(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
底壁と前記底壁より立設する一対の立設壁に囲まれた部品収容室を有し、前記部品収容室に光源と前記光源から外部間の回路を構成する回路体とバスバーとを収容するハウジングと、
前記ハウジングにロック手段によって装着されて前記部品収容室の開口を塞ぎ、照明取付部材の取付穴に回転で取付けできるカバー側取付部を有するカバーと、
前記ハウジングの部品収容室内に収容されるインナー部材とを備え、
前記ハウジングの一対の前記立設壁には切欠された一対の変形規制用溝が設けられ、前記カバーには前記変形規制用溝に入り込むように突設された一対の変形規制用リブが設けられ、
前記カバーが装着された前記ハウジングを把持し回転させて、前記カバー側取付部を前記取付穴に取付けする際に、前記変形規制用リブから前記変形規制用溝が受けた回転反力を前記変形規制用溝で受けることにより、前記回転反力が一対の前記立設壁を開く方向に作用することを規制し、
前記インナー部材には、前記バスバーの半挿入状態でバスバーに干渉する一対のバスバー抜け防止肩面が設けられることを特徴とする照明ユニット。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態を示し、照明ユニットの分解斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態を示し、(a)は照明ユニットの全体斜視図、(b)は変形規制用溝と変形規制用リブの部位の拡大側面図、(c)は変形規制用溝と変形規制用リブの部位の分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態を示し、(a)は
図2のA−A線断面図、(b)は
図2のB−B線断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態を示し、ハウジングの斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態を示し、ハウジングの一部破断斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態を示し、ハウジングの側面図である。
【
図7】本発明の一実施形態を示し、ハウジングの平面図である。
【
図8】本発明の一実施形態を示し、一対のバスバーの斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態を示し、回路基板の斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態を示し、カバーの斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態を示し、インナー部材の斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態を示し、照明ユニットの組付け過程で、バスバーを把持した状態を示す斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態を示し、照明ユニットの組付け過程で、バスバーをバスバーガイドレール上に載置した状態を示す斜視図である。
【
図14】本発明の一実施形態を示し、照明ユニットの組付け過程で、回路基板が挿入完了位置に位置する状態を示す斜視図である。
【
図15】本発明の一実施形態を示し、照明ユニットの組付け過程で、回路基板が挿入完了位置に位置する状態を示す断面図である。
【
図16】本発明の一実施形態を示し、照明ユニットの組付け過程で、カバーの装着前を示す斜視図である。
【
図17】照明ユニットの取り付け過程で、インナー部材をハウジングに組み付けた状態を示す平面図である。
【
図18】本発明の一実施形態を示し、照明取付部材の取付穴周辺の正面図である。
【
図19】本発明の一実施形態を示し、(a)はカバーの円筒部及びカバー側取付部を取付穴に挿入した状態を示す裏面図、(b)は(a)のD1−D1線断面図である。
【
図20】本発明の一実施形態を示し、(a)は照明ユニットを90度回転し、カバー側取付部が取付穴に取付けられた状態を示す裏面図、(b)は(a)のD2−D2線断面図である。
【
図21】本発明の一実施形態を示し、(a)は照明ユニットの回転取付け時にカバーとハウジング間に作用する力を示す図、(b)は(a)の要部を示す図、(c)は変形規制溝と変形規制リブがない照明ユニットの場合にあって、回転時にカバーとハウジング間に作用する力を示す図である。
【
図22】(a)、(b)は変形例のカバー側取付部を適用したカバーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(全体概略構成)
図1〜
図3に示すように、照明ユニット1は、光源である発光ダイオード2と、発光ダイオード2と外部間の回路を構成する回路体である回路基板3及び一対のバスバー30と、発光ダイオード(LED)2、回路基板3及び一対のバスバー30を収容するハウジング20と、このハウジング20に装着されるカバー50と、ハウジング20内に収容されるインナー部材60とを備えている。以下、各部品の詳細な構成を説明する。
【0014】
(ハウジング)
図4〜
図7等に示すように、ハウジング10は、光を透過させない部材より形成されている。ハウジング10は、概略外形が直方体である。ハウジング10は、部品収容室11とコネクタ嵌合室12を有する。部品収容室11とコネクタ嵌合室12の間には、仕切壁13が設けられている。部品収容室11は、底壁14と一対の立設壁である側壁15と仕切壁13に囲まれており、上面と前面が開口されている。この開口箇所をカバー50が覆う。部品収容室11には、発光ダイオード2と、発光ダイオード2が搭載された回路基板3と、バスバー30とが収容される。
【0015】
部品収容室11の底壁14には、周囲の底面より一段下がった段差によって一対のバスバーガイドレール16が形成されている。一対のバスバーガイドレール16は、部品収容室11の前面側開口より仕切壁13に向かって延びている。部品収容室11の底壁14には、各バスバーガイドレール16の底面側に押圧部進入溝18がそれぞれ形成されている。
【0016】
部品収容室11の一対の側壁15の内面には、ロック手段の一方側である一対のロック用突起20が2箇所に設けられている。各ロック用突起20は、側壁15の内面側を切り欠くことで形成されている。つまり、各ロック用突起20の上面は、他の側壁15の内面と同じ高さである。
【0017】
部品収容室11の一対の側壁15には、2箇所のロック用突起20の間の位置に、一対の変形規制用溝21が1箇所設けられている。各変形規制用溝21は、上面が開口し、側方から見て四角形である。
【0018】
部品収容室11の一対の側壁15には、一対のインナー部材保持溝24が設けられている。各インナー部材保持溝24は、各変形規制用溝21より下方位置に位置し、変形規制用溝21に開口している。
【0019】
仕切壁13には、その中央位置にインナー部材支持台22が設けられている。インナー部材支持台22の後面には、基板位置決め突起26が突設されている。仕切壁13には、その左右位置に一対の端子貫通孔25が設けられている。各端子貫通孔25は、部品収容室11とコネクタ嵌合室12の間を貫通している。又、仕切壁13及び側壁15には、部品収容室11側に突出する一対のバスバー規制壁27が設けられている。
【0020】
ハウジング10の一対の側壁15には、部品収容室11の外面側に一対のキャップ用ロック突起29が設けられている。
【0021】
(バスバー)
図8等に示すように、各バスバー30は、所定形状の導電性金属板を折曲することで形成されている。各バスバー30は、回路基板3に電気的に接続する部位である基板接点部31と、ハウジング10に導かれた外部配線(図示せず)に電気的に接続する部位であるタブ端子32とを有する。基板接点部31は、連結プレート33と連結プレート33を介して互いに間隔を置いて対向配置されたプレート状の固定接点部34とばね接点部35を有する。固定接点部34は、ばね接点部35よりも長く形成されている。固定接点部34の先端には、直角に折曲された押圧片部36が設けられている。押圧片部36の大きさは、押圧進入溝18の断面寸法より少しだけ小さく形成されている。押圧片部36は、その側面と底面が押圧部進入溝18の側面及び底面に近接しつつ移動する。
【0022】
ばね接点部35は、連結プレート33に片持ち支持されている。ばね接点部35の先端は、固定接点部34に向かって湾曲する円弧状に形成されている。ばね接点部35の円弧状の箇所には、固定接点部34に向かって突出するインデント部37が設けられている。
【0023】
ばね接点部35には、突起38が設けられている。バスバー30がハウジング10に収容された位置(バスバー挿入完了位置)では、突起38が仕切壁13のバスバー規制壁27に当接する(
図15参照)。
【0024】
ばね接点部35には、直角に折曲された把持片部39が設けられている。把持片部39は、ハウジング10内への収容姿勢では、部品収容室11の上面開口に向かう方向に立設している。
【0025】
タブ端子32は、ハウジング10内の収容位置では、コネクタ嵌合室12に配置されている。
【0026】
(発光ダイオード、回路基板)
図9等に示すように、発光ダイオード2は、回路基板3上に搭載されている。
【0027】
回路基板3には、発光ダイオード2と共に他の電子部品が搭載され、且つ、回路パターンが設けられ、発光ダイオード2の駆動回路が構成されている。回路パターンの一部として一対の接点部3aが形成されている。一対の接点部3aは、回路基板3の対応する上下面に配置されている(図面では、裏面の接点部が非表示)。部品収容室11の収容位置では、バスバー30の固定接点部34とばね接点部35の間に一対の接点部3aが挟持され、ばね接点部35のばね復帰力を接点圧として基板接点部31と回路基板3間が電気的に接続される。
【0028】
回路基板3は、扁平直方体であり、部品収容室11への挿入先端面と挿入後端面には、位置決め溝3bがそれぞれ設けられている。部品収容室11の収容位置では、回路基板3の挿入先端面の位置決め溝3bに仕切壁13の基板位置決め突起26が入り込んでいる。部品収容室11の収容位置では、回路基板3の挿入後端面の位置決め溝3bにインナー部材60の基板位置決め突起64が入り込んでいる。
【0029】
(カバー)
図10等に示すように、カバー50は、光を通過させない部材より形成されている。カバー50は、ハウジング10の部品収容室11の上面開口と前面開口に隙間なく入り込むL字状の閉塞プレート部51を有する。閉塞プレート部51の上面は、ハウジング10の上面と同じ高さ、つまり、面一である。
【0030】
閉塞プレート部51の両側面には、ロック手段の他方側である一対のロック爪52が2箇所に設けられている。各ロック爪52は、閉塞プレート部51の側面より外側に突出している。ハウジング10のロック用突起20と、このロック用突起20に係止するカバー50のロック爪52とによってロック手段が構成されている。
【0031】
閉塞プレート部51の両側面には、2箇所の一対のロック爪52の間の位置に、一対の変形規制用リブ54が突設されている。一対の変形規制用リブ54は、一対のロック爪52よりも外側に突出している。
【0032】
図2に示すように、カバー50をハウジング10に装着した状態では、一対の変形規制用リブ54が一対の変形規制用溝21に隙間なく配置される。各変形規制用リブ54の両側の垂直面54aと各変形規制用溝21の両側の垂直面21aがそれぞれ当接している。
【0033】
一対の変形規制用リブ54の外端面は、ハウジング10の一対の側壁15の外面と面一である。
【0034】
閉塞プレート部51の上面側に回転支持部である円筒部(筒部)53が設けられている。円筒部53は、閉塞プレート部51の上面より突出している。円筒部53は、その内部が開口(空間)に形成されている。円筒部53の外周には、カバー側取付部55が設けられている。
【0035】
カバー側取付部55は、円筒部53の外周面に沿って設けられている。カバー側取付部55は、円筒部53の180度対向位置に配置され、円筒部53の外周より突出する一対の回転ストッパ壁55aと、この各回転ストッパ壁55aを支持部として円筒部53の外周面に沿ってそれぞれ延びる弾性円弧アーム部55bと、各弾性円弧アーム55bの先端に設けられた係止爪55cと、閉塞プレート部51に設けられ、回転ストッパ壁55aと係止爪55cの間の位置で、各弾性円弧アーム55bの下方位置に位置する突出する突部55dとを有する。
【0036】
カバー50は、円筒部53の外周に設けられたカバー側取付部55によって、照明取付部材(例えば車体パネルのトリム)100の取付穴101(
図18に示す)に取り付けされる。取付け手順については、下記する。
【0037】
カバー50及び下記するインナー部材60がハウジング10に装着された場合には、円筒部53内からのみ光が発光する発光形態の照明ユニット1となる(
図2(a)参照)。
【0038】
(インナー部材)
図11等に示すように、インナー部材60は、光を透過させる部材より形成されている。インナー部材60は、ハウジング10の部品収容室11の上面開口にほぼ隙間なく入り込むサイズに形成されている。インナー部材60には、部品収容室11に収容された状態で、発光ダイオード2の真上となる位置に周囲より一段高い円形部61が設けられている。インナー部材60には、一対のバスバー抜け防止肩面62が形成されている。インナー部材60が部品収容室11に収容された状態では、一対のバスバー抜け防止肩面62は、バスバー30の把持片部39のバスバー抜け側に位置する。
【0039】
インナー部材60の両側縁には、一対の側端自重受けリブ63が突設されている。インナー部材60の先端部には、先端自重受けリブ65が設けられている。インナー部材60が部品収容室11に収容された状態では、一対の側端自重受けリブ63が一対のインナー部材保持溝24に入り込んでその底面に載置され、且つ、先端自重受けリブ65がハウジング10のインナー部材支持台22に載置される。インナー部材60には、基板位置決め突起64が設けられている。インナー部材60が部品収容室11に収容された状態では、基板位置決め突起64が回路基板3の挿入後端面の位置決め溝3bに入り込む。
【0040】
インナー部材60は、一対のバスバー30、回路基板3が不適正な状態でハウジング10内に収容されている場合には、第2態様のカバー50がハウジング10にロックできないようにする機能、つまり、半嵌合機能を有する。
【0041】
(照明ユニットの組み付け手順)
次に、照明ユニット1の組み付け手順を説明する。
【0042】
図12に示すように、バスバー30の把持片部39をチャック治具110で把持し、バスバー30をそのタブ端子32を先端としてハウジング10の部品収容室11のバスバーガイドレール16に載せる。
【0043】
図13に示すように、バスバーガイドレール16に載せた各バスバー30の押圧片部36を矢印方向に押す。すると、各バスバー30がバスバーガイドレール16にガイドされて部品収容室11の奥に向かって移動し、タブ端子32が仕切壁13の端子貫通孔25に進入し、コネクタ嵌合室12に入り込む。
【0044】
次に、回路基板3をハウジング10の部品収容室11に挿入する。回路基板3の挿入完了位置では、
図14及び
図15に示すように、回路基板3の一対の接点部3aがバスバー30の固定接点部34とばね接点部35の間に挟持され、基板接点部31と回路基板3間が電気的に接続される。
【0045】
次に、
図16に示すように、ハウジング10の部品収容室11の上方より、一対の側端自重受けリブ63を一対のインナー部材保持溝24に位置合わせして、インナー部材60を部品収容室11に挿入する(
図17参照)。
【0046】
次に、ハウジング10の部品収容室11の上方よりカバー50を組み付ける。すると、カバー50の変形規制用リブ54がハウジング10の変形規制用溝21に入り込み、且つ、カバー50の各ロック爪52が弾性変形でハウジング10の各ロック用突起20に係止される。これで、カバー50を装着した照明ユニット1の組み付けが完了する。
【0047】
(照明ユニットの取付穴への取付手順)
次に、カバー50を装着した照明ユニット1を照明取付部材100の取付穴101に取付ける手順を説明する。
図18に示すように、照明取付部材(例えば車体パネルのトリム)100の取付穴101は、小径部101aと大径部101bが組み合わされ、小径部101aの外縁側が挟持部101cとされた変則円形の穴である。
【0048】
先ず、カバー側取付部55を大径部101bの位置に合わせ、取付穴101に円筒部53と共にカバー側取付部55を挿入し、
図19(a)、(b)に示すように、カバー側取付部55が照明取付部材100の反対面側に突き出る位置まで挿入する。次に、カバー側取付部55を回転する。すると、弾性円弧アーム部55bが弾性変形し、係止爪55cが挟持部101cに載り、カバー50の回転が許容される。係止爪55cが挟持部101cを乗り越える位置まで回転する。すると、
図20(a)、(b)に示すように、弾性円弧アーム部55bが弾性復帰変形し、突部55dと弾性円弧アーム部55bが挟持101cの両面間を挟み込み、且つ、カバー側取付部55の回転ストッパ壁55aと係止爪55cが挟持部101cの両端面間を挟み込む。これで、照明ユニット1が照明取付部材100の取付穴101に取り付けされ、照明ユニット1の設置が完了する。
【0049】
カバー側取付部55を照明取付部材100の取付穴1010への取付け時には、作業者がハウジング10を把持し、
図21(a)の矢印方向にハウジング10を回転する。すると、ハウジング10がカバー50に回転力を作用し、その際にハウジング10がカバー50より回転反力を受ける。この回転反力を一対の側壁15の変形規制用溝21の垂直面21aで受けるため、回転反力が一対の側壁15を開く方向に作用しない。従って、ハウジング10は、一対の側壁15を開く方向には変形しない。
【0050】
より詳細には、
図21(b)に示すように、カバー側取付部55を照明取付部材100の取付穴1010への取付け時には、作業者がハウジング10を把持し、ハウジング10を円筒部53の中心Oを回転中心として回転する。すると、ハウジング10の変形規制用溝21の垂直面21aでカバー50の変形規制用リブ54の垂直面54aを押圧力Fで押圧し、カバー50に回転力が伝達されてカバー50が回転する。その際に、ハウジング10は、カバー50の変形規制用リブ54の垂直面54aが変形規制用溝21の垂直面21aを押圧する反力Rを受けるが、この反力Rは、各側壁15の延設方向であり、ハウジング10の一対の側壁15を開く方向(互いに離間する方向)には作用しない。尚、実施形態とは逆方向の回転でハウジング10に取り付ける構造となっている場合には、上記動作とは反対側の垂直面21a,垂直面54aに押圧力F及び反力Rが作用し、同様に、ハウジング10の一対の側壁15を開く方向(互いに離間する方向)には作用しない。
【0051】
図21(c)に示すように、変形規制用溝21と変形規制用リブ54を設けていない場合、ハウジング10を回転し、照明取付部材100の取付穴101に回転取付けする時には、ハウジング10がカバー50に回転力を作用し、その際にハウジング10がカバー50より回転反力を受けるが、回転反力を一対の側壁15の内側面15aで受けるため、回転反力が一対の側壁15を開く方向に作用し、ハウジング10が一対の側壁15を開く方向に変形する。
【0052】
より詳細には、カバー側取付部55を照明取付部材100の取付穴1010への取付け時には、作業者がハウジング10を把持し、ハウジング10を円筒部53の中心Oを回転中心として回転する。すると、ハウジング10の一対の側壁15の内側面15aがカバー50の外側面50aを押圧力fで押圧し、その反力rをハウジング10が受ける。この反力rは、一対の側壁15に直交する方向で回転中心Oを通る補助線Sを境として、一方側の部位と他方側の部位で互いに逆向きの力となり、ハウジング10の一対の側壁15を開く方向(互いに離間する方向)に作用し、ハウジング10が一対の側壁15を開く方向に変形する。
【0053】
(実施形態の効果)
以上、照明ユニット1は、底壁14と底壁14より立設する一対の立設壁である側壁15に囲まれた部品収容室11を有し、部品収容室11に光源である発光ダイオード2と発光ダイオード2から外部間の回路を構成する回路体である回路基板3及びバスバー30とを収容するハウジング10と、ハウジング10にロック手段(ロック用突起20とロック爪52)によって装着されて部品収容室11の開口を塞ぎ、照明取付部材100の取付穴101に回転で取付けできるカバー側取付部55を有するカバー50とを備え、ハウジング10の一対の側壁15には変形規制用溝21が設けられ、カバー50には変形規制用溝21に入り込む変形規制用リブ54が設けられている。
【0054】
従って、ハウジング10を回転し、照明取付部材100の取付穴101に回転取付けする時には、上記したように、ハウジング10がカバー50より反力を受けるが、反力を一対の側壁15の変形規制用溝21の垂直面21aで受けるため、反力が一対の側壁15を開く方向に作用せず、ロック手段(ロック用突起20とロック爪52)が外れて、カバー50がハウジング10から外れるのを極力防止できる。
【0055】
ロック手段は、ハウジング10の一対の側壁15の内面側に設けられ、内側に向かって突出するロック用突起20と、カバー50の外側面に設けられ、外側に向かって突出するロック爪52とを有する。
【0056】
ロック手段は、ハウジング10の一対の側壁15間の幅寸法W(
図2(a)、
図3(a)に示す)の範囲内に配置されている。従って、照明ユニット1のコンパクト化になるロック手段であるが、ハウジング10の一対の側壁15が開く方向に変形すると、ロック用突起20とロック爪52の係止が外れる方向である。しかし、照明取付部材100の取付穴101への回転取付け時には、上記したように、一対の側壁15を開く方向回転の反力が作用しないため、カバー50がハウジング10より外れることを防止できる。従って、照明ユニット1のコンパクト化を図りつつ、照明ユニット1の回転取付け時のカバー50のはずれ防止を図ることができる。
【0057】
カバー50は、一対の側壁15の内面に入り込む位置でハウジング10に装着されている。つまり、カバー50は、ハウジング10の一対の側壁15間の幅寸法W(
図2(a)、
図3(a)に示す)の範囲内に配置される。従って、照明ユニット1のコンパクト化になるが、このようなカバー50にあって、変形規制用溝21と変形規制用リブ54を設けていない場合、上記したようにカバー50がハウジング10から外れ易い構造となる(
図21(c)の説明参照)。しかし、照明取付部材100の取付穴101への回転取付け時には、上記したように、一対の側壁15を開く方向の反力が作用しないため、カバー50がハウジング10より外れることを防止できる。従って、照明ユニット1のコンパクト化を図りつつ、照明ユニット1の回転取付け時のカバー50のはずれ防止を図ることができる。
【0058】
部品収容室11の開口は、一対の側壁15の上面と側面の二面が連通した領域である。従って、部品収容室11に光源である発光ダイオード2、回路体である回路基板3及びバスバー30を挿入し易いが、ハウジング10は、一対の側壁15が開く方向に変形し易い構造となる。しかし、照明取付部材100の取付穴101への回転取付け時には、上記したように、一対の側壁15を開く方向の反力が作用しないため、カバー50がハウジング10より外れることを防止できる。従って、ハウジング10の部品収容室11への収容作業性の向上を図りつつ、照明ユニット1の回転取付け時のカバー50のはずれ防止を図ることができる。
【0059】
インナー部材60には、一対のバスバー抜け防止肩面62と一対の側端自重受けリブ63と基板位置決め突起64が設けられている。インナー部材60を部品収容室11に収容する際に、一対のバスバー抜け防止肩面62は、バスバー30が半挿入状態であればバスバー30の把持片部39に干渉し、一対の側端自重受けリブ63は、ハウジング10の部品収容室11の適正位置に収容されていなければ、ハウジング10のインナー部品保持溝24より浮き上がり、基板位置決め突起64は、回路基板3が半挿入状態であれば、回路基板3の位置決め溝3bに入り込まず、仮に入り込んだ状態でもインナー部材60が部品収容室11に収容されずに浮き上がった状態となる。従って、インナー部材60は、バスバー30と回路基板3とハウジング10間が適正な状態で組み付けられているか否かを検知する機能(半嵌合検知機能)を有する。
【0060】
インナー部材60は、ハウジング10に弾性ロック構造でロックする部品ではなく、ハウジング10の部品収容室11内に単に落とし込むことで収容する部品であるため、バスバー30と回路基板3とハウジング10間が適正な状態で組み付けられているか否かを、内部に収容された部品である回路基板3やバスバー30に荷重を作用させることなく検知できる。つまり、回路基板3やバスバー30に何らのダメージを与えることなく検知できる。
【0061】
バスバー30と回路基板3が適正な状態に配置された部品収容室11にインナー部材60が収容された場合には、一対の側端自重受けリブ63が一対のインナー部材保持溝24に入り込んで載置され、且つ、先端自重受けリブ65がハウジング10のインナー部材支持台22に載置され、インナー部材62の自重をハウジング10で受ける。従って、インナー部材60をハウジング10に組み込んだ後でも、インナー部材60の自重が回路基板3や一対のバスバー30に作用しないため、インナー部材60が回路基板3やバスバー30にダメージを与えることがない。
【0062】
カバー50は、光を透過しない部材で形成され、取付穴101に配置される円筒部53を有し、円筒部53の開口を閉塞する光透過性のインナー部材60がハウジング10に収容されている。従って、カバー50の円筒部53内の開口よりハウジング10内に塵埃、水等の異物が入るのを防止できる。
【0063】
インナー部材60には、一対のバスバー抜け防止肩面62が設けられている。カバー50がハウジング10に装着された状態では、バスバー30の把持片部39がバスバー抜け方向に移動するのを阻止できる。
【0064】
照明ユニット1では、回路基板3の挿入先端面の位置決め溝3bにハウジング10の基板位置決め突起26が入り込み、回路基板3の挿入後端面の位置決め溝3bにインナー部材60の基板位置決め突起64が入り込む。従って、回路基板3がハウジング10の部品収容室11内に位置決めされた状態で収容される。
【0065】
(カバー側取付部の変形例)
図22には、変形例のカバー側取付部55を適用したカバー50Aが示されている。カバー側取付部55は、前記実施形態のものと同様に、円筒部53の180度対向位置に設けられ、円筒部53の外周より突出する一対の回転ストッパ壁55aを有する。前記実施形態のものは、各回転ストッパ壁55aの一方側にのみ弾性円弧アーム55b、係止爪55c及び突部55dが設けられていたが、この変形例では、各回転ストッパ壁55aの両側に弾性円弧アーム55b、係止爪55c及び突部55dが設けられている。
【0066】
前記実施形態と同一構成箇所には、図面に前記実施形態のものと同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0067】
このカバー50Aでは、左右どの方向の回転でも照明取付部材100の取付穴101に取付けできる。従って、左右対称位置に照明取付部材100が配置され、左右の取付穴101に左右同じ向きで照明ユニット1を取付ける場合に、互いに逆回転方向で照明ユニット1を取付けでき、取付け作業性が良い。例えば、車体の左右ドアに対し、左右同じ取付位置で照明ユニット1を取付けする場合に、右ドアでは右回転(左回転)で、左ドアでは左回転(右回転)で取付けできる。
【0068】
(その他の変形例)
前記実施形態では、ハウジング10にコネクタ嵌合室12が設けられ、バスバー30にタブ端子32が設けられ、バスバー30と外部から導かれた電線との間の電気的接続をコネクタ接続によって行うよう構成されているが、コネクタ接続以外で接続しても良い。例えば、バスバー30に圧接刃端子を設け、バスバー30と外部から導かれた電線との電線的接続を圧接接続によって行っても良い。
【0069】
前記実施形態では、回路体は、回路基板3とバスバー30より構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、電子部品が搭載されたバスバー回路体より構成しても良い。この場合には、バスバー回路体に一体にタブ端子や圧接刃端子を設けることが好ましい。
【0070】
前記実施形態では、カバー50を装着する場合には、ハウジング10内にインナー部材60を収容するよう構成されているが、カバー50の円筒部53内に光透過性部材を例えば二色成形によって設けた構成としても良い。
【0071】
ハウジング10には、キャップ用ロック突起29が設けられている。従って、カバー50の円筒部53を外側から覆い、円筒部53からの光を外部に出射するキャップ(図示せず)が装着可能である。照明ユニット1は、キャップを装着することにより、発光形態のバリエーションを増やすことができる。又、キャップの種類を増やすことによっても発光形態のバリエーションを増やすことができる。