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特許6936243注文遂行動作におけるロボットならびに待ち行列ロボットのための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6936243
(24)【登録日】2021年8月30日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】注文遂行動作におけるロボットならびに待ち行列ロボットのための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20210906BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   G05D1/02 H
   B65G1/137 A
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-550338(P2018-550338)
(86)(22)【出願日】2017年3月25日
(65)【公表番号】特表2019-516169(P2019-516169A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】US2017024194
(87)【国際公開番号】WO2017165873
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2019年6月19日
(31)【優先権主張番号】15/081,124
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518032856
【氏名又は名称】ローカス ロボティクス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Locus Robotics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、マイケル チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、ショーン
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ、ブラッドリー
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー、ケイトリン マーガレット
【審査官】 中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】 特表平09−508740(JP,A)
【文献】 特開2000−250627(JP,A)
【文献】 特開2007−257195(JP,A)
【文献】 特開平04−052808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある環境の中で目的地に向かう予定の待ち行列ロボットのための方法であって、
第1のロボットが前記目的地を占有しているか否かを判定するステップと、
前記第1のロボットが前記目的地を占有していると判定された場合、前記目的地に向かう予定の第2のロボットが、前記目的地近傍の予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定するステップと、
前記第2のロボットが前記予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、前記第2のロボットを第1の行列場所にナビゲートするステップと、
前記第1のロボットが前記目的地を占有し、かつ、前記第2のロボットが前記第1の行列場所を占有しているとき、前記目的地に向かう予定の第3のロボットが前記予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定し、前記第1のロボットが前記目的地を占有しているとともに前記第2のロボットが前記第1の行列場所を占有する間に、前記第3のロボットが前記予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、前記第3のロボットを第2の行列場所にナビゲートするステップと、
前記第1のロボットが前記目的地を占有しなくなるまで前記第2のロボットを前記第1の行列場所で待機させるとともに、前記第1のロボットが前記目的地を占有しなくなるまで前記第3のロボットを前記第2の行列場所で待機させるステップと、
前記第1のロボットが前記目的地を離れた後に、前記第2のロボットを前記目的地にナビゲートするステップと、を含み、
前記第1の行列場所は、第1の予め設定された距離だけ目的地から離れるとともに前記第2の行列場所は、第2の予め設定された距離だけ前記第1の行列場所から離れ、かつ、前記第1の予め設定された距離と前記第2の予め設定された距離とは、非均一および変化可能のいずれかである、
方法。
【請求項2】
前記環境は、顧客注文の遂行のための物品を収容する倉庫空間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記目的地は、目標ポーズによって規定され、かつ、前記第1の行列場所は、第1の行列ポーズによって規定されており、前記第2のロボットは、前記第1の行列ポーズにナビゲートすることによって前記第1の行列場所にナビゲートする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記第2の行列場所は、第2の行列ポーズによって規定されており、前記第2のロボットは、前記第2の行列ポーズにナビゲートすることによって前記第2の行列場所にナビゲートする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のロボットが前記目的地を占有し続けているか否かを判定するステップと、前記第1のロボットが前記目的地を占有していない場合は、前記第2のロボットを前記目的地にナビゲートするステップと、前記第3のロボットを前記第1の行列場所にナビゲートするステップと、前記第2のロボットが前記目的地を占有しなくなるまで前記第3のロボットを前記第1の行列場所で待機させるステップと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のロボットを前記目的地にナビゲートするステップは、前記第2のロボットを前記目標ポーズにナビゲートすることを含み、前記第3のロボットを前記第1の行列場所にナビゲートするステップは、前記第のロボットを前記第1の行列ポーズにナビゲートするステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ある環境の中で目的地に向かう予定の待ち行列ロボットのためのシステムであって、
管理システムと、
目的地に向かう予定の、少なくとも第1のロボットと、第2のロボットと、第3のロボットと、
を備え、
前記管理システムは、少なくとも前記第1のロボットと、前記第2のロボットと、前記第3のロボットと通信するように構成され、かつ、
前記第1のロボットが前記目的地を占有しているか否かを判定し、
前記第1のロボットが前記目的地を占有していると判定された場合、前記第2のロボットが、前記目的地近傍の予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定し、
前記第2のロボットが前記予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、前記第2のロボットを第1の行列場所にナビゲートし、
前記第1のロボットが前記目的地を占有しなくなるまで前記第2のロボットを前記第1の行列場所で待機させ、
前記第1のロボットが前記目的地を占有し、かつ、前記第2のロボットが前記第1の行列場所を占有しているとき、前記第3のロボットが前記予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定し、
前記第1のロボットが前記目的地を占有しているとともに前記第2のロボットが前記第1の行列場所を占有する間に、前記第3のロボットが前記予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、当該管理システムが前記第3のロボットを第2の行列場所にナビゲートするように仕向け、かつ、前記第1のロボットが前記目的地を占有しなくなるまで前記第3のロボットを前記第2の行列場所で待機させ、
前記第1のロボットが前記目的地を離れた後に、前記第2のロボットを前記目的地にナビゲートするように構成され、
前記第1の行列場所は、第1の予め設定された距離だけ目的地から離れるとともに前記第2の行列場所は、第2の予め設定された距離だけ前記第1の行列場所から離れ、かつ、前記第1の予め設定された距離と前記第2の予め設定された距離とは、非均一および変化可能のいずれかである、
システム。
【請求項8】
前記環境は、顧客注文の遂行のための物品を収容する倉庫空間である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
記目的地は、目標ポーズによって規定され、かつ、前記第1の行列場所は、第1の行列ポーズによって規定され、前記第2のロボットは、前記第1の行列ポーズにナビゲートすることによって前記第1の行列場所にナビゲートする、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
記第2の行列場所は、第2の行列ポーズによって規定され、前記第3のロボットは、前記第2の行列ポーズにナビゲートすることによって前記第2の行列場所にナビゲートする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記管理システムは、前記第1のロボットが前記目的地を占有し続けているか否かを判定するようにさらに構成されるとともに、前記第1のロボットが前記目的地を占有していない場合は、前記管理システムは、前記第2のロボットが前記目的地にナビゲートするように仕向け、前記管理システムは、前記第3のロボットが前記第1の行列場所にナビゲートするように仕向け、かつ、前記管理システムは、前記第2のロボットが前記目的地を占有しなくなるまで前記第3のロボットを前記第1の行列場所で待機させる、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記管理システムは、前記第2のロボットを前記目標ポーズにナビゲートすることによって前記第2のロボットを前記目的地に仕向け、かつ、前記第3のロボットを前記第1の行列ポーズにナビゲートすることによって前記第3のロボットを前記第1の行列場所に仕向けるように、さらに構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも第1の追加のロボットと第2の追加のロボットとを収容する環境の中にある予め規定された複数の場所にナビゲートすることができるロボットであり、前記ロボットと、前記第1の追加のロボットと、前記第2の追加のロボットとが、管理システムと相互作用することができる、ロボットであって、
移動ベースと、
前記ロボットと前記管理システムとの間の通信を可能にする通信装置と、
前記管理システムとの通信に応答する処理装置であって、
前記ロボットを前記環境の中にある目的地にナビゲートし、
前記第1の追加のロボットが前記目的地を占有しているか否かを判定し、
前記第1の追加のロボットが前記目的地を占有していると判定された場合、前記ロボットが前記目的地近傍の予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定し、
前記ロボットが前記予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、前記第2の追加のロボットが第1の行列場所を占有していないときに前記ロボットを前記第1の行列場所にナビゲートし、
前記第1の行列場所が前記第2の追加のロボットによって占有されていない場合、前記第1の追加のロボットが前記目的地を占有しなくなるまで前記ロボットを前記第1の行列場所で待機させるとともに、前記第1の追加のロボットが前記目的地を占有しなくなってから、前記ロボットを前記目的地にナビゲートし、
前記第1の行列場所が前記第2の追加のロボットによって占有されている場合、前記第2の追加のロボットが前記第1の行列場所を占有しなくなるまで前記ロボットを第2の行列場所で待機させるとともに、前記第2の追加のロボットが前記第1の行列場所を占有しなくなってから前記ロボットを前記第1の行列場所にナビゲートするように構成される、前記処理装置と、を備え、
前記第1の行列場所は、第1の予め設定された距離だけ目的地から離れるとともに前記第2の行列場所は、第2の予め設定された距離だけ前記第1の行列場所から離れ、かつ、前記第1の予め設定された距離と前記第2の予め設定された距離とは、非均一および変化可能のいずれかである、
ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文遂行動作におけるロボットならびに待ち行列ロボット支援する製品注文遂行システムおよび方法に関し、より詳細には、共通の場所に向かう予定の注文遂行動作におけるロボットならびに待ち行列ロボットのための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
宅配のためのインターネットによる製品の注文は、きわめて人気のある買い物方法である。かかる注文を、適時に、正確かつ効率的な方法で遂行することは、控えめに言っても、物流面の課題がある。仮想ショッピングカート内の「勘定」ボタンをクリックすると、「注文」が作成される。注文は、特定の住所に出荷されるべき物品のリストを含む。「遂行」のプロセスは、大型倉庫からこれらの物品を物理的に取り出すこと、すなわち「物品を取り出す」こと、それらを梱包すること、およびそれらを指定された住所に出荷することを含む。したがって、注文遂行プロセスの重要な目標は、可能な限り短時間で多くの物品を出荷することである。
【0003】
注文遂行プロセスは、典型的には、注文で列挙されたものを含む、多くの製品を収容する大型倉庫で実施される。したがって、注文遂行のタスクには、注文で列挙された様々な物品を見つけて収集するために倉庫を横断するタスクが含まれる。加えて、最終的に出荷される製品は、まず、倉庫内に搬入され、それらが出荷のために容易に引き出されるように、倉庫全体にわたり秩序立てて収納庫内に保管または「配置」される必要がある。
【0004】
大型の倉庫では、配送・注文されている商品を、倉庫内で互いに大きく離して保管し、多数の他の商品の間で分散させることができる。商品の配置および取り出しのために人間の作業者のみを採用する注文遂行プロセスでは、作業者は、長々と歩く必要があり、非効率的で、時間がかかる可能性がある。遂行プロセスの効率は、単位時間当たりに出荷される物品の数の関数であるため、時間の増加に伴い、効率は低下する。
【0005】
効率を上げるために、ロボットは、人間の役割を実行するために使用され得、あるいは人間の活動を補うために使用され得る。例えば、ロボットは、倉庫全体に分散された様々な場所に多数の物品を「配置する」ように、あるいは梱包および出荷のために様々な場所から物品を「取り出す」ように割り当てられ得る。選出と配置は、ロボット単独で、または人間の作業者の支援を伴って実行され得る。例えば、取り出し動作の場合、人間の作業者が物品を棚から取り出してロボット上に配置する可能性があり、あるいは、配置動作の場合、人間の作業者がロボットから物品を取り出して棚上に配置する可能性がある。
【0006】
多数のロボットが空間をナビゲートする場合、各ロボットが、別のロボットの占有する位置へナビゲートを試みる可能性が高く起こり得る結果、競合状態となる。かかる競合状態は、2つのロボットが同じ位置への到達を試みて、それらが変化する外部環境と折り合いをつけることを試みるためにプロセッサバウンドになる状態である。競合状態は極めて望ましくなく、この状態が解決されるまで、ロボットはさらなる動作を実行することができなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本発明は、ある環境の中で目的地に向かう予定の待ち行列ロボットのための方法を特徴とする。この方法は、第1のロボットが目的地を占有しているか否かを判定するステップと、第1のロボットが目的地を占有していると判定された場合、目的地に向かう予定の第2のロボットが目的地近傍の予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定することを含む。第2のロボットが予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、方法は、第2のロボットを第1の行列場所にナビゲートするステップと、第1のロボットが目的地を占有しなくなるまで第2のロボットを第1の行列場所で待機させるステップとを含む。方法はさらに、第1のロボットが目的地を離れた後に第2のロボットを目的地にナビゲートするステップを含む。
【0008】
本発明の他の態様では、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。環境は、顧客注文の遂行のための物品を収容する倉庫空間であり得る。第1の行列場所は、予め設定された距離だけ目的地から離れ得る。目的地は、目標ポーズによって規定され得、第1の行列場所は、第1の行列ポーズによって規定され得る。第2のロボットは、第1の行列ポーズにナビゲートすることによって第1の行列場所にナビゲートし得る。この方法は、第1のロボットが目的地を占有し、第2のロボットが第1の行列場所を占有するとき、目的地に向かう予定の第3のロボットが予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定することをさらに含み得る。第1のロボットが目的地を占有し、第2のロボットが第1の行列場所を占有している間に、第3のロボットが予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、この方法は、第3のロボットを第2の行列場所にナビゲートするステップと、第1のロボットが目的地を占有しなくなるまで第3のロボットを第2の行列場所で待機させることを含み得る。
【0009】
本発明のさらなる態様では、第2の行列場所は、予め設定された距離だけ第1の行列場所から離れ得る。第2の行列場所は、第2の行列ポーズによって規定され得、第2のロボットは、第2の行列ポーズにナビゲートすることによって第2の行列場所にナビゲートし得る。この方法はさらに、第1のロボットが目的地を占有し続けているか否かを判定するステップと、占有していない場合には、第2のロボットを目的地にナビゲートするステップと、第3のロボットを第1の行列場所にナビゲートするステップと、第2のロボットが目的地を占有しなくなるまで第3のロボットを第1の行列場所で待機させるステップとを含み得る。第2のロボットを目的地にナビゲートするステップは、第2のロボットを目標ポーズにナビゲートするステップを含み得、第3のロボットを第1の行列場所にナビゲートするステップは、第2のロボットを第1の行列ポーズにナビゲートするステップを含み得る。
【0010】
本発明の別の態様は、目的地に向かう予定の待ち行列ロボットのためのシステムを特徴とする。管理システムおよび目的地に向かう予定の少なくとも第1のロボットと第2のロボットが存在する。管理システムは、少なくとも第1のロボットと第2のロボットと通信し、第1のロボットが目的地を占有しているか否かを判定するように構成される。第1のロボットが目的地を占有していると判定された場合、第2のロボットが目的地近傍の予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かが判定される。第2のロボットが予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、管理システムは、第2のロボットを行列場所にナビゲートし、第1のロボットが目的地を占有しなくなるまで第2のロボットを予め規定された行列場所で待機させる。次に、管理システムは、第1のロボットが目的地を離れた後に、第2のロボットを目的地にナビゲートする。
【0011】
本発明の他の態様では、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。環境は、顧客注文の遂行のための物品を収容する倉庫空間であり得る。第1の行列場所は、予め設定された距離だけ目的地から離れ得、目的地は、目標ポーズによって規定され得る。第1の行列場所は、第1の行列ポーズによって規定され得、第2のロボットは、第1の行列ポーズにナビゲートすることによって第1の行列場所にナビゲートし得る。第3のロボットが目的地に向けられている場合、管理システムは、第1のロボットが目的地を占有し、第2のロボットが第1の行列場所を占有するときに、第3のロボットが予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定するように構成され得る。第1のロボットが目的地を占有しているとともに第2のロボットが第1の行列場所を占有している間に、第3のロボットが予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、システムは、第3のロボットが第2の行列場所へナビゲートするように仕向け、かつ、第1のロボットが目的地を占有しなくなるまで第3のロボットを第2の行列場所で待機させることができる。
【0012】
本発明のさらなる態様では、第2の行列場所は、予め設定された距離だけ第1の行列場所から離れ得、第2の行列場所は、第2の行列ポーズによって規定され得る。第2のロボットは、第2の行列ポーズにナビゲートすることによって第2の行列場所へナビゲートし得る。管理システムはさらに、第1のロボットが目的地を占有し続けているか否かを判定するように構成され得るとともに占有していない場合は、システムは、第2のロボットが目的地へナビゲートするように仕向け得る。システムはまた、第3のロボットが第1の行列場所へナビゲートするように仕向け、第2のロボットが目的地を占有しなくなるまで第3のロボットを第1の行列場所で待機させる。管理システムはさらに、第2のロボットを目標ポーズにナビゲートすることによって目的地に仕向けるように構成され得、かつ、第3のロボットを第1の行列ポーズにナビゲートすることによって第3のロボットを第1の行列場所に仕向け得る。
【0013】
本発明のさらなる態様は、少なくとも1つの追加のロボットを収容する環境の中にある予め規定された複数の場所にナビゲートすることができるロボットを備える。ロボットと少なくとも1つの追加のロボットとは、管理システムと相互作用することができる。ロボットは、移動ベースと、ロボットと管理システムとの間の通信を可能にする通信装置と、管理システムとの通信に応答する処理装置とを含む。処理装置は、ロボットを環境の中にある目的地にナビゲートし、少なくとも1つの追加のロボットが目的地を占有しているか否かを判定するように構成される。少なくとも1つの追加のロボットが目的地を占有していると判定された場合、ロボットが目的地近傍の予め規定された目標ゾーンに入ってきたか否かを判定する。ロボットが予め規定された目標ゾーンに入ってきたと判定された場合、処理装置は、ロボットを行列場所にナビゲートし、かつ、少なくとも1つの追加のロボットが目的地を占有しなくなるまでロボットを予め規定された行列場所で待機させるように構成される。処理装置はその後、少なくとも1つの追加のロボットが目的地を離れた後に、ロボットを目的地にナビゲートするように構成される。
【0014】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の詳細な説明および添付の図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】注文遂行倉庫の平面図。
図2図1に示す倉庫内で使用される1つのロボットのベースの斜視図。
図3図1に示す棚の前方に停留する、アーマチュアに装着された図2のロボットの斜視図。
図4】ロボット上のレーザレーダを用いて作成された図1の倉庫の部分マップ。
図5】倉庫全体に分散されるフィデューシャル標識の位置を特定し、該フィデューシャル標識ポーズを記憶するためのプロセスを示すフローチャート。
図6】マッピングを行うためのフィデューシャルIDのテーブル。
図7】フィデューシャルIDマッピングに対する収容器の場所のテーブル。
図8】マッピングプロセスを行うための製品SKU(Stock Keeping Unit)を示すフローチャート。
図9】本発明による待ち行列プロセスで使用される目標場所および行列場所の概略図。
図10】本発明による待ち行列ロボットプロセスを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、典型的な注文遂行倉庫10は、注文16に含まれる可能性のある様々な物品を詰めた棚12を含む。動作中に、倉庫管理サーバ15からの注文16が注文サーバ14に到着する。注文サーバ14は、倉庫10を動き回る複数のロボットから選択されたロボット18へ注文16を伝える。
【0017】
好ましい実施形態では、図2に示すロボット18は、レーザレーダ22を有する自律型車輪付ベース20を含む。ベース20はまた、ロボット18が注文サーバ14からの指示を受信することを可能にするトランシーバ24、およびカメラ26を備える。ベース20はまた、レーザレーダ22およびカメラ26からデータを受信してロボットの環境を示す情報を捕捉する処理装置32と、メモリ34とを備え、これらは、協働して、図3に示すように、棚12に配置されたフィデューシャル標識30へナビゲートする動作と同様に、倉庫10内のナビゲーションに関連する様々なタスクを実行する。フィデューシャル標識30(例:二次元バーコード)は、注文された物品の収容器と場所に対応する。本発明のナビゲーション方法は、図4図8に関して以下に詳細に説明する。
【0018】
本明細書に記載される最初の説明は、顧客への出荷のために注文を遂行するべく、倉庫内の収容器の場所から物品を取り出すことに注目しているが、このシステムは、後の回収や顧客への出荷のために、倉庫内の倉庫全体の収容器の場所に、入庫した物品を保管し、または、配置することにも同様に適用可能である。本発明はまた、製品の集約、計数、検証、検査、および一掃など、かかる倉庫システムに関連する在庫管理タスクにも適用可能である。
【0019】
以下でより詳細に説明するように、ロボット18を利用して、インターリーブ方式で異なるタスクタイプの複数のタスクを実行することができる。すなわち、ロボット18は、倉庫10全体を移動しながら単一の注文を実行する間に、物品を取り出し、物品を配置し、在庫管理タスクを実行し得る。この種のインターリーブ方式のタスクアプローチは、効率および性能を著しく向上させることができる。
【0020】
図2を再び参照すると、ベース20の上面36は、複数の交換可能なアーマチュア40のいずれか1つを嵌める嵌合部38を備える。アーマチュアのうちの1つを図3に示す。図3に示す特定のアーマチュア40は、物品を受けるトート44を搬送するためのトートホルダ42と、タブレット48を支持するためのタブレットホルダ46とを備える。いくつかの実施形態では、アーマチュア40は、物品を担持するために1つ以上のトートを支持する。他の実施形態では、ベース20は、受け入れた物品を担持するための1つ以上のトートを支持する。本明細書で使用される用語「トート」は、これらに限定されないが、貨物ホルダ、容器、かご、棚、物品を吊すことができる棒、缶、木枠、ラック、スタンド、架台、コンテナ、箱、キャニスタ、槽、およびリポジトリを含む。
【0021】
ロボット18は、現在のロボット技術を用いて倉庫10を動き回ることに優れているが、ロボットの対象物の操作に関連する技術が困難なために、迅速かつ効率的に棚から物品を取り出し、それらをトート44に配置することについては、芳しくない。物品を取り出すより効率的な方法は、典型的には人間のローカルオペレータ50を使用して、注文された物品を棚12から物理的に取り出し、それをロボット18の、例えば、トート44内に配置するタスクを実行することである。ロボット18は、ローカルオペレータ50が読み取り可能なタブレット48を介して、またはローカルオペレータ50が使用する携帯装置に注文を送信することによって、ローカルオペレータ50に注文を伝える。
【0022】
注文サーバ14から注文16を受信すると、ロボット18は、例えば、図3に示す、第1の倉庫の場所に進む。これは、メモリ34に記憶され、処理装置32によって実行されるナビゲーションソフトウェアに基づいて実行される。ナビゲーションソフトウェアは、レーザレーダ22によって収集された環境に関するデータと、倉庫10内の特定の物品を見つけることができる場所に対応するフィデューシャル標識30のフィデューシャル識別子(「ID」)を識別する、メモリ34内の内部テーブルと、ナビゲートするためのカメラ26とに依拠する。
【0023】
正しい場所に到達すると、ロボット18は、物品が保管されている棚12の前に停留し、ローカルオペレータ50が物品を棚12から回収してそれをトート44内に配置するのを待つ。ロボット18は回収すべき他の物品がある場合は、それらの場所に進む。ロボット18が回収した物品は、その後、図1に示す梱包所100に引き渡され、そこで物品は梱包・出荷される。
【0024】
当業者であれば、各ロボットが1つ以上の注文を遂行し得、各注文が1つ以上の物品を含み得ることを理解するであろう。典型的には、効率を高めるために、何らかの形態のルート最適化ソフトウェアが含まれる可能性があるが、これは本発明の範囲を超えたものであるから、本明細書では説明しない。
【0025】
本発明の説明を簡略化するために、単一のロボット18およびオペレータ50について説明する。しかしながら、図1から明らかなように、典型的な遂行動作は、連続的な流れの注文を遂行するために倉庫内で互いに作業する多くのロボットおよびオペレータを含む。
【0026】
本発明のナビゲーション方法を、物品が配置される倉庫内のフィデューシャル標識に関連付けられたフィデューシャルID/ポーズに対する回収すべき物品のSKUの意味マッピングとともに、図4図8に関連して以下に詳細に説明する。
【0027】
1つ以上のロボット18を使用する際には、倉庫10のマップを作成しなければならず、倉庫全体に分散された様々なフィデューシャル標識の場所を判定しなければならない。このために、ロボット18のうちの1つは、図4に示すように、そのレーザレーダ22およびSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を利用して、倉庫をナビゲートしマップ10aを構築するものであり、SLAMは、未知の環境マップの構成または更新の計算上の問題である。一般的なSLAM近似解法は、粒子フィルタおよび拡張カルマンフィルタを含む。SLAM Gマッピング方法は好ましい方法ではあるが、あらゆる適切なSLAM方法を用いることができる。
【0028】
ロボット18は、レーザレーダが環境を走査する際に受信する反射に基づいて、空間内の開放空間112、壁114、物体116、および棚12など、その他の静止障害物を識別しながら空間全体を移動するときに、倉庫10のマップ10aを作成するために、自身のレーザレーダ22を利用する。
【0029】
マップ10aを構築する間、またはその後に、1つ以上のロボット18は、物品が保管される、図3に示す32および34などの収容器近傍の棚に配置された倉庫全体に分散されたフィデューシャル標識(二次元バーコード)を場所特定するべく、環境を走査するためのカメラ26を使用しながら倉庫10中をナビゲートする。ロボット18は、原点110などの、既知の出発点すなわち原点をフィデューシャルとして使用する。図3および図4に示すフィデューシャル標識30などのフィデューシャル標識がロボット18によってそのカメラ26を用いて配置されると、原点110に対する倉庫内の場所が判定される。
【0030】
ホイールエンコーダとヘディングセンサとの使用により、ベクトル120と倉庫10内のロボットの位置とを判定し得る。フィデューシャル標識/二次元バーコードの撮像画像と、その既知のサイズとを使用して、ロボット18は、フィデューシャル標識/二次元バーコードのロボットに対する向きと距離、すなわちベクトル130を判定することができる。既知のベクトル120,130によって、原点110とフィデューシャル標識30との間のベクトル140を決定することができる。ベクトル140と、ロボット18に対して判定されたフィデューシャル標識/二次元バーコードの向きとから、フィデューシャル標識30に対する四元数(x,y,z,ω)によって規定されるポーズ(位置および向き)を判定することができる。
【0031】
フィデューシャル標識の配置プロセスを示す図5のフローチャート200について説明する。これは、初期マッピングモードで、ロボット18が、取り出し、配置、および他のタスクの少なくともいずれか一つを実行する間に、倉庫内で新しいフィデューシャル標識に遭遇した時に実行される。ステップ202において、ロボット18は、カメラ26を用いて画像を撮像し、ステップ204において、撮像画像内のフィデューシャル標識を探索する。ステップ206において、画像内にフィデューシャル標識が発見された場合(ステップ204)、フィデューシャル標識が、ロボット18のメモリ34内に格納された、図6に示すフィデューシャルテーブル300内に既に記憶されているか否かが判定される。フィデューシャル情報がメモリ内に既に記憶されている場合は、フローチャートは、別の画像を撮像するためにステップ202に戻る。メモリ内に記憶されていない場合は、上述のプロセスに従ってポーズが決定され、ステップ208で、フィデューシャルからポーズへの参照テーブル300に追加される。
【0032】
各ロボットのメモリ内に記憶され得る参照テーブル300には、各フィデューシャル標識に対して、フィデューシャルID1,2,3、など、および各フィデューシャルIDに関連付けられたフィデューシャル標識/バーコードに対するポーズが含まれる。ポーズは、倉庫内の向きまたは四元数(x,y,z,ω)とともに、x,y,z座標で構成される。
【0033】
図7に示す別の参照テーブル400は、これもまた各ロボットのメモリ内に記憶され得るものであり、特定のフィデューシャルID404、例えば、数字の「11」に対応づけられた、倉庫10内の収容器の場所(例えば、402a〜402f)の一覧表である。収容器の場所は、この実施例では、7桁の英数文字で構成される。最初の6文字(例:L01001)は、倉庫内の棚の場所に関連しており、最後の文字(例:A〜F)は棚の場所の特定の収容器を特定する。この実施例では、フィデューシャルID「11」に関連づけられた6つの異なる収容器の場所が存在する。各フィデューシャルID/標識に関連づけられた1つ以上の収容器が存在し得る。
【0034】
英数文字の収容器の場所は、例えば、図3に示すオペレータ50などの人間にとって、物品が保管されている倉庫10内の物理的な場所に対応するものとして、理解可能である。しかし、それらはロボット18に対しては意味を持たない。ロボット18は、フィデューシャルIDに対する場所をマッピングすることによって、図6に示すテーブル300内の情報を用いてフィデューシャルIDのポーズを判定して、本明細書で説明するポーズにナビゲートすることができる。
【0035】
本発明による注文遂行プロセスを、図8のフローチャート500に示す。ステップ502において、図1の倉庫管理サーバ15は、回収すべき1つ以上の物品で構成され得る注文を受ける。ステップ504において、倉庫管理サーバ15によって物品のSKU番号が判定され、ステップ506において、SKU番号から収容器の場所が判定される。次いで、注文に対する収容器の場所のリストがロボット18に送信される。ステップ508において、ロボット18は、収容器の場所をフィデューシャルIDに紐づけ、ステップ510において、フィデューシャルIDから各フィデューシャルIDのポーズを取得する。ステップ512で、ロボット18は、図3に示すようなポーズにナビゲートし、そこでオペレータは適切な収容器から回収されるべき物品を取り出して、それをロボット上に配置することができる。
【0036】
倉庫管理サーバ15によって取得されたSKU番号や収容器の場所などの物品の特定情報は、ロボットがフィデューシャル標識の各場所に到着した時にオペレータ50に回収すべき特定の物品を通せるように、ロボット18上のタブレット48に送信することができる。
【0037】
SLAMマップと既知のフィデューシャルIDのポーズとにより、ロボット18は、様々なロボットナビゲーション技術を用いて、フィデューシャルIDのうちのいずれか1つに容易にナビゲートすることができる。好ましい手法は、倉庫10内の開放空間112、壁114、物体116、(棚12などの)棚、および他の障害物の情報が付与された、フィデューシャルIDのポーズに初期ルートを設定することと連関する。ロボットは、自己のレーザレーダ22を用いて倉庫を横断し始めると、他のロボット18およびオペレータ50、あるいは他のロボット18またはオペレータ50などの、静的なものについても動的なものについても、その経路に何らかの障害物があるか否かを判定し、フィデューシャル標識のポーズへのその経路を反復的に更新する。ロボットは、障害物を回避しつつ、最も効率的かつ有効な経路を常に探索しながら、およそ50ミリ秒毎に、そのルートを再計画する。
【0038】
いずれも本明細書に説明する、SLAMナビゲーション技術と組み合わされたフィデューシャルポーズマッピングのための製品のSKU/フィデューシャルIDの技術によって、ロボット18は、倉庫内の場所を判定するためのグリッド線および中間フィデューシャル標識を含む、典型的に使用されるものより複雑なナビゲーション方法を使用する必要なく、倉庫空間を非常に効率的かつ効果的にナビゲートすることができる。
【0039】
上述のように、空間をナビゲートする複数のロボットで発生する可能性のある問題は、「競合状態」と呼ばれており、1つ以上のロボットが別のロボットによって占有された空間へのナビゲートを試みる場合に発生する可能性がある。本発明によれば、ロボットに対して代わりの到着地を作成して、ロボットを行列に配置し、競合状態の発生を回避する。このプロセスは図9に示されており、ロボット600は、目的地/ポーズ602に位置し、にあるように示されている。ポーズ602は、例えば、梱包または積込所、もしくは特定の収容器近傍の場所など、倉庫空間内の任意の場所に対応可能である。ロボット604,606,および608などの他のロボットが、ポーズ602への(ロボットからポーズ602までの点線で示すような)ナビゲートを試みると、ロボットは、ある場所、すなわち行列スロット610,612,614などの一時保持場所へ仕向け直される。
【0040】
行列スロット610,612,614は、ポーズ602から離れている。この実施例では、行列スロット610は、距離xだけポーズ602から離れており、該距離xは、例えば、1メートルであり得る。行列スロット612は、行列スロット610からさらに距離xだけ離れており、行列スロット614は、行列スロット612からさらに距離xだけ離れている。この実施例では、距離は、ポーズ602から出る直線に沿って均一に離間されているが、これは、本発明の要件ではない。行列スロットの場所は、非均一であり得、倉庫の動的環境によって変化し得る。行列スロットは、基礎となるグローバルマップ、ならびに既存の障害物および局所マップの制約に従う待ち行列アルゴリズムに従って、離間され得る。待ち行列アルゴリズムはまた、通行阻止、他のロケーションとの干渉、および新たな障害物の生成の回避のために、目的地近傍の空間とポーズにおける待ち行列の現実的な限界を考慮し得る。
【0041】
さらに、行列へのロボットの適切な行列スロットを管理しなければならない。図9に示す実施例では、ポーズ602を占有する第1の優先度を有するロボットは、第1の行列スロット610内に並ばされ、他のロボットは、それぞれの優先度に基づいて他の行列スロット内に並ばされる。優先度は、ポーズ602近傍の領域618内へのロボットの進入順によって決定される。この場合、領域618は、ポーズ602周りの約3メートル(すなわち、3x)の半径Rによって規定される。この場合、前記領域に入る604の第1のロボットは、最も高い優先度を有しており、第1の行列スロットである行列スロット610に割り当てられる。ロボット600がまだポーズ602にあり、ロボット604が行列スロット610に配置されていると仮定すると、ロボット608よりも領域618に近いロボット606は、領域618に入ると、次に高い優先度を有し、したがって行列スロット612に割り当てられる。ロボット600がまだポーズ602にあり、ロボット604および606がそれぞれ行列スロット610および612に配置されていると仮定すると、次にロボット608が領域618に入り、行列スロット614に割り当てられる。
【0042】
ロボット600がポーズ602から移動すると、ロボット604が行列スロット610からポーズ602に移動する。ロボット606および608は、それぞれ、行列スロット610および612に移動する。領域618に入る次のロボットは、行列スロット614に配置されると考えられる。予想される交通流を収容するために、さらなる数の行列スロットを含める可能性があることは言うまでもない。
【0043】
ロボットが行列スロットから最終的に目的地に至るナビゲート方法は、ロボットを目的地のポーズから行列スロットのポーズに一時的に仕向け直すことにより達成される。換言すれば、ロボットを行列スロット内に配置しなければならないと判定された場合には、その目標ポーズは、ロボットが割り当てられる行列スロットの位置に対応するポーズに一時的に調整される。ポーズが行列内の予め規定された場所に移動すると、当該ポーズが元の目標ポーズにリセットされる元の目的地に到着できるまで、ポーズは再び、次に高い優先度の行列スロットのポーズに一時的に調整される。
【0044】
図10のフローチャート700は、倉庫内の特定のポーズ(目標ポーズ)に対する、倉庫管理サーバ15によって具現されるロボット待ち行列プロセスを示す。ステップ702において、目標ポーズがロボットによって占有されているか否かを判定する。占有されていない場合、プロセスは、目標ポーズを占有するロボットが現れるまでステップ702に戻る。ロボットが目標ポーズを占有している場合、ステップ704において、プロセスは、目標ゾーン内に別のロボットが存在するか否か、または1つ以上の行列スロット内にロボットが存在するか否かを判定する。目標ゾーンまたは1つ以上の行列スロット内にロボットが存在しないと判定された場合、プロセスはステップ702に戻る。目標ポーズを占有するロボットが存在するか、または行列スロットが占有されていると判定された場合には、ステップ706において、ロボットを適切な行列スロットに割り当てる。
【0045】
目標ゾーン内にロボットが存在するが、行列スロット内にロボットが存在しない場合は、目標ゾーン内のロボットは、第1の行列スロット、すなわち図9に示す行列スロット610を占有するように仕向けられる。目標ゾーン内にロボットが存在し、ロボット(または行列スロット内に複数のロボット)が存在する場合には、目標ゾーン内のロボットは、上述のように、次の利用可能な行列スロット内に入れられる。目標ゾーン内にロボットが存在しないが、行列スロット内にロボットが存在する場合、スロットに入れられたロボットは同じ位置に留まる。ステップ708において、目標ポーズが占有されていないと判定された場合、行列スロット内のロボットは、1つ先の位置へ、すなわち、行列スロット610から目標ポーズへ、行列スロット612から行列スロット610へ、などのように移動する。目標ポーズがまだ占有されている場合は、プロセスはステップ704に戻る。
【0046】
本発明およびその好ましい実施形態について説明したが、本発明の新規性を有し、特許を保証されることを請求する内容は、特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10