(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遊技状態制御手段は、リプレイ役の当せん確率が異なる複数の遊技状態の中から、前記有利区間の終了後に移行する遊技状態を選択することを特徴とする、請求項1記載の遊技機。
前記遊技状態制御手段は、ARTの実行確率が異なる複数の遊技状態の中から、前記有利区間の終了後に移行する遊技状態を選択することを特徴とする、請求項1記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシン10を例に説明する。
【0016】
(スロットマシン10)
スロットマシン10は、
図1に示すように、四角箱状の筐体11と、筐体11の正面側に開閉自在に取り付けられる前扉31を有する。この前扉31には、遊技者側に向かって臨む表示窓12が形成されている。
【0017】
また、前扉31の高さ方向略中央部には、スロットマシン10を作動させるための操作部31Aおよびメダル投入口14が設けられている。操作部31Aには、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、ストップスイッチ50などが設けられている。
【0018】
また、操作部31Aの下方には、下パネル31Bを挟んで、メダルを払い出すためのメダル払い出し口18と、メダル払い出し口18から払い出されたメダルを貯留可能な下皿31Cが設けられている。
【0019】
上記した前扉31の表示窓12には、背後の回転リール40の図柄を見ることができる図柄表示窓13が形成されている。回転リール40は、図柄表示窓13の裏側に配置されて、回転可能にスロットマシン10に取り付けられており、外周表面に表示された複数の図柄を変動表示又は停止表示するためのものである。本実施形態においては、左リール41、中リール42、右リール43の3個の回転リール40が設けられており、それぞれの回転リール40が個別に回転可能となっている。
【0020】
上記した図柄表示窓13からは、3個の回転リール40のそれぞれについて、上段、中段、下段の3段の図柄が表示されるようになっており、計9個の図柄が図柄表示窓13を通して表示されるようになっている。そして、この計9個の図柄の表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。有効ラインとは、3個の回転リール40のそれぞれについて表示位置にある図柄を1個ずつ繋いでできるラインのうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。本実施の形態においては、
図3に示すように、左リール41の下段の図柄と、中リール42の中段の図柄と、右リール43の上段の図柄と、を繋ぐラインLが有効ラインとして設定されている。この有効ラインに沿って役に対応付けられた図柄組合せが表示されると、当該役に入賞となる。
【0021】
また、本実施形態では、1回のゲームを行うために、メダルを2枚または3枚ベットする(掛ける)ことが可能となっており、2枚のメダルをベットした場合も、3枚のメダルをベットした場合も、上記したラインLが有効ラインとなるように構成されている。
【0022】
このスロットマシン10の内部には、図示しないが、スロットマシン10の全体の動作を制御するための制御装置20(
図2参照)が内蔵されている。
【0023】
(入力段)
上記制御装置20の入力段には、
図2に示すように、投入スイッチ15、ベットスイッチ16、精算スイッチ17、スタートスイッチ30、左ストップスイッチ51、中ストップスイッチ52、右ストップスイッチ53が接続されている。
なお、入力段としては、上記した各入力装置に限定されるものではない。
【0024】
(投入スイッチ15)
投入スイッチ15は、
図1に示すように、メダル投入口14の下方に内蔵されたスイッチであって、投入された遊技メダルを検知するためのものである。投入スイッチ15が遊技メダルを検知すると、最大50枚まで遊技メダルを遊技機内部に貯留(クレジット)することができるようになっている。このようにクレジットされた遊技メダルは、クレジット表示部32に数値として表示され、次ゲーム以降に使用することができる。
【0025】
(ベットスイッチ16)
ベットスイッチ16は、
図1に示すように、操作部31Aの上面に位置するスイッチである。ベットスイッチ16を押下することで、クレジットをメダル投入に代えることができる。クレジットをメダル投入に代えることで、ゲームを開始可能な状態となる。
【0026】
(精算スイッチ17)
精算スイッチ17は、
図1に示すように、操作部31Aの上面左端に位置するスイッチであって、クレジットされているメダルを払い戻すためのものである。
【0027】
(スタートスイッチ30)
スタートスイッチ30は、
図1に示すように、操作部31Aの正面左側に位置するレバーである。ゲームを開始可能な状態でスタートスイッチ30を操作すると、後述するリールユニット60の駆動が開始し、回転リール40の図柄が変動表示される。
【0028】
(ストップスイッチ50)
ストップスイッチ50は、後述するリールユニット60の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ストップスイッチ50は、
図1に示すように、各回転リール40(左リール41,中リール42,右リール43)に対応した3個のスイッチ(左ストップスイッチ51、中ストップスイッチ52、右ストップスイッチ53)から構成され、各回転リール40の下方に一個ずつ配置されている。回転リール40に対応したストップスイッチ50の操作により、当該対応した回転リール40が回転を停止し、回転リール40の図柄が停止表示されるようになっている。
【0029】
(出力段)
前記制御装置20の出力段には、
図2に示すように、リールユニット60、ホッパーユニット65、演出部66(画像表示部67、ランプ68、スピーカ69)、の各パーツが接続されている。
なお、出力段としては、上記した各パーツに限定されるものではない。
【0030】
(リールユニット60)
リールユニット60は、特に図示しないが枠体に固定あるいは支持された3個のステッピングモータと、各々のステッピングモータの出力軸に固定された3個の回転リール40(左リール41,中リール42,右リール43)とから構成されている。各回転リール40は、短円筒状の回転ドラムと、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープとを備えている。このリールテープの外周面には、それぞれ20個の図柄が等間隔で表示されている。
【0031】
なお、本実施形態に係るスロットマシン10は、
図5に示すように「赤7」「青7」「BAR1」「スイカ」「ベル」「リプ」「チェリー」「BAR2」「BAR3」「黄7」の10種類の図柄を備えており、これらの図柄が、
図5に示すような図柄配列で各回転リール40の表面に表示されている。
【0032】
具体的には、左リール41には、回転方向に見て「ベル」「チェリー」「BAR1」「リプ」「ベル」「スイカ」「赤7」「BAR2」「リプ」「ベル」「スイカ」「青7」「黄7」「リプ」「ベル」「スイカ」「リプ」「ベル」「BAR3」「リプ」の順に図柄が表示されている。
【0033】
また、中リール42には、回転方向に見て「BAR3」「スイカ」「ベル」「リプ」「赤7」「BAR2」「スイカ」「ベル」「リプ」「チェリー」「BAR3」「スイカ」「ベル」「リプ」「青7」「黄7」「スイカ」「ベル」「リプ」「チェリー」の順に図柄が表示されている。
【0034】
また、右リール43には、回転方向に見て「スイカ」「リプ」「BAR3」「ベル」「スイカ」「リプ」「赤7」「ベル」「BAR2」「リプ」「チェリー」「ベル」「スイカ
」「リプ」「青7」「ベル」「黄7」「リプ」「チェリー」「ベル」の順に図柄が表示されている。
【0035】
(ホッパーユニット65)
ホッパーユニット65は、
図1に示すように、筐体11の内部に配置されており、ゲームの結果等に基づいてメダルを払い出すためのものである。
【0036】
(演出部66)
演出部66は、制御装置20の制御により、入賞等の報知など、種々の演出を行うものである。具体的には、演出部66は、画像表示部67と、ランプ68と、スピーカ69と、から構成されている。
【0037】
画像表示部67は、回転リール40の上方に設けられた窓部の背後に配置され、LED、ドットマトリックス、液晶画面等を用いて、入賞の報知その他の演出を表示するためのものである。なお、画像表示部67としては上記のものに限らず、例えば演出専用の回転リール40を設け、リールの図柄や文字等により演出を表示するようにしても良い。
ランプ68は、発光体の点灯又は点滅により入賞等を報知するためのものである。
スピーカ69は、入賞音の発生により入賞等を報知するためのものである。
【0038】
(制御装置20)
制御装置20は、スロットマシン10の作動を制御するためのものである。この制御装置20は、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種の制御を実行するように構成されている。
【0039】
本実施形態に係る制御装置20は、
図2に示すように、遊技状態制御手段100、当せん抽せん手段110、役抽せんテーブル120、リール制御手段130、入賞判定手段140、ホッパー制御手段150、演出制御手段200、押し順報知制御手段210、設定手段220、ART制御手段230、遊技区間制御手段240、の各手段として機能する。なお、制御装置20としては、上記した各手段に限定されるものではなく、他の手段を含んでいても良い。
【0040】
(遊技状態制御手段100)
遊技状態制御手段100は、遊技状態の管理を行うためのものである。本実施形態に係るスロットマシン10は複数の遊技状態を備えており、遊技状態制御手段100は現在の遊技状態を記憶するとともに、遊技状態の移行契機となる所定の事象が発生したときに遊技状態を切り替える処理を実行する。
【0041】
本実施形態に係るスロットマシン10は、
図4に示すように、少なくとも以下の遊技状態を備えている。この遊技状態は、リプレイ役の当せん確率等によって規定されるRT状態を含むものである。なお、遊技状態は以下に限らず、任意の遊技状態を設けることができる。(1)RT0状態(2)RT1状態(3)RT2状態(4)RT3状態(5)RT4状態(6)RT5状態(7)RT6状態(8)RT7状態
このうち、RT0状態は、工場出荷時又は設定変更時に設定される初期(RT)状態である。
【0042】
RT1状態は、後述する通常区間においてRT1状態移行役(RT1リプ)に入賞した場合に移行する遊技(RT)状態である。また、このRT1状態へは、有利区間の終了後にも移行する場合がある。
【0043】
RT2状態は、後述する通常区間においてRT2状態移行役(RT2リプ)に入賞した場合に移行する遊技(RT)状態である。また、このRT2状態へは、有利区間の終了後にも移行する場合がある。
【0044】
RT3状態は、後述する通常区間においてRT3状態移行役(RT3リプ)に入賞した場合に移行する遊技(RT)状態である。また、このRT3状態へは、有利区間の終了後にも移行する場合がある。
【0045】
なお、
図9に示すように、上記したRT1状態は、リプレイ役の当せん確率がRT2状態やRT3状態よりも相対的に低く設定された「リプレイ低確率状態」である。また、上記したRT2状態は、リプレイ役の当せん確率がRT1状態よりも相対的に高く、RT3状態よりも相対的に低く設定された「リプレイ中確率状態」である。また、上記したRT3状態は、リプレイ役の当せん確率がRT1状態やRT2状態よりも相対的に高く設定された「リプレイ高確率状態」である。
【0046】
RT4状態は、後述する有利区間において、特別なゲームが実行されていない通常ゲームの遊技状態である。なお、「特別なゲーム」とは、遊技者に特別な利益を付与するゲームであり、本実施形態においては、BBゲーム、RBゲーム、およびARTゲームを特別なゲームとして備えている。このため、RT4状態は、有利区間においてBBゲーム、RBゲーム、およびARTゲームのいずれもが実行されていない状態である。このRT4状態へは、有利区間に移行し、かつ、特別なゲームが開始しなかった場合に移行する。また、有利区間において特別なゲーム(例えばRBゲーム)が終了した場合にも、RT4状態へ移行する。
【0047】
RT5状態は、後述するBB役に入賞してBBゲームが行われている遊技状態である。RT5状態へは、BB役に入賞したときに移行する。なお、本実施形態におけるBBゲームは、BBゲーム中のメダル払い出し枚数が規定枚数に到達したときに終了する。BBゲームが終了すると、RT5状態は終了し、通常区間の遊技状態(RT1状態、RT2状態、またはRT3状態)に移行する。なお、本実施形態においては、RT5状態の終了後に通常区間へ移行するようにしているが、これに限らず、RT5状態の終了後にRT4状態へ移行し、その後、通常区間の遊技状態に移行するようにしてもよい。
【0048】
RT6状態は、後述するRB役に入賞してRBゲームが行われている遊技状態である。RT6状態へは、RB役に入賞したときに移行する。なお、本実施形態におけるRBゲームは、RBゲーム中のメダル払い出し枚数が規定枚数に到達したときに終了する。RBゲームが終了すると、RT6状態は終了し、RT4状態へと移行する。なお、本実施形態においては、RT6状態の終了後にRT4状態へ移行するようにしているが、これに限らず、RT6状態の終了後に通常区間の遊技状態(RT1状態、RT2状態、またはRT3状態)に移行するようにしてもよい。
【0049】
RT7状態は、ARTが実行中の遊技状態である。このRT7状態においては、リプレイ役の当せん確率が上昇するとともに、後述する押し順報知によって小役(ベル)に入賞しやすくなるため、メダルの減りが抑制されるとともにメダルの獲得数が増えるように構成されている。なお、本実施形態におけるARTは、予め定められたARTゲーム数を消化するまで継続される。言い換えると、ARTゲーム数を消化すると、ARTが終了する。このARTゲーム数は、抽せんなどにより上乗せできるようにしてもよい。ARTが終了すると、RT7状態は終了し、通常区間の遊技状態(RT1状態、RT2状態、またはRT3状態)に移行する。なお、本実施形態においては、RT7状態の終了後に通常区間へ移行するようにしているが、これに限らず、RT7状態の終了後にRT4状態へ移行し、その後、通常区間の遊技状態に移行するようにしてもよい。
【0050】
(当せん抽せん手段110)
当せん抽せん手段110は、複数の当せん役のいずれかに当せんしたか又はハズレかの抽せんを行うためのものである。すなわち、予め定めた抽せん確率に基づいて当せん役に係る抽せんを行うものである。そして、当せん抽せん手段110による抽せんの結果、所定の当せん役に当せんした場合に当せんフラグが成立し、この当せんフラグの成立中に、回転リール40の停止図柄の組み合わせが予め定められた当せん図柄と一致したことを条件に入賞し、遊技者にメダルの払い出しや、特別遊技等の利益が付与されるように設定されている。
【0051】
具体的には、当せん抽せん手段110は、乱数を所定の範囲内で発生させる乱数発生手段を備え、この乱数発生手段が発生する乱数をスタートスイッチ30の操作タイミングで抽出し、抽出した乱数を役抽せんテーブル120に照合することにより抽せんを行う。本実施形態に係る当せん抽せん手段110は、16bitで乱数を発生させるため、0〜65535までの65536通りの乱数を発生させるようになっている。後述する役抽せんテーブル120には、この65536通りの乱数のそれぞれに当せん領域が割り当てられており、この役抽せんテーブル120に乱数を照合することにより当せん役またはハズレを特定することができる。
【0052】
(役抽せんテーブル120)
役抽せんテーブル120は、当せん抽せん手段110が抽出した乱数がいずれかの当せん役またはハズレに対応するかを定めたものである。この役抽せんテーブル120は、複数の当せん役に対応する当せん領域を記憶しており、具体的には、当せん抽せん手段110において発生する乱数と当せん役との対応表として設けられている。当せん抽せん手段110は、遊技状態や設定値等に応じてこれらの役抽せんテーブル120を切り替えて使用する。これにより、遊技状態ごとに当せん確率が変動するように構成されている。
【0053】
なお、
図9は、設定値が3の場合における役抽せんテーブル120を説明する図である。この
図9では、RT0状態、RT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態、RT7状態で使用される役抽せんテーブル120において、各当せん領域に割り当てられた乱数値の数を表示している。
【0054】
この
図9に示すように、本実施形態においては、抽出した乱数が「ハズレ」「リプ1」
「リプ2」「通常リプ」「RT1リプ」「RT2リプ」「RT3リプ」「RT4リプ」「スイカ1」「スイカ2」「スイカ3」「弱チェリー」「強チェリー」「ベル1」「ベル2
」「ベル3」「ベル4」「ベル5」「ベル6」「ベル7」「ベル8」「RB1」「RB2
」「RB3」「BB1」「BB2」「BB3」「BB4」のいずれかの当せん領域に割り当てられるようになっている。
【0055】
例えば、RT0状態において「ハズレ」に割り当てられた乱数値の数は「30990」であるから、RT0状態において「ハズレ」の抽せん結果となる確率は「30990/65536」となっている。
【0056】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、有効なスタートスイッチ30の操作信号に基づいて回転リール40を回転させるとともに、特に図示しないがリール回転検知センサの検知信号に基づいて図柄の現在位置を認識しつつ、当せん抽せん手段110の抽せん結果および有効なストップスイッチ50の操作タイミングに基づいて、回転リール40の停止を制御するためのものである。
【0057】
このリール制御手段130は、メダルがベットされ、前ゲーム開始から所定時間(いわゆるウエイト時間)が経過しているなど、所定のゲーム開始条件を満たしている場合には、スタートスイッチ30の操作信号に基づいて全ての回転リール40の回転を開始させる。
【0058】
また、回転リール40が回転中にいずれかのストップスイッチ50が操作されると、ストップスイッチ50の操作信号に基づきストップ信号を出力し、操作されたストップスイッチ50に対応する回転リール40の回転を停止させる。
【0059】
なお、リール制御手段130は回転リール40を停止させる際、停止操作がされたときの図柄表示位置を基準として、最大4コマのスベリコマ数で図柄を回転方向に移動させて停止させることができる。このような制御により、当せん抽せん手段110の抽せん結果が「ハズレ」の場合には、3個の回転リール40の図柄が如何なる入賞の態様にも揃わないように蹴飛ばし制御を行う。また、抽せん結果が所定の当せん役に当せんの場合には、3個の回転リール40の図柄が極力当該当せんに係る入賞の態様となるように引き込み制御を行う。このような蹴飛ばし制御及び引き込み制御は、当せん抽せん手段110による役抽せんの結果や、ストップスイッチ50の操作タイミング、停止位置の優先順位などに基づいて計算されて実行される。
【0060】
なお、後述する押し順小役に当せんしている場合には、正解の押し順で各ストップスイッチ50が操作された場合には、停止操作のタイミングに関わらず、当該押し順小役に係る図柄を有効ライン上に引き込んで、押し順小役を入賞させる。一方、その正解の押し順以外の押し順で各ストップスイッチ50が操作された場合には、当該押し順小役に係る図柄が有効ライン上に揃わないようにして、押し順小役が入賞しないように制御する。
【0061】
(入賞判定手段140)
入賞判定手段140は、ストップスイッチ50の操作により3個の回転リール40が停止したときに、その表示態様に基づいて、入賞したか又は入賞なしかの判定を行うためのものである。具体的には、すべての回転リール40の回転が停止した際に、有効入賞ライン上に所定の図柄配列が揃うことを条件として、当該図柄配列に対応した当せん役に入賞したと判定する。そして、入賞がメダル払い出しを伴う場合には、ホッパーユニット65に払い出し入賞信号を出力する(もしくはメダルを払い出す代わりにクレジットに加算する)。また、入賞が遊技状態を移行させるものであれば、遊技状態制御手段100に通知して遊技状態を移行させる。また、リプレイ役が入賞した場合には、自動ベット処理を行い、遊技メダルを新たに投入することなく次ゲームを開始できるようにする。
【0062】
(ホッパー制御手段150)
ホッパー制御手段150は、入賞判定手段140からの払い出し入賞信号、精算スイッチ17の操作信号などに基づいて、ホッパーユニット65を作動させ、メダルの払い出しを制御するためのものである。なお、入賞がメダル払い出しを伴う場合に、この払い出しメダルを自動的にクレジットとして電子的に貯留し、クレジットの許容枚数を超過する払い出し分だけをホッパーユニット65から払い出させるようにしてもよい。
【0063】
(演出制御手段200)
演出制御手段200は、画像表示部67、ランプ68やスピーカ69等の演出部66の作動を制御するためのものである。この演出制御手段200は、ROMに記憶されている演出データをもとに、入賞の報知や押し順報知などの演出を行わせる。
【0064】
なお、押し順報知は、後述する押し順小役に当せんしたときに、当該押し順小役に入賞可能なストップスイッチ50の操作順を報知するものである。この押し順報知は、例えば、画像表示部67に操作順を表示したり、操作すべきストップスイッチ50をスピーカ69から音声で報知したり、操作すべきストップスイッチ50を光らせたりすることで行われる。
【0065】
また、この演出制御手段200は、複数回のゲームにわたって連続演出を行わせることができる。所定の条件下においてストーリー性のある連続演出を行わせることで、遊技者に有利な状況を示唆し、ゲームを盛り上げることができるようになっている。
【0066】
(押し順報知制御手段210)
押し順報知制御手段210は、後述する有利区間において押し順報知を制御するためのものである。具体的には、この押し順報知制御手段210は、押し順小役に当せんしたときに、当該押し順小役を入賞させるための正解の押し順(ストップスイッチ50の操作順)を報知する。押し順小役は所定の押し順でストップスイッチ50が操作されたときに入賞図柄が揃うように制御される小役やリプレイ役である。押し順が報知されない場合、どの押し順小役に当せんしたかが分からず、正解の押し順も分からないため、押し順小役を狙って入賞させることは困難となっている。一方で、正解の押し順が報知される場合には、押し順報知に従ってストップスイッチ50を操作することで容易に押し順小役を入賞させることができるようになっている。
【0067】
(設定手段220)
設定手段220は、遊技者への有利度が異なる複数段階の設定値の中から設定値を設定するためのものである。この設定値は、鍵のかけられた筐体11の内部に設けられたスイッチを操作することで変更可能であり、スロットマシン10が設置されたホールの管理者によって、ホールの営業開始前あるいは営業終了後に予め設定される。図示しないが、この設定値ごとに異なる役抽せんテーブル120が設けられており、役抽せんにおいて設定値に応じた役抽せんテーブル120が用いられることにより、設定値に応じてメダルの払出率が変わるようになっている。本実施形態においては、設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も遊技に関する有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど遊技に関する有利度が段階的に低くなる。なお、本実施形態においては設定値を6段階としているが、これに限らず、設定値は5段階以下であってもよい。
【0068】
(ART制御手段230)
ART制御手段230は、ARTの実行を制御するためのものである。すなわち、本実施形態に係るスロットマシン10では、リプレイ役の当せん確率が通常よりも高く設定されたリプレイ高確率状態において押し順報知が行われ、これによりART(アシストリプレイタイム)が実行されるようになっている。
【0069】
このART制御手段230は、所定の条件を満たしたときにARTを開始する制御を実行する。例えば、所定のART契機役(例えば、チェリーなど)に当せんしたときにART抽せんを実行し、ART抽せんに当せんしたときにARTを開始する制御を実行する。なお、ART契機役が、後述する有利区間移行契機役でもある場合には、通常区間から有利区間に移行するのと同時にARTを開始できるようにしてもよい。また、ART抽せんを行わずに、ART契機役(または有利区間移行契機役)に当せんしたときに必ずARTが開始するようにしてもよい。
【0070】
このように開始したARTは、予め定められた所定のARTゲーム数を消化するまで継続する。所定のARTゲーム数を消化したら、ART制御手段230はARTを終了させる。
【0071】
(遊技区間制御手段240)
遊技区間制御手段240は、遊技区間を制御するためのものである。本実施形態に係るスロットマシン10は、遊技区間として、遊技者にとって有利な有利区間と、有利区間よりも遊技者にとって不利な通常区間と、を備えている。
【0072】
通常区間とは、ストップスイッチ50の押し順が報知されない遊技区間であり、すなわち、当せん役の入賞をアシストできない遊技区間である。具体的には、前記押し順報知制御手段210による押し順報知ができない遊技区間である。
【0073】
また、有利区間とは、ストップスイッチ50の押し順を報知可能な遊技区間であり、すなわち、当せん役の入賞をアシスト可能な遊技区間である。具体的には、前記押し順報知制御手段210による押し順報知が可能な遊技区間である。この遊技区間では上記したARTを実行可能である。
【0074】
この遊技区間制御手段240は、通常区間のゲーム中に、所定の有利区間移行契機役(例えば、BB役、RB役、スイカ、チェリーなど)に当せんしたときに遊技区間を有利区間に移行する制御を実行する。なお、有利区間移行契機役に当せんしたときに必ず有利区間に移行するようにしてもよいし、有利区間移行契機役に当せんしたときに有利区間抽せんを実行し、有利区間抽せんに当せんしたときに有利区間に移行するようにしてもよい。
【0075】
この有利区間は、予め定められた所定の有利区間ゲーム数を消化したときに終了する。また、この有利区間は、特別なゲームの実行を終了したとき(例えば、BBゲームやARTが終了したとき)に終了するようにしてもよい。有利区間が終了すると、遊技区間は通常区間に移行する。
【0076】
(当せん役について)
本実施形態に係るスロットマシン10は、当せん役として、入賞によりボーナスゲームを開始するボーナス役と、入賞により遊技メダルを新たに投入することなく再度のゲームを行うことができるリプレイ役と、入賞により遊技メダルを払い出す小役と、を備えている。
【0077】
なお、ボーナス役は、入賞によりBBゲームを開始するBB役と、入賞によりRBゲームを開始するRB役と、を含んでいる。BBゲームは、所定枚数のメダルが払い出されるなど、所定の利益が遊技者に付与されるまで実行されるボーナスゲームである。また、RBゲームは、所定の利益が遊技者に付与されるまで実行されるボーナスゲームであるが、その利益はBBゲームよりも少ないものである。
【0078】
当せん抽せん手段110による抽せんの結果としてこれらのいずれかの役に当せんとなった場合、その当せんに対応した当せんフラグが成立する。なお、ボーナス役に係る当せんフラグは、当せんフラグが成立したゲームにおいて入賞しなかったとしても、次回以降のゲームに持ち越される。すなわち、入賞するまでは当該当せん役に入賞する権利が維持される。一方、その他の当せん役に係る当せんフラグは、当せんフラグが成立したゲームにおいて入賞しなかった場合にはリセットされ、次回以降のゲームに持ち越されない。
【0079】
本実施形態に係るスロットマシン10は、
図6〜8に示すように、当せん役として「BB1」「BB2」「BB3」「BB4」「RB1」「RB2」「RB3」「リプ1」「リプ2」「通常リプ」「RT1リプ」「RT2リプ」「RT3リプ」「RT4リプ」「スイカ1」「スイカ2」「スイカ3」「弱チェリー」「強チェリー」「ベル1」「ベル2」「ベル3」「ベル4」「ベル5」「ベル6」「ベル7」「ベル8」を備えている。
【0080】
これらの当せん役は、
図6〜8に示す図柄配列組み合わせが有効ライン上に表示されたときに入賞する。なお、
図6〜8において、1つの当せん役に複数の図柄が記載されている場合には、複数の図柄のいずれか1つが有効ライン上に表示されればよい。例えば、当せん役「リプ1」においては、左リール41に「BAR1」「スイカ」「BAR2」「BAR3」「黄7」のいずれかが表示され、中リール42に「リプ」が表示され、右リール43に「赤7」「青7」「チェリー」「BAR3」のいずれかが表示されたときに、入賞となる。
【0081】
「BB1」「BB2」「BB3」「BB4」はBB役である。これらの役に当せんすると、
図6に示すように、それぞれのBB役に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されてBB役に入賞すると、次ゲームからBBゲームが開始される。
【0082】
「RB1」「RB2」「RB3」はRB役である。これらの役に当せんすると、
図6に示すように、それぞれのRB役に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されてRB役に入賞すると、次ゲームからRBゲームが開始される。
【0083】
「リプ1」「リプ2」「通常リプ」「RT1リプ」「RT2リプ」「RT3リプ」「RT4リプ」「スイカ1」「スイカ2」「スイカ3」「弱チェリー」「強チェリー」はリプレイ役である。これらの役に当せんすると、
図6及び
図7に示すように、それぞれのリプレイ役に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されてリプレイ役に入賞すると、新たにメダルを投入することなく次ゲームを遊技可能な状態となる。
【0084】
なお、「RT1リプ」はRT1状態移行役であるため、RT1状態に移行可能な状態でRT1リプに入賞すると、遊技状態がRT1状態へと移行する。また、「RT2リプ」はRT2状態移行役であるため、RT2状態に移行可能な状態でRT2リプに入賞すると、遊技状態がRT2状態へと移行する。「RT3リプ」はRT3状態移行役であるため、RT3状態に移行可能な状態でRT3リプに入賞すると、遊技状態がRT3状態へと移行する。
【0085】
「ベル1」「ベル2」「ベル3」「ベル4」「ベル5」「ベル6」「ベル7」「ベル8
」は小役である。これらの小役に当せんすると、
図7及び
図8に示すように、それぞれの小役に対応する入賞態様をなすように回転リール40の停止制御が許容される。これらの図柄が表示されてベル役に入賞すると、所定枚数(3枚掛けの場合は9枚)のメダルが払い出される。なお、特に図示しないが、これらのベル役の一部または全部を押し順小役としてもよい。
【0086】
なお、本実施形態においては、「BB1」「BB2」「BB3」「BB4」「RB1」
「RB2」「RB3」「スイカ1」「スイカ2」「スイカ3」「弱チェリー」「強チェリー」は、設定値にかかわらず当せん確率が一定となっており、すなわち、設定差のない当せん役となっている。そして、これらの設定差のない当せん役が、上記した有利区間移行契機役となっている。このため、これらの当せん役に入賞または当せんすると、有利区間に移行するようになっている。
【0087】
また、本実施形態においては、「弱チェリー」「強チェリー」がART契機役となっている。このため、これらの当せん役に入賞または当せんすると、ART抽せんが開始されるようになっている。
【0088】
例えば、「BB1」「BB2」「BB3」「BB4」のいずれかに入賞して有利区間に移行した場合には、有利区間に移行すると同時にBBゲームが開始され、遊技状態はRT5状態となる。
【0089】
また、「RB1」「RB2」「RB3」のいずれかに入賞して有利区間に移行した場合には、有利区間に移行すると同時にRBゲームが開始され、遊技状態はRT6状態となる。
【0090】
また、「弱チェリー」「強チェリー」のいずれかに入賞して有利区間に移行した場合には、ART抽せんが実行される。ここでARTに当せんすると、有利区間に移行すると同時にARTが開始され、遊技状態はRT6状態となる。一方、ARTに当せんしなかった場合は、有利区間に移行して通常のゲームが実行され、遊技状態はRT4状態となる。
【0091】
また、「スイカ1」「スイカ2」「スイカ3」のいずれかに入賞して有利区間に移行した場合には、有利区間に移行して通常のゲームが実行され、遊技状態はRT4状態となる。
【0092】
(有利区間終了後の遊技状態について)
本実施形態に係る遊技状態制御手段100は、有利区間の開始直前の遊技状態に基づいて、有利区間の終了後に移行する遊技状態を決定するように構成されている。
【0093】
具体的には、
図10(a)に示すように、有利区間の開始直前の遊技状態がRT0状態であった場合には、有利区間の終了後にRT0状態へ移行するように構成されている。
【0094】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT1状態であった場合には、有利区間の終了後にRT0状態へ移行するように構成されている。
【0095】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT2状態であった場合には、有利区間の終了後にRT1状態へ移行するように構成されている。
【0096】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT3状態であった場合には、有利区間の終了後にRT2状態へ移行するように構成されている。
【0097】
このように、有利区間を経由することで、リプレイ確率の低いRT状態へと移行するように構成されている。このような構成によれば、いつ有利区間に移行するのかというタイミングによって遊技者の得られる利益が変化するので、従来にはないゲーム性を実現できる。
【0098】
なお、上記した実施形態においては、有利区間の終了直後に遊技状態を移行させているが、これに限らず、遊技状態移行役に入賞したときに遊技状態を移行させるようにしてもよい。このとき、有利区間の開始直前の遊技状態に関連付けられた遊技状態移行役の入賞をアシストするようにすれば、間接的に、有利区間の開始直前の遊技状態に基づいて、有利区間の終了後に移行する遊技状態を決定することができる。
【0099】
具体的には、例えば有利区間中のRT4状態において入賞する遊技状態移行役を押し順小役として設定する。そして、有利区間の開始直前の遊技状態に基づいて、どの遊技状態移行役の入賞をアシストするかを決定する。例えば、有利区間の開始直前の遊技状態がRT0状態であった場合には「RT1リプ」が入賞するように押し順報知を行い、有利区間の開始直前の遊技状態がRT1状態であった場合には「RT2リプ」が入賞するように押し順報知を行い、有利区間の開始直前の遊技状態がRT2状態またはRT3状態であった場合には「RT3リプ」が入賞するように押し順報知を行う。そして、RT4状態でいずれかの遊技状態移行役に入賞したときに、入賞した遊技状態移行役に対応した遊技状態(RT1状態、RT2状態、RT3状態のいずれか)へと移行させるようにしてもよい。
【0100】
また、上記した実施形態においては、RT1リプ、RT2リプ、及びRT3リプが遊技状態移行役となっており、これらの役に入賞したときに遊技状態が移行するように構成されている。しかしながら、これに限らず、RT1リプ、RT2リプ、およびRT3リプに入賞したとしても、遊技状態が移行しないように構成してもよい。このようにすれば、リプレイ確率の異なるRT状態へ移行するためには有利区間に移行しなければならないので、遊技者にとっての有利区間の重要性が増し、有利区間に対する遊技者の関心を更に高めることができる。
【0101】
(有利区間終了後の遊技状態についての変形例1)
有利区間の終了後に移行する遊技状態については、
図10(a)とは異なる態様を採用してもよい。
例えば、
図10(b)に示す変形例1においては、有利区間の開始直前の遊技状態がRT0状態であった場合には、有利区間の終了後にRT1状態へ移行するように構成されている。
【0102】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT1状態であった場合には、有利区間の終了後にRT2状態へ移行するように構成されている。
【0103】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT2状態であった場合には、有利区間の終了後にRT3状態へ移行するように構成されている。
【0104】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT3状態であった場合には、有利区間の終了後にRT0状態へ移行するように構成されている。
【0105】
このように、有利区間を経由することで、リプレイ確率の高いRT状態へと移行するように構成している。このような構成によれば、有利区間を経由することで段階的にリプレイ確率が向上していくので、有利区間を何度か実行することで次第に遊技者の期待感が高まる仕様とすることができる。
【0106】
(有利区間終了後の遊技状態についての変形例2)
上記した実施形態においては、有利区間の開始直前の遊技状態と、有利区間の終了後に移行する遊技状態とが、1対1の関係で設定されていたが、これに限らず、抽せんにより有利区間の終了後に移行する遊技状態を決定してもよい。このとき、有利区間の開始直前の遊技状態によって異なる抽せんテーブルを選択し、選択した抽せんテーブルを使用して抽せんを行うようにしてもよい。
【0107】
例えば、
図11に示す変形例では、有利区間の開始直前の遊技状態がRT0状態であった場合には、テーブル0を使用して抽せんを行うことで、有利区間の終了後に移行する遊技状態を決定する。テーブル0を使用して抽せんにおいては、
図11(b)に示すように、RT0状態>RT1状態>RT2状態>RT3状態の順に、当せん確率が高く設定されている。
【0108】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT1状態であった場合には、テーブル1を使用して抽せんを行うことで、有利区間の終了後に移行する遊技状態を決定する。テーブル1を使用して抽せんにおいては、RT1状態>RT2状態>RT3状態>RT0状態の順に、当せん確率が高く設定されている。
【0109】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT2状態であった場合には、テーブル2を使用して抽せんを行うことで、有利区間の終了後に移行する遊技状態を決定する。テーブル2を使用して抽せんにおいては、RT2状態>RT3状態>RT0状態>RT1状態の順に、当せん確率が高く設定されている。
【0110】
また、有利区間の開始直前の遊技状態がRT3状態であった場合には、テーブル3を使用して抽せんを行うことで、有利区間の終了後に移行する遊技状態を決定する。テーブル3を使用して抽せんにおいては、RT3状態>RT0状態>RT1状態>RT2状態の順に、当せん確率が高く設定されている。
【0111】
このような態様によっても、有利区間の開始タイミングの違いによる新たなゲーム性の付与や、段階的なRT状態の移行を実現することができる。なお、
図11(b)に示す抽せん値は一例にすぎず、どのRT状態に移行するかの抽せん確率はゲーム性等を考慮して自由に設定可能であることは言うまでもない。
【0112】
(有利区間終了後の遊技状態についての変形例3)
上記した実施形態においては、有利区間の開始直前の遊技状態と、有利区間の終了後に移行する遊技状態とが、互いに異なるようにしているが、これに限らず、有利区間の開始直前の遊技状態と、有利区間の終了後に移行する遊技状態とが、同じになるように設定してもよい。
【0113】
すなわち、
図12(a)に示すように、有利区間の開始直前の遊技状態がRT0状態であった場合には、有利区間の終了後にRT0状態に移行し、有利区間の開始直前の遊技状態がRT1状態であった場合には、有利区間の終了後にRT1状態に移行し、有利区間の開始直前の遊技状態がRT2状態であった場合には、有利区間の終了後にRT2状態に移行し、有利区間の開始直前の遊技状態がRT3状態であった場合には、有利区間の終了後にRT3状態に移行するような設定としてもよい。
【0114】
(有利区間終了後の遊技状態についての変形例4)
上記した実施形態においては、有利区間の終了後に移行する遊技状態は、それぞれリプレイ役の当せん確率が異なるように設定したが、これに代えて、または、これに加えて、有利区間の終了後に移行する遊技状態は、ARTの実行確率が異なるように設定してもよい。
【0115】
例えば、
図12(b)に示すように、RT0状態、RT1状態、RT2状態においては、有利区間に移行してもART契機役に当せんしなければ(またはART抽せんに当せんしなければ)ARTが開始しないが、RT3状態においては、ART契機役に当せんしなくても(またはART抽せんに当せんしなくても)有利区間に移行したときにすぐにARTが開始するようにしてもよい。
【0116】
具体的には、RT0状態、RT1状態、RT2状態において有利区間移行契機役(スイカなど)に当せんすると、まず有利区間の通常ゲームであるRT4状態に移行する。そして、このRT4状態でART契機役(チェリーなど)に当せんすると、ARTが開始してRT7状態へ移行する。ARTが終了すると、RT4状態に戻って通常ゲームが実行される。RT4状態で再びART契機役に当せんすれば再度ARTが実行されるが、その前に有利区間が終了すると、通常区間に移行してRT0状態、RT1状態、RT2状態、RT3状態のいずれかに移行する。なお、RT0状態、RT1状態、RT2状態、RT3状態のいずれに移行するかは、上記した他の実施形態と同様に、有利区間の開始直前の遊技状態に基づいて決定される。
【0117】
また、RT3状態において有利区間移行契機役(スイカなど)に当せんすると、有利区間に移行すると同時にARTが開始し、RT7状態へ移行する。ARTが終了すると、RT4状態に戻って有利区間の通常ゲームが実行される。RT4状態で再びART契機役に当せんすれば再度ARTが実行されるが、その前に有利区間が終了すると、通常区間に移行してRT0状態、RT1状態、RT2状態、RT3状態のいずれかに移行する。なお、RT0状態、RT1状態、RT2状態、RT3状態のいずれに移行するかは、上記した他の実施形態と同様に、有利区間の開始直前の遊技状態に基づいて決定される。一例としては、有利区間の開始直前の遊技状態がRT3状態であった場合には、有利区間の終了後にRT3状態に移行するようにしてもよい。
【0118】
本変形例によれば、有利区間の終了後にRT3状態に移行した場合、ARTの開始確率が高くなるので、ARTの連荘を期待することができる。そして、RT3状態に移行するか否かは、有利区間の開始直前の遊技状態に基づいて決定される。このように、有利区間の開始直前の遊技状態、有利区間中の遊技状態、有利区間の終了後の遊技状態が、互いに有機的に関連し合うので、ゲームの流れを読む楽しさが生まれ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0119】
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態によれば、遊技状態制御手段100は、有利区間の開始直前の遊技状態に基づいて、有利区間の終了後に移行する遊技状態を決定する。このような構成によれば、従来とは異なる態様で遊技状態を移行させることで、遊技の幅を広げることができる。
【0120】
例えば、遊技状態制御手段100は、リプレイ役の当せん確率が異なる複数のRT状態の中から、有利区間の終了後に移行するRT状態を選択するようにする。このとき、有利区間を経るごとにRT状態を段階的に移行させるようにすれば、擬似的な段階移行を実現することができる。例えば、有利区間の実行後に、有利区間の実行前よりも有利なRT状態へと段階的に移行するようにすれば、最終的に最も有利なRT状態へと到達するような仕様を実現できる。
【0121】
また、遊技状態制御手段100は、ARTの実行確率が異なる複数のRT状態の中から、有利区間の終了後に移行するRT状態を選択するようにしてもよい。例えば、有利区間でARTを実行可能とし、有利区間の実行後に、ARTに当せんしやすいRT状態へと移行するようにすれば、ARTが連鎖的に実行される(連荘する)ような仕様を実現できる。
【0122】
このように、有利区間が実行されるか否かによって、長期的なゲーム経過に影響を与えることができるため、新たなゲーム性を実現して遊技者の関心を高めることができる。