(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記情報処理装置、前記事業者端末、および、前記移動者端末のそれぞれが、分散台帳システムを構成するノードであって、各ノードは、前記渋滞回避のリクエストを起点にした、自他のノードにおける各処理に伴い発行されたトランザクションデータを、所定の正当性判定を経て分散台帳でそれぞれ保持するものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の渋滞回避支援システム。
分散台帳システムを構成するノードである、前記情報処理装置、前記事業者端末、および、前記移動者端末のそれぞれが、前記渋滞回避のリクエストを起点にした、自他のノードにおける各処理に伴い発行されたトランザクションデータを、所定の正当性判定を経て分散台帳でそれぞれ保持する、
ことを特徴とする請求項4に記載の渋滞回避支援方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の渋滞回避支援システム10を成すネットワーク構成例を示す図である。
図1に示す渋滞回避支援システム10は、道路状況と共に移動者の動向やポリシーを踏まえつつ、効果的な
インセンティブの付与を行い、効率的に渋滞回避を図るコンピュータシステムである。
【0015】
図1にて例示する渋滞回避支援システム10は、一例として、P2Pネットワークたるネットワーク1を介して互いに通信可能に結ばれた、サービス事業者装置100、リクエスト元端末200、インセンティブ提供元端末300、および、ナビゲーション端末400で構成される。
【0016】
このうち、サービス事業者装置100は、渋滞回避につながる迂回経路の通行への報酬となるインセンティブの生成・配信や、それに用いる道路混雑状況の情報管理等を行う情報処理装置である。サービス事業者装置100は、渋滞回避支援のサービスを提供する事業者が運用する。インセンティブの種類に関して限定はしないが、本実施形態では一例として、商品やサービスの購入時の割引に利用出来るクーポンを想定し説明を行う。
【0017】
また、リクエスト元端末200は、渋滞の発生によって不利益を被る者が運用する端末である。ここで言う不利益を被る者とは、例えば、イベント事業者や工事業者、自治体、など様々な者が想定出来る。
【0018】
イベント事業者や工事業者の場合、イベント会場や工事現場の周辺道路が渋滞することで、イベント参加者や工事関係者の行動遅延等が生じる事態や周辺住民の日常行動に不便をかける事態を回避すべく、多数の交通整理要員を配置するコストや臨時交通手段運行を交通機関各社に要請するコストなどが不本意に発生する。また、自治体の場合、管理する学校の行事などで周辺道路が渋滞することで、やはり、周辺の住民や企業等の日常行動が阻害される事態を回避すべく、多数の交通整理要員を配置するコストなどが不本意に発生する。
【0019】
そこでこうした者は、リクエスト元端末200を操作し、イベント会場や工事現場、あるいは学校の周辺にある道路での渋滞回避のリクエストを、サービス事業者装置100に通知することとなる。
【0020】
また、ナビゲーション端末300は、自動車のドライバーが経路検索等に利用するナビゲーション装置である。詳細は後述するが、このナビゲーション端末300は、上述の渋滞回避のリクエストやナビゲーション対象の自動車の動向に基づいて、迂回経路を生成し、当該ドライバーに提示して迂回行動を誘引する。またナビゲーション端末300は、サービス事業者装置100から配信されたクーポンの情報を保持しておき、実際に迂回経路を走行した場合に、当該クーポンを当該ドライバー向けに取得し使用可能とする。
【0021】
また、インセンティブ提供元端末400は、上述のドライバーがクーポン利用の対象とする店舗の端末である。ドライバーは、上述の迂回行動によって得たクーポンを用いて、上述の店舗での商品やサービスの購入代金の割引を受けることとなる。一方、インセンティブ提供元端末300は、こうしたクーポン利用を伴う購買行動についてサービス事業者装置100に通知し、その割引分の金額を成果報酬金額として支払を受ける。
【0022】
なお、こうしたネットワーク1で互いに結ばれた各装置らは、分散台帳システムにおけるノードに該当している。すなわち本実施形態の渋滞回避支援システム10は、分散台帳システムを構成している。
【0023】
分散台帳システムにおいては、P2Pネットワーク上において、渋滞回避支援方法の実行に伴う各イベントで生じるデータ、すなわちトランザクションデータに関する正当性の判定を、マイナーと呼ばれるノード(いずれのノードであってもよいが、例えば、サービス事業者装置100などを想定できる)が実行し、プルーフオブワークと呼ばれる特定の
ハッシュ値を算出する作業で確定処理を行っている。
【0024】
こうして確定されたトランザクションデータは、1つのブロックにまとめられ、ブロックチェーンと呼ばれる分散台帳に記載される。この分散台帳は各ノードに等しく備わり、ノード間で分散台帳の同期が保たれている。
【0025】
なお、
図1においてはサービス事業者装置100、リクエスト元端末200、ナビゲーション端末300、および、インセンティブ提供元端末300、の4種のノードを例示しているが、ノードの種類に関してこれだけに限定はしない。
【0026】
また上述にて、トランザクションデータに関する正当性判定の一例として、プルーフオブワークによる確定処理を挙げたが、本実施形態の渋滞回避支援システム10で採用する手法はこれに限定しない。
【0027】
ここで、ブロックチェーン技術について概説しておく。ブロックチェーンの主な特徴としては、(1)ブロックチェーンネットワーク上の参加者間で生じる処理において、中央集権機関ではなく(任意ないしは特定の)参加者による合意形成や承認によって当該処理を確定させること、(2)複数のトランザクションデータをブロックとしてまとめ、数珠つなぎに分散台帳に記録し、連続するブロックにハッシュ計算を施すことにより、改ざんを実質不可能にすること、(3)参加者全員が同一の台帳データ(分散台帳)を共有することにより、参加者全員での処理の確認を可能とすることが挙げられる。
【0028】
以上の特徴から、ブロックチェーン技術は、信頼できるデータの管理/共有や、契約に基づく取引の執行/管理を行う仕組みとして、金融分野やIoT(Internet of Thing)等、幅広い分野での応用が検討されている。こうしたブロックチェーンを提供する基盤(以下、ブロックチェーン基盤)を用いることで、中央集権機関による管理がなくとも複数の主体間で情報共有や取引を行うことができる(例えば、特定業界のコンソーシアムやサプライチェーンに関係する複数企業等)。
こうした技術的背景をベースに、本実施形態の渋滞回避支援システム10が運用されているものとする。
−−−ハードウェア構成−−−
【0029】
また、渋滞回避支援システム10を構成する各装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態におけるサービス事業者装置100のハードウェア構成例を示す図である。
【0030】
本実施形態におけるサービス事業者装置100は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置101、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ103、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU104、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置105、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置106、ネットワーク1と接続し他装置との通信処理を担う通信装置107、を備える。
【0031】
なお、記憶装置101内には、本実施形態のサービス事業者装置100として必要な機能部(クーポン発行部110および混雑情報管理部111)を実装する為のプログラム102に加えて、分散台帳50およびサービス事業者DB125が少なくとも記憶されている。分散台帳50およびサービス事業者DB125の詳細については後述する。
【0032】
上述の機能部のうちクーポン発行部110は、渋滞回避のリクエストを上述のリクエスト元端末200から受信し、当該リクエスト(分散台帳50のリクエスト情報51に格納、保持)における渋滞回避対象の道路と当該道路の混雑状況(混雑情報管理部111から情報取得)とに基づいて所定アルゴリズムでクーポンの配信内容を特定し、ドライバー各々の情報(サービス事業者DB125のドライバー情報1252)に基づき、クーポンの情報を各ドライバーのナビゲーション端末300に宛てて配信する。
【0033】
また、混雑情報管理部111は、例えば、各道路を管理する自治体や公団などの所定システムから当該道路における混雑状況とその推移予測結果を示す情報を取得し、保持・管理する機能部である。この混雑情報管理部111は、混雑状況に関する情報を上述のクーポン発行部110に提供する。
また、
図3は本実施形態におけるリクエスト元端末200のハードウェア構成例を示す図である。
【0034】
本実施形態におけるリクエスト元端末200は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置201、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ203、記憶装置201に保持されるプログラム202をメモリ203に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU204、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置205、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置206、ネットワーク1と接続し他装置との通信処理を担う通信装置207、を備える。
【0035】
なお、記憶装置201内には、本実施形態のリクエスト元端末200として必要な機能部を実装する為のプログラム202に加えて、分散台帳50およびリクエスト元DB225が少なくとも記憶されている。分散台帳50およびリクエスト元DB225の詳細については後述する。
【0036】
上述の機能部のうちリクエスト発行部210は、入力装置205で受けたユーザからの指示に応じて、渋滞回避のリクエストをネットワーク1経由でサービス事業者装置100に通知する機能部である。なお、このリクエストには、当該リクエスト元端末200のユーザであるイベント事業者や工事業者、或いは自治体といったリクエスト元に関する情報(リクエスト元情報)を含むものとする。
【0037】
また、決済処理部211は、クーポン配信業務を請け負うサービス事業者や、ドライバーによるクーポン使用を伴う購買行動の対象となった店舗すなわちインセンティブ提供元、との間での契約等に基づいて発生した支払金額の決済処理をサービス事業者やインセンティブ提供元に対して実行する機能部であり、後述する明細票情報54に対応するトランザクションデータを生成・発行する機能部でもある。したがって、決済処理部211は、上述のクーポン使用を伴う購買行動の実績のうち割引額に関してトランザクションデータを発行し、その正当性判定を経た上で、該当情報を分散台帳50の明細票情報54にて管理する。
【0038】
なお、上述の支払金額としては、サービス事業者に支払われるクーポン配信業務の代行料や、インセンティブ提供元に支払われるドライバーによるクーポン使用時の割引金額、などが想定される。また、決済処理自体は、金融機関が提供する既存のネットバンキングサービスを利用して当該サービスの規定通りに行う金融取引上の処理となる。
また、
図4は本実施形態におけるナビゲーション端末300のハードウェア構成例を示す図である。
【0039】
本実施形態におけるナビゲーション端末300は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置301、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ303、記憶装置301に保持されるプログラム302をメモリ303に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU304、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置305、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置306、ネットワーク1と接続し他装置との通信処理を担う通信装置307、および、既存のナビゲーション装置が具備するものと同様のGPSユニット308を備える。
上述のGPSユニット308は、上空の測位衛星からの測位電波を受信して、自車位置を計測するもので、後述するルート生成部311に自車位置情報を提供するものとなる。
【0040】
なお、記憶装置301内には、本実施形態のナビゲーション端末300として必要な機能部を実装する為のプログラム302に加えて、分散台帳50およびドライバーDB325が少なくとも記憶されている。分散台帳50およびドライバーDB325の詳細については後述する。
【0041】
上述の機能部のうちポリシーマッチング実行部310は、サービス事業者装置100から配信されたクーポンを受信し、受信したクーポンのうち、対応するリクエストにおける渋滞回避対象(例:分散台帳50のリクエスト情報51が示す迂回依頼時間や迂回依頼エリアなど)とドライバーにおける実際の移動動向(ドライバーDB325の移動ライフログ情報3252)とがマッチするもので、かつ、当該リクエストにおける所定属性(例:分散台帳50のリクエスト情報51が示すリクエスト種類)とドライバーの移動ポリシー(ドライバーDB325におけるポリシー情報3253およびポリシー定義情報3254で特定。例:“通学路とスクールバス経路を避ける”)がマッチするものを特定する機能部である。
【0042】
また、ルート生成部311は、GPSユニット308と協働して自車位置から所定目的地までの経路探索を行い、ドライバー向けの経路情報を生成する一般的な機能に加え、上述のポリシーマッチング実行部310が特定したクーポンと当該クーポンに対応するリクエストとに基づいて迂回経路を、一般的な経路探索アルゴリズムで特定し、当該迂回経路の情報を出力装置306に出力する機能部である。
【0043】
また、ドライバー対応処理部312は、ドライバーが、ルート生成部311によって生成された迂回経路に沿って走行したか否か、つまり、迂回経路に対するドライバーの対応状況を、移動ライフログ情報3252に基づき特定し、ドライバーが迂回経路に沿って走行した場合、該当クーポンを当該ドライバーが取得した旨のトランザクションデータを、ネットワーク1に配信し、正当性判定を経た上で、分散台帳50のクーポン情報52におけるクーポン取得情報522に保持する機能部である。
また、リクエスト管理部313は、リクエスト元の渋滞回避のリクエストを分散台帳50のリクエスト情報51にて管理する機能部である。
【0044】
また、ポリシー管理部314は、ドライバーの移動ポリシーを、ドライバーDB325におけるポリシー情報3253およびポリシー定義情報3254で管理する機能部である。
また、
図5は本実施形態におけるインセンティブ提供元端末400のハードウェア構成例を示す図である。
【0045】
本実施形態におけるインセンティブ提供元端末400は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置401、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ303、記憶装置401
に保持されるプログラム402をメモリ403に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU404、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置405、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置406、ネットワーク1と接続し他装置との通信処理を担う通信装置407、を備える。
【0046】
なお、記憶装置401内には、本実施形態のインセンティブ提供元端末400として必要な機能部を実装する為のプログラム402に加えて、分散台帳50およびインセンティブ提供元DB425が少なくとも記憶されている。分散台帳50およびインセンティブ提供元DB425の詳細については後述する。
【0047】
上述の機能部のうちクーポン管理部410は、サービス事業者装置100がナビゲーション端末300に配信したクーポンの枚数、内容などを含むクーポン発行情報521、ドライバーが迂回経路に沿った走行を行ったことで取得したクーポンの情報を含むクーポン取得情報522、および、当該ドライバーが取得したクーポンを店舗すなわちインセンティブ提供元で使用した実績であるクーポン使用情報523、からなるクーポン情報52を分散台帳50で管理する機能部である。
【0048】
また、決済処理部411は、ドライバーによるクーポン使用を伴う購買行動(インセンティブ提供元での商品やサービスの購入、利用)で生じた代金の決済処理(クーポンによる割引処理含む)を実行する機能部である。
−−−データ構造例−−−
【0049】
続いて、本実施形態の渋滞回避支援システム10が用いるテーブル類について説明する。
図6Aに、本実施形態のサービス事業者DB125におけるリクエスト元情報1251の一例を示す。
【0050】
本実施形態のリクエスト元情報1251は、リクエスト元端末200から受信した渋滞回避のリクエストを蓄積したテーブルである。そのデータ構造は、リクエスト元を一意に示すリクエスト元IDをキーとして、当該リクエスト元の事業者主体名、種類、住所、および、連絡先といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図6Bに、本実施形態のサービス事業者DB125におけるドライバー情報1252の一例を示す。
本実施形態のドライバー情報1252は、予めドライバーから収集した当該ドライバーの情報を蓄積したテーブルである。
【0051】
そのデータ構造は、ドライバーを一意に示すドライバーIDをキーとして、当該ドライバーの氏名、性別、年齢、国籍、住所、連絡先、および、ポリシーといった値を対応付けたレコードの集合体となっている。このうちポリシーの値は、当該ドライバーの移動ポリシーのIDである。
また、
図6Cに、本実施形態のサービス事業者DB125におけるインセンティブ提供元情報1253の一例を示す。
本実施形態のインセンティブ提供元情報1253は、インセンティブ提供元から予め収集した各インセンティブ提供元の情報を蓄積したテーブルである。
【0052】
そのデータ構造は、インセンティブ提供元を一意に示すインセンティブ提供元IDをキーとして、当該インセンティブ提供元の店舗名、種類、住所、および、連絡先といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図7に、本実施形態のリクエスト元DB225におけるリクエスト元情報2251の一例を示す。
本実施形態のリクエスト元情報2251は、この情報を管理しているリクエスト元に関する情報を格納したテーブルである。
【0053】
そのデータ構造は、リクエスト元を一意に示すリクエスト元IDをキーとして、当該リクエスト元の事業者主体名、種類、住所、および、連絡先といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図8Aに、本実施形態のドライバーDB325におけるドライバー情報3251の一例を示す。
本実施形態のドライバー情報3251は、この情報を管理しているドライバーの情報を格納したテーブルである。
【0054】
そのデータ構造は、ドライバーを一意に示すドライバーIDをキーとして、当該ドライバーの氏名、性別、年齢、国籍、住所、および、連絡先といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図8Bに、本実施形態のドライバーDB325における移動ライフログ情報3252の一例を示す。
【0055】
本実施形態の移動ライフログ情報3252は、ドライバーの走行履歴として、自車位置の履歴情報をナビゲーション端末300のGPSユニット308から取得・蓄積したテーブルである。
【0056】
そのデータ構造は、日時情報をキーとして、GPSユニット308から得た自車の位置情報の値(GPSにおける座標値)を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図8Cに、本実施形態のドライバーDB325におけるポリシー情報3253の一例を示す。
【0057】
本実施形態のポリシー情報3253は、ドライバーの移動ポリシーの情報を格納したテーブルである。そのデータ構造は、ドライバーを一意に示すドライバーIDをキーとして、当該ドライバーが移動に関して有するポリシーの識別情報たるポリシーID、および、当該ポリシーの優先度、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0058】
なお、上述のポリシーIDは、予めサービス事業者等によって規定されたポリシーリスト(ポリシー定義情報3254)中から該当ドライバーが選択したポリシーのIDとなる。また、ポリシー優先度は、当該ドライバーが複数の移動ポリシーを有している場合、移動ポリシー間での優先順位を規定するものである。
また、
図8Dに、本実施形態のドライバーDB325におけるポリシー定義情報3254の一例を示す。
本実施形態のポリシー定義情報3254は、サービス事業者等が予め規定した移動ポリシーの情報を格納したテーブルである。
【0059】
そのデータ構造は、移動ポリシーを一意に示すポリシーIDをキーとして、当該移動ポリシーのポリシー種類、および、ポリシー内容、といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。なお、上述のポリシー種類は、該当移動ポリシーの特徴を一言で示すものである。
また、
図9に、本実施形態のインセンティブ提供元DB425におけるインセンティブ提供元情報4251の一例を示す。
本実施形態のインセンティブ提供元情報4251は、インセンティブ提供元の店舗に関する情報を格納したテーブルである。
【0060】
そのデータ構造は、インセンティブ提供元を一意に示すインセンティブ提供元IDをキ
ーとして、当該インセンティブ提供元たる店舗の店舗名、種類、住所、および、連絡先といった値を対応付けたレコードの集合体となっている。
また、
図10Aに、本実施形態の分散台帳50におけるリクエスト情報51の一例を示す。
【0061】
本実施形態のリクエスト情報51は、リクエスト元端末200が渋滞回避のリクエスト通知に伴って発行したトランザクションデータを蓄積したブロックである。
【0062】
そのデータ構造は、上述のリクエストに伴うトランザクションを一意に示すリクエストIDをキーとして、当該リクエストの種類を示すリクエスト種類ID、リクエスト種類、リクエスト元ID、有効期限、迂回依頼時間、迂回依頼エリア、および、当該リクエストに関して生成・配信されたクーポンのクーポン番号といった値を対応付けたトランザクションデータの集合体となっている。
また、
図10Bに、本実施形態の分散台帳50におけるクーポン発行情報の521一例を示す。
本実施形態のクーポン発行情報521は、サービス事業者装置100がクーポン配信に伴って発行したトランザクションデータを蓄積したブロックである。
【0063】
そのデータ構造は、クーポンを一意に示すクーポンIDをキーとして、当該クーポンの内容、有効期限、インセンティブ提供元ID、発行・配信した枚数、使用済み枚数、といった値を対応付けたトランザクションデータの集合体となっている。
また、
図10Cに、本実施形態の分散台帳50におけるクーポン取得情報の522一例を示す。
【0064】
本実施形態のクーポン取得情報522は、ドライバーがルート生成部311による迂回経路を走行したことをもってクーポンを取得した(使用可能とした)イベントに関して、当該ナビゲーション端末300が発行したトランザクションデータを蓄積したブロックである。
【0065】
そのデータ構造は、当該クーポンを一意に示すクーポンIDをキーとして、取得時刻、ポリシー番号、リクエスト番号、といった値を対応付けたトランザクションデータの集合体となっている。
【0066】
このうち、ポリシーIDは、当該クーポンを取得したドライバーの移動ポリシーであって、当該クーポンに関するマッチングで適合が確認された移動ポリシーのIDである。また、リクエストIDは、当該クーポンの発行由来となったリクエストのIDである。
また、
図10Dに、本実施形態の分散台帳50におけるクーポン使用情報の523一例を示す。
【0067】
本実施形態のクーポン使用情報523は、クーポンを取得したドライバーが当該クーポンをインセンティブ提供元にて使用したイベントに応じてナビゲーション端末300によって発行されたトランザクションデータを蓄積したブロックである。
【0068】
そのデータ構造は、クーポン使用を行ったドライバーを一意に示すドライバーIDをキーとして、当該クーポンの使用時刻、および、当該クーポンのクーポンIDといった値を対応付けたトランザクションデータの集合体となっている。
また、
図11Aに、本実施形態の分散台帳50におけるマッチング候補情報531の一例を示す。
【0069】
本実施形態のマッチング候補情報531は、渋滞回避のリクエストの種類と、当該リク
エストの種類にマッチする移動ポリシーとの対応関係を規定した情報である。このマッチング候補情報531は、いずれかのノードが知見ある者から上述の対応関係について指定を受けたイベントに伴って発行したトランザクションデータと想定できる。
【0070】
そのデータ構造は、リクエスト種類IDをキーとして、当該リクエスト種類にマッチする移動ポリシーのポリシーIDの値を対応付けたトランザクションデータの集合体となっている。
また、
図11Bに、本実施形態の分散台帳50におけるマッチング結果情報532の一例を示す。
【0071】
本実施形態のマッチング結果情報532は、サービス事業者装置100から配信されたクーポンに対応するリクエストに関して、移動ポリシーがマッチするドライバーを特定したナビゲーション端末300が発行したトランザクションデータを蓄積したブロックである。そのデータ構造は、リクエストIDをキーとして、ドライバーID、および、ポリシーIDといった値を対応付けたトランザクションデータの集合体となっている。
【0072】
また、
図11Cに、本実施形態の分散台帳50における明細票情報54の一例を示す。本実施形態の明細票情報54は、ドライバーによるインセンティブ提供元でのクーポン使用に伴い、割引額の実績情報を生成したリクエスト元端末200が発行したトランザクションデータを蓄積したブロックである。
【0073】
そのデータ構造は、使用されたクーポンを一意に示すクーポンIDをキーとして、当該クーポンの使用を伴う購買行動でインセンティブ提供元で提供した割引の金額といった値を対応付けたトランザクションデータの集合体となっている。
−−−フロー例1−−−
【0074】
以下、本実施形態における渋滞回避支援方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する渋滞回避支援方法に対応する各種動作は、渋滞回避支援システム10を構成する各ノードがメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0075】
図12は、本実施形態における渋滞回避支援方法のフロー例1を示す図である。ここではまず、リクエスト元端末200が、そのユーザの所定指示を入力装置205で受け付けて、渋滞回避のリクエストを生成し、これを含むトランザクションデータをネットワーク1に発行する(s100)。
【0076】
ここで送信されるリクエストのトランザクションデータは、
図10Aで既に示したリクエスト情報51のレコードと同様の値を含んでいるものとする(但し、リクエストIDおよびクーポンIDの値は含まない)。
【0077】
一方、サービス事業者装置100およびナビゲーション端末300は、上述のリクエストのトランザクションデータを受信して、これに関する正当性判定を経た上で、分散台帳50のリクエスト情報51に格納する(s101、s102)。
【0078】
また、サービス事業者装置100の混雑情報管理部111は、上述のリクエスト(のトランザクションデータ)を受信したことを契機に、当該リクエストが示す迂回依頼エリアにおける道路混雑状況の情報を、道路の管理者たる自治体や公団など所定組織の外部システムから取得する(s103)。
【0079】
また、サービス事業者装置100のクーポン発行部110は、上述の迂回依頼エリアと、s103で情報を得たその道路混雑状況とに基づき、所定アルゴリズムでクーポンの枚数と内容を特定し、これをトランザクションデータとしてネットワーク1に発行する(s104)。このトランザクションデータは、少なくともナビゲーション端末300およびインセンティブ提供元端末400が受信することとなる。こうした、トランザクションデータの生成・発行の処理については、分散台帳システムにおける既存手法と同様に実行するものとする(以下同様)。
【0080】
なお、上述のアルゴリズムは、例えば、エリアごとの過去の道路混雑状況と、その道路混雑状況において実際に配信したクーポンの枚数および内容とを入力として、該当エリアでの当該クーポン配信後の渋滞緩和状況を出力とした場合の、入力と出力の相関関係を規定した関数、が該当する。この関数は、上述の入出力の間について相関分析を行うことで得た関数である。勿論、上述のアルゴリズムは一例であり、機械学習で上述の相関関係を特定したアルゴリズムなど種々のものを適宜に採用すればよい。
【0081】
他方、ナビゲーション端末300、インセンティブ提供元端末400、および、リクエスト元端末200は、上述のクーポンの枚数および内容に関するトランザクションデータを受信し、これに対する所定の正当性判定を経た上で、分散台帳50のクーポン情報52にそれぞれ格納する(s105〜s107)。
【0082】
上述のトランザクションデータは、
図10Bで既に示したクーポン発行情報521のレコードと同じデータ構造を備えたデータとなる。但し、発行したばかりで使用された履歴は無いため、
図10Bで例示したレコードとは異なり、使用済み枚数欄の値は0である。
【0083】
続いて、ナビゲーション端末300のポリシーマッチング実行部310は、GPSユニット308で出力される自車の現在位置および走行方向の各情報と、ナビゲーション対象としてドライバーから設定されている目的地情報(これは一般的なナビゲーション装置として当然保持している)とを取得する(s108)。
【0084】
また、ナビゲーション端末300のポリシーマッチング実行部310は、s102で得ているリクエスト(この場合、s105で情報を得ているクーポンと同義)のうち、該当リクエストおける迂回依頼時間、迂回依頼エリアといった渋滞回避対象と、ドライバーにおける実際の移動動向とがマッチするもの(例:s108で得た自車の現在位置を起点として走行方向に向かった先のエリアが、a.迂回依頼エリアと厳密に一致する、b.迂回依頼エリアと厳密に一致しないが、途中で所定程度の方向転換があれば迂回依頼エリアに到達可能、のいずれかとなるケース)で、かつ、該当リクエストにおけるリクエスト種類IDと当該ドライバーの移動ポリシー(ドライバーDB325のポリシー情報3253)のポリシーIDとが、分散台帳50のマッチング情報53のマッチング候補情報531で規定する関係に適合するもの特定する(s109)。
【0085】
続いて、ナビゲーション端末300のポリシーマッチング実行部310は、上述のs109でリクエストを特定した場合、その旨のトランザクションデータをネットワーク1に発行し、所定の正当性判定を経た上で、分散台帳50のマッチング結果情報532に格納する(s110)。ここで格納するトランザクションデータは、
図11Bにて既に示したマッチング結果情報532と同様に、対応するリクエストID、ドライバーID、およびポリシーIDの各情報が紐付いたデータ構造となっている。
【0086】
一方、サービス事業者装置100は、上述のナビゲーション端末300から発行されたマッチング結果のトランザクションデータを受信し、所定の正当性判定を経た上で、分散台帳50のマッチング結果情報532に格納する(s111)。
【0087】
次に、ナビゲーション端末300のルート生成部311は、上述のs109で特定したリクエストのリクエスト情報51における迂回依頼時間および迂回依頼エリアと、s108で得ている現在位置および走行方向とに基づいて、迂回依頼エリアを迂回依頼時間に回避しつつ、当初の目的地に到達するための迂回経路を特定し、当該迂回経路の情報を出力装置306に出力する(s112)。
【0088】
その後、ナビゲーション端末300のドライバー対応処理部312は、ドライバーの移動履歴を移動ライフログ情報3252から所定時間毎に抽出し、この移動履歴が上述のs112で特定した迂回経路に沿ったものとなっているか判定する(s113)。
【0089】
上述の判定の結果、ドライバーの移動履歴が迂回経路に沿ったものではないことが判明した場合(s113:NO)、ナビゲーション端末300のドライバー対応処理部312は、処理を終了する。
【0090】
他方、上述の判定の結果、ドライバーの移動履歴が迂回経路に沿ったものであることが判明した場合(s113:YES)、ナビゲーション端末300のドライバー対応処理部312は、当該ドライバーの迂回行動の確定に伴う該当クーポンの取得判定を下し、その旨を示すトランザクションデータを発行して、これを正当性判定を経た上で分散台帳50のクーポン取得情報522に格納する(s114)。
【0091】
一方、サービス事業者装置100およびインセンティブ提供元端末400は、上述のクーポン取得に伴うトランザクションデータを受信し、正当性判定を経た上で、分散台帳50のクーポン取得情報522に格納する(s115、s116)。
【0092】
この場合、サービス事業者装置100の混雑情報管理部111は、上述のクーポン取得に伴うトランザクションデータの受信を契機に、s103の処理を再度実行し、上述の迂回依頼エリアにおける道路混雑状況が所定の混雑基準を示しているか判定する(s117)。
【0093】
上述の判定の結果、迂回依頼エリアにおける道路混雑状況が所定の混雑基準を下回っていることが判明した場合(s117:NO)、サービス事業者装置100のクーポン発行部110は、処理を終了する。
【0094】
他方、上述の判定の結果、迂回依頼エリアにおける道路混雑状況が所定の混雑基準を上回っていることが判明した場合(s117:YES)、サービス事業者装置100のクーポン発行部110は、処理をs104に遷移させ、クーポンの枚数および内容の特定と当該トランザクションデータの発行の各処理をあらためて行う。
【0095】
これは、ドライバーによるクーポン取得後、すなわち迂回行動後に迂回依頼エリアの道路混雑状況が改善していれば、リクエスト元からのリクエストは達成されたと判断できる一方で、ドライバーによる迂回行動が存在しても道路混雑状況に改善が見られない場合に、例えば、更なる枚数のクーポンや割引額が高まったクーポンを追加発行するなどして、上述のリクエストに応えるよう対処する処理となる。
【0096】
なお、上述の例では、ステップs117の実行を、クーポン取得に伴うトランザクションデータの受信を契機としたケースを示したが、s110でのマッチング結果のトランザクションデータの受信を契機に、s117を実行するとしてもよい。
−−−フロー例2−−−
【0097】
続いて、上述のフロー例1におけるステップs114にて示すように、迂回行動をとることでクーポンを取得したドライバーが、インセンティブ提供元の店舗を訪れるなどして当該クーポンを用いて購買行動を行った場合の、渋滞回避支援システム10の処理について説明する。
【0098】
図13は、本実施形態の渋滞回避支援方法のフロー例2を示す図である。この場合、上述のドライバーの自動車におけるナビゲーション端末300は、当該ドライバーの操作を入力装置305で受け付けるなどして、或いは、通信装置307を介してインセンティブ提供元端末400から購買内容に関する情報を受信するなどして、クーポン使用の履歴情報を取得する(s200)。
【0099】
また、ナビゲーション端末300は、クーポン使用に伴うトランザクションデータを発行し、正当性判定を経た上で、これを分散台帳50のクーポン使用情報523に格納する(s201)。
【0100】
一方、 リクエスト元端末200およびインセンティブ提供元端末400は、上述のクーポン使用に伴うトランザクションデータを受信し、正当性判定を経た上で、これを分散台帳50のクーポン使用情報523に格納する(s202、s203)。
【0101】
続いて、リクエスト元端末200は、上述のトランザクションデータの受信に伴い、当該トランザクションデータが示す、該当購買行動で生じたクーポンによる割引額の値を、インセンティブ提供元への報酬額として抽出する(s204)。
勿論、こうした割引額の値は報酬額の一例であり、割引額の大きさに応じた報酬額を所定ルールで特定するなどとしてもよい。
【0102】
続いて、リクエスト元端末200は、s204で得た割引額を含むに明細票のトランザクションデータを発行し、正当性判定を経た上で、これを分散台帳50の明細票情報54に格納する(s205)。
【0103】
一方、インセンティブ提供元端末400は、上述の明細票のトランザクションデータを受信し、正当性判定を経た上で、これを分散台帳50の明細票情報54に格納する(s206)。
【0104】
次に、リクエスト元端末200は、s204で特定した割引額すなわち報酬額をインセンティブ提供元に対して支払う、所定の金融処理を実行し(s207)、処理を終了する。勿論、リクエスト元端末200は、こうした金融処理に際し、インセンティブ提供元の事業者等が有する銀行口座の情報を事前に保持しており、この情報に基づき、金融機関のネットバンキングサービスを介した振込処理などの金融処理を適宜に実行できるものとする。
【0105】
なお、上述してきた渋滞回避支援方法のフローに対応した、マネーフローについて
図14にて例示する。このマネーフローが示すように、ドライバーから見ると、クーポンはリクエスト元が発行し、これをインセンティブ提供元の店舗等で使用し割引を受けることとなる。また、この際の割引額の情報はクーポンの使用実績として、インセンティブ提供元端末400からリクエスト元端末200に適宜通知され、リクエスト元から当該インセンティブ提供元に対して実績に応じた報酬の支払が発生する。一方、サービス事業者は、こうしたリクエスト元、ドライバー、インセンティブ提供元らに渋滞回避支援サービスの場を提供する存在であり、リクエスト元からサービス使用に応じた費用を徴収するビジネスモデルとなっている。
【0106】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0107】
こうした本実施形態によれば、道路状況と共に移動者の動向やポリシーを踏まえつつ、効果的なインセンティブの付与を行い、効率的に渋滞回避を図ることが可能となる。
【0108】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の渋滞回避支援システムにおいて、移動者の移動ポリシーを格納した記憶装置と、前記情報処理装置から前記インセンティブおよびこれに対応する前記リクエストの各情報を受信し、前記インセンティブのうち、前記リクエストにおける渋滞回避対象と前記移動者における実際の移動動向とがマッチするもので、かつ、前記リクエストにおける所定属性と前記移動ポリシーがマッチするものを特定する処理と、前記特定したインセンティブに対応する前記リクエストに基づいて迂回経路を特定し、当該迂回経路の情報を出力装置に出力する処理と、前記移動者の移動履歴が前記迂回経路に沿ったものとなった場合、前記インセンティブを前記移動者が取得した旨を記憶装置に保持し、所定の通知対象に通知する処理と、を実行する演算装置と、を備えた移動者端末を更に含むとしてもよい。
【0109】
これによれば、移動者の移動動向やポリシーがマッチするクーポン等の特定や、迂回経路の生成・表示、クーポン取得の通知等を、上述の情報処理装置(サービス事業者装置)が移動者端末と通信を行って情報収集しつつ行うといった運用形態を回避できる。そのため、サービス事業者からすれば、そうした通信等に要する手間やコストを低減可能となり、効率的な渋滞回避支援が可能となる。ひいては、道路状況と共に移動者の動向やポリシーを踏まえつつ、効果的なインセンティブの付与を行い、より効率的に渋滞回避を図ることが可能となる。
【0110】
また、本実施形態の渋滞回避支援システムにおいて、前記所定事業者の端末であって、前記移動者端末に対応した移動者による、前記インセンティブに基づく購買行動について、前記移動者端末から通知を受信し、当該購買行動の内容に基づいた成果報酬金額に関する所定の支払処理を前記購買行動の対象店舗に対して実行する事業者端末を更に含む、としてもよい。
【0111】
これによれば、移動者によるクーポン使用に応じて、当該クーポンにおける割引額を成果報酬金額としてインセンティブ提供元(例:移動者が利用するガソリンスタンドやレストラン等の各種店舗)に効率的に付与できる。そのため、インセンティブ提供元からすれば、移動者によるクーポン使用を促すモチベーションの維持、増進につながりやすく、結果として効率的な渋滞回避支援が可能となる。ひいては、道路状況と共に移動者の動向やポリシーを踏まえつつ、より効果的なインセンティブの付与を行い、一層効率的に渋滞回避を図ることが可能となる。
【0112】
また、本実施形態の渋滞回避支援システムにおいて、前記情報処理装置、前記事業者端末、および、前記移動者端末のそれぞれが、分散台帳システムを構成するノードであって、各ノードは、前記渋滞回避のリクエストを起点にした、自他のノードにおける各処理に伴い発行されたトランザクションデータを、所定の正当性判定を経て分散台帳でそれぞれ保持するものである、としてもよい。
【0113】
これによれば、渋滞回避支援システムに含まれる装置や端末らをノードとして分散台帳システムを構成して、各ノードでの各処理の内容を示すトランザクションデータの正当性判定を経た上で改ざん懸念なく分散台帳上で管理できることとなる。また、中央集権的な管理装置の導入、運用が基本的には不要となり、渋滞回避支援システムの構築や導入が容易なものとなりやすい。そのため、効率的かつ経済的な渋滞回避支援が可能となる。ひい
ては、道路状況と共に移動者の動向やポリシーを踏まえつつ、効果的なインセンティブの付与を行い、より一層効率的かつ低コストに渋滞回避を図ることが可能となる。
【0114】
また、本実施形態の渋滞回避支援方法において、移動者の移動ポリシーを格納した記憶装置を備えた移動者端末が、前記情報処理装置から前記インセンティブおよびこれに対応する前記リクエストの各情報を受信し、前記インセンティブのうち、前記リクエストにおける渋滞回避対象と前記移動者における実際の移動動向とがマッチするもので、かつ、前記リクエストにおける所定属性と前記移動ポリシーがマッチするものを特定し、前記特定したインセンティブに対応する前記リクエストに基づいて迂回経路を特定し、当該迂回経路の情報を出力装置に出力し、前記移動者の移動履歴が前記迂回経路に沿ったものとなった場合、前記インセンティブを前記移動者が取得した旨を記憶装置に保持し、所定の通知対象に通知する、としてもよい。
【0115】
また、本実施形態の渋滞回避支援方法において、前記情報処理装置が、前記移動者端末に対応した移動者による、前記インセンティブに基づく購買行動について、前記移動者端末から通知を受信し、当該購買行動の内容に基づいた成果報酬金額に関する所定の支払処理を前記購買行動の対象店舗に対して実行する、としてもよい。
【0116】
また、本実施形態の渋滞回避支援方法において、分散台帳システムを構成するノードである、前記情報処理装置、前記事業者端末、および、前記移動者端末のそれぞれが、前記渋滞回避のリクエストを起点にした、自他のノードにおける各処理に伴い発行されたトランザクションデータを、所定の正当性判定を経て分散台帳でそれぞれ保持する、としてもよい。