(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ワイパ制御装置は、前記車両に設けられるワイパスイッチからの停止信号を検知した場合、前記第2ワイパブレードの上反転位置を前記第1ワイパブレードの払拭範囲内に設定することを特徴とする、請求項1に記載のワイパ装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の一実施形態に係るワイパ装置を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るワイパ装置Aの概略構成の一例を示す図である。
【0015】
本発明の一実施形態に係るワイパ装置Aは、自動車等の車両に搭載され、雨天時等における運転者の視界を確保するため、ウインドシールド(フロントガラス)Fに付着した雨や、前車からの飛沫を払拭する装置である。なお、この車両の車室内におけるフロントガラスFの中央上部にカメラKが設置されている。
【0016】
図1に示すように、ワイパ装置Aは、ワイパアーム1a,1b、ワイパブレード2a,2b、ワイパモータ3a,3b、ワイパスイッチ4、車速センサ5、回転角検出部6a,6b、雨量センサ7、及びワイパ制御装置8を備える。
【0017】
ワイパアーム1aは、車体に揺動自在に設けられた運転席側のワイパアームである。ワイパアーム1bは、車体に揺動自在に設けられた助手席側のワイパアームである。ワイパアーム1aには運転席側のワイパブレード2aが、ワイパアーム1bには助手席側のワイパブレード2bが取り付けられている。
【0018】
ワイパブレード2a(第1ワイパブレード)は、車両の運転席側に配置され、ワイパモータ3aによって駆動される。ワイパブレード2b(第2ワイパブレード)は、車両の運転席側に配置され、ワイパモータ3bによって駆動される。
【0019】
ワイパブレード2a,2bは、それぞれワイパアーム1a,1b内に内装された図示しないばね部材等によりフロントガラスFに弾圧的に接触している。
【0020】
ワイパモータ3a(第1ワイパモータ)は、ワイパアーム1aを揺動運動させることで、ワイパブレード2aを払拭動作させるモータである。ワイパモータ3b(第2ワイパモータ)は、ワイパアーム1bを揺動運動させることで、ワイパブレード2bを払拭動作させるモータである。
【0021】
ワイパスイッチ4は、車両の車室内に備えられている。ワイパスイッチ4は、ワイパアーム1a,1bを揺動動作させるスイッチである。
【0022】
ワイパスイッチ4は、ワイパアーム1a,1bを低速(例えば、予め設定された速度)で動作させる低速作動モード、ワイパアーム1a,1bを低速作動モードより高速で動作させる高速作動モード、ワイパアーム1a,1bを一定周期で間欠的に動作させる間欠作動モード、及びワイパアーム1a,1bの揺動動作を停止させる停止モードの各々モードに切り換え可能である。
【0023】
ワイパスイッチ4は、運転者により操作されることで、その操作を示す操作信号をワイパ制御装置8に出力する。例えば、運転者は、降雨量、降雪量等の条件に基づいて、ワイパスイッチ4を操作することでワイパアーム1a,1bの払拭速度を切り替えることができる。運転者は、降雨量、降雪量が少ないとき、ワイパスイッチ4を操作することでワイパアーム1a,1bを予め定められた低速で動作させる低速作動モードを選択することができる。この場合、ワイパスイッチ4は、運転者による、低速作動モードを選択する操作に基づいて、低速作動モードを示す低速作動モード信号を操作信号としてワイパ制御装置8に出力する。
【0024】
一方、運転者は、降雨量、降雪量が多いとき、ワイパスイッチ4を操作して、ワイパアーム1a,1bを、上記の低速よりも高速で動作させる高速作動モードを選択することができる。この場合、ワイパスイッチ4は、運転者による、高速作動モードを選択する操作に基づいて、高速作動モードを示す高速作動モード信号を操作信号としてワイパ制御装置8に出力する。
【0025】
また、ワイパスイッチ4は、運転者による、間欠作動モードを選択する操作に基づいて、間欠作動モードを示す間欠作動モード信号を操作信号としてワイパ制御装置8に出力する。
【0026】
ワイパスイッチ4は、運転者による、停止モードを選択する操作に基づいて、停止モードを示す停止信号を操作信号としてワイパ制御装置8に出力する。この停止モードを選択する操作とは、例えば、ワイパスイッチ4をオフさせる操作である。
【0027】
車速センサ5は、車両に設けられている。車速センサ5は、車両の走行速度(以下、「車速」という。)を計測する。車速センサ5は、計測した車両の車速をワイパ制御装置8に出力する。
【0028】
回転角検出部6aは、例えば、ワイパモータ3aに取り付けられ、ワイパモータ3aの回転に応じたパルス信号をワイパ制御装置8に出力する。回転角検出部6bは、例えば、ワイパモータ3bに取り付けられ、ワイパモータ3bの回転に応じたパルス信号をワイパ制御装置8に出力する。
【0029】
雨量センサ7は、フロントガラスFの表面の水滴を検知するとともに、その水滴の量(以下、「水滴量」という。)を計測する。
【0030】
ワイパ制御装置8は、各ワイパモータ3a,3bの駆動を制御することで、フロントガラスFの払拭面上における払拭範囲をワイパブレード2a,2bで揺動運動させる。これにより、フロントガラス3に付着した雨や雪などが払拭される。
【0031】
例えば、ワイパブレード2aの払拭範囲を払拭範囲Ha、ワイパブレード2bの払拭範囲を払拭範囲Hbとした場合において、ワイパ制御装置8は、ワイパモータ3aの駆動を制御することで、ワイパブレード2aを払拭範囲Haの下反転位置Aaと上反転位置Baとの間を往復払拭動作させる。また、ワイパ制御装置8は、ワイパモータ3bの駆動を制御することで、ワイパブレード2bを払拭範囲Hbの下反転位置Abと上反転位置Bbとの間を往復払拭動作させる。このように、ワイパ制御装置8は、各払拭範囲の上反転位置と下反転位置との間で、ワイパブレード2a及びワイパブレード2bを同一方向に往復払拭動作させる。
【0032】
以下に、本発明の一実施形態に係るワイパ制御装置8の具体的な構成について説明する。
【0033】
ワイパ制御装置8は、位置検出部12、積雪量検出部13、水垂れ時間算出部14、及び駆動制御部15を備える。
【0034】
位置検出部12は、回転角検出部6aからのパルス信号に応じて、ワイパブレード2aの位置を検出する。具体的には、位置検出部12は、回転角検出部6aからのパルス信号をカウントとし、そのカウント値Caに基づいて、ワイパブレード2aの位置を検出することができる。このワイパブレード2aの位置とは、下反転位置Aaと上反転位置Baとの間の範囲(払拭範囲Ha)におけるワイパブレード2aの現在位置である。
【0035】
例えば、位置検出部12は、ワイパモータ3aが正回転することでワイパブレード2aが下反転位置Aaから上反転位置Baの方向に移動する場合には、パルス信号に応じてカウント値Caをカウントアップし、ワイパモータ3aが逆回転することでワイパブレード2aが上反転位置Baから下反転位置Aaの方向に移動する場合にはパルス信号に応じてカウント値をカウントダウンする。これにより、カウント値Caがワイパブレード2aの位置を示すことになる。
【0036】
同様に、位置検出部12は、回転角検出部6bからのパルス信号に応じて、ワイパブレード2bの位置を検出する。具体的には、位置検出部12は、回転角検出部6bからのパルス信号をカウントとし、そのカウント値Cbに基づいて、ワイパブレード2bの位置を検出することができる。このワイパブレード2bの位置とは、下反転位置Abと上反転位置Bbとの間の範囲(払拭範囲Hb)におけるワイパブレード2bの現在位置である。
【0037】
例えば、位置検出部12は、ワイパモータ3bが正回転することでワイパブレード2bが下反転位置Abから上反転位置Bbの方向に移動する場合には、パルス信号に応じてカウント値Cbをカウントアップし、ワイパモータ3bが逆回転することでワイパブレード2bが上反転位置Bbから下反転位置Abの方向に移動する場合にはパルス信号に応じてカウント値をカウントダウンする。これにより、カウント値Cbがワイパブレード2bの位置を示すことになる。
【0038】
積雪量検出部13は、運転席側のフロントガラスF上の積雪量を検出する。例えば、積雪量検出部13は、ワイパブレード2aの払拭速度、すなわちワイパモータ3aの回転速度を計測し、その計測した回転速度に応じて積雪量を検出する。積雪量検出部13は、検出した積雪量を駆動制御部15に出力する。
【0039】
水垂れ時間算出部14は、ワイパブレード2aによって拭き上げられた水が払拭範囲Haまで垂れてくる時間(以下、「水垂れ時間」という。)を算出する。以下に、水垂れ時間について、
図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る水垂れ時間について説明する図である。
【0040】
図2に示すように、フロントガラスFの表面において、ワイパブレード2bの上反転位置Bbにおける車両の上部ΔBは、ワイパブレード2aの払拭範囲Ha外に設定されている。したがって、ワイパブレード2aによって払拭範囲Hbの上反転位置Bbの上部に拭き上げられた水は、フロントガラスFに沿って払拭範囲Haへ垂れてくる。この水が上反転位置Bbの上部側から払拭範囲Haへ垂れてくる水垂れ時間は、フロントガラスFの角度(傾斜)、上反転位置Bbの上部側から払拭範囲Haまでの距離ΔB、水滴量、及び車速によって求めることができる。
【0041】
フロントガラスFの角度及び距離ΔBは予め設定され、ワイパ制御装置8内の記憶部(不図示)に格納されている。したがって、水垂れ時間算出部14は、その記憶部からフロントガラスFの角度及び距離ΔBを読み出し、且つ雨量センサ7で計測された水滴量と車速センサ5で計測された車速とを取得することで、水垂れ時間を算出することができる。水垂れ時間算出部14は、算出した水垂れ時間を駆動制御部15に出力する。
【0042】
駆動制御部15は、ワイパスイッチ4からの操作信号に応じて、低速作動モード、高速作動モード、間欠作動モード、及び停止モードの各々モードでワイパブレード2a,2bを払拭動作させる。以下に、各モードにおける駆動制御部15の動作について、説明する。
【0043】
(低速作動モード及び高速作動モード)
駆動制御部15は、ワイパスイッチ4から低速作動モード信号又は高速作動モード信号を取得した場合には、カウント値Ca,Cbに基づいて(ワイパブレード2a,2bの位置)に基づきワイパモータ3a,3bを同期して正逆転制御する。これにより、ワイパブレード2a,2bは、同時に同方向に回動する、いわゆるタンデム式で動作する。すなわち、ワイパブレード2a,2bは、同時に下反転位置Aa,Abから回動し、上反転位置Ba,Bbで同時に一時停止する。そして、ワイパブレード2a,2bは、上反転位置Ba,Bbから同時に回動し、下反転位置Aa,Abに同時に到達する。このように、ワイパブレード2a,2bのフロントガラスF上における下反転位置Aと上反転位置Bとの間で往復動作は、常に同期して動作する。なお、以下の説明において、下反転位置Aから上反転位置Bへの払拭動作を往路払拭動作とし、上反転位置Bから下反転位置Aへの払拭動作を復路払拭動作とする。
【0044】
(間欠作動モード)
駆動制御部15は、ワイパスイッチ4から間欠作動モード信号を取得した場合には、ワイパモータ3a,3bの回転を制御することで、ワイパブレード2a,2bを間欠動作させる。ただし、この場合において、駆動制御部15は、ワイパブレード2bが上反転位置Bbから下反転位置Abの方向へ移動し始めてから所定時間が経過するまで、ワイパブレード2aを上反転位置Aaにおいて停止させる。この所定時間とは、水垂れ時間算出部14で算出された水垂れ時間である。以下、本発明の一実施形態に係る間欠作動モードについて、
図3を用いて説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る間欠作動モードを説明する図である。
【0045】
まず、駆動制御部15は、ワイパスイッチ4から間欠作動モード信号を取得した場合には、ワイパブレード2a,2bを同時に下反転位置Aa,Abから回動させ、上反転位置Ba,Bbで同時に一時停止させる(
図3(a))。すなわち、駆動制御部15は、ワイパブレード2a,2bの往路払拭動作を同期させる。この場合に、駆動制御部15は、水垂れ時間算出部14から水垂れ時間を取得する。
【0046】
次に、駆動制御部15は、ワイパブレード2bを上反転位置Bbから下反転位置Abへの復路払拭動作を開始させ、ワイパブレード2bの復路払拭動作が開始してから水垂れ時間が経過した後にワイパブレード2aの復路払拭動作を開始させる。すなわち、復路払拭動作において、ワイパブレード2aは、ワイパブレード2bと同期して動作せず、ワイパブレード2bが動作してから水垂れ時間が経過した後に遅れて上反転位置Baから下反転位置Aaへの復路払拭動作が開始させる(
図3(b))。これにより、往路払拭動作においてワイパブレード2aによって拭き上げられた水を、ワイパブレード2aの復路払拭動作によって払拭することができる(
図3(c))。
このように、間欠作動モードでは、ワイパブレード2a,2bの往路払拭動作が同期するが、復路払拭動作では同期せず、ワイパブレード2aの復路払拭動作がワイパブレード2bの復路払拭動作から水垂れ時間が経過した後に実行させる。
【0047】
(停止モード)
駆動制御部15は、ワイパブレード2a,2bの払拭動作中にワイパスイッチ4から停止信号を取得した場合には、一度、ワイパブレード2a,2bを往復払拭動作させる。ただし、この往復払拭動作において、駆動制御部15は、ワイパブレード2bの上反転位置を上反転位置Bbではなく、上反転位置Bb´に設定する。以下、本発明の一実施形態に係る停止モードの上反転位置Bb´について、
図4を用いて説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係る停止モードの上反転位置Bb´を説明する図である。
【0048】
図4に示すように、駆動制御部15は、ワイパスイッチ4からの停止信号を取得した場合には、往路払拭動作において、ワイパブレード2bの上反転位置をワイパブレード2bの払拭範囲Ha内に設定された上反転位置Bb´とする。このように、駆動制御部15は、最終払拭のみワイパブレード2bの払拭角度を大きくすることで、運転手の眼前にワイパブレード2bが侵入する頻度を最低限にしつつ、水垂れを防止することができる。
【0049】
ただし、駆動制御部15は、上反転位置Baに雪溜まりがある場合には、ワイパブレード2bの払拭角度を拡大しない。すなわち、駆動制御部15は、上反転位置Baに雪溜まりがある場合には、ワイパブレード2bの上反転位置を所定の位置に設定する。例えば、駆動制御部15は、所定の位置を、積雪量検出部13で検出された積雪量に応じて設定してもよいし、通常の上反転位置である上反転位置Bbに設定してもよい。なお、駆動制御部15は、積雪量検出部13で検出された積雪量が閾値以上である場合において、上反転位置Baに雪溜まりがあると判定する。
【0050】
駆動制御部15は、復路払拭動作においては、ワイパブレード2a,2bを同期させて動作させる。そして、駆動制御部15は、ワイパブレード2a,2bの復路払拭動作の後、当該ワイパブレード2a,2bを下反転位置A又は下反転位置よりも下方な位置にある格納位置まで作動して停止する。
【0051】
以下に、本実施形態に係るワイパ制御装置8の動作の流れについて説明する。まず、ワイパ制御装置8における間欠作動モードの動作の流れについて、
図5を用いて説明する。
【0052】
ワイパ制御装置8は、ワイパスイッチ4から間欠作動モード信号を取得した場合には(ステップS101)、ワイパモータ3a,3bの往路払拭動作を開始するとともに(ステップS102)、水垂れ時間を算出する(ステップS103)。
【0053】
ワイパ制御装置8は、往路払拭動作が終了すると、ワイパブレード2bの復路払拭動作を開始するとともに、計時を開始する(ステップS104)。
ワイパ制御装置8は、計時している時間が水垂れ時間を超えたか否かを判定する(ステップS105)。ワイパ制御装置8は、計時している時間が水垂れ時間を超えた場合には、ワイパブレード2bの復路払拭動作を開始してから水垂れ時間が経過したとして、ワイパブレード2aの払拭動作を開始させる(ステップS106)。
【0054】
ワイパ制御装置8は、停止信号を取得したか否かを判定する(ステップS107)。ワイパ制御装置8は、停止信号を取得した場合には、間欠作動モードを停止する(ステップS108)。ワイパ制御装置8は、停止信号を取得していない場合には、ステップS102に移行して、間欠作動モードを継続する。
【0055】
次に、ワイパ制御装置8における低速作動モードの動作の流れについて、
図6を用いて説明する。なお、高速作動モードにおける動作の流れは、低速作動モードと同一であるため、説明を省略する。
【0056】
ワイパ制御装置8は、ワイパスイッチ4から低速作動モード信号を取得した場合には(ステップS201)、ワイパモータ3a,3bの往路払拭動作を開始するとともに(ステップS202)、水垂れ時間を算出する(ステップS203)。
【0057】
ワイパ制御装置8は、往路払拭動作が終了すると、ワイパスイッチ4から停止信号を取得したか否かを判定する(ステップS204)。
ワイパ制御装置8は、ワイパスイッチ4から停止信号を取得した場合には、ワイパブレード2bの復路払拭動作を開始するとともに、計時を開始する(ステップS205)。そして、ワイパ制御装置8は、ステップS205において、計時している時間が水垂れ時間を超えたか否かを判定する(ステップS206)。
【0058】
一方、ワイパ制御装置8は、ワイパスイッチ4から停止信号を取得していない場合には、ワイパブレード2a及びワイパブレード2bの復路払拭動作を同時に開始する(ステップS208)。そして、ワイパ制御装置8は、上記復路払拭動作が終了すると、ステップS202に移行する。
【0059】
ワイパ制御装置8は、ステップS206において、計時している時間が水垂れ時間を超えた場合には、ワイパブレード2bの復路払拭動作を開始してから水垂れ時間が経過したとして、ワイパブレード2aの払拭動作を開始させる(ステップS207)。
そして、ワイパ制御装置8は、ワイパブレード2a,2bの払拭動作が終了した場合には、低速作動モードを停止する。
【0060】
次に、ワイパ制御装置8における停止モードの動作の流れについて、
図7を用いて説明する。
ワイパ制御装置8は、低速作動モード又は高速作動モードにおいて、停止信号を取得した場合には、最終払拭動作を開始する。すなわち、ワイパ制御装置8は、ワイパモータ3a,3bの往路払拭動作を開始するとともに(ステップS302)、積雪量検出部13で検出された積雪量が閾値以上か否かを判定する(ステップS303)。
【0061】
ワイパ制御装置8は、積雪量検出部13で検出された積雪量が閾値未満である場合には、ワイパブレード2bの上反転位置を上反転位置Bb´に設定することでワイパブレード2bの払拭角度を拡大させる(ステップS304)。一方、ワイパ制御装置8は、積雪量検出部13で検出された積雪量が閾値以上である場合には、ワイパブレード2bの上反転位置を上反転位置Bbのままにすることで、ワイパブレード2bの払拭角度を拡大させない(ステップS305)。
【0062】
ワイパ制御装置8は、ワイパブレード2a,2bの往路払拭動作が終了した場合には、ワイパブレード2a,2bの復路払拭動作を開始する(ステップS306)。そして、ワイパ制御装置8は、ワイパブレード2a,2bの復路払拭動作が終了した場合には、停止モードを停止する。
【0063】
以上、説明したように、本発明の一実施形態に係るワイパ装置Aは、ワイパブレード2bが上反転位置Bbから下反転位置Abへ移動し始めてから所定時間(水垂れ時間以上の時間)、ワイパブレード2aを上反転位置Baにおいて停止させる。
【0064】
このような構成によれば、運転者側のワイパブレード2aが助手席側のワイパブレード2bより遅れたタイミングで復路払拭するため、水垂れを払拭することができる。これにより、4節リンクなどの大型な機構を使用せずに、助手席側のワイパブレード2bの上反転位置を運転手の眼前よりも手前に設定したまま、水垂れを防止することができる。
【0065】
また、ワイパ装置Aは、雨量センサ7からの雨量情報に基づいて、水垂れ時間を設定する。
【0066】
このような構成によれば、雨量センサ7からの雨量情報から水垂れが起きる時間を予測し、より適切なタイミングでワイパブレード2aの後払拭を行うことができる。
【0067】
また、ワイパ装置Aは、ワイパスイッチ4からの停止信号を検知した場合、ワイパブレード2bの上反転位置Bbを払拭範囲Ha内に設定する。
【0068】
このような構成によれば、最終払拭のみ助手席側のワイパブレード2bの払拭角度を大きくすることで、運転手の眼前にワイパブレード2bが侵入する頻度を最低限にしつつ、水垂れを防止することができる。
【0069】
また、ワイパ装置Aは、運転席側のフロントガラスF上の積雪量に基づいて、ワイパブレード2bの上反転位置を設定する。
【0070】
このような構成によれば、運転席側の上反転位置Baに雪溜まりがある場合、助手席側のワイパブレード2bの払拭角度を拡大すると、助手席側のワイパブレード2bが雪溜まりに衝突し、破損やロックしてしまう虞があるため、これを回避することができる。