(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定部は、受信した前記他車両の前記動作モードを示す動作モード情報のうち最も多い前記動作モード情報で示される前記動作モードを、前記自車両の前記動作モードに決定する
請求項1に記載の車両制御装置。
前記一斉切替が検出された場合、取得された前記動作モード切替情報で示される前記動作モードの切替方向のうち最も多い前記動作モードの切替方向の提示を制御する提示制御部をさらに備える
請求項1に記載の車両制御装置。
前記一斉切替が検出された場合、取得された前記動作モード切替情報で示される切り替え後の前記動作モードのうち最も多い切り替え後の前記動作モードとは異なる動作モードへの切り替えが運転者により指示されたとき、前記運転者に対する警告の出力を制御する出力制御部をさらに備える
請求項1に記載の車両制御装置。
前記決定部は、前記他車両の状態に応じて重み付けされた前記動作モードに関する情報のうち最も多い前記動作モードに関する情報で示される前記動作モードを、前記自車両の前記動作モードに決定する
請求項1乃至7のいずれかに記載の車両制御装置。
前記決定部は、取得された前記動作モードに関する情報のうち、所定の閾値を超える最も多い前記動作モードに関する情報で示される前記動作モードを、前記自車両の前記動作モードに決定する
請求項1乃至7のいずれかに記載の車両制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本技術の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0016】
また、以下の順序で説明を行う。
1.車両の構成について
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態
4.変形例
【0017】
<1.車両の構成について>
図1は、本技術を適用した移動体としての車両の一実施の形態の構成例を示す図である。
【0018】
図1に示す車両11は、フロントセンシングカメラ21、フロントカメラECU(Electronic Control Unit)22、位置情報取得部23、表示部24、通信部25、ステアリング機構26、レーダ27、ライダ(Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging:LIDAR)28、サイドビューカメラ29、サイドビューカメラECU30、統合ECU31、フロントビューカメラ32、フロントビューカメラECU33、制動装置34、エンジン35、発電機36、駆動モータ37、バッテリ38、リアビューカメラ39、リアビューカメラECU40、車速検出部41、ヘッドライト42、および車内センサ43を有している。
【0019】
車両11に設けられた各ユニットは、CAN(Controller Area Network)通信用のバスや他の接続線などにより相互に接続されているが、ここでは図を見やすくするため、それらのバスや接続線が特に区別されずに描かれている。
【0020】
フロントセンシングカメラ21は、例えば車室内のルームミラー近傍に配置されたセンシング専用のカメラからなり、車両11の前方を被写体として撮像し、その結果得られたセンシング画像をフロントカメラECU22に出力する。
【0021】
フロントカメラECU22は、フロントセンシングカメラ21から供給されたセンシング画像に対して適宜、画質を向上させる処理等を施した後、センシング画像に対して画像認識を行って、センシング画像から白線や歩行者などの任意の物体を検出する。フロントカメラECU22は、画像認識の結果をCAN通信用のバスに出力する。
【0022】
位置情報取得部23は、例えばGPS(Global Positioning System)や準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System:QZSS)などの位置情報計測システムからなり、車両11の位置を検出して、その検出結果を示す位置情報をCAN通信用のバスに出力する。
【0023】
表示部24は、例えば液晶表示パネルなどからなり、インストルメントパネルの中央部分、ルームミラー内部などの車室内の所定位置に配置されている。また、表示部24はウィンドシールド(フロントガラス)部分に重畳して設けられた透過型ディスプレイであってもよいし、カーナビゲーションシステムのディスプレイであってもよい。表示部24は、統合ECU31の制御に従って各種の画像を表示する。
【0024】
通信部25は、車車間通信や車歩間通信、路車間通信等の各種の無線通信により、周辺車両や、歩行者が所持する携帯型端末装置、路側機、外部のサーバとの間で情報の送受信を行う。例えば通信部25は周辺車両と車車間通信を行って、周辺車両から乗員数や走行状態を示す情報を含む周辺車両情報を受信し、統合ECU31に供給する。
【0025】
ステアリング機構26は、運転者によるハンドル操作、または統合ECU31から供給された制御信号に応じて車両11の走行方向の制御、すなわち舵角制御を行う。レーダ27は、ミリ波等の電磁波を用いて前方や後方などの各方向にある車両や歩行者といった対象物までの距離を測定する測距センサであり、対象物までの距離の測定結果を統合ECU31等に出力する。ライダ28は、光波を用いて前方や後方などの各方向にある車両や歩行者といった対象物までの距離を測定する測距センサであり、対象物までの距離の測定結果を統合ECU31等に出力する。
【0026】
サイドビューカメラ29は、例えばサイドミラーの筐体内やサイドミラー近傍に配置されたカメラであり、運転者の死角となる領域を含む車両11の側方の画像(以下、側方画像とも称する)を撮像し、サイドビューカメラECU30に供給する。
【0027】
サイドビューカメラECU30は、サイドビューカメラ29から供給された側方画像に対して、ホワイトバランス調整などの画質を向上させる画像処理を施すとともに、得られた側方画像をCAN通信用のバスとは異なるケーブルを介して統合ECU31に供給する。
【0028】
統合ECU31は、運転制御ECU51やバッテリECU52などの車両11の中央に配置された複数のECUからなり、車両11全体の動作を制御する。
【0029】
例えば運転制御ECU51は、ADAS(Advanced Driving Assistant System)機能や自律運転(Self driving)機能を実現するECUであり、フロントカメラECU22からの画像認識結果、位置情報取得部23からの位置情報、通信部25から供給された周辺車両情報等の各種の情報、レーダ27やライダ28からの測定結果、車速検出部41からの走行速度の検出結果などに基づいて、車両11の運転(走行)を制御する。すなわち、運転制御ECU51は、ステアリング機構26や、制動装置34、エンジン35、駆動モータ37等を制御して車両11の運転を制御する。また、運転制御ECU51は、フロントカメラECU22から画像認識結果として供給された、対向車のヘッドライトの有無等に基づいてヘッドライト42を制御してハイビームとロービームの切り替えなどヘッドライト42によるビーム照射を制御する。
【0030】
なお、統合ECU31では、ADAS機能や自律運転機能、ビーム制御などの機能ごとに専用のECUを設けるようにしてもよい。
【0031】
また、バッテリECU52は、バッテリ38による電力の供給等を制御する。
【0032】
フロントビューカメラ32は、例えばフロントグリル近傍に配置されたカメラからなり、運転者の死角となる領域を含む車両11の前方の画像(以下、前方画像とも称する)を撮像し、フロントビューカメラECU33に供給する。
【0033】
フロントビューカメラECU33は、フロントビューカメラ32から供給された前方画像に対して、ホワイトバランス調整などの画質を向上させる画像処理を施すとともに、得られた前方画像をCAN通信用のバスとは異なるケーブルを介して統合ECU31に供給する。
【0034】
制動装置34は、運転者によるブレーキ操作、または統合ECU31から供給された制御信号に応じて動作し、車両11を停車させたり減速させたりする。エンジン35は、車両11の動力源であり、統合ECU31から供給された制御信号に応じて駆動する。
【0035】
発電機36は、統合ECU31により制御され、エンジン35の駆動に応じて発電する。駆動モータ37は、車両11の動力源であり、発電機36やバッテリ38から電力の供給を受け、統合ECU31から供給された制御信号に応じて駆動する。なお、車両11の走行時にエンジン35を駆動させるか、または駆動モータ37を駆動させるかは、適宜、統合ECU31により切り替えられる。
【0036】
バッテリ38は、例えば12Vのバッテリや200Vのバッテリなどを有しており、バッテリECU52の制御に従って車両11の各部に電力を供給する。
【0037】
リアビューカメラ39は、例えばテールゲートのナンバープレート近傍に配置されるカメラからなり、運転者の死角となる領域を含む車両11の後方の画像(以下、後方画像とも称する)を撮像し、リアビューカメラECU40に供給する。例えばリアビューカメラ39は、図示せぬシフトレバーがリバース(R)の位置に移動されると起動される。
【0038】
リアビューカメラECU40は、リアビューカメラ39から供給された後方画像に対して、ホワイトバランス調整などの画質を向上させる画像処理を施すとともに、得られた後方画像をCAN通信用のバスとは異なるケーブルを介して統合ECU31に供給する。
【0039】
車速検出部41は、車両11の走行速度を検出するセンサであり、走行速度の検出結果を統合ECU31に供給する。なお、車速検出部41において、走行速度の検出結果から加速度や加速度の微分が算出されるようにしてもよい。例えば算出された加速度は、車両11の物体との衝突までの時間の推定などに用いられる。
【0040】
ヘッドライト42は、統合ECU31から供給された制御信号に応じて動作し、ビームを出力することで車両11の前方を照明する。
【0041】
車内センサ43は、車両11内に乗車している搭乗者の状態や属性を検出するセンサであり、検出結果を統合ECU31に供給する。車内センサ43は、例えば、運転者の状態や、車両11内のどの座席に搭乗者がいるか、搭乗者が大人であるか子供であるか、などの情報を検出する。なお、車内センサ43が、車載カメラおよび車載カメラECUにより構成されるようにすることもできる。この場合、車内センサ43が、車載カメラにより撮像された画像に対する画像認識を行うことで、運転者の状態や、車両11内のどの座席に搭乗者がいるか、搭乗者が大人であるか子供であるか、などの情報を検出する。
【0042】
また、車両11では、
図2に示すようにフロントカメラモジュール71、通信部25、運転制御ECU51、ステアリング機構26、制動装置34、エンジン35、駆動モータ37、およびヘッドライト42を含む複数のユニットがCAN通信用のバス72により相互に接続されている。なお、
図2において
図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0043】
この例では、フロントカメラモジュール71はレンズ81、イメージセンサ82、フロントカメラECU22、およびMCU(Module Control Unit)83を有している。
【0044】
また、レンズ81およびイメージセンサ82によってフロントセンシングカメラ21が構成されており、イメージセンサ82は例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどからなる。
【0045】
フロントカメラモジュール71では、被写体からの光がレンズ81によってイメージセンサ82の撮像面上に集光される。イメージセンサ82は、レンズ81から入射した光を光電変換することでセンシング画像を撮像し、フロントカメラECU22に供給する。
【0046】
フロントカメラECU22は、イメージセンサ82から供給されたセンシング画像に対して、例えばゲイン調整やホワイトバランス調整、HDR(High Dynamic Range)処理などを施した後、センシング画像に対して画像認識を行う。
【0047】
画像認識では、例えば白線や縁石、歩行者、車両、ヘッドライト、ブレーキランプ、道路標識、前方車両との衝突までの時間などの認識(検出)が行われる。これらの画像認識の認識結果は、MCU83でCAN通信用の形式の信号に変換され、バス72へと出力される。
【0048】
また、バス72から供給された情報は、MCU83でフロントカメラモジュール71用に定められた形式の信号に変換され、フロントカメラECU22へと供給される。
【0049】
運転制御ECU51は、MCU83からバス72に出力された画像認識の結果と、レーダ27やライダ28等の他のユニットから供給された情報とに基づいて、適宜、ステアリング機構26や制動装置34、エンジン35、駆動モータ37、ヘッドライト42などを制御する。これにより走行方向の変更、ブレーキ、加速、発進等の運転制御や、警告通知制御、ビームの切り替え制御などが実現される。
【0050】
また、運転制御ECU51が自律運転機能等を実現する場合には、例えばフロントカメラECU22で得られた各時刻の画像認識結果から、運転制御ECU51において、さらに対象物体の位置の軌跡が認識され、その認識結果が通信部25を介して外部のサーバに送信されるようにしてもよい。そのような場合、例えばサーバではディープニューラルネット等の学習が行われて必要な辞書等が生成され、車両11へと送信される。車両11では、このようにして得られた辞書等が通信部25により受信され、受信された辞書等が運転制御ECU51での各種の予測などに用いられる。
【0051】
なお、運転制御ECU51により行われる制御のうち、センシング画像に対する画像認識の結果のみから実現できる制御については、運転制御ECU51ではなくフロントカメラECU22により行われるようにしてもよい。
【0052】
具体的には、例えばフロントカメラECU22は、センシング画像に対する画像認識により得られた対向車のヘッドライトの有無に基づいて、ヘッドライト42を制御してもよい。この場合、例えばフロントカメラECU22は、ロービームとハイビームの切り替え等を指示する制御信号を生成し、MCU83およびバス72を介してヘッドライト42に制御信号を供給することで、ヘッドライト42によるビーム切り替えを制御する。
【0053】
その他、例えばフロントカメラECU22が、センシング画像に対する画像認識により得られた白線や縁石、歩行者などの認識結果に基づいて、対象物への衝突の警告通知や走行車線(レーン)からの逸脱の警告通知等を生成し、MCU83を介してバス72に出力することで、警告通知の制御を行うようにしてもよい。この場合、フロントカメラECU22から出力された警告通知は、例えば表示部24や図示せぬスピーカ等に供給される。これにより、表示部24において警告表示を行ったり、スピーカにより警告メッセージを出力したりすることができる。
【0054】
さらに、車両11では、例えば駐車を行う時などにおいて表示部24に合成画像を表示することでアラウンドビューモニタ機能が実現される。
【0055】
すなわち、例えば
図3に示すように各部で得られた前方画像、後方画像、および側方画像がCAN通信用のバスとは異なるケーブルを介して、統合ECU31に設けられた画像合成ECU101に供給され、それらの画像から合成画像が生成される。なお、
図3において
図1における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0056】
図3では、
図1に示したサイドビューカメラ29として、車両11の左側に配置されたサイドビューカメラ29Lと、車両11の右側に配置されたサイドビューカメラ29Rとが設けられている。また、サイドビューカメラECU30として、車両11の左側に配置されたサイドビューカメラECU30Lと、車両11の右側に配置されたサイドビューカメラECU30Rとが設けられている。
【0057】
画像合成ECU101には、フロントビューカメラ32で得られた前方画像がフロントビューカメラECU33から供給され、リアビューカメラ39で得られた後方画像がリアビューカメラECU40から供給される。また、画像合成ECU101には、サイドビューカメラ29Lで得られた側方画像(以下、特に左側方画像とも称する)がサイドビューカメラECU30Lから供給され、サイドビューカメラ29Rで得られた側方画像(以下、特に右側方画像とも称する)がサイドビューカメラECU30Rから供給される。
【0058】
画像合成ECU101は、供給されたこれらの画像に基づいて前方画像、後方画像、左側方画像、および右側方画像を対応する領域に配置した合成画像を生成するとともに、得られた合成画像を表示部24に供給し、表示させる。運転者は、このようにして表示された合成画像を確認しながら車両11を運転することで、安全かつ容易に駐車を行うことができる。なお、統合ECU31が合成画像に基づいて車両11の駆動を制御し、駐車を行うようにしてもよい。
【0059】
また、運転制御ECU51により複数の異なる機能の制御を行うのではなく、例えば
図4に示すように制御内容ごとに、すなわち機能ごとに制御部を設けるようにしてもよい。なお、
図4において
図2における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0060】
図4に示す例では、CAN通信用のバス72にはフロントカメラモジュール71、通信部25、ステアリング機構26、制動装置34、エンジン35、駆動モータ37、ヘッドライト42、ビーム制御部111、警告通知制御部112、ステアリング制御部113、ブレーキ制御部114、およびアクセル制御部115を含む複数のユニットが接続されている。
【0061】
この例では、
図2の例において運転制御ECU51により行われていた制御が、ビーム制御部111、警告通知制御部112、ステアリング制御部113、ブレーキ制御部114、およびアクセル制御部115により分担されて行われる。
【0062】
具体的には、例えばビーム制御部111は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果等に基づいてヘッドライト42を制御することでロービームとハイビームの切り替え制御を行う。また、警告通知制御部112は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果等に基づいて表示部24への各種の警告表示や図示せぬスピーカでの警告メッセージの出力など、警告通知の制御を行う。
【0063】
ステアリング制御部113は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果、レーダ27やライダ28からの測定結果等に基づいてステアリング機構26を制御することで、車両11の走行方向の制御を行う。ブレーキ制御部114は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果、レーダ27やライダ28からの測定結果等に基づいて制動装置34を制御することで、車両11の走行停止や減速の制御を行う。
【0064】
さらに、アクセル制御部115は、フロントカメラECU22で得られた画像認識の結果、レーダ27やライダ28からの測定結果等に基づいてエンジン35や駆動モータ37を制御することで、車両11の発進や加速の制御を行う。
【0065】
<2.第1の実施形態>
(車両制御部の構成例)
図5は、本技術の第1の実施形態に係る車両制御部の構成例を示している。
【0066】
図5の車両制御部201は、例えば
図1に示される統合ECU31、特に運転制御ECU51により実現され、車両11において行われる運転支援処理を実行する。車両制御部201は、情報選択部211、動作モード決定部212、動作モード格納部213、運転制御部214、および表示制御部215から構成される。
【0067】
情報選択部211は、通信部25から供給された周辺車両情報から、他車両の動作モードに関する情報を選択する。情報選択部211は、適宜、通信部25を制御することで、車両11の周囲に存在する周辺車両との車車間通信により周辺車両情報を受信させ、受信された周辺車両情報を通信部25から取得する。周辺車両情報は、一定の時間間隔で、つまり定期的に受信されるようにしてもよいし、不定期に受信されるようにしてもよい。
【0068】
動作モード決定部212は、情報選択部211により選択された他車両の動作モードに関する情報に応じて、自車両の動作モードを決定する。
【0069】
動作モード格納部213は、動作モード決定部212により決定された自車両の(現在の)動作モードを格納する。
【0070】
運転制御部214は、動作モード決定部212により決定された自車両の動作モードに応じて、車両11(自車両)を制御するための制御信号を生成する。運転制御部214は、例えば、動作モードに応じた制御を、ステアリング機構26、制動装置34、エンジン35、駆動モータ37といった各運転機構に指示する。
【0071】
表示制御部215は、動作モード決定部212により決定された動作モードの提示を制御する。例えば、表示制御部215は、決定された動作モードを表示部24に表示させる。
【0072】
(動作モードについて)
ここで、車両の動作モードについて説明する。
【0073】
ここでは、車両の動作モードを、完全手動運転、支援運転、および自律運転の3モードに大別する。
【0074】
完全手動運転は、運転者が自車両の運転全てを行う動作モードである。完全手動運転においては、運転の権限は人間側にある。
【0075】
支援運転は、車両の制御システムが運転の一部を行うことで、運転者が行う運転を支援する動作モードである。支援運転においても、運転の権限は人間側にある。
【0076】
自律運転は、車両の制御システムが自車両の運転全てを行う動作モードである。自律運転においては、運転の権限は車両側にある。
【0077】
このように、支援運転は、車両の制御システムが運転の一部を行うものの、運転の権限は人間側にある。
【0078】
ここで、運転の権限が人間側にある動作モードを手動運転とし、運転の権限が車両側にある動作モードを自動運転として扱うものとする。したがって、以下においては、完全手動運転および支援運転を手動運転とし、自律運転を自動運転とする。
【0079】
(動作モード切替処理)
次に、
図6のフローチャートを参照して、車両制御部201による動作モード切替処理について説明する。なお、
図6の処理は、車両11が走行している状態で、所定時間毎(例えば1秒毎など)に実行される。
【0080】
ステップS11において、情報選択部211は、通信部25が受信した周辺車両情報から、他車両の動作モードに関する情報として、他車両の動作モードを示す動作モード情報を選択し、動作モード決定部212に供給する。
【0081】
通信部25は、車両11を中心とした所定の受信範囲内を走行する他車両から、周辺車両情報を受信する。例えば、
図7に示されるように、通信部25は、車両11を中心とした受信範囲CA内を走行する10台の車両11a乃至11jから、周辺車両情報を受信する。
【0082】
図7の例では、車両11(自車両)の動作モードは手動運転である。また、車両11a乃至11j(他車両)のうち、車両11a,11d,11f,11gの動作モードは手動運転であり、車両11b,11c,11e,11h,11i,11jの動作モードは自動運転である。
【0083】
したがって、
図7の例では、他車両10台分の動作モード情報が取得される。
【0084】
ステップS12において、動作モード決定部212は、情報選択部211により選択された動作モード情報を用いて、各動作モードの割合を算出する。
【0085】
ここで、
図8のフローチャートを参照して、各動作モードの割合の算出前に実行される動作モードの割合算出前処理について説明する。
【0086】
ステップS31において、動作モード決定部212は、情報選択部211により選択された複数の動作モード情報のうちの1つについて、動作モード情報で示される動作モードが自動運転であるか否かを判定する。
【0087】
ステップS31において、動作モードが自動運転であると判定された場合、ステップS32に進み、動作モード決定部212は、その動作モード情報に対して、自動運転のフラグを付与する。
【0088】
一方、ステップS31において、動作モードが自動運転でないと判定された場合、ステップS33に進み、動作モード決定部212は、その動作モード情報に対して、手動運転のフラグを付与する。
【0089】
ステップS32,S33の後、ステップS34において、動作モード決定部212は、情報選択部211によって選択された動作モード情報がまだあるか否かが判定される。
【0090】
ステップS34において、動作モード情報がまだあると判定された場合、すなわち、フラグが付与されていない動作モード情報がある場合、処理はステップS31に戻り、フラグが付与されていない動作モード情報について、ステップS31乃至S33の処理が繰り返される。
【0091】
一方、ステップS34において、動作モード情報がないと判定された場合、すなわち、全ての動作モード情報にフラグが付与された場合、動作モードの割合算出前処理は終了する。
【0092】
図9は、動作モードの割合算出前処理の結果となるテーブルの例を示している。
【0093】
図9のテーブルには、各動作モード情報について、受信時刻、車両ID、動作モード、自動運転フラグ、および手動運転フラグの各データが示されている。
【0094】
受信時刻は、通信部25が、その動作モード情報を含む周辺車両情報を受信した時刻を示しており、例えば、hh:mm:ss.xxxなどミリ秒単位まで含む形式で記録される。
【0095】
車両IDは、その動作モード情報を含む周辺車両情報を送信した車両固有の情報である。
【0096】
動作モードは、その動作モード情報で示される動作モードであり、その動作モードに応じて、自動運転フラグおよび手動運転フラグに値(0または1)が設定される。
【0097】
図9の例では、
図7の例に準じて、10個の動作モード情報について各データが設定されており、6個の動作モード情報について自動運転フラグが付与され、4個の動作モード情報について手動運転フラグが付与されている。
【0098】
ここで、ステップS12においては、動作モード決定部212は、動作モードの割合算出前処理の結果となるテーブルを用いて、各動作モードの割合を算出する。
【0099】
したがって、
図9の例では、車両11を中心とした受信範囲CA内を走行する10台のうち6台の動作モードが自動運転であり、4台の動作モードが手動運転であるので、自動運転の割合は60%、手動運転の割合は40%と算出される。
【0100】
ステップS12の後、ステップS13において、動作モード決定部212は、算出した動作モードの割合をもとに、最も多い動作モードを、車両11(自車両)の動作モードの候補となる動作モード候補に決定し、動作モード候補を示す情報を、運転制御部214に供給する。
図9の例では、自動運転が動作モード候補に決定される。
【0101】
ステップS14において、運転制御部214は、動作モード候補を示す情報を用いて、動作モード格納部213に格納されている、車両11(自車両)の現在の動作モードと、動作モード候補とが異なるか否かを判定する。
【0102】
ステップS14において、現在の動作モードと動作モード候補とが異なると判定された場合、ステップS15において、運転制御部214は、動作モード候補に応じた制御信号を生成し、各運転機構を制御することで、自車両の動作モードを、動作モード候補に切り替える。
図7の例では、自車両の動作モードは手動運転であり、動作モード候補は自動運転であるので、自車両の動作モードが、手動運転から自動運転に切り替えられる。このとき、動作モード格納部213に格納されている動作モードは、動作モード候補に更新される。
【0103】
一方、ステップS14において、現在の動作モードと動作モード候補とが異なっていないと判定された場合、現在の動作モードと動作モード候補とが同じであり、自車両の動作モードを切り替える必要がない。したがって、運転制御部214は何もせず、処理は終了する。
【0104】
以上の処理によれば、自車両の周囲を走行する他車両の動作モードに応じて、動作モード候補が決定され、決定された動作モード候補に、自車両の動作モードが切り替えられるので、異なる動作モードの車両が混在する中において、より適切な動作モードでの走行を実現することが可能となる。
【0105】
以上においては、決定された動作モード候補に、自車両の動作モードを切り替える処理について説明したが、決定された動作モード候補を運転者に提示するようにしてもよい。
【0106】
(動作モード切替処理の他の例)
図10は、車両制御部201による動作モード切替処理の他の例を説明するフローチャートである。
【0107】
なお、
図10のステップS51乃至S53における処理は、
図6のステップS11乃至S13における処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0108】
すなわち、ステップS53において動作モード候補が決定された後、ステップS54において、表示制御部215は、動作モード決定部212からの動作モード候補を示す情報を用いて、決定された動作モード候補を提示する。具体的には、表示制御部215は、動作モード決定部212により決定された動作モード候補を表示部24に表示させる。
【0109】
運転者は、表示部24に表示された動作モード候補を見ることで、自車両の動作モードを切り替えるか否かを判断することができる。
【0110】
そこで、ステップS55において、運転制御部214は、運転者によって動作モードの切り替えが指示されたか否かを判定する。
【0111】
ステップS55において、動作モードの切り替えが指示されたと判定された場合、ステップS56において、運転制御部214は、動作モードの切り替えの指示に従って、動作モード候補に応じた制御信号を生成し、各運転機構を制御することで、自車両の動作モードを、動作モード候補に切り替える。
【0112】
一方、ステップS55において、動作モードの切り替えが指示されていないと判定された場合、運転制御部214は何もせず、処理は終了する。
【0113】
以上の処理によれば、自車両の周囲を走行する他車両の動作モードに応じて、動作モード候補が決定され、決定された動作モード候補が運転者に提示されるので、運転者は、より適切な動作モードへ切り替えることを判断することができる。その結果、異なる動作モードの車両が混在する中において、より適切な動作モードでの走行を実現することが可能となる。
【0114】
以上のように、運転者は、表示部24を確認することで、動作モードに関する情報を把握することができる。
【0115】
(動作モードに関する情報の表示例)
そこで、以下においては、表示部24における動作モードに関する情報の表示例について説明する。
【0116】
図11は、動作モードに関する情報の表示例を示している。
【0117】
表示部24は、例えばヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display:HUD)として構成され、フロントガラスに動作モードに関する情報の画像が重畳されて表示される。
【0118】
具体的には、
図11の例では、自車両の前方の視界に重ねて、自車両の前方を走行する他車両の動作モードに関する情報が表示される。
【0119】
図11の例では、車両11uの現在の動作モードは自動運転であり、車両11vの現在の動作モードは手動運転であることが、その車両を囲む枠と文字とによって表示されている。これらは、動作モード毎に異なる色で表示されるようにしてもよい。
【0120】
また、
図11の例では、車両11wの動作モードが手動運転から自動運転で切り替わっていることが示されている。
図11においては、「手動→自動」のように、切替前の動作モードと切替後の動作モードとが文字で示されているが、例えば、切替後の動作モードを示す文字のみを表示する場合、現在の動作モードを示す文字と区別できるように、切替後の動作モードを示す文字を点滅して表示されるようにしてもよい。
【0121】
さらに、動作モードが自動運転から手動運転へと切り替わる場合、ステアリング機構26、制動装置34、エンジン35(または駆動モータ37)といった各運転機構の動作モードが段階的に(所定の順番で)切り替わるようにしてもよい。この場合、表示部24においては、動作モードが自動運転から手動運転へと切り替わる他車両について、各運転機構が段階的に切り替わることに応じて、その車両を囲む枠の色が段階的に変化するようにしてもよい。
【0122】
図12は、動作モードに関する情報の他の表示例を示している。
【0123】
図12の例では、推奨される動作モード(例えば、周囲を走行する他車両の動作モードのうち、最も多い動作モード)を示す文字列が表示されている。具体的には、「周囲に自動運転が多いです。動作モードを切り替えますか?」の文字列が表示されている。
図12の表示は、
図10のフローチャートを参照して説明した処理(ステップS54)の中で行われるようにしてもよい。
【0124】
さらに、自動運転時に手動運転が推奨される場合と、手動運転時に自動運転が推奨される場合とで、異なる表示が行われるようにしてもよい。例えば、自動運転時に手動運転が推奨される場合には、例えば、車内センサ43が、運転者が前を向いているかなどを検出し、その検出結果に基づく運転者の状態に応じて、走行の安定が確認できた後に動作モードを切り替える旨を表示する。そして、運転者による切り替えの指示があった場合にのみ、動作モードが切り替わるようにする。また、手動運転時に自動運転が推奨される場合には、動作モードを切り替えるべきタイミングになったときに、自動的に動作モードが切り替わるようにする。この場合、動作モードが切り替わった後に、その旨を示す音声(チャイムなど)が出力されるようにしてもよい。
【0125】
また、
図10のフローチャートを参照して説明した処理においては、動作モード候補の提示は、表示部24への表示によって行われるものとしたが、音声出力によって行われるようにすることもできる。
【0126】
以上においては、手動運転と自動運転の2つの動作モードのうち、他車両の動作モードとして多い方が動作モード候補に決定されるものとした。しかしながら、上述で説明したように、車両の動作モードを、完全手動運転、支援運転、および自律運転の3モードに大別することもできる。
【0127】
(動作モードの割合算出前処理の他の例)
この場合、各動作モードの割合の算出前に実行される動作モードの割合算出前処理は、
図13のフローチャートに沿って実行される。
【0128】
ステップS71において、動作モード決定部212は、情報選択部211により選択された複数の動作モード情報のうちの1つについて、動作モード情報で示される動作モードが自律運転であるか否かを判定する。
【0129】
ステップS71において、動作モードが自律運転であると判定された場合、ステップS72に進み、動作モード決定部212は、その動作モード情報に対して、自律運転のフラグを付与する。
【0130】
一方、ステップS71において、動作モードが自律運転でないと判定された場合、ステップS73に進み、動作モード決定部212は、その動作モード情報で示される動作モードが支援運転であるか否かを判定する。
【0131】
ステップS73において、動作モードが支援運転であると判定された場合、ステップS74に進み、動作モード決定部212は、その動作モード情報に対して、支援運転のフラグを付与する。
【0132】
一方、ステップS73において、動作モードが支援運転でないと判定された場合、ステップS75に進み、動作モード決定部212は、その動作モード情報に対して、手動運転(完全手動運転)のフラグを付与する。
【0133】
ステップS72,S74,S75の後、ステップS76において、動作モード決定部212は、情報選択部211によって選択された動作モード情報がまだあるか否かが判定される。
【0134】
ステップS76において、動作モード情報がまだあると判定された場合、すなわち、フラグが付与されていない動作モード情報がある場合、処理はステップS71に戻り、フラグが付与されていない動作モード情報について、ステップS71乃至S75の処理が繰り返される。
【0135】
一方、ステップS76において、動作モード情報がないと判定された場合、すなわち、全ての動作モード情報にフラグが付与された場合、動作モードの割合算出前処理は終了する。
【0136】
図14は、
図13の動作モードの割合算出前処理の結果となるテーブルの例を示している。
【0137】
図14のテーブルには、各動作モード情報について、受信時刻、車両ID、動作モード、自律運転フラグ、支援運転フラグ、および手動運転フラグの各データが示されている。
【0138】
図14の例においては、動作モード情報で示される動作モードに応じて、自律運転フラグ、支援運転フラグ、および手動運転フラグに値(0または1)が設定される。
【0139】
また、
図14の例では、10個の動作モード情報について各データが設定されており、6個の動作モード情報について自律運転フラグが付与され、3個の動作モード情報について支援運転フラグが付与され、1個の動作モード情報について手動運転フラグが付与されている。
【0140】
したがって、
図14の例では、10台の他車両うち6台の動作モードが自律運転であり、3台の動作モードが支援運転であり、1台の動作モードが手動運転であるので、自律運転の割合は60%、支援運転の割合は30%、手動運転の割合は10%と算出される。
【0141】
上述した実施形態においては、他車両の動作モードに関する情報として、他車両の動作モードを示す動作モード情報が取得されるものとしたが、他車両の動作モードが切り替わった場合、その動作モードが切り替わったことを示す情報が取得されるようにしてもよい。
【0142】
<3.第2の実施形態>
(車両制御部の構成例)
図15は、本技術の第2の実施形態に係る車両制御部の構成例を示している。
【0143】
図15の車両制御部301は、情報選択部311、一斉切替検出部312、動作モード決定部313、動作モード格納部314、運転制御部315、および表示制御部316から構成される。
【0144】
なお、
図15の車両制御部301において、動作モード格納部314、運転制御部315、および表示制御部316は、
図5の車両制御部201における動作モード格納部213、運転制御部214、および表示制御部215と同様の機能を有するので、その説明は省略する。
【0145】
情報選択部311は、通信部25から供給された周辺車両情報から、他車両の動作モードに関する情報として、他車両の動作モードが切り替ったことを示す動作モード切替情報を選択する。
【0146】
一斉切替検出部312は、情報選択部311により選択された動作モード切替情報に基づいて、所定期間内に所定数以上の他車両の動作モードが切り替わる一斉切替を検出する。一斉切替検出部312は、一斉切替が検出されたか否かを示す情報を、動作モード決定部313に供給する。
【0147】
動作モード決定部313は、一斉切替検出部312から供給された情報に応じて、車両11(自車両)の動作モードを決定する。
【0148】
(動作モード切替処理)
次に、
図16のフローチャートを参照して、車両制御部301による動作モード切替処理について説明する。なお、
図16の処理もまた、車両11が走行している状態で、所定時間毎(例えば1秒毎など)に実行される。
【0149】
ステップS111において、情報選択部311は、通信部25が受信した周辺車両情報から、他車両の動作モードに関する情報として、他車両の動作モードが切り替わったことを示す動作モード切替情報を選択し、一斉切替検出部312に供給する。
【0150】
ステップS112において、一斉切替検出部312は、所定期間(例えば数msec)内に選択された動作モード切替情報の数に基づいて、一斉切替を検出したか否かを判定する。一斉切替が検出されたか否かを示す情報は、動作モード決定部313に供給される。
【0151】
ステップS112において、一斉切替を検出したと判定された場合、処理はステップS113に進み、動作モード決定部313は、一斉切替検出部312から供給された情報を用いて、動作モードの切り替えの割合を算出する。
【0152】
例えば、動作モードとして、手動運転と自動運転の2つの動作モードがある場合、手動運転から自動運転への切り替えを示す動作モード切替情報と、自動運転から手動運転への切り替えを示す動作モード切替情報とに基づいて、動作モードの切り替えの割合が算出される。
【0153】
また、動作モードとして、手動運転、支援運転、及び自律運転の3つの動作モードがある場合には、例示は省略するが、6種類の動作モード切替情報に基づいて、動作モードの切り替えの割合が算出される。
【0154】
ステップS114において、動作モード決定部313は、算出した動作モードの切り替えの割合をもとに、最も多い切り替え後の動作モードを、車両11(自車両)の動作モードの候補となる動作モード候補に決定し、動作モード候補を示す情報を、運転制御部315に供給する。
【0155】
ステップS115において、運転制御部315は、動作モード候補を示す情報を用いて、動作モード格納部314に格納されている、車両11(自車両)の現在の動作モードと、動作モード候補とが異なるか否かを判定する。
【0156】
ステップS115において、現在の動作モードと動作モード候補とが異なると判定された場合、ステップS116において、運転制御部315は、動作モード候補に応じた制御信号を生成し、各運転機構を制御することで、自車両の動作モードを、動作モード候補に切り替える。このとき、動作モード格納部314に格納されている動作モードは、動作モード候補に更新される。
【0157】
一方、ステップS115において、現在の動作モードと動作モード候補とが異なっていないと判定された場合、現在の動作モードと動作モード候補とが同じであり、自車両の動作モードを切り替える必要がない。したがって、運転制御部315は何もせず、処理は終了する。また、ステップS112において、一斉切替を検出していないと判定された場合にも、動作モードが切り替わることなく、処理は終了する。
【0158】
以上の処理によれば、一斉切替に応じて、動作モード候補が決定され、決定された動作モード候補に、自車両の動作モードが切り替えられるので、特に、一斉切替の検出が想定されるような事故発生時、救急車などの緊急車両の接近時、地震や火事などの災害発生時などにおいて、より適切な動作モードでの走行を実現することが可能となる。
【0159】
以上においては、決定された動作モード候補に、自車両の動作モードを切り替える処理について説明したが、決定された動作モード候補を運転者に提示するようにしてもよい。
【0160】
(動作モード切替処理の他の例)
図17は、車両制御部301による動作モード切替処理の他の例を説明するフローチャートである。
【0161】
なお、
図17のステップS131乃至S134における処理は、
図16のステップS111乃至S114における処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0162】
すなわち、ステップS134において動作モード候補が決定された後、動作モード決定部313は、動作モード候補を示す情報と、最も多い動作モードの切替方向を示す情報とを、表示制御部316に供給する。
【0163】
ステップS135において、表示制御部316は、動作モード決定部313からの情報を用いて、決定された動作モード候補とともに、最も多い動作モードの切替方向を提示する。具体的には、表示制御部316は、決定された動作モード候補とともに、最も多い動作モードの切替方向を表示部24に表示させる。
【0164】
運転者は、表示部24に表示された動作モード候補を見ることで、自車両の動作モードを切り替えるか否かを判断することができる。また、運転者は、表示部24に表示された動作モードの切替方向を見ることで、周囲を走行する他車両において、どの動作モードからどの動作モードへの切り替えが多く行われたかを把握することができる。
【0165】
そこで、ステップS136において、運転制御部315は、運転者によって動作モードの切り替えが指示されたか否かを判定する。
【0166】
ステップS136において、動作モードの切り替えが指示されたと判定された場合、ステップS137において、運転制御部315は、動作モードの切り替えの指示に従って、動作モード候補に応じた制御信号を生成し、各運転機構を制御することで、自車両の動作モードを、動作モード候補に切り替える。
【0167】
一方、ステップS136において、動作モードの切り替えが指示されていないと判定された場合、運転制御部315は何もせず、処理は終了する。
【0168】
以上の処理によれば、一斉切替に応じて、動作モード候補が決定され、決定された動作モード候補と一斉切替の切替方向が運転者に提示されるので、運転者は、より適切な動作モードへ切り替えることを判断することができる。その結果、特に、一斉切替の検出が想定されるような事故発生時、救急車などの緊急車両の接近時、地震や火事などの災害発生時などにおいて、より適切な動作モードでの走行を実現することが可能となる。
【0169】
(動作モード切替処理のさらに他の例)
図18は、車両制御部301による動作モード切替処理のさらに他の例を説明するフローチャートである。
【0170】
なお、
図18のステップS151乃至S155における処理は、
図17のステップS131乃至S135における処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0171】
すなわち、ステップS155において、決定された動作モード候補とともに、最も多い動作モードの切替方向が提示された後、ステップS156において、運転制御部315は、運転者によって動作モードの動作モード候補への切り替えが指示されたか否かを判定する。
【0172】
ステップS156において、動作モード候補への切り替えが指示されたと判定された場合、すなわち、周囲を走行する他車両における一斉切替と同様の動作モードへの切り替えが指示されると、ステップS157において、運転制御部315は、動作モード候補への切り替えの指示に従って、動作モード候補に応じた制御信号を生成し、各運転機構を制御することで、自車両の動作モードを、動作モード候補に切り替える。
【0173】
一方、ステップS156において、動作モード候補への切り替えが指示されていないと判定された場合、処理はステップS158に進み、運転制御部315は、動作モード候補とは異なる動作モードへの切り替えが指示されたか否かを判定する。
【0174】
ステップS158において、動作モード候補とは異なる動作モードへの切り替えが指示されたと判定された場合、例えば、周囲を走行する他車両における一斉切替とは逆の動作モードの切り替えが指示されると、ステップS159において、運転制御部315は何もせず、表示制御部316は、警告を出力する出力制御部として機能し、表示部24に警告を表示(出力)させる。
【0175】
一方、ステップS158において、動作モード候補とは異なる動作モードへの切り替えが指示されていないと判定された場合、運転制御部315は何もせず、処理は終了する。
【0176】
以上の処理によれば、例えば、一斉切替とは逆の動作モードの切り替えが指示された場合に、警告が表示されるので、運転者は、誤った判断をすることなく、適切な動作モードへ切り替えることを判断することができる。
【0177】
<4.変形例>
以下においては、上述した実施形態の変形例について説明する。
【0178】
(変形例1)
図19は、車両制御部201(
図5)による動作モード切替処理の第1の変形例について説明するフローチャートである。
【0179】
なお、
図19のステップS171,S173乃至S175における処理は、
図6のステップS11,S13乃至S15における処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0180】
すなわち、ステップS172において、動作モード決定部212は、情報選択部211により選択された動作モード情報に対して、他車両の状態に応じて重み付けして、各動作モードの割合を算出する。
【0181】
他車両の状態は、他車両から送信されてくる周辺車両情報に含まれる各種情報によって決まる。
【0182】
図20は、周辺車両情報のデータ構成例を示す図である。
【0183】
図20に示されるように、周辺車両情報330は、プリアンブル、ヘッダ、データ、およびCRC(Cyclic Redundancy Check)から構成される。
【0184】
「データ」には、A1からA10までの格納領域が含まれている。
【0185】
「格納領域A1」は、端末IDの格納領域である。格納領域A1には、車車間通信を行う車両の車両IDが格納される。
【0186】
「格納領域A2」は、時刻情報の格納領域である。格納領域A2には、周辺車両情報の送信時刻が格納される。
【0187】
「格納領域A3」は、現時点の位置情報の格納領域である。格納領域A3には、現時点の位置情報として緯度と経度の他、高度が格納される。
【0188】
「格納領域A4」は、移動体の種別を定義するための格納領域である。例えば、格納領域A4には、移動体の種別の識別情報が格納される。
図20の例では、移動体の種別として、「一般車両」、「大型車両」、「二輪車」、および「商用車」がある。
【0189】
「格納領域A5」は、移動体の動作モードの種別を定義するための格納領域である。したがって、格納領域A5には、モード種別の識別情報が格納される。
図20の例では、移動体の動作モードのモード種別として、「手動運転」、「支援運転」、「自律運転」、および「切替情報」がある。「切替情報」は、上述した動作モード切替情報である。
【0190】
「格納領域A6」は、搭乗者(運転者)の有無を定義するための格納領域である。すなわち、格納領域A6には、他車両の搭乗者が「有」または「無」のいずれであるかの識別情報が格納される。また、運転者以外の搭乗者(同乗者)の有無を識別する「同乗者有」または「同乗者無」を表す識別情報が格納されるようにしてもよい。
【0191】
「格納領域A7」は、他車両の駐車情報を定義するための格納領域である。格納領域A7は、現時点の他車両の「駐車状態」を定義するための格納領域と、他車両が駐車する「駐車エリア」に関する格納領域とに分類されている。
【0192】
「格納領域A8」は、運転者(ドライバ)の属性を定義するための格納領域である。格納領域A8には、ドライバの属性の識別情報が格納される。ドライバの属性としては、「弱者」、「ドライバ状態」、および「運転習熟度」がある。
【0193】
「格納領域A9」は、エネルギー情報を定義するための格納領域である。格納領域A9は、エネルギーの「補給要否」を定義するための格納領域と、他車両が対応する「エネルギータイプ」に関する格納領域とに分類されている。
【0194】
「格納領域A10」は、自由領域を定義するための格納領域である。
図20の例では、格納領域A10には、電動車両である他車両の所有者が、駐車場の充電エリアに設けられた充電機器の利用する場合に必要となる各種の情報が格納される。
【0195】
このような周辺車両情報に含まれる各種情報に応じて、ステップS172において、動作モード決定部212は、他車両の動作モードに重み付けを軽くしたり、重くしたりする。ここで、重み付けを軽くするとは、
図9に示される自動運転フラグまたは手動運転フラグとして付与される値を1より小さい値にすることで、重み付けを重くするとは、自動運転フラグまたは手動運転フラグとして付与される値を1より大きい値にすることである。
【0196】
例えば、格納領域A8に格納されるドライバの属性が弱者である場合、他車両の運転者は、初心者や70歳以上の高齢者などであるので、他車両の動作モードの重み付けを軽くする。
【0197】
また、格納領域A8に格納されるドライバの属性としてのドライバ状態により、運転時間が長い、疲労度が高いなど、他車両の運転者の安定度が低いとされる場合には、他車両の動作モードの重み付けを軽くする。
【0198】
さらに、格納領域A8に格納されるドライバの属性としての運転習熟度により、他車両の運転者は、運転歴が長く、定期的に運転しているとされる場合には、他車両の動作モードの重み付けを重くする。また、他車両の運転者の運転習熟度が、自車両の運転者の運転習熟度と同程度である場合に、他車両の動作モードの重み付けを重くするようにしてもよい。
【0199】
タクシーやトラックの運転者は、慣れた道や決まったルートを走行しているので、そのような車両の動作モードが手動運転であっても安全性は保たれるが、その道に慣れていない運転者の搭乗する車両の動作モードは自動運転であるほうが安全である可能性が高い。そこで、格納領域A4に格納される移動体種別が商用車であって、かつ、その車両の動作モードが手動運転である場合、他車両の動作モードの重み付けを軽くする。
【0200】
また、例えば、自車両が高架の高速道路を走行している場合には、その高架下の一般道を走行する他車両の運転の影響を受けることはない。そこで、格納領域A3に格納される位置情報の高度が、自車両の高度と異なる場合には、他車両の動作モードの重み付けを限りなく軽くする。
【0201】
なお、周辺車両情報に含まれる情報以外の情報に応じて、他車両の動作モードに重み付けされるようにしてもよい。
【0202】
例えば、自車両が走行する車線と同じ車線を走行する他車両について、その動作モードの重み付けを重くしたり、対向車線を走行する他車両について、その動作モードの重み付けを重くしたりするようにしてもよい。
【0203】
また、同じ動作モードでの走行が継続している時間を示す継続時間情報を取得するようにし、自動運転での走行が長い時間継続している他車両については、その動作モードの重み付けを軽くするようにしてもよい。
【0204】
さらに、他車両の走行の安定度に応じて、その動作モードに重み付けされるようにしてもよい。例えば、加速中の他車両や、車線変更が多い他車両については、その動作モードの重み付けを限りなく軽くするようにする。
【0205】
また、他車両の目的地や走行経路を示す情報に基づいて、その動作モードに重み付けされるようにしてもよい。例えば、手動運転で走行している車両が、しばらく直進するか、または、次の信号で曲がるかに応じて、手動運転である動作モードの重み付けを変えるようにする。
【0206】
以上のように、他車両の状態に応じて重み付けされて動作モードの割合が算出されることで、より周囲の車両の状態にあった動作モード候補が決定されるようになり、結果として、より適切な動作モードでの走行を実現することが可能となる。
【0207】
なお、車車間通信に対応していない他車両の動作モードは、常に手動運転であるとみなして、動作モードの割合が算出されるようにしてもよい。
【0208】
また、以上においては、自車両を中心とした受信範囲内を走行する他車両から周辺車両情報を受信するものとしたが、例えば、自車両の前方300m、後方100mの範囲など、自車両の進行方向に受信範囲を広げるようにしてもよい。
【0209】
(変形例2)
図21は、車両制御部201(
図5)による動作モード切替処理の第2の変形例について説明するフローチャートである。
【0210】
なお、
図21のステップS191,S192,S196,S197における処理は、
図6のステップS11,S12,S14,S15における処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0211】
すなわち、ステップS193において、動作モード決定部212は、算出した動作モードの割合をもとに、最も多い動作モードの割合を所定の閾値と比較する。
【0212】
ステップS194において、動作モード決定部212は、最も多い動作モードの割合と閾値との比較の結果、最も多い動作モードの割合が閾値を超えるか否かを判定する。
【0213】
ステップS194において、最も多い動作モードの割合が閾値を超えると判定された場合、処理はステップS195に進み、動作モード決定部212は、最も多い動作モードを、車両11(自車両)の動作モードの候補となる動作モード候補に決定する。
【0214】
その後、現在の動作モードと動作モード候補とが異なれば、自車両の動作モードは、動作モード候補に切り替えられる。
【0215】
一方、ステップS194において、最も多い動作モードの割合が閾値を超えないと判定された場合、自車両の動作モードは、動作モード候補に切り替えられることなく、処理は終了する。
【0216】
ここで、上述した閾値は、動作モードの切替方向によって異なる値をとるようにすることができる。具体的には、自車両の動作モードを自動運転から手動運転に切り替える場合の閾値と、手動運転から自動運転に切り替える場合の閾値とは異なる値となるようにする。
【0217】
例えば、自車両の運転者が運転に慣れていないなど、自動運転が推奨されるような場合、自車両の動作モードが自動運転から手動運転に切り替わるようなときには、動作モードが手動運転である他車両の割合が、周囲を走行する全ての他車両の60%を超えなければ、手動運転が動作モード候補に決定されないようにする。逆に、自車両の動作モードが手動運転から自動運転に切り替わるようなときには、動作モードが自動運転である他車両の割合が、周囲を走行する全ての他車両の40%を超えれば、自動運転が動作モード候補に決定されるようにする。すなわち、自車両の動作モードを、手動運転には切り替わりにくく、自動運転には切り替わりやすくする。
【0218】
また、上述した閾値は、自車両が走行する環境によって異なる値をとるようにすることもできる。具体的には、自車両が、手動運転が推奨されるような環境を走行しているか否かによって、閾値が異なる値となるようにする。
【0219】
例えば、自車両が自動運転で高速道路を走行している場合、動作モードが手動運転である他車両の割合が、周囲を走行する全ての他車両の70%を超えなければ、手動運転が動作モード候補に決定されないようにする。また、自車両が自動運転で一般道を走行している場合、動作モードが手動運転である他車両の割合が、周囲を走行する全ての他車両の30%を超えれば、手動運転が動作モード候補に決定されるようにする。すなわち、自車両の動作モードを、高速道路では手動運転に切り替わりにくく、一般道では手動運転に切り替わりやすくする。
【0220】
さらに、自車両が、雪道を走行しているか否か、雨の中を走行しているか否か、夜間帯に走行しているか否かなどによって、閾値が異なる値となるようにすることもできる。
【0221】
(変形例3)
図22に示されるように、上述した実施形態においては、車車間通信C1により通信部25が受信した周辺車両情報から取得された他車両の動作モードに関する情報に応じて、自車両の動作モードが決定されるものとした。
【0222】
これ以外にも、路側機411を介して路車間通信C2により通信部25が受信した周辺車両情報から、他車両の動作モードに関する情報が選択されるようにしてもよい。
【0223】
さらに、インターネットなどのネットワーク421を介した通信C3により、サーバ431が、車両11から周辺車両情報を収集するようにしてもよい。この場合、自車両の情報選択部211(311)は、サーバ431から送信され、通信部25が受信した周辺車両情報から、動作モードに関する情報を選択するようになる。
【0224】
また、
図22の例において、自車両の通信部25の受信範囲に存在する他車両の数が多い場合には、車車間通信C1により周辺車両情報を受信するようにし、受信範囲に存在する他車両の数が少ない場合には、サーバ431との通信C3により周辺車両情報を受信するようにしてもよい。ここで、サーバ431との通信C3により受信される周辺車両情報は、その地点を含む位置を過去に走行していた車両11から収集されたものとする。
【0225】
さらに、サーバ431が、動作モードの切り替えが多発するエリアを示す情報と、その切替方向を示す情報とを記憶するようにしてもよい。この場合、車両11は、サーバ431からそれらの情報を取得することで、そのエリア近辺では、その切替方向と逆の切り替えを行わないようにする。
【0226】
例えば、高速道路の合流地点では、動作モードが手動運転から自動運転に切り替わる車両が多くなる。この場合、車両11は、その合流地点近辺では、運転者によって自動運転から手動運転への切り替えの指示があったとしても、その切り替えを行わないようにする。これにより、動作モードの切り替えが頻発するのを防ぐことができる。
【0227】
また、車車間通信により周辺車両情報を送受信する場合、特定の車両がホストとなり、一定領域内の状況を管理するようにしてもよい。この場合、ホストとなる車両は動的に変わるものとする。
【0228】
さらに、上述したように、一斉切替が検出される場合には、事故の発生や、救急車などの緊急車両の接近、地震や火事などの災害発生などが想定される。そこで、
図22の例において、一斉切替が検出された場合には、サーバ431が、一斉切替が行われたエリア近辺のインフラ情報を、各車両11に配信するようにしてもよい。
【0229】
(動作モードの切り替えについて)
上述した実施形態において、手動運転と自動運転との間の切り替えが一度行われたら、所定時間が経過後でないと、次の切り替えは行われないものとする。これにより、動作モードが頻繁に切り替わることによる運転者の負担を軽減することができる。
【0230】
なお、一斉切替が検出された場合には、所定時間が経過していなくとも、その切替方向と同じ切り替えが行われるようにする。
【0231】
自車両の現在地と地図情報とを照合することで、トンネルの出口など、動作モードの切り替えが行われると危険な位置では、動作モードの切り替えが行われないようにしてもよい。
【0232】
また、自車両が現在走行している道路と過去の走行履歴(経路情報)とを比較することで、現在走行している道路が、日常的に走行している経路であれば、動作モードが手動運転に切り替わるようにしてもよい。
【0233】
さらに、周囲が急に暗くなる夕方など、事故が起きやすい時間帯においては、動作モードが自動運転である他車両の割合が低い場合であっても、自車両の動作モードが、強制的に自動運転に切り替わるようにしてもよい。
【0234】
また、現時点での自車両の周囲の状況だけでなく、走行経路の将来の状況(進行方向の状況)に基づいて、動作モードの切り替えが判断されるようにしてもよい。例えば、現時点の動作モードは自動運転であるが、数km先の合流地点で合流する他車両の多くの動作モードが手動運転である場合、合流地点近辺で動作モードを手動運転に切り替えるか否かが判断されるようになる。ここで、走行経路の将来の状況についての情報は、例えば、進行方向を先行して走行する他車両のうちの1台がホストとなり、そのホストから取得されるようにする。
【0235】
さらに、将来的に走行経路の車線に進入してくる他車両の周辺車両情報も、そのホストにより収集されるようにしてもよい。
【0236】
(運転者に応じた動作モードの切り替え)
上述した例では、他車両の動作モードのうち最も多い動作モードの割合と比較される閾値は、動作モードの切替方向や、自車両が走行する環境によって異なる値をとるものとした。
【0237】
これ以外にも、閾値が、運転者によって異なる値をとるようにしてもよい。
【0238】
具体的には、車室内を撮像する車載カメラにより、自車両に搭乗している人物を特定し、特定された人物に応じて、閾値が設定されるようにする。この場合、搭乗者全てに対して個人認証を行い、搭乗者それぞれの車室内での行動が、個人毎の行動ログとして記録されるようにする。
【0239】
例えば、ある男性が通勤で車両を利用する場合、走行する経路は慣れている道であるので、周囲に自動運転の他車両が多い場合であっても、自車両の動作モードは手動運転となるよう、閾値が設定されるようにする。
【0240】
また、ある女性が通勤で利用する場合、その女性は搭乗しながら化粧をするので、周囲に手動運転の他車両が多い場合であっても、自車両の動作モードが自動運転となるよう、閾値が設定されるようにする。そして、化粧を終えたと判定されたときに、周囲に手動運転の他車両が多くなった場合には、自車両の動作モードが手動運転に切り替わるよう、閾値が設定されるようにする。なお、女性が化粧をする区間が決まっている場合、その区間においてのみ、自車両の動作モードが自動運転となるよう、閾値が設定されるようにしてもよい。
【0241】
さらに、運転者の他に子供が搭乗している場合、子供は車室内で突発的な行動を起こすおそれがあるので、周囲に手動運転の他車両が多い場合であっても、自車両の動作モードが自動運転となるよう、閾値が設定されるようにする。
【0242】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0243】
さらに、本技術は以下のような構成をとることができる。
(1)
受信した他車両の動作モードに関する情報に応じて、自車両の動作モードを決定する決定部
を備える車両制御装置。
(2)
前記決定部は、受信した前記他車両の前記動作モードを示す動作モード情報のうち最も多い前記動作モード情報で示される前記動作モードを、前記自車両の前記動作モードに決定する
(1)に記載の車両制御装置。
(3)
前記自車両の前記動作モードを、決定された前記動作モードに切り替える切替部をさらに備える
(2)に記載の車両制御装置。
(4)
決定された前記動作モードの提示を制御する提示制御部をさらに備える
(2)または(3)に記載の車両制御装置。
(5)
所定期間内に前記他車両の前記動作モードが切り替わったことを示す動作モード切替情報の数に基づいて、所定期間内に所定数以上の前記他車両の前記動作モードが切り替わる一斉切替を検出する検出部をさらに備え、
前記決定部は、前記一斉切替が検出された場合、取得された前記動作モード切替情報で示される切り替え後の前記動作モードのうち最も多い切り替え後の前記動作モードを、前記自車両の前記動作モードに決定する
(1)に記載の車両制御装置。
(6)
前記自車両の前記動作モードを、決定された前記動作モードに切り替える切替部をさらに備える
(5)に記載の車両制御装置。
(7)
前記一斉切替が検出された場合、取得された前記動作モード切替情報で示される前記動作モードの切替方向のうち最も多い前記動作モードの切替方向の提示を制御する提示制御部をさらに備える
(5)に記載の車両制御装置。
(8)
前記一斉切替が検出された場合、取得された前記動作モード切替情報で示される切り替え後の前記動作モードのうち最も多い切り替え後の前記動作モードとは異なる動作モードへの切り替えが運転者により指示されたとき、前記運転者に対する警告の出力を制御する出力制御部をさらに備える
(5)または(6)に記載の車両制御装置。
(9)
前記決定部は、前記他車両の状態に応じて重み付けされた前記動作モードに関する情報のうち最も多い前記動作モードに関する情報で示される前記動作モードを、前記自車両の前記動作モードに決定する
(1)乃至(8)のいずれかに記載の車両制御装置。
(10)
前記決定部は、取得された前記動作モードに関する情報のうち、所定の閾値を超える最も多い前記動作モードに関する情報で示される前記動作モードを、前記自車両の前記動作モードに決定する
(1)乃至(8)のいずれかに記載の車両制御装置。
(11)
前記閾値は、前記動作モードの切替方向によって異なる値をとる
(10)に記載の車両制御装置。
(12)
前記閾値は、前記自車両が走行する環境によって異なる値をとる
(10)に記載の車両制御装置。
(13)
前記他車両の前記動作モードに関する情報を収集するサーバから送信されてくる情報から、前記他車両の前記動作モードに関する情報を選択する情報選択部をさらに備える
(1)乃至(12)のいずれかに記載の車両制御装置。
(14)
受信した他車両の動作モードに関する情報に応じて、自車両の動作モードを決定する
ステップを含む車両制御方法。
(15)
受信した他車両の動作モードに関する情報に応じて、自車両の動作モードを決定する決定部と
を備える移動体。