(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6935984
(24)【登録日】2021年8月30日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】ローミング無線装置とネットワークアクセスゲートウェイ間のデータ通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/06 20090101AFI20210906BHJP
H04L 12/951 20130101ALI20210906BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20210906BHJP
H04W 80/04 20090101ALI20210906BHJP
H04W 88/16 20090101ALI20210906BHJP
【FI】
H04W28/06
H04L12/951
H04W4/44
H04W80/04
H04W88/16
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-219200(P2015-219200)
(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公開番号】特開2016-100894(P2016-100894A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2018年10月17日
【審判番号】不服2020-8374(P2020-8374/J1)
【審判請求日】2020年6月17日
(31)【優先権主張番号】1402624
(32)【優先日】2014年11月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】511148123
【氏名又は名称】タレス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・バン・ワンベク
(72)【発明者】
【氏名】バンジャマン・ガダ
【合議体】
【審判長】
中木 努
【審判官】
廣川 浩
【審判官】
本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−510524(JP,A)
【文献】
特表2008−518511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24- 7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローミング搬送体(P)に埋め込まれる無線通信装置(101)とネットワーク(R)へ接続されるゲートウェイ(103)との間のデータ通信方法であって、
前記データは、前記搬送体上(P)に埋め込まれたローカルエリアネットワーク(102)に属するローカル通信装置と前記ネットワーク(R)へ接続された遠隔通信装置(108)との間のネットワークリンクに対応する内部ヘッダと呼ばれる少なくとも1つの第1のネットワークヘッダと、前記無線通信装置(101)と前記ゲートウェイ(103)へ接続されるホームエージェント(106)との間のネットワークリンクに対応する外部ヘッダと呼ばれる第2のネットワークヘッダとを含むパケットの形式で編成され、前記方法は、
前記外部ヘッダのフィールドと前記内部ヘッダのフィールドとからの少なくとも1つの予測可能フィールドの前記無線通信装置による前記ゲートウェイへの送信工程(310)と、
前記外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドの前記無線通信装置による前記ゲートウェイからの受信工程(410)と
を含む初期情報交換段階と、
少なくとも1つのデータパケットの前記外部ヘッダおよび前記内部ヘッダの削除工程(302)と、
前記内部ヘッダの前記フィールドからの少なくとも1つの予測不能フィールドおよび前記外部ヘッダの前記フィールドからの少なくとも1つの予測不能フィールドを含む、ネットワーク層より低いレベルのヘッダの前記少なくとも1つのデータパケットでの生成工程(303)と、
前記少なくとも1つのデータパケットの前記ゲートウェイへの送信工程(304)と
を含む前記少なくとも1つのデータパケットの送信の、前記無線通信装置によって実行される、段階と
を少なくとも含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
ローミング搬送体(P)に埋め込まれる無線通信装置(101)とネットワーク(R)へ接続されるゲートウェイ(103)との間のデータ通信方法であって、
前記データは、前記搬送体上(P)に埋め込まれたローカルエリアネットワーク(102)に属するローカル通信装置と前記ネットワーク(R)へ接続された遠隔通信装置(108)との間のネットワークリンクに対応する内部ヘッダと呼ばれる少なくとも1つの第1のネットワークヘッダと、前記無線通信装置(101)と前記ゲートウェイ(103)へ接続されるホームエージェント(106)との間のネットワークリンクに対応する外部ヘッダと呼ばれる第2のネットワークヘッダとを含むパケットの形式で編成され、前記方法は、
前記外部ヘッダのフィールドと前記内部ヘッダのフィールドとからの少なくとも1つの予測可能フィールドの前記ゲートウェイによる前記無線通信装置からの受信工程と、
前記外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドの前記ゲートウェイによる前記無線通信装置への送信工程と
を含む初期情報交換段階と、
少なくとも1つのデータパケットの前記外部ヘッダおよび前記内部ヘッダの削除工程と、
前記内部ヘッダの前記フィールドからの少なくとも1つの予測不能フィールドおよび前記外部ヘッダの前記フィールドからの少なくとも1つの予測不能フィールドを含む、ネットワーク層より低いレベルのヘッダの前記少なくとも1つのデータパケットでの生成工程と、
前記少なくとも1つのデータパケットの前記無線通信装置への送信工程と
を含む少なくとも1つのデータパケットの送信の、前記ゲートウェイによって実行される、段階と
を少なくとも含むことを特徴とする、方法。
【請求項3】
ローミング搬送体(P)に埋め込まれる無線通信装置(101)とネットワーク(R)へ接続されるゲートウェイ(103)との間のデータ通信方法であって、
前記データは、前記搬送体上(P)に埋め込まれたローカルエリアネットワーク(102)に属するローカル通信装置と前記ネットワーク(R)へ接続された遠隔通信装置(108)との間のネットワークリンクに対応する内部ヘッダと呼ばれる少なくとも1つの第1のネットワークヘッダと、前記無線通信装置(101)と前記ゲートウェイ(103)へ接続されるホームエージェント(106)との間のネットワークリンクに対応する外部ヘッダと呼ばれる第2のネットワークヘッダと含むパケットの形式で編成され、前記方法は、
前記外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドと前記内部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドの前記ゲートウェイによる前記無線通信装置からの受信工程と、
前記外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドの前記ゲートウェイによる前記無線通信装置への送信工程と
を含む初期情報交換段階と、
ネットワーク層より低いレベルのヘッダを含む少なくとも1つのデータパケットの受信工程(304)と、
前記初期段階中に受信された前記内部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドと前記データパケットのネットワーク層より低いレベルのヘッダに含まれる少なくとも1つの予測不能フィールドとから少なくとも内部ネットワークヘッダの前記データパケットでの再構築工程(404)であって、前記内部ネットワークヘッダは前記搬送体上に埋め込まれるローカルエリアネットワークに属するローカル通信装置と前記ネットワークへ接続される遠隔通信装置との間のネットワークリンクに対応する、工程と、
前記初期段階中に受信された前記外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドおよび前記データパケットのネットワーク層より低いレベルのヘッダに含まれる少なくとも1つの予測不能フィールドから少なくとも外部ネットワークヘッダの前記データパケットでの再構築工程(403)であって、前記外部ネットワークヘッダは前記無線通信装置とゲートウェイへ接続されたホームエージェントとの間のネットワークリンクに対応する、工程と、
前記データパケット内のネットワーク層より低いレベルの前記ヘッダの削除工程(402)と
を含む、前記ゲートウェイによって実行される、データ受信段階と
を少なくとも含むことを特徴とする、方法。
【請求項4】
ローミング搬送体(P)に埋め込まれる無線通信装置(101)とネットワーク(R)へ接続されるゲートウェイ(103)との間のデータ通信方法であって、
前記データは、前記搬送体上(P)に埋め込まれたローカルエリアネットワーク(102)に属するローカル通信装置と前記ネットワーク(R)へ接続された遠隔通信装置(108)との間のネットワークリンクに対応する内部ヘッダと呼ばれる少なくとも1つの第1のネットワークヘッダと、前記無線通信装置(101)と前記ゲートウェイ(103)へ接続されるホームエージェント(106)との間のネットワークリンクに対応する外部ヘッダと呼ばれる第2のネットワークヘッダと含むパケットの形式で編成され、前記方法は、
前記外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドの前記無線通信装置によるゲートウェイへの送信工程(310)と、
前記外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドと前記内部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドの前記無線通信装置による前記ゲートウェイからの受信工程(410)と
を含む初期情報交換段階と、
ネットワーク層より低いレベルのヘッダを含む少なくとも1つのデータパケットの受信工程(304)と、
前記初期段階中に受信された前記内部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドと前記データパケットのネットワーク層より低いレベルのヘッダに含まれる少なくとも1つの予測不能フィールドとから少なくとも内部ネットワークヘッダの前記データパケットでの再構築工程(404)であって、前記内部ネットワークヘッダは前記搬送体上に埋め込まれるローカルエリアネットワークに属するローカル通信装置と前記ネットワークへ接続される遠隔通信装置との間のネットワークリンクに対応する、工程と、
前記初期段階中に受信された前記外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドおよび前記データパケットのネットワーク層より低いレベルのヘッダに含まれる少なくとも1つの予測不能フィールドから少なくとも外部ネットワークヘッダの前記データパケットでの再構築工程(403)であって、前記外部ネットワークヘッダは前記無線通信装置とゲートウェイへ接続されたホームエージェントとの間のネットワークリンクに対応する、工程と、
前記データパケット内のネットワーク層より低いレベルの前記ヘッダの削除工程(402)と
を含む、前記無線通信装置によって実行される、データ受信段階と
を少なくとも含むことを特徴とする、方法。
【請求項5】
前記内部ヘッダの前記予測可能フィールドは前記無線通信装置の恒久的ネットワークアドレスの少なくともプレフィックスを含む、請求項1または4に記載のデータ通信方法。
【請求項6】
前記内部ヘッダの前記予測可能フィールドは前記無線通信装置の恒久的ネットワークアドレスの少なくともプレフィックスを含む、請求項2または3に記載のデータ通信方法。
【請求項7】
前記内部ヘッダの前記予測不能フィールドは前記ネットワークへ接続される前記遠隔通信装置のネットワークアドレスを少なくとも含む、請求項1、4、5のいずれか一項に記載のデータ通信方法。
【請求項8】
前記内部ヘッダの前記予測不能フィールドは前記ネットワークへ接続される前記遠隔通信装置のネットワークアドレスを少なくとも含む、請求項2、3、6のいずれか一項に記載のデータ通信方法。
【請求項9】
前記内部ヘッダの前記予測不能フィールドは前記無線通信装置の前記恒久的ネットワークアドレスのサフィックスを含む、請求項7に記載のデータ通信方法。
【請求項10】
前記内部ヘッダの前記予測不能フィールドは前記無線通信装置の前記恒久的ネットワークアドレスのサフィックスを含む、請求項8に記載のデータ通信方法。
【請求項11】
前記外部ヘッダの前記予測可能フィールドは、前記ゲートウェイにより割り振られた前記無線通信装置の仮ネットワークアドレスの少なくとも一部分と前記ホームエージェントのネットワークアドレスとを含む、請求項1、4、5、7、9のいずれか一項に記載のデータ通信方法。
【請求項12】
前記外部ヘッダの前記予測可能フィールドは、前記ゲートウェイにより割り振られた前記無線通信装置の仮ネットワークアドレスの少なくとも一部分と前記ホームエージェントのネットワークアドレスとを含む、請求項2、3、6、8、10のいずれか一項に記載のデータ通信方法。
【請求項13】
− 前記無線通信装置の前記仮ネットワークアドレスは、前記ゲートウェイにより割り振られたプレフィックスと前記無線通信装置に特有な識別子から生成されたサフィックスとから構成され、
− 前記初期情報交換段階は、
前記識別子および前記ゲートウェイにより割り振られた前記プレフィックスの、前記無線通信装置と前記ゲートウェイとの間の交換工程を含む、請求項9に記載のデータ通信方法。
【請求項14】
− 前記無線通信装置の前記仮ネットワークアドレスは、前記ゲートウェイにより割り振られたプレフィックスと前記無線通信装置に特有な識別子から生成されたサフィックスとから構成され、
− 前記初期情報交換段階は、
前記識別子および前記ゲートウェイにより割り振られた前記プレフィックスの、前記無線通信装置と前記ゲートウェイとの間の交換工程を含む、請求項10に記載のデータ通信方法。
【請求項15】
プロセッサにより実行されると請求項1、4、5、7、9、11、13のいずれか一項に記載のデータ通信方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項16】
プロセッサにより実行されると請求項2、3、6、8、10、12、14のいずれか一項に記載のデータ通信方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項17】
少なくともネットワーク層とリンク層とを含む階層モデルに基づくネットワークアーキテクチャを観測するのに好適な通信手段を含むローミング搬送体(P)に埋め込まれる無線通信装置(101)であって、前記通信手段は請求項1または4に記載のデータ通信方法を実行するように構成される、無線通信装置(101)。
【請求項18】
ネットワーク(R)のホームエージェント(106)を介し前記ネットワーク(R)へ接続されるネットワークゲートウェイ(103)であり、少なくとも1つのネットワーク層とリンク層とを含む階層モデルに基づくネットワークアーキテクチャを観測するのに好適な通信手段を含むネットワークゲートウェイ(103)であって、前記通信手段は請求項2または3に記載のデータ通信方法を実行するように構成される、ネットワークゲートウェイ(103)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークと通信するためにローミング移動搬送体が必要とされる通信システムの分野に関する。ローミング搬送体に埋め込まれる通信システムは、搬送体の位置に依存して様々なネットワークアクセスゲートウェイを介しネットワークへ接続するために必要とされる。本発明はしたがって、移動度がネットワークレベルで管理される通信ネットワークに関する。本発明は最後に、移動搬送体とネットワークアクセスゲートウェイ間の無線リンク上の帯域幅の使用を最適化する分野に関する。
【0002】
本発明はより具体的には、ローミング無線装置とネットワークアクセスゲートウェイ間の通信方法であって当該通信リンク上で消費されるスペクトル資源の最適化を可能にする通信方法に関する。
【背景技術】
【0003】
図1は、移動搬送体P(例えば、航空機)が固定インフラストラクチャRのネットワークと通信する通信システムの例を表す。このようなシステムは、例えば国際民間航空機構(ICAO:International Civil Aviation Organization)により規定されたATN(航空通信ネットワーク:Aeronautical Telecommunication Network)規格を遂行するようにされる。
【0004】
移動搬送体Pは、機上ローカルエリアネットワーク102へ接続されることを可能にする少なくとも1つの機上埋め込み無線通信装置101を含む。
【0005】
移動搬送体Pはアクセスゲートウェイ103、104、105を通じて固定インフラストラクチャネットワークRへ接続する。このゲートウェイは、無線通信技術により空中通信装置101との無線リンク(例えば、衛星通信リンク)を設定する。移動搬送体Pは、その無線範囲内に存在するアクセスゲートウェイ103、104、105と接続する。したがって、ネットワークRへのアクセスは様々なアクセスゲートウェイ103、104、105を介しなされ得る。各アクセスゲートウェイは、ネットワークRのエンティティでありその役割がアクセスゲートウェイを介しネットワークへ接続することを望む装置の移動度を管理することであるホームエージェント106、107へ接続される。各無線通信装置101はホームエージェント106、107に関連付けられる。ホームエージェント106は、アクセスゲートウェイ103へリンクされている間にアクセスゲートウェイとは異なる装置内で実施され得る、またはアクセスゲートウェイ103と同じ装置内で実施され得る。同一のホームエージェント106が複数のアクセスゲートウェイ103、104、105へリンクされ得る。
【0006】
図1の例では、埋め込み装置101とネットワークRへ接続された遠隔端末108との間の通信リンクが一例として考察される。移動搬送体Pは、第1のゲートウェイ105の無線範囲内の第1のゾーンから第2のゲートウェイ103の無線範囲内の第2のゾーンへ移動する。
【0007】
移動搬送体Pの位置にかかわらず埋め込み装置101と遠隔端末108間の通信を設定および維持するために、2つのネットワークリンクが設定される。
【0008】
第1のネットワークリンクは埋め込み装置101と遠隔端末108間に設定される。同リンクは、埋め込み装置101の恒久的ネットワークアドレスと遠隔端末108の恒久的ネットワークアドレスから設定される。
【0009】
搬送体Pの移動度を管理するために、アクセスゲートウェイと同じネットワークに属する埋め込み装置101の仮ネットワークアドレスと移動度管理に責任を負うホームエージェント106のネットワークアドレスとの間に第2のネットワークリンクがトンネルモードで設定される。仮ネットワークアドレスはネットワークアクセスゲートウェイにより割り振られる。
【0010】
この移動度管理メカニズムは、搬送体Pがその移動中にアクセスゲートウェイを変更する場合の複雑なルーティングメカニズムの実施を回避できるようにする。
【0011】
しかし、同じポイントツーポイント通信のための2つのネットワークリンクの使用(トンネルを介するものを含む)は欠点を生ずる。送信データパケットは、特にIPv6プロトコルを使用するネットワークでは、かなりのサイズの2つのネットワークヘッダを含む。IPv6ヘッダは40オクテットのサイズを有する。特に航空通信リンクの場合、移動搬送体Pとネットワークアクセスゲートウェイ間の無線リンクはしばしば、利用可能帯域幅が狭いリンクである。通信リンクを設定するために2つのIPv6ヘッダを使用することは、各送信パケット内への2つのネットワークヘッダの導入が、送信される有用データに利用可能な帯域幅をそれに応じて低減するので、無線通信路上で利用可能な資源の非最適使用につながる。
【0012】
IPネットワークプロトコルに基づく送信の場合の無線資源を最適化できるようにする1つの知られた解決策は、基準RFC3095の元にIETF機関により標準化されたRoHC(頑強ヘッダ圧縮:Robust Header Compression)メカニズムなどのネットワークヘッダ圧縮メカニズムを使用することにある。
【0013】
このメカニズムはネットワークヘッダのサイズを低減できるようにするが、他の欠点を提示する。このメカニズムは、交換セッション毎にホストの予備接続の初期段階を必要とし、実施するのが複雑である。さらに、このメカニズムはまた、ヘッダの圧縮解除を正しく作動させることができるように、各ホストにより保存されたコンテキスト間で同期が維持されることを必要とし、したがっていかなる非同期現象にも敏感である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、移動搬送体に埋め込まれた無線装置と固定ネットワークへのアクセスゲートウェイとの間の送信方法であって利用可能帯域幅資源を最適化できるようにする送信方法を提案する。
【0015】
本発明により提案される解決策は、ネットワークヘッダの予測可能フィールドの送信を削除することと、削除されたヘッダを再構築すること、削除されたヘッダを受信することにある。
【0016】
本発明の主題は、ローミング搬送体に埋め込まれる無線通信装置とネットワークへ接続されるゲートウェイとの間のデータ通信方法であり、データは、上記搬送体上に埋め込まれたローカルエリアネットワークに属するローカル通信装置と上記ネットワークへ接続された遠隔通信装置との間のネットワークリンクに対応する内部ヘッダと呼ばれる少なくとも1つの第1のネットワークヘッダと、上記無線通信装置とゲートウェイへ接続されたホームエージェントとの間のネットワークリンクに対応する外部ヘッダと呼ばれる第2のネットワークヘッダとを含むパケットの形式で編成される。上記方法は、
外部ヘッダのフィールドと内部ヘッダのフィールドとからの少なくとも1つの予測可能フィールドの無線通信装置によるゲートウェイへの送信またはゲートウェイによる無線通信装置からの受信工程と、
外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドの無線通信装置によるゲートウェイからの受信またはゲートウェイによる無線通信装置への送信工程とを含む初期情報交換段階と、
少なくとも1つのデータパケットの外部ヘッダおよび内部ヘッダの削除工程と、
内部ヘッダのフィールドからの少なくとも1つの予測不能フィールドを含むネットワーク層より低いレベルのヘッダを少なくとも1つのデータパケット内に生成する工程と、
上記少なくとも1つのデータパケットの送信工程とを含む少なくとも1つのデータパケットの送信段階とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の別の主題は、ローミング搬送体に埋め込まれる無線通信装置とネットワークへ接続されるゲートウェイとの間のデータ通信方法であり、データは、上記搬送体上に埋め込まれたローカルエリアネットワークに属するローカル通信装置と上記ネットワークへ接続された遠隔通信装置との間のネットワークリンクに対応する内部ヘッダと呼ばれる少なくとも1つの第1のネットワークヘッダと、上記無線通信装置とゲートウェイへ接続されたホームエージェントとの間のネットワークリンクに対応する外部ヘッダと呼ばれる第2のネットワークヘッダとを含むパケットの形式で編成される。上記方法は、
外部ヘッダのフィールドと内部ヘッダのフィールドとからの少なくとも1つの予測可能フィールドの無線通信装置によるゲートウェイへの送信またはゲートウェイによる無線通信装置からの受信工程と、
外部ヘッダの少なくとも1つの予測可能フィールドの無線通信装置によるゲートウェイからの受信またはゲートウェイによる無線通信装置への送信工程とを含む初期情報交換段階と、
ネットワーク層より低いレベルのヘッダを含む少なくとも1つのデータパケットの受信工程と、
初期段階中に送信された少なくとも1つの予測可能フィールドとデータパケットのネットワーク層より低いレベルのヘッダに含まれた少なくとも1つの予測不能フィールドとから少なくとも内部ネットワークヘッダを上記データパケット内に再構築する工程であって、上記内部ネットワークヘッダは上記搬送体上に埋め込まれたローカルエリアネットワークに属するローカル通信装置と上記ネットワークへ接続された遠隔通信装置との間のネットワークリンクに対応する、工程と、
初期段階中に送信された少なくとも1つの予測可能フィールドから少なくとも外部ネットワークヘッダをデータパケット内に再構築する工程であって、上記外部ネットワークヘッダは上記無線通信装置とゲートウェイへ接続されたホームエージェントとの間のネットワークリンクに対応する、工程と、
上記データパケット内のネットワーク層より低いレベルのヘッダの削除工程とを含むデータ受信段階とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の特定の態様によると、内部ヘッダの予測可能フィールドは無線通信装置の恒久的ネットワークアドレスの少なくともプレフィックスを含む。
【0019】
本発明の特定の態様によると、内部ヘッダの予測不能フィールドは、上記ネットワークへ接続される遠隔通信装置のネットワークアドレスを少なくとも含む。
【0020】
本発明の特定の態様によると、内部ヘッダの予測不能フィールドは無線通信装置の恒久的ネットワークアドレスのサフィックスを含む。
【0021】
本発明の特定の態様によると、外部ヘッダの予測可能フィールドは、ゲートウェイにより割り振られた無線通信装置の仮ネットワークアドレスの少なくとも一部分とホームエージェントのネットワークアドレスとを含む。
【0022】
本発明の特定の態様によると、無線通信装置の仮ネットワークアドレスは、ゲートウェイにより割り振られたプレフィックスと無線通信装置に特有な識別子から生成されたサフィックスとから構成される。初期情報交換段階は、
上記識別子の無線通信装置によるゲートウェイへの送信またはゲートウェイによる無線通信装置からの受信工程と、
ゲートウェイにより割り振られたプレフィックスの無線通信装置によるゲートウェイからの受信またはゲートウェイによる無線通信装置への送信工程とを含む。
【0023】
本発明のさらに別の主題は、コンピュータプログラムであってプロセッサにより実行されると本発明によるデータ送信方法および/またはデータ受信方法を実行するための命令を含むコンピュータプログラムである。
【0024】
本発明のさらに別の主題は、少なくともネットワーク層とリンク層とを含む階層モデルに基づくネットワークアーキテクチャを観測するのに好適な通信手段を含むローミング搬送体に埋め込まれる無線通信装置であって、通信手段は本発明によるデータ通信方法を実行するように構成される。
【0025】
本発明のさらに別の主題は、ネットワークのホームエージェントを介しネットワークへ接続されるネットワークゲートウェイであって、少なくともネットワーク層とリンク層とを含む階層モデルに基づくネットワークアーキテクチャを観測するのに好適な通信手段を含むネットワークゲートウェイであり、通信手段は本発明によるデータ通信方法を実行するように構成される。
【0026】
本発明の他の特徴と利点は添付図面と関連する以下の説明を読むことでより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】移動搬送体が固定インフラストラクチャネットワークへ接続し得る通信ネットワークのブロック図である。
【
図2】
図1のネットワーク内の通信リンクのプロトコル実施形態を示す図である。
【
図3】本発明によるデータ送信方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図2は、埋め込み通信装置101とネットワークRへ接続された遠隔端末108との間の送信の際に実施されるメカニズムを概略的に示す。
【0029】
ネットワークRは、少なくとも4層:すなわちアプリケーション層APとネットワーク層IPとデータリンク層LDと物理層PHYとを含むタイプのモデルに基づくプロトコルアーキテクチャを使用する。プロトコルアーキテクチャモデルは特には、7つの層を含むOSI(開放型システム間相互接続:Open Systems Interconnection)モデルにより示唆されたものである。
【0030】
図2は、埋め込み装置101により開始される遠隔端末108に向けた送信を示す。遠隔端末108から埋め込み装置101への通信に適用される送信メカニズムも同様である。
【0031】
データパケットP
10が、埋め込み装置101のまたは移動搬送体Pに埋め込まれたローカルエリアネットワークへ接続された装置のアプリケーション層において生成される。生成されたパケットP
10は、IPネットワーク層へ送信され、ネットワークパケット内で連続2回カプセル化される。この目的を達成するために、送信元無線装置101の恒久的ネットワークアドレスと送信先遠隔端末108の恒久的ネットワークアドレスとを特に含む第1の内部ネットワークヘッダが追加される。無線装置101とホームエージェント106間にトンネルモードのネットワークリンクを設定するために第2のネットワークヘッダも追加される。第2の外部ネットワークヘッダは、ゲートウェイ103により割り振られた無線装置101の仮ネットワークアドレスとホームエージェント106の恒久的ネットワークアドレスとを含む。内部ネットワークヘッダと外部ネットワークヘッダは例えばIPv6ヘッダである。
【0032】
正しく構築されたネットワークパケットP
11がデータリンク層へ送信され、データリンク層はまた新しいパケットP
12を生成するために特定のヘッダを追加し、新しいパケットP
12は物理層へ送信され、次に無線チャネルによりゲートウェイ103へ送信される。
【0033】
ゲートウェイ103は受信パケットP
32をIPネットワーク層のレベルへ逆カプセル化する。このレベルで、ゲートウェイ103はネットワークパケットP
61をホームエージェント106へ送信し、ホームエージェント106は外部ネットワークヘッダを削除して、ネットワークパケットP
60を送信先端末108へ伝達し、送信先端末108はアプリケーションパケットP
80を復元する。
【0034】
無線装置101とホームエージェント108間の第2のIPトンネルの使用により搬送体Pの移動度の管理を可能にし、搬送体Pは様々なネットワークアクセスゲートウェイと接続し得る。ホームエージェント106は搬送体P毎に一意的であり、これにより搬送体Pの位置にかかわらずパケットの送信先へのルーティングを効果的に管理できるようにする。
【0035】
序文で示したように、各パケットへの2つのネットワークヘッダの追加は、搬送体Pとゲートウェイ103間の無線リンクの帯域幅の過剰消費を生じ、有用データに割り振られるビットレートを損ねる。
【0036】
本発明は、この問題を解決するメカニズムを提案する。
【0037】
図3は本発明によるデータ送信方法を示す。
【0038】
本方法は、埋め込み無線装置101とゲートウェイ103間の第1の初期情報交換段階に続いて第2のデータ送信段階を含む。
【0039】
第1の情報交換段階は、搬送体Pが自身に最も近くかつ無線範囲内に存在するゲートウェイ103をネットワークR上に登録したい場合に発生する。
【0040】
無線装置101は、送信されるパケットの2つのネットワークヘッダ内の、無線装置101または搬送体Pに埋め込まれたローカルエリアネットワークからのまたはそれへの任意の送信時に予測可能なフィールドを最初に識別する。「予測可能フィールド」は本明細書では、通信が無線装置101からであるかまたは無線装置101へであるかにかかわらずその値が固定または一定であるヘッダフィールドを意味するものと理解すべきである。
【0041】
内部ネットワークヘッダ内では、予測可能フィールドは、そのサフィックスが、恒久的ネットワークアドレスを搬送体Pに埋め込まれたローカルエリアネットワーク内で接続された様々な装置へ割り振るために使用される場合、無線装置101の恒久的アドレスフィールドまたはこの恒久的アドレスのプレフィックスである。遠隔端末108のアドレスは、端末と通信することを要請され得る無線装置101の先験的知識が無いので、通常は予測不能である。遠隔端末108のアドレスはまた、搬送体Pが同一の遠隔端末と系統的に通信する特定の場合には予測され得る。
【0042】
外部ネットワークヘッダ内で、予測可能フィールドはホームエージェント106のアドレスフィールドである。実際には、各ローミング搬送体PとネットワークR内のこの搬送体の移動度を管理する責任を負うホームエージェントとの間には一意的ペアリングが存在する。
【0043】
外部ネットワークヘッダにも含まれる無線装置101の仮ネットワークアドレスは、アクセスゲートウェイ103により割り振られ、したがってまた予測可能である。これは無線装置101にかかわるすべての通信がこの仮アドレスを使用するためである。
【0044】
本発明の特定の実施形態では、仮ネットワークアドレスのプレフィックスだけがアクセスゲートウェイにより割り振られる。仮ネットワークアドレスのサフィックスは、プレフィックスからおよび無線装置101に特有の識別子(例えば、EUI−64タイプの識別子)から判断される。アクセスゲートウェイはサフィックスを無線装置へ送信し、無線装置は次に、識別子から仮ネットワークアドレスのすべてを生成し得る。
【0045】
要約すると、本発明による方法の初期交換段階では、無線装置101は、2つのネットワークヘッダ内で自身が知っている予測可能フィールドを識別し(301)、次にそれをゲートウェイ103へ送信する。同様に、ゲートウェイ103は自身が知っている予測可能フィールドを識別し(401)、それを無線装置101へ送信する。
【0046】
初期段階が完了すると、無線リンクに直接関与する2つのエンティティ101,103はそれぞれ、2つのネットワークヘッダの予測可能フィールドのローカルコピーを有する。
【0047】
第2のデータ送信段階では、ネットワーク層からのデータパケットP
11はデータリンク層LDのレベルでインターセプトされる。2つのネットワークヘッダは削除される(302)。リンクヘッダがパケットへ追加される(303)。リンクヘッダは、2つのネットワークヘッダの予測不能フィールドを含む。例えば、リンクヘッダは遠隔端末108の送信先アドレスを含む。リンクヘッダはまた、次の場合に無線装置101の恒久的ネットワークアドレスのサフィックスを含み得る:すなわち、このサフィックスが多くの恒久的アドレスを搬送体P上の装置群へ割り振るために使用される場合、換言すれば搬送体に搭載された多くの装置が、搬送体のゲートウェイへの登録時に割り振られたプレフィックス内でアドレス指定可能である場合。
【0048】
本発明により生成されたリンクヘッダを含むパケットは、次に物理層へ送信され(304)、次に無線チャネルによりゲートウェイ103へ送信される。
【0049】
パケットが受信されると、以下の処理作業がデータリンク層LDのレベルでゲートウェイにより行われる。内部ネットワークヘッダは、リンクヘッダに含まれる予測不能フィールドからおよび初期段階中に交換された予測可能フィールドから再構築される(404)。外部ネットワークヘッダは、初期段階中に交換された予測可能フィールドから再構築される(403)。次に、リンクヘッダは削除される(402)。
【0050】
通信が埋め込み装置101により遠隔端末108に対して開始される非限定的例における本発明による送信メカニズムが
図2において説明された。しかし、送信はまた逆方向に行われ得る。後者の場合、無線装置101とゲートウェイ103とによりそれぞれ行われる処理作業は逆転される。
【0051】
本発明の範囲から逸脱すること無く、本発明による送信方法はまた、物理層のレベルで、またはネットワーク層より低いレベルに位置する任意のアブストラクション層のレベルで実施され得る。
【0052】
本発明は、IPv6プロトコルに関連付けられた場合に有利に適用される。これは、この場合、本発明が、IPv6ヘッダの削除により節約された伝送資源の著しい増加を可能にするためである。しかし、本発明はまた、IPv4プロトコルと、ネットワーク内のホストの一意的アドレシングを可能にする任意のネットワークプロトコルとへ適用される。
【0053】
ネットワークヘッダの再構築段階中、送信元アドレスと送信先アドレス以外のヘッダフィールドは、リンクヘッダに含まれるフィールドから、またはデフォルト値から、または初期交換段階中に交換された値からも再構築され得る。
【0054】
本発明による方法はハードウェアおよび/またはソフトウェア要素で実施され得る。本発明による方法は特に、その実行のための命令を含むコンピュータプログラムとして実施され得る。コンピュータプログラムはプロセッサ可読記憶媒体上に格納され得る。媒体は電子的、磁気的、光学的、または電磁気的であり得る。
【0055】
特に、本発明はプロセッサとメモリとを含むデバイスにより実施され得る。プロセッサは、一般的なプロセッサ、特定のプロセッサ、特定用途向け集積回路(また頭文字ASICにより知られる)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(また頭文字FPGAにより知られる)であり得る。
【0056】
本デバイスは1つまたは複数の専用電子回路または汎用回路を使用し得る。本発明の技術は、一連の命令を含むプログラムを実行する再プログラム可能計算機(例えば、プロセッサまたはマイクロコントローラ)上、または専用計算機(例えば、FPGAまたはASICなどの一組の論理ゲート、または任意の他のハードウェアモジュール)上で実施され得る。
【0057】
一実施形態によると、本デバイスは、プロセッサまたは多くのプロセッサ上で実行されると先に説明した本発明の実施形態の機能を行うコンピュータプログラム(すなわち多数の実行可能命令)によりコード化された少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体(RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM、DVDまたは別の光ディスク媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気記憶ディスクまたは他の記憶装置、または別の非一時的コンピュータ可読記憶媒体)を含む。
【0058】
本発明は、ローミング搬送体に埋め込まれた無線通信装置101においておよびネットワークアクセスゲートウェイ103において実施され得る。本発明は、データリンク層のレベルでまたはネットワーク層より低いレベルに位置する任意のアブストラクション層のレベルで実施される。
【0059】
本発明を実施するようにされたハードウェアアーキテクチャの例を与えると、本発明によるデバイスは、本発明の実施に必要なプログラムを含み得る中央処理装置またはマイクロプロセッサ(CPU)、読み取り専用メモリ(ROM)がリンクされる通信バスと、上記プログラムの実行中に生成および修正される変数およびパラメータを格納するようにされたレジスタを含むランダムアクセスメモリまたはキャッシュメモリ(RAM)と、データを送信および受信するようにされた通信インターフェースまたはI/O(入力/出力)とを含み得る。
【0060】
実行されると先に説明した機能のうちの任意の1つを行うコンピュータプログラムへの参照は、単一ホストコンピュータ上で実行するアプリケーションプログラムに限定されない。逆に、用語「コンピュータプログラム」と「ソフトウェア」は本明細書では、本明細書に記載の技術の態様を実施するように1つまたは複数のプロセッサをプログラムするために使用され得る任意のタイプのコンピュータコード(例えば、アプリケーションソフトウェア、ファームウェア、マイクロコードまたは任意の他の形式のコンピュータ命令)を参照するために一般的意味で使用される。コンピュータ手段または資源は特に、場合によりピアツーピア技術に基づき分散され得る(クラウドコンピューティング)。ソフトウェアコードは、単一コンピュータデバイス内に設けられるかまたは複数のコンピュータデバイス間に分散される(例えば、デバイスの環境内で恐らくアクセス可能なように)かにかかわらず任意の適切なプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)またはプロセッサコアまたは一組のプロセッサ上で実行され得る。プログラマブルデバイスが本発明による方法を実施できるようにする各プログラムの実行可能コードは、例えばハードディスクまたは読み取り専用メモリ内に格納され得る。通常、プログラムまたはプログラム群は実行される前にデバイスの格納手段のうちの1つにロードされることができるようになる。中央処理装置は、ハードディスク内または読み取り専用メモリ内または他の上記記憶要素内に格納された本発明によるプログラムまたはプログラム群のソフトウェアコードの命令またはその一部の実行を制御および指示し得る。
【0061】
本発明は、有用データビットレートの増加可能性のために無線リンク上で送信されるシグナリングデータを節約する利点を有する。
【0062】
特に、本発明がIPv6プロトコルに適用される場合、2つのネットワークヘッダの削除により与えられる増加は56から64オクテット、いくつかのケースでは80オクテットまでと様々である。
【0063】
本発明に関連する別の利点は、無線リンク上で送信された各パケットのヘッダから予測可能フィールドを削除することで、伝播チャネルに関連する送信エラーによるこれらのフィールドへの影響を回避できるようにする。
【符号の説明】
【0064】
101 通信装置
102 ローカルエリアネットワーク
103 アクセスゲートウェイ
104 アクセスゲートウェイ
105 アクセスゲートウェイ
106 ホームエージェント
107 ホームエージェント
108 遠隔端末
AP アプリケーション層
IP ネットワーク層
LD データリンク層
P 搬送体
P
10 データパケット
P
11 ネットワークパケット
P
12 新しいパケット
P
60 ネットワークパケット
P
61 ネットワークパケット
P
80 アプリケーションパケット
PHY 物理層
R ネットワーク