特許第6936693号(P6936693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6936693
(24)【登録日】2021年8月31日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20210909BHJP
【FI】
   H02M7/12 H
   H02M7/12 F
【請求項の数】6
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-204746(P2017-204746)
(22)【出願日】2017年10月23日
(65)【公開番号】特開2019-80414(P2019-80414A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2020年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(72)【発明者】
【氏名】居安 誠二
(72)【発明者】
【氏名】林 裕二
(72)【発明者】
【氏名】半田 祐一
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第9941784(US,B1)
【文献】 特開2011−152017(JP,A)
【文献】 特開2006−149009(JP,A)
【文献】 特開2015−201906(JP,A)
【文献】 特表2007−527687(JP,A)
【文献】 特開2011−109817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアクトル(2)と、第1,第2駆動スイッチ(Q1,Q2)とを有し、交流電源(200)から入力された交流の入力電圧を、前記第1,第2駆動スイッチを操作することで直流電圧へ変換して出力端子(OUT)から出力する電力変換器(10)と、
電流検出箇所に接続される入力巻線(L1a,L1b)及び該入力巻線と磁気結合する出力巻線(L2a,L2b)を有するカレントトランス(21,22)と、前記出力巻線に並列接続された検出抵抗(Rd1、Rd2)と、前記出力巻線に正の電流が流れる場合、前記出力巻線から前記検出抵抗へ電流を流し、前記出力巻線に負の電流が流れる場合、前記出力巻線から前記検出抵抗に電流を流さないダイオード(Dr1,Dr2)と、を有する電流検出部(4,7)と、
前記入力電圧が正の極性となる第1期間において、前記第1駆動スイッチに流れる第1電流を指令電流に制御し、前記入力電圧が負となる第2期間において、前記第2駆動スイッチに流れる第2電流を前記指令電流に制御すべく、前記第1駆動スイッチ及び前記第2駆動スイッチを操作する制御部(30)と、を備え、
前記電流検出部は、前記入力巻線、前記出力巻線、又は前記入力巻線及び前記出力巻線と磁気結合する補助巻線(L3a,L3b)のいずれかに並列接続された検出部側スイッチ(SW1〜SW6)を有し、
前記電流検出部のうち、前記第1電流を検出するものを第1電流検出部とし、前記第2電流を検出するものを第2電流検出部とする場合、前記制御部は、前記第1期間において、前記第2電流検出部の前記検出部側スイッチをオン操作し、前記第2期間において、前記第1電流検出部の前記検出部側スイッチをオン操作する電力変換装置。
【請求項2】
前記出力巻線の巻数が前記入力巻線の巻数よりも多く、
前記検出部側スイッチは、前記出力巻線と前記ダイオードとの接続点よりも前記出力巻線側で、当該出力巻線に並列接続されている請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記検出部側スイッチに直列接続された直流電源(71〜74)を備え、
前記検出部側スイッチ及び前記直流電源の直列接続体が、前記出力巻線又は前記補助巻線に並列接続されており、
前記制御部は、前記第1期間において前記第2電流検出部が備える前記検出部側スイッチを一時的にオン操作し、前記第2期間において、前記第1電流検出部が備える前記検出部側スイッチを一時的にオン操作する請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1期間において、前記第1電流を前記指令電流で制限すべく前記第1駆動スイッチを操作し、前記第2期間において、前記第2電流を前記指令電流で制限すべく前記第2駆動スイッチを操作するピーク電流モード制御を実施し、
前記制御部は、前記ピーク電流モード制御により前記第1駆動スイッチを操作する期間において、前記第2電流検出部が備える前記検出部側スイッチをオン操作し、前記ピーク電流モード制御により前記第2駆動スイッチを操作する期間において、前記第1電流検出部が備える前記検出部側スイッチをオン操作する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記電力変換器は、前記第1駆動スイッチと第1駆動側整流素子(Dm1,Q3)との直列接続体と、前記第2駆動スイッチと第2駆動側整流素子(Dm2,Q4)との直列接続体とが並列接続されることで構成されており、
前記第1駆動スイッチと前記第1駆動側整流素子との接続点には、前記リアクトルを介して前記交流電源の第1端子が接続されており、前記第2駆動スイッチと前記第2駆動側整流素子との接続点には、前記交流電源の第2端子が接続されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記電力変換器は、前記第1駆動スイッチと前記第2駆動スイッチとの直列接続体と、1組の整流素子(Dm1,Dm2,Q5,Q6)の直列接続体とが並列接続されることで構成されており、
前記第1駆動スイッチと前記第2駆動スイッチとの接続点には、前記リアクトルを介して前記交流電源の第1端子が接続されており、前記1組の整流素子の接続点には、前記交流電源の第2端子が接続されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電力を直流電力に変換する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ダイオードブリッジと、ダイオードブリッジの出力側に直列接続されたリアクトルと、リアクトルに流れる電流を制御する駆動スイッチと、リアクトルから駆動スイッチに流れる電流を検出する電流検出回路とを備える電力変換装置が開示されている。特許文献1に開示された電力変換装置では、交流電源から供給される交流の入力電圧がダイオードブリッジにより直流電圧に変換される。そして、駆動スイッチが操作されることで、変換された直流電圧がリアクトルを通じて出力端子に出力される。このとき、電流検出回路により検出された電流を指令電流に制御すべく駆動スイッチがオン・オフ操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−198460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、入力側にダイオードブリッジを備えていないブリッジレス型の電力変換装置がある。ブリッジレス型の電力変換装置において、CT(カレントトランス)式の電流検出回路を用いて電流を検出する場合、発明者は、以下の問題が生じやすいことに着目した。その問題とは、ブリッジレス型の電力変換装置では、CT式の電流検出回路の発熱や、電流検出誤差等が入力側にダイオードブリッジを備える電力変換装置よりも生じ易くなるといったものである。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みたものであり、CT式の電流検出回路を備えるブリッジレス型の電力変換装置において、電流検出回路の発熱を抑制するとともに、電流検出誤差を低減することができる電力変換装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る電力変換装置では、リアクトルと、第1,第2駆動スイッチとを有し、交流電源から入力された交流の入力電圧を、前記第1,第2駆動スイッチを操作することで直流電圧へ変換して出力端子から出力する電力変換器と、電流検出箇所に接続される入力巻線及び該入力巻線と磁気結合する出力巻線を有するカレントトランスと、前記出力巻線に並列接続された検出抵抗と、前記出力巻線に正の電流が流れる場合、前記出力巻線から前記検出抵抗へ電流を流し、前記出力巻線に負の電流が流れる場合、前記出力巻線から前記検出抵抗に電流を流さないダイオードと、を有する電流検出部と、前記入力電圧が正の極性となる第1期間において、前記第1駆動スイッチに流れる第1電流を指令電流に制御し、前記入力電圧が負となる第2期間において、前記第2駆動スイッチに流れる第2電流を前記指令電流に制御すべく、前記第1駆動スイッチ及び前記第2駆動スイッチを操作する制御部と、を備えている。前記電流検出部は、前記入力巻線、前記出力巻線、又は前記入力巻線及び前記出力巻線と磁気結合する補助巻線のいずれかに並列接続された検出部側スイッチを有し、前記電流検出部のうち、前記第1電流を検出するものを第1電流検出部とし、前記第2電流を検出するものを第2電流検出部とする場合、前記制御部は、前記第1期間において、前記第2電流検出部の前記検出部側スイッチをオン操作し、前記第2期間において、前記第1電流検出部の前記検出部側スイッチをオン操作する。
【0007】
電流検出部は、カレントトランスの出力巻線に正の電流が流れる場合、出力巻線から検出抵抗へ電流を流し、出力巻線に負の電流が流れる場合、出力巻線から検出抵抗に電流を流さないダイオードを有している。そして、電力変換装置は、交流電源から供給される入力電圧が正の極性となる第1期間において、第1駆動スイッチに流れる第1電流を指令電流に制御し、入力電圧が負となる第2期間において、第2駆動スイッチに流れる第2電流を指令電流に制御すべく、第1及び第2駆動スイッチを操作する制御部を備えている。このような電力変換装置では、入力電圧が正の極性となる第1期間において、第2電流検出部のカレントトランスに負の電流が流れ、入力電圧が負の極性となる第2期間において、第1電流検出部のカレントトランスに負の電流が流れる。本発明者は、カレントトランスに負の電流が流れる場合、この電流がダイオードの存在により検出抵抗に流れず、カレントトランスの励磁インダクタンスに流れることで磁束密度を増加させていることを突き止めた。磁束密度の増加によりカレントトランスが磁気飽和すると、第1,第2電流検出部に過電流が流れたり、カレントトランスの残存磁界によりに第1,第2電流検出部の電流検出精度を低下させたりするおそれがある。
【0008】
そこで、上記構成では、第1,第2電流検出部は、入力巻線、出力巻線、又は入力巻線及び出力巻線と磁気結合する補助巻線に並列接続された検出部側スイッチを備えている。そして、第1期間において、第2電流検出部の検出部側スイッチをオン操作することで、カレントトランスに励磁電流を流れにくくし、磁束密度の増加を抑制する。また、第2期間において、第1電流検出部の検出部側スイッチをオン操作することで、カレントトランスに励磁電流を流れにくくし、磁束密度の増加を抑制することとした。この場合、CT式の電流検出部を備える電力変換装置において、電流検出部の発熱を抑制するとともに、電流検出誤差を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】電力変換装置の構成図。
図2】第1電流センサの回路図。
図3】制御装置の機能を説明する機能ブロック図。
図4】コンバータの動作を説明するタイミングチャート。
図5】コンバータの通流状態を説明する図。
図6】本実施形態の原理を説明する図。
図7】制御装置が実施する出力電圧Voの制御の手順を示すフローチャート。
図8】本実施形態の効果を説明する図。
図9】比較例における効果を説明する図。
図10】第1実施形態の変形例1に係る第1,第2電流センサの回路図。
図11】第1実施形態の変形例2に係る電力変換装置の構成図。
図12】第1実施形態の変形例3に示す制御装置の機能ブロック図。
図13】第2実施形態に係る第1,第2電流センサの回路図。
図14】第2実施形態に係る電力変換装置の動作を説明するタイミングチャート。
図15】第2実施形態の変形例に係る第1,第2電流センサの回路図。
図16】第3実施形態に係るコンバータの回路図。
図17】第3実施形態に係る電力変換装置の動作を説明するタイミングチャート。
図18】第4実施形態に係るコンバータの回路図。
図19】第4実施形態の変形例に係るコンバータの回路図。
図20】第5実施形態に係るコンバータの回路図。
図21】第5実施形態の変形例に係るコンバータの回路図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1に示すように、電力変換装置100は、電力変換器としてのAC・DCコンバータ(以下、コンバータ10と称す)と、平滑コンデンサ9と、を備えている。電力変換装置100の入力端子INには交流電源200が接続されており、出力端子OUTには図示しない負荷が接続されている。電力変換装置100は、コンバータ10により交流電源200から供給される交流の入力電圧を直流電圧に変換し、変換した直流電圧を、出力端子OUTを通じて負荷に供給する。
【0012】
コンバータ10は、入力側にダイオードブリッジを備えていないブリッジレスPFC回路である。コンバータ10は、リアクトル2と、第1駆動スイッチQ1と、第1メインダイオードDm1と、第2駆動スイッチQ2と、第2メインダイオードDm2とを備えている。本実施形態において、各駆動スイッチQ1,Q2は、NチャネルMOSFETである。
【0013】
コンバータ10の構成を詳しく説明すると、第1メインダイオードDm1のアノードには、第1駆動スイッチQ1のドレインが接続されている。これにより、第1メインダイオードDm1及び第1駆動スイッチQ1の直列接続体が構成されている。また、第2メインダイオードDm2のアノードには、第2駆動スイッチQ2のドレインが接続されている。これにより、第2メインダイオードDm2及び第2駆動スイッチQ2の直列接続体が構成されている。また、第1メインダイオードDm1及び第2メインダイオードDm2のカソードは、出力端子OUTに接続された第1ラインLP1にそれぞれ接続され、第1駆動スイッチQ1及び第2駆動スイッチQ2のソースは、出力端子OUTに接続された第2ラインLP2にそれぞれ接続されている。第1メインダイオードDm1が第1駆動側整流素子に相当し、第2メインダイオードDm2が第2駆動側整流素子に相当する。
【0014】
第1メインダイオードDm1及び第1駆動スイッチQ1の接続点である第1接続点K1は、リアクトル2を介して交流電源200の第1端子に接続されている。また、第2メインダイオードDm2及び第2駆動スイッチQ2の接続点である第2接続点K2は、交流電源200の第2端子に接続されている。
【0015】
第1ラインLP1と第2ラインLP2との間には、平滑コンデンサ9が接続されている。そのため、平滑コンデンサ9は、第1メインダイオードDm1及び第1駆動スイッチQ1の直列接続体と、第2メインダイオードDm2及び第2駆動スイッチQ2の直列接続体とに並列接続されている。
【0016】
電力変換装置100は、制御装置30を備えている。制御装置30は、周知のマイクロコンピュータにより構成されており、コンバータ10が備える第1,第2駆動スイッチQ1,Q2をオン又はオフに操作する。なお、制御装置30は、例えば、複数の機能ブロックを備える集積回路により構成されていればよい。
【0017】
電力変換装置100は、入力電圧センサ11、出力電圧センサ12、電流検出部としての第1電流センサ4及び第2電流センサ7を備えている。入力電圧センサ11は、交流電源200の第1端子と第2端子との間に並列接続されており、交流電源200の端子間電圧を入力電圧Vacとして検出する。出力電圧センサ12は、平滑コンデンサ9よりも出力端子Out側で平滑コンデンサ9に並列接続されており、平滑コンデンサ9の端子間電圧を出力電圧Voとして検出する。第1電流センサ4が第1電流検出部に相当し、第2電流センサ7が第2電流検出部に相当する。
【0018】
第1電流センサ4は、第1駆動スイッチQ1に流れる電流を第1電流IL1rとして検出する。また、第2電流センサ7は、第2駆動スイッチQ2に流れる電流を第2電流IL2rとして検出する。本実施形態では、第1電流センサ4は、コンバータ10において、第1メインダイオードDm1のアノードと、第1駆動スイッチQ1のドレインとを接続する配線のうち、第1接続点K1よりも第1駆動スイッチQ1側に接続されている。第2電流センサ7は、コンバータ10において、第2メインダイオードDm2のアノードと、第2駆動スイッチQ2のドレインとを接続する配線のうち、第2接続点K2よりも第2駆動スイッチQ2側に接続されている。
【0019】
図2(a)は、第1電流センサ4の回路図である。第1電流センサ4は、第1トランス21、第1リセット抵抗Rr1、第1検出抵抗Rd1及び第1整流ダイオードDr1を備えている。第1電流センサ4の第1検出端子TD1及び第2検出端子TD2のそれぞれは、第1駆動スイッチQ1のドレインと第1メインダイオードDm1のアノードとの間に接続されている。具体的には、第1検出端子TD1は、第2検出端子TD2よりも第1メインダイオードDm1のアノード側に接続され、第2検出端子TD2は、第1検出端子TD1よりも第1駆動スイッチQ1のドレイン側に接続されている。
【0020】
第1トランスはカレントトランスであり、1次側コイルL1aと、1次側コイルL1aと磁気結合する2次側コイルL2aとを有する。1次側コイルL1aと2次側コイルL2aとは減極性の関係となっている。また、2次側コイルL2aの巻数N2は、1次側コイルL1aの巻数N1よりも多い。本実施形態では、下記式(1)により、1次側コイルL1aの巻数N1を基準とする、2次側コイルL2aの巻数N2の比である巻数比を算出している。
Nr=N2/N1 … (1)
なお、Nrは巻数比を示す。
【0021】
第1検出端子TD1は1次側コイルL1a(入力巻線)の第1端に接続され、第2検出端子TD2は1次側コイルL1aの第2端に接続されている。2次側コイルL2a(出力巻線)の第1端には、第1整流ダイオードDr1のアノードが接続され、カソードが第1検出抵抗Rd1の第1端に接続されている。そして、2次側コイルL2aの第2端には、第1検出抵抗Rd1の第2端が接続されている。
【0022】
2次側コイルL2aには、第1リセット抵抗Rr1と、第1スイッチSW1とが並列接続されている。第1スイッチSW1は、閉状態となることで、2次側コイルL2の第1端と第2端との間をバイパスする経路を形成する。具体的には、2次側コイルL2の第1端と第1整流ダイオードDr1のアノードとの間に第1スイッチSW1の第1端子が接続され、2次側コイルL2aの第2端と第1検出抵抗Rd1の第2端との間に第1スイッチSW1の第2端子が接続されている。
【0023】
本実施形態では、第1電流センサ4において、第1検出端子TD1から第2検出端子TD2の向きで1次側コイルL1aに流れる電流を正の電流とする。また、第2検出端子TD2から第1検出端子TD1の向きで1次側コイルL1aに流れる電流を負の電流とする。
【0024】
1次側コイルL1aに正の電流が流れる場合、2次側コイルL2aの第1端からは、巻数比Nrに応じた電流が第1整流ダイオードDr1のアノードに向けて流れる。このため、第1検出抵抗Rd1には、第1整流ダイオードDr1を通じて電流が流れ込むことで電圧降下が生じる。すなわち、第1電流センサ4では、第1検出抵抗Rd1に生じる電圧降下量を検出することで、第1電流IL1rを検出することが可能となる。一方、1次側コイルL1aに負の電流が流れる場合、第1スイッチSW1が開状態であれば、2次側コイルL2aに流れる出る電流は、第1整流ダイオードDr1により規制され、第1検出抵抗Rd1に流れない。この場合、電流は第1トランス21の励磁インダクタンスに流れる。
【0025】
図2(b)は、第2電流センサ7の回路図である。第2電流センサ7は、第1電流センサ4と同様の構成であるため、その説明を適宜省略する。
【0026】
第2電流センサ7は、第2トランス22、第2リセット抵抗Rr2、第2検出抵抗Rd2及び第2整流ダイオードDr2を備えている。第2トランス22はカレントトランスであり、1次側コイルL1bと、1次側コイルL1bと磁気結合する2次側コイルL2bとを有する。なお、第2トランス22においても、第1トランス21同様、2次側コイルL2bの巻数が1次側コイルL1bの巻数よりも多くなっている。
【0027】
第2電流センサ7の第3検出端子TD3及び第4検出端子TD4のそれぞれは、第2駆動スイッチQ2のドレインと第2メインダイオードDm2のアノードとの間に接続されている。具体的には、第3検出端子TD3は、第4検出端子TD4よりも第2メインダイオードDm2のアノード側に接続され、第4検出端子TD4は、第3検出端子TD3よりも第2駆動スイッチQ2のドレイン側に接続されている。第3検出端子TD3は1次側コイルL1bの第1端に接続され、第4検出端子TD4は1次側コイルL1bの第2端に接続されている。
【0028】
第1,第2スイッチSW1,SW2は、双方向に電流を流すことができるバイディレクショナル型スイッチであればよく、例えば、2つのMOSFETのソース間を直列接続して構成された直列接続体を用いることができる。本実施形態では、第1,第2スイッチSW1,SW2が検出部側スイッチに相当する。
【0029】
本実施形態では、第2電流センサ7において、第3検出端子TD3から第4検出端子TD4の向きで1次側コイルL1bに流れる電流を正の電流とする。また、第4検出端子TD4から第3検出端子TD3の向きで1次側コイルL1bに流れる電流を負の電流とする。
【0030】
入力電圧センサ11、出力電圧センサ12、及び第1,第2電流センサ4,7の検出値Vac、Vor、IL1r,IL2rは制御装置30に入力される。
【0031】
図3は、制御装置30の機能を説明する機能ブロック図である。本実施形態では、制御装置30は、電圧制御部34と、電流補正部37と、切替制御部38とを備えている。
【0032】
電圧制御部34は、出力電圧Vorを指令電圧Vo*に制御すべく、第1駆動スイッチQ1を操作するための第1ゲート信号GS1、及び第2駆動スイッチQ2を操作するための第2ゲート信号GS2を生成する。本実施形態では、電圧制御部34は、第1,第2電流IL1r,IL2rの最大値を指令電流IL*で制限すべく、周知のピーク電流モード制御を実施する。
【0033】
まずは、本実施形態の電圧制御部34の機能のうち、ピーク電流モード制御に用いられる指令電流IL*の算出について説明する。出力電圧センサ12により検出された出力電圧Vorは、偏差算出器330に入力される。偏差算出器330は、指令電圧Vo*から出力電圧Vorを減算することで電圧偏差を算出し、PI制御器331に出力する。PI制御器331は、偏差算出器330から出力された電圧偏差に応じて、電圧偏差を0にフィードバック制御するのに必要なリアクトル電流を算出する。リミッタ332は、PI制御器331から出力された算出値を制限し、出力する。
【0034】
sinθ生成部344は、入力電圧センサ11により検出された入力電圧Vacの位相を示す|sinθ|の値を算出する。乗算器334は、リミッタ332から出力されるリアクトル電流とsinθ生成部344から出力される位相値|sinθ|とを乗算することにより、補正前指令電流を算出する。絶対値算出部335は、乗算器334から出力される補正前指令電流の絶対値を算出する。
【0035】
電流補正部37は、入力電圧Vacと、出力電圧Vorとに基づいて、補正前指令電流の絶対値を補正するための補正値offsetを算出する。加算器336は、補正前指令電流の絶対値に補正値offsetを加算し、加算後の値を指令電流IL*として出力する。
【0036】
次に、電圧制御部34が実施するピーク電流モード制御を説明する。電圧制御部34は、第1駆動スイッチQ1の第1ゲート信号GS1を出力する第1電流制御部35と、第2駆動スイッチQ2の第2ゲート信号GS2を出力する第2電流制御部36とを備えている。
【0037】
第1電流制御部35は、DA変換器351と、コンパレータ352と、加算器353と、RSフリップフロップ357とを備えている。指令電流IL*は、DA変換器351に入力される。DA変換器351は、入力された指令電流IL*をデジタル値からアナログ値に変換する。アナログ値に変換された指令電流IL*は、コンパレータ352の反転入力端子に入力される。加算器353は、第1電流センサ4により検出された第1電流IL1rとスロープ補償信号Slopeとを加算し、補償後スイッチ電流として出力する。加算器353からの出力は、コンパレータ352の非反転入力端子に入力される。なお、スロープ補償信号は、リアクトル2に流れる電流の変動に伴う発振を抑制するものである。
【0038】
コンパレータ352は、指令電流IL*と補償後スイッチ電流とを比較し、補償後スイッチ電流が指令電流IL*より小さい期間において、ロー状態の信号をRSフリップフロップ357のR端子に入力する。また、コンパレータ352は、補償後スイッチ電流が指令電流IL*より大きい期間において、ハイ状態の信号をRSフリップフロップ357のR端子に入力する。更に、RSフリップフロップ357のS端子には、クロック信号が入力される。そのため、S端子に入力されるクロック信号がハイ状態であり、かつR端子に入力される信号がロー状態であれば、RSフリップフロップ357の出力Qはハイ状態となる。一方、S端子に入力されるクロック信号がロー状態、又はR端子に入力される信号がハイ状態であれば、RSフリップフロップ357の出力Qはロー状態となる。
【0039】
第2電流制御部36は、第1電流制御部35と同様、DA変換器351と、コンパレータ352と、加算器353と、RSフリップフロップ357とを備えている。
【0040】
切替制御部38は、入力電圧Vacの極性に応じて、第1駆動スイッチQ1への第1ゲート信号GS1の出力と、第2駆動スイッチQ2への第2ゲート信号GS2の出力とを切り替える。切替制御部38は、極性判定部381と、第1AND回路382と、第2AND回路383とを備えている。
【0041】
極性判定部381は、入力電圧Vacの極性が正の極性であると判定した場合に、第1ゲート信号GS1を第1駆動スイッチQ1のゲートに出力すべくハイ状態の第1選択信号AQ1を出力する。極性判定部381は、入力電圧Vacの極性が負の極性であると判定した場合に、第2ゲート信号GS2を第2駆動スイッチQ2のゲートに出力すべくハイ状態の第2選択信号AQ2を出力する。極性判定部381は、入力電圧センサ11により検出された入力電圧Vacの符号に応じて、入力電圧Vacの極性を判定すればよい。
【0042】
第1AND回路382には、第1電流制御部35のRSフリップフロップ357の出力信号と、極性判定部381からの第1選択信号AQ1とが入力される。第1AND回路382の出力側は、第1駆動スイッチQ1のゲートに接続されている。第2AND回路383には、第2電流制御部36のRSフリップフロップ357の出力信号と、極性判定部381からの第2選択信号AQ2とが入力される。第2AND回路302の出力側は、第2駆動スイッチQ2のゲートに接続されている。
【0043】
第1AND回路382に、ハイ状態の第1選択信号AQ1とハイ状態のRSフリップフロップ357の出力信号とが入力されることで、第1AND回路382は、ハイ状態の第1ゲート信号GS1を第1駆動スイッチQ1のゲートに出力する。これにより、第1駆動スイッチQ1がオン操作される。また、第2AND回路383に、ハイ状態の第2選択信号AQ2とハイ状態のRSフリップフロップ357の出力信号とが入力されることで、第2AND回路383は、ハイ状態の第2ゲート信号GS2を第2駆動スイッチQ2に出力する。これにより、第2駆動スイッチQ2がオン操作される。
【0044】
次に、図4図5を用いて、コンバータ10が交流電力を直流電力に変換する動作を説明する。図4は、コンバータ10の動作を説明するタイミングチャートである。図4(a)は、入力電圧Vacの推移を示す。図4(b)は、第1選択信号AQ1の推移を示し、図4(c)は、第2選択信号AQ2の推移を示す。図4(f)は、第1ゲート信号GS1の推移を示し、図4(g)は、第2ゲート信号GS2の推移を示す。図4(h)は、リアクトル2に流れるリアクトル電流ILの推移を示す。なお、図4(f)において、破線で示したものは、リアクトル電流ILの平均値である。
【0045】
図5(a),(b)は、入力電圧Vacが正の極性を持つ第1期間P1におけるコンバータ10内の電流の流通態様を示す。図5(c),(d)は、入力電圧Vacが負の極性を持つ第2期間P2におけるコンバータ10内の電流の流通態様を示す。
【0046】
まず、入力電圧Vacが正の極性となる第1期間P1では、第1選択信号AQ1がハイ状態となることで、第1ゲート信号GS1に応じて第1駆動スイッチQ1がオン・オフ操作される。この状態では、第2駆動スイッチQ2のボディダイオードに常に電流が流れる。
【0047】
第1期間P1において、図5(a)に示す状態1は、第1ゲート信号GS1がハイ状態となることで、第1駆動スイッチQ1がオン操作される状態である。この状態では、交流電源200、リアクトル2、第1駆動スイッチQ1、及び第2駆動スイッチQ2を含む閉回路に電流が流れる。これにより、リアクトル2に磁気エネルギが蓄えられる。
【0048】
第1期間P1において、続く図5(b)に示す状態2は、第1ゲート信号GS1がロー状態となることで、第1駆動スイッチQ1がオフ操作される状態である。この状態では、リアクトル2から放出される電流が、第1メインダイオードDm1を介して出力端子OUTから出力される。
【0049】
続いて、交流電源200の出力電圧が負の極性である第2期間P2について説明する。第2期間P2では、第2選択信号AQ2がハイ状態となる状況下、第2ゲート信号GS2により、第2駆動スイッチQ2がオン・オフ操作される。この状態では、第1駆動スイッチQ1のボディダイオードに常に電流が流れる。
【0050】
第2期間P2において、図5(c)に示す状態3は、第2ゲート信号GS2がハイ状態となることで、第2駆動スイッチQ2がオン操作される状態である。この状態では、交流電源200、第2駆動スイッチQ2、第1駆動スイッチQ1、及びリアクトル2を含む閉回路に電流が流れる。これにより、リアクトル2に磁気エネルギが蓄えられる。
【0051】
第2期間P2において、続く図5(d)に示す状態4は、第2ゲート信号GS2がロー状態となることで、第2駆動スイッチQ2がオフ操作される状態である。この状態では、リアクトル2から放出される電流が第2メインダイオードDm2を介して出力端子OUTから出力される。
【0052】
本実施形態において、入力電圧Vacが正の極性である状態1では、第1接続点K1から第1駆動スイッチQ1の向きに電流が流れる。そのため、第1電流センサ4により検出される第1電流IL1rは正の値となる。一方、状態1及び状態2では、第2駆動スイッチQ2から第2接続点K2の向きに電流が流れる。そのため、第2電流センサ7により検出される第2電流IL2rは負の値となる。
【0053】
本実施形態において、入力電圧Vacが負の極性である状態3及び状態4では、第1駆動スイッチQ1から第1接続点K1の向きに電流が流れる。そのため、第1電流センサ4により検出される第1電流IL1rは負の値となる。一方、状態3では、第2接続点K2から第2駆動スイッチQ2の向きに電流が流れる。そのため、第2電流センサ7により検出される第2電流IL2rは正の値となる。
【0054】
図6は、比較例としての第1,第2スイッチSW1,SW2を備えない電流センサの回路図を示している。図6(a)は、入力電圧Vacが正の極性である場合に比較例の電流センサに流れる電流の通流状態を示している。図6(b)は、入力電圧Vacが負の極性である場合に比較例の電流センサに流れる電流の通流状態を示している。
【0055】
図6(a)に示すように、1次側コイルL1に正の電流が流れる場合、2次側コイルL2では、巻数比Nrに応じた電流が整流ダイオードDrのアノードに向けて流れる。このため、検出抵抗Rdには、整流ダイオードDrを通じて電流が流れ込み、電圧降下が生じる。なお、2次側コイルL2に流れる電流の一部は励磁インダクタンスに流れることでカレントトランス20を励磁するが、励磁インダクタンスに流れる電流は検出抵抗Rdに流れる電流よりも少ない。
【0056】
一方、図6(b)に示すように、1次側コイルL1に負の電流が流れる場合、2次側コイルL2では、巻数比Nrに応じた電流が第2端から流れる。このとき、検出抵抗Rdの第1端は整流ダイオードDrのカソードに接続されているため、電流は検出抵抗Rdに流れ込むことなく、励磁インダクタンスLmに流れる。そのため、1次側コイルL1に正の電流が流れる場合と比べて、励磁インダクタンスLmに流れる電流が多くなり、カレントトランス20の磁束密度が高くなる。
【0057】
図6を用いて説明した原理により、第1,第2トランス21,22に負の電流が流れる場合、正の電流が流れる場合よりも第1,第2トランス21,22の磁束密度が高くなる。そのため、例えば、第1,第2トランス21,22が磁気飽和することで、第1,第2トランス21,22のインピーダンスが小さくなり、第1,第2電流センサ4,7に過電流が流れるおそれがある。また、入力電圧Vacが負の極性から正の極性へと反転した後も、第1,第2トランス21,22に残留磁界が存在し、第1,第2検出抵抗Rd1,Rd2に生じる電圧降下が、1次側コイルL1a,L1bの電流に応じた値とならない場合がある。このため、第1,第2電流センサ4,7の電流検出誤差の要因となるおそれがある。
【0058】
そこで、本実施形態では、第1,第2電流センサ4,7には、第1,第2トランス21,22の磁束密度の増加を抑制する第1,第2スイッチSW1,SW2が設けられている。また、制御装置30の切替制御部38は、入力電圧Vacの極性に応じて第1,第2スイッチSW1,SW2のオン・オフを切り替える第1,第2切替信号CT1,CT2を出力する。具体的には、図4(d)に示すように、入力電圧Vacが正の極性となる第1期間P1では、切替制御部38は、第2電流センサ7の第2スイッチSW2をオン操作すべく、ハイ状態の第2切替信号CT2を出力する。また、図4(e)に示すように、入力電圧Vacが負の極性となる第2期間では、切替制御部38は、第1電流センサ4の第1スイッチSW1をオン操作すべく、ハイ状態の第1切替信号CT1を出力する。
【0059】
第1,第2スイッチSW1,SW2がオン操作されることで、2次側コイルL2a,L2bと第1,第2検出抵抗Rd1,Rd2との間に低インピーダンスのバイパス経路が形成される。そのため、2次側コイルL2の第2端から流れ出る電流は、第1,第2スイッチSW1,SW2により形成されたバイパス経路を通じて2次側コイルL2a,L2bの第1端に流れる。そのため、励磁インダクタンスLmに流れる励磁電流が減少され、第1,第2トランス21,22の磁束密度の増加が抑制される。
【0060】
また、第1,第2スイッチSW1,SW2を第1,第2電流センサ4,7の2次側に配置することで、1次側に配置するよりも第1,第2スイッチSW1,SW2により形成されるバイパス経路のインピーダンスを低下させることができる。第1,第2スイッチSW1,SW2により2次側に形成されるバイパス経路のインピーダンスZ2は、下記式(2)により算出することができる。
Z2=Z1/Nr^2 … (2)
ここで、Z1は1次側にバイパス経路を設けたと想定した場合のインピーダンスであり、Z2は、2次側にバイパス経路を設けたと想定した場合のインピーダンスである。例えば、インピーダンスZ1は、第1,第2スイッチSW1,SW2が閉状態となった場合のオン抵抗である。なお^は累乗を示す記号である。
【0061】
上記式(2)により、第1,第2スイッチSW1,SW2により2次側にバイパス経路を設けることで、1次側にバイパス経路を設ける場合よりも、インピーダンスZ2を小さくすることができる。そのため、電流が第1,第2スイッチSW1,SW2で形成されたバイパス経路に流れ易くなり、第1,第2トランス21,22に流れる励磁電流を減少させる。
【0062】
次に、制御装置30が実施する出力電圧Voの制御について図7を用いて説明する。図7に示すフローチャートは、制御装置30により所定周期で繰り返し実施される。
【0063】
ステップS11では、指令電圧Vo*及び出力電圧Vorに基づいて、指令電流IL*を取得する。ステップS12では、入力電圧Vacの極性を判定する。
【0064】
ステップS13において、入力電圧Vacが正の極性として判定していると、ステップS14に進む。ステップS14では、第1駆動スイッチQ1を操作すべく、第1選択信号AQ1をハイ状態とする。第2選択信号AQ2をロー状態に維持する。
【0065】
ステップS15では、第2電流センサ7が備える第2スイッチSW2をオン操作すべく第2切替信号CT2をハイ状態とする。また、第1切替信号CT1をロー状態に維持する。そのため、第2スイッチSW2がオン操作されることで、第2電流センサ7が備える第2トランス22の磁束密度の増加が抑制される。
【0066】
ステップS16では、第1電流センサ4により検出された第1電流IL1rを取得する。
【0067】
ステップS17では、第1ゲート信号GS1により、第1駆動スイッチQ1のオン・オフを操作する。このとき、第1電流IL1rの上限値がステップS11で取得した指令電流IL*に制限されるべく、ピーク電流モード制御により第1ゲート信号GS1のデューティを定める。
【0068】
一方、ステップS13において、入力電圧Vacを負の極性として判定していると、ステップS18に進む。ステップS18では、第2駆動スイッチQ2を操作すべく、第2選択信号AQ2をハイ状態とする。第1選択信号AQ1をロー状態に維持する。
【0069】
ステップS19では、第1電流センサ4が備える第1スイッチSW1をオン操作すべく第1切替信号CT1をハイ状態とする。また、第2切替信号CT2をロー状態に維持する。そのため、第1スイッチSW1がオン操作されることで、第1電流センサ4が備える第1トランス21の磁束密度の増加が抑制される。
【0070】
ステップS20では、第2電流センサ7により検出された第2電流IL2rを取得する。
【0071】
ステップS21では、第2ゲート信号GSにより、第2駆動スイッチQ2を操作する。このとき、第2電流IL2rの上限値がステップS11で取得した指令電流IL*に制限されるべく、ピーク電流モード制御により第2ゲート信号GS2のデューティを定める。ステップS17又はS21の処理が終了すると、図7の処理を一旦終了する。
【0072】
次に、図8を用いて本実施形態の効果を説明する。
【0073】
図8(a)は、入力端子INに流れる入力電流Iacの推移を示し、図8(b)は、第2電流センサ7の第2トランス22に流れる励磁電流の推移を示し、図8(c)は、第2トランス22の励磁電圧の推移を示す。図9は、比較例として、第2スイッチSW2を備えない場合の、第2電流センサ7の各値の推移を説明する図である。図9(a)〜(c)は、図8(a)〜(c)にそれぞれ対応している。
【0074】
比較例では、図9(b)に示すように、第1期間P1において励磁電流が負側に大きくなっており、第2トランス22が励磁されている。そのため、図9(c)に示すように、第1期間P1において、第2トランス22には、負側の励磁電圧が生じている。
【0075】
一方、本実施形態では、第1期間P1において、第2切替信号CT2がハイ状態とされて第2電流センサ7の第2スイッチSW2がオン操作されることで、図8(b)に示すように、第1期間P1において励磁電流の絶対値が、比較例で示す値よりも小さくなっている。そのため、第2トランス22の磁束密度が比較例で示す磁束密度よりも低く、図8(c)に示すように、第1期間P1において、励磁電圧の絶対値も比較例よりも低い値となっている。
【0076】
以上説明した本実施形態では以下の効果を奏する。
【0077】
・制御装置30は、第1期間P1において、第2スイッチSW2をオン操作することで、第2トランス22に励磁電流を流れにくくし、第2トランス22の磁束密度の増加を抑制する。また、第2期間P2において、第1スイッチSW1をオン操作することで、第1トランス21に励磁電流を流れにくくし、第1トランス21の磁束密度の増加を抑制する。これにより、CT式の電流センサ4,7を備えるコンバータ10において、第1,第2電流センサ4,7の発熱を抑制したり、電流検出誤差を低減したりすることができる。
【0078】
・第1,第2スイッチSW1,SW2を、第1,第2電流センサ4,7の2次側に配置することで、第1,第2スイッチSW1,SW2により形成されるバイパス経路のインピーダンスを低い値とすることができる。そのため、第1,第2トランス21,22に励磁電流を流れにくくすることができる。同じインピーダンスを伴う第1,第2スイッチSW1,SW2であっても、2次側への配置によりインピーダンスを低い値とすることができるため、第1,第2スイッチSW1,SW2としてインピーダンスが高い素子を用いる必要がなくなる。そのため、第1,第2スイッチSW1,SW2のコストを下げることができる。
【0079】
<第1実施形態の変形例1>
第1,第2電流センサ4,7は、第1,第2トランス21,22の1次側に第1,第2スイッチSW1,SW2が設けられていてもよい。図10は、第1実施形態の変形例1に係る第1,第2電流センサ4,7の回路図である。
【0080】
図10(a)において、第1電流センサ4の1次側には、第1スイッチSW1が1次側コイルL1aに並列接続されている。図10(b)では、第2電流センサ7の1次側には、第2スイッチSW2が1次側コイルL1bに並列接続されている。
【0081】
第1期間P1において、第2スイッチSW2がオン操作されることで、第4検出端子TD4から流れ込む電流が第2スイッチSW2により形成されたバイパス経路を通じて、第3検出端子TD3に流れる。第2期間P2において、第1スイッチSW1がオン操作されることで、第2検出端子TD2から流れ込む電流が第1スイッチSW1により形成されたバイパス経路を通じて、第1検出端子TD1に流れる。そのため、第1,第2トランス21,22の各1次側コイルL1a,L1bに流れる電流が少なくなり、励磁電流が低減する。その結果、第1,第2トランス21,22の磁束密度の増加が抑制される。
【0082】
以上説明した本変形例によれば、第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
【0083】
<第1実施形態の変形例2>
第1,第2電流センサ4,7は、第1,第2駆動スイッチQ1,Q2に対してハイサイド側に設けられていても良い。図11は、第1実施形態の変形例2に係る電力変換装置の構成図である。
【0084】
第1実施形態の変形例2に係るコンバータ10の構成を詳しく説明する。第1メインダイオードDm1のカソードには、第1駆動スイッチQ1のソースが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第2メインダイオードDm2のカソードには、第2駆動スイッチQ2のソースが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第1,第2駆動スイッチQ1,Q2のドレインが、第1ラインLP1にそれぞれ接続され、第1,第2メインダイオードDm1,Dm2のアノードが第2ラインLP2にそれぞれ接続されている。
【0085】
図11において、第1電流センサ4は、第1駆動スイッチQ1のドレインと第1ラインLP1との間に接続されている。具体的には、第1電流センサ4の第1検出端子TD1は、第2検出端子TD2よりも第1駆動スイッチQ1のソース側に接続され、第2検出端子TD2は、第1検出端子TD1よりも第1ラインLP1側に接続されている。第2電流センサ7は、第2駆動スイッチQ2のドレインと第1ラインLP1との間に接続されている。具体的には、第2電流センサ7の第3検出端子TD3は、第4検出端子TD4よりも第2駆動スイッチQ2のソース側に接続され、第4検出端子TD4は、第3検出端子TD3よりも第1ラインLP1側に接続されている。
【0086】
第1実施形態の変形例2に係るコンバータ10では、第1期間P1において、第2駆動スイッチQ2がオン・オフ操作され、第1駆動スイッチQ1がオフ状態に維持される。また、第2期間P2において、第1駆動スイッチQ1がオン・オフ操作され、第2駆動スイッチQ2がオフ状態に維持される。
【0087】
以上説明した第1実施形態の変形例2によれば、第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
【0088】
<第1実施形態の変形例3>
制御装置30は、電流制御部を一つだけ備え、切替制御部38による切替により、第1,第2ゲート信号GS1,GS2の出力を切り替えるものであってもよい。
【0089】
図12は、第1実施形態の変形例3に示す制御装置30の機能ブロック図である。第3電流制御部40は、入力電圧Vacの極性に応じて、第1電流IL1r又は第2電流IL2rのいずれかを加算器353に入力する電流切替部360を備えている。
【0090】
切替制御部38の極性判定部381は、入力電圧Vacの極性が正の極性であると判定した場合、加算器353に第1電流IL1rを出力させるように電流切替部360を操作する。一方、極性判定部381は、入力電圧Vacの極性が負の極性であると判定した場合、加算器353に第2電流IL2rを出力させるように電流切替部360を操作する。加算器353は、電流切替部360から出力された第1,第2電流IL1r,IL2rのいずれかとスロープ補償信号Slopeとを加算し、補償後スイッチ電流として出力する。
【0091】
以上説明した本変形例によれば、第1実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
【0092】
<第2実施形態>
この第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。なお、同一の符号を付した箇所は同一の部位を示しその説明は繰り返さない。
【0093】
第2実施形態では、第1実施形態と比べて、第1,第2トランス21,22に励磁電流を流れにくくするための構成が異なる。図13(a)は、第2実施形態に係る第1電流センサ4の回路図であり、図13(b)は、第2実施形態に係る第2電流センサ7の回路図である。
【0094】
第1電流センサ4の2次側コイルL2aには、第3スイッチSW3と、第1直流電源71とを備えている。第3スイッチSW3の第1端子は2次側コイルL2aの第1端に接続され、第2端子は第1直流電源71のプラス側端子に接続されている。また、第1直流電源71のマイナス端子は、2次側コイルL2aの第2端に接続されている。
【0095】
第2電流センサ7の2次側コイルL2bには、第4スイッチSW4と、第2直流電源72とを備えている。第4スイッチSW4の第1端子は2次側コイルL2bの第1端に接続され、第2端子は第2直流電源72のプラス側端子に接続されている。また、第2直流電源72のマイナス端子は、2次側コイルL2bの第2端に接続されている。
【0096】
第1電流センサ4が備える第3スイッチSW3がオン操作されることで、2次側コイルL2aには第1直流電源71からの直流電圧が印加される。そのため、1次側コイルL1aに負の電流が流れることで、第1トランス21に磁束が生じている場合、第1直流電源71からの直流電圧により、磁束が打ち消される。また、第2電流センサ7が備える第4スイッチSW4がオン操作されることで、2次側コイルL2bには第2直流電源72からの直流電圧が印加される。そのため、1次側コイルL1bに負の電流が流れることで、第2トランス22に磁束が生じている場合、第2直流電源72からの直流電圧により、磁束が打ち消される。
【0097】
図14は、第2実施形態に係る電力変換装置100の動作を説明するタイミングチャートである。図14(a)〜(h)は、図4(a)〜(h)にそれぞれ対応している。
【0098】
入力電圧Vacの極性が正である第1期間P1では、制御装置30は、第1選択信号AQ1をハイ状態とする。そのため、制御装置30から出力される第1ゲート信号GS1のハイ状態又はロー状態に応じて第1駆動スイッチQ1がオン・オフ操作される。また、入力電圧Vacが正の極性から負の極性へと反転する直前において、制御装置30は、第4スイッチSW4をオン操作すべく第2切替信号CT2を一時的にハイ状態とする。そのため、第2電流センサ7では、第2直流電源72から供給される直流電圧が2次側コイルL2bに印加され、第2トランス22の磁束が打ち消される。
【0099】
入力電圧Vacの極性が負である第2期間P2では、制御装置30は、第2選択信号AQ2をハイ状態とする。そのため、制御装置30から出力される第2ゲート信号GS2のハイ状態又はロー状態に応じて第2駆動スイッチQ2がオン・オフ操作される。また、入力電圧Vacが負の極性から正の極性へと反転する直前において、制御装置30は、第3スイッチSW3をオン操作すべく第1切替信号CT1を一時的にハイ状態とする。そのため、第1電流センサ4では、第1直流電源71から供給される直流電圧が2次側コイルL2aに印加され、第1トランス21の磁束が打ち消される。
【0100】
以上説明した本実施形態では第1の実施形態に示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0101】
<第2実施形態の変形例>
第1,第2トランス21,22に励磁電流を流れにくくするための構成として、第1,第2トランス21,22にコアを共通とする補助巻線を設けておき、この補助巻線に1次側コイルL1a,L1bに印加される電圧と逆極性の電圧を印加するものであってもよい。図15(a)は、第2実施形態の変形例に係る第1電流センサ4の回路図であり、図15(b)は、第2実施形態の変形例に係る第2電流センサ7の回路図である。
【0102】
第2実施形態の変形例では、第1電流センサ4は、1次側コイルL1a及び2次側コイルL2aと第1コアC1を共通とする補助巻線L3aと、第3直流電源73と、第3直流電源73から補助巻線L3aへの直流電圧の供給を切り替える第5スイッチSW5と、を備えている。
【0103】
第1トランス21において、補助巻線L3aの巻き方向は、2次側コイルL2aの巻き方向と同じ向きとなっている。
【0104】
第2実施形態の変形例では、第2電流センサ7は、1次側コイルL1a及び2次側コイルL2bと第2コアC2を共通とする補助巻線L3bと、第4直流電源74と、第4直流電源74から補助巻線L3bへの直流電圧の供給を切り替える第6スイッチSW6と、を備えている。
【0105】
第2トランス22において、補助巻線L3bの巻き方向は、2次側コイルL2bの巻き方向と同じ向きとなっている。
【0106】
本実施形態では、第2期間P2では、第1電流センサ4が備える第5スイッチSW5がオン操作されることで、第3直流電源73からの直流電圧が補助巻線L3aに印加される。ここで、第2期間P2では、第2検出端子TD2から第1検出端子TD1の向きに流れる電流により生じる磁束の向きが、補助巻線L3aに生じる磁束の向きと逆方向であるため、第1トランス21の磁束が打ち消される。また、第1期間P1では、第2電流センサ7が備える第6スイッチSW6がオン操作されることで、第4直流電源74からの直流電圧が補助巻線L3bに印加される。第1期間P1では、第4検出端子TD4から第3検出端子TD3の向きに流れる電流により生じる磁束の向きが、補助巻線L3aに生じる磁束の向きと逆方向であるため、第2トランス22の磁束が打ち消される。
<第3実施形態>
この第3実施形態では、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。なお、同一の符号を付した箇所は同一の部位を示しその説明は繰り返さない。
【0107】
第3実施形態に係るコンバータ10では、第1,第2駆動スイッチQ1,Q2のハイサイド側にはメインダイオードに代えて、同期整流用のスイッチ(Q3,Q4)が設けられている。図16は、第3実施形態に係るコンバータ10の回路図である。
【0108】
本実施形態に係るコンバータ10の構成を詳しく説明すると、第1駆動スイッチQ1のドレインには、第3駆動スイッチQ3のソースが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第2駆動スイッチQ2のドレインには、第4駆動スイッチQ4のソースが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第3,第4駆動スイッチQ3,Q4のドレインが、第1ラインLP1にそれぞれ接続されている。
【0109】
本実施形態では、第1電流センサ4は、コンバータ10において、第3駆動スイッチQ3のソースと、第1駆動スイッチQ1のドレインとを接続する配線のうち、第1接続点K1よりも第1駆動スイッチQ1側に接続されている。第2電流センサ7は、コンバータ10において、第4駆動スイッチQ4のソースと、第1駆動スイッチQ1のドレインとを接続する配線のうち、第2接続点P2よりも第2駆動スイッチQ2側に接続されている。
【0110】
図17は、第3実施形態に係る電力変換装置100の動作を説明するタイミングチャートである。図17(a)〜(g)は、図4(a)〜(g)のそれぞれに対応している。図17(h),17(i)は、第3駆動スイッチQ3を操作する第3ゲート信号GS3、及び第4駆動スイッチQ4を操作する第4ゲート信号GS4の推移を示す。
【0111】
入力電圧Vacの極性が正である第1期間P1では、制御装置30は、第1選択信号AQ1をハイ状態とする。また、制御装置30は、第3駆動スイッチQ3を操作すべく第3ゲート信号GS3のハイ状態とロー状態とを切替え、第1駆動スイッチQ1を操作すべく第1ゲート信号GS1のハイ状態とロー状態とを切り替える。本実施形態では、第3ゲート信号GS3は、第1ゲート信号GS1を反転させた波形となる。また、制御装置30は、第4駆動スイッチQ4をオン操作すべく、第4ゲート信号GS4をハイ状態とする。
【0112】
また、第1期間P1において、制御装置30は、第2電流センサ7の第2スイッチSW2をオン操作すべく第2切替信号CT2をハイ状態とする。そのため、第2電流センサ7では、2次側コイルL2bから流れ出る電流をバイパスするバイパス経路が形成され、第2トランス22の磁束密度の増加が抑制される。
【0113】
入力電圧Vacの極性が負である第2期間P2では、制御装置30は、第2選択信号AQ2をハイ状態とする。また、制御装置30は、第4駆動スイッチQ4を操作すべく第4ゲート信号GS4のハイ状態とロー状態とを切り替え、第2駆動スイッチQ2を操作すべく第2ゲート信号GS2のハイ状態とロー状態とを切り替える。本実施形態では、第4ゲート信号GS4は、第2ゲート信号GS2を反転させた波形となる。また、制御装置30は、第3駆動スイッチQ3をオン操作すべく、第3ゲート信号GS3をハイ状態とする。
【0114】
また、第2期間P2において、制御装置30は、第1電流センサ4の第1スイッチSW1をオン操作すべく第1切替信号CT1をハイ状態とする。そのため、第1電流センサ4では、2次側コイルL2aから流れ出る電流をバイパスするバイパス経路が形成され、第1トランス21の磁束密度の増加が抑制される。
【0115】
以上説明した本実施形態では第1の実施形態に示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0116】
<第4実施形態>
第4実施形態では、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。なお、同一の符号を付した箇所は同一の部位を示しその説明は繰り返さない。
【0117】
第4実施形態では、コンバータ10は、いわゆるトーテムポール型である。図18は、第4実施形態に係るコンバータ10の回路図である。
【0118】
本実施形態に係るコンバータ10では、第1駆動スイッチQ1のソースには、第2駆動スイッチQ2のドレインが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第1メインダイオードDm1のアノードには、第2メインダイオードDm2のカソードが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第1駆動スイッチQ1のドレインが、第1ラインLP1に接続され、第2駆動スイッチQ2のソースが第2ラインLP2に接続されている。また、第1メインダイオードDm1のカソードが、第1ラインLP1における第1駆動スイッチQ1のドレインが接続される位置よりも平滑コンデンサ9側に接続されている。そして、第2メインダイオードDm2のアノードが、第2ラインLP2における第2駆動スイッチQ2のソースが接続される位置よりも平滑コンデンサ9側に接続されている。
【0119】
第1駆動スイッチQ1及び第2駆動スイッチQ2の接続点である第1接続点K1は、リアクトル2を介して交流電源200の第1端子に接続されている。また、第1メインダイオードDm1及び第2メインダイオードDm2の接続点である第2接続点K2は、交流電源200の第2端子に接続されている。
【0120】
本実施形態では、第1電流センサ4は、コンバータ10において、ハイサイド側である第1駆動スイッチQ1のドレインと第1ラインLp1との間に接続されている。具体的には、第1電流センサ4の第1検出端子TD1は、第2検出端子TD2よりも第1ラインLP1側に接続され、第2検出端子TD2は、第1検出端子TD1よりも第1駆動スイッチQ1のソース側に接続されている。第2電流センサ7は、コンバータ10において、第1駆動スイッチQ1のソースと第2駆動スイッチQ2のドレインとを接続する配線のうち、第1接続点K1よりも第2駆動スイッチQ2側に接続されている。具体的には、第2電流センサ7の第3検出端子TD3は、第4検出端子TD4よりも第1接続点K1側に接続され、第4検出端子TD4は、第3検出端子TD3よりも第2駆動スイッチQ2のドレイン側に接続されている。
【0121】
本実施形態のコンバータ10においても、入力電圧Vacが正の極性となる第1期間P1では、第2電流センサ7に負の電流が流れる。また、入力電圧Vacが負の極性となる第2期間P2では、第1電流センサ4に負の電流が流れる。そのため、制御装置30は、第1期間P1において、第2電流センサ7の第2トランス22に生じる磁束密度を低下させるべく、第2切替信号CT2を第2スイッチSW2に出力する。また、制御装置30は、第2期間P2において、第1電流センサ4の第1トランス21に生じる磁束密度を低下させるべく、第1切替信号CT1を第1スイッチSW1に出力する。
【0122】
以上説明した本実施形態では第1の実施形態に示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0123】
<第4実施形態の変形例>
第4実施形態で示すトーテムポール型のコンバータ10において、第1,第2メインダイオードDm1,Dm2を、同期整流を実施するための駆動スイッチに変更してもよい。
【0124】
図19は、第4実施形態の変形例に係るコンバータ10の回路図である。本変形例に係るコンバータ10の構成を詳しく説明すると、第6駆動スイッチQ6のドレインには、第5駆動スイッチQ5のソースが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第5駆動スイッチQ5のドレインが、第1ラインLP1に接続され、第6駆動スイッチQ6のソースが第2ラインLP2に接続されている。
【0125】
以上説明した第4実施形態の変形例では、第1の実施形態に示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0126】
<第5実施形態>
第5実施形態では、第1実施形態と異なる構成を中心に説明する。なお、同一の符号を付した箇所は同一の部位を示しその説明は繰り返さない。
【0127】
第5実施形態では、コンバータ10はいわゆるバランス型である。図20は、第5実施形態に係るコンバータ10の回路図である。
【0128】
本実施形態に係るコンバータ10では、第1駆動スイッチQ1のソースには、第2駆動スイッチQ2のドレインが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第1駆動スイッチQ1のドレインが第1ラインLP1に接続され、第2駆動スイッチQ2のドレインが第2ラインLP2に接続されている。
【0129】
第1ラインLP1及び第2ラインLP2には、ブリッジ回路80が接続されている。ブリッジ回路80は、第3,第4,第5,第6メインダイオードDm3,Dm4,Dm5,Dm6により構成されている。第3メインダイオードDm3のアノードには、第4メインダイオードDm4のカソードが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第5メインダイオードDm5のアノードには、第6メインダイオードDm6のカソードが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第3メインダイオードDm3のカソードと第5メインダイオードDm5のカソードとが並列接続され、第4メインダイオードDm4のアノードと第6メインダイオードDm6のアノードとが並列接続されている。
【0130】
第1ラインLP1におけるリアクトル2が接続されている側と反対側の端は、第3メインダイオードDm3のアノードと第4メインダイオードDm4のカソードとの第3接続点K3に接続されている。第2ラインLP2における交流電源200と接続される端と反対側の端は、第5メインダイオードDm5のアノードと第6メインダイオードDm6のカソードとの第4接続点K4に接続されている。
【0131】
本実施形態では、第1電流センサ4は、コンバータ10において、第1駆動スイッチQ1のドレインと第1ラインLP1との間に接続されている。具体的には、第1電流センサ4の第1検出端子TD1は、第2検出端子TD2よりも第1ラインLP1側に接続され、第2検出端子TD2は、第1検出端子TD1よりも第1駆動スイッチQ1のドレイン側に接続されている。第2電流センサ7は、コンバータ10において、第2駆動スイッチQ2のドレインと第2ラインLP2との間に接続されている。具体的には、第2電流センサ7の第3検出端子TD3は、第4検出端子TD4よりも第2ラインLP2側に接続され、第4検出端子TD4は、第3検出端子TD3よりも第2駆動スイッチQ2のドレイン側に接続されている。
【0132】
本実施形態のコンバータ10においても、入力電圧Vacが正の極性となる第1期間P1では、第2電流センサ7に負の電流が流れる。また、入力電圧Vacが負の極性となる第2期間P2では、第1電流センサ4に負の電流が流れる。そのため、制御装置30は、第1期間P1において、第2電流センサ7の第2トランス22に生じる磁束密度の増加を抑制すべく、ハイ状態の第2切替信号CT2を第2スイッチSW2に出力する。また、制御装置30は、第2期間P2において、第1電流センサ4の第1トランス21に生じる磁束密度の増加を抑制すべく、ハイ状態の第1切替信号CT1を第1スイッチSW1に出力する。
【0133】
以上説明した本実施形態では第1の実施形態に示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0134】
<第5実施形態の変形例>
図20に示すコンバータ10において、ブリッジ回路80を駆動用スイッチにより構成してもよい。図21は、第5実施形態の変形例に係るコンバータ10を示す。
【0135】
第5実施形態の変形例に係るコンバータ10では、ブリッジ回路80は、第7,第8,第9,第10駆動スイッチSW7,SW8,SW9,SW10により構成されている。第7駆動スイッチQ7のソースには、第8駆動スイッチQ8のドレインが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第9駆動スイッチQ9のソースには、第10駆動スイッチQ10のドレインが接続されることで直列接続体が構成されている。また、第7駆動スイッチQ7のドレインと第9駆動スイッチQ9とが接続され、第8駆動スイッチQ8のソースと、第10駆動スイッチQ10のソースとが接続されている。
【0136】
以上説明した第5実施形態に係る変形例では第1の実施形態に示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0137】
<その他の実施形態>
・制御装置30は、リアクトル電流の平均値に基づいて、第1,第2駆動スイッチQ1,Q2を操作する平均電流モード制御を行ってもよい。
【0138】
・制御装置30がピーク電流モード制御を実施する場合、指令電流IL*が0となるタイミングであるゼロクロス点付近において、交流電源200からコンバータ10に供給される入力電流Iacに歪みが生じる場合がある。そのため、電力変換装置100は、特開2015−198460号公報に記載されているように、ゼロクロス点付近での入力電流Iacの歪みを補正するべく指令電流IL*の補正値を算出してもよい。この場合、例えば、電流補正部37は、ゼロクロス点付近での補正前指令電流の絶対値を増加させるべく補正値offsetを算出する。そして、加算器336は、電流補正部37により出力された補正前指令電流の絶対値に補正値offsetを加算し、加算後の値を指令電流IL*として出力する。
【符号の説明】
【0139】
2…リアクトル、4…第1電流センサ、7…第2電流センサ、10…コンバータ、21,22…第1,第2トランス、30…制御装置、100…電力変換装置、200…交流電源。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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