特許第6936297号(P6936297)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6936297電流突入を減少させるための双安定リレーの管理を備えたインテリジェントなテーブルタップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6936297
(24)【登録日】2021年8月30日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】電流突入を減少させるための双安定リレーの管理を備えたインテリジェントなテーブルタップ
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20210906BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20210906BHJP
   H01R 25/00 20060101ALI20210906BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   H02J3/00
   H02H7/00 A
   H01R25/00 A
   H01R13/66
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-227909(P2019-227909)
(22)【出願日】2019年12月18日
(62)【分割の表示】特願2017-555475(P2017-555475)の分割
【原出願日】2016年4月12日
(65)【公開番号】特開2020-65436(P2020-65436A)
(43)【公開日】2020年4月23日
【審査請求日】2019年12月18日
(31)【優先権主張番号】62/152,126
(32)【優先日】2015年4月24日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/095,576
(32)【優先日】2016年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518191979
【氏名又は名称】バーティブ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ファーガソン,ケビン・アール
【審査官】 寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−043144(JP,A)
【文献】 特開2011−250658(JP,A)
【文献】 特開昭63−010846(JP,A)
【文献】 特開2001−339779(JP,A)
【文献】 特開昭60−059552(JP,A)
【文献】 特許第6044380(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00
H02H 7/00
H01R 25/00
H01R 13/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電装置(PDU)であって、
外部デバイスの交流(AC)電力コードを、少なくとも1つの電力コンセントに取り付けることが可能であるように構成された、前記少なくとも1つの電力コンセントと、
マイクロコントローラ、電圧状態モニタ、及び、AC電力を外部AC電源から前記少なくとも1つの電力コンセントに供給するための、前記少なくとも1つの電力コンセントと関連する少なくとも1つの双安定リレーを有し、前記電圧状態モニタが、前記BRCの前記マイクロコントローラと、動作可能に結合され、前記少なくとも1つの双安定リレーが、開位置と閉位置とに設定されることが可能な接点を有する、分岐コンセントコントローラ(BRC)であって、
外部AC電源からのAC電力喪失状態を検出し、前記AC電力喪失状態を検出したとき、前記双安定リレーが閉位置にある場合には、前記双安定リレーを開位置にトグル的に切り換えるようにさらに構成され、AC電力が回復された後に、前記双安定リレーを選択的に閉じるように構成されたBRCと、
を備え、
前記電圧状態モニタが、電圧が、閾値より低く低下することを検出することによって、前記AC電力喪失状態を決定するように構成される、
配電装置(PDU)。
【請求項2】
前記BRCが、複数の双安定リレーを備える、請求項1に記載のPDU。
【請求項3】
前記BRCが前記AC電力の喪失状態の直前に閉じられていて、AC電力喪失状態を検出したときに前記BRCによって開放された前記複数の双安定リレーのうちの選択されたものを、前記PDUへの電流の突入を制限するように、順次閉じるように構成される、請求項2に記載のPDU。
【請求項4】
前記AC電力喪失状態が、前記双安定リレーに関連するサーキットブレーカが開放された場合を含む、請求項1に記載のPDU。
【請求項5】
前記BRCが、前記少なくとも1つの双安定リレーの現在の状態を記憶するための不揮発性メモリを備える、請求項1に記載のPDU。
【請求項6】
複数の光学的構成要素を更に備え、前記複数の光学的構成要素の各々1つが、特徴的に、前記双安定リレーの1つと対応付けられて、対応付けられた前記双安定リレーの状態の光学的表示を提供し、
前記状態が、前記対応付けられた前記双安定リレーが、現在、開状態にあるか、又は、平状態にあるか、を表示する、
請求項1に記載のPDU。
【請求項7】
配電装置(PDU)であって、
外部デバイスの交流(AC)電力コードを少なくとも1つの電力コンセントに取り付けることが可能であるように構成された前記少なくとも1つの電力コンセントと、
マイクロコントローラ、電圧状態モニタ、及び、AC電力を外部AC電源から前記少なくとも1つの電力コンセントに供給するための、前記少なくとも1つの電力コンセントと関連する複数の双安定リレーを備え、前記双安定リレーのそれぞれが、開位置と閉位置とに設定されることが可能な接点を有する、分岐コンセントコントローラ(BRC)であって、前記電圧状態モニタが、前記BRCの前記マイクロコントローラと、動作可能に結合され、
前記BRCは、外部AC電源からのAC電力喪失状態を検出し、前記AC電力喪失状態を検出したとき、閉位置にある前記双安定リレーのいずれか1つまたは複数を開位置にトグル的に切り換えるようにさらに構成されており、
前記BRCは、前記複数の双安定リレーを制御して、前記AC電力喪失状態前に、以前、閉位置にあった前記1つ又は複数の双安定リレー、及び、前記AC電力喪失状態の検出に応じて前記BRCによって開状態にされていた前記1つ又は複数の双安定リレー、が全て、前記AC電力が回復された後に、前記PDUへの電流の突入を制限する態様で、再び閉鎖するように順次命じられるように、さらに構成されている、前記BRCと、
を備え、
前記電圧状態モニタが、電圧が、閾値より低く低下することを検出することによって、前記AC電力喪失状態を決定するように構成される、
配電装置(PDU)。
【請求項8】
前記BRCが、前記複数の双安定リレーのそれぞれの状態をモニタし、AC電力が回復された後に、前記双安定リレーの連続的な閉鎖の間に所定の時間遅延を満たすように、前記複数の双安定リレーのうちの特定のものを選択的に閉鎖する、請求項に記載のPDU。
【請求項9】
前記AC電力喪失状態が、前記双安定リレーに関連するサーキットブレーカが開放された場合を含む、請求項7に記載のPDU。
【請求項10】
前記電圧状態モニタが光アイソレータを含む、請求項7に記載のPDU。
【請求項11】
BRCが、前記複数の双安定リレーのそれぞれの現在の状態を記憶するための不揮発性メモリを含む、請求項に記載のPDU。
【請求項12】
複数の光学要素をさらに備えていて、前記複数の光学要素のそれぞれが、それに関連する前記双安定リレーの状態の光学的指標を提供するために、前記双安定リレーの1つと一意的に関連しており、前記状態が、関連する前記双安定リレーが現在開位置にあるかまたは閉位置にあるかを示す、請求項に記載のPDU。
【請求項13】
複数のデータセンタデバイスへのAC電力の適用をモニタおよび制御するための方法であって、
独立のデータセンタデバイスの交流(AC)電力コードのための電力供給点を形成する少なくとも1つのAC電力コンセントを提供するステップと、
マイクロコントローラ、及び、AC電力を外部AC電源から前記AC電力コンセントに供給するための前記AC電力コンセントと関連している少なくとも1つの双安定リレーを有する分岐コンセントコントローラ(BRC)を用いるステップであって、前記少なくとも1つの双安定リレーが開位置と閉位置とに設定されることが可能な接点を有するステップと、
前記BRCを用いて、外部AC電源の電圧をモニタし、AC電力の喪失がまさに生じるときを検出するステップと、
AC電力の検出された切迫する喪失に応答し、前記BRCを用いて、電力が失われる直前に前記双安定リレーが現在閉位置にあるときには、前記BRCへの電力が失われる前に、前記双安定リレーを開位置にトグル的に切り換えるステップと、
前記BRCを用いて、前記少なくとも1つの双安定リレーの状態をモニタし、AC電力が回復された後で、前記双安定リレーを閉じるように命じるステップと、
を備え、
前記BRCを用いて、前記外部AC電源の前記電圧をモニタし、AC電力の喪失がまさに発生しつあることを検出することが、電圧が、閾値より低下することの検出によって、前記AC電力喪失状態を決定することを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年4月11日に出願された米国特許出願第15/095,576号と、2015年4月24日に出願された米国仮特許出願第62/152126号との優先権を主張する。なお、上記出願のすべての開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、双安定リレーを備えたインテリジェントなテーブルタップに関し、さらに詳細には、そのインテリジェントなテーブルタップによって給電されている外部デバイスをオンにするときの突入電流を制限するという様態で複数の双安定リレーを制御することができる、インテリジェントなテーブルタップに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションでは、本開示に関する背景情報を提供するが、提供される背景情報は、必ずしも従来技術とは限らない。
【0004】
インテリジェントなテーブルタップのあるモデルは、たとえばサーバなどの接続された負荷デバイスをリブートすることを主目的としてコンセントの電力線を切り替えるために、典型的には定格が250V、20Arms未満の電力リレーを用いる。負荷デバイスの内部電源設計に応じて、リレーの接点が閉じられた瞬間にその入力バルクコンデンサが充電する間に、実質的な突入電流が生じ得る。この短時間ではあるが大きな電流サージは、リレー接点を恒久的に損なう可能性、すなわち、接点が閉じるように溶接してしまう可能性があり、その結果として、リレー接点がもはや動作しなくなる。それによると、また、典型的には回路ブレーカである上流の回路保護デバイスを動作させる原因にもなり得る。いくつかのリレー製造業者は、それらの設計定格の4倍の瞬間的な電流サージを処理可能な、より高価なデバイスを提供している。リレー接点の保護をさらに補完するためには、電力線周波数の電圧ゼロ交差に従ってリレーを閉じるタイミングを調整することによって、突入電流を緩和することが可能である。
【0005】
一般的にラックPDUと称されるいくつかのテーブルタップは、すべてのコンセントと関連したスイッチング能力を有している。PDUとは、配電装置(power distribution unit)の略称であり、ラックPDUは、サーバなどの電子機器を保持するラックにおいて、用いられる。スイッチング能力を有することの主たる理由は、次の2つの要素から構成される。すなわち、(a)ハングアップ状態にある接続された機器への電力を遠隔的にリサイクルできること、そして、(b)接続されているすべての負荷に大きな突入電流が同時に流れることが原因となって上流のブレーカが始動しないことを保証するために、接続されているすべての機器を順次始動させられること、である。たとえばサーバなどの典型的なIT(情報技術)負荷には、始動の時点では、それらの通常の電流の5倍の電流が流れることがあり得る。過去においては、典型的には、各コンセントにおいてソリッドステートリレーを用いることにより、上述の能力が対処されてきた。
【0006】
ラックPDUにおいては、双安定リレーがますます用いられるようになっているのであるが、その理由は、双安定リレーは、それらの接点状態を維持するためにそれらのコイルをエネルギー供給状態に保つ必要がなく、よりエネルギー効率的であるからである。そのような双安定リレーでは、開いた状態から閉じられた状態におよびそれとは逆の方向に接点状態を変化させるために、コイルにパルスが与えられる。すると、接点は、コイルに再びパルスが与えられるまで、その既存の状態に留まる。対照的に、典型的な常時開のリレーでは、そのリレーの接点を閉じることが望まれるときには、リレーのコイルにエネルギーが供給されなければならず、接点を閉じられた状態に保つためには、エネルギーが供給されている状態が維持されなければならない。典型的な常時開のリレーのコイルへのエネルギー供給が停止されると、リレー接点は、その常時開の状態に復帰する。同様に、典型的な常時閉のリレーでは、そのリレーの接点を開放することが望まれるときには、リレーのコイルにエネルギーが供給されなければならず、接点を開いた状態に保つためには、エネルギーが供給されている状態が維持されなければならない。典型的な常時閉のリレーのコイルへのエネルギー供給が停止されると、リレー接点は、その常時閉の状態に復帰する。双安定リレーを有するラックPDUでは、電力が失われると閉じられる双安定リレーは、閉じられた状態に維持される。電力が回復すると、閉じられた双安定リレーを流れる累積的な突入電流が、典型的には回路ブレーカである上流の回路保護デバイスを始動させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、本開示は、配電装置(PDU)に関しており、この配電装置は、外部デバイスの交流(AC)電力コードを、この電力コンセントに取り付けることが可能であるように構成された少なくとも1つの電力コンセントを備えている。また、分岐コンセントコントローラ(BRC)が含まれ得、このBRCは、少なくとも1つの双安定リレーを有し、AC電力を外部AC電源から少なくとも1つの電力コンセントに供給するために少なくとも1つの電力コンセントと関連している。双安定リレーは、開位置と閉位置とに設定されることが可能な接点を有する。BRCは、さらに、外部AC電源からの電力線電圧のパラメータをモニタし、モニタされたパラメータを用いてAC電力の喪失が生じるときを検出し、AC電力喪失状態を検出したとき、双安定リレーが閉位置にある場合には、双安定リレーを開位置にトグル的に切り換えるように構成され得る。ラック配電装置コントローラ(RPDUC)が含まれ得、このRPDUCは、BRCと通信して、双安定リレーの状態をモニタし、AC電力が回復された後に、双安定リレーを選択的に閉じるようにBRCに命じるように構成されている。
【0008】
別の態様では、本開示は、外部デバイスの交流(AC)電力コードをその電力コンセントに取り付けることが可能であるように構成された少なくとも1つの電力コンセントを備え得る配電装置(PDU)に関する。分岐コンセントコントローラ(BRC)が含まれ得るが、このBRCは、複数の双安定リレーを有し、AC電力を外部AC電源から少なくとも1つの電力コンセントに供給するために少なくとも1つの電力コンセントと関連する。双安定リレーのそれぞれは、開位置と閉位置とに設定されることが可能な接点を有することができる。BRCは、さらに、外部AC電源からの電力線電圧の周波数をモニタし、モニタされた周波数を用いてAC電力の喪失が生じるときを検出し、AC電力喪失状態を検出したとき、閉位置にある双安定リレーのいずれか1つまたは複数を開位置にトグル的に切り換えるように構成され得る。BRCは、さらに、電力線電圧の周波数をモニタし、モニタされた周波数のゼロ交差に関係する情報から、AC電力喪失状態が生じたと決定することによってAC電力の喪失状態を検出し得る。また、ラック配電装置コントローラ(RPDUC)が含まれ得るが、このRPDUCは、BRCと通信して、AC電力喪失状態の前である以前には閉位置にあったリレーが、AC電力が回復された後に、PDUへの電流の突入を制限するように再び閉じられるように、すべて順次命じられるように、双安定リレーを制御するように構成されている。
【0009】
さらに別の態様によると、本開示は、複数のデータセンタデバイスへのAC電力の適用をモニタおよび制御するための方法に関する。この方法は、独立のデータセンタデバイスの交流(AC)電力コードのための電力供給点を形成する少なくとも1つのAC電力コンセントを提供するステップを備え得る。この方法は、また、AC電力を外部AC電源からAC電力コンセントに供給するための電力コンセントと関連しており開位置と閉位置とに設定されることが可能な接点を有する少なくとも1つの双安定リレーを有する分岐コンセントコントローラ(BRC)を用いるステップを備え得る。BRCは、外部AC電源の電力線電圧と関連するパラメータをモニタするのに、用いられ得る。モニタされたパラメータは、AC電力の喪失がまさに生じるときを検出するのに用いられ得る。AC電力の検出された切迫する喪失に応答して、BRCは、電力が失われる直前に双安定リレーが現在閉位置にある場合には、BRCへの電力が失われる前に、双安定リレーを開位置にトグル的に切り換えるのに用いられ得る。BRCと通信して双安定リレーの状態をモニタするように構成されたラック配電装置コントローラ(RPDUC)が、AC電力が回復された後で、BRCに対して、双安定リレーを閉じるように命じるように、用いられ得る。
【0010】
本明細書において説明される図面は、単に例証目的のための、選択された実施形態に関するものであり、すべての可能な実装に関するものではなく、本開示の範囲を制限することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示による、そのPDUの複数のAC電力コンセントのそれぞれに印加されるAC電力をモニタして制御するためのPDUの一実施形態のブロック図である。
図2】本開示の一実施形態によるRPDUCの高レベルのブロック図である。
図3】BRCで用いられるCPLDの一実施形態のブロック図である。
図4】2つのサブバンク(すなわち、サブバンクAおよびサブバンクB)として配列された8つの双安定リレーの図解である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
対応する参照符号は、図面のうちの複数の図を通じて、対応する部分を示す。
【0013】
次に、例示的な実施形態が、添付の図面を参照して、より十分に説明される。
【0014】
本開示の一態様に従って、インテリジェントなテーブルタップの双安定リレーは、電力喪失後に電力が回復したときに突入電流が最小化されるように、管理される。リレーは双安定リレーであるから、それらの最終状態は、電力状態とは無関係に持続的である。電力喪失したときには、双安定リレーは、すべての閉じられているリレーが自動的に開放されるように、制御される。電力喪失は、上流の電力設備からのAC電源の喪失、インテリジェントなテーブルタップの上流にありインテリジェントなテーブルタップに給電する無停電電源装置(「UPS」)の故障、または過電流状態に起因する回路ブレーカの始動によって生じ得る。次回の電源投入サイクルにはいったときは、閉じられるべき双安定リレーは順次閉じられるが、そのような双安定リレーのうちのそれぞれはN回の電力線サイクルごとに閉じられ、全体的な突入電流を最小化して上流の回路ブレーカの始動を回避する。電力線周波数がモニタされ、電力線周波数の喪失が検出されると、それは、結果的に双安定リレーの開放を生じさせる電力喪失が切迫していることを示す。次の電源投入サイクルの間に閉じられる各双安定リレーは、接点のアーク放電とそのリレー接点を流れる突入電流とを最小化するために、その電源投入サイクルの間の、電力線周波数の最小電圧(ゼロ電圧交差)点において、閉じられる。双安定リレーは、接点のアーク放電を最小化するために、電力線周波数の最小電流(ゼロ電流交差)点で、開放され得る。
【0015】
図面の図1を参照すると、本開示による例証のためのラックPDUが記載されている。以下の説明では、MPH2 10は、ラックPDUを表しており、以後では、簡潔に、「MPH10」と称される。この例におけるRPC200012(以後では、単に、「RPC12」)は、MPH10に取り付けられるホットスワップが可能なウェブカードであり得る。RPC12は、マイクロコントローラ14を含み得るのであり、好ましくは、不揮発性(NV)メモリ16も含み得る。RPC12は、また、複数のポートを含み得るが、これらの複数のポートは、限定されることはなく、LANイーサネット(登録商標)ポート18と、拡張/管理ポート20と、(たとえば、本開示の譲受人から入手可能な「BDM」すなわち「基本表示モジュール」である)表示モジュールに結合するためのポート22と、1つまたは複数の1−ワイヤセンサポート24と、RD−232ポート26と、USBポート28とを含む。MPH10は、さらに、マイクロコントローラ32と不揮発性メモリ34とを有するラックPDUコントローラ(RPDUC)30と、1つまたは複数の分岐コンセントコントローラ(BRC)36とを含む。各BRC36は、AC入力電力の喪失について感知する電圧および電流感知サブシステム38aを有する複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)38と、複数の双安定リレー40と、開回路ブレーカ状態に対して感知する開回路ブレーカ(OCB)検出サブシステム42とを有することができる。RPDUC30は、バス44を経由して、BRC36のそれぞれと双方向的な通信をする。RPC12は、バス46を経由して、RPDUC30と双方向的な通信をする。リセットスイッチ48は、MPH10のフェースプレートを経由してユーザによって容易にアクセス可能であるが、ユーザがシステム10AのBRC36へのハードリセットを生じさせることを可能にするために、提供される。
【0016】
図1は、また、複数の分岐回路ブレーカ(CB)50も示している。「分岐」回路ブレーカとは、CB50のそれぞれが、1つの特定のBRC36と、一意的に関連していることを意味する。OCB検出サブシステム42は、CB50をモニタして、いずれか1つまたは複数がいつ始動して開放状態になるかを検出する。そして、上で説明されたように、各BRC36は、複数の双安定リレー40を含んでおり、複数の双安定リレー40とは、ある特定の実施形態では、8つの双安定リレーを備えている。しかし、1つの分岐ごとにより多くのまたはより少数の双安定リレー40が提供され得ることが理解されるであろう。機械的な双安定リレーは、コイルと機械的接点とを有する。それらは、シングルコイルまたはデュアルコイルのリレーであり得る。また、各BRC36に対して、複数のCB50が存在し得る。たとえば、各BRC36が、その双安定リレーを、別々のCB50が各サブバンクと関連する2つのサブバンクに配列された状態で、有することがあり得る。本明細書での用法では、BRC36の各サブバンクとは、BRCの1つの分岐である。
【0017】
図1は、また、それぞれが第1の関連する光学要素10a1と第2の光学要素10a2とを有する複数のAC電力コンセント10aを、示している。光学要素10a1は、それぞれが、その特定のACコンセント10aと関連する特定の双安定リレー40の状態を示す第1の色であるたとえば緑色を有する、LEDであり得る。光学要素10a2の第2のグループは、また、たとえば、追加的な情報をユーザに提供するための異なる色であるたとえば赤色を有する、LEDであり得る。緑色のLED10a1のそれぞれは、たとえば、その特定のACコンセント10aと関連する双安定リレー40が閉じられていることを示すことができ、緑色のLED10a1が消えている場合には、それは、関連する双安定リレーが開いた状態にあることを示すことができる。MPH10への入力電力は、無停電電源装置(UPS)から、または、いずれかの他のAC電源からのものであり得る。
【0018】
RPDUC30が、図2において、より詳細に示されている。RPDUC30は、電圧感知サブシステム52と、電流感知サブシステム54とを含む。サブシステム52および54は、それぞれ、RMS電圧測定とRMS電流測定とをリアルタイムに実行することにより、AC電源からの電力入力をモニタする。モニタされた電力情報は、バス44を経由して、RPC12と共有され得る。上述されたように、各BRC36の電圧および電流感知サブシステム43は、また、AC入力電力の喪失に関してもモニタするため、この点では、RPDUC30とBRC36とにおいて、この特徴に関する冗長性が存在する。RPDUC30の電流管理サブシステム54は、それがその電流感知機能を実行するために用いる分岐BRC(簡潔にするために、図2では、番号36を用いて集合的にラベル付けされている)のそれぞれから、入力電流信号を受け取る。各分岐BRC36は、また、双安定リレー40の各分岐と関連するACコンセント10aを流れる電流を独立に測定するための複数の変流器(CT)56を含む。各分岐CT56からの信号は、解析のために、電流感知サブシステム54に入力される。
【0019】
図1に示されているRPC12は、RPDUC30から取得されるMPH10のエネルギー計測および配電状態に関する情報を管理し、モニタして、ネットワーク接続されたソフトウェアクライアントに報告する。RPDUC30は、上で説明されたように、エネルギー計測の測定および計算と、制御管理と、RPC12への通信インターフェースとに対するサポートを提供する。RPDUC30は、各BRC36と通信して、電力喪失したときを除き、その関連する双安定リレー40のそれぞれを独立に制御するためにコマンドメッセージを各BRCに送ることにより、各BRCの双安定リレー40を制御する。
【0020】
BRC36は、より詳細にはそのCPLD38は、その双安定リレー40を直接に制御する。BRC36は、また、個々のLEDのコンセントの動作状態とAC入力電力信号の喪失とを、電圧および電流検出サブシステム38aによって実行される電力線周波数モニタリングを介して、また同様に、開回路ブレーカ状態を検出するためのOCBサブシステム42を用いて、感知する。この例における各BRC36の双安定リレー40は、状態を変更するため、すなわち、その接点を開放するまたは閉じるためには、そのコイルへの公称で16ミリ秒のパルスを要求する。双安定リレーが「開いた状態にある」と称することは、その接点が開放されていて、この双安定リレーが電力を切り換えるコンセント10aにおける電力がオフであること、すなわち中断されていることを意味する。本明細書における用法では、「電源投入」、「電源停止」、「電源故障」、および「電力サイクル」とは、各BRC36の双安定リレー40を通じてコンセント10aに提供されるAC電力である入力AC電力線電圧の特定の状態を指す。「設定された状態」という用語は、双安定リレー40との関係で用いられるときには、電源がオンになったときに、与えられた双安定リレーが置かれるように設定されている状態(すなわち、開放されているまたは閉じられている状態)を意味する。
【0021】
RPC12は、各双安定リレー40のリレー状態を設定するように、この例では図1のバス46であるSMBus(I2C)通信バスを経由してRPDUC14に命令し、次に、この例ではバス44であるSPI通信バスを経由してBRC36に命令する。RPDUC30は、RPC12のコマンドがなくても、自律的行動を行うことが可能である。1つまたは複数のBRC36は、それぞれが、RPDUC30のコマンドがなくても、自律的行動を行うことが可能である。
【0022】
図3を参照すると、BRC36の1つのCPLD38が、より詳細に示されている。この例では、8つの双安定リレー40−40が示されているが、MPH10はより多くのまたはより少数の双安定リレー40を制御することができることが理解されるであろう。CPLD38は、CPLDの他のサブシステムとの通信を管理するシリアル−パラレルインターフェース(「SPI」)コントローラ38bを含む。CPLD38は、双安定リレー40に対して、それぞれが第1の状態(「SET」信号)または第2の状態(「RESET」信号)をとるように独立に命じる信号を生成するための適切なロジックを含む。CPLD38は、また、緑色のLED10a1と赤色のLED10a2とを制御するためのロジックも含む。CPLDは、双安定リレー40の与えられたバンクが所定の上限の電流に近い電流を流すときには緑色LED10a1が第1のレートで点滅するように、緑色のLED10a1を制御することができる。CPLD38は、過電流状態が生じる(すなわち、双安定リレー40の与えられたバンクが許容されるよりも多くの電流を流す)ときには緑色LED10a1が第1のレートとは異なる(たとえば、より高い)第2のレートで点滅するように、緑色のLED10a1を制御することができる。CPLD38は、双安定リレー40の与えられたバンクが許容されるよりも多くの電流を流している過電流状態が生じる場合には、赤色LED10a2のすべてが連続的に点灯した状態で留まるように、赤色のLED10a2を制御することができる。赤色のLED10a2は、また、開放された回路ボード状態が生じる場合には、点滅するまたはパルス化するようにも制御され得る。
【0023】
BRC36では、各CPLD38の電圧および電流感知サブシステム38aが、BRC36のそれぞれに対するそれぞれのCB50の負荷側における電力線周波数の喪失をモニタする。各BRC36は、配電のための2つのサブバンクを許容し、AC電力の供給は、同一であるかまたは異なる位相を有することができる。双安定リレー40の各サブバンクは、任意選択で、それ自体のCPLD38とOCBサブシステム42とを有してもよい。図4は、2つのサブバンク(すなわち、サブバンクAおよびサブバンクB)として配列された8つの双安定リレー40−40を図解している。
【0024】
1つまたは複数のBRC36のそれぞれは、AC電源からのAC電力線信号の電力線周波数の喪失を検出することによって、切迫した電力喪失を推論する。各BRC36は、電力線周波数をモニタし、その間にはAC電力線信号の電圧ゼロ交差遷移が予想される数よりも少ない数だけ生じていることが検出された短い期間の後に、電力線周波数の真の喪失状態を設定する。電力線周波数の真の喪失とは、32.768ミリ秒の間隔の間に3回未満のゼロ電圧遷移またはゼロ交差が生じ、50/60Hz両方の動作を満たす場合として定義される。BRC36のゼロ交差検出ハードウェアは、ビルトイン型のヒステリシスを有しており、電力線周波数をデジタル化する。デジタル化された電力線周波数は、信頼性の高いトリガ動作のためにデジタルフィルタリングを用いるBRC36に提供される。これに関して、BRC36は、この決定をするために、ゼロ交差電圧遷移をカウントする。遷移の回数は、ゼロ交差について、単一最悪ケースに対し、2分の1サイクルの遅延を許容する。
【0025】
電力線周波数の喪失を検出するための検出期間は、システム10の全体(すなわち、RPDUC30、BRC36およびRPC12)に給電している電源30aから導かれる各双安定リレー40のリレーコイル電圧が、開いた状態になるように開放されることが必要である双安定リレー40にBRC36がパルスを与えるのに十分に長く(典型的には、約16ミリ秒)維持されるように、小さくなければならない。最悪の場合である十分にロードされた状態、すなわち70Vacで給電され、RPC12が十分に動作している場合では、約64ミリ秒の電源保持時間が存在する。
【0026】
RPDUC30は、同様に、図1の破線47によって示されているように、CB50の電力線側における電力線周波数の喪失をモニタする能力も有している。冗長性をモニタするために、その電力線周波数状態の喪失が、各BRC36に向かうSPI通信バス44を経由して、専用の信号によって、命じられるまたは示され得、その結果として、各BRC36は、BRC36によるなんらかの行為がなされる前に、それ自体の電力線喪失状態をモニタして、RPDUC30によって報告されている状態と比較し得る。また、RPDUC14は、RPC12に向かう専用の信号をアサートし、それを低電力動作モードに入らせ、電源の保持時間を延長できる。
【0027】
BRC36のCPLD38は、電力線電力の喪失に起因する電力喪失とCB50が開いた状態にあることに起因する電力喪失とを区別しない。したがって、電力喪失した時には、BRC36は、それらの接点が開いた状態に切り換えられる(または、そのまま開いた状態に維持される)ように、影響を受けるサブバンクにおけるすべての双安定リレー40を制御する。すなわち、電力喪失した時には、BRC36は、閉じられている双安定リレー40を開放し、開いた状態にある双安定リレーをそのまま開いた状態に維持する。
【0028】
命令を受けたコンセント10aの状態は、自律的な電源投入状態の行動を無効化する。すなわち、電源投入サイクルの間に、閉じられるべき双安定リレー40を閉じるというシーケンスに起因してコンセント10aに対する電源投入遅延が未完である場合には、コンセントの電源をオンにさせる別個のコマンドの結果として、そのコンセントに対応する双安定リレー40を閉じる処理が直ちになされる。
【0029】
当初のシステムの始動時には、すべてのCB50が、電力が与えられる前に、ユーザによって、手動で開いた状態に切り換えられる。この結果として、電源投入した時には、RPDUC30が、BRC36に対して、突入電流を緩和するために、直ちに開いた状態になるようにすべての双安定リレー40を制御するように、自律的に命じることになる。その後で、RPDUC30は、その双安定リレー40の全部が開いた状態にあることを確認するために各BRC36に照会し、それらが開いた状態にある場合には、そのBRC36に対するCB50が閉じられ得ることをユーザにアラートする。各コンセント10aと関連するLED10a1は、そのコンセントに対する双安定リレー40が閉じられているときにはオン(点灯状態)であり、そのコンセントが開放されているときにはオフである。典型的には、双安定リレー40が製造時にデフォルトとして「開放」位置に設定されていることがあり得るが、輸送および/または設置の間の過剰な衝撃や振動が生じると、状態に変化が生じる場合があり得る。
【0030】
同じBRC36について、一つのCB50が、電力線電力喪失(電力線周波数の真の喪失)の際に閉じられていることが検出される場合、すべての双安定リレー40は、RPDUC30によって、それらの設定されたコンセント10a電源投入状態に設定される。すなわち、電力線電力喪失の際に閉じられた状態にある双安定リレー40は、電源投入した時に再度閉じられた状態に設定され、開いた状態にある双安定リレーは、電源投入時にそのままの開いた状態に留まるように設定される。
【0031】
同じBRC36について、両方のCB50が、電力線電力喪失(電力線周波数の真の喪失)の際に開いた状態にあることが検出される場合、すべての双安定リレー40は、それらのCB50が閉じられるまでこれらの双安定リレー40のすべてが電源投入時に開いた状態に維持されるように、RPDUC30によって制御される。CB50が閉じられると、RPDUC30は、当初のシステム始動の間には、既に論じられたように、進行する。そして、BRC36のすべての双安定リレー40が開いた状態にあることが確認されると、その場合には、RPDUC30は、BRCに対して、閉じられるべき双安定リレー40を閉じるように命じるように進行し、これを、RPDUCは、既に論じられたように、順次実行し得る。
【0032】
RPDUC30の電源が故障すると、RPDUCとBRC36とは、もはや動作しない;しかし、双安定リレー40は、以後の電力サイクルの間も、その最終設定の状態に留まる。この態様において、RPDUC30の電源は、BRC36に電力を提供する。
【0033】
現在の双安定リレー40の状態は、RPDUC30によって設定されるとき、および/または、BRC36によって自律的に変更されるときには、BRC36の揮発性レジスタメモリ(図示せず)において直ちに更新され、この揮発性レジスタメモリは、各BRC36から、RPDUC30によって読み出され得る。RPDUC30は、次に、RPDUCの不揮発性メモリに記憶されているこれらの双安定リレー22のための状態を更新する。
【0034】
それぞれの影響を受けるBRC36のそれぞれの影響を受けるサブバンクのすべての閉じられた双安定リレーが開放されている電力喪失の場合を除き、あるBRCの分岐について、1つの双安定リレー状態だけが、N回の電力線サイクルごとに変更することが許容され、突入電流を緩和し、その特定の分岐と関連するCB50が予想に反して開いた状態になるすなわち始動することを回避する。たとえば、あるBRC36の影響を受ける分岐の電源投入サイクルの間には、RPDUC30が、その影響を受ける分岐のどの双安定リレー40が閉じられるべきかを決定する。そして、それが、それらの双安定リレー40を閉じるように命じるコマンドをBRC36に順次送り、1つのコマンドが、N回の電力線サイクルごとに1つの異なる双安定リレーに対応する。すなわち、RPDUC30は、BRC36に、N回の電力線サイクルごとに閉じられるべき双安定リレー40のうちの1つを閉じるように命じるコマンドを送る。この結果として、1つのそのような双安定リレー40が、N回の電力線サイクルごとに閉じられることになる。すべてのBRC36のすべての双安定リレー40のリアルタイムの設定状態を記憶するために、RPDUC30の不揮発性メモリ34がRPDUCによって用いられることが理解されるべきである。RPDUC30は、次に、記憶されている設定された状態に基づいて、影響を受けるBRC36の影響を受ける分岐のどの双安定リレーが電源投入サイクルの間に閉じられるべきかを決定する。
【0035】
RPDUC30は、ファームウェアとして実装されたすべてがデジタルの位相ロックループを有することができる。RPDUC30は、電力線周波数にロックし、電圧および電流測定のためのアナログからデジタルへの変換プロセスを正確に調整し、電力線周波数の電圧ゼロ交差の前に、決定論的な態様でBRC36にコマンドを送る、という動作を行い得る。RPDUC30は、また、突入電流を緩和するために、各BRC36に対し、最小の電圧(それは電力線周波数のゼロ交差になる)に同期したタイミングに従って、その関連の双安定リレー40を閉じるように、命じることがあり得る。RPDUC30は、電力線ニュートラル電圧と電力線間の電圧との両方に同期し得る。RPDUC30は、各BRC36に対し、接点のアーク放電を最小化するために、電力線周波数の最小の電流ゼロ交差に同期したタイミングに従って、その関連の双安定リレー40を開放するように命じることがあり得る。
【0036】
双安定リレー40の開閉タイミングは、製造時の機能テストの間に測定され、RPDUC30の不揮発性メモリ34などの不揮発性メモリに保存され得る。BRC36も同様に不揮発性メモリを有することができ、これらのタイミングは、そのBRCの不揮発性メモリに代替的にまたは追加的に保存され、必要に応じてRPDUC30によって取得され得ることが理解されるべきである。また、双安定リレー40は、コイルの動作/リリース時間のために、リリース/開いた状態が達成されるまで内在的な遅延を含む応答を有することも理解されるであろう。これらのタイミング値は、RPDUC30によって、電圧および電流ゼロ交差状態の到来に従って実際の開放/閉鎖状態をよりよく同期させるためにコマンド実行タイミングを補償するように、用いられる。たとえば、特定の双安定リレー40が9ミリ秒の閉鎖時間を有すると測定された場合であれば、RPDUC30が、その双安定リレー40を有するBRC36に対し、それを閉じるように命じるコマンドを送っているときには、RPDUCは、次のゼロ電圧電力線交差点よりも9ミリ秒前に、それを行う。
【0037】
RPDUC30は、また、典型的な1−2ミリ秒の接点バウンスが電力線電圧ゼロ交差点の周囲で生じるように、閉鎖状態を〜1ミリ秒より早く命じることにより、リレーの接点バウンスを補償し得る。9ミリ秒の閉鎖時間を有する双安定リレー40の上述した例では、RPDUC14は、よって、次の電力線電圧ゼロ交差点よりも10ミリ秒前に双安定リレーを閉じるように命じるコマンドをBRC36に送る。
【0038】
RPC12は、また、双安定リレー40が開放するように命じられているが、それを流れる電流が依然として測定されているときには、異常動作状態を報告し得る。図2に示されているように、各コンセント10aは、そのコンセントを流れている電流を測定するのに用いられる、それと関連する変流器56の1つを有する。この異常状態は、リレー接点が故障したまたは閉じた状態で固定されてしまっていることの結果として生じ得る。BRC36は、その変流器56によって測定されている電流をRPDUC30に伝え、RPDUC30は、次に、そのような異常動作状態が存在するかどうかを決定する。異常動作状態が存在する場合には、RPDUC30は、これを、RPC12に伝える。
【0039】
図面に示されているように、RPC12、RPDUC30およびBRC36のそれぞれは、CPLD38、マイクロコントローラ32およびマイクロコントローラ14をそれぞれ含んでおり、これらは、それぞれが、上述された論理機能を実装するための適切なロジックを含む。デジタルプロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)、または特定用途向き集積回路(ASIC)など、他のタイプのデバイスも用いられ得ることが、理解されるはずである。RPC12、RPDUC30またはBRC36がある機能のためのロジックを有すると述べるときには、そのロジックは、CPLDとして実装されたロジックを含めて、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを含み得ることが理解されるはずである。
【0040】
実施形態に関する以上の説明は、例証と説明とのために提供されている。網羅的であることまたは本開示を限定することは、意図されていない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されたものではなく、適用可能な場合には、特に示されているまたは説明されている場合でなくとも、相互に交換可能であり、ある選択された実施形態で用いられることも可能である。同じものが多くの方法で改変されることもあり得る。そのような改変は、本開示からの逸脱であると見なされるべきではなく、すべてのそのような修正は、本開示の範囲に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4