(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記副ヨーク材は、前記コア部を挟むように設けられ、前記コイルの前記中央開口部の外方に位置する一対の側方柱部と、前記コア部および前記一対の側方柱部と連結する底部とをさらに有する、請求項4に記載の複合発電機。
前記副ヨーク材は、ケイ素鋼板で形成されたヨーク板により形成され、複数の前記ヨーク板を積層することにより構成したものである、請求項1〜5のいずれかに記載の複合発電機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
<実施の形態1>
図1を参照して、本発明の一実施形態の複合発電機1について説明する。
図1において、矢印A1で示す方向を左右方向といい、矢印A2で示す方向を上下方向という。
【0017】
全体的な構成として、複合発電機1は、主発電機10と、主発電機10からの漏れ磁束によって発電する副発電機30とを備えている。副発電機30は、主発電機10に近接して位置する。主発電機10および副発電機30は、たとえば、合成樹脂で形成されているケース2内に収容されている。ケース2は、上端が開放されている。以下、主発電機10と副発電機30について、説明する。
【0018】
(主発電機について)
まず、
図1〜
図3を参照して、主発電機10について説明する。
【0019】
主発電機10は、ケース2内に収容され、筐体11と、シャフト12と、軸受13と、第1のヨーク材14と、マグネット15と、空芯コイル16と、第2のヨーク材17と、蓋部18と、プーリー19と、ナット20と、スペーサ21とを備えている。
【0020】
筐体11は、第1の筒状部11aと、この第1の筒状部11aよりも外径および内径の大きな第2の筒状部11bとを有している。第1の筒状部11aおよび第2の筒状部11bは、その両端が解放されている。第1の筒状部11bは、たとえば、ケース2に嵌入され、ケース2の右側に固定されている。
【0021】
筐体11は、非磁性体で形成されている。非磁性体とは、強磁性体ではない物質で、常磁性体、反磁性体および反強磁性体を含む。非磁性体として、例えば、アルミニウムなどの金属、プラスチックなどの合成樹脂などが挙げられる。本実施の形態では、筐体11は、合成樹脂で形成されることが好ましい。
【0022】
この筐体11に回転自在にシャフト12が支持されている。シャフト12は、その延在方向に沿った回転軸線Oを中心に回転可能に設けられている。シャフト12は、筐体11の第1の筒状部11a内全体を延在し、第1の筒状部11aの上方および第2の筒状部11b内まで延出している。シャフト12は、例えばネジ付シャフトである。
【0023】
筐体11にシャフト12を回転自在に支持するために、軸受13が設けられている。軸受13は、筐体11の第1の筒状部11aにおける延在方向の両端部に設けられている。本実施の形態では、軸受13は、オイレスメタルである。
【0024】
シャフト12に接触固定されるように、第1のヨーク材14が設けられている。第1のヨーク材14は、筐体11の第2の筒状部11b内に収容されている。第1のヨーク材14は、リング状であり、シャフト12の自由端側の端部に加締め固定されている。
【0025】
この第1のヨーク材14には、マグネット15が固定されている。マグネット15は、第1のヨーク材14におけるシャフト12の自由端側(
図1において下側)の面に設けられており、シャフト12からは離隔されている。マグネット15は、シャフト12の回転軸線Oを中心に回転する。マグネット15は、筐体11の第2の筒状部11b内に収容されている。マグネット15は、リング状である。
【0026】
本実施の形態のマグネット15は、シャフト12に片持ち支持されている。つまり、マグネット15は、シャフト12の自由端に支持されている。具体的には、筐体11の第1の筒状部11a内の両端部に軸受13を介して回転支持されたシャフト12において、軸受13から第2の筒状部11bに延びる自由端に加締められた第1のヨーク材14に、マグネット15が固定されている。
【0027】
マグネット(磁石)とは、永久磁石である。マグネット15の着磁極数は、2極以上であれば特に限定されないが、本実施の形態のマグネット15は、
図2に示すように、回転方向(周方向)に4極に着磁され、極性が交互に変わっている。マグネット15は、片面着磁であってもよく、両面着磁であってもよい。マグネット15の材料は特に限定されないが、高い磁力を示す観点から、Nd‐Fe‐B焼結磁石を用いることが好ましい。
【0028】
このマグネット15に対向するように、4個の空芯コイル16が配置されている。換言すると、マグネット15のリング状の面と、空芯コイル16の略三角形状の面とが対向している。さらに換言すると、マグネット15と空芯コイル16とは、面対向している。マグネット15と空芯コイル16とは間隔を隔てて設けられ、マグネット15の回転の有無(マグネット15と空芯コイル16との相対的な位置変化)に関わらず、その間隔を一定に維持する。なお、空芯コイル16は、偶数個設けられていればよい。
【0029】
4個の空芯コイル16は、筐体11の第2の筒状部11b内に収容され、かつ筐体11に固定されている。また、4個の空芯コイル16は、シャフト12には支持されていない。このため、4個の空芯コイル16は回転しない。
【0030】
図3に示すように、4個の空芯コイル16は、シャフト12の回転軸線Oを中心に配置されている。本実施の形態では、4個の空芯コイル16のそれぞれは略同じ形状を有しており、回転軸線Oを中心に点対称に配置されている。
【0031】
4個の空芯コイル16のそれぞれは、電線が略三角形に巻回されてなり、中空となる空芯16aを有している。
図3の矢印に示すように、隣り合う空芯コイル16の巻回方向は異なっている。つまり、空芯コイルは交互に逆向きに結線して、一回転で4個の波形を取り出すことができる。
【0032】
特に、
図1および
図3に示すように、マグネット15の外周縁は、空芯コイル16の外周縁よりも回転軸線O側に位置している。空芯コイル16の回転軸線O側の頂点は、マグネット15の内周縁よりも回転軸線O側またはマグネット15の内周縁と重なり合うように位置している。
【0033】
この4個の空芯コイル16の背面(
図1において下側)には、第2のヨーク材17が固定されている。第2のヨーク材17は、円板状またはリング状である。
【0034】
第2のヨーク材17は、筐体11の第2の筒状部11bの解放端に取り付けられ、シャフト12には支持されていない。このため、第2のヨーク材17は回転しない。また、筐体11に固定された第2のヨーク材17に、4個の空芯コイル16が固定されているので、4個の空芯コイル16は筐体11に固定されている。
【0035】
このように、第1のヨーク材14と第2のヨーク材17との間に、マグネット15および空芯コイル16が位置している。なお、マグネット15の背面に第1のヨーク材14が固定され、空芯コイル16の背面に第2のヨーク材17が固定されているが、固定とは、直接(接触)固定と、他の部材を介する間接固定とを含む。
【0036】
第1のヨーク材14および第2のヨーク材17を形成するヨーク(継鉄)とは、マグネットが持つ吸着力を増幅する軟鉄であり、鉄を含んでいればよく、軟磁性材料を含む。
【0037】
第1のヨーク材14、マグネット15、4個の空芯コイル16、および第2のヨーク材17の回転軸線Oに直交する方向の表面の面積のそれぞれは、筐体11の第2の筒状部11bの回転軸線Oに直交する方向の内周縁で囲まれる面の面積の50%以上である。
【0038】
筐体11の第2の筒状部11bを被覆するように、蓋部18が設けられている。筐体11の第2の筒状部11bの解放端には段差が形成されており、第2のヨーク材17を挟んで、第2の筒状部11bの段差と係合する段差を蓋部18は有している。
【0039】
筐体11の第1の筒状部11aから延出したシャフト12には、プーリー19が設けられている。プーリー19は、シャフト12を挿通させる貫通穴を有している。シャフト12とプーリー19とを固定するために、ナット20が設けられている。
【0040】
また、プーリー19と軸受13との間、および、第1のヨーク材14と軸受13との間には、スペーサ21が設けられている。
【0041】
また、主発電機10は、シャフト12を回転させる動力源として、シャフト12に接続されたプーリー19を駆動する駆動部材(図示せず)をさらに備えていてもよい。駆動部材として、例えば、自転車の車輪の回転運動をプーリー19に伝達する部材、風力によりプーリー19を回転させるための部材などが挙げられる。
【0042】
なお、プーリー19の代わりに、プロペラ等をシャフト12に取り付けても良い。
【0043】
(副発電機について)
次に、
図1,
図4,
図5を参照して、副発電機30について説明する。
図4において、理解容易のため、第2の筒状部11bの図示を省略し、ケース2のハッチングを省略している。上述のように、副発電機30は、主発電機10からの漏れ磁束によって発電する。副発電機30は、副ヨーク材31と、副ヨーク材31と対向して配置される副コイル34とを備えている。
【0044】
副発電機30は、ケース2内の段差上に配置されている。副発電機30は、その全体がケース2内に嵌入され、ケース2の左側に固定されている。ケース2の右側に位置する第2の筒状部11bには、主発電機10が配置されているため、副発電機30は、主発電機10の側方に位置する。副発電機30の高さ位置は、主発電機10のマグネット15および空芯コイル16の高さ位置と略同一である。なお、本実施の形態では、副発電機30の上方は、開放されているが、外から副発電機30が視認されないようにするために、蓋が設けられていてもよい。
【0045】
副ヨーク材31は、主発電機10に近接して位置し、主発電機10からの漏れ磁束を通過させる。副ヨーク材31は、たとえば、平面視略I型形状であり、
図1において左右方向に延在している。副ヨーク材31は、たとえば、左右方向に延びるコア部32と、コア部32の先端に位置するフランジ部33とを含む。
【0046】
副ヨーク材31は、たとえば、ケイ素鋼板で形成されている。副ヨーク材31を形成するヨーク(継鉄)とは、マグネットが持つ吸着力を増幅する軟鉄であり、鉄を含んでいればよく、軟磁性材料を含む。
【0047】
副コイル34は、中央開口部35を有する環状形状である。副ヨーク材31は、副コイル34の中央開口部35内に挿入される。換言すると、副ヨーク材31のコア部32の外周には、副コイル34が巻回されている。本実施の形態の副コイル34は、コア部32の外周の全周に設けられているが、コア部32の一部に設けられていてもよく、コア部32の外周の分離した領域に設けられていてもよい。副コイル34は、たとえばソレノイドコイルである。
【0048】
副ヨーク材31のフランジ部33は、主発電機10側に位置する。フランジ部33は、副コイル34が副ヨーク材31から抜け落ちることを防止するために、副コイル34の中央開口部35よりも大きな外径となるように形成されている。また、フランジ部33には、渦電流を軽減するために、切り込みが設けられていてもよい。
【0049】
主発電機10のマグネット15の漏れ磁束は、第1のヨーク材14と第2のヨーク材17との隙間から外部に漏れる。副ヨーク材31を主発電機10のマグネット15および空芯コイル16の側方に配置することで、副発電機30の副ヨーク材31に主発電機10の漏れ磁束を通過させることができる。これにより、副発電機30は、主発電機10の漏れ磁束を用いて発電することができるため、主発電機10自体の起電力を大きくせずとも、複合発電機1全体としての起電力を大きくすることができる。
【0050】
(複合発電機の動作について)
図1〜
図5を参照して、本実施の形態の複合発電機1の動作について説明する。
【0051】
まず、駆動部材(図示せず)などを用いて、シャフト12を回転させる。これにより、シャフト12に接触固定された第1のヨーク材14が回転し、この回転に伴ってマグネット15がシャフト12の回転軸線Oを中心に回転する。4個の空芯コイル16は筐体11に固定されているので、シャフト12の回転に伴って回転しないため、シャフト12の回転により、空芯コイル16とマグネット15との相対的な位置を変化させることができる。これにより、4個の空芯コイル16に電磁誘導が生じるので、空芯コイル16には起電力(誘導電流)が発生する。この起電力は、空芯コイル16に接続された配線(図示せず)を介して整流回路(図示せず)に伝達される。
【0052】
本実施の形態の主発電機10では、マグネット15と4個の空芯コイル16とが互いに面対向しているので、マグネット15の回転によって4個の空芯コイル16に磁束の変化を発生させることができるので、低い起動トルクで起電力を発生させることができる。それに加えて、シャフト12の回転軸線Oを中心に4個の空芯コイル16が配置されているので、4個の空芯コイル16を回転軸線O近くまで配置することができる。このため、空芯コイル16のそれぞれのターン数を増加できるので、起電力を向上することができる。したがって、本実施の形態の複合発電機1は、低い起動トルクを維持しつつ、起電力を向上できる。
【0053】
主発電機10で起電力が発生すると、主発電機10の側方、すなわち、第1のヨーク材14と第2のヨーク材17とで囲まれていない部分から、主発電機10のマグネット15の磁束が漏れる。この漏れ磁束は、
図4の矢印に示すように、副発電機30の副ヨーク材31を通過する。これにより、副ヨーク材31と対向して配置された副コイル34に電磁誘導が生じるので、副コイル34には起電力(誘導電流)が発生する。この起電力は、副コイル34に接続された配線(図示せず)を介して整流回路(図示せず)に伝達される。
【0054】
本実施の形態の複合発電機1は、主発電機10に近接して副発電機30を配置させているため、主発電機10からの漏れ磁束を利用して副発電機30でも起電力を発生させることができる。これにより、主発電機10は低い起動トルクを維持した状態で、主発電機10だけでなく、副発電機30の起電力を発生させることができるため、複合発電機1のトータルの起電力を向上させることが可能となる。
【0055】
<実施の形態2>
図6〜
図8を参照して、本発明の実施の形態2の複合発電機1Aについて説明する。
図7において、理解容易のため、第2の筒状部11bの図示を省略し、ケース2のハッチングを省略している。実施の形態2の副発電機30Aは、基本的には実施の形態1の複合発電機1と同様の構成を備えているが、副発電機30Aの副ヨーク材31Aについて異なる。
【0056】
本実施の形態では、副発電機30Aの副ヨーク材31Aは、平面視略E型形状である。副ヨーク材31Aは、中央柱部(コア部)32Aと、中央柱部32Aを挟むように設けられ、副コイル34の中央開口部35の外方に位置する一対の側方柱部36A,37Aと、中央柱部32Aおよび一対の側方柱部36A,37Aと連結する底部38Aとを有する。底部38Aは、主発電機10から離れる方向に位置する。これにより、副ヨーク材31Aが解放されている部分が主発電機10を向くように配置される。
【0057】
副ヨーク材31Aは、ケイ素鋼板で形成されている。
図8に示すように、副ヨーク材31Aは、複数のヨーク板が積層されることにより構成される。ヨーク板は、平面視略E型形状であり、全体として平板状である。副ヨーク材31Aは、このような複数のヨーク板が上下方向に整列されることにより形成される。これにより、副発電機30A内の渦電流を防止することができる。
【0058】
主発電機10の漏れ磁束は、
図7の矢印に示すように、副ヨーク材31Aの中央柱部32Aから底部38Aを通って側方柱部36A,37Aへ通過し、側方柱部36A,37Aから底部38Aを通って中央柱部32Aを通過する。つまり、副ヨーク材31は、いわゆる閉回路状態に近い構造となる。これにより、本実施の形態の副発電機30Aは、主発電機10の漏れ磁束を効率よく副ヨーク材31Aに通過させることができ、副発電機30Aからの起電力を向上することができる。
【0059】
本実施の形態の複合発電機1Aによれば、主発電機10からの漏れ磁束を効率よく副ヨーク材31Aに通過させることができる。これにより、副発電機30Aは、実施の形態1と比較して、より有効に主発電機10の漏れ磁束を利用できることができ、起電力を向上することができる。したがって、主発電機10と副発電機30Aを合わせた複合発電機1Aのトータルの起電力をさらに大きくすることが可能となる。
【0060】
なお、実施の形態1,2では、複合発電機1,1Aに1つの副発電機30,30Aを備えるとして説明したが、副発電機30,30Aの個数は限定されるものではない。たとえば、副発電機30,30Aは、主発電機10の周囲、特に、側方に複数設けられていてもよい。この場合、副発電機30,30Aを組み合わせて配置されていてもよい。
【0061】
また、実施の形態1,2では、主発電機10および副発電機30,30Aは、ケース2内に収容されるとした。しかし、副発電機30,30Aは、主発電機10に近接して設けられていればよく、単に筐体11の外方に取り付けられてるだけでもよい。
【0062】
ここで、発明者は、上記した第1,2の実施の形態に係る複合発電機1,1Aの有効性を確かめるために実験を行った。その結果を下記の表1に記載する。なお、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0063】
実験例1〜4は、複合発電機1,1Aを用いて出力電圧を測定したものである。具体的には、実験例1〜3は、主発電機10を回転させて副発電機30,30Aの出力電圧のみを測定したものであり、実験例4は、主発電機10を回転させて主発電機10の出力電圧のみを測定したものである。本実験では、実験例1〜4について、100rpm〜1000rpmの間で、回転数ごとの出力電圧(Vp−p)を測定した。
【0065】
実験例1の主発電機は、
図1〜
図3に示す実施の形態1における主発電機10と同様とした。実験例1の主発電機には、4個の空芯コイルが配置されており、それぞれの空芯コイルの巻数は490であり、4個の空芯コイルの合計巻数は、1960であった。実験例1の副発電機は、
図1,
図4,
図5に示す実施の形態1における副発電機30と同様とした。実験例1の副コイルは、コイル線径Φが0.2mmであり、コイル巻数が4000である。以下、実験例1の副発電機は、I型副発電機という。
【0066】
実験例2の主発電機は、実験例1の主発電機10と同様とした。実験例2の副発電機は、
図7および
図8に示す実施の形態2における副発電機30Aと同様とした。実験例2の副コイルは、コイル線径Φが0.12mmであり、コイル巻数が3400である。
【0067】
実験例3の主発電機は、実験例1の主発電機10と同様とした。実験例3の副発電機は、
図7および
図8に示す実施の形態2における副発電機30Aと同様とした。主な構成は、実験例2と同様であったが、コイル線径を実験例2よりも太くし、コイル巻数を実験例2より少なくした点において異なっていた。すなわち、実験例3の副コイルは、コイル線径Φが0.2mmであり、コイル巻数が1400である。以下、実験例2および実験例3の副発電機は、E型副発電機という。
【0068】
実験例4の主発電機は、実験例1の主発電機10と同様とした。
【0069】
表1を参照して、副発電機の実験例1〜3を比較すると、I型副発電機の実験例1は、E型副発電機の実験例2よりも出力電力が小さいが、E型副発電機の実験例3よりも出力電力が大きい。
【0070】
一般的に、コイル巻数を大きくすると、出力電力が向上することは知られている。実験例1〜3を比較すると、コイル巻数が大きいものは、I型副発電機の実験例1である。次いでコイル巻数が大きいものは、E型副発電機の実験例2であり、最もコイル巻数が小さいものは、E型副発電機の実験例3である。
【0071】
E型副発電機の実験例2は、I型副発電機の実験例1よりもコイル巻数が小さいにもかかわらず、出力電力が大きい。このことを勘案すると、E型副発電機の実験例2とI型副発電機の実験例1の副コイルのコイル巻数が同じであれば、E型副発電機の実験例2の出力電力は、I型副発電機の実験例1の出力電力よりもかなり大きくなる。したがって、E型副発電機は、I型副発電機よりも出力電力を大幅に向上できることがわかった。
【0072】
また、E型副発電機の実験例2と主発電機の実験例4とを比較すると、100rpmを除く他の回転数では、E型副発電機の実験例2の出力電力が大きいことがわかった。これにより、主発電機とE型副発電機とを備えた複合発電機は、主発電機のみのものと比較して、トータルの出力電力をさらに大きくできることがわかった。
【0073】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。