【実施例】
【0015】
図1は、本発明の急冷携帯扇風機の側面の断面図である。
図1において、100は携帯扇風機、200は急速冷却部である。また、110は回転ファン部、111は枠部、112は回転ファンであり、120は手持部、121は内蔵電池、130は回転ファン部110と手持部を接続する回転接続部である。
【0016】
更に、急速冷却部200では、210は前面部、211は多数の細孔、212は前面板、213は前筒状部、220は後面部、221は多数の細孔、222は後面板、223は後筒状部、224は水平の隔板、230は粒状または粉末状ドライアイスを示している。
【0017】
図1において、急速冷却部200は、携帯扇風機100の回転ファン部110の前面に配置される。急速冷却部200は、多数の細孔211を設けた前面板212と前筒状部213から成る前面部210と、多数の細孔221を設けた後面板222と後筒状部223と複数の水平の隔板224から成る後面部220とを組合せて形成されている。
【0018】
図1において、多数の細孔211を設けた前面板212と、多数の細孔221を設けた後面板222との間の空間は、前筒状部213と後筒状部223と複数の水平の隔板224により複数の区画に区分され、複数の区画の各区画内に、粒状または粉末状ドライアイス230を収納し保持することが可能である。
【0019】
図1において、複数の区画の各区画内に、粒状または粉末状ドライアイス230を収納した急速冷却部200を携帯扇風機100の回転ファン部110の前面に配置し、手持部120に内蔵した内蔵電池121の動力で、回転ファン112を回転させる。
【0020】
図1において、外気の生暖かい空気が前方に送風され、後面板222の多数の細孔221から、急速冷却部200内に流入すると、急速冷却部200内で、複数の区画の各区画内に収納し保持された粒状または粉末状ドライアイス230に全面的に接触して急速に冷却され、冷風が前面212の多数の細孔211から前方に噴出するので、十分に涼しい扇風を楽しむことができる。
【0021】
図2は本発明の急冷携帯扇風機の携帯扇風機と急速冷却部を示す正面図である。(実施例)
携帯扇風機100の回転ファン部110は、枠部111、回転ファン112を備えており、手持部120は、内蔵電池121、USB接続部122、ONOFFボタン123、風量調節ボタン124を備えている。また、携帯扇風機100の回転ファン部110と手持部120とは、回転接続部130により折り畳み可能なコンパクトな形態となっている。
【0022】
また、
図2において、200は急速冷却部、210は前面部、211は多数の細孔、212は前面板、213は前筒状部、220は後面部、221は多数の細孔、222は後面板、223は後筒状部、224は水平の隔板を示しており、粒状または粉末状ドライアイス230を収納し保持することが可能な複数の区画を形成する、前面板212と前筒状部213と後面板212と後筒状部213と複数の水平の隔板224とについては、異なる斜線により区別して記載している。
【0023】
図2において、多数の細孔211を設けた前面板212と、多数の細孔221を設けた後面板222との間の空間は、前筒状部213と後筒状部223と複数の水平の隔板224により複数の区画に区分され、複数の区画の各区画内に、粒状または粉末状ドライアイス230を収納し保持することが可能である。
【0024】
図3は本発明の急冷携帯扇風機の急速冷却部の具体例の内側を示す分解図である。(具体例1)
図3の具体例1において、
図3(A)は、前面部210の内側を、
図3(B)は、後面部220の内側を示している。
【0025】
図3(A)において、200は急速冷却部、210は前面部、211は多数の細孔、212は前面板、213は前筒状部、214はボルト部を示している。
また、
図3(B)において、200は急速冷却部、220は後面部、221は多数の細孔、222は後面板、223は後筒状部、224は複数の水平の隔板、225は内側筒状部、226は複数の回転係止部を示している。
【0026】
図3(A)の前面部210と、
図3(B)の後面部220を組合せて、急速冷却部200を形成するために、前面部210の内側には、外面に把持ナット部を取り付けるための複数のボルト部214が追加され、後面部220の後筒状部223の内側には、内側筒状部225が追加され、後筒状部223の外側には、複数の回転係止部226が追加されている。
【0027】
急速冷却部200内に、粒状または粉末状ドライアイス230を収納し保持するには、後面板222と水平の隔板224と後筒状部223の内側の内側筒状部225との間の各区画内に、粒状または粉末状ドライアイス230を詰め込んだ後、前面部210の前筒状部213を、後面部220の後筒状部223と内側筒状部225との間のすき間に挿入して一体化し、複数の回転係止部226の係止片を回転して、前面部210を固定する。
【0028】
図4は本発明の急冷携帯扇風機の急速冷却部の具体例を組立てた正面図である。(具体例1)
図4において、200は急速冷却部、210は前面部、211は多数の細孔、212は前面板、215は複数の把持ナット部、223は後筒状部、226は複数の回転係止部を示している。
【0029】
図4において、急速冷却部200の前面板212に設けられた複数の把持ナット部215を指で把持して、前面部210の前筒状部213を、後面部220の後筒状部223と内側筒状部225との間のすき間に挿入して一体化し、複数の回転係止部226の係止片を回転して、前面部210を固定している。
【0030】
図5は本発明の急冷携帯扇風機の急速冷却部の具体例を組立てた斜視図である。(具体例1)
図5において、200は急速冷却部、211は多数の細孔、212は前面板、215は複数の把持ナット部、223は後筒状部、226は複数の回転係止部を示している。
【0031】
なお、図示しないが、急速冷却部200の後筒状部223の後端を、携帯扇風機100の回転ファン部110の枠部111に固着しておくことにより、携帯扇風機100と急速冷却部200とが一体化され、携帯扇風機100の回転ファン部110からの風を、後筒状部223を介して、後面板222の多数の細孔221から急速冷却部200内に導入することができる。
【0032】
図6は本発明の急冷携帯扇風機の急速冷却部の他の具体例の内側を示す分解図である。(具体例2)
図6の具体例2において、
図6(A)は、前面部210の他の具体例の内側を、
図6(B)は、後面部220の他の具体例の内側を示している。
【0033】
図6(A)において、200は急速冷却部、210は前面部、211は多数の細孔、212は前面板、213は前筒状部、214は複数のボルト部、216は複数の係止突起を示している。
また、
図3(B)において、200は急速冷却部、220は後面部、221は多数の細孔、222は後面板、223は後筒状部、224は複数の水平の隔板を示している。
【0034】
図6(A)の前面部210と、
図6(B)の後面部220とを組合せて、急速冷却部200を形成するために、前面部210の内側には、外面に複数の把持ナット部215を取り付けるための複数のボルト部214が追加され、また、前筒状部210の外面には、複数の係止部216が追加されている。
また、後筒状部223の内側には、複数の水平の隔板224が設けられ、後筒状部223の直径は、前筒状部213の直径よりも若干短く、後筒状部223が前筒状部213内に挿入されて、急速冷却部200が形成される寸法となっている。
いる。
【0035】
急速冷却部200内に、粒状または粉末状ドライアイス230を収納し保持するには、後面板222と複数の水平の隔板224と後筒状部223との間の各区画内に、粒状または粉末状ドライアイス230を詰め込んだ後、前面部210の前筒状部213を、後面部220の後筒状部223上に嵌め込んで一体化し、前筒状部213の外面に設けられた複数の係止突起216を利用して、携帯扇風機100の回転ファン部110の前面に配置し固定する。
【0036】
図7は本発明の急冷携帯扇風機の急速冷却部の他の具体例を組立てた正面図である。(具体例2)
図7において、200は急速冷却部、211は多数の細孔、212は前面板、213は前筒状部、215は複数の把持ナット部、216は複数の係止突起、217は緩衝帯を示している。
【0037】
図7において、急速冷却部200の前面板212に設けられた複数の把持ナット部215を指で把持して、前面部210の前筒状部213を、後面部220の後筒状部223に被せて一体化し、複数の係止突起216にゴムバンド等の緩衝帯217を取り付ける。
【0038】
図8は本発明の急冷携帯扇風機の急速冷却部の他の具体例を組立てた斜視図である。(具体例2)
図8において、200は急速冷却部、211は多数の細孔、212は前面板、213は前筒状部、215は複数の把持ナット部、216は複数の係止突起、217は緩衝帯、228係止部を示している。
【0039】
なお、急速冷却部200の前筒状部223の係止突起216に係合されたゴムバンドk等の緩衝帯の先端に取り付けられた係止部218を、携帯扇風機100の回転ファン部110の枠部111の複数個所に係止することにより、携帯扇風機100の回転ファン部の前面に急速冷却部200とが取り外し可能な形で一体化され、携帯扇風機100の回転ファン部110からの風を、後筒状部223を介して、後面版222の複数の細孔22から、急速冷却部200内に導入することができる。
【0040】
図9は本発明の急冷携帯扇風機に使用されるドライアイスの種類を説明する図面である。
図9(A)は角型のブロック状ドライアイス、
図9(B)は角型のブロック状ドライアイスを裁断したスライス状ドライアイス、
図9(C)は粒状ドライアイス、
図9(D)は粉末状ドライアイスを示している。本発明の急冷携帯扇風機には、
図9(C)の粒状ドライアイスや
図9(D)の粉末状ドライアイスを使用可能である。
【0041】
図9(C)の粒状ドライアイスとしては、角型のドライアイスを専用の装置で砕き、粒状のドライアイスと粉末状のドライアイスが混ざった状態にした「クラッシュドアイス」や、専用装置で製造される円筒状の「ペレットドライアイス」が知られている。
また、
図9(D)の粉末状ドライアイスとしては、液化炭酸ガスから専用装置で製造する「スノードライアイス」などが知られている。これらのドライアイスは市販されており、容易に入手して本発明に使用することができる。
【0042】
図10は本発明の急冷携帯扇風機の急速冷却部の前面
板と後面
板に設けられる多数の細孔の直径と細孔間隔を説明する図面である。
図10(a)は円形の細孔を縦横に配置したもの、
図10(b)は円形の細孔を等間隔に配置したもの、
図10(c)は四角形の細孔を縦横に配置したもの、
図10(d)は六角形の円孔を等間隔に配置したものを例示している。
【0043】
図10では、細孔の直径を「L」、細孔間の間隔を「D」で表しているが、本発明では、使用するドライアイスの種類にも依存するが、細孔の直径「L」を、1.5mm〜2.5mm程度に設定し、細孔間の間隔「D」を2.5mm〜5mm程度に設定すると、粒状又は粉末状ドライアイスを急速冷却部200の各区画内に収納して保持することができ、しかも、後面板222の多数の細孔221から急速冷却部200内に入った扇風が、粒状又は粉末状ドライアイスの内部を通過して、粒状又は粉末状ドライアイスに直接接触して冷却され、扇風機の風量を損なうことなく、温度が十分に低下した冷風を、前面板212の多数の細孔211から送風することが可能である。