(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決済情報取得部は、前記ユーザ端末が表示する前記第2識別情報と関連付けられた情報を示すコードを前記店舗に設置された店舗端末を用いて読み取ることによって行われた前記決済の内容を示す前記決済情報を取得する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
前記出力部は、前記決済情報に関連付けられた前記第2識別情報を取得した後に、前記記憶部において前記第2識別情報に関連付けられている前記第1識別情報を取得し、取得した前記第1識別情報に関連付けられた前記位置情報と、取得した前記第2識別情報に関連付けられた前記決済情報とを関連付ける、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記位置情報取得部は、前記敷地の中の前記ユーザ端末の位置と、前記位置が測定された時間とを、前記位置情報として取得する、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記決済情報取得部は、前記ユーザが購入した商品又はサービスの名称と、前記決済の金額と、前記ユーザが前記商品又は前記サービスを購入した前記店舗の識別情報との少なくとも1つを示す前記決済情報を取得する、請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
前記出力部は、前記位置情報及び前記決済情報に基づいて、前記ユーザが前記ユーザ端末を用いて行う決済で利用可能な特典を、前記ユーザ端末に出力する、請求項1から11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[分析システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る分析システムSの模式図である。分析システムSは、店舗サーバ1と、決済サーバ2と、ユーザ端末3とを含む。分析システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0022】
店舗サーバ1(情報処理装置)は、ユーザ端末3の位置情報と、ユーザがユーザ端末3を用いて行った決済の内容を示す決済情報とを取得して分析するコンピュータである。店舗サーバ1は、店舗等の敷地の中に設置されたビーコン5を用いて、敷地の中におけるユーザ端末3の位置情報を取得する。
【0023】
また、店舗サーバ1は、敷地の中に設置されたPOS(Point Of Sale)端末等の店舗端末4を用いて、ユーザが購入する商品又はサービスの情報を取得し、決済サーバ2と共同して決済処理を行う。店舗端末4は、様々な情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部を有する。店舗サーバ1は、インターネット、LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して、決済サーバ2との間で決済に関する情報を授受する。
図1の例において、店舗端末4は、店舗サーバ1を介して決済サーバ2との間で決済に係る情報を授受するが、店舗サーバ1を介さずに決済サーバ2との間で決済に係る情報を直接授受してもよい。
【0024】
決済サーバ2(決済装置)は、決済を実行するコンピュータである。決済サーバ2は、ネットワークNを介して、ユーザが購入する商品又はサービスの料金の決済をオンラインで実行する。
【0025】
ユーザ端末3(通信端末)は、通信を行うことが可能なコンピュータである。例えばユーザ端末3は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末や、パーソナルコンピュータである。ユーザ端末3は、LTE(Long Term Evolution)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の無線通信を行うための通信部を有する。また、ユーザ端末3は、様々な情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部を有する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る分析システムSが実行する分析方法の模式図である。ユーザ端末3を有するユーザは、店舗等の敷地Pの中を移動する。敷地Pは、1つの店舗の敷地(建物又は土地)であってもよく、ショッピングセンターや百貨店のような複数の店舗の複合体の敷地であってもよい。
【0027】
敷地Pの中には、複数のビーコン5が異なる位置に設置されている。ビーコン5は、Bluetoothや無線LAN等の近距離無線通信によってユーザ端末3と接続可能な位置測定装置である。例えばユーザ端末3は、ユーザが敷地P内に進入すると、近距離無線通信によってビーコン5に接続する。店舗サーバ1は、ユーザ端末3が接続したビーコン5の位置に基づいて、敷地の中におけるユーザ端末3の位置を測定する。店舗サーバ1は、敷地Pの中におけるユーザ端末3の位置を、ユーザ端末3又はユーザを識別する識別情報としての第1ID(第1識別情報)に関連付けて記録する。第1IDは、例えば敷地P内の店舗を運営する店舗事業者によって付与及び管理される。
【0028】
ユーザは、ユーザ端末3を用いて、店舗端末4において購入対象の商品又はサービスの料金の決済を行う。決済を行う際に、ユーザ端末3は、ユーザ端末3又はユーザを識別する識別情報としての第2ID(第2識別情報)を、決済サーバ2へ提供する。決済サーバ2は、店舗サーバ1が店舗端末4を用いて取得した購入対象の商品又はサービスの料金の決済を第2IDに基づいて実行し、決済の結果を第2IDとともに店舗サーバ1へ送信する。店舗サーバ1は、購入対象の商品又はサービスと、決済サーバ2から受信した第2IDとを示す決済情報を記録する。第2IDは、例えばオンラインの決済サービスを運営する通信事業者によって付与及び管理される。
【0029】
店舗サーバ1は、第1ID及び第2IDを関連付けることによって、ユーザ端末3の位置情報と、ユーザ端末3を用いた決済の決済情報とを関連付ける。そして店舗サーバ1は、互いに関連付けられた位置情報及び決済情報を分析し、分析結果を出力する。
【0030】
このように、分析システムSは、ユーザ端末3の位置情報を取得するために用いられる第1IDと、ユーザ端末3を用いた決済に用いられる第2IDとを関連付ける。そのため、分析システムSは、店舗におけるユーザの位置情報及び決済情報を自動的に関連付けることができ、位置情報及び決済情報を関連付けて分析するための手間を削減できる。
【0031】
[分析システムSの構成]
図3は、本実施形態に係る分析システムSのブロック図である。
図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図3に示したもの以外のデータの流れがあってよい。
図3において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図3に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0032】
店舗サーバ1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、位置情報取得部111と、決済処理部112と、決済情報取得部113と、分析部114と、出力部115とを有する。記憶部12は、位置情報記憶部121と、決済情報記憶部122と、ユーザ情報記憶部123とを有する。
【0033】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、店舗サーバ1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0034】
位置情報記憶部121は、ユーザ端末3の位置情報を記憶する。決済情報記憶部122は、ユーザ端末3を用いて行われた決済の内容を示す決済情報を記憶する。ユーザ情報記憶部123は、ユーザ端末3を有するユーザに係る識別情報、属性、住所等のユーザ情報を記憶するとともに、識別情報を関連付ける関連付け情報を記憶する。位置情報記憶部121、決済情報記憶部122及びユーザ情報記憶部123は、それぞれ記憶部12上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部12上で構成されたデータベースであってもよい。
【0035】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、位置情報取得部111、決済処理部112、決済情報取得部113、分析部114及び出力部115として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0036】
決済サーバ2は、制御部21と、記憶部22とを有する。制御部21は、決済実行部211を有する。記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、決済サーバ2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部21との間でデータの授受を行ってもよい。
【0037】
制御部21は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、決済実行部211として機能する。制御部21の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部21の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0038】
本実施形態に係る分析システムSは、
図3に示す具体的な構成に限定されない。店舗サーバ1及び決済サーバ2は、それぞれ1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。あるいは店舗サーバ1及び決済サーバ2は、一体化されて1つの装置として構成されてもよい。
【0039】
[分析方法の説明]
まずユーザは、ユーザ端末3を用いて、ユーザ情報を店舗サーバ1及び決済サーバ2に予め登録する。
図4は、ユーザ情報を登録するための登録画面A1、A2を表示しているユーザ端末3の正面図である。
【0040】
登録画面A1は、店舗サーバ1に登録するユーザ情報を入力するための画面である。ユーザ端末3は、ユーザによる操作に応じて、登録画面A1を表示するためのアプリケーション(プログラム)を実行する。登録画面A1は、第1IDを入力するための欄A11と、氏名、電話番号等の個人情報を入力するための欄A12とを含む。第1IDは、ユーザによって入力されてもよく、自動的に生成されてもよい。ユーザ端末3は、登録画面A1に入力された内容を、ユーザ情報として店舗サーバ1へ送信する。店舗サーバ1は、ユーザ端末3から受信したユーザ情報を、ユーザ情報記憶部123に記憶させる。
【0041】
登録画面A2は、決済サーバ2に登録するユーザ情報を入力するための画面である。ユーザ端末3は、ユーザによる操作に応じて、登録画面A2を表示するためのアプリケーション(プログラム)を実行する。登録画面A2は、第2IDを入力するための欄A21と、氏名、電話番号、住所、年齢、性別等の個人情報を入力するための欄A22とを含む。第2IDは、ユーザによって入力されてもよく、自動的に生成されてもよい。ユーザ端末3は、登録画面A2に入力された内容を、ユーザ情報として決済サーバ2へ送信する。決済サーバ2は、ユーザ端末3から受信したユーザ情報を、記憶部22に記憶させる。
【0042】
登録画面A1を表示するためのアプリケーションと、登録画面A2を表示するためのアプリケーションとは、共通プログラムCを含む。共通プログラムCは、第1ID又は第2IDを店舗サーバ1に送信し、関連付けるためのプログラムである。共通プログラムCは、例えばSDK(Software Development Kit)として提供され、各アプリケーションで利用される。ユーザ端末3は、登録画面A1又は登録画面A2に入力された内容を送信する際に、共通プログラムCを用いて第1ID又は第2IDを店舗サーバ1へ送信する。また、ユーザ端末3は、第1ID及び第2IDを、ユーザ端末3の記憶部に記憶させる。
【0043】
店舗サーバ1は、同じユーザ端末3から第1ID及び第2IDを受け取った場合に、ユーザを識別するための第3IDを生成し、第1ID、第2ID及び第3IDを関連付けた関連付け情報を、ユーザ情報記憶部123に記憶させる。店舗サーバ1は、第2IDに関連付けられた第3IDを決済サーバ2へ送信し、決済サーバ2は、第2ID及び第3IDを関連付けて記憶部22に記憶させる。
【0044】
店舗サーバ1は、第3IDを用いずに第1ID及び第2IDを直接関連付けて、ユーザ情報記憶部123に記憶させてもよい。店舗サーバ1は、同一の第1ID及び第2IDを用いることによって第1ID及び第2IDを関連付け、ユーザ情報記憶部123に記憶させてもよい。このように店舗サーバ1及び決済サーバ2は、互いに個人情報を授受することなく、第1ID及び第2IDを関連付けることができる。
【0045】
ユーザ端末3は、登録画面A1、A2を用いず、第1ID及び第2IDの少なくとも一方を自動的に生成してもよい。この場合に、ユーザ端末3は、ユーザの操作によらず自動的に生成したID(例えば広告ID)を、第1ID又は第2IDとして利用する。
【0046】
ユーザ情報が店舗サーバ1に登録された後に、店舗サーバ1は、ユーザ端末3の位置の測定を開始する。ユーザ端末3が敷地Pの中にある場合に、ユーザ端末3は、近距離無線通信によって複数のビーコン5のいずれかに接続し、ユーザ端末3の記憶部に記憶された第1IDをビーコン5を介して店舗サーバ1へ送信する。
【0047】
店舗サーバ1の位置情報取得部111は、ユーザ端末3が接続しているビーコン5の位置に基づいて、定期的にユーザ端末3の位置を測定する。位置情報取得部111は、ユーザ端末3が接続している1つのビーコン5の位置をユーザ端末3の位置とみなしてもよく、あるいはユーザ端末3が接続している複数のビーコン5の位置に基づく三角測量によってユーザ端末3の位置を算出してもよい。
【0048】
そして位置情報取得部111は、ユーザ端末3の第1ID、測定した位置及び時刻を、位置情報として位置情報記憶部121に記憶させる。位置情報取得部111は、異なる複数の時刻における複数の位置を取得することによって、ユーザ端末3が敷地Pの中で移動した経路(すなわち動線)を示す位置情報を位置情報記憶部121に記憶させてもよい。位置情報取得部111は、第1IDの代わりに、第1IDに関連付けられた第3IDを示す位置情報を、位置情報記憶部121に記憶させてもよい。
【0049】
ユーザは、購入対象の商品又はサービスを、決済を行うために店舗端末4に提示する。店舗サーバ1の決済処理部112は、店舗端末4を用いて、ユーザによる購入対象の商品又はサービスを示す情報を取得し、決済サーバ2へ送信する。ユーザ端末3は、決済を行う際に、ユーザ端末3の記憶部に記憶された第2IDを、店舗サーバ1又は決済サーバ2へ送信する。店舗サーバ1の決済処理部112は、ユーザ端末3から第2IDを受信した場合に、第2IDを決済サーバ2へ送信する。
【0050】
決済サーバ2の決済実行部211は、店舗サーバ1から購入対象の商品又はサービスを示す情報を受信するとともに、店舗サーバ1又はユーザ端末3から決済を行っているユーザ端末3の第2IDを受信する。そして決済実行部211は、購入対象の商品又はサービスの料金の決済を第2IDに基づいて実行する。例えば決済サーバ2は第2IDに関連付けてクレジットカードや銀行口座等の支払い方法を予め記憶しており、決済実行部211は第2IDに関連付けられた支払い方法を用いて購入対象の商品又はサービスの料金の決済を実行する。そして決済実行部211は、決済の結果(例えば決済の金額)及び第2IDを店舗サーバ1へ送信する。
【0051】
店舗サーバ1の決済情報取得部113は、決済サーバ2から受信した第2ID及び決済の金額と、店舗を識別するための識別情報である店舗IDと、購入対象の商品又はサービスの名称とを、決済情報として決済情報記憶部122に記憶させる。決済情報取得部113は、第2IDの代わりに、第2IDに関連付けられた第3IDを示す決済情報を、決済情報記憶部122に記憶させてもよい。
【0052】
ここでは第2IDを用いてオンライン決済をすることによって決済情報に第2IDを関連付ける例を示したが、ユーザは現金を用いて決済をする際に第2IDを示すポイントカード等を店舗端末4に提示してもよい。これにより、店舗サーバ1は、決済情報に第2IDを関連付けることができる。
【0053】
図5は、店舗サーバ1が取得する位置情報及び決済情報の模式図である。位置情報取得部111(第1取得部)は、ユーザ端末3から受信した第1ID、測定した位置及び時刻を、位置情報として取得し、位置情報記憶部121に記憶させる。
【0054】
決済情報取得部113(第2取得部)は、決済サーバ2から受信した第2ID及び決済の金額と、店舗IDと、購入対象の商品又はサービスの名称とを、決済情報として取得し、決済情報記憶部122に記憶させる。
【0055】
位置情報の第1ID及び決済置情報の第2IDは、第3IDを介して関連付け可能である。第3IDは省略され、第1ID及び第2IDは直接関連付けられてもよい。あるいは第1ID及び第2IDは同一であってもよい。
【0056】
分析部114は、位置情報記憶部121に記憶されている位置情報を取得する。また、分析部114は、決済情報記憶部122に記憶されている決済情報を取得する。分析部114は、ユーザ情報記憶部123に記憶されている関連付け情報に基づいて、位置情報の第1IDと決済情報の第2IDとを関連付けることによって、位置情報及び決済情報を関連付ける。敷地Pが複数の店舗を含む場合に、分析部114は、位置情報と複数の店舗における決済情報とを関連付けてもよい。
【0057】
具体的には、分析部114は、決済情報に関連付けられている第2IDを取得し、ユーザ情報記憶部123において、取得した第2IDに関連付けられている第1IDを取得する。そして分析部114は、取得した第1IDに関連付けられている位置情報と、取得した第2IDに関連付けられている決済情報とを関連付ける。
【0058】
そして分析部114は、関連付けた位置情報及び決済情報を分析する。まず分析部114は、位置情報に基づいて、敷地Pの中においてユーザ端末3を有するユーザが訪問した領域(例えば店舗内の商品棚や売り場)を特定する。敷地Pが複数の店舗の複合体である場合に、分析部114は、複数の店舗のうちユーザが訪問した店舗を特定してもよい。
【0059】
図6は、位置情報が示す敷地Pの中におけるユーザ端末3の動線の模式図である。分析部114は、位置情報が示すユーザ端末3の位置の近傍にある敷地P内の領域P1を、ユーザが訪問した領域P1として特定する。このとき分析部114は、ある領域P1の近傍に滞在した時間が所定値以上である場合に、該領域P1をユーザが訪問した領域P1として特定してもよい。さらに分析部114は、位置情報が示すユーザ端末3の位置が店舗端末4の位置に接近した時刻を、ユーザが決済を行った時刻として特定してもよい。
【0060】
記憶部12は、店舗内の各領域P1で取り扱われている商品又はサービスを示す店舗情報を予め記憶している。分析部114は、記憶部12に記憶された店舗情報を用いて、位置情報に基づいて特定したユーザが訪問した領域P1で取り扱われている商品又はサービスを抽出する。
【0061】
次に分析部114は、決済情報に基づいて、ユーザが訪問した領域P1で取り扱われている商品又はサービスを、ユーザが購入した商品又はサービスと、ユーザが購入しなかった商品又はサービスとに分類して分析する。例えば分析部114は、ユーザが訪問した領域P1で取り扱われているがユーザが購入しなかった商品又はサービスを、ユーザが興味を有する商品又はサービスとして推定する。このとき分析部114は、位置情報に基づいて所定回数以上抽出した(すなわちユーザが訪問した複数の領域P1で取り扱われている)商品又はサービスを、ユーザが興味を有する商品又はサービスとして推定してもよい。これにより、分析部114は、ユーザが何度も接近している商品又はサービスを、ユーザが興味のある商品又はサービスと推定できる。そして分析部114は、ユーザが興味のあると推定した商品又はサービスに関する情報を、分析結果として出力部115へ渡す。
【0062】
また、分析部114は、決済情報に基づいてユーザが購入した商品又はサービスを特定し、ユーザが購入した商品(又はサービス)に関連する関連商品(又は関連サービス)を抽出する。そして分析部114は、位置情報に基づいて、敷地Pに含まれる複数の店舗のうちユーザが未訪問の店舗であり、かつ関連商品を取り扱っている店舗を特定する。そして分析部114は、関連商品及び該店舗に関する情報を、分析結果として出力部115へ渡す。さらに分析部114は、抽出した関連商品について、ユーザがユーザ端末3を用いて行う決済で利用可能な割引クーポン等の特典を決定し、分析結果として出力部115へ渡してもよい。例えば特典はユーザ端末3上でコードとして表示され、店舗端末4に読み取られることによって利用される。
【0063】
また、分析部114は、決済情報が敷地P内の飲食店での決済を示しておらず、かつ位置情報が飲食店への訪問を示していない場合に、敷地P内の飲食店(レストラン、カフェ等)に関する情報を、分析結果として出力部115へ渡す。さらに分析部114は、敷地P内の飲食店について、ユーザがユーザ端末3を用いて行う決済で利用可能な割引クーポン等の特典を決定し、分析結果として出力部115へ渡してもよい。この場合に、出力部115は、特定の時間帯(例えば12時前後)や、ユーザが敷地P内に所定時間以上滞在した場合にのみ、飲食店に関する情報をユーザ端末3へ出力してもよい。
【0064】
このように、分析部114は、位置情報及び決済情報を容易に関連付けて分析することができる。そのため事業者は、ユーザの動線とユーザの購入内容との関係を分析して、ユーザの行動が示す傾向や興味を包括的に知ることができる。
【0065】
ここに示した分析部114が行う分析は一例であり、分析部114は第1ID及び第2IDを用いて関連付けた位置情報及び決済情報に基づいてその他の分析を行ってもよい。
【0066】
分析部114は、複数のユーザの位置情報及び決済情報を統計的に分析してもよい。この場合に、分析部114は、ユーザ情報記憶部123から、ユーザの年齢、居住地、性別等の属性を取得する。そして分析部114は、複数のユーザについて関連付けられた位置情報及び決済情報を、ユーザの年齢、居住地、性別等の属性ごとに統計的に分析する。これにより分析部114は、ユーザが興味を有する商品又はサービスを属性ごとに順位付けしたり、ユーザの属性ごとに動線及び購入内容の傾向を取得したりできる。
【0067】
出力部115は、分析部114が位置情報及び決済情報を関連付けて生成した情報を出力する。位置情報及び決済情報を関連付けて生成した情報は、互いに関連付けられた位置情報及び決済情報そのものであってもよく、互いに関連付けられた位置情報及び決済情報の分析結果であってもよい。出力部115は、位置情報、決済情報及び分析結果を記憶部12に記憶させることによって出力してもよい。あるいは出力部115は、分析結果をユーザ端末3の表示部に表示させることによって出力してもよい。この場合に、出力部115は、分析部114による分析結果を、ユーザ端末3へ送信する。出力部115は、ユーザが店舗内にいる間に分析結果をユーザ端末3へ送信してもよく、あるいはユーザが店舗から出た際に分析結果をユーザ端末3へ送信してもよい。
【0068】
図7は、分析部114による分析結果を表示しているユーザ端末3の正面図である。ユーザ端末3は、分析部114によってユーザが興味を有すると推定された商品A3(サービスでもよい)を表示している。さらにユーザ端末3は、商品A3を取り扱っている店舗内の領域(商品棚や売り場)を示す情報A4を表示している。さらにユーザ端末3は、商品A3を取り扱っているWebサイト(ECサイト等)を示すリンクA5を表示している。これにより、ユーザは、自分が興味を有すると推定された商品又はサービスと、それを購入できる場所とを知ることができる。事業者は、ユーザが興味を有すると推定された商品又はサービスへ積極的に誘導し、販売を促進できる。
【0069】
[分析方法のシーケンス]
図8は、本実施形態に係る分析システムSが実行する分析方法のシーケンス図である。まずユーザは、ユーザ端末3を用いて、ユーザ情報を店舗サーバ1及び決済サーバ2に予め登録する(S11)。店舗サーバ1は、ユーザ端末3から受信したユーザ情報を、ユーザ情報記憶部123に記憶させる。決済サーバ2は、ユーザ端末3から受信したユーザ情報を、記憶部22に記憶させる。
【0070】
ユーザ端末3は、近距離無線通信によって複数のビーコン5のいずれかに接続し、ユーザ端末3の記憶部に記憶された第1IDをビーコン5を介して店舗サーバ1へ送信する(S12)。店舗サーバ1の位置情報取得部111は、ユーザ端末3が接続しているビーコン5の位置に基づいて、定期的にユーザ端末3の位置を測定する。位置情報取得部111は、測定した位置及び時刻を位置情報として取得し、位置情報記憶部121に記憶させる(S13)。
【0071】
ユーザ端末3の位置を測定するステップS12〜S13は、繰り返し行われる。店舗サーバ1は、ユーザ端末3を用いた決済が開始された場合にステップS14以降の処理を行う。
【0072】
ユーザは、ユーザ端末3を用いて、店舗端末4において、購入対象の商品又はサービスの決済を行う。ユーザ端末3、店舗サーバ1及び決済サーバ2は、共同して決済処理を行う(S14)。ステップS14の決済処理の詳細については、
図9〜
図12を用いて後述する。
【0073】
決済情報取得部113は、決済結果として決済サーバ2から受信した第2ID及び決済の金額と、店舗を識別するための識別情報である店舗IDと、購入対象の商品又はサービスの名称とを取得し、決済情報として決済情報記憶部122に記憶させる(S15)。
【0074】
分析部114は、位置情報記憶部121に記憶されている位置情報を取得する。また、分析部114は、決済情報記憶部122に記憶されている決済情報を取得する。分析部114は、ユーザ情報記憶部123に記憶されている関連付け情報に基づいて、位置情報の第1IDと決済情報の第2IDとを関連付けることによって、位置情報及び決済情報を関連付ける(S16)。
【0075】
そして分析部114は、関連付けた位置情報及び決済情報を分析する(S17)。例えば分析部114は、関連付けた位置情報及び決済情報に基づいて、ユーザが訪問した店舗の敷地P内の領域を特定し、さらにユーザが興味を有する商品又はサービスを推定する。
【0076】
出力部115は、分析部114が関連付けた位置情報及び決済情報を出力するとともに、分析部114による分析結果を出力する(S18)。例えば出力部115は、分析部114が関連付けた位置情報及び決済情報と、分析部114による分析結果とを記憶部12に記憶させ、また分析部114による分析結果をユーザ端末3へ送信する。ユーザ端末3は、店舗サーバ1から受信した分析部114による分析結果を表示部上に表示する(S19)。
【0077】
[決済処理の説明]
図8のステップS14において、ユーザ端末3及び店舗端末4がコードの表示及び読み取りを行うことによって、以下に示す決済処理が行われる。
図9(a)、
図9(b)は、本実施形態に係る分析システムSが実行する決済処理の模式図である。
図9(a)は、ユーザ端末3がコード31を表示する場合の決済処理を表している。コード31は、バーコードや2次元コード等の画像であり、少なくともユーザ端末3の第2IDと関連付けられたコード情報を示している。コード情報は、第2IDそのものを示してもよく、第2IDと関連付けられたトークン又はパスワードを示してもよい。コード情報は、ユーザ端末3からの要求に基づき、第2IDと関連付けて決済サーバ2で生成され、ユーザ端末3に送信される。ユーザ端末3は、コード情報に基づきコード31を表示する。
【0078】
店舗サーバ1は、店舗端末4が備えるカメラ又はスキャナを用いてコード31を読み取ってコード31が示すコード情報を取得し、取得したコード情報を決済サーバ2へ送信して決済を実行させる。決済サーバ2は、事前に生成したコード情報と、店舗端末4から受信したコード情報とを照合することにより認証が成功した場合に、決済を実行する。
【0079】
図9(b)は、店舗端末4がコード41を表示する場合の決済処理を表している。この場合に、コード41は、バーコードや2次元コード等の画像であり、少なくとも店舗の店舗IDと関連付けられたコード情報を示している。コード情報は、店舗IDそのものを示してもよく、店舗IDと関連付けられたトークン又はパスワードを示してもよい。また、コード情報は、店舗IDに加えて決済の金額を示してもよい。コード情報は、店舗端末4からの要求に基づき、店舗IDと関連付けて決済サーバ2で生成され、店舗端末4に送信される。店舗端末4は、コード情報に基づきコード41を表示する。
【0080】
ユーザ端末3は、ユーザ端末3が備えるカメラを用いてコード41を読み取ってコード41が示すコード情報を取得し、取得したコード情報を、第2IDとともに、決済サーバ2へ送信して決済を実行させる。決済サーバ2は、受信した第2ID及びコード情報と、事前に記憶された第2ID及びコード情報とを照合することにより、認証が成功した場合に、決済を実行する。なお、カメラ起動前に決済サーバ2がユーザ端末3から第2IDを受信して事前に記憶している第2IDとの認証された後に、ユーザ端末3がコード41の読み取りのためにカメラを起動可能とする場合、決済サーバ2は、ユーザ端末3が店舗端末4から読み取ったコード情報のみを認証して決済を実行してもよい。
【0081】
図10は、ユーザ端末3がコード31を表示する場合の決済処理のシーケンス図である。まずユーザ端末3は、第2IDとともにコード要求を決済サーバ2へ送信する(S21)。決済サーバ2は、ユーザ端末3から受信した第2IDを認証後、第2IDと関連付けられたコード情報を生成し、記憶部22に記憶させる(S22)。決済サーバ2は、生成したコード情報を、ユーザ端末3へ送信する。
【0082】
ユーザ端末3は、決済サーバ2から受信したコード情報に基づいてコード31を表示部上に表示する(S23)。店舗サーバ1において、決済処理部112は、店舗端末4が備えるカメラ又はスキャナを用いてコード31を読み取り、コード31が示すコード情報を取得する(S24)。決済処理部112は、取得したコード情報と、決済の金額と、店舗IDとを示す決済要求を、決済サーバ2へ送信する(S25)。
【0083】
決済サーバ2は、店舗サーバ1から受信した決済要求に基づいて、第2IDのユーザに対して決済要求が示す金額の決済を実行する(S26)。決済サーバ2は、第2IDと、決済の金額と、店舗IDとを示す決済結果を、店舗サーバ1へ送信する。
【0084】
図11は、店舗端末4がコード41を表示する場合の決済処理のシーケンス図である。まず店舗サーバ1は、店舗ID及び決済の金額とともにコード要求を決済サーバ2へ送信する(S31)。決済サーバ2は、店舗サーバ1から受信した店舗IDを認証後、店舗ID及び決済の金額と関連付けられたコード情報を生成し、記憶部22に記憶させる(S32)。決済サーバ2は、生成したコード情報を、店舗サーバ1へ送信する。
【0085】
店舗サーバ1の決済処理部112は、決済サーバ2から受信したコード情報に基づいてコード41を店舗端末4の表示部上に表示する(S33)。ユーザ端末3は、ユーザ端末3が備えるカメラを用いてコード41を読み取り、コード41が示すコード情報を取得する(S34)。ユーザ端末3は、取得したコード情報と、第2IDとともに決済要求を、決済サーバ2へ送信する(S35)。
【0086】
決済サーバ2は、ユーザ端末3から受信した決済要求に基づいて、第2IDのユーザに対して記憶部22に記憶された金額の決済を実行する(S36)。決済サーバ2は、第2IDと、決済の金額と、店舗IDとを示す決済結果を、店舗サーバ1へ送信する。
【0087】
店舗において、予め生成された(すなわち静的な)コード41が表示又は掲示されてもよい。この場合に、コード41は、予め定められた金額及び店舗IDを示す。
図11のシーケンスにおいて、ステップS31〜S32は省略され、ステップS33以降の処理は同様に行われる。
【0088】
図12は、店舗端末4がコード41を表示する場合の別の決済処理のシーケンス図である。
図12のシーケンスは、
図11のシーケンスと異なり、ユーザがユーザ端末3を用いて決済の金額を入力する。まず店舗サーバ1は、店舗IDを示すコード41を店舗端末4の表示部上に表示する(S41)。コード41は、予め印刷されて店舗内に掲示されてもよい。ユーザ端末3は、ユーザ端末3が備えるカメラを用いてコード41を読み取り、コード41が示す店舗IDを取得する(S42)。ユーザ端末3は、取得した店舗IDと、第2IDとを示す決済開始要求を、決済サーバ2へ送信する(S43)。
【0089】
決済サーバ2は、ユーザ端末3から受信した決済開始要求が示す店舗ID及び第2IDを記憶部22に記憶させ、金額入力要求をユーザ端末3へ送信する(S44)。ユーザ端末3は、決済サーバ2から金額入力要求を受信した場合に、ユーザから決済の金額の入力を受け付ける(S45)。ユーザは、キーボード、タッチパネル等を用いて、ユーザ端末3に決済の金額を入力する。ユーザ端末3は、ユーザから受け付けた決済の金額を示す決済要求を、決済サーバ2へ送信する。
【0090】
決済サーバ2は、第2IDのユーザに対して、ユーザ端末3から受信した決済要求が示す金額の決済を実行する(S46)。決済サーバ2は、第2IDと、決済の金額と、店舗IDとを示す決済結果を、店舗サーバ1へ送信する。
【0091】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る分析システムSは、ユーザ端末3の位置情報を取得するために用いられる第1IDと、ユーザ端末3を用いた決済に用いられる第2IDとを関連付ける。これにより、分析システムSは、店舗におけるユーザの位置情報及び決済情報を自動的に関連付けることができ、位置情報及び決済情報を関連付けて分析するための手間を削減できる。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0093】
店舗サーバ1、決済サーバ2及びユーザ端末3のプロセッサは、
図8、
図10〜
図12に示す分析方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、店舗サーバ1、決済サーバ2及びユーザ端末3のプロセッサは、
図8、
図10〜
図12に示す分析方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して分析システムSの各部を制御することによって、
図8、
図10〜
図12に示す分析方法を実行する。
図8、
図10〜
図12に示す分析方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。