特許第6936542号(P6936542)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6936542
(24)【登録日】2021年8月31日
(45)【発行日】2021年9月15日
(54)【発明の名称】連結構造体およびファイル並びに板体
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/00 20060101AFI20210906BHJP
   B42F 1/02 20060101ALI20210906BHJP
   H01F 7/02 20060101ALI20210906BHJP
【FI】
   F16B5/00 F
   B42F1/02 K
   H01F7/02 G
   H01F7/02 U
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2021-510250(P2021-510250)
(86)(22)【出願日】2020年10月22日
(86)【国際出願番号】JP2020039778
【審査請求日】2021年2月24日
(31)【優先権主張番号】特願2019-195016(P2019-195016)
(32)【優先日】2019年10月28日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518034322
【氏名又は名称】バタフライボード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 英彦
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−119384(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3215764(JP,U)
【文献】 実公昭37−010049(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00
B42F 1/02
H01F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向で重ねられた複数の板体を備え、
板体は、板本体と、磁石と、係合部とを具備し、
板本体は、直線状に形成された少なくとも一つの直線縁端部を備えると共に、少なくとも一つの直線縁端部に磁石が嵌合された嵌合凹部を備え、
直線縁端部は、板本体の平面方向と平行な線のいずれかと平行な直線状に形成され、嵌合凹部は、直線縁端部側を開放部とし、深さ方向を直線縁端部と板本体の平面方向で交差する方向として凹設され、
磁石は、嵌合凹部に対して、磁石の磁化方向を板本体の表裏面部が対向する厚み方向と同方向として嵌合され、開放部側の縁端部を吸着縁端部とすると共に、磁石の磁化方向で対向する表裏面部を吸着面部とし、
係合部は、嵌合凹部に凹設された凹部と、凹部と凹凸係合するものであって磁石に突設された凸部とを有し、凹部の凹設方向板本体の直線縁端部の直線と平行とすると共に、凸部の突設方向を凹部の凹設方向と平行とすることで、磁石を嵌合凹部の開放部から抜けないように保持するものであり、
複数の板体は、厚み方向で重ねられた状態で、複数の板体の夫々の磁石の吸着面部同士の吸着により連結され、
複数の板体の直線縁端部同士が突き合わされた状態で、複数の板体の夫々の磁石の吸着縁端部同士の吸着により連結されていると共に、直線縁端部の突合せ部を中心とする板体の回転時に吸着縁端部同士の吸着により複数の板体の連結状態が維持され、且つ直線縁端部同士を板体の平面方向に離間させる板体同士の分離時に、係合部が磁石を嵌合凹部の開放部から抜けないように保持するようにされていることを特徴とする連結構造体
【請求項2】
板本体に二つ以上の直線縁端部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の連結構造体
【請求項3】
直線縁端部と磁石の吸着縁端部とが面一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結構造体
【請求項4】
吸着縁端部が開放部から直線縁端部を越えて板本体の平面方向外方へ突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結構造体
【請求項5】
磁石が、該磁石と嵌合凹部との間および凹部と凸部との間に隙間を設けて嵌合されており、隙間は、磁石を深さ方向に沿って移動自在にすると共に、吸着縁端部を開放部に対して出没自在にする幅にされていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の連結構造体
【請求項6】
係合部が2つの凹部及び凸部を備えたものであり、凹部及び凸部は、嵌合凹部側の直線縁端部と直交する線を軸とする線対称形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の連結構造体
【請求項7】
係合部が2つの凹部及び凸部を備えたものであり、凹部及び凸部は、嵌合凹部側の直線縁端部と直交する線を軸として非対称形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の連結構造体
【請求項8】
請求項1乃至7いずれか1項に記載の連結構造体がファイルであって、ファイルは、板体で構成される表紙および裏表紙と、板体で構成され、表紙と裏表紙との間に挿入される台紙とを有し、表紙および裏表紙並びに台紙は、表紙および裏表紙並びに台紙が厚み方向で重ねられた状態で、表紙および裏表紙並びに台紙の夫々の磁石の吸着面部同士の吸着により連結されており、表紙および裏表紙並びに台紙の直線縁端部同士が突き合わされた状態で、表紙および裏表紙並びに台紙の夫々の磁石の吸着縁端部同士の吸着により連結されている共に、表紙および裏表紙並びに台紙の直線縁端部の突合せ部を中心とする回転による開閉動作時に、吸着縁端部同士の吸着により表紙および裏表紙並びに台紙の連結状態が維持されることを特徴とするファイル。
【請求項9】
請求項1乃至請求項いずれか1項に記載の連結構造体および請求項8に記載のファイルに用いられることを特徴とする板体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結構造体およびこの連結構造体からなるファイル並びに連結構造体に用いられる板体に関し、板体同士連結分離できる機能を有する連結構造およびこの連結構造体からなるファイル並びに連結構造体に用いられる板体に関する。
【背景技術】
【0002】
表紙および裏表紙(板体)を有するバインダーに、複数の台紙板体)を着脱自在に閉じ込んだファイル状製品として、アルバム、ルーズリーフ、システム手帳、加除式書籍等が知られている。
このようなファイル状製品における台紙の閉じ込み構造は、下記、非特許文献1にリング式やパイプ式等の閉じ込み構造が記載され、非特許文献2にビス式の閉じ込み構造が記載され、非特許文献3にヒンジ式の閉じ込み構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】グーグル。[令和1年10月7日検索]、インターネット<https://www.google.com/search?q=%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%BC%8F%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC&tbm=isch&source=univ&sa=X&ved=2ahUKEwjL9OPhvaLlAhUSGaYKHVnOAdkQsAR6BAgJEAE&biw=1536&bih=760#spf=1571287420451>
【非特許文献2】ナカバヤシ株式会社。[令和1年10月7日検索]、インターネット<https://album-tukurou.com/lesson10/>
【非特許文献3】竹野株式会社。[令和1年10月7日検索]、インターネット<https://www.shop- takeno.net/catalog/item_search.cgi?submode=2&search_category=%83A%83%8B%83o%83%80&search_category2=%83q%83%93%83W%83A%83%8B%83o%83%80>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1〜非特許文献3の従来技術によると、台紙の増減が自由であると共に、必要に応じて台紙を取り外すことができる。
しかしながら、非特許文献1〜非特許文献3の従来技術では、台紙の増減時や台紙の着脱時において、リングの開閉作業、パイプやビスの着脱作業、台紙の穴をリング、パイプ、ビスに挿通させる作業、ヒンジ同士を連結する針金を抜差しする等の極めて面倒な作業が必要であった。
本発明者は、鋭意研究した結果、板体を確実に保持できる機能を備えると共に、板体の増減や着脱の容易性の向上並びに使用利便性の向上、更には使用自由度の向上を達成し、その上、板体を他の製品として利用するという点に着目して本発明に至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の課題を解決するために請求項1記載による連結構造体は、厚み方向で重ねられた複数の板体を備え、板体は、板本体と、磁石と、係合部とを具備し、板本体は、直線状に形成された少なくとも一つの直線縁端部を備えると共に、少なくとも一つの直線縁端部に磁石が嵌合された嵌合凹部を備え、直線縁端部は、板本体の平面方向と平行な線のいずれかと平行な直線状に形成され、嵌合凹部は、直線縁端部側を開放部とし、深さ方向を直線縁端部と板本体の平面方向で交差する方向として凹設され、磁石は、嵌合凹部に対して、磁石の磁化方向を板本体の表裏面部が対向する厚み方向と同方向として嵌合され、開放部側の縁端部を吸着縁端部とすると共に、磁石の磁化方向で対向する表裏面部を吸着面部とし、係合部は、嵌合凹部に凹設された凹部と、凹部と凹凸係合するものであって磁石に突設された凸部とを有し、凹部の凹設方向板本体の直線縁端部の直線と平行とすると共に、凸部の突設方向を凹部の凹設方向と平行とすることで、磁石を嵌合凹部の開放部から抜けないように保持するものであり、複数の板体は、厚み方向で重ねられた状態で、複数の板体の夫々の磁石の吸着面部同士の吸着により連結され、複数の板体の直線縁端部同士が突き合わされた状態で、複数の板体の夫々の磁石の吸着縁端部同士の吸着により連結されていると共に、直線縁端部の突合せ部を中心とする板体の回転時に吸着縁端部同士の吸着により複数の板体の連結状態が維持され、且つ直線縁端部同士を板体の平面方向に離間させる板体同士の分離時に、係合部が磁石を嵌合凹部の開放部から抜けないように保持するようにされていることを特徴とする。
【0006】
また、前述の課題を解決するために請求項記載によるファイルは、連結構造体がファイルであって、ファイルは、板体で構成される表紙および裏表紙と、板体で構成され、表紙と裏表紙との間に挿入される台紙とを有し、表紙および裏表紙並びに台紙は、表紙および裏表紙並びに台紙が厚み方向で重ねられた状態で、表紙および裏表紙並びに台紙の夫々の磁石の吸着面部同士の吸着により連結されており、表紙および裏表紙並びに台紙の直線縁端部同士が突き合わされた状態で、表紙および裏表紙並びに台紙の夫々の磁石の吸着縁端部同士の吸着により連結されている共に、表紙および裏表紙並びに台紙の直線縁端部の突合せ部を中心とする回転による開閉動作時に、吸着縁端部同士の吸着により表紙および裏表紙並びに台紙の連結状態が維持されることを特徴とする。
【0007】
また、前述の連結構造体およびファイルに用いられることを特徴とする板体である
【発明の効果】
【0008】
このような特徴を有することで本発明は、板体を確実に保持できる機能を備えると共に板体の増減や着脱の容易性の向上並びに使用利便性の向上、更には使用自由度の向上を達成し、その上、板体を他の製品として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る連結構造体を構成する板体の正面図である。
図2図1において磁石周りを拡大して示す拡大図であり、(a)は磁石が嵌合凹部に嵌合された状態を示し、(b)は(a)の分解図である。
図3図2(a)の(3)-(3)線拡大断面図である。
図4板体の磁石の配置例を説明する説明図であり、第1直線縁端部から見た図である。
図5】(a)〜(d)は、磁石および係合部の変形例を示す拡大正面図である。
図6】(a)〜(c)は、磁石および係合部の他の変形例を示す拡大正面図である。
図7】本発明に係る実施形態のファイルの正面図であり、(a)は閉じた状態を示し、(b)は開いた状態を示す。
図8】(8a)は図7(a)の(8a)‐(8a)線拡大断面図であり、(8b)は図7(b)の(8b)‐(8b)線拡大断面図である。
図9】本発明に係る一実施形態の連結構造体の斜視図である。
図10図9の連結構造体に用いられる板体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の連結構造体の一例であるァイルBを説明する。
以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
また、本実施形態で例示する連結構造体の板体A(図1図5参照)は、アルバム用の表紙および裏表紙並びに表紙と裏表紙との間に挿入される台紙、ノート型および立体型ホワイトボード、ルーズリーフおよびシステム手帳並びに加除式書籍等の用紙、更には、ショーケース、ディスプレイラック、ウエルカムボード、各種ボックス、立体構造の教育ツール、家具、棚、ごみ箱、スタンド、カバー等の立体的な各種製品、パソコンやスマホ等の折りたたみ機構等に適用できる。
ファイルB(図7図8参照)は、アルバム、ノート型ホワイトボード、ルーズリーフおよびシステム手帳並びに加除式書籍等の各種製品が例示できる。
最初に、図1図4に基づいて板体Aの構成を説明する。
【0011】
[板体の構成]
板体Aは、図1図4に示すように、平面長方形の板本体1と、板本体1に嵌合された磁石2a、2bと、板本体1に対する磁石2a、2bの嵌合状態を保持する係合部3とを備えている。
この板体Aは、複数の板体Aを厚み方向で重ねられ、重なり合う板体Aの互いの磁石2a、2b同士の磁力によって、板体A同士が重なり合った状態を保持できるものであると共に、磁力に抗して板体A同士を分離できるものであり、後述するファイルBおよび立体連結構造体として使用できる。
【0012】
板本体1は、紙材や合成樹脂材、更には木板材、金属板材を用いて所定の大きさに切断加工されたものであり、図1図3に示すように、四方に直線縁端部10〜13を有しており、図示において左側の直線縁端部(以下、「第1直線縁端部」という)10の上下2か所に設けられた嵌合凹部4a、4bに、夫々磁石2a、2bが嵌合保持されている。
板本体1は、写真の貼り付けや文字や絵の書き込みができるようにされている。
板本体1への書き込み形態においては、ホワイトボードやカラーボードのように、拭くことで消すことができるインクを用いたホワイトボードマーカーで書き込みができる形態や消せるボールペンを含む他の筆記具を用いて書き込みができる形態が例示できる。
板本体1の形状については、長方形に限らず、図10に示すように、正方形、三角形、六角形等、板体Aの使用目的に対応した様々な形状が含まれ、また、ひとつの線縁端部を有し、他の縁を円弧状とするとした形状(図示せず)も含まれる。
また、磁石2a、2bを嵌合する嵌合凹部4a、4bは、第1直線縁端部10を含む選択された二つ以上の直線縁端部に設けてもよく、板体Aが用いられる各種製品を形成するために必要な直線縁端部に設ければよい。
【0013】
磁石2a、2bは、図1図4に示すように、板本体1の表裏面部が対向する厚み方向と磁化方向が同方向となる磁石2a、2bの夫々の表面および裏面を吸着面部20a、20b、21a、21bとし、嵌合凹部4a、4bの開放部40a、40b側の縁端部を吸着縁端部22a、22bとして配置されている。
また、磁石2a、2bは、図2および図4に示すように、板本体1の表面部1aと面一の磁石2aの吸着面部20a側をN極とし、板本体1の表面部1aと面一の磁石2bの吸着面部20b側をS極としており、板体Aの表裏における同一面において、上下方向でN極とS極とが互い違いに配置されている。
すなわち、図4に示すように、板体Aを重なり合わせる際の板体Aの磁石2aは、板本体1の表面部1a側の吸着面部20aがN極であるとき、板本体1の裏面部1b側の吸着面部20bがS極となり、磁石2bの磁極が磁石2aと反対になる。
したがって、板体Aを重なり合わせたときには、図4に示すように、一方の板体(図示において厚み方向上側)Aの磁石2aのS極および磁石2bのN極が、他方の板体Aの磁石2aのN極および磁石2bのS極に対して夫々対面することになり、これによって、一方の板体Aと他方の板体Aの磁石2a、2bを互いの磁力で吸着されて連結された状態にすることができる(図8(a)(b)参照)。
また、図4に示すように、一方の板体Aを裏返したとき(仮想線で示す板体A)、裏返した一方の板体Aの磁石2bのS極および磁石2aのN極が、他方の板体Aの磁石2aのN極および磁石2bに対して夫々対面することになり、これによって、一方の板体Aと他方の板体Aの磁石2a、2bを互いの磁力で吸着されて連結された状態にすることができる(図8(a)(b)参照)。
更に、図8(a)に示すように、一方の板体Aの第1直線縁端部10を中心として360度回転させたとき、回転させた一方の板体Aの磁石2bのS極および磁石2aのN極が、他方の板体Aの磁石2aのN極および磁石2bに対して夫々対面することになり、これによって、一方の板体Aと他方の板体Aの磁石2a、2bを互いの磁力で吸着されて連結された状態にすることができる。
したがって、重なり合った一方又は他方の板体Aを裏返したり、一方又は他方の板体Aを回転させても、必ず、S極とN極とを対面させることができるため、板体Aの表裏に関わりなく複数の板体A重ね合わせることができると共に、磁石2a、2b同士の磁力による吸着力によって連結することができる。
尚、磁石2a、2bは、2個以上の偶数個であって、板本体1の同一面上で、S極とN極とが互い違いとすることで、板体Aの裏返しおよび第1直線縁端部10を中心とする360度の回転において、磁石2a、2b同士の吸着ができる。
また、磁石2a、2bは、1個以上の奇数個である場合、板体Aの裏返しが負荷であるが、第1直線縁端部10を中心とする360度の回転において、磁石2a、2b同士の吸着ができる。
また、磁石2a、2bが1個以上の奇数個であっても、同一面に第1直線縁端部10方向でS極とN極とを有する磁石2a、2bであれば、板体Aの裏返しおよび第1直線縁端部10を中心とする360度の回転において、磁石2a、2b同士の吸着ができる。
【0014】
板本体1の表面部1aおよび裏面部1bには、図1図3に示すように、磁石2a、2bおよび嵌合凹部4a、4bを隠すと共に、磁石2a、2bが嵌合凹部4a、4bの表裏方向からの抜け落ちを防ぐための粘着テープ100(仮想線で示す)が貼り付けられている。
粘着テープ100は、磁石2a、2bおよび嵌合凹部4a、4bを隠せる程度の幅を有しており、板本体1の上下方向に沿って貼り付けられている。
本実施形態では、粘着テープ100を板本体1の表面部1aおよび裏面部1bに夫々貼り付けた構成としているが、粘着テープ100は、板本体1の表面部1aから裏面部1bにわたって巻き込むように貼り付けた構成としてもよい。
嵌合凹部4a、4bに嵌合された磁石2a、2bの保持は、粘着テープ100によるものに限らず、嵌合凹部4a、4bに対して磁石2a、2bを接着剤によって固定する構成としてもよい。
この場合、磁石2a、2bの吸着面部20a、20b、21a、21bの色を、板本体1の表面部1aおよび裏面部1bと同じ色にすることで、板本体1上での磁石2a、2bの存在を目立たなくすることができる。
逆に異なる色にすることで、板本体1上での板本体1上での磁石2a、2bの存在を目立たせることができる。
これによって、板本体1の上において磁石2a、2bの存在を隠すことによる意匠性の向上という効果が期待でき、逆に磁石2a、2bの存在を目立たせることによる意匠性の向上が期待できる。
【0015】
[磁石と嵌合凹部との嵌合構成]
本実施形態における磁石2a、2bは、嵌合凹部4a、4bに対して適合して嵌合されており、係合部3による係合によって、嵌合凹部4a、4bの開放部40a、40bからの磁石2の抜けを防いでいる。
【0016】
[嵌合凹部の構成]
嵌合凹部4a、4bは、図1図3に示すように、板本体1の第1直線縁端部10側を開放部40a、40bとし、開放部40a、40bから第1直線縁端部10の直線方向と板本体1の平面方向で直交する方向に沿って、板本体1の平面方向で対向する図示において右側の他方の縁端部(以下、「第2直線縁端部」という)11へ向かうと共に、板本体1の表裏を貫くように凹設されている。
嵌合凹部4a、4bは、図2に示すように、係合部3の一方を構成する凹部30が形成されており、嵌合凹部4a、4bと凹部30とで、開放部40a、40b側を上底とし、嵌合凹部4a、4bの底部43a、43bを下底とする平面視台形状を呈するように形成されている。
【0017】
[磁石の構成]
磁石2a、2bは、図1図3に示すように、嵌合凹部4a、4bの平面形状と同じように、平面視台形を呈するように形成されている。
磁石2a、2bは、図1図3に示すように、嵌合凹部4a、4bに対して、吸着縁端部22a、22bが開放部40a、40bから望むように嵌合されており、吸着縁端部22a、22bが板本体1の第1直線縁端部10と面一となる。
これにより、磁石磁石2a、2bの吸着縁端部22a、22b同士が確実に接触するため、磁力の減衰を抑えることができる。
また、磁石2a、2bの吸着縁端部22a、22bは、開放部40a、40bからわずかに突出させていてもよく、これによっても、磁石2a、2bの吸着縁端部22a、22b同士を確実に接触させることができる。
また、磁石2a、2bは、図3に示すように、吸着面部20a、20b、21a、21bが、板本体1の表面部1aおよび裏面部1bと厚み方向で同じ方向を向くように嵌合されており、磁化方向の厚みが板本体1の表面部1aおよび裏面部1bと面一となるようにされている。
【0018】
吸着面部20a、20b、21a、21bは、図1図3に示すように、粘着テープ100によって隠されているが、嵌合凹部4a、4bに対しては、嵌合凹部4a、4bの表裏に生じる表裏側開放部41a、42a、41b、42bから望んでおり、粘着テープ100越しに磁力が作用するようにされている。
磁石2a、2bは、図2に示すように、係合部3の他方を構成する凸部31が形成されており、磁石2a、2bと凸部31とで、嵌合凹部4a、4bと適合して嵌合する平面視台形状を呈するように形成されている。
【0019】
このような磁石2a、2bを嵌合凹部4a、4bに嵌合するには、嵌合凹部4a、4bの表裏に生じる表裏側開放部41a、41b(又は表裏側開放部42a、42b)から挿入することで嵌合することができる。
本実施形態で用いられる磁石は、磁力が強いネオジウム(ネオジム)磁石が好ましい。
【0020】
[係合部の構成]
係合部3は、図2(a)に示すように、凹部30と凸部31とを備え、凹部30と凸部31との凹凸係合による構成である。
凹部30は、図2(b)に示すように、嵌合凹部4a、4bの開放部40a、40bから底部43a、43bに向かう斜面44a、44bを含み、底部43a、43bから第1直線縁端部10の上下方向と平行な方向に沿い、且つ上下両方向に向かって凹設された範囲(太線および破線で囲まれた範囲)に設定されている。
また、上下2つの凹部30は、嵌合凹部4a、4b側の第1直線縁端部10と直交する直線縁端部12と平行な線L1を軸として上下方向で対称形状となるように形成されている。
上下二つの凸部31は、図2(b)に示すように、直線縁端部12と平行な線L1を軸として上下方向で対称形状となるように形成されている。
また、上下二つの凸部31は、それぞれ対応する凹部30に適合して嵌り合うように、磁石2a、2bの吸着縁端部22a、22bから底部23a、23bに向かう斜面24a、24bを含み、底部23a、23bから第1直線縁端部10の上下方向と平行な方向に沿い、且つ上下両方向に向かって突設された範囲(太線および破線で囲まれた範囲)に設定されている。
この係合部3は、図2(a)に示すように、磁石2a、2bを嵌合凹部4a、4bに嵌合したとき、これと同時に、凹部30と凸部31とが係合する。
そして、図2(a)に示すように、嵌合凹部4a、4bに磁石2a、2bを嵌合することによって、凹部30と凸部31とが凹凸係合し、この凹凸係合によって、嵌合凹部4a、4bの開放部40a、40bからの磁石2a、2bの抜けを防ぐことができる。
したがって、磁石2a、2bの吸着縁端部22a、22bが吸着された状態で、連結板体A同士を引き離す方向の力が作用しても、係合部3の係合によって、磁石2a、2bを嵌合凹部4a、4bに対して抜けないように保持できる。
【0021】
[係合部の変形例]
前述した係合部3の変形例として、図5(a)〜(d)に挙げる係合部3A〜係合部3Dが提案できる。
本変形例においては、嵌合凹部4a側と嵌合凹部4b側の係合部3A〜係合部3Dが同じ構成を有するものであるので、嵌合凹部4a側における係合部3A〜係合部3Dを説明する。
また、図5(a)〜(d)に挙げる係合部3A〜係合部3Dの凹部30及び凸部31は、係合部3と同様に二つあり、且つ線L1を軸として上下方向で対称となる形状として形成されている。
【0022】
図5(a)に示す係合部3Aは、凹部30を含んで平面視凸形状を呈するように形成された嵌合凹部4aと、凸部31を含んで嵌合凹部4aの平面形状と同じ平面視凸形状を呈するように形成された磁石2aとに設定されている。
凹部30は、凸形状の先端に対応する部位である開放部40aから底部43aに向かう側縁端部45aの中途に、第1直線縁端部10の上下方向と平行な方向に沿い、且つ嵌合凹部4aの外側に向かって凹設された範囲(太線および破線で囲まれた範囲)に設定されている。
磁石2aは、凸形状の先端に対応する部位である吸着縁端部22aから底部23aに向かう側縁端部24aの中途から板本体1の第1直線縁端部10の上下方向と平行な方向に沿い、且つ上下両方向に向かって突設された範囲(太線および破線で囲まれた範囲)に設定されている。
このような係合部3Aによっても、嵌合凹部4aに磁石2aを嵌合することによって、凹部30と凸部31とが凹凸係合し、この凹凸係合によって、嵌合凹部4aの開放部40aからの磁石2aの抜けを防ぐことができる。
【0023】
図5(b)に示す係合部3Bは、嵌合凹部4aと磁石2aとに夫々凹部30および凸部31を設けたものであり、凹部30および凸部31を含む嵌合凹部4aと磁石2aの平面形状が同じになるように形成されている。
嵌合凹部4a側の凹部30は、開放部40aから底部43aに向かう側縁端部45aの中途に、嵌合凹部4aの内側へ突出するように凸部31を突設することで形成されており、嵌合凹部4aに凹設された凹部30と突設された凸部31の範囲(太線および破線で囲まれた範囲)に設定されている。
磁石2a側の凹部30および凸部31は、吸着縁端部22aから底部23aに向かう側縁端部24aの中途に、磁石2aの内側に向かって凹部30を凹設することで、凸部31が形成されており、磁石2aに凹設された凹部30と突設された凸部31の範囲(太線および破線で囲まれた範囲)に設定されている。。
磁石2aの凹部30および凸部31は、夫々嵌合凹部4a側の凹部30および凸部31に適合する形状に形成されていると共に、凹凸係合できる位置に設定され、嵌合凹部4a側の凹部30および凸部31と磁石2a側の凹部30および凸部31とが適合して凹凸係合するようにされている。
このような係合部3Bによっても、嵌合凹部4aに磁石2aを嵌合することによって、凹部30と凸部31とが凹凸係合し、この凹凸係合によって、嵌合凹部4aの開放部40aからの磁石2a、2bの抜けを防ぐことができる。
【0024】
図5(c)に示す係合部3Cは、凹部を含むと共に、直線状の開放部40aを除いて平面視円弧状に凹設された嵌合凹部4aと、凸部31を含んで嵌合凹部4aの平面形状と同じ平面視円弧状を呈するように形成された磁石2aとに設定されている。
凹部30は、直線状の開放部40aの上下の端部から板本体1の第1直線縁端部10の上下方向に沿って外側に向かって円弧状に凹設された範囲(太線および破線で示す範囲)に設定されている。
凸部31は、直線状の吸着縁端部22aの端部から板本体1の第1直線縁端部10の上下方向に沿って外側に向かって円弧状に突設された範囲(太線および破線で示す範囲)に設定されている。
このような係合部3Cによっても、凹部30と凸部31とが凹凸係合しているので、嵌合凹部4aの開放部40aからの磁石2aの抜けを防ぐことができる。
【0025】
図5(d)に示す係合部3Dは、前述の係合部3と同じように、凹部30を含んで平面視台形を呈するように形成された嵌合凹部4aと、凸部31を含んで平面視台形を呈するように形成された磁石2aに設定されている。
本実施形態では、凹部30を含む嵌合凹部4aの平面形状が、凸部31を含む磁石2aの平面形状よりも一回り大きい形状となるように形成され、これによって、凹部30を含む嵌合凹部4aと凸部31を含む磁石2aとの間に隙間Sが確保されている。
隙間Sの幅は、嵌合凹部4aの開放部40aから磁石2aの吸着縁端部22aがわずかに突出すると共に、開放部40aから出没する程度に設定されていると共に、嵌合凹部4aの開放部40aから磁石2aが抜けない程度に設定されている。
このような係合部3Dによっても、凹部30と凸部31とが凹凸係合しているので、嵌合凹部4aの開放部40aからの磁石2aの抜けを防ぐことができる。
【0026】
しかも、磁石2aの吸着縁端部22aを開放部40aから突出させることができると共に、開放部40aから出没させることができる。
すなわち、2枚の板体Aの第1直線縁端部10同士を突き合わせて連結する際に、互いの磁石2a自身の磁力によって吸着縁端部22aが突出し、突出した状態で吸着されて連結されるため、板体Aの第1直線縁端部10に阻害されることなく、磁石2aの吸着縁端部22a同士を吸着させることができる。
また、連結された板体Aを第1直線縁端部10同士が近づく方向に移動させれば、突出した磁石2aの吸着縁端部22aが嵌合凹部4a内に収められるので、板体A同士の突合せ部分の隙間をなくすことができる。
また、重ね合わせた板体Aを開閉する際にも、開閉する力によって磁石2aの吸着縁端部22aが突出し、互いの吸着縁端部22aが吸着した状態で板体Aを開閉することができる。
本実施形態の場合、磁石2aに対して粘着テープ100の粘着力が作用しないようにすることにより、開口部40aから磁石2aの吸着縁端部22aを出没させることができる。
【0027】
開口部40aから磁石2aの吸着縁端部22aを出没させるために、凹部30を含む嵌合凹部4aと凸部31を含む磁石2aとの間に隙間Sを確保した形態は、係合部3A〜係合部3Cを備えた嵌合凹部4aおよび磁石2aにも適用できる(図示せず)。
また、磁石2aの吸着縁端部22aの突出状態を保持されているものとしてもよいし、磁石2aの吸着縁端部22aが開放部40aよりもわずかに第2直線縁端部11側に位置させたものとしてもよい(図示せず)。
磁石2aの吸着縁端部22aが開放部40aよりもわずかに第2直線縁端部11側に位置させた場合、磁石2aにおける吸着縁端部22aが、突き合わされた板体Aの第1直線縁端部10同士の連結状態を保持できる吸着力が作用する程度とする。
【0028】
[係合部の他の変形例]
図6(a)〜(c)は、他の変形例の係合部3E〜3Gの構成を示している。
本変形例では、二つの嵌合凹部4a、4bを備えた板体Aを用いたものであり、嵌合凹部4a、4bには、それぞれ係合部3E〜係合部3Gが設けられている。
係合部3E〜係合部3Gの凹部32、32a及び凸部33、33aは、係合部3と同様に二つあり、且つ線L1を軸として上下方向で非対称となる形状に形成されている。
【0029】
図6(a)に示す係合部Eは、嵌合凹部4aの上側の係合部3Eの凹部32及び凸部33を互いに同じ形状の平面視略直角三角形に形成し、嵌合凹部4aの下側の係合部3Eの凹部32a及び凸部33aを互いに同じ形状の平面視略二等辺三角形に形成することで、凹部32及び凸部33と凹部32a及び凸部33aとを、線L1を軸として上下方向で非対称形状にしている。
嵌合凹部4aの下側に配置された嵌合凹部4bは、嵌合凹部4aに対して平行な線(図示せず)を軸として上下方向で線対称となる形状として設けられており、嵌合凹部4bの上側に係合部3Eの凹部32a及び凸部33aが位置し、下側に凹部32及び凸部33が位置するようにされている。
【0030】
図6(b)に示す係合部Fは、嵌合凹部4aの上側の係合部3Fの凹部32及び凸部33を互いに同じ形状であり、頂点を上向きとする平面視略二等辺三角形に形成し、嵌合凹部4aの下側の係合部3Fの凹部32a及び凸部33aを互いに同じ形状であり、頂点を斜め上向きとする平面視略二等辺三角形に形成することで、凹部32及び凸部33と凹部32a及び凸部33aとを、線L1を軸として上下方向で非対称形状にしている。
嵌合凹部4aの下側に配置された嵌合凹部4bは、嵌合凹部4aに対して平行な線(図示せず)を軸として上下方向で線対称となる形状として設けられており、嵌合凹部4bの上側に係合部3Fの凹部32a及び凸部33aが位置し、下側に凹部32及び凸部33が位置するようにされている。
【0031】
図6(c)に示す係合部Gは、嵌合凹部4aの上側の係合部3Gの凹部32及び凸部33を互いに同じ形状の平面視略半円形に形成し、嵌合凹部4aの下側の係合部3Gの凹部32a及び凸部33aを互いに同じ形状の平面視略二等辺三角形に形成することで、凹部32及び凸部33と凹部32a及び凸部33aとを上下方向で非対称にしている。
嵌合凹部4aの下側に配置された嵌合凹部4bは、嵌合凹部4a嵌合凹部4aに対して平行な線(図示せず)を軸として上下方向で線対称となる形状として設けられており、嵌合凹部4bの上側に係合部3Gの凹部32a及び凸部33aが位置し、下側に凹部32及び凸部33が位置するようにされている。
【0032】
これらの係合部E〜Gによっても、凹部32、32aと凸部33、33aとが凹凸係合しているので、嵌合凹部4a、4bの開放部40a、40bからの磁石2a、2bの抜けを防ぐことができる。
【0033】
本変形例においては、図6(a)〜(c)に示すように、嵌合凹部4a、4b側の凹部32と凹部32a及び磁石2a、2b側の凸部33と凸部33aとをそれぞれ上下方向で非対称としており、磁石2a、2bを嵌合凹部4a、4bに適合させて嵌合すると、自動的に嵌合凹部4aに嵌合された磁石2aは図面上表側がN極となり、嵌合凹部4bに嵌合された磁石2bは図面上表側がS極となる。
すなわち、磁石2a、2bを嵌合凹部4a、4bに適合させて嵌合することで、自動的に表側及び裏側において上下方向でN極とS極が交互となるため、板体Aの製造時において磁石2a、2bの磁極方向を簡単に把握できると共に、磁石2a、2bを所定の磁極方向として簡単・確実に取付けることができる。
【0034】
[ファイルの構成]
次に、前述の板体Aを用いたファイルBの構成を図7および図8に基づいて説明する。
ファイルBは、表紙A1と、裏表紙A2と、複数の台紙A3とで構成されたアルバムとして利用できるものであり、表紙A1および裏表紙A2並びに複数の台紙A3は、板体Aの構成を有している。
ファイルBは、厚み方向で対向する表紙A1と裏表紙A2との間に、厚み方向で重なり合わせた複数の台紙A3が挿入されている。
【0035】
表紙A1と台紙A2および裏表紙A2と台紙A3並びに台紙A3同士は、前述のように連結用板体Aの同一面において、N極とS極が互い違いにされた磁石2a、2bにおける吸着面部20aと吸着面部20b同士および吸着面部21aと吸着面部21b同士がの磁力による吸着によって連結されている。
【0036】
このようなファイルBによると、表紙A1および裏表紙A2並びに複数の台紙A3は、連結用板体Aの構成を有しているため、磁石2a、2bの磁力によって閉じられた状態を保持できると共に、表紙A1や台紙A3を開く際にも、磁石2a、2bの磁力によって、表紙A1および裏表紙A2並びに台紙A3を保持することができる。
また、台紙A3の着脱および増減や表紙A1および裏表紙A2の着脱および交換等が極めて簡単にできる。
また、前述のように台紙A3を裏返したり、第1直線縁端部10を中心として台紙A3を回転させたりすることができるため、ファイルBの使用目的に対応させた様々な形態で使用できる。
したがって、ファイルBは、表紙A1および裏表紙A2並びに台紙A3の連結状態を確実に保持できる機能を備えているため、着脱容易性および使用における自由度の向上が期待できる。
【0037】
[板体の他の使用例]
次に、前述の板体Aを用いた他の使用例である立体連結構造体Cの構成を図9および図10に基づいて説明する。
立体連結構造体Cは、図9に示すように、正方形に形成された板体Aを複数枚用いて立方体の箱状に形成した立体型ホワイトボードとしたものでり、表面側の全ての面が筆記面として使用できるようになっている。
ここで用いられる板体Aは、図10に示すように、全ての第1直線縁端部10〜第4直線縁端部13に、磁石2a、2bが備えられており、この板体Aを6枚用いて、各板体Aの磁石2a、2b同士を接触させることで、図8に示すような立方体に組み立てることができる。
また、立方体の箱状に組み立てられた組立式の立体連結構造体Cは、立体型ホワイトボードとして使用できると共に、選択された一枚の板体Aを蓋とするボックス型容器や撮影ボックスとしても兼用できる。
また、立体連結構造体Cは、板体Aを同一平面上に並べて連結することで、筆記面が広い一枚の平面連結型ホワイトボードとして利用することができると共に、筆記面が不足すれば、板体Aを足していくことによって筆記面を増やすことができる(図示せず)。
【0038】
立体連結構造体Cの他の立体形態としては、正方形の板体Aと長方形の板体Aの組み合わせによる角柱状に形成した形態、三角形の板体Aと長方形の板体Aの組み合わせによる三角柱に形成した形態、六角形の板体Aと長方形の板体Aの組み合わせによる六角柱に形成した形態等が例示できる(図示せず)。
その他にも、多様な形状の板体Aを組み合わせることによって、様々な立体形状および平面形状の立体連結構造体Cを構成することができる。
具体的には、立体連結型および平面連結型ホワイトボード、ショーケース、ディスプレイラック、ウエルカムボード、パーティション、撮影ボックス、各種ボックス、立体構造および平面構造の教育ツール、家具、棚、ごみ箱、スタンド、カバー、ショーケース、ディスプレイラック等の各種製品に適用できる。
【0039】
以上の構成とする連結構造体(ファイルB、立体連結構造物C)によれば、複数の板体Aの連結状態を確実に保持できる機能を備えると共に、板体Aの増減や着脱の容易性の向上並びに使用形態の自由度の向上を達成し、その上、板体Aを他の各種製品として広く利用することができる。
【0040】
以上、本発明に係る実施形態の連結構造体(ファイルB、立体連結構造物C)を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、前述の各実施形態は、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0041】
A:板体
B:ファイル
C:立体連結構造体
1:板本体
1a:表面部
1b:裏面部
10:第1直線縁端部
11:第2直線縁端部
2a:磁石
2b:磁石
20a:吸着面部
20b:吸着面部
21a:吸着面部
21b:吸着面部
22a:吸着縁端部
22b:吸着縁端部
3:係合部
30:凹部
32:凹部
32a:凹部
31:凸部
33:凸部
33a:凸部
4a:嵌合凹部
4b:嵌合凹部
40a:開放部
40b:開放部
S:隙間
L1:線

【要約】
台紙を確実に保持できる機能を備えると共に、台紙の増減や台紙の着脱の容易性が向上し、その上で、他の製品としての利用。板本体の嵌合凹部に対して係合部を介して磁石が嵌合され、係合部は、嵌合凹部における開放部から磁石が抜けないように保持する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10