(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6936733
(24)【登録日】2021年8月31日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】前方投影非対称光学設計
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20210909BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20210909BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20210909BHJP
G02B 3/02 20060101ALI20210909BHJP
G02B 5/02 20060101ALI20210909BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20210909BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210909BHJP
F21Y 115/20 20160101ALN20210909BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20210909BHJP
【FI】
F21S2/00 330
F21S2/00 620
F21V5/00 320
F21V5/04 500
G02B3/02
G02B5/02 B
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21Y115:10
F21Y115:20
F21Y115:30
【請求項の数】15
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-547134(P2017-547134)
(86)(22)【出願日】2016年4月6日
(65)【公表番号】特表2018-512708(P2018-512708A)
(43)【公表日】2018年5月17日
(86)【国際出願番号】EP2016057483
(87)【国際公開番号】WO2016165987
(87)【国際公開日】20161020
【審査請求日】2019年3月29日
(31)【優先権主張番号】62/147013
(32)【優先日】2015年4月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドスタイン ピーター アイザック
(72)【発明者】
【氏名】ロス エリック アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ドロス オリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】スウィート ブロック ベンジャミン ダニエル
【審査官】
大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−226766(JP,A)
【文献】
特開2013−235820(JP,A)
【文献】
特開2011−154848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/00
F21V 5/04
G02B 3/02
G02B 5/02
F21Y 101/00
F21Y 115/10
F21Y 115/20
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ユニットであり、前記照明ユニットに対して近位の部分と遠位の部分とを有する表面を照明するよう構成される照明ユニットであって、
光ビームを発するよう構成される光源、
前記光源と前記表面との間に位置する光学部品であって、前記光学部品が、発せられた前記光ビームを、前記表面に沿って大部分は一様な照明分布を有するよう修正するよう構成されると共に、前記光源に面する入力面を有し、前記入力面が、(i)前記発せられた光ビームの一部を前記表面の前記遠位の部分に向けるよう構成される凸レンズ部分と、(ii)前記発せられた光ビームの一部を前記表面の前記近位の部分に向けるよう構成される凹レンズ部分とを有する光学部品、及び
前記光学部品と前記表面との間に位置する拡散器であって、前記光学部品にわたって配置され、少なくとも部分的に前記光学部品のまわりに輪郭をもつ拡散器を有する照明ユニット。
【請求項2】
前記拡散器が、前記光学部品を出る前記光ビームが、前記拡散器の表面に対して実質的に垂直な角度で前記拡散器に接近するように、前記光学部品のまわりで湾曲している請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記拡散器の湾曲に従うカバーレンズを更に有する請求項2に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記光学部品と前記表面との間に位置するバッフルを更に有する請求項1、2又は3に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記バッフルが、前記カバーレンズの表面のテクスチャード加工部分である請求項3に従属する請求項4に記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記光源が、LEDをベースにした光源である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記照明ユニットが、複数の光源を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明ユニット。
【請求項8】
前記発せられた光ビームが、前記表面の長さに沿って実質的に一様な照明分布を有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明ユニット。
【請求項9】
複数の請求項1に記載の照明ユニット、及び
前記光学部品と前記表面との間に位置するバッフルを有する照明システム。
【請求項10】
前記光源が、LEDをベースにした光源である請求項9に記載の照明システム。
【請求項11】
前記照明システムが、複数の光源を有する請求項9に記載の照明システム。
【請求項12】
前記発せられた光ビームが、前記表面の長さに沿って実質的に一様な照明分布を有する請求項9に記載の照明システム。
【請求項13】
カバーレンズを更に有する請求項9に記載の照明システム。
【請求項14】
前記バッフルが、前記カバーレンズのテクスチャード加工部分である請求項13に記載の照明システム。
【請求項15】
前記光源が、各々が光ビームを発するよう構成される複数のLEDをベースにした光源を有する請求項9、10、11、12、13又は14に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、表面における一様な照度を作成するよう、制御された水平及び垂直ビームバターンに光を向ける非対称光学部品を目的とする。
【背景技術】
【0002】
壁又は他の背の高い構造物などの垂直表面、並びに歩道及び車道のような水平表面の適切な照明は、多くの場合、必要とされる近接後退(close setback)及び広い間隔のため、新規な照明ユニット及びシステムを必要とする。後退部からこれらの表面を照明する間接照明ユニットが作成されているが、これらのユニットには幾つかの不利な点がある。
【0003】
後退部から表面を照明するために用いられる間接照明ユニットの1つの例は、非対称反射器である。非対称反射器によって作成されるビームパターンは、ビームのピーク強度を、照明されるべき最も遠いポイントに向けることによって、表面における一様な照度を作成するよう意図されている。ビームの残りは、ターゲット領域を満たすために用いられる。これらのビームパターンは、小さい領域にわたって高い一様性を持ち得るが、ターゲット領域を越えて延在する流出光をもたらす傾向がある。実際、多くの前方投影非対称器具(forward throw asymmetric fixture)は、相対的に広い垂直ビーム角を持ち、これは、大きい後退対投射距離比(setback-to-throw ratio)又はより高いコントラストの照度をもたらす。
【0004】
既存の照明ユニットは、幾つかの他の不利な点を持つ。例えば、後退照明ユニットによって照明される表面は、多くの場合、照明ユニットの近位の領域においてより明るく、照明ユニットの遠位の領域においてより暗い。更に、表面上に投影される光ビームは、照明ユニットの近位の領域においてより狭く、照明ユニットの遠位の領域においてより広く、表面上に「V」パターン又はスカラップ模様効果(scalloping effect)をもたらす。「V」パターン又はスカラップ模様効果を防止するため、既存の照明システムは、表面の対向する端部において複数の照明ユニットを利用する場合があり、又はより明るい照明ユニットが、表面の遠位の部分に向けられ、より弱い照明ユニットが表面の近位の部分に向けられる異なる強度の複数の照明ユニットを用いる場合がある。しかしながら、複数の照明ユニットは、照明システムに付加的な時間及び費用を加え、多くの場所において、複数の照明ユニットを利用することは非現実的又は不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、当業界には、後退部から表面の一様な照明を供給する改善された間接照明ユニットのニーズがある。例えば、より小さい後退対投射距離比及びより高い一様性を供給するより狭いビーム角のニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、近接後退部に位置する照明ユニットからの表面の一様な照明のための本発明の方法及び装置を目的とする。本願明細書における様々な実施例及び実現例は、光源と、照明されるべき表面との間に位置する光学部品を含む照明ユニットを目的とする。前記光学部品は、過剰な流出なしに一様な照明を生成するために前記光ビームを水平軸と垂直軸との両方において制御するよう前記光ビームを修正する。例えば、幾つかの実施例においては、前記照明ユニットは、前記光ビームの一部を前記表面の遠位の部分に集束させる凸レンズ部分と、前記光ビームの一部を前記表面の近位の部分に集束させる凹レンズ部分とを備える光学部品を含む。
【0007】
広くは、或る態様においては、照明ユニットが、前記照明ユニットに対して近位の部分と遠位の部分とを有する表面を照明するよう構成される。前記照明ユニットは、(i)光ビームを発するよう構成される光源、及び(ii)前記光源と前記表面との間に位置する光学部品であって、前記光学部品が、発せられた前記光ビームを、前記表面に沿って大部分は一様な照明分布を有するよう修正するよう構成され、前記光学部品が、前記光源に面する入力面を持ち、前記入力面が、前記発せられた光ビームの一部を前記表面の前記遠位の部分に向けるよう構成される凸レンズ部分と、前記発せられた光ビームの一部を前記表面の前記近位の部分に向けるよう構成される凹レンズ部分とを持つ光学部品を含む。
【0008】
実施例によれば、前記照明ユニットは、前記光学部品と前記表面との間に位置する拡散器を含む。実施例によれば、前記拡散器は、少なくとも部分的に前記光学部品のまわりに輪郭をもつ。
【0009】
実施例によれば、前記照明ユニットは、前記光学部品と前記表面との間に位置するバッフルを含む。
【0010】
実施例によれば、前記光源は、LEDをベースにした光源である。
【0011】
実施例によれば、前記照明ユニットは、複数の光源を有する。
【0012】
実施例によれば、前記発せられた光ビームは、前記表面の長さに沿って実質的に一様な照明分布を有する。
【0013】
別の態様によれば、照明システムは、前記照明システムに対して近位の部分と遠位の部分とを有する表面を照明するよう構成される。前記照明システムは、(i)光ビームを発するよう構成される光源、(ii)前記光源と前記表面との間に位置する光学部品であって、前記光学部品が、発せられた前記光ビームを、前記表面に沿って大部分は一様な照明分布を持つよう修正するよう構成され、前記光学部品が、前記光源に面する入力面を持ち、前記入力面が、前記発せられた光ビームの一部を前記表面の前記遠位の部分に向けるよう構成される凸レンズ部分と、前記発せられた光ビームの一部を前記表面の前記近位の部分に向けるよう構成される凹レンズ部分とを有する光学部品、(iii)前記光学部品と前記表面との間に位置する拡散器、及び(iv)前記光学部品と前記表面との間に位置するバッフルを有する。
【0014】
実施例によれば、前記拡散器は、少なくとも部分的に前記光学部品のまわりに輪郭をもつ。
【0015】
実施例によれば、前記光源は、LEDをベースにした光源である。実施例によれば、前記照明システムは、複数の光源を含む。
【0016】
実施例によれば、前記発せられた光ビームは、前記表面の長さに沿って実質的に一様な照明分布を持つ。
【0017】
実施例によれば、前記照明システムは、カバーレンズを含む。実施例によれば、前記照明システムの前記バッフルは、前記カバーレンズのテクスチャード加工部分である。
【0018】
別の態様によれば、照明システムは、前記照明システムに対して近位の部分と遠位の部分とを有する表面を照明する。前記照明システムは、(i)各々が光ビームを発するよう構成される複数のLEDをベースにした光源、(ii)前記光源の各々と前記表面との間に位置する光学部品であって、各光学部品が、前記複数の光源のうちの関連する1つによって発せられた前記光ビームを、前記表面に沿って大部分は一様な照明分布を有するよう修正するよう構成され、各光学部品が、前記光源に面する入力面を持つと共に、前記発せられた光ビームの一部を前記表面の前記遠位の部分に向けるよう構成される凸レンズ部分と、前記発せられた光ビームの一部を前記表面の前記近位の部分に向けるよう構成される凹レンズ部分とを有する光学部品、(iii)前記光学部品と前記表面との間に位置する拡散器であって、少なくとも部分的に前記光学部品のまわりに輪郭をもつ拡散器、及び(iv)前記光学部品と前記表面との間に位置するバッフルを含む。
【0019】
本開示の目的のために本願明細書において用いられているような、「LED」という用語は、あらゆるエレクトロルミネセントダイオード、又は電気信号に応じて放射線を生成することが可能である他のタイプのキャリア注入/接合をベースにしたシステムを含むことを理解されるべきである。従って、LEDという用語は、電流に応じて光を発する様々な半導体ベースの構造、発光ポリマ、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセントストリップなどを含むが、これらに限定されない。LEDという用語は、とりわけ、赤外線スペクトル、紫外線スペクトル、及び(一般に、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射線波長を含む)可視スペクトルの様々な部分の1つ以上において放射線を生成するよう構成され得る(半導体及び有機発光ダイオードを含む)全てのタイプの発光ダイオードを指す。LEDの幾つかの例は、様々なタイプの赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀色LED、橙色LED及び(下で更に記述する)白色LEDを含むが、これらに限定されない。LEDは、所与のスペクトル(例えば、狭帯域幅、広帯域幅)のための様々な帯域幅(例えば、半値全幅、即ち、FWHM)、及び所与の一般的な色分類内の様々な主波長を持つ放射線を生成するよう構成及び/又は制御され得ることも理解されるべきである。
【0020】
例えば、本質的に白色の光を生成するよう構成されるLEDの或る実施例(例えば、白色LED)は、組み合わせにおいて、本質的に白色の光を形成するよう混ざり合う、異なるスペクトルのエレクトロルミネッセンスを各々発する多数のチップを含み得る。別の実施例においては、白色光LEDは、第1スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスを、異なる第2スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスに変換する蛍光体材料と関連づけられ得る。この実施の或る例においては、相対的に短い波長及び狭い帯域幅のスペクトルを持つエレクトロルミネッセンスが、蛍光体材料を「励起」し、次に、前記蛍光体材料が、幾らかより広いスペクトルを持つより長い波長の放射線を放射する。
【0021】
LEDという用語は、LEDの物理的な及び/又は電気的なパッケージのタイプを限定しないことも理解されるべきである。例えば、上に記述したように、LEDは、(個々に制御可能であってもよく、又は個々に制御可能でなくてもよい)各々異なるスペクトルの放射線を発するよう構成される複数のチップを持つ単一の発光デバイスを指してもよい。また、LEDは、前記LEDの一体部分とみなされる蛍光体と関連づけられてもよい(例えば、幾つかのタイプの白色LED)。一般に、LEDという用語は、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、パワーパッケージLED、何らかのタイプの容器(encasement)及び/又は光学素子(例えば、拡散レンズ)を含むLED等を指し得る。
【0022】
「光源」という用語は、(上で規定されているような1つ以上のLEDを含む)LEDをベースにした光源、白熱光源(例えば、フィラメントランプ、ハロゲンランプ)、蛍光源、燐光源、高輝度放電源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気及びメタルハライドランプ)、レーザ、他のタイプのエレクトロルミネセント源、高温ルミネセンス源(pyro-luminescent source)(例えば、炎)、キャンドルルミネセンス源(candle-luminescent source)(例えば、ガスマントル、カーボンアーク放射線源)、フォトルミネセンス源(例えば、ガス放電源)、電子飽和(electronic satiation)を用いるカソードルミネセンス源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネセンス源(galvano-luminescent source)、結晶ルミネセンス源(crystallo-luminescent source)、キネルミネセンス源(kine-lumincescent source)、熱ルミネセンス源、摩擦ルミネセンス源、ソノルミネセンス源、放射線ルミネセンス源(radioluminescent source)及び発光ポリマを含むが、これらに限定されない様々な放射線源のうちの任意の1つ以上を指すと理解されるべきである。
【0023】
所与の光源は、可視スペクトル内の電磁放射線、可視スペクトル外の電磁放射線、又は両方の組み合わせを生成するよう構成され得る。従って、本願明細書においては、「光」という用語及び「放射線」という用語は、置き換え可能に用いられている。更に、光源は、一体的な構成要素として、1つ以上のフィルタ(例えば、カラーフィルタ)、レンズ、又は他の光学部品を含み得る。また、光源は、指示、表示、及び/又は照明を含むが、これらに限定されない様々な用途のために構成され得ると理解されるべきである。「照明源」は、とりわけ、屋内又は屋外空間を効果的に照明するのに十分な強度を持つ放射線を生成するよう構成される光源である。これに関連して、「十分な強度」は、周囲照明(即ち、間接的に知覚され得る光であって、例えば、全体的に又は部分的に知覚される前に様々な介在面の1つ以上から反射され得る光)を供給するために前記空間又は環境において生成される可視スペクトルにおける十分な放射強度を指す(放射強度又は「光束」に関して、全方向における光源から全光出力を表すために、多くの場合、単位「ルーメン」が用いられる)。
【0024】
「コントローラ」という用語は、本願明細書においては、一般に、1つ以上の光源の動作に関連する様々な装置を表わすために用いられている。コントローラは、(例えば、専用ハードウェアを用いるなどの)多くの方法で、本願明細書に記述されている様々な機能を実施するよう実現され得る。「プロセッサ」は、本願明細書に記述されている様々な機能を実施するようソフトウェア(例えば、マイクロコード)を用いてプログラムされ得る1つ以上のマイクロプロセッサを用いるコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを用いて実現されてもよく、又はプロセッサを用いずに実現されてもよく、更に、幾つかの機能を実施するための専用ハードウェアと、他の機能を実施するためのプロセッサ(例えば、1つ以上のプログラムされるマイクロプロセッサ及び関連回路)との組み合わせとして実現されてもよい。本開示の様々な実施例において用いられ得るコントローラ構成要素の例は、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。コントローラのうちのいずれか1つは本発明のいずれかの態様による使用に適し得る様々なタイプの「コントローラ」により、コントローラは、述べた機能を実施するよう「設定、プログラム及び/又は構成される」と記載され、従って、「コントローラ」の全てのあり得る形態を含むだろう。
【0025】
様々な実施例において、プロセッサ又はコントローラは、(本願明細書においては総称して「メモリ」と呼ばれる、例えば、RAM、PROM、EPROM及びEEPROMのような揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等である)1つ以上の記憶媒体と関連づけられ得る。幾つかの実施例においては、前記記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラにおいて実行されるときに、本願明細書に記述されている機能のうちの少なくとも幾つかを実施する1つ以上のプログラムでコード化され得る。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に取り付けられてもよく、又は前記記憶媒体に記憶されている1つ以上のプログラムが、本願明細書に記述されている本発明の様々な態様を実施するためにプロセッサ又はコントローラにロードされ得るような、可搬型のものであってもよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、本願明細書においては、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために用いられ得るあらゆるタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すよう一般的な意味で用いられている。更に、「プログラム」又は「コンピュータコード」は、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されていると理解されるべきである。
【0026】
上記の概念及び下でより詳細に記述する更なる概念の(このような概念が互いに矛盾しない場合には)全ての組み合わせが、本願明細書に開示されている本発明の対象の一部であると意図されていることは理解されるべきである。とりわけ、この開示の最後にある請求項記載の対象の全ての組み合わせは、本願明細書に開示されている本発明の対象の一部であると意図されている。参照により盛り込まれているいずれかの開示にも出現しているかもしれない、本願明細書において明示的に用いられている専門用語は、本願明細書に開示されている特定の概念と最も一致する意味を与えられるべきであることも理解されるべきである。
【0027】
本発明のこれら及び他の態様を、下記の実施例に関して説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図面においては、様々な図にわたって、同様の参照符号は、概して、同じパーツを指す。また、図面は、必ずしも、縮尺通りではなく、その代わりに、概して、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。
【
図1】実施例による光学部品を備える光源の概略図である。
【
図2】実施例による垂直表面との近接後退部に位置する光源の概略的な側面図である。
【
図3A】実施例による水平表面との近接後退部に位置する光源の概略的な側面図である。
【
図3B】実施例による水平表面との近接後退部に位置する光源の概略的な上面図である。
【
図4】実施例による光学部品の入力面の概略図である。
【
図5A】実施例による光学部品を備える光源の概略図である。
【
図5B】実施例による光学部品を備える光源の概略図である。
【
図6】実施例による光学部品を備える光源の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、非対称光学部品を用いて表面を照明するための装置、システム、デバイス及び方法の様々な実施例を記載している。より広くは、出願人は、本開示は、表面における一様な照度を作成するよう水平及び垂直ビームパターンの制御及び質を改善するのに有益であるだろうと認識及び理解している。本開示の実施例の利用の特定の目的は、表面を、その表面に対する近接後退部を持つ照明ユニットから照明することを可能にすることである。
【0030】
上記のことを鑑みて、様々な実施例及び実現例は、光源、及び光源と照明されるべき表面との間に位置する光学部品を備える照明ユニットを目的とする。光学部品は、光の一部を表面の遠位の部分に集束させる凸レンズ部分と、光の一部を表面の近位の部分に集束させる凹レンズ部分とを含む。光学部品は、それによって、表面に沿って大部分は一様な照度分布をもたらすよう光源によって発せられる光ビームを修正する。
【0031】
図1を参照すると、或る実施例においては、1つ以上の光源12を含む照明ユニット10が供給され、光源のうちの1つ以上は、LEDをベースにした光源であってもよい。更に、LEDをベースにした光源は、1つ以上のLEDを有してもよい。光源は、1つ以上の光源ドライバ14によって所定の特性(例えば、色の強さ、色温度)の光を発するよう駆動され得る。照明ユニット10においては、様々な異なる色の発光を生成するよう適応される多くの異なる数の、様々なタイプの光源(全てLEDをベースにした光源、LEDをベースにした光源のみ、LEDをベースにしていない光源のみ、又はそれらの組み合わせなど)が用いられ得る。
【0032】
照明ユニット10は、光源を駆動し、光源から様々な強度及び/又は色の光を生成するために1つ以上の信号を出力するよう構成又はプログラムされるコントローラ16も含み得る。例えば、コントローラ16は、各光源によって生成される光の強度及び/若しくは色を独立に制御するために、又は全ての光源を一緒に制御するために、各光源のための制御信号を生成するようプログラム又は構成され得る。別の態様によれば、コントローラ16は、光源を、前記光源の強度を変えるために制御する光源ドライバ14などの他の専用回路を制御してもよい。コントローラ16は、例えば、本願明細書に記述されている様々な機能を実施するようソフトウェアを用いてプログラムされるマイクロプロセッサであってもよく、メモリ18と組み合わせて利用され得る。メモリは、マイクロプロセッサによる実行のための1つ以上の照明コマンド又はソフトウェアプログラムを含むデータ、及びその照明ユニットのための特定の識別子を含むが、これらに限定されない様々なタイプのデータを記憶することができる。コントローラ16は、光源ドライバ14に、とりわけ周囲光状況及び時刻などの所定のデータに基づいて光源12の強度及び/又は色温度を調節させるようプログラム、構成及び/又は設定され得る。
【0033】
照明ユニット10は、もっとも典型的には、AC電源であるが、とりわけ、DC電源、太陽をベースにした電源又は機械をベースにした電源を含む他の電源もあり得る電源20も含む。電源は、外部電源から受け取った電力を照明ユニットによって使用可能である形態に変換する電源変換器と動作可能なコミュニケーションをしていてもよい。照明ユニット10の様々な構成要素に電力を供給するために、それは、外部AC電源20からAC電力を受け取り、前記AC電力を照明ユニットの構成要素に給電する目的のための直流に変換するAC/DC変換器(例えば、整流回路)(図示せず)も含み得る。照明ユニットは、照明ユニットを起動させたり停止させたりするためにスイッチ22も含み得る。
【0034】
図2を参照すると、或る実施例においては、照明ユニット10は、壁又はビルの外面などの垂直表面32を光ビーム28で照明する。垂直表面は、近位の部分34と、遠位の部分36とを含む。美的感覚及び設計制約を含む様々な理由のうちの1つ以上のために、照明ユニットは、まっすぐに表面に向いているのではなく、表面に対して或る角度をなして、表面の近くに配置される。この後退位置は、照明ユニットが、表面に適切な照明パターンを供給するために水平及び垂直照明ビームパターンを制御することを必要とする。同様に、
図3A及び3Bにおいては、照明ユニット10が、歩道などの水平表面32を光ビーム28で照明する。水平表面は、各部分の光源からの位置によって規定される、近位の部分34と遠位の部分36とを含む。様々な理由のうちの1つ以上のために、照明ユニットは、表面の上にではなく、表面に対して垂直に、表面の近くに配置される。この後退位置は、照明ユニットが、表面に適切な照明パターンを供給するために水平及び垂直照明ビームパターンを制御することを必要とする。とりわけ、この位置は、
図3Bにおける照明ユニット10のような複数の照明ユニット10が、ユニット間の重複領域を含む一様な照明パターンを作成するよう協働することを必要とする。
【0035】
図4を参照すると、或る実施例においては、光源によって発せられた光ビームを、表面に照明パターンを作成するよう修正する光学部品40の入力面39が供給される。入力面39の下には、1つ以上の光源12がある。実施例によれば、光学部品40の入力面39は、表面に所定の照明パターンを生成するよう構成される。この実施例においては、入力面39は、凸レンズ領域又は収束レンズ領域とも呼ばれる1つ以上の正の屈折力領域43を含む。凸レンズ部分43は、発せられた光ビーム28の一部を、表面の遠隔の又は遠位の部分に向けるよう構成される。入力面39は、凹レンズ領域又は発散レンズ領域とも呼ばれる1つ以上の負の屈折力領域41も含む。凹レンズ部分41は、発せられた光ビーム28の一部を、表面の近くの又は近位の部分に向けるよう構成される。
【0036】
従って、光学部品40の入力面39は、光源によって発せられた光ビームを、表面に特定の照明パターンを作成するよう修正するよう設計され得る自由曲面である。例えば、
図4の光学部品40の入力面39の実施例は、表面に特定の照明パターンを作成するよう設計されている。下により詳細に記載するような更に別の実施例によれば、光学部品40の、入力面などの一部が、表面に特定の照明パターンを作成するためにデカルトの卵形(Cartesian oval)である。光学部品40は、様々な実施例及び設計を可能にする、様々な入射面形状及び様々な出射面形状を持ち得る。
【0037】
実施例によれば、光学部品40の適応可能な入力面は、光学部品40に対する光源12の実際の物理的な位置ではなく、光学部品40に対する光源12の光学像60の位置に基づいて、表面に特定の照明パターンを作成するよう構成される。例えば、デカルトの卵形の形状の入力面39は、光源の物理的な位置とは異なる位置に光源の光学像60を作成することによって、光源を光学的に別の位置に動かすだろう。デカルトの卵形は、例えば、光源12の光学像60を様々な位置に作成することができ、それを、無限遠、物理的な光源の後ろ、光源と光学部品との間、及び光学部品内に配置することを含み得る。光学部品40の適応可能な面は、光源12の光学像60の位置に基づいて、表面に特定の照明パターンを作成するよう構成される。
【0038】
実施例によれば、光学部品40を設計するためにソフトウェアが利用される。他の例においては、光学部品は、コンピュータの助けなしに設計されることができる。ソフトウェアが利用される場合には、表面のための照度分布が生成され得る。ユーザは、表面のサイズ及び形状、並びに照明の縁端部のまわりの勾配(gradient)のサイズを指定する。ユーザは、頂部、底部、並びに左側及び右側縁端部における勾配を調節することによって、ビームのカットオフ及び柔らかさを制御することもできる。その情報により、ソフトウェアは、中心から縁端部まで所望の勾配を持つ照度データのテーブルを作成する。実施例によれば、所望の勾配の各々が、適切なポイントを備えるスプライン曲線によって生成される。照度データが生成されたら、情報は、光学設計ソフトウェアによって光学部品を設計するために用いられる。購入又はプログラムされ得る光学設計ソフトウェアが、定められた照度及び/又は強度分布に基づいて光学部品の1つ以上の自由曲面を設計するために利用される。
【0039】
図5Aを参照すると、或る実施例においては、光源12及び光学部品40が供給される。この実施例においては、例えば、光学部品40の入射面形状62が、光源12が実際にあるところより光学部品の近くにあるように見える光源12の光学像60を作成する。光学部品40の出射面64は、この光学像60の位置に基づいて、表面に特定の照明パターンを作成するよう設計され得る。
図5Bを参照すると、或る実施例においては、光源12及び光学部品40が供給される。この実施例においては、例えば、光学部品40の入射面形状62が、光源12が実際にあるところより光学部品から遠く離れているように見える光源12の光学像60を作成する。光学部品40の出射面64は、この光学像60の位置に基づいて、表面に特定の照明パターンを作成するよう設計され得る。
【0040】
図6を参照すると、或る実施例においては、1つ以上の光源12を含む照明ユニット10が供給され、光源のうちの1つ以上は、LEDをベースにした光源であり得る。照明ユニット10は、光源によって発せられた光ビームを、表面に照明パターンを作成するよう修正する光学部品40も含む。実施例によれば、光学部品は、表面に所定の照明パターンを生成するよう構成される。光学部品40は、下記の又は本願明細書で別途想定されている実施例のいずれかである。照明ユニット10は、光学部品40の上に配置される非対称拡散器42も含む。実施例によれば、非対称拡散器42は、光学部品を出る光ビームが、拡散器の表面に対して実質的に垂直な角度で拡散器に接近するように、光学部品を囲むように湾曲している。光学部品及び光源を囲むよう拡散器42を設計することは、光分布を改善する。なぜなら、それは、光ビームがより広い角度範囲において拡散器表面に対して垂直に入ることを可能にするからである。これは、拡散器を平らなままにする従来の手法と比べて、光のより良い制御及びより高い効率をもたらす。実施例によれば、拡散器のプロファイルは、
図6において44によって示されている軸に沿った或る方向において、0度と5度との間にあり、(図の中への及び図の外への)軸44に対して垂直な軸に沿って10度と40度との間にある。
図6に図示されている実施例によれば、組立体は、拡散器42の湾曲に従うプロファイルを持つカバーレンズ46で囲まれ得る。カバーレンズ46の多くの他の設計が考えられ、幾つかの実施例においては、カバーレンズがないだろう。
【0041】
図6に示されているように、照明ユニット10は、正レンズ又は収束レンズの色分散によりビームのカットオフの近くの光ビームの縁端部において形成し得る赤みがかった光を遮るためにバッフル52も含み得る或る実施例によれば、バッフルは、光源と、照明されるべき表面との間の位置に配置される。例えば、バッフルは、拡散器、カバー及び/又は光学部品のいずれかの側などの、表面と光源との間の任意のポイント又は位置に配置され得る。実施例によれば、バッフル52は、光遮断物(light blocker)、反射器、又は非常に広い散乱角を持つ拡散器である。ほんの一例として、バッフル52は、照明ユニット又はシステムの別個の構成要素ではなく、カバーレンズ46の表面のテクスチャード加工部分であり得る。
【0042】
図7を参照すると、或る実施例においては、各々が1つ以上の光源12を含む複数の照明ユニット10を備える照明システム50が供給され、光源のうちの1つ以上は、LEDをベースにした光源であり得る。各照明ユニット10は、光源によって発せられた光ビームを、表面に照明パターンを作成するよう修正する光学部品40も含む。実施例によれば、光学部品は、表面に所定の照明パターンを生成するよう構成される。この実施例においては、照明システム50は、拡散器42も含む。拡散器42は、各光学部品40と表面との間に配置される個別の拡散器であってもよく、又は2つ以上の光学部品と表面との間の平らなシートであってもよい。拡散器42は、例えば、
図6に記載されているもののような実施例であり得る。照明システム50は、ビームのカットオフの近くの光ビームの縁端部において形成し得る赤みがかった光を遮るために、光学部品と、照明されるべき表面との間に配置されるバッフル52も含み得る。
【0043】
実施例によれば、それ故、照明システム50は、発せられた光ビームを、幾つかの利点を持つ制御された水平及び垂直ビームパターンに向ける。例えば、各光ビームの縁端部は、複数のビームの重なりから生じる所定のパターンを可能にするよう制御される。別の例としては、光ビームは、ビームの、頂部、即ち、遠位の部分、及び底部、即ち、近位の部分において、同じ幅であり得る。即ち、光ビームの幅は、低い鉛直角においては、より大きく、高い鉛直角においては、より狭く、光ビームの制御された投影をもたらす。
【0044】
光学部品40による光ビームのこの制御は、多くの用途をもたらす。例えば、照明ユニット又は照明システムは、とりわけ、天井又は壁などの近接後退部から表面にわたってより一様な照明プロファイルを作成するために利用され得る。別の例としては、照明ユニット又は照明システムは、より「自然な」光分布を作成するために利用され得る。なぜなら、自然照明は、多くの場合、より一様な照明プロファイルを持つからである。壁面照明(wall washing)が望ましい外部建築物などの設定において、本願明細書で開示されている又は別途想定されている照明ユニット又は照明システムは、別の方法で可能であるものと比べてより近い後退部からより一様な照明プロファイルを作成することができる。従来のシステムは、異なる位置に向けられる複数の照明ユニット又は照明システムを必要とするのに対して、本願明細書で開示されている又は別途想定されているような単一の照明ユニット又はシステムは、無駄になる光の削減及びターゲット表面における一様性の大きな改善も供給しながら、システムの複雑さも減らすだろう。例えば、通路照明のために、照明ユニットは、大きな領域を高い一様性で照明しながら、地面に対して非常に低く保たれ得る。事実上無駄にされる光なしに、器具を中心にして180度の光の非常に一様なパターンに、単一の照明ユニットが利用され得る。更に別の用途は、照明ユニット又は照明システムが、近接後退部から掲示板表面にわたってより一様な照明プロファイルを作成するために利用され得る掲示板であり得る。これらの及び多くの他の用途があり得る。
【0045】
本願明細書において規定及び使用されているような全ての定義は、辞書的定義、参照により盛り込まれる文書における定義、及び/又は規定されている用語の通常の意味にわたって制御するよう理解されるべきである。
【0046】
ここで、明細書及び請求項において用いられているような不定冠詞「a」及び「an」は、そうでない旨が明確に示されていない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。
【0047】
ここで、明細書及び請求項において用いられているような「及び/又は」という表現は、そのように等位接続されている要素の「いずれか又は両方」、即ち、幾つかの場合には、連言的に存在し、他の場合には、選言的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」を用いて列挙されている複数の要素は、同じように解釈されるべきであり、即ち、そのように等位接続されている要素の「1つ以上」と解釈されるべきである。「及び/又は」節によって明確に特定されている要素以外にも、明確に特定されているそれらの要素と関連があるかないかは別として、他の要素が、随意に存在し得る。
【0048】
ここで、明細書及び請求項において用いられているような「又は」は、上で規定されているような「及び/又は」と同じ意味を持つよう理解されるべきである。例えば、リスト内のアイテムをばらばらにする場合、「又は」又は「及び/又は」は、多数の又はリストの要素を含んでいる、即ち、多数の又はリストの要素のうちの少なくとも1つを含んでいるが、2つ以上、及び随意に、付加的な、リストに載っていないアイテムを含んでいるとも解釈されるべきである。それとは反対に、「のうちの1つだけ」若しくは「のうちのちょうど1つ」、又は請求項において用いられる場合の「から成る」などの明確に示されている用語だけが、多数の又はリストの要素のうちのちょうど1つの要素を含んでいることを指すだろう。広くは、ここで用いられているような「又は」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つだけ」又は「のうちのちょうど1つ」などの排他性の用語が先立つ場合にしか、排他的な選択肢(即ち、「一方又は他方であり、両方ではない」)を示すと解釈されるべきではない。
【0049】
ここで、明細書及び請求項において用いられているような、1つ以上の要素のリストに関する「少なくとも1つ」という表現は、要素のリストの中の要素の任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも、要素のリストの中で明確に列挙されているありとあらゆる要素の少なくとも1つを含まず、要素のリストの中の要素の如何なる組み合わせも排除しないと理解されるべきである。この定義も、「少なくとも1つ」という表現が関連する要素のリストの中で明確に特定されている要素以外の要素が、明確に特定されているそれらの要素と関連があるかないかは別として、随意に存在し得ることを許容する。
【0050】
ここで請求されている、2つ以上のステップ又は動作を含む如何なる方法においても、そうでない旨が明確に示されていない限り、方法のステップ又は動作の順序は、必ずしも、方法のステップ又は動作が列挙されている順序に限定されないことも理解されるべきである。
【0051】
請求項及び上記の明細書において、「有する」、「含有する」、「備える」、「持つ」、「包含する」、「含む」、「保持する」、「から成る」などのような全ての移行句は、非制限のものであること、即ち、含むが、限定されないことを意味することを理解されたい。米国特許庁審査手順マニュアルの第2111.03項に記載されているように、「から成る」及び「から本質的に成る」という移行句のみが、各々、排他的又は半排他的な移行句である。
【0052】
本願明細書には幾つかの本発明の実施例が記載及び図示されているが、当業者は、本願明細書に記載されている機能を実施するための、並びに/又は本願明細書に記載されている利点のうちの1つ以上及び/若しくは本願明細書に記載されている結果を得るための、様々な他の手段及び/又は構造を容易に案出するだろう。このような変形例及び/又は修正例の各々は、本願明細書に記載されている本発明の実施例の範囲内にあるとみなされる。更に一般的に言えば、当業者は、本願明細書に記載されている全てのパラメータ、寸法、材料及び構成が、例示的なものであるよう意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料及び構成は、本発明の教示が用いられる1つ又は複数の特定のアプリケーションに依存するだろうことを、容易に理解するだろう。当業者は、本願明細書に記載されている特定の本発明の実施例と同等の多くの実施例を、理解するだろう、又は単なるルーチン実験を用いて確認することができるだろう。それ故、上記の実施例は、ほんの一例として提示されているに過ぎず、添付の請求項及びそれらと同等のものの範囲内の本発明の実施例は、詳細に記載されているもの及び請求項記載のもの以外に実施され得ることは、理解されるべきである。本開示の本発明の実施例は、本願明細書に記載されている個々の特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法を対象にしている。更に、2つ以上のこのような特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法の如何なる組み合わせも、このような特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾しない場合には、本開示の本発明の範囲内に含まれ得る。