(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシンを実施するための形態を以下に説明する。
【0041】
本実施形態のスロットマシン1は、
図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。前面扉1bは、筐体1aに対して回動することによって、筐体1aの開口された前面側を開閉することができる。
【0042】
本実施形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、
図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0043】
リール2L、2C、2Rの外周部には、
図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
【0044】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(
図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0045】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0046】
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(
図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
【0047】
前面扉1bには、
図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0048】
なお、本実施形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
【0049】
また、前面扉1bには、
図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
【0050】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(
図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(
図4参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(
図4参照)が設けられている。
【0051】
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23(
図4参照)、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機に自動精算処理に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられたホッパータンク34a(
図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(
図4参照)が設けられている。
【0052】
筐体1aの内部には、
図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(
図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(
図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(
図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(
図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(
図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0053】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(
図4参照)が設けられている。
【0054】
電源ボックス100の前面には、
図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0055】
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(
図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0056】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、
図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0057】
また、本実施形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。
【0058】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0059】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(
図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0060】
なお、本実施形態では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0061】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、
図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0062】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0063】
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32R、音量調整器57、十字キー58が接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34b及び電源スイッチ39が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。音量調整器57は、遊技店側が音量を設定するためのものであり、5段階のうちのいずれかに設定可能である。サブ制御部91は、音量調整器57により設定された段階と遊技者により設定された段階に応じて、音声出力回路94を制御することで、スピーカ53、54から出力される音量を制御する。十字キー58は、上下左右方向に遊技者により操作される。本実施形態では遊技者による音量の設定操作が行われる。十字キー58が操作されると、操作に応じた信号がサブ制御部91に出力される。
【0064】
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
【0065】
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
【0066】
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
【0067】
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
【0068】
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
【0069】
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
【0070】
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを搭載している。乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。タイマ回路509は、16ビットプログラマブルタイマであり、設定されたタイマ値を制御用クロックCCLKの入力に基づいてダウンカウントし、0000Hに達したときに割込コントローラへの割込要求信号を出力する。本実施例では、タイマ回路509を用いて定期的な割込要求や時間計測を行うことが可能である。
【0071】
割込コントローラ510は、割込端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポートを内蔵する。また、
図4に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポートを内蔵する。シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。
【0072】
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
【0073】
メイン制御部41は、例えば、ROM41bの記憶領域のうちプログラム等が格納されていない領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの記憶領域のうちアクセス禁止が設定された領域へのアクセスがあったとき、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるようになっており、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
【0074】
また、メイン制御部41は、内部または外部によるリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ROM41bに割り当てられ、割込処理の先頭アドレスが設定されるベクタテーブルに設定された値が、未使用を示す値であるか、プログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、を判定し、いずれの値でもない場合には起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
【0075】
メイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
【0076】
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行するメイン処理を実行する。また、メイン制御部41は、割込の発生によりメイン処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を自動的に禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、割込処理が終了した時点で割込禁止が自動的に解除され、その時点で新たな割込が発生することとなる。尚、割込処理の実行中に他の割込を自動的に禁止するように設定され、割込処理が終了した時点で割込禁止が自動的に解除されるのではなく、割込処理の開始時にプログラムによって他の割込を禁止し、割込処理の終了時にプログラムによって割込禁止を解除するようにしても良い。
【0077】
メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0078】
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。また、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0079】
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、その他の回路等、が搭載されている。
【0080】
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0081】
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0082】
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。内部抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0083】
本実施形態では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
【0084】
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
【0085】
以下、本実施形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
【0086】
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
【0087】
そして、内部抽選の結果を示す当選番号をRAM41cに設定する。当選番号は、内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等に用いられる。
【0088】
また、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選番号に基づいて当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、特別役格納ワーク及び一般役格納ワークをクリアする。
【0089】
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施形態では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、各種コマンドを送信する。以下、各種コマンドの内、一部のコマンドについて説明する。なお、以下のコマンド以外のコマンドを用いてもよい。
【0090】
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
【0091】
ART状態コマンドは、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、「AT」ともいう)中か否か、ART(後述するRT0でATに制御される状態)中か否か、規定ゲーム数に到達するまでの残りゲーム数、前兆期間の残りゲーム数、ARTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。
【0092】
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、ART状態コマンドの後に送信される。内部当選コマンドは、特別役が当選しているか否かを特定可能な第1の内部当選コマンドと、一般役が当選しているか否かを特定可能な第2の内部当選コマンドと、を含み、第1の内部当選コマンドが送信された後に、第2の内部当選コマンドが送信される。
【0093】
押し順コマンドは、停止順を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときであって、内部当選コマンドが送信された後、及び各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、停止コマンドが送信された後に送信される。なお、後述のナビ報知が実行されるゲームにおいては、ゲーム開始時から遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドが送信され、ナビ報知が実行されないゲームにおいては、有利な停止順が確定するまでは遊技者にとって有利な停止順を特定不能な押し順コマンドが送信され、有利な停止順が確定したときから遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドが送信される。
【0094】
遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
【0095】
ART抽選結果コマンドは、ART抽選または上乗せ抽選に当選したか否か、当選したARTのゲーム数または上乗せされるゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、ART抽選または上乗せ抽選が行われたゲームにおいて内部当選コマンドの送信後に送信される。
【0096】
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
【0097】
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
【0098】
停止操作時コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
【0099】
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
【0100】
入賞判定コマンドは、入賞の有無、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
【0101】
遊技終了コマンド、入賞判定コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
【0102】
本実施形態におけるスロットマシン1では、メイン制御部41により、ATに制御可能となっている。
【0103】
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、当選したナビ報知役の当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を報知するとともに、当該当選番号に基づいて遊技者にとって有利となる停止順を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、液晶表示器51等を用いたナビ演出を実行させる。また、本実施形態においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
【0104】
本実施形態における遊技状態には、RT0〜4、RB、BB(RB)がある。RT0〜4、RB、BB(RB)のうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜4のうちRT0、2、4は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、2、4のうちRT0、2は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT4に比較して高い点において、RT4よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT2は、後述のARTのゲーム数が上乗せされる可能性が高い点においてRT0よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
【0105】
また、本実施形態におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0〜2であるときに、メイン制御部41により、ATに制御可能となっている。
【0106】
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じた報知対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド、押し順コマンドを送信することで、サブ制御部91によるナビ演出を実行させる。
【0107】
本実施形態のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1−−」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、スピーカ53、54を用いたものに限らず、演出効果LED52、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
【0108】
本実施形態においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合にARTに制御するか否かを決定するART抽選を行う。そして、メイン制御部41は、ART抽選に当選し、前兆期間が終了することでARTに制御する。
【0109】
ARTに制御する場合には、まずATに制御する。ATの制御を開始した後、RT0へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。
【0110】
また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなる。
【0111】
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となる前に抽選条件が成立した場合にARTのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。そして、上乗せ抽選に当選した場合には、ARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数をARTの残りゲーム数に加算する。
【0112】
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となる前に抽選条件が成立した場合に、ART中よりもARTのゲーム数が上乗せされる確率が高まる上乗せ状態に移行するか否かを決定する上乗せ状態抽選を行う。
【0113】
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT2の終了によりARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断する。ART中に特別役が当選したときには、特別役が入賞するまで押し順ベルが当選してもナビ報知がされないようになっている。
【0114】
ART中に特別役が当選し、ARTが中断した場合には、その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT3において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT0に再度移行することでARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。
【0115】
また、RT2は、ARTのゲーム数が上乗せされる可能性が高い点においてRT0よりも遊技者にとって有利な構成、すなわち遊技者にとって有利な特典が付与される可能性が高い点において遊技者にとって有利な構成であるが、例えば、特定の役の当選確率が高い点、特定の役の入賞確率が高い点、メダルの払出率が高い点において遊技者にとって有利な構成でも良い。
【0116】
ここで遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
【0117】
次に、メイン制御部41が行う内部当選コマンド送信処理の制御内容について説明する。
【0118】
本実施形態では、抽選対象役の種類毎に当選番号が予め割り当てられており、持ち越されることがある抽選対象役、すなわち特別役の種類毎の当選番号が設定された特別役当選番号テーブルと、持ち越されることがない抽選対象役、すなわち一般役の種類毎の当選番号が設定された一般役当選番号テーブルとがROM41bの所定領域に格納されている。
【0119】
図6に示すように、特別役当選番号テーブルでは、いずれの特別役も当選していない場合すなわち、はずれの当選番号は、「0」が、BBの当選番号は、「1」が、RBの当選番号は、「1」が割り当てられている。
【0120】
また、
図7に示すように、一般役当選番号テーブルでは、抽選対象役毎に当選番号が割り当てられている。図示するように、特別役当選番号テーブル及び一般役当選番号テーブルでは、内部抽選の抽選対象役と当選番号とが対応して設定されている。
【0121】
本実施形態では、メイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、内部抽選処理を実行し、内部抽選にて特別役及び一般役のうちいずれかの役が当選している場合には、当選が判定された抽選対象役に対応する当選番号をRAM41cの所定領域に設定し、いずれの役も当選していない場合には、はずれに対応する当選番号をRAM41cの所定領域に設定する。一般役の当選を示す当選番号は1ゲーム終了毎にクリアされる一方で、特別役の当選を示す当選番号は当選した特別役が入賞されるまで維持され、当選した特別役が入賞することでクリアされる。
【0122】
メイン制御部41は、当選番号を設定した後、内部当選コマンド設定処理を実行して、RAM41cの所定領域に設定されている内部当選番号に基づいて第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定し、第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
【0123】
図8に示すように、内部当選コマンド設定処理では、まず、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された特別役の当選番号を取得し(Sf1)、取得した当選番号を、サブ制御部91に対して送信する送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定し(Sf2)、当該送信用当選番号に基づいて第1の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する。メイン制御部41が送信するコマンドは、2バイトで構成され、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの内容)を表すようになっており、メイン制御部41は、第1の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する際に、1バイト目に第1の内部当選コマンドである旨を示すMODEを格納し、2バイト目のEXTに特別役の送信用当選番号を格納する。
【0124】
Sf3のステップにおいて、第1の内部当選コマンドを格納した後には、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された一般役の当選番号を取得し(Sf4)、取得した当選番号が、2未満であるか否か(Sf5)、20未満であるか否か(Sf6)、23未満であるか否か(Sf7)、35未満であるか否か(Sf8)、を順次判定して、取得した当選番号が予め定められた複数の所定範囲のいずれの範囲にあるかを判定する。
【0125】
そして、Sf5のステップにおいて当選番号が2未満であると判定した場合、すなわち当選番号が0または1である場合には、当該取得した当選番号を、サブ制御部91に対して送信する送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf12)。また、Sf5のステップにおいて当選番号が2未満でないと判定し、Sf6のステップにおいて20未満であると判定した場合、すなわち当選番号が2〜19のいずれかである場合には、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に2を設定する(Sf11)。また、Sf6のステップにおいて当選番号が20未満でないと判定し、Sf7のステップにおいて23未満であると判定した場合、すなわち当選番号が20〜22のいずれかである場合には、当該当選番号を、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf12)。また、Sf7のステップにおいて当選番号が23未満でないと判定し、Sf8のステップにおいて35未満であると判定した場合、すなわち当選番号が23〜34のいずれかである場合には、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に23を設定する(Sf9)。また、Sf8のステップにおいて当選番号が35未満でないと判定した場合、すなわち当選番号が35である場合には、当該当選番号を、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf12)。
【0126】
そして、Sf9、Sf11、Sf12のステップにおいて一般役の送信用当選番号をRAM41cの所定領域に設定した後は、当該送信用当選番号に基づいて第2の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する(Sf10)。メイン制御部41は、第2の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する際に、1バイト目に第2の内部当選コマンドである旨を示すMODEを格納し、2バイト目のEXTに一般役の送信用当選番号を格納する。
【0127】
Sf10のステップにおいて第2の内部当選コマンドをコマンドキューに格納した後は、内部当選コマンド設定処理を終了する。
【0128】
このように、本実施形態の内部当選コマンド設定処理では、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された特別役の当選番号を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第1の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。
【0129】
また、本実施形態の内部当選コマンド設定処理では、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された一般役の当選番号が第1の所定範囲(0〜1、20〜22、35)内にある場合には、当該当選番号を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第1の所定範囲(0〜1、20〜22、35)内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて内部抽選による当選番号を特定できるようになっている。
【0130】
一方、当選番号が第2の所定範囲(2〜19)内にある場合には、第2の所定範囲に含まれる一の当選番号(2)を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第2の所定範囲(2〜19)内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて、当選番号が第2の所定範囲(2〜19)の番号のいずれであるかは特定できないようになっている一方で、当選番号が第2の所定範囲(2〜19)内にあることを特定できるようになっている。
【0131】
また、当選番号が第3の所定範囲(23〜34)内にある場合には、第3の所定範囲に含まれる一の当選番号(23)を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第3の所定範囲(23〜34)内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて、当選番号が第3の所定範囲(23〜34)の番号のいずれであるかは特定できないようになっている一方で、当選番号が第3の所定範囲(23〜34)内にあることを特定できるようになっている。
【0132】
本実施形態の内部当選コマンド設定処理において設定された第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンドは、サブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
【0133】
次に、メイン制御部41が行う押し順コマンド送信処理の制御内容について説明する。
【0134】
本実施形態では、ナビ報知によるリールの停止順を識別可能なナビ番号(0〜9)が予め割り当てられ、抽選対象役のうち報知対象役は、その種類毎にナビ番号が予め割り当てられており、抽選対象役の種類毎のナビ番号が設定されたナビ番号テーブルがROM41bの所定領域に格納されている。具体的には、
図9に示すようなナビ番号テーブルに、押し順に応じたナビ番号が設定されている。
【0135】
図7に示すように、ナビ番号テーブルでは、抽選対象役のうち報知対象役について、その種類毎にナビ番号が設定されている。例えば、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4については、「1」が設定されている。また、リプレイGR11〜16については、上述の上乗せ抽選の当選状況に応じてナビ番号が設定されている。なお、抽選対象役のうち報知対象役ではない、通常リプレイ、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベルについては、ナビ番号が設定されていない。
【0136】
本実施形態では、メイン制御部41は、スタート操作が行われたとき、及び各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、RAM41cの所定領域に設定されている一般役の当選番号に応じた押し順コマンドをコマンドキューに設定する押し順コマンド設定処理を実行し、押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
【0137】
具体的には、
図10に示すように、押し順コマンド設定処理では、まず、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された一般役の当選番号を取得した後(Sg1)、RAM41cの所定領域に設定されているナビ報知中であるか否かを示す所定のフラグを参照して、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であるか否かを判定する(Sg2)。Sg2のステップにおいて、ナビ報知が行われる状態でないと判定した場合は、リール2L、2C、2Rの停止状況及び内部抽選の結果に基づいて、入賞ラインLNに停止する役が確定しているか否かを判定し(Sg5)、入賞ラインLNに停止する役が確定していない場合は、標準ナビ番号(本実施形態では、0)を送信用ナビ番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sg6)。
【0138】
一方、Sg2のステップにおいてナビ報知が行われる状態であると判定した場合、またはSg5のステップで入賞ラインLNに停止する役が確定していると判定した場合は、ROM41bの所定領域に記憶されているナビ番号テーブル(
図7参照)を参照して、Sg1のステップで取得した一般役の当選番号に対応するナビ番号を送信用ナビ番号としてRAM41cの所定領域に設定する。
【0139】
Sg3のステップまたはSg6のステップにおいて送信用ナビ番号をRAM41cの所定領域に設定した後は、当該送信用ナビ番号に基づいて押し順コマンドをコマンドキューに格納する(Sg4)。メイン制御部41は、押し順コマンドをコマンドキューに格納する際に、1バイト目に押し順コマンドである旨を示すMODEを格納し、2バイト目のEXTに送信用ナビ番号を格納する。
【0140】
Sg4のステップにおいて押し順コマンドをコマンドキューに格納した後は、押し順コマンド設定処理を終了する。
【0141】
本実施形態の押し順コマンド設定処理において設定された押し順コマンドは、その後、サブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
【0142】
そして、サブ制御部91は、押し順コマンド、上述の第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドに基づいて、メイン制御部41側でナビ報知が行われていることが特定される場合に、ナビ演出を行う。サブ制御部91は、ナビ演出を行う際には、第2の内部当選コマンドに基づいて報知対象役の当選が特定されるとともに、押し順コマンドに基づいてナビ番号が「0」以外であること、すなわち遊技者にとって有利な押し順が標準押し順以外であることが特定される場合に、押し順コマンドに基づいて特定されるナビ番号に応じた停止順を示す停止順画像を液晶表示器51に表示させる。また、ナビ演出では、第2の内部当選コマンドに基づいて入賞する可能性がある役を示唆する画像を液晶表示器51表示する。
【0143】
次に、メイン制御部41が行う入賞判定コマンド送信処理の制御内容について説明する。
【0144】
本実施形態では、特別役及び一般役について入賞役の種類毎に入賞番号(0〜64)が予め割り当てられており、入賞役の種類毎に入賞番号が設定された入賞番号テーブルがROM41bの所定領域に格納されている。
【0145】
図11〜
図13に示すように、入賞番号は、入賞役の種類毎すなわち入賞ラインLNに停止した図柄の組合せ毎に割り当てられている。例えば、上段ベル1の「リプレイa−チェリーa−チェリーa」は、「1」が割り当てられている。
【0146】
本実施形態では、メイン制御部41は、スタート操作が行われた後、全てのリール2L、2C、2Rが停止したときに、各リール2L、2C、2Rに停止された図柄の組合せに応じて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定処理を実行する。入賞判定処理では、各リール2L、2C、2Rについて、入賞ラインLNに入賞役を構成する図柄の組合せが停止しているか否かを判定し、入賞役を構成する図柄の組合せが停止していると判定した場合には、入賞番号テーブルを参照して、停止している入賞役を構成する図柄の組合せに対応する入賞番号をRAM41cの所定領域に設定する一方、入賞役を構成する図柄の組合せが停止していないと判定した場合には、はずれを示す「0」を入賞番号としてRAM41cの所定領域に設定して、入賞判定処理を終了する。
【0147】
そして、メイン制御部41は、入賞判定処理を実行した後、入賞番号を特定可能な入賞判定コマンドをコマンドキューに設定する入賞判定コマンド設定処理を実行する。
【0148】
図14に示すように、入賞判定コマンド設定処理では、入賞判定処理における入賞判定結果に基づいてRAM41cの所定領域に設定された入賞番号を取得し(Sh1)、当該入賞番号に基づいて入賞判定コマンドをコマンドキューに格納して(Sh2)、入賞判定コマンド設定処理を終了する。メイン制御部41は、入賞判定コマンドをコマンドキューに格納する際に、1バイト目に入賞判定コマンドである旨を示すMODEを格納し、2バイト目のEXTに入賞番号を格納する。
【0149】
入賞判定コマンド設定処理において設定された入賞判定コマンドは、サブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
【0150】
本実施形態の入賞判定コマンド設定処理では、入賞判定処理においてRAM41cに設定された入賞番号を、そのまま含む入賞判定コマンドをコマンドキューに設定するので、入賞番号を特定可能な特殊なコマンド等に変換する処理を行うことなく、処理負荷を削減することができる。
【0151】
また、本実施形態では、入賞役の種類毎に入賞番号が割り当てられてROM41bの所定領域に格納されているので、入賞番号を含む入賞判定コマンドを受信したサブ制御部91では、入賞番号に基づいて各リール2L、2C、2Rに停止している図柄の組合せを特定して、演出を実行することが可能となっている。
【0152】
従来のスロットマシンは、遊技の制御を行う遊技制御部と、演出の制御を行う演出制御部とを含む構成であり、遊技制御部は、所定の報知対象役が当選した場合に内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチの操作手順を報知するナビ報知が実行されるATに制御するか否かを決定し、ATに制御する場合に、ナビ報知を実行するとともに、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドを、ATに制御しているか否かに関わらず、演出制御部に対して送信し、演出制御部は、内部当選コマンドに基づいて内部抽選結果を特定し、遊技制御部においてATに制御されている場合には、特定した内部抽選結果に基づいて遊技者にとって有利な操作手順を報知するナビ演出を実行する構成である。
【0153】
このような構成では、演出制御部は、ATに制御しているか否かに関わらず、内部当選コマンドに基づいて遊技者にとって有利となる操作手順を特定可能であるので、演出制御部側に不正がなされることで、遊技制御部においてATに制御する旨が決定されていないにも関わらず、内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な操作手順が特定され、当該操作手順が演出制御部により報知されてしまう可能性がある。
【0154】
これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、内部抽選結果として特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、設定された当該コマンドをサブ制御部91に対して送信可能であり、内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が報知対象役となったときに、報知対象役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定するので、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることなく、ATに制御されているか否かに関わらず、共通の第2の内部当選コマンドを送信するので、第2の内部当選コマンドの送信に係る処理を簡素化できるとともに、サブ制御部91側に不正がなされてもATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
【0155】
次に、音量調整器57について説明する。
図15(a)は、音量調整器57の一例を示す図である。音量調整器57は、音量設定と、省電力設定と、を設定するために操作される操作部である。この音量調整器57は、前面扉1bの内側に設けられているため、遊技者が設定することはできない。音量調整器57では、音量設定については音量調整器57の操作のみで設定される一方、省電力設定については音量調整器57の操作と電源スイッチ39の操作とで設定される。電源スイッチ39の操作とは、スロットマシン1の電源を投入する操作である。
【0156】
本実施形態における省電力制御は、客待ち状態と遊技状態とで行われる。客待ち状態とは、遊技者の操作が検出されない状態が所定期間経過し、かつ遊技者の操作が検出されていない状態である。遊技状態とは、遊技者の操作が検出されない状態が所定期間経過していない状態である。
【0157】
客待ち状態において、省電力制御が行われていない場合は、液晶表示器51にデモ画面(例えば、ムービーや、演出の紹介等)が表示され、リールLED55も照射されている。一方、客待ち状態において、省電力制御が行われている場合は、液晶表示器51に例えば「省電力中」など、デモ画面を表示する場合と比較して消費電力を抑制した画面を表示させ、リールLED55を消灯する。遊技状態で行われる省電力制御は、省電力制御が行われていない場合と比較して、液晶表示器51の明るさを抑える制御である。
【0158】
以上説明した省電力制御例に限るものではなく、通常制御時と比較して消費電力を低下可能な制御であれば、どのような省電力制御であってもよい。なお、近年のスロットマシンには、下パネル(下部パネルとも言われる)にランプや液晶画面が設けられているものもあるため、これらを省電力制御の対象としてもよい。下パネルの省電力制御例として、ランプについては客待ち状態及び遊技状態で消灯し、液晶画面については客待ち状態では何も表示せず、遊技状態では液晶画面の明るさを低減させるなどの制御が挙げられる。
【0159】
音量調整器57には、三角形のツマミと、いずれの設定がなされているかを特定可能な表示部としての目盛が設けられている。目盛には、白丸に音量設定値0〜3が記載された目盛(向かって左側)と、黒丸に音量設定値0〜3が記載された目盛(向かって右側)とがある。白丸の目盛は、省電力制御を設定せず、音量設定のみを設定する場合に用いられる。黒丸の目盛は、省電力制御と音量設定とを設定する場合に用いられる。従って、目盛を確認することで音量調整器57での設定内容を確認することができる。
【0160】
このように、遊技店では、音量調整器57の三角形のツマミを回転させることにより省電力制御の設定と、0〜3の複数の音量設定値のうちのいずれかを設定可能である。音量設定値が異なれば音量も異なり、音量0が最も低く(無音)、音量1、2の順に音量が大きくなり、音量3が最も大きい。なお、以下の説明では、省電力制御が行われていない状態を省電力制御無と表現し、省電力制御が行われている状態を省電力制御有と表現することがある。また、白丸の目盛と音量設定値N(N=0、1、2、3)とをまとめて省電力制御無音量Nと表現し、黒丸の目盛と音量設定値Nも同様に省電力制御有音量Nと表現することがある。
【0161】
図15(b)は、音量調整器57でツマミが目盛にセットされたときに出力される設定音(周波数の組合せ)を示す図である。いずれの目盛にセットされた場合でも、高群と低群の2つの周波数を組み合わせた設定音が出力される。高群の周波数には、1209Hz、1336Hz、1477Hz、1633Hzがある。低群の周波数には、697Hz、770Hzがある。
【0162】
例えば、省電力制御無音量1の場合には、1336Hzと697Hzを組み合わせた設定音が出力され、省電力制御有音量3の場合には、1633Hzと770Hzを組み合わせた設定音が出力される。このように、本実施形態では、音量調整器57の操作により音量設定を変更する設定がなされたときに、変更された旨の報知を、2つの周波数を組合せた設定音を出力することで行う。さらに、省電力制御の有無で低群の周波数が異なるので、省電力制御設定を変更する設定がなされたときにも変更された旨の報知を行うことができる。
【0163】
次に、音量調整器57で変更操作を行った場合の音量と省電力制御の状態について説明する。まず、電断中に変更操作を行った場合について説明する。
図16(a)は、電断中の変更操作後にスロットマシン1を起動したときの状態の変化を示す図である。
図16(a)は、省電力制御の変更操作の有無の各々について2通りの例を示している。また、変更操作前の状態と、変更操作後に起動したときの状態を示している。なお、変更操作前の状態は、電断前の状態、すなわち電断するまでに稼働していたときの状態を示している。
【0164】
省電力制御の変更操作がない場合の2つの例について説明する。
図16(a)には、省電力制御の変更操作がない場合の2つの例として、(A1)省電力制御無音量1から省電力制御無音量2への変更例と、(A2)省電力制御有音量1から省電力制御有音量2への変更例とが示されている。A1とA2のいずれの変更例でも省電力制御の変更操作がないため、省電力制御の状態は当然に変化しない。A1の変更例では、起動後に音量2の状態となり、省電力制御無であることは変わらない。A2の変更例では、起動後に音量2の状態となり、省電力制御有であることは変わらない。
【0165】
次に、省電力制御の設定変更がある場合の2つの例について説明する。
図16(a)には、省電力制御の設定変更がある場合の2つの例として、(B1)省電力制御無音量1から省電力制御有音量2への変更例と、(B2)省電力制御有音量1から省電力制御無音量2への変更例とが示されている。B1の変更例では、起動後に音量2の状態となり、省電力制御有となる。B2の変更例では、起動後に音量2の状態となり、省電力制御無となる。
【0166】
以上より、電断中に変更操作がされた場合には、起動後には変更操作通りの状態となる。これは、電断中の変更操作では、必ず電源スイッチ39が操作されるためである。
【0167】
図16(b)は、稼働中に変更操作し、その後スロットマシン1を起動したときの状態の変化を示す図である。
図16(b)は、省電力制御の変更操作の有無の各々について2通りの例を示している。また、
図16(b)の例では、稼働中に変更操作されるが、その変更操作前の状態と、変更操作後の状態と、その後再起動したときの状態を示している。
【0168】
省電力制御の変更操作がない場合の2つの例について説明する。
図16(b)には、省電力制御の変更操作がない場合の2つの例として、(C1)省電力制御無音量1から省電力制御無音量2への変更例と、(C2)省電力制御有音量1から省電力制御有音量2への変更例とが示されている。C1とC2のいずれの変更例でも省電力制御の変更操作がないため、省電力制御の状態は当然に変化しない。C1の変更例では、変更操作後に音量2の状態となり、省電力制御無であることは変わらない。その後、再起動を行っても、音量2の状態で、省電力制御無であることは変わらない。C2の変更例では、変更操作後に音量2の状態となり、省電力制御有であることは変わらない。その後、再起動を行っても、音量2の状態で、省電力制御有であることは変わらない。このように、C1とC2のいずれの変更例においても、稼働中に音量の変更操作が行われると、電源スイッチ39が操作が行われなくても変更操作後の音量に変更される。すなわち、スロットマシン1の稼働中に、いつでも音量を変更することができる。
【0169】
次に、省電力制御の設定変更がある場合の2つの例について説明する。
図16(b)には、省電力制御の設定変更がある場合の2つの例として、(D1)省電力制御無音量1から省電力制御有音量2への変更例と、(D2)省電力制御有音量1から省電力制御無音量2への変更例とが示されている。
【0170】
D1の変更例では、変更操作後に音量2の状態となるが、電源スイッチ39が操作されていないため、省電力制御は変更されず、省電力制御無のままとなる。その後、電源スイッチ39が操作され、再起動を行うことで、音量2の状態で、省電力制御有となる。D2の変更例では、変更操作後に音量2の状態となるが、電源スイッチ39が操作されていないため、省電力制御は変更されず、省電力制御有のままとなる。その後、電源スイッチ39が操作され、再起動を行うことで、音量2の状態で、省電力制御無となる。このように、D1とD2のいずれの変更例においても、稼働中に音量の変更操作が行われると、電源スイッチ39が操作が行われなくても変更操作後の音量に変更される。すなわち、スロットマシン1の稼働中に、いつでも音量を変更することができる。
【0171】
以上より、稼働中に変更操作が行われた場合、省電力制御の変更操作が行われたか否かに関わらず、音量については変更操作後に変更される。例えば、AT中や、上述した各遊技状態RT0〜4、RB、BB(RB)に関わらず、音量については変更操作後に変更される。一方、稼働中に省電力制御の変更操作が行われた場合、稼働中には変更されず、電源スイッチ39が操作され、再起動を行うことで、変更操作に対応する省電力制御に変更される。なお、
図16の例では、音量1から音量2に変更する例を示したが、音量1から音量3や、音量3から音量1など、どのような変更であっても
図16に示した制御が行われる。
【0172】
本実施形態によれば、音量調整器57の操作と電源スイッチ39の操作とで省電力制御設定が設定されるため、利便性を確保しつつ、誤設定を抑止可能となる。具体的には、まず音量調整器57の操作のみで設定されないため、音量調整器57の操作のみで設定可能な場合と比較して誤設定を抑止できる。そして、遊技店閉店後に店員が電源スイッチ39を操作する際に音量調整器57を確認可能なため、その時点で誤設定があればそれを発見することができる。このように、本実施形態によれば、2段階の抑止作用があるため、音量調整器57の操作のみで設定可能な場合と比較して、より確実に誤設定を抑止することができる。
【0173】
本実施形態では、電源スイッチ39の操作によりサブ制御部91起動が起動されると、音量設定と省電力設定とが設定される。この設定タイミングについて説明する。
図17は、設定タイミングを示す図である。サブ制御部91が起動すると(S1)、メイン制御部41からコマンドを受信する前に実行される初期化処理のタイミングで音量設定と省電力設定とをRAM91cに設定する(S2)。その後、メイン制御部41から復帰コマンド、設定コマンド、及びRAM異常コマンドのいずれかのコマンドを受信する(S3)。
【0174】
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。
図17の設定コマンドは、設定変更状態の開始を示すコマンドである。RAM異常コマンドは、RAM41cデータが正常でないことを示すコマンドである。RAM異常の場合、メイン制御部41は、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
【0175】
復帰コマンドを受信した場合、サブ制御部91は、遊技の開始が可能であることから、デモ画面を液晶表示器51に表示する。設定コマンドを受信した場合、サブ制御部91は、設定変更中であることを示す設定変更画面を液晶表示器51に表示する。RAM異常コマンドを受信した場合、サブ制御部91は、RAM異常が発生したことを示すRAM異常画面を液晶表示器51に表示する。
【0176】
このように、本実施形態では、電源スイッチ39が操作されたことによる電源投入時に設定変更やRAM異常などの特定条件が成立している場合、液晶表示器51に設定変更画面やRAM異常画面を表示する特定状態で起動するとともに、特定状態で起動する場合も省電力設定が設定される。このような構成によれば、特定状態での起動時にも省電力設定が設定されるという効果が得られるが、さらにソフトウェアの設計面における効果も得られる。
【0177】
具体的に、本実施形態ではメイン制御部41からコマンドを受信する前に設定を行うため、メイン制御部41のコマンドに依存しないことから、種々のメイン制御部に適用可能な汎用的なソフトウェアが得られるという効果である。また、メイン制御部41からコマンド受信前に設定せずに、メイン制御部41からコマンド受信後に設定した場合、それぞれのコマンドで分岐した後に設定処理をコールするコードが組み込まれるため、プログラムサイズや必要となるスタック領域が増大する。サブ制御部91は、メイン制御分41と比較して、多くのハードウェア資源を利用することが出来るとは言っても、プログラムサイズが小さい方がよいことは言うまでもない。また、コマンドで分岐した後に設定処理をコールすると、デバッグ作業において、それぞれの分岐後の設定処理内容を検証する必要があるため、デバッグ作業も増加し、開発コストも増大することとなる。このように、本実施形態によれば、ソフトウェアの設計面においても様々な効果が得られる。
【0178】
以上説明した実施形態では、スロットマシンを例に説明したが、パチンコにおいても、音量設定、及び省電力設定が可能であり、電源スイッチ39が設けられているため、パチンコに
図15(a)に示した音量調整器57を備えることで、本実施形態をパチンコにも適用することができる。
【0179】
[精算操作に基づく初期化]
次に、演出設定の精算操作に基づく初期化について説明する。
図18で説明する演出設定には、音量の設定だけではなく、液晶表示器51と演出効果LED52の光量の設定が含まれる。
【0180】
図18は、精算操作に基づく初期化について説明するためのタイミングチャートである。
図18に示すタイミングチャートには、遊技者によって精算操作がされたタイミングを示すラインと、メイン制御部41によって精算コマンドが出力されたタイミングを示すラインと、デモ状態に制御されたタイミングおよびその期間を示すラインと、演出設定がカスタムおよびデフォルトのいずれであるかを示すラインとが含まれる。さらに、デモ状態に制御されたタイミングおよびその期間を示すライン、および演出設定がカスタムおよびデフォルトのいずれであるかを示すラインは、それぞれ非リプレイ入賞時の場合、すなわちBETなし(賭数設定なし)の状態と、リプレイ入賞時の場合、すなわちBETあり(賭数設定あり)の状態とに分けられる。
【0181】
図18に示すように、タイミングt1で精算操作されたときには、まだ遊技者が入れ替わらない可能性があるため、リプレイ入賞の有無にかかわらず演出設定は初期化されない。その後、タイミングt2では、メイン制御部41からサブ制御部91に精算コマンドが出力される。
【0182】
非リプレイ入賞時においてはBETがないため、メイン制御部41から精算コマンドが出力されると、タイミングt3でサブ制御部91によってデモ状態に制御される。デモ状態は、再び賭数が設定されるまで制御され続ける。そして、デモ演出が3周するタイミングt6になると、演出設定の初期化が行われる。
【0183】
一方、リプレイ入賞時においてはBETがあるため、メイン制御部41から精算コマンドが出力されても、タイミングt3でサブ制御部91によってデモ状態に制御されない。さらに、その後においてもBETがある限りデモ状態に制御されず、初期化も行われない。
【0184】
このように、本実施の形態においては、遊技者によって精算操作が行われたタイミングt1では音量設定を含む演出設定の初期化が行われずに、精算コマンドが出力されてからデモ状態が3周(約3分間)経過後のタイミングt6で初期化が行われる。このため、精算操作後に遊技者が入れ替わらない場合であっても、精算コマンドが出力されてからデモ状態が3周(約3分間)経過するまでは演出設定を維持することができ、精算操作を行った遊技者に不満を与えることがない。
【0185】
リプレイ入賞が発生しているときには、遊技者によって精算操作が行われてもデモ状態に制御されない。その結果、タイミングt6になっても音量設定を含む演出設定の初期化が行われない。このため、リプレイ入賞が発生しているときのように精算操作後に遊技者が入れ替わらない可能性がある場合には、演出設定を維持することができる。一方、リプレイ入賞が発生していないときには、遊技者によって精算操作が行われてデモ状態が3周(約3分間)経過したタイミングt6で初期化が行われる。このため、リプレイ入賞が発生していないときのように精算操作後に遊技者が入れ替わる可能性がある場合には、初期化を行うことができる。このように、遊技者によって行われた演出設定を好適に初期化することができる。
【0186】
リプレイ入賞が発生しているときのように精算操作後に遊技者が入れ替わらない可能性がある場合には、遊技者によって精算操作が行われてタイミングt5になった以降であっても演出設定が維持されるため、遊技者は、再び演出設定を行うことなく遊技を続けることができる。
【0187】
初期化が行われたときには、遊技者によって行われた演出設定が、遊技店の店員によって行われた演出設定に変更される。より具体的には、初期化によって、遊技者による操作に基づき設定された音量の段階や光量の段階の値が、店員による操作に基づき設定された音量の段階や光量の段階のデフォルト値に戻される。このため、初期化が行われたときには、店員が所望する通りに演出に関する設定を行うことができる。
【0188】
また、本実施の形態においては、店員による操作によって演出設定が行われたときには、遊技者によって行われた演出設定が、遊技店の店員によって行われた演出設定に変更される。より具体的には、店員による操作によって演出設定が行われたときには、遊技者による操作に基づき設定された音量の段階や光量の段階の値が、店員による操作に基づき設定された音量の段階や光量の段階のデフォルト値に戻される。このため、店員による操作によって演出設定が行われたときには、店員が所望する通りに演出に関する設定を行うことができる。
【0189】
[変形例]
メイン制御部41がコマンドを送信するための処理の変形例について説明する。
【0190】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時においては、当該ゲームの開始に伴い各種の制御状態(例えば、遊技状態やナビ報知が実行される状態か否か等)を更新し、更新された制御状態に基づいてゲームに関する制御(例えば、内部抽選やナビ報知、遊技者にとって有利な有利状態に関する抽選等)を行い、当該ゲームの終了時においては、当該ゲームの結果(例えば、各リールに停止した図柄の組合せ、有利状態に関する抽選の結果)に応じて各種の制御状態を維持または更新する。また、ゲームの開始時及び終了時に、その時点における各種の制御状態を特定可能な制御状態コマンドをサブ制御部91に対して送信する。なお、制御状態には、スロットマシン1の機種毎の遊技性や設計思想等に応じて固有に設定される複数種類の状態が含まれており、制御状態コマンドの個数は、当該制御状態の種類数に応じて設定されるようになっている。
【0191】
図19に示すように、制御状態を特定可能な制御状態コマンドは、制御状態のうち、一単位のゲームの開始時とゲームの終了時とで内容が変化し得る制御状態を特定可能な制御状態コマンド1と、当該ゲームに固有であり、ゲームの開始時とゲームの終了時とで内容が変化することのない制御状態を特定可能な制御状態コマンド2と、を含む。
【0192】
制御状態コマンド1には、メイン制御部41での遊技状態に関連する制御状態を特定可能な複数の遊技状態関連コマンドと、AT中すなわち遊技者にとって有利な有利状態としてATの制御が行われていることに関連する制御状態を特定可能な複数のAT関連コマンドAと、非AT中すなわちATの制御が行われていないことに関連する制御状態を特定可能な複数のAT関連コマンドBと、が含まれ、制御状態コマンド2には、当該ゲームに固有な制御状態を特定可能な複数のゲーム内固有情報コマンドが、含まれる。
【0193】
また、遊技状態関連コマンドには、例えば、メイン制御部41での遊技状態を特定可能なコマンド、遊技状態が所定数のゲームが行われることに伴い移行されるものである場合に、当該ゲームで制御されている遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数を特定可能なコマンド、遊技状態が所定の枚数のメダルが払出されることで移行されるものである場合に、当該ゲームで制御されている遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数を特定可能なコマンド等が、含まれる。
【0194】
また、AT関連コマンドAには、例えば、遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御される権利の数を特定可能なコマンド、当該ゲームで制御されているATの制御が継続される残りのゲーム数を特定可能なコマンド等が、含まれる。
【0195】
AT関連コマンドBには、例えば、前のATの制御が終了された後からATの制御が行われていない通常状態で行われる通常ゲームの累積数を特定可能なコマンド、通常状態行われた通常ゲーム数が所定ゲーム数に達することで遊技者にとって有利な有利状態に制御される場合に、有利状態に制御されるまでの残りのゲーム数を特定可能なコマンド、ATに制御される権利が付与され当該ATの制御が開始されるまでの残りゲーム数の等が、含まれる。
【0196】
ゲーム内固有情報コマンド群には、例えば、遊技者にとって有利な有利状態としてATに制御される権利を付与するか否かを決定するAT抽選の当選状況を特定可能なコマンド、ATに制御されるゲーム数の上乗せ状況を特定可能なコマンド、ゲームの開始時に内部抽選の結果に応じて決定される遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンド、ゲームの開始時に内部抽選結果に応じて決定される演出(例えば、遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態、当該フリーズ状態においてリールを用いて行うリール演出、内部抽選結果を示唆する演出等)の種類を特定可能なコマンド、含まれる。
【0197】
上述したように、本実施例のメイン制御部41がサブ制御部91に対して送信する一のコマンドは、1バイト目(MODE)はコマンドの分類を表し、2バイト目(EXT)はコマンドの内容を表すようになっている。制御状態コマンドに含まれる各コマンドについても、他のコマンドと同様に2バイトで構成されており、特に、
図19に示すように、制御状態コマンドに含まれる一連の各コマンドのMODEは、送信される順番に対応する連続した数値(本実施例では、B0〜CF)に設定されている。
【0198】
また、制御状態コマンドに含まれる各コマンドにおいてEXTとしてサブ制御部91に送信されることとなる具体的なコマンドの内容を示すデータは、各データに対応するRAM41cの所定のデータアドレスの領域に設定されるようになっており、各データのデータアドレスは、MODEの値と同様に、送信される順番に対応する連続する数値となるように設定されており、初期値(制御状態コマンドのうち最初に送信されるコマンドのデータアドレス)から順次加算処理(1を加算する処理)を行うことにより得られるようになっている。
【0199】
次に、本実施例のメイン制御部41が実行するコマンドを送信するための処理であって、ゲームの開始時に実行するゲーム開始時送信コマンド設定処理について説明する。
【0200】
メイン制御部41は、ゲームのスタート操作が行われたときに、当選番号設定処理を実行し、内部抽選の結果に応じて内部抽選の当選状況を特定可能な当選番号をRAM41cの所定領域に設定した後、停止順データ設定処理を実行して、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定できる停止順データまたは遊技者にとって有利な停止順を特定できないが標準押し順(例えば、左第1停止)を特定できる停止順データをRAM91cの所定領域に設定する。その後、ゲーム開始時送信コマンド設定処理を実行して、当該ゲームの開始時における制御状態を特定可能な制御状態コマンド、内部抽選結果を特定可能な当選番号を含む内部当選コマンドを、サブ制御部91に対して送信するためにコマンドキューに設定する。
【0201】
図20に示すように、ゲーム開始時送信コマンド設定処理では、まず、ゲームが開始されることに伴って複数の制御状態のうち該当する制御状態を更新する制御状態更新処理を実行する(Sa1)。制御状態更新処理では、制御状態のうち、例えば、遊技状態、所定の遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数、所定の遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数、通常ゲームの累積数等、前回のゲームの結果により定められている制御状態については、更新することなく維持する。
【0202】
Sa1のステップにおいて制御状態更新処理を実行した後には、各制御状態を特定可能な制御状態コマンドに含まれる上述のコマンド群を一括してコマンドキューに設定する制御状態コマンド一括設定処理を実行する(Sa2)。
【0203】
図21に示すように、制御状態コマンド一括設定処理では、RAM41cの所定領域に設定されているMODEの値を、初期値(本実施例では、制御状態コマンドに含まれる遊技状態関連コマンドのMODEであるB0)に設定する(Sb1)。また、RAM41cの所定領域に設定されているデータアドレスの値を、初期値(遊技状態関連コマンドのデータが記憶されている領域のアドレスの値)に設定する(Sb2)。また、RAM41cの所定領域に設定されている処理回数の値を、制御状態コマンド群に含まれるコマンドの個数に設定する(Sb3)。
【0204】
その後、タイマ割込を禁止に設定して(Sb4)、タイマ割込を禁止した状態で、RAM41cの所定領域のMODEをコマンドキューに設定する(Sb5)。そして、データアドレスの値に対応するアドレスのRAM41cの領域に記憶されているデータを取得し、RAM41cの所定領域にEXTとして設定して(Sb6)、当該EXTをコマンドキューに設定する(Sb7)。
【0205】
その後、タイマ割込待ち処理を実行する(Sb8)。タイマ割込待ち処理では、タイマ割込を許可に設定して、タイマ割込処理(メイン)が行われるまで待機し、タイマ割込処理(メイン)が終了した後に呼び出し元の処理に戻る。タイマ割込処理(メイン)では、当該タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に通常時コマンド送信処理を実行して、コマンドキューに設定されているデータ(コマンドを構成するMODE及びEXT)を1バイトずつサブ制御部91に対して送信するようになっている。よって、Sb8のステップにおいてタイマ割込待ち処理が実行されることで、通常コマンド送信処理が実行されることとなり、Sb5及びSb7のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTのうち先に設定されたMODEが、コマンドの1バイト目としてサブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0206】
Sb8のステップにおけるタイマ割込待ち処理が終了した後には、再びタイマ割込待ち処理を実行する(Sb9)。これにより、タイマ割込処理(メイン)において実行される通常コマンド送信処理により、Sb5及びSb7のステップにおいてコマンドキューに設定されたMODE及びEXTのうち後に設定されたEXTが、コマンドの2バイト目としてサブ制御部91に対して送信されることとなり、Sb8及びSb9のステップによる2回のタイマ割込待ち処理が実行されることにより、一のコマンドを構成する1組のMODE及びEXTがサブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0207】
その後、RAM41cの所定領域のMODEの値に1加算し(Sb10)、RAM41cの所定領域のデータアドレスの値に1加算する(Sb11)。そして、RAM41cの所定領域の処理回数の値を1減算し(Sb12)、減算後の残りの処理回数の値が0であるか否かを判定して(Sb13)、制御状態コマンド群の全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定したか否かを判定する。
【0208】
Sb13のステップにおいて残りの処理回数の値が0でないと判定した場合、すなわち制御状態コマンド群の全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定しておらず、未だコマンドキューに設定していないコマンドが残っている場合には、Sb4のステップに戻り、再びタイマ割込を禁止に設定した状態で、Sb5〜Sb7のステップの処理を行った後にSb10及びSb11のステップの処理を実行することで、未だコマンドキューに設定していないコマンドのMODE及びEXTをコマンドキューに順次設定する処理を繰り返し行う。
【0209】
そして、Sb13のステップにおいて残りの処理回数が0であると判定した場合、すなわち制御状態コマンド群に含まれる全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した場合には、制御状態コマンド一括設定処理を終了させて、呼び出し元のゲーム開始時コマンド送信処理に戻る。
【0210】
ゲーム開始時コマンド送信処理では、Sa2のステップにおける制御状態コマンド一括設定処理が終了した後に、内部当選コマンド設定処理(第1の内部当選コマンド)を実行して(Sa3)、内部抽選結果に基づいて特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定する。その後、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定するコマンド送信処理を実行する(Sa4)。
【0211】
コマンド設定処理では、
図22に示すように、タイマ割込を禁止に設定し(Sc1)、RAM41cの所定領域のMODEをコマンドキューに設定した後、RAM41cの所定領域のEXTをコマンドキューに設定する(Sc2)。そして、Sc1のステップにおいて設定したタイマ割込の禁止を解除し(Sc3)、当該コマンド設定処理を終了して、ゲーム開始時送信コマンド設定処理に戻る。
【0212】
Sa4のステップにおけるコマンド設定処理が終了した後、ゲーム開始時送信コマンド設定処理では、内部当選コマンド設定処理(第2の内部当選コマンド)を実行して(Sa5)、内部抽選結果に基づいて一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定する。その後、コマンド送信処理を実行し(Sa6)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。Sa6のステップのコマンド設定処理においてコマンドキューに設定された第2の内部当選コマンドのMODE及びEXTは、Sa4におけるコマンド設定処理の場合と同様に、その後割込の行われる所定のタイミングでタイマ割込処理(メイン)において通常コマンド送信処理が実行されることで、サブ制御部91に対して送信されることとなる。
【0213】
Sa6のステップにおいて内部当選コマンド設定処理(第2の内部当選コマンド)に対応するコマンド設定処理を実行した後、当該コマンド設定処理を終了させ、ゲーム開始時送信コマンド設定処理を終了させる。その後は、スタート操作が行われたことに伴いリール2L、2C、2Rの回転制御を行うなどゲームの進行状況に応じた制御を行う。
【0214】
メイン制御部41は、ゲーム開始時送信コマンド設定処理において、制御状態コマンド一括設定処理を実行してスロットマシン1の機種毎に固有に設定され得る制御状態コマンドを全て送信させた後に、内部当選コマンド設定処理を実行してスロットマシン1の機種に関わらず共通して送信される内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信させ、その後、ゲームの進行状況に応じた制御を行うようになっているので、共通の内部当選コマンドが送信されたことに基づいてゲームの進行状況に応じた制御が開始されることを特定させることができるようになっている。これに対して、サブ制御部91は、共通の内部当選コマンドを受信することで、メイン制御部41側において、その後、ゲームの進行状況に応じた制御が行なわれることを特定し、その制御に応じた演出等の制御を開始させることができるようになっている。
【0215】
次に、本実施例のメイン制御部41がゲームの終了時に所定のコマンドを送信するための処理について、
図23に基づいて説明する。
【0216】
メイン制御部41は、ゲームのスタート操作に伴い回転制御が開始されたリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき(第3停止の操作のストップスイッチが離されたとき)、すなわちゲームの終了時に、上述の制御状態コマンド及びゲームの結果に関連するコマンドをサブ制御部91に対して送信するためにコマンドキューに設定するゲーム終了時送信コマンド設定処理を実行する。
【0217】
図23に示すように、ゲーム終了時送信コマンド設定処理では、まず、ドア開放検出スイッチ25の出力状態に基づいてドアコマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後(Sd1)、コマンド送信処理を実行して(Sd2)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。
【0218】
その後、制御状態更新処理を実行して(Sd3)、ゲームが終了すること及びゲームの結果に基づいて該当する制御状態を更新する。制御状態更新処理では、制御状態のうち、リール2L、2C、2Rに停止した図柄の組合せ、すなわちゲームの結果に応じて変化し得る制御状態、例えば、遊技状態、所定の遊技状態が終了するまでの残りのゲーム数、ATに制御される権利の数等については、当該ゲームの結果に応じて更新または維持し、所定の状態においてゲームが行われたことに伴い変化する制御状態、例えば、所定の遊技状態が終了するまでの残りのメダルの枚数、通常ゲームの累積数、ATに制御される残りゲーム数等については、該当する状態でゲームが行われたことに応じて1減算させるように更新または減算させることなく維持し、ゲームの結果や所定の状態でゲームが行われたことに関わらず変化することがない制御状態、例えば、AT抽選の当選状況、遊技者にとって有利な停止順、演出の種類等については変更することなく維持するように制御する。
【0219】
Sd3のステップにおいて制御状態更新処理を行った後は、上述の制御状態コマンド一括設定処理を行い(Sd4)、Sd3のステップにおいて更新または維持された制御状態を特定可能な制御状態コマンド1及び制御状態コマンド2をサブ制御部91に対して送信させる。
【0220】
その後、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せに基づいてRAM41cの所定領域に設定された入賞番号を取得し、当該入賞番号に基づいて入賞番号コマンドのMODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後(Sd5)、コマンド送信処理を実行して(Sd6)、RAM41cの所定領域のMODE及びEXTをコマンドキューに設定する。その後、Sd5及びSd6のステップにおいて入賞番号コマンドをコマンドキューに設定するのと同様にして、ゲームの終了に伴い送信する所定のコマンド(例えば、払出枚数コマンド、遊技終了コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、エラーコマンド等)について、MODE及びEXTをRAM41cの所定領域に設定した後に、コマンド送信処理を実行して、MODE及びEXTをコマンドキューに設定する。そして、ゲームの終了に伴い送信する全てのコマンドについてMODE及びEXTをコマンドキューに設定した後には、当該ゲーム終了時送信コマンド設定処理を終了させる。その後は、ゲームの結果に応じてメダルの払出しや再遊技の設定を行うなどゲームの進行状況に応じた制御を行う。
【0221】
このように、本実施例のメイン制御部41は、第2のタイミングとしてリール2L、2C、2Rについて第3停止の操作が終了されたとき、すなわちゲームの終了時に、制御状態コマンド一括設定処理を実行して、制御状態コマンドに含まれる複数のコマンドをサブ制御部91に対して送信させるようになっている。
【0222】
また、本実施例のメイン制御部41は、ゲーム終了時送信コマンド設定処理において、制御状態更新処理を実行して、ゲームの終了に伴い変化し得る制御状態を更新または維持する制御を行った後に、制御状態コマンド一括設定処理を実行することで、制御状態コマンド一括設定処理では制御状態更新処理により更新または維持された制御状態を特定可能な制御状態コマンドを送信させるようになっている。
【0223】
また、メイン制御部41は、ゲーム終了時送信コマンド設定処理において、制御状態コマンド一括設定処理を実行してスロットマシン1の機種毎に固有に設定され得る制御状態コマンドを全て送信させた後に、入賞番号コマンド等のスロットマシン1の機種に関わらず共通して送信されるコマンドをサブ制御部91に対して送信させ、その後、ゲームの進行状況に応じた制御を行うようになっているので、入賞番号コマンド等の共通のコマンドが送信されたことに基づいてゲームの進行状況に応じた制御が開始されることを特定させることができるようになっている。これに対して、サブ制御部91は、共通のコマンドを受信することで、メイン制御部41側において、その後、ゲームの進行状況に応じた制御が行なわれることを特定し、その制御に応じた演出等の制御を開始させることができるようになっている。
【0224】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。
【0225】
[遊技機について]
上記の実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0226】
また、本発明の遊技機は、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものでなく、例えばメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得る遊技機も本発明の遊技機に含まれるものである。
【0227】
また、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。また、本実施の形態では、リール2L、2C、2Rは縦方向に回転するリールであるが、リール2L、2C、2Rは横方向や斜め方向など、どの方向に回転するリールであってもよい。
【0228】
また、本実施の形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
【0229】
また、本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
【0230】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0231】
(1) 遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、スロットマシン1等)であって、第1設定(例えば、音量設定等)と、第2設定(例えば、省電力制御設定等)と、を設定するために操作される一の操作部(例えば、音量調整器57等)を備え、前記第1設定については前記一の操作部の操作のみで設定される一方、前記第2設定については前記一の操作部の操作と他の操作部(例えば、電源スイッチ39)の操作とで設定されることを特徴とする遊技機。
【0232】
このような構成によれば、利便性を確保しつつ、誤設定を抑止可能な遊技機を提供することができる。
【0233】
(2) (1)の遊技機において、前記第1設定は音量設定であり、前記第2設定は省電力制御設定である。
【0234】
このような構成によれば、音量設定が設定されたときに、省電力制御設定が誤設定されることを抑止することができる。
【0235】
(3) (1)または(2)の遊技機において、前記一の操作部の操作により前記第1設定を変更する設定がなされたときに変更された旨の報知(例えば、
図15(b)に示される設定音での報知)を行う。
【0236】
このような構成によれば、第1設定が変更されたことが分かりやすい。
【0237】
(4) (3)の遊技機において、前記他の操作部は遊技機に電源を投入するための操作部である。
【0238】
このような構成によれば、第2設定を設定するためには電源投入が必要となる。
【0239】
(5) (1)から(3)のいずれかの遊技機において、前記他の操作部が操作されたことによる電源投入時に特定条件(例えば、設定変更やRAM異常などの状態等)が成立している場合、特定状態(設定変更画面を表示する状態、RAM異常画面を表示する状態等)で起動するとともに、前記特定状態で起動する場合も前記第2設定が設定される(例えば、
図17のS2で設定等)。
【0240】
このような構成によれば、特定状態での起動時にも第2設定が設定される。
【0241】
(6) (1)から(4)のいずれかの遊技機において、前記一の操作部には、いずれの設定がなされているかを特定可能な表示部(例えば、
図15(a)の目盛等)が設けられている。
【0242】
このような構成によれば、表示部を確認することで一の操作部での設定内容を確認することができる。
【0243】
(7) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機(たとえば、スロットマシン1)において、遊技者所有の遊技用価値(例えば、クレジット等)を記憶する遊技用価値記憶手段(例えば、メイン制御部41のRAM41c等)と、遊技者による設定操作に基づき音量に関する設定である音量設定(例えば、第2音量段階の設定等)を行う音量設定手段(例えば、遊技者側設定スイッチ70等)と、遊技者による精算操作に基づき前記遊技用価値記憶手段に記憶された遊技用価値を精算する精算手段(例えば、精算スイッチ10等)と、遊技者によって前記精算操作が行われたことを特定可能な精算コマンドを出力する精算コマンド出力手段(例えば、メイン制御部41によるコマンドを出力する処理等)と、前記音量設定手段によって行われた前記音量設定の初期化を行う初期化手段(例えば、サブ制御部91による音量をデフォルト値に戻す初期化処理等)とを備え、前記初期化手段は、遊技者によって前記精算操作が行われたタイミング(例えば、
図18に示すタイミングt1等)では前記初期化を行わない一方で、前記精算コマンド出力手段によって前記精算コマンドが出力されてから所定期間(例えば、
図18に示す非リプレイ入賞時におけるタイミングt3〜t6のデモ3周分の期間等)経過後に前記初期化を行う。
【0244】
このような構成によれば、遊技者入れ替わっていないときにもある程度の猶予期間を残すことができる。
【0245】
(8) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール2L、2C、2R等)を備え、前記可変表示部を変動表示した後に表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機(例えば、スロットマシン1等)において、遊技の制御を行う遊技制御手段(例えば、メイン制御部41)と、遊技制御手段から送信された制御情報(例えば、コマンド等)に基づいて演出を行う演出制御手段(例えば、サブ制御部91等)と、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(例えば、ストップスイッチ8L、8C、8R等)と、前記導出操作手段の操作態様(例えば、停止順等)を識別可能に報知することが可能な操作態様報知手段(例えば、ナビ報知、ナビ演出等)と、を備え、前記遊技制御手段は、表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段(例えば、内部抽選等)と、前記事前決定手段(例えば、内部抽選等)の決定結果が報知(例えば、ナビ報知等)の対象となる報知対象結果(例えば、報知対象役等)となったときに遊技者にとって有利な有利操作態様(例えば、遊技者にとって有利な停止順等)が報知される報知状態(例えば、ナビ報知が実行される状態等)に制御する報知状態制御手段と、前記事前決定手段(例えば、内部抽選等)の決定結果に関する特定制御情報(例えば、第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド等)を前記演出制御手段(例えば、サブ制御部91等)に対して送信する特定制御情報送信手段(例えば、内部当選コマンド設定処理)と、を含み、前記特定制御情報送信手段は、前記報知状態(例えば、ナビ報知が実行される状態等)に制御されているか否かに関わらず、前記事前決定手段(例えば、内部抽選等)の決定結果が前記報知対象結果(例えば、報知対象役等)となったときに、前記報知対象結果となった旨は特定できるが前記有利操作態様(例えば、遊技者にとって有利な停止順等)を特定できない前記特定制御情報(例えば、第2の内部当選コマンド等)を前記演出制御手段に対して送信するようにしてもよい。
【0246】
このような構成によれば、不正が防止されるとともに、処理が簡素化される。
【0247】
(9) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール2L、2C、2R等)を備え、前記可変表示部を変動表示した後に表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能な遊技機(例えば、スロットマシン1等)において、遊技の制御を行う遊技制御手段(例えば、メイン制御部41等)と、遊技制御手段から送信された制御情報(例えば、コマンド等)に基づいて演出を行う演出制御手段(例えば、サブ制御部91等)と、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(例えば、ストップスイッチ8L、8C、8R等)と、前記導出操作手段の操作態様(例えば、停止順等)を識別可能に報知することが可能な操作態様報知手段(例えば、ナビ報知、ナビ演出等)と、を備え、前記遊技制御手段は、表示結果が導出される前に、導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段(例えば、内部抽選等)と、前記事前決定手段(例えば、内部抽選等)の決定結果毎に各々異なる数値(例えば、当選番号等)を設定する数値設定手段と、前記数値設定手段により設定された数値(例えば、当選番号等)に応じて所定制御(例えば、内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等)を行う所定制御手段と、前記事前決定手段(例えば、内部抽選等)の決定結果が報知(例えば、ナビ報知等)の対象となる報知対象結果(例えば、報知対象役等)となったときに遊技者にとって有利な有利操作態様(例えば、遊技者にとって有利な停止順等)が報知される報知状態(例えば、ナビ報知が実行される状態等)に制御する報知状態制御手段と、前記事前決定手段(例えば、内部抽選等)の決定結果に関する特定制御情報(例えば、第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド等)を前記演出制御手段に対して送信する特定制御情報送信手段と、を含み、前記報知対象結果(例えば、報知対象役等)となったときに前記数値設定手段により設定される数値(例えば、当選番号等)として、所定の数値範囲(例えば、2〜19、23〜34等)からなる連続する数値が割り当てられており、前記特定制御情報送信手段は、少なくとも前記報知状態(例えば、ナビ報知が実行される状態等)以外の状態において、前記数値設定手段により設定された数値(例えば、当選番号等)が、前記所定の数値範囲(例えば、2〜19、23〜34等)であるときに、前記報知対象結果(例えば、報知対象役等)となった旨は特定できるが前記有利操作態様(例えば、遊技者にとって有利な停止順等)を特定できない前記特定制御情報(例えば、第2の内部当選コマンド等)を前記演出制御手段(例えば、サブ制御部91等)に対して送信するようにしてもよい。
【0248】
このような構成によれば、不正が防止されるとともに、処理が簡素化される。
【0249】
(10) 遊技を行う遊技機(例えば、スロットマシン1等)において、第1の制御手段(例えば、メイン制御部41等)と、前記第1の制御手段から受信した制御情報に応じて制御を行う第2の制御手段(例えば、サブ制御部91等)と、を備え、前記第1の制御手段(例えば、メイン制御部41等)は、1単位の遊技(例えば、ゲーム等)における第1のタイミング(例えば、ゲームの開始時等)と第2のタイミング(例えば、ゲームの終了時等)を含む複数のタイミング毎に前記第1の制御手段(例えば、メイン制御部41等)の制御状態を特定可能な複数種類の状態制御情報(例えば、制御状態コマンド等)を前記第2の制御手段(例えば、サブ制御部91等)に対して送信する状態制御情報送信手段を含み、前記状態制御情報送信手段が一のタイミングにおいて送信する複数種類の状態制御情報(例えば、制御状態コマンド等)は、第1のタイミング(例えば、ゲームの開始時等)と第2のタイミング(例えば、ゲームの終了時等)で変化しない制御状態(例えば、遊技者にとって有利な停止順等)を特定可能な第1の状態制御情報(例えば、制御状態コマンド2等)と、第1のタイミング(例えば、ゲームの開始時等)と第2のタイミング(例えば、ゲームの終了時等)で変化し得る制御状態(例えば、遊技状態等)を特定可能な第2の状態制御情報(例えば、制御状態コマンド1等)と、を含み、前記状態制御情報送信手段は、複数のタイミングのうちいずれのタイミングにおいても共通の制御(例えば、制御状態コマンド一括設定処理等)にて複数種類の状態制御情報(例えば、制御状態コマンド等)を送信することを特徴としている。
【0250】
このような構成によれば、第1制御手段と第2制御手段での状態を把握しつつ、プログラムを過度に増大させない。