸1221の周囲におけるその点の角度的な位置と共に線形に変化する。他の例においては、
図12Aから
図12Cを参照して上記したように、螺旋形の下側表面は螺旋体の一部分として形成されていなくともよい。
【0132】
螺旋形の床1223と収納容器1215の表面1227との間の接合部1225は、半径が短くなっていく湾曲部を形成する。この例においては、接合部1223の軸1205からの軸方向距離は、第1の角度位置における最大半径から第2の角度位置における最小半径へと減少している。この例においては、接合部1225は軸1205の周囲に完全な1回転分の角度をなし、かくして第1の角度位置は第2の角度位置と同じになる。他の例においては、接合部は完全な1回転分以外の角度をなす。
【0133】
ブロック1305において、この方法は収納容器1215を軸1221の周囲で回転させることを含んでいる。この例においては、軸1221は実質的に水平である。他の例においては、収納容器は、水平に対して非ゼロの角度をなす軸の周囲で回転されてよい。幾つかの例においては、収納容器は、チャネル構造を含んでいる収納容器の端部が、収納容器の反対側の端部よりも低くなるように配向されてよい。回転は、
図4に示されているのと類似の仕方で行われていよい。
【0134】
収納容器1215の回転は、一体型のスコップ1217を収納容器1215の内部で回転させて、印刷材料をチャネル構造1219と容器1215の内部との間で搬送させる。例えば、一体型のスコップ1217は収納容器1215の内部に固定的に設けられていてよく、かくして収納容器1215の回転は一体型のスコップ1217を同じ速度で回転させるが、例えば一体型のスコップ1217は、容器のハウジングに関して固定されている。
図12Dの例においては、収納容器1215は当初、軸1221から最大半径距離にある接合部1225の部分が軸1221の垂直方向下側にあるようにして配向される。この向きにおいて、一体型のスコップ1217の開放された部分は印刷材料1229の上部表面の下側にある。
【0135】
収納容器1215は、
図12Dにおいて矢印によって示された方向に回転される。収納容器1215が半回転分回転された後では、印刷材料1229の幾らかは容器1215の内部からチャネル構造1219へと搬送されており(
図12Dおよび
図12Eにおける黒点は印刷材料粒子を表す)、そして収納容器1215は
図12Eに示すように配向されている。収納容器1215がさらに半回転分回転された後では、より多くの印刷材料1229が容器1215の内部からチャネル構造1219へと搬送されており、そして収納容器は再度、
図12Dにおけるように配向されている。
【0136】
別の例においては、収納容器1215は、
図12Dにおいて矢印で示されている方向とは反対向きの、第2の方向において回転される。収納容器1215がこの第2の方向に回転されると、印刷材料はチャネル構造1219から収納容器1215の内部へと搬送される。
【0137】
収納容器1215の回転は、一体型のスコップ1217がアルキメデス螺旋として動作し、それによって印刷材料1229を搬送するようにさせる。
図12Dの例においては、収納容器1215が矢印によって示されている方向に回転されると、螺旋形の床1223は印刷材料を軸1221の方向において、チャネル構造1219に向けて搬送する。
【0138】
幾つかの例においては、収納容器1215を回転させることは、印刷材料の少なくとも1回分の個別の用量を搬送することを含んでいる。印刷システムの動作の間に、印刷材料の数回分の個別の用量が搬送されてよい。
【0139】
図12Dおよび
図12Eの例において、印刷材料の少なくとも1回分の個別の用量を搬送することは、収納容器の所与の360度の回転について、印刷材料の一回分の用量を搬送することを含んでいてよい。この例においては、収納容器1215は
図12Dに示された向きから始動し、そして印刷材料の個別の用量は、収納容器1215が
図12Dにおいて矢印で示された方向に完全な360度分の回転を1回行った場合に搬送される。他の例においては、個別の用量は、収納容器が360度の回転を複数回行った場合に搬送される。他の例においては、個別の用量は、収納容器が360度よりも少ない回転を行った場合に搬送される。
【0140】
幾つかの例においては、印刷材料を収納容器と印刷システムとの間で搬送する方法は、印刷材料を、チャネル構造の内部に少なくとも部分的に配置された材料搬送部材へと搬送することを含んでいる。
図12Dおよび
図12Eの例においては、複式螺旋スクリュー1231がチャネル構造1219の内部に少なくとも部分的に配置されており、そして収納容器1215を矢印によって示された方向に回転させると、印刷材料1229は複式螺旋スクリュー1231へと搬送されるようになる。複式螺旋スクリュー1231は収納容器1215と共に回転し、
図12Eに示されるようにして、印刷材料1229がチャネル構造を通って搬送されるようにする。
【0141】
幾つかの例においては、収納容器の回転は、印刷装置の回転要素によって行われる。幾つかの例においては、回転要素は収納容器に対して離脱可能に結合され、収納容器と調和して回転する要素である。他の例においては、回転要素は収納容器と調和して回転しない要素である。例えば、回転要素は収納容器の外側表面に当接するよう構成されたローラーを含んでいてよい。
【0142】
印刷システム用の容器の別の例について、印刷システム用の容器1233の断面を示す
図12Fを参照して以下に説明する。この例においては、容器1233は実質的に円筒形である。他の例においては、容器は実質的に円筒形ではなく、それに代えて規則的なまたは不規則な多角形の断面を有する角柱として実質的に形成されている。容器は軸の周囲で対称であってよく、または軸の周囲で対称でなくてよい。容器は軸に沿って変化する断面を有してよく、例えば収納容器は円錐形状であってよい。
【0143】
容器1233は、印刷材料を収納するためのチャンバー1235を含んでいる。この例においては、チャンバー1235は実質的に円筒形であり、すなわち全体的に円筒形であり、および/または少なくとも1つまたはより多くの実質的に円筒形の部分を有している。他の例においては、印刷材料を収納するためのチャンバーは実質的に円筒形でない。印刷材料を収納するためのチャンバーは、容器の外側表面の形状に対応する形状を有していてよい。
【0144】
容器1233は、材料搬送部材を含んでいる。この例においては、材料搬送部材は複式螺旋スクリュー1237である。具体的には、この例においては複式螺旋スクリュー1237は2連の螺旋スクリューである。
【0145】
容器1233はベース1239を含んでいる。この例においては、ベース1239は容器1233の本体部分1241に溶接されている。他の例においては、ベースは容器の本体へと、スナップフィット手段によって接合されていてよい。他の例においては、ベースは容器の本体へと、ネジ込み固定手段によって接合されていてよい。
【0146】
ベース1239は、材料搬送部材(複式螺旋スクリュー1237)を受容するための開口1243を含んでいる。開口1243および材料搬送部材(複式螺旋スクリュー1237)の共有軸1245は、容器の軸方向を規定する。ベースは開口1243の周囲に形成された材料ガイド構造を含み、ベース1239からチャンバー1235へと軸方向に延びる螺旋形の下側表面1247を有している。螺旋形の下側表面1247は螺旋体の一部分として形成され、軸方向および半径方向において切り詰められている。従って、軸1245上の固定点に対する螺旋形の下側表面1247上の任意の点の軸方向の位置は、軸1245の周囲におけるその点の角度的な位置と共に線形に変化する。他の例においては、螺旋形の下側表面は螺旋体の一部分として形成されていなくともよく、そして螺旋形の下側表面上の任意の点の軸方向の位置は、異なる関数関係に従って変動してよい。例えば、螺旋形の下側表面上の任意の点の軸方向の位置は軸1245上の固定点に対して、螺旋形の下側表面のピッチが軸の周囲での角度と共に変化するように変動してよい。
【0147】
材料ガイド構造の外側側壁1249の一部分は、チャンバー1235の内側側壁1251に当接する。この例においては、内側側壁1251に当接する外側側壁1249の部分は、チャンバー1235の湾曲した内側側壁1251に当接している。他の例においては、材料ガイド構造の外側側壁の一部分は、チャンバーの内側側壁の隆起部分に当接する。そうした例の幾つかにおいては、隆起部分は平坦である。
【0148】
材料ガイド構造の上側表面は、ベース1239の下側表面1253によって形成されている。この例においては、ベース1239の下側表面1253実質的に円錐形であり、ベース1239の下側表面1253上の各部分は、軸方向に対して非ゼロの角度をなす法線を有している。他の例においては、材料ガイド構造の上側表面は、軸方向と整列した法線を有している。他の例においては、材料ガイド構造の上側表面は螺旋形である。例えば、材料ガイド構造の上側表面は、材料ガイド構造の螺旋形の下側表面の形状と実質的に同じ形状を有していてよい。
【0149】
螺旋形の下側表面1247は、チャネル構造から外側側壁へと半径方向に延びる湾曲側壁1255において、ベース1239の下側表面1253と出会う。この例において、湾曲側壁1255は半径が短くなっていく湾曲部を形成している。具体的には、湾曲側壁1255の軸1245からの半径方向距離は、第1の角度位置にある最大半径から、第2の角度位置にある最小半径へと減少する。この例においては、湾曲側壁1255は軸1245の周囲に完全な1回転分の角度をなし、かくして第1の角度位置は第2の角度位置と同じになる。他の例においては、湾曲側壁は軸1245の周囲に完全な1回転分未満の角度をなす。例えば、湾曲側壁の半径方向距離は、半回転で最大値から最小値まで減少してよい。他の例では、湾曲側壁は軸1245の周囲で完全な1回転よりも大きな角度をなしている。例えば、湾曲側壁は完全な回転の幾つか分にわたって、最大半径から最小半径まで減少してよい。
【0150】
図14は、印刷材料を収納するための回転式チャンバー1402を含む、例示的な容器1401を示している。この回転式チャンバー1402は、
図11に示すように使用時にベースを受容する開口1404を有している。この回転式チャンバーは、内側構造1405を有している。内側構造1405は容器1401の回転の間に、円筒形のチャンバー1402の内部と開口1404との間で印刷材料を搬送する。
図14に示す例においては、内側構造1405は円筒形のチャンバー1402の容器壁の内側表面の構造的特徴である。容器1401が回転すると、内側構造1405はチャンバー1402と共に回転して、印刷材料を開口1404の内外へと搬送する。内側構造1605は、供給または充填の何れかの間に、印刷材料を容器1601に沿って移動させるための一連の螺旋状のリブまたは突起を含んでいてよい。
【0151】
ある種の場合には、内側構造1405は容器壁の内側表面に螺旋構造を形成する。1つの場合において、内側構造1405は内側表面の内部に連続的な螺旋構造を形成する。別の場合には、内側構造1405は、一連の隆起部分のそれぞれの隆起部分が部分的な螺旋構造を形成する箇所において分断されている。
【0152】
1つの場合において、内側構造1405は回転の間に、回転式チャンバーとベースを形成する少なくとも1つの材料搬送構造との間で印刷材料を搬送する。この少なくとも1つの材料搬送構造は、本願に記載するところの材料搬送部材および材料ガイド構造の少なくとも1つを含んでいてよい。内側構造のさらなる有力な特徴について、
図16Aから
図16Cの例においてより詳細に説明する。
【0153】
図15は、1つの例による、
図14に示された容器1401のような印刷材料チャンバーのための金型1500を示している。この金型は、印刷材料チャンバーの外壁1501を規定するための表面を含んでいる。
図15に示された例においては、金型1500によって規定された印刷材料チャンバーの外壁1501は、全体的に円筒形である。外壁1501は一方の端部に閉鎖部分1502を含み、そして他方の端部に開放部分1503を含んでいる。本願に記載の例によれば、金型1500は1つまたはより多くの隆起表面特徴1504を含んでいる。この1つまたはより多くの隆起表面特徴1504は、印刷材料チャンバーの外壁に対応する凹部を形成している。この凹部は印刷材料チャンバーの内壁上に隆起部分を形成する。
図15は、金型1500の隆起表面特徴1504を示しており、これらは対応する凹部を規定する。
図15の例においては、隆起表面特徴1504は結果的に、印刷材料チャンバー内に螺旋状のリブまたは「フライト」を形成する。凹部は2組の凹部を含んでいてよく、各組は印刷材料チャンバーのそれぞれの側部にある。
【0154】
ある種の特徴を含んでいるさらなる例示的な容器について、
図16Aから
図16Cおよび
図17を参照して以下に説明する。
【0155】
図16Aから
図16Cは、印刷用の印刷材料を収納するための容器1601を概略的に示している。例によれば、容器1601は本願に記載するところの2次元印刷および3次元印刷に適切な印刷材料を格納するために使用される。容器1601は容器壁1603によって形成された、全体的に円筒形のチャンバー1602を含んでいる。チャンバー1602は一端に開口1604を有している。
図16Aから
図16Cに示された例においては、容器1601は他方の端部が閉鎖されている。
【0156】
本願に記載された例によれば、容器1601は内側構造1605を含んでいる。内側構造1605は容器1601の回転の間に、チャンバー1602の内部と開口1604との間で印刷材料を搬送する。
図16Aから
図16Cに示された例においては、内側構造1605はチャンバー1602の容器壁1603の内側表面の構造的特徴である。他の例においては、内側構造1605はチャンバーとは別個の部分であり、そして容器1601から取り外し可能である。内側構造1605は容器1601のチャンバー1602に対して相対的に回転不能である。容器1601が回転するにつれ、内側構造1605はチャンバー1602と共に回転して、印刷材料を開口1604の内外へと搬送する。内側構造1605は、供給または充填の何れかの間に容器1601に沿って印刷材料を移動させるための、一連の螺旋状のリブまたは突起を含んでいてよい。
【0157】
図16Aにおいて、容器壁1603は外側表面を含んでいる。容器壁1603のこの外側表面は平坦部分1606を含んでいる。1つの例によれば、平坦部分1606は容器1601の幅および長さの相当部分にわたって延在して、容器1601のベースを形成している。全体的に円筒形の容器と比べて、容器1601は平坦部分上で、表面上に安定的に載置することができる。
【0158】
平坦部分1606はさらに、容器1601に向きを提供する。例えば平坦部分1606は、
図3に示されているような挿入動作の間のように、容器1601を材料供給ステーション内に整列させるために使用される。平坦部分1606は、容器1601を回転のために使用されるケージの内部に整列させるために使用されてよい。全体的に円筒形の容器は、容器1601の向きについて何の印も提供しない。対照的に、記載されている容器1601は、容器1601を挿入の間に方向付ける案内構造として平坦部分1606を使用して、材料供給ステーション内へと挿入される。例えば、
図3における装着部310の通路形成部分は、平坦部分1606を受容し案内するための、平坦表面を備えて構成されてよい。また、全体的に円筒形の容器は、輸送または貯蔵の間に回転しがちである。平坦部分1606は、輸送または貯蔵の間に容器1601が載置される表面を提供する。
【0159】
図16Aから
図16Cに示された容器1601の例においては、内側構造1605は容器壁1603の内側表面に複数の部分1607を含んでいる。隆起部分1607は、容器1601の内側に隆起されている。
図16Aから
図16Cに示された例においては、隆起部分1607はチャンバー1602の長さに沿って間隔を置いて配置され、チャンバー1602を取り囲んでいる。隆起部分は容器の回転の間に、チャンバーの内部と容器の開口との間で印刷材料を搬送するのを助ける。
【0160】
ある種の場合には、隆起部分1607は容器壁1603の内側表面に螺旋構造を形成する。1つの場合において、隆起部分1609は内側表面の内部に連続的ならせん構造を形成するように接続されている。別の場合には、隆起部分1607は各々の隆起部分が部分的な螺旋構造を形成する箇所において分断されている。隆起部分1607は容器のベース上では平坦部分1606を通る。
【0161】
容器1601の内側表面上に螺旋構造を形成している隆起部分1607は、容器1601が回転された場合に、印刷材料をチャンバー1602の内部から容器1601の開口1604に向けて移送するのを助ける。螺旋構造と接触してくる印刷材料は螺旋部分によって、容器1601の回転軸と平行な方向へと移動される。このことは、軸方向に関して動かないようになる印刷材料の量を減少させ、印刷材料が容器1601の開口1604に向かって、または離れるように移動するのを促す。
【0162】
図16Aから
図16Cに示されている容器1601の螺旋構造は、チャンバー1602の周囲に約4回にわたって延びている。この数は、他の例においては異なっていてよい。螺旋は、容器1601が回転された場合に、容器1601内の印刷材料が一定して移送されることを確保するよう、十分に角度をなしている。本願に記載の例においては、容器1601内の印刷材料の移送速度は、隆起部分1607が平坦部分を通らない場合、実質的に影響されない。
【0163】
ある種の場合においては、隆起部分1607は丸みを帯びている。隆起部分1607に丸みを付けると、印刷材料が隆起部分1607またはその周囲に嵌まり込めないことを確実にするのを助ける。このことは、印刷材料が圧密化したり容器の特定の領域に集まるリスクを低減させる。
【0164】
図16Aから
図16Cに示された容器1601の例において、容器1601はハンドル部分1608を含んでいる。ハンドル部分1608は容器1601の閉鎖端部に形成されている。ハンドル部分1608はユーザーが容器1601を保持し、そして本願に記載した例に従って、容器1601を平坦部分1606上に載置することを可能にする。
図16Aから
図16Cに示された容器1601の例においては、ハンドル部分1608は、平坦部分1606に対して実質的に垂直な方向に延びる細長いハンドグリップを含んでいる。このことはユーザーが容器1601を簡単に把持することを可能にし、そして特に、ユーザーが載置表面上の平坦部分1606上で容器1601を整列させるのを助ける。さらにまた、このグリップは容器1601の内部に形成されている。これは、容器1601のチャンバーと同じプロセスにおいて製造することができる。
【0165】
幾つかの例においては、ハンドル部分1608は、ハンドル部分1608およびチャンバー1602の内部に充填された造形材料の重量に耐え、また容器1601が不注意で誤った取り扱いをされた場合(例えば落下された等)に破損および/または凹みに耐えるのに十分な、壁厚、硬さ、堅牢性、および強度を有していてよい。幾つかの例においては、少なくともハンドル部分1608は、高密度ポリエチレン(HDPE)、任意の数の異なるポリマー、またはそれらの組み合わせといった、ポリマー材料から形成されていてよい。幾つかの例においては、これらの材料の少なくとも幾つかを用いてチャンバー1602を形成してよい。
【0166】
幾つかの例においては、ハンドル部分1608および/またはチャンバー1602の内壁表面は、低い摩擦係数を有していてよい。この構成は、ハンドル部分1608を含めて、容器1601の内部における印刷材料の流動性を促進してよい。幾つかの例においては、ハンドル部分1608および/またはチャンバー1602の内壁表面は、そうした流動性を向上させるために潤滑性コーティングを含んでいてよい。
【0167】
図16Aから
図16Cにおいて示されたような、本願に記載されたある種の例示的な容器1601においては、細長いハンドグリップは、円筒形のチャンバー1602のベースの平面に対して非ゼロの角度で整列されている。
図16Aから
図16Cに示された例においては、ハンドル部分1608は平坦部分1606を含む容器1601のベースに対して約60度の角度をなしている。しかしながら、他の場合においては、細長いハンドル部分1608は水平に対して異なる角度をなしている。
【0168】
細長いハンドル部分1608がベース部分に対して角度を持つようにすると、ユーザーが容器1601の動きを制御することが可能になる。特に、角度の付いた細長いハンドル部分1608は、ハンドル部分で保持された場合に、容器1601全体にわたる改善された重量の分散をもたらす。
【0169】
本願に説明する例によれぱ、容器1601の平坦部分1606はさらにノッチ部分を含む。ノッチ部分は、容器1601の外壁の内部にある内側を向いた凹みである。このノッチ部分は容器を材料供給ステーションに係止するために使用される。
【0170】
図16Bおよび
図16Cは、容器1601の2つの代替的な図を示している。
図16Bは開口1604から覗き込んだ容器1601の図を示している。
図16Bにおいて、容器1601の内部は、細長いハンドル部分1608の内部部分を含んで示されている。例によれば、細長いハンドル部分1610の内部は中空である。印刷材料はかくして、ハンドル部分1610に収納されてよい。
図16Bはまた、平坦部分1608を示している。
図16Cに示された容器1601の図は、容器の外側のハンドル部分1608を示している。
図16Cに示された容器1601の図から、ハンドル部分1608が平坦部分1606に対して実質的に垂直方向に延びていることが看取できる。
【0171】
図17は、1つの例によれば、
図16に示す容器1601のような印刷材料チャンバーのための金型1700を示している。この金型は、印刷材料チャンバーの外壁1701を規定するための表面を含んでいる。
図17に示された例においては、金型1700によって規定された印刷材料チャンバーの外壁1701は円筒形である。この外壁1701は、一方の端部にある閉鎖部分1702および他方の端部にある開放部分1703を含んでいる。金型の表面は、金型の表面内へと突出する平坦部分1704を含んでいる。金型1700が使用された場合、平坦部分1704は印刷材料チャンバーの外壁に、対応する平坦部分を規定する。印刷材料チャンバーの平坦部分は、チャンバーを載置表面と整列させる。
【0172】
本願で記載する例によれば、金型1700は1つまたはより多くの隆起表面特徴1705を含んでいる。この1つまたはより多くの隆起表面特徴1705は、印刷材料チャンバーの外壁に対応する凹部を形成する。この凹部は印刷材料チャンバーの内壁上に、隆起部分を形成する。
図17は、対応する凹部を規定する金型1700の隆起表面特徴1705を示している。
図17の例においては、隆起表面特徴1705は結果的に、印刷材料チャンバー内に螺旋状のリブまたは「フライト」を形成することになる。
【0173】
例においては、金型1700の1つまたはより多くの隆起表面特徴は丸みを帯びている。この丸みを帯びた隆起表面特徴は印刷材料チャンバーの内壁に、対応する丸みを帯びた隆起部分を形成する。
【0174】
図17に示された金型の例においては、金型1700はさらに、ハンドル部分1706を規定するチャネルを含んでいる。ハンドル部分1706は、印刷材料チャンバーの閉鎖端部1702の一部分を形成する。
図17に示された金型により形成されたハンドル1706は細長いハンドル部分であり、
図16に示された容器のハンドル部分に似て、平坦部分に対して角度を付けられている。
【0175】
1つの例によれば、金型1700はさらに、金型の表面の平坦部分に突出するノッチ部分を含んでいる。このノッチは、印刷材料チャンバーの外壁に、対応するノッチ部分を規定する。外壁におけるこのノッチ部分は、材料供給ステーションに印刷材料チャンバーを係止するために使用される。
【0176】
本開示の例を実施している、さらなる例示的な容器について、
図18A、
図18B、および
図19を参照して以下に説明する。
【0177】
図18Aおよび
図18Bは、1つの例によれば、例えば印刷システムの材料供給ステーションと共に使用するための、容器1801の一部分の2つの図を概略的に示している。この容器は、本願に記載された例示的な容器の任意の1つであってよい。
図18Aは、容器1801の開口内を覗き込んだ図を示している。容器1801は、印刷材料を収納するためのチャンバー1802および材料ガイド構造1803を含んでいる。材料ガイド構造1803は、容器のチャネル構造1804の周囲に形成されている。材料ガイド構造1803は、容器1801が中心軸、例えば
図1における軸155の周囲で回転された場合に、印刷材料容器1801の内部と印刷材料容器1801のチャネル構造1804の間で印刷材料を案内するように配置されている。
【0178】
図18Aおよび
図18Bに示された印刷材料容器1801は、チャンバー1802の内側表面1806の内部に隆起部分1805を含んでいる。
図18Bは、隆起部分1805および材料ガイド構造1803をクローズアップした図を示している。隆起部分1805は、印刷材料を材料ガイド構造1803の開口1807の中へと案内するように配置されている。本願に記載するある種の例においては、材料ガイド構造1803はアルキメデス螺旋の形態の螺旋形を有しており、印刷材料をチャネル構造1804に向けて案内する。材料ガイド構造1803の開口はスコップの形態を形成しており、これは印刷材料をチャネル構造1804に向けて移送するのを助ける。材料ガイド構造1803は、
図12Aから
図12Fに示された材料ガイド構造1204を含んでいてよい。
【0179】
隆起部分1805は、容器1801が材料供給ステーション内で回転するについて、材料ガイド構造1803の開口1807に堆積される印刷材料の量を最大化し、チャンバー1802内に滞留するようになる印刷材料の量を最小限するのを助ける。例によれぱ、隆起部分1805は容器の内壁における凹みとして形成されている。他の場合には、隆起部分は別個の部分であって容器1801に対して取着されている。
【0180】
本願に記載される例においては、隆起部分1805は容器1801内において、材料ガイド構造1803に隣接されている。これは
図18Bに示されている。この隣接は、容器1801の環状表面と材料ガイド構造1803に関してのものである。隆起部分1805は容器1801の製造プロセスにより課される制約の範囲内において、材料ガイド構造1803にできるだけ近くされてよい。特に、材料ガイド構造1803の開口は、隆起部分1803に対してほぼ同一面(すなわち当接)となっている。このことは、容器1801が回転するにつれて内部に滞留されるようになる印刷材料の量をさらに最小化する。
【0181】
図18Bに示された例においては、隆起部分1805の幅は、
図18Bにおいて点線の矢印によって示されているように、材料ガイド構造1803の開口1807の幅と等しい。このことは、隆起部分1805から材料ガイド構造1803の開口へと移送される印刷材料の量を最大化する。他の場合には、隆起部分1805は開口1807の幅よりも大きな、またはより小さな幅を有していてよい。
【0182】
ある種の例によれば、隆起部分1805は平坦部分である。換言すれば、隆起部分1805は隆起した平坦なプラットフォームを形成しており、容器1801の回転の間に印刷材料はその上に蓄積される。この場合、印刷材料は容器が回転するにつれて、平坦部分から材料ガイド構造1803へと、容器の開口に移送される。
【0183】
容器1800のさらなる例においては、チャンバー1802の内側表面1806は、印刷材料を材料ガイド構造1803の開口へと案内するための、1つまたはより多くの「リブ」または「フライト」を含んでいる。例えば、それらは
図14および
図16Aに示されている。1つまたはより多くのリブは、内側表面1806の縁部の周囲に含まれ、そしてある種の場合には、容器1801の製造プロセスの間に内側表面に凹部として形成される。本願に記載する容器の他の例に関連して記載されるように、リブはある種の場合には螺旋状のリブであり、容器の内側表面の周囲で螺旋をなす。回転の間に、これらのリブは容器1801の内部と容器1801の開口との間での印刷材料の動きを促進させる。
【0184】
1つの例においては、リブの1つは、容器1801の内側表面1806において隆起部分1805と出会うように位置決めされる。例えば、1つの場合において、リブは内側表面内に作成されて、隆起部分1805へと融合するようにされる。この構成配置においては、容器の回転の間にリブによって動かされる印刷材料は、隆起部分1805の表面上へと案内される。
【0185】
さらなる例においては、容器1801の隆起部分1805が有する、チャンバー1802の内側表面上の高さは、隆起部分1805の平面と材料ガイド構造1803の開口の平面が、実質的に整列するようになっている。これは
図18Bに示されている。このことは、容器1801が回転するにつれて、材料ガイド構造1803の開口の縁の部分に詰まり込んだ状態にならないことを確保するのに役立つ。
【0186】
本願に記載するある種の例においては、
図16Aから
図16Cに関して記載されているように、容器1801は容器のベースを形成する、さらなる平坦部分を含んでいる。このさらなる平坦部分は、容器1801の長さおよび幅に沿って延在する。例によれば、隆起部分1803は容器1801のさらなる平坦部分に形成される。このことは、容器が金型から構成される場合の製造手順を簡単化するが、それは隆起部分1803は容器1801の外壁の円筒形の部分とは異なり、プレスして平坦部分とすることができるからである。特にある種の例においては、結果としての製造プロセスは、隆起部分1805が平坦な容器1801を生成する。随所で記載するように、容器1801の壁はブロー成形によって製造されてよい。
【0187】
図19は1つの例による、印刷材料チャンバーのための金型1900の概略的な図である。この金型1900は、本願で記載されているような製造プロセスにおいて使用される。この金型1900は、印刷材料チャンバーの外壁1902を規定する表面1901を含んでいる。外壁1902は閉じた下側部分1903と、開放した上側部分1904を有している。この開放した上側部分1904は対応する材料ガイド構造を受容するように寸法付けられて、すなわち適切なサイズとされている。材料ガイド構造は、
図11に示すようにベース1120の一部分を形成していてよい。本願に記載された例によれば、金型1900の表面1901は隆起部分1905を含んでいる。隆起部分1905はチャンバーの内壁に対応する隆起部分を形成して、印刷材料を
図18Aおよび
図18Bに示されているような材料ガイド構造内部へと案内する。
【0188】
1つの例において、隆起部分を含んでいる金型1900の表面1901は、開口1904の中へと挿入された場合に、材料ガイド構造が印刷材料チャンバーの内壁に隆起部分を形成している凹部に隣接するように位置決めされている。
【0189】
さらなる例においては、表面1901は、印刷材料チャンバーの外壁に凹部を形成する1つまたはより多くのリッジ(畝部)を含んでいる。この凹部は、印刷材料チャンバーの内壁の内部に対応するリブを形成する。このリブは、印刷材料を材料案内構造に向けて案内する。1つの場合において、リッジは金型1900の表面1901上に螺旋状の部分を形成する。この螺旋状のリッジは、例えば他の例を参照して説明したように、印刷材料チャンバーに対応する螺旋状のリブを形成する。
【0190】
ある種の場合においては、リッジの1つは金型1900の隆起部分1905へと融合するように構成配置されており、かくして印刷材料チャンバー内の対応するリブは、隆起部分と接触する。金型1900の別の例によれば、金型は平坦部分を含んでおり、印刷材料チャンバーの内壁の内部に対応する平坦部分を形成する。こうした場合には、1つの例によれば、金型1900は隆起部分がこの平坦部分の隆起セクションとして形成されるようになっている。印刷材料チャンバーにおいて結果として得られる対応する隆起部分は、ある種の場合には、やはり平坦である。
【0192】
図20Aは1つの例による、容器から粉末のような印刷材料を搬送するための方法2001を示している。この方法2001は、本願で記載する例示的な容器について使用される。ブロック2001において、印刷材料は容器の閉鎖端部から容器の開放端部へと、1組の螺旋状のリブを介して軸方向に搬送される。この螺旋状のリブは、容器の内側表面に形成されている。ブロック2002において、印刷材料は容器から材料ガイド構造へと移送され、この材料ガイド構造は軸を含む平面内に開口を有しており、そこにおいて内側表面内の隆起部分は内側表面と開口の側壁の間の距離にわたって広がっている。
【0193】
本書に記載の方法2001および容器1800の例は、容器が材料供給ステーションにおいて回転されている場合に、容器1800内における標準的な印刷材料の量を最小限とするために使用することができる。隆起部分は、容器1800それ自体を製造するのに使用されるのと同じプロセスを使用して、容器1800内に作成されてよい。
【0194】
図20Bは1つの例による、細長いほぼ円筒形のチャンバーを含む印刷材料容器と印刷システムとの間で印刷材料を搬送するための方法2010を示している。ブロック2011において、印刷材料容器は印刷システムの材料供給ステーションの挿入チャネルの平坦な表面と整列される。ブロック2012において、印刷材料容器は材料供給ステーションの挿入チャネル内へと挿入される。ブロック2013において、印刷材料容器の開口は材料供給ステーションに結合される。例えば、これは
図3に示された手順を辿ってよい。ブロック2014において、印刷材料容器は材料供給ステーションの内部で回転され、細長い円筒形のチャンバーの内部構造を介して、印刷材料を印刷材料容器と印刷システムとの間で搬送する。例えば、これは
図4に示されている。この方法2010は、本願に記載した例の文脈において使用される。特にこの方法は、
図16Aから
図16Cに示された容器について使用される。
【0195】
本願に記載された方法2010のある種の例においては、印刷材料容器の平坦部分を整列させることは、細長いほぼ円筒形のチャンバーの閉鎖端部にある角度の付いたハンドルを把持することを含んでおり、また印刷材料容器を挿入することは、角度の付いたハンドルを介してチャンバーの長軸に沿って力を加えることを含んでいる。
【0196】
印刷材料のための容器を製造するための方法の例について以下で説明する。この方法は、本願に記載された任意の例に記載された容器を製造するために使用されてよい。
【0197】
図21Aは、この製造方法において使用されてよい容器の部品を示している。第1の部分2103および第2の部分2105が設けられる。第1の部分2103および第2の部分2105は、
図12に関して記載したように、ベース1120およびチャンバー1110を含んでいてよい。この例においては、第1の部分2103は第1の材料から実質的に形成され、そして第2の部分2105は第2の材料から実質的に形成されており、第1の材料および第2の材料は両方とも熱可塑性材料である。熱可塑性材料は、その温度がある特定の温度よりも高い場合に塑性挙動を示し、そしてその温度がある特定の温度よりも低下した場合に固形となる材料である。ある種の合成ポリマーは熱可塑性材料の例である。この例においては、第1の部分2103および第2の部分2105は、同一の熱可塑性ポリマーの異なるグレードから実質的に形成されている。他の例においては、第1の部分および第2の部分は、同一の熱可塑性ポリマーの同じグレードから実質的に形成されてよい。グレードの異なるポリマーは、異なる融点および異なる粘度を含む、異なる性質を有していてよい。さらなる例においては、第1の部分および第2の部分は異なる熱可塑性ポリマーから実質的に形成されてよい。
【0198】
図21Aの例においては、第1の部分2103および第2の部分2105は両方とも形状が実質的に円筒形であり、かくして第1の部分2103および第2の部分2105は円対称性の外側表面を有している。他の例においては、これらの部分には異なる形状が備えられる。例えば、これらの部分のいずれか一方または双方は、規則的なまたは不規則な多角形断面を備えた外側表面を有してよい。これらの部分は、軸の周囲で対称な断面の外側表面を有してよく、または軸の周囲で対称ではない断面の外側表面を有してよい。これらの部分は、軸に沿って変化する断面を有してよい。
【0199】
第1の部分2103は、軸2109を有する円形の開口2107を含んでいる。開口2107は環状壁2111によって取り囲まれている。環状壁2111は軸2109の周囲で円対称性を有している。この例においては、環状壁2111は、以下では軸方向と呼ぶ軸2109に平行な法線を備えた平坦な上側表面2113からなる周縁部を有している。他の例においては、第1の容器部分は、軸方向の法線をもつ平坦な上側表面を有さない周縁部を備えた環状壁を有している。例えば第1の容器部分は、上側表面が円錐形の表面となるように、軸方向と非ゼロの角度をなす法線を有する上側表面を備えた環状壁を有してよい。幾つかの例においては、第1の容器部分は、その部分の軸からの半径方向距離と共に変動する法線を備えた周縁部を有している。幾つかの例においては、第1の容器部分は1つよりも多い上側表面を備えた周縁部分を有している。
【0200】
第2の部分2105は、環状壁2111を受容するための環状キャビティ2115を含んでいる。
図21Aにおいて、第1の部分2103および第2の部分2105は、環状キャビティ2115の軸として配置構成した軸2109と同軸に整列されている。この例においては、環状キャビティ2115は部分的に、半径方向外側を向いた表面2117と、半径方向外側を向いた表面2117から張り出したリップ2119によって画定されている。環状キャビティ2115はそれにより、半径方向内側を向いた方向、半径方向外側を向いた方向、および第1の軸方向において画定されている。環状キャビティ2115は、第1の軸方向とは反対の第2の軸方向から環状壁2111を受容するように動作可能である。
【0201】
図21Bは、第2の部分2105の下側からの図を示している。この例においては、容器2101は印刷材料を印刷システムに供給するように動作可能であり、そして第2の部分2105は、印刷材料を印刷システムへと供給する作業を行うように動作可能な一体的な構造を有している。特に第2の部分は、第2の部分2105への開口を規定しているチャネル構造2123、および材料ガイド構造2125を含んでいる。容器の他の例は、容器の目的に応じて他の一体的構造を有している。
【0202】
図21Cは、環状壁を受容するための環状キャビティの例示的な断面図を示している。例(a)は
図21Aの第2の部分2105の環状キャビティ2115の断面を、軸2109に垂直な方向から見て示している。この例においては、リップ2119は環状キャビティ2115の中へと延びる部材2121を含んでいる。この部材2121は環状キャビティ2115の境界画定部材であり、これは環状キャビティ2115の少なくとも一部分が少なくとも1つの方向において、部材2121によって境界付けられていることを意味する。この例においては部材2121は環状であり、リップ2119の半径方向内側を向いた表面から延びる半径方向内側を向いた表面と、環状キャビティ2115が環状壁2111を受容するように動作可能な軸方向に向かう法線を備えた平坦な下側表面とを有している。以下で説明するように、この部材2121は環状壁2111の外側表面と融合するように構成されている。第2の部分の特定の領域と融合するように構成された第1の部分の部材は、エネルギー配向部と称される。
【0203】
図21Cの例(b)は、環状壁を受容するための容器部分に含まれる、異なる環状キャビティ2127の断面を示している。この例においては、軸方向を向いた表面2129が、容器部分の半径方向外側を向いた表面2133と、半径方向外側を向いた表面2133に張り出しているリップ2131の半径方向内側を向いた表面との間に延びている。この例においては、軸方向を向いた表面2129は、環状壁の上部表面と融合するように構成されている。軸方向を向いた表面2129は、環状キャビティ2127の境界画定部材の例である。
【0204】
図21Cの例(c)は、環状壁を受容するための容器部分に含まれる、異なる環状キャビティ2135の断面を示している。この例においては、環状キャビティ2135の境界画定部材2139は、容器部分の半径方向外側を向いた表面2137から延びている。この例においては、境界画定部材2139は、環状壁の内側表面と融合するように構成されている。
【0205】
図21Cの例(d)は、環状壁を受容するための容器部分に含まれる、異なる環状キャビティ2141の断面を示している。この例においては、環状キャビティ2141は、容器部分の軸方向を向いた表面2143にある凹部である。この例においては、軸方向を向いた表面2143は、環状壁の上部表面と融合するように構成されている。軸方向を向いた表面2143は、環状キャビティ2141の境界画定部材の例である。
【0206】
図21Cの例のそれぞれは、環状壁と融合するための環状の境界画定部材を含んでいる。他の例には、円対称性を有さない境界画定部材が含まれる。例えば、容器部分は環状壁と融合するための幾つかの境界画定部材を有していてよく、この境界画定部材は環状キャビティ内部に規則的なまたは不規則な角度間隔を置いて配置されている。
【0207】
この例においては、2つの部分は、例えば開口の軸方向に圧縮力を加えることにより、環状壁を環状キャビティ内へと進めることによって接合される。第1の部分および第2の部分は次いで一時的に相互に相対的に回転され、第1の部分と第2の部分が融合される。これについては以下でより詳細に説明する。
【0208】
図22の流れ図は、第1の部分2103および第2の部分2105が相互に接合されて容器2101を形成する手順を表している。この手順は2201において、第1の部分2103の環状壁2111を第2の部分2105の環状キャビティ2115内へと進めることによって開始される。この例においては、第1の部分2103を静止状態に保持し、
図21Aにおいて真っ直ぐな矢印によって示されているようにして、第2の部分2105を第1の部分2103に向けて軸方向に進めるために、スピン溶接装置が使用される。
図21Dのステージ(a)に示されているように、第2の部分2105が第1の部分2103に向けて進められるにつれて、環状壁2111は環状キャビティ2115内へと進められる。他の例においては、スピン溶接装置は、第2の部分2105を静止状態に保持し、そして第1の部分2103を第2の部分2105に向けて軸方向に進めるために使用される。さらなる例においては、スピン溶接装置は、第1の部分2103および第2の部分2105をお互いに向けて進めるために使用される。
【0209】
スピン溶接装置は、
図21Dのステージ(b)に示されているように、環状壁2111の上側表面2113が境界画定部材2121の下側表面に当接するまで、環状壁2111を環状キャビティ2115内へと前進させる。スピン溶接装置は次いで、第1の部分2103の開口2109の軸方向において、第1の部分2103および第2の部分2105の間に、引き続き圧縮力を生じさせる。この例においては、圧縮力はいずれの容器部分をも大きく変形させるものではない。
【0210】
スピン溶接装置は2203において、圧縮力の下で第1の部分2103および第2の部分2105を一時的に、相互に相対的に回転させる。この例においては、スピン溶接装置は第2の部分2105を一時的に回転させながら、第1の部分2103を静止状態に保持する。他の例においては、スピン溶接装置は第1の部分2103を回転させながら、第2の部分2105を静止状態に保持する。さらなる例においては、スピン溶接装置は、第1の部分2103および第2の部分2105を反対方向へと一時的に回転させる。スピン溶接装置はこれらの容器部分を一時的に、環状壁2111に対する境界画定部材2121の相対的な接線速度が、境界画定部材2121および環状壁2111の当接領域が摩擦による温度上昇を生じて可塑性となるのに十分に高くなるような速さにおいて、相互に相対的に回転させる。したがって回転の速さは、これらの容器部分が形成されている熱可塑性材料の特性に依存する。回転の速さはまた、環状壁2111の半径に依存しており、またしたがって、環状キャビティ2115の半径に依存している。幾つかの例においては、第1の部分および第2の部分を相互に相対的に一時的に回転させることは、第1の部分および第2の部分を毎分100回転から毎分1000回転の間の相対的な角速度において一時的に回転させることを含んでいる。
図21Aの例においては、環状壁の半径は約10cmであり、そして第1の部分2103および第2の部分2105を相互に相対的に回転させることは、第2の部分2105を毎分約500回転の速さで回転させることを含んでいる。
【0211】
スピン溶接装置は、第2の部分2105を第1の部分2103に対して一時的に回転させる。特に、スピン溶接装置は、境界画定部材2121の十分な部分および環状壁2111が可塑性となって、
図21Dのステージ(c)に示されているように、圧縮力の下で環状壁2111が環状キャビティ2115の内部へと最大の軸方向変位をもって前進されるまで、第2の部分2105を第1の部分2103に対して回転させる。第1の部分2103の第1の材料および第2の部分2105の第2の材料は実質的に等しい溶融速度であるが、これは第2の部分2105が第1の部分2103に対して相対的に回転されている時間の間に、これらの領域が実質的に同じ速さで可塑性になることを意味している。熱可塑性材料の溶融速度は溶融温度だけでなく、材料の粘度にも依存する。第1の部分2103の第1の材料および第2の部分2105の第2の材料は、第1の材料および第2の材料が異なる材料であっても、実質的に同じ溶融速度を有するように選択される。このことは、境界画定部材2121および環状壁2111が、境界画定部材2121および環状壁2111の間の境界面に沿って、両方とも可塑性になることを確実にする。境界画定部材2121および環状壁2111が可塑性になると、境界画定部材2121および環状壁2111の間の相対的な動きは可塑性領域の混合を生じさせて混合可塑性領域を形成するが、これは融合領域と称され、
図21Dのステージ(c)において影を付けた領域によって表されている。
【0212】
リップ2119が半径方向外側を向いた表面2117に張り出しており、そして境界画定部材2121がリップから半径方向内側を向いた方向に延びている環状キャビティ2115の構成は、第2の部分2105が一時的に第1の部分2103に対して相対的に回転されるに際して、バリと呼ばれるプラスチック材料が容器2101の内部に入り込むことを防止する。バリが容器に入り込むのを防止することは、バリが容器の内部容積を汚染するのを防止することになる。幾つかの例においては、容器を充填する材料は、バリと同じ種類または形状の材料でなくてよく、そしてそうした例においては、バリが容器に入り込むことは受け入れられないであろう。
【0213】
スピン溶接装置は2205において、第1の部分2103と第2の部分2105との間の所定の相対的な角度において、第1の部分2103と第2の部分2105との間の相対回転を停止させる。この例においては、所定の角度は1度未満まで精密なものである。第1の部分2103および第2の部分2105の間の相対回転を所定の角度で停止させることは、クロッキングと称される。この例においては、第1の部分2103および第2の部分2105は両方とも、材料ガイド構造2125のような一体的な特徴を有しており、そしてこれらの一体的な特徴は、容器が印刷材料を印刷システムに供給するため動作可能となるように、整合性を有している。第1の部分および第2の部分の一方が円筒形の対称性を有するような他の例においては、この相対的な動きは任意の角度で停止されてよい。
【0214】
スピン溶接装置は、第1の部分2103および第2の部分2105の間での相対的な回転を、実質的に瞬時に停止させる。このことは、相対回転が、プラスチック材料が冷却および溶融するのに必要とされる時間よりもずっと短い時間間隔で停止されることを意味している。この例においては、相対回転は最大の相対回転速度からゼロまで、1秒の10分の1未満で減速される。第1の部分2103および第2の部分2105の間での相対的な回転を実質的に瞬時に停止させることは、プラスチック材料の均一な冷却を生じさせ、第1の部分2103および第2の部分2105の間に結果的に形成される溶接を弱化させうる粒子が、冷却プロセスの間に形成されることを防止する。
【0215】
第1の部分2103および第2の部分2105の間での相対的な回転を停止させた後、スピン溶接装置は第1の部分2103および第2の部分2105をその場で保持し、そして2207において融合領域が冷却することを可能にし、それによって第1の部分2103および第2の部分2105の間を溶融させ、溶接部分を生成する。
【0216】
図21Aの例においては、第1の部分2103を準備することは、第1の部分2103をブロー成形によって形成することを含んでいる。第1の部分2103をブロー成形によって形成することは、第1の部分が、精密に制御可能な外径寸法と、精密に制御可能な度合いのより少ない内径寸法を有することに帰着する。特に、環状壁2111の半径方向外側を向いた表面は、環状壁2111の半径方向内側を向いた表面よりも、より精密な円筒形である。したがって、境界画定部材2121は、より精密に制御された環状壁2111の表面と融合することになり、結果として溶接はより信頼できる。他の例においては、環状壁を有する第1の部分を形成するために、他の成形プロセスが使用される。使用されてよい他の成形プロセスの例は、圧縮成形、射出成形、および構造的発泡成形である。
【0217】
図21Aの例においては、第2の部分2105を準備することは、第2の部分2105を射出成形によって形成することを含んでいる。第2の部分2105を射出成形によって成形することは、第2の部分2105のすべての表面が精密に制御可能な寸法を有することに帰着する。他の例においては、環状壁を受容するための環状キャビティを有する第2の部分を形成するために、他の成形プロセスが使用される。使用されてよい他の成形プロセスの例は、圧縮成形および構造的発泡成形である。
【0218】
第1の部分2103および第2の部分2105を形成するのに使用される、それぞれの成形プロセスに起因して、第1の部分2103を実質的に形成する第1の材料は、第2の部分2105を実質的に形成する第2の材料よりも粘稠である。ブロー成形については、比較的粘稠なプラスチック材料が使用されてパリソンが形成され、その中に気体が吹き込まれて、プラスチック材料が冷却して固化する前に、パリソンの外側表面が金型の内壁に付着するようにされる。射出成形については、より粘稠でないプラスチック材料が金型内へと射出され、プラスチックが冷却して固化する前に、プラスチック材料が金型全体を充填するようにされる。上述したように、
図21Aの例においては、第1の材料および第2の材料の溶融速度は粘度に依存しており、実質的に同じになるように選択される。
【0219】
かくしてある種の例においては、粉末造形材料を収納するためのブロー成形された回転式チャンバーと、印刷材料を容器の内部と外部の間で搬送するための開口を含む射出成形されたベースを含む、粉末造形材料のような印刷材料を収納するための容器が提示される。この場合、射出成形されたベースは、ブロー成形された回転式チャンバーの開放端部の内部に設けられ、そして射出成形されたベースはブロー成形された回転式チャンバーの環状壁を受容する環状キャビティを含み、そこにおいてブロー成形された回転式チャンバーは射出成形されたベースへと、スピン溶接によって融合されている。
【0220】
図23は、上述したある種の特徴を組み合わせてなる、例示的な容器2300の展開等測図である。この容器は、直径がDで長さがLの、全体に円筒形のチャンバー2310を含んでいる。この容器は円筒形の壁上に高さhおよびピッチpの内部螺旋フライト2315を有する。容器2300はこの例においては、チャネル構造2330の内部に形成されチャンバー2310と同軸である、より小径の直径dの開口2325を中央に備えた、永続的に取着されたベース2320を有している。チャネル構造2330は、同軸の吐出機構を形成している。ベース2320は、内部のアルキメデススクリュー2335、すなわち螺旋機構の形態の材料ガイド構造を有しており、これはベース2320の底部においては大体チャンバー2310の内径を有し、ベース2320の上部においては大体中央開口2325の直径まで遷移して、そこでチャネル構造2330の底部の一部を形成する。このスクリューの他の例は
図12Aから
図12Eに示されている。チャネル構造2330およびアルキメデススクリュー2335の螺旋機構は、直径dの軸方向孔部を有している。3次元印刷の例では、Dは150mmから250mmの範囲にあってよく、そしてLは400mmから600mmの間の範囲にあってよい。直径dは、同じ例では45mmから65mmの範囲にあってよい。
【0221】
図23の容器はまた、直径dおよび長さvのオーガーバルブまたは螺旋スクリューの形態の、材料搬送部材2340を含んでいてよい。長さvは、ある例では100mmから150mmの範囲にあってよい。材料搬送部材2340の螺旋オーガー機構は、アルキメデススクリュー2335の螺旋機構に合致する。さらにこの例においては、材料搬送部材2340の螺旋オーガー機構は、材料搬送部材2340が開放位置にあることを表す距離oだけ突出することを許容する深さまで開口2325内に装着された場合に、アルキメデススクリューと噛み合って完結させる。この距離oは、3次元印刷の例では20mmから40mmの範囲内にあってよい。材料搬送部材2340はさらに、その端部にバルブ構造2345を含んでいる。このバルブ構造のためのOリング2350が図面に示されている。材料搬送部材2340がその全長にわたって実装された場合に、バルブ構造2345は開口2325のためのシールを形成する。このことは、材料搬送部材2340の閉鎖位置を表す。材料搬送部材2340は、例えば上記したような相対回転を防止するために、ベース2320に対してキー止めされていてよい。材料搬送部材2340は一体のバネランプおよびストップを含んでいてよく、かくして一旦装着されたならば、それは閉鎖位置と開放位置の間だけで移動することができ、チャンバー2310に対して回転することはできない。材料搬送部材2340は、当該部材の端部にワッシャー2355およびネジ2360を有している。これらは
図9Dおよび
図9Eに関して説明した係合部材918として機能してよい。最後に、例えば
図9Fおよび
図9Gに示したキャップ951のようにして、キャップ2365をチャネル構造2330上へとねじ込んで容器2300を封止してよい。キャップ2365は開封明示式のものであってよい。
【0222】
作動の間、例えば充填場所および/または製造場所において、容器2300は新たな印刷材料で充填されてよく、そして材料搬送部材2340が装着される。この例においては、キー止めおよび他の機構が将来的な部材の動きを、軸方向の所定範囲の変位に限定する。
【0223】
本願に記載するところの例は、粉末材料を予想された、本来の特性および流動挙動でもって分配することを可能にする。例えば、種々の回転速度でもって転動させることにより、容器内の粉末材料は、スランピング、ローリング、カスケーディングおよびキャタラクティングを含む、幾つかの種類の作動形態のもとで混合させることができる。これらの作動形態は粉末を再曝気および再混合し、固化、圧密化、および分離の影響を反転させる。
【0224】
本願に記載の例示的な容器は、多種多様の印刷材料について使用されてよい。例えばそれらは、各々の粉末種が異なる凝集性、圧密化挙動および分離性を有していてよい、様々な種類の粉末について使用されてよい。ある種の例においては、容器はさらに、容器内に装填された印刷材料の種類を印刷システムへと電子的に通信するよう適合された、電子回路を含んでいてよい。例えば、有線または無線のインタフェースが、容器内のチップにロードされたデータを伝送してよい。容器は次いで、印刷システムの内部に実装され、その中の印刷材料の種類のための特定の手順(例えば過去にその特定の種類の材料の特性をリフレッシュするのに有効であった設定速度および方向)に従って回転された場合にモニターされてよい。いったん材料特性がリフレッシュされたならば、容器は例えば
図9Dおよび
図9Eに示されているように、材料搬送部材が印刷システムによって開放され、次いで所定の速度および方向に回転されて、印刷材料を分配してよい。回転速度が遠心分離を生ずることが知られている速度よりも小さい限り、そして内部の供給表面が粗かったり静電帯電していない限り、印刷材料は大部分が分配されることになる。
【0225】
印刷材料の供給に利点をもたらすだけでなく、本願に記載の例示的な容器はまた、新たなまたは余剰の印刷材料を容器内へと効率的に装填し戻すことを可能にする。新たな材料は、印刷材料の種類を切り換える場合に装填されてよい。容器を反対方向へと比較的低い回転速度で回転しながら、粉末を材料搬送部材へと給送することにより、印刷材料を材料搬送部材によって容器内へと移送することができ、そして次いで内部の隆起部分(例えばリブまたはフライト)によってさらに容器チャンバー内部へと移送することができる。
【0226】
充填の速さおよび効率を増大させるために、回転速度は容器内部の印刷材料が遠心分離動作態勢に入るように増大させてよく、そこでは材料粒子に対する遠心力が重力よりも大きくなる。この場合、印刷材料は円筒形のチャンバーの内壁を被覆するチューブを形成してよい。材料搬送部材によって導入される印刷材料はこのとき、回転軸の近く(そこでは遠心力が最も小さい)でチャンバー内へと移動され、一旦中に入ったならば、外壁に向かって移動し軸方向に流動して円筒形を維持する。この場合、印刷材料の層は材料がさらに導入されるにつれて厚さを増し、そしてチャンバーの中心にある空気の円筒は段々と小さくなる。遠心分離を達成するための回転速度は毎分の回転数で、42.3を内径の平方根で割ったものに等しい速度として決定してよい。プリンターからできるだけ多くの余剰粉末を除去することが目標であるならば、回転速度は材料層の圧密化を生ずるように、かくして除去容積を大きくするように増大させることができる。後の時点で再使用するために使用済の印刷材料を除去すること、または材料切り換えのために新たな材料を除去することが目標であるならば、容器は通常のレベルまで充填して、内側チャンバーに幾らかの空気容積を残すことができ、かくして印刷材料は後で転動によってリフレッシュすることが可能である。何れの場合でも、材料搬送部材は印刷システムによって閉鎖(例えば
図9Dおよび
図9Eに示された手順を反転させることにより)および解放されてよい。次いでユーザーは印刷システムにより、満充填された容器を取り出し可能であることを通知されてよい。
【0227】
本願に記載するある種の例は、例えば給送ホッパーが印刷材料をホッパー内へと注入することによって供給が行われる、比較可能な重力送りホッパー供給式の場合よりも、より効率的な空間の利用をもたらす。重力送りホッパーは、印刷材料の流動を確保するために、急峻な角度を有している。本願の例においては、印刷材料は容器を回転させることによって給送されてよい。この容器は水平方向に設けられてよいことから、高さのある垂直式給送システムおよびホッパーは回避される。本願に記載するある種の例はまた、容器を回転させることにより圧密化の効果を低減させ、これにより手作業による振とう、傾動、または転動は回避される。本願の例に記載の容器はさらに、印刷システム内部の内部オーガーおよび/またはミキサーの摩耗および高度の複雑性を低減または回避させる、単純な解決策を提供する。それらはまた、比較可能な真空式システムの場合に生じうる、印刷材料の分離を低減および/または回避する。
【0228】
本願に記載するある種の例は、例えば粉末形状の印刷材料のための容器を提供し、これは水平に設置してよく、材料の再混合、再曝気、および流動特性のリフレッシュのために回転されてよく、そして材料を印刷システムに対して制御された速さで配送してよい。加えて、この同じ容器は、材料供給部に結合された場合に、要求されたときに印刷材料を印刷システムから受け入れるように配置構成されてよく、そして水平方向に配向されたままで、その内部容積の少なくとも95%まで充填されてよい。記載されたある種の例においては、容器は例えば中央オーガーバルブの形態の、開放され回転方向に応じて容器の内外へと印刷材料を移送する材料搬送部材を有する。記載されたある種の例においては、例えばアルキメデススクリューの形態である材料ガイド構造を使用して、印刷材料を容器の端部と軸方向の材料搬送部材の間で移動させてよい。さらなる例においては、円筒形の壁上にある例えばリブまたはフライトの形態である螺旋状隆起部分を使用して、印刷材料を容器の軸方向に沿って移動させてよい。これらの特徴は独立して、または2つまたはより多くの部品の組み合わせで提供されてよく、ここで後者の場合、部品は相互作用して相乗効果をもたらしうる。容器は、本願に記載した利点を依然として保持しながら、種々の寸法へとスケーリングされてよい。
【0229】
以上の記載は、ある種の例を説明および記述するために提示されている。例の異なる組み合わせが説明されてきたが、これらは個別にまたは組み合わせて適用して相乗効果を得てよい。この説明は包括的であることを意図したものではなく、またこれらの原理を開示の任意の特定の形態に限定することを意図したものでもない。上記した教示に照らせば、多くの変形およびバリエーションを行うことができる。任意の1つの例に関して記載されたどの特徴も、単独で、または記載された他の特徴と組み合わせて使用されてよく、また任意の他の例の任意の特徴、または任意の他の例の任意の組み合わせと組み合わせて使用されてよいことが理解されよう。