(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体(22)は、少なくとも1本のワイヤのメッシュで構成され、前記弾性リング(18)は、前記メッシュの少なくとも1本のワイヤを使用して、前記アパーチャにおいて前記第1のインプラント(16)の前記本体(22)に形成されている、請求項11に記載の治療装置(10)。
【背景技術】
【0004】
特許文献1は、第1のインプラントおよび第2のインプラントを含む治療装置を記載している。
【0005】
そのような装置は、一般に、解離性動脈瘤、閉塞性の病変または圧迫などの欠陥または疾患を有する領域を治療するために血液循環導管に植込まれる。
【0006】
現在は、実践可能である場合、装置の植込みは管腔内技術が好ましい。事実、これらの技術は、患者に対する侵襲性が低く、死亡率および罹患率を減少し、さらには入院期間を短縮する。
【0007】
管腔内技術は、直線状の胸部下行大動脈の病変を治療するのには優れた結果をもたらす。しかしながら、大動脈弓の場合、管腔内経路を使用する装置の植込みは、いくつかの困難を提起する。
【0008】
第1に、第1のインプラントは柔軟でなければならない。動脈の軸のねじれに適合でき、湾曲して、大動脈弓内に十分に入れて、次いでその血管の解剖学的構造に沿わせて展開できるほど、柔軟でなければならないのである。
【0009】
次に、いくつかの二次的インプラントを第1のインプラントに配置されたアパーチャに横方向に取り付けなければならない。これらの二次的インプラントは、移動するリスクがないよう第1のインプラントを軸方向に固定し、および大動脈上部の動脈枝路の血管再生を可能にするためにこれらの枝路を覆うように機能する。
【0010】
枝路を有する血液循環導管に上記治療装置を展開するために、最初に第1のインプラントを血流導管に放出することが知られている。第1のインプラントに配置されているアパーチャを、第2のインプラントを植込まなければならない各枝路の起始部に面して配置する。次に、第2のインプラントが、枝路を通って第1のインプラントのアパーチャ内に挿入される。治療装置の配置中に、第2のインプラントを第1のインプラントのアパーチャへ挿入する方向には、2つの方向が存在する。第2のインプラントは、第1のインプラントのアパーチャから進む間に第1のインプラントのアパーチャに配置するか、第1のインプラントのアパーチャに向かって進む間に第1のインプラントのアパーチャに配置する。
【0011】
次に第2のインプラントを展開し、例えば第2のインプラントの一端で半径方向に展開可能なフランジなどの保持部材を介して、第1のインプラントに固定する。
【0012】
装置を体内に植込んだ後に装置が適切に動作することを確実にするために、第1のインプラントに配置されたアパーチャの内側輪郭と第2のインプラントの外側輪郭との間にほぼ完全なシールを作成する必要がある。
【0013】
このシールは、特に、第1のインプラントおよび/または二次的インプラントの移動が生じたときに、患者のプロテーゼという存在全体に亘って維持しなければならない。
【0014】
特許文献2は、治療装置の一次インプラントに対して二次インプラントを所定の位置に保持するために、アパーチャと、アパーチャの周囲に配置される前述のタイプの変形可能なリングとを含むプロテーゼを記載している。リングの変形能力が約4%であることで、鋼製の二次インプラントが植込まれた後の弾性の戻りの作用が制限される。それにもかかわらず、そのようなリングの変形能力は非常に限定的である。特に、リングの弾性を付与する環状のコイルばねは、開口部の曲がった端部において非常に堅固に保持され、それが変形能力を大きく制限する。したがって、装置のシールは、特に、二次インプラントが移動する場合、および/または開口部に垂直な軸に正しく位置合わせしていない場合、必ずしも完全ではない。
【0015】
しかしながら、治療装置を体内に植込んだ後に治療装置を適切に動作させるためには、このような装置のシールを改善することが重要である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明による第1の治療装置10を、
図1〜
図4に示している。第1の治療装置10は、ヒトまたは動物の体内に画定された内側腔部に植込まれることが意図されている。
【0025】
図2を参照すると、腔部は管状の一次セグメント12と、一次セグメント12に接続している枝路14とを含む。
【0026】
一次セグメント12および枝路14は、例えばヒトまたは動物の血管系における血液循環導管である。一次セグメント12は、例えば、動脈または静脈であり、枝路14は、動脈または静脈に接続している血液循環導管である。
【0027】
特に、セグメント12は、大動脈、特に大動脈弓、または腹部の内部体内プロテーゼのセグメントが接続されている大動脈の線状セグメントであり得る。
【0028】
第1の治療装置10は、第1のインプラント16と弾性リング18とを備える。
【0029】
さらに、
図1および
図2に示すように、第1の治療装置10は少なくとも1つの第2のインプラント20を備え、これは第1のインプラント16の上に横方向に組み立てられ、枝路14において第1のインプラント16から突出するように意図されている。第1の治療装置10において、弾性リング18により、第2のインプラント20の周囲にシールを作成することが可能になる。
【0030】
第1のインプラント16は、一次セグメント12に植込まれることが意図されている。第1のインプラント16は、体液を循環させるための中央通路24と、中央通路24内に開口するアパーチャ26とを画定する第1の管状の本体22を備える。
【0031】
管状の本体22は、中心主軸A−A’を中心とする管状の形状を有する。これは、有利には、被覆層32によって覆われた開いた小区画のフレーム30によって形成された管状周壁28を含む。
【0032】
この例では、管状の本体は円筒形状を有する。あるいは、中心軸A−A’を横切る管状の本体22の異なる部分は、異なる直径を有する。例えば、管状の本体22は、円錐形または他の形状を有する。
【0033】
フレーム30は、例えば、ニチノールなどの形状記憶金属から、またはポリマーから、少なくとも1つの弾性ワイヤから形成される。このワイヤまたは各々のワイヤは、小区画を画定する例えばジグザグ状にまたはメッシュとして構成される。
【0034】
被覆層32は、ワイヤセグメント間に画定された中間開口部を閉鎖する。これは、アパーチャ26を除いて、本体22の全長に亘って中央通路24をシール可能に画定する。
【0035】
被覆層32は、例えば、1mm未満などの厚さを有する液密フィルムに基づいて形成される。フィルムは、例えば、シリコーンポリマー、またはPTFEのようなフッ素化ポリマーから作られる。一例では、被覆層32は、織られた布地または編まれた布地などによって形成される。
【0036】
中央通路24は、周壁28によってシール可能に画定されている。これは、近位開口部および遠位開口部を通るように管状の本体22の両側で軸方向に開いている。これはアパーチャ26を横切って開いている。
【0037】
アパーチャ26は、中央通路24の内側および管状の本体22の外側に通じている。
【0038】
第1の治療装置10において、アパーチャ26は側方のアパーチャである。アパーチャ26は、管状の本体22の近位開口部および遠位開口部から離れて周壁28において横方向に配置されている。
【0039】
アパーチャ26により、第2のインプラント20の挿入が可能になる。
【0040】
図3および
図4を参照すると、弾性リング18は、内側開口部40、外側輪郭42および支持面44を画定する。内側開口部40は輪郭46によって画定される。支持面44は、外側輪郭42と、内側開口部40の輪郭46との間に画定される。支持面44は環状である。
【0041】
弾性リング18は、アパーチャ26において第1のインプラント16の管状の本体22に配置される。
【0042】
第1の装置10で、リング18は、アパーチャ26において第1のインプラント16の管状の本体22に取り付けられている。例えば、リング18は、締結部材(図示せず)によってアパーチャ26の周りで管状の本体22に固定される。有利には、締結部材は、リング18の外側輪郭42に配置される。
【0043】
リング18は、中心軸B−B’の周りに実質的に円周方向に延びている。第1の装置10において、弾性リング18の中心軸B−B’は、第1のインプラント16の主軸A−A’に対して実質的に垂直である。実質的に垂直とは、軸が互いに85°〜95°の角度をなすことを意味する。
【0044】
リング18は、中央通路24に面することを意図した内面50と、第1のインプラント16の外側に面することを意図した外面52とを有する。リング18は実質的に平坦である。
【0045】
リング18の支持面44は、わずかに湾曲した形状を有し、アパーチャ26の周りで管状の本体22の周壁28と実質的に相補的である。
【0046】
弾性リング18は、支持面44を覆うが、内側開口部40を閉鎖しない被覆層を含む。被覆層は、内面50と外面52との間の支持面44のシールを確実にする。被覆層は、例えば、弾性リング18の外面52に配置される。あるいは、被覆層は、弾性リング18の内面50に配置される。
【0047】
弾性リング18は、放射線不透過性であることが有利である。これにより、弾性リング18が配置されているアパーチャ26の一次セグメント12の軸に対する向きを確認し、枝路14の前での配置を容易にすることができる。
【0048】
外側輪郭42は、少なくとも1つのワイヤセグメント、ここでは一連のワイヤセグメントで構成されている。外側輪郭42は、中心軸B−B’が中心を通る円に内接する正多角形の形状を有する。リング18が治療装置10にあるとき、外側輪郭42の形状は、例えば、第1のインプラント16への取り付け点により維持する。
【0049】
外側輪郭42の直径は、外側輪郭42の2点間の最大距離として画定される。
【0050】
内側開口部40の直径Dは、内側開口部40の輪郭46の2点間の最大距離として画定される。
【0051】
リング18は、静止位置と挿入位置との間で変形可能であり、挿入位置の場合、内側開口部40は、静止位置における直径よりも長い直径を有する。リング18は、
図3に静止位置、
図4に挿入位置で図示されている。
【0052】
リング18は、静止位置に向かって弾性的に付勢される。
【0053】
弾性リング18の変形は弾性による変形であり、内側開口部40の直径の少なくとも20%、有利には少なくとも30%の可逆的な増加を可能にする。
【0054】
広がる力を内側開口部40に及ぼすと、弾性リング18は、
図5にて見られるように反対の抵抗力Fを及ぼす。内側開口部40の直径Dが静止位置の内側開口部40の直径に対して長いほど、抵抗力は大きい。抵抗力は、後述するように、外側輪郭42の直径の短縮により補われる。実際、抵抗力が増加すると、外側輪郭42の直径が減少する。
【0055】
弾性リング18の可逆的な変形は、特に、間隔を空けて配置できるストランド60が存在していることに起因する。
【0056】
弾性リング18は、弾性リング18を通る少なくとも3本のストランド60を備える。
【0057】
各ストランド60は、外側輪郭42に位置する第1の端部62および第2の端部64を含む。例えば、端部62、64は外側輪郭42に係合している。
【0058】
有利には、リング18は、2本の対のストランド68を含む少なくとも1つの対66のストランド60を含む。対のストランド68は、端部を共有、特にそれらの第1の端部62およびそれらの第2の端部64を共有するストランド60である。
【0059】
有利には、リング18は偶数のストランド60を含み、ストランド60は2本ずつ対になっている。
【0060】
図1〜
図4に示す例では、弾性リング18は、2本ずつ対にした8本のストランド60を含む。したがって、この例の弾性リング18は、4つの対66の対のストランド68を含む。
【0061】
各ストランド60は、第1の端部62と第2の端部64との間に延びている。
【0062】
各ストランド60は、0.1mm〜2mm、例えば0.2mmの直径を有する。
【0063】
図示の例では、ストランド60はすべて同じ長さを有する。
【0064】
ストランド60は、弾性ワイヤから作られている。例えば、ワイヤは、ニチノールなどの形状記憶金属から作られる。あるいは、ワイヤはポリマーで作られる。
【0065】
各ストランド60は、例えば20GPa〜200GPaを含む弾性率を有する。ストランド60の弾性は、ストランド60が第1の端部62と第2の端部64との間でわずかに湾曲している張った形状へとストランド60を強いる。
【0066】
対66の2本のストランド68の間の単独の交点が、それらの端部62、64にある。対66のストランド68は、対のストランド68の第1の端部62および第2の端部64を通る軸C−C’を画定する。
【0067】
この例では、ストランド60の端部62、64は外側輪郭42により保持されている。したがって、各ストランド60は、その端部62、64の間に偏向を有する。そのため、各ストランド60は湾曲した形状を有している。
【0068】
したがって、対66のストランド68は、長円形、特に眼の形状を有する。眼の形状は、各々の対のストランド68が実質的に円弧の形状であり、円弧の曲率が反対であることを意味する。
【0069】
長円形は、有利にも、対66のストランド68の軸C−C’に対して対称である。
【0070】
ストランド60はリング18を通る。これは、リング18の中心軸B−B’に対するストランド60の第1の端部62の角度位置と第2の端部64の角度位置との間の角度が180°に相当することを意味する。
【0071】
有利には、各ストランド60の第1の端部62および第2の端部64は、中心軸B−B’に対して実質的に直径方向に反対の位置にある。
【0072】
対66のストランド68の軸C−C’は、有利には、リング18の中心軸B−B’を通る。
【0073】
対66のストランド60の端部は、外側輪郭42に角度を付けて分布している。これにより、外側輪郭42の周りにすべての力を分配することが可能になる。
【0074】
ストランド60は実質的に単一の平面に延びている。
【0075】
内側開口部40は、リング18の内面50および外面52に入る中央通路の開口部である。
【0076】
前述したように、内側開口部40は、可変の直径を有する。
【0077】
リングが挿入位置にあるとき、内側開口部40の直径は、第2のインプラント20の直径以上であり、その挿入が可能になる。例えば、挿入位置における内側開口部40の直径は4mmより長く、有利には4mm〜10mmに含まれる。
【0078】
静止位置では、内側開口部40の直径は、第2のインプラント20の直径よりも厳密に短い。例えば、挿入位置における内側開口部40の直径は10mmより短く、有利には4mm〜8mmに含まれる。
【0079】
支持面44の幅は、外側輪郭42の直径と内側開口部40の直径との差である。支持面44の幅は、好ましくは、静止位置にある内側開口部40の直径の30%〜60%に含まれる。
【0080】
内側開口部40の輪郭46は、第2のインプラント20の外側輪郭42に適合することができる。
【0081】
内側開口部40の輪郭46は、各ストランド60の部分70によって画定される。内側開口部40の輪郭46は、擬似多角形を有する。「擬似多角形」は、頂点を接続させたいくつかのセグメントにより区切られた実質的に平面の閉じた図形を示す。例えば、セグメントは擬似多角形の頂点間で実質的に湾曲している。
【0082】
擬似多角形の頂点は、2つのストランド60間の交点に位置する。特に、頂点は、同じ対66に属さないストランド60間の交点に位置する。
【0083】
擬似多角形の頂点は、中心軸B−B’を中心として規則的に配置される。したがって、頂点は、中心が軸B−B’にある円に内接する。
【0084】
好都合なことに、擬似多角形の頂点は実質的に同一平面にある。
【0085】
さらに、外側輪郭42と内側開口部40との間に位置するストランド60間の交点は、第2のインプラント20がアパーチャ26に植込まれた後に載る支持面44を画定する。この支持面44は、内側開口部の面積の80%より大きい面積を有する。
【0086】
有利には、ストランド60は単一ワイヤ72から形成される。有利には、ワイヤ72はまた、外側輪郭42を形成するために使用される。
【0087】
ワイヤ72は、好ましくは編組されて、ストランド60間に接合部を形成する。接合部は、ストランド60の間の圧力を分配するよう機能する。
【0088】
図6は、ワイヤ72を編組することを可能にする弾性リングを製造するためのアセンブリを示す。
【0089】
この編組の間、ワイヤ72はスタッド74間の経路に沿って配置され、それは、ワイヤ72のストランド60の間に異なる交点を配置することを可能にする。
【0090】
各交点において、ワイヤ72は、遭遇したワイヤストランド72の下または上を通る。編組は、ワイヤ72の遭遇したストランドの下にあるワイヤ72の通り道と、2つの連続する交点76の間のワイヤ72の遭遇したストランド60の上にあるワイヤ72の通り道の間とを交互に進むことからなり、その後外側輪郭42の一部を発展させ、2本の対のストランド60の別の端部に到達させる。
【0091】
したがって、このように形成された弾性リング18は、いくつかのストランド60が重なる交点76により、ワイヤ72の直径の2倍に実質的に等しい最大厚さを有する。
【0092】
例えば、リング18が編組によって形成されている場合、交点76により、外側輪郭42上の各ストランド60の端部および擬似多角形の頂点を画定することが可能になる。
【0093】
したがって、リング18は、伸長可能な内側開口部40を有する平坦な編組である。
【0094】
ストランド60のワイヤ72の性質により、最適なリングの形状を維持することが可能になる。例えば、装置を植込むために、リング18は、第1のインプラント16の放出装置の中に折り畳まれ、展開後にその最適な初期の形状に戻る。
【0095】
図1および
図2に示すように、第2のインプラント20は、中心主軸D−D’を中心とする第2の管状の本体80を備える。中心主軸D−D’は、リング18の中心軸B−B’に実質的に平行である。
【0096】
第2の管状の本体80は、補助的中心通路84を画定する周壁82を備える。第2のインプラント20を中央開口部40に挿入するとき、補助的中心通路84が第1のインプラント16の中央通路24内に開口している。
【0097】
管状の本体22の周壁28の場合と同様に、第2の本体80の壁82は、被覆層によって覆われた開いた小区画のフレームを含む。例えば、第2の管状の本体80の被覆層は、第1の本体22の被覆層32と同じ材料から作られる。フレームは、例えば、ジグザグ状に構成された少なくとも1本のワイヤ、または小区画を画定するワイヤのメッシュによって形成される。
【0098】
図2に示すように、第2のインプラント20は、ストッパ88を備える。例えば、ストッパ88はフランジを備え、それは有利には一次中心軸D−D’に対して垂直に、第2の管状の本体80の一次中心軸D−D’に対して半径方向に突出している。フランジは、例えば、一次中心軸D−D’を中心とする遠位縁部の全周に亘り、途切れがない。あるいは、フランジは、複数の不連続な分離したフィンガによって形成される。第2のインプラント20を第1のインプラント16に取り付けると、環状支持面44に、また場合によってはアパーチャ26の周りに位置する第1の管状の本体22の内面にストッパ88が当てられ、第1のインプラント16に対する第2のインプラント20の半径方向外側への移動を防止する。したがって、第2のインプラント20は、略T形状を有し、「Tステント」という用語により示される。
【0099】
環状支持面44は、幅が広く、2次元であるため、ストッパ88は強固な支持が得られる。
【0100】
第2のインプラント20は、
図2に示すように、収縮した挿入形状と展開形状との間で変形可能で、枝路14および第1のインプラント16のアパーチャ26に植込まれる。有利なことに、第2のインプラント20は自動拡張可能である。
【0101】
収縮形状では、第2のインプラント20は最小の半径方向範囲を有する。この形状では、ストッパは軸D−D’の近くで半径方向に収縮する。第2のインプラント20は、中央通路24およびアパーチャ26を通って搬送して、弾性リング18の内側開口部40に挿入することができる。
図2に示している展開形状では、第2の管状の本体は、軸D−D’の周りに最大の半径方向範囲を有する。ストッパ88は、軸D−D’に対して横方向に展開される。
【0102】
一例では、第2のインプラント20は、収縮形状でランチャーにおいて維持され、リング18が挿入形状にあるとき、内側開口部40の直径が第2のインプラント20のランチャーの直径以上である。
【0103】
良好なシールを保証するために、第2のインプラント20の展開形状における外側輪郭は、静止位置のリング18の内側開口部40の範囲よりも大きい範囲を有する。展開している第2のインプラント20は、展開形状において、静止位置にあるリング18の内側開口部40の直径よりも大きな外径を有する。
【0104】
第2のインプラント20を内側開口部40に挿入するとき、リング18は第2の管状の本体80の周りで弾性的に変形する。内側開口部40の輪郭46は、次いで、弾性リング18と接触する第2の本体80の外側輪郭に接合する形状を有する。
【0105】
第2のインプラント20が内側開口部40に受け入れられるとき、第1の管状の本体22に対する第2の管状の本体80の空間的形状にかかわらず、第2の管状の本体80の外面に対する半径方向の保持および密封力が加えられる。特に、中央の擬似多角形を画定するストランド60の部分70の各々によって、内側開口部40の輪郭46全体に亘ってシールが作成される。
【0106】
したがって、弾性リング18は、アパーチャ26の第1のインプラント16と第2のインプラント20との間の境界面に相当な力を発生させるシールを保証する。さらに、ストランド60の部分70の分布は、内側開口部40の輪郭46全体に沿ってリング18が第2のインプラント20に対して均一な力を有するように適合される。
【0107】
さらに、第2のインプラント20は、第1のインプラント16に堅牢に保持される。第2のインプラント20を弾性リング18から引き出すのに必要な力は、例えば10Nより大きい。
【0108】
特に、リング18の弾性は、第2のインプラント20の直径が縮む(反動とも呼ばれる)場合に内側開口部40の適合を可能にする。したがって、治療装置により、枝路14の第2のインプラントへの連続的かつ積極的な加圧を維持することが可能になる。
【0109】
装置10は、例えば、動脈12の収縮期−拡張期の血流によって課される、第1のインプラント16と第2のインプラント20との間の相対的な移動および変形に適合することができる。実際に、装置10が、収縮期−拡張期の血流の間に移動できる一方で、側枝の枝路14の第2のインプラントは静止している。したがって、第2のインプラント20と、その均衡する位置に向かって継続して抑制される自動拡張式の第2のインプラント20を継続して抑制するリング18との間におけるこれらの微小移動の間、シールを継続して適用する。
【0110】
一例では、静止時の弾性リング18のDという内側開口部40の直径、およびD
extという外側輪郭42の直径は、植込み前にD
1という第1のインプラント16の直径と、D
2という第2のインプラント20の直径から決まるパラメータである。
【0111】
有利には、第2のインプラント20とリング18との間の最適な接続を得るために、D=2/3D
2であることが望ましい。
【0112】
外側輪郭の直径D
extは、以下の式:D
ext=4/3*D*xに従って内側開口部40の直径の関数として定義される。式中、xは支持面44に依存する係数である。
【0113】
さらに、第2のインプラント20を、第1のインプラント16の直径D
1の10%に相当する分第1のインプラント16へ貫通するために、リング18の外側輪郭42の直径D
extが第1のインプラント16の外周の20%に相当することが有利である。
【0114】
これは、D
ext=0.2πD
1が好ましいことを意味する。
【0115】
したがって、これらの条件では、支持面に依存する係数xは、以下の式:
x=0.2π*8/9*D
1/D
2
から推論できる。
【0116】
次に、本発明による第2の装置(図示せず)について説明する。第1の装置10とは異なり、第1のインプラント16の管状の本体22は、少なくとも1本のワイヤから構成されるメッシュを備え、弾性リング18は、メッシュの少なくとも1本のワイヤ72を用いてアパーチャの第1のインプラントの管状の本体に形成される。この第2の装置では、弾性リング18が第1のインプラント16のワイヤ72で直接編組される。この装置では、弾性リング18は、第1のインプラント18のフレーム30と一体である。これにより、装置の抵抗が改善される。
【0117】
本発明による第3の治療装置では、アパーチャ26は、管状の本体22の軸A−A’に配置される。このとき、リング18の中心軸B−B’は、管状の本体22の軸A−A’に対して実質的に同一線上にある。第1の装置10とは異なり、第1のインプラント16は、第2のインプラント20が挿入される軸方向のアパーチャ26を画定する。
【0118】
軸方向のアパーチャ26は、例えば管状の本体22の遠位開口部に画定される。あるいは、アパーチャ26は、管状の本体22の近位開口部に画定される。
【0119】
第1のインプラント16は、軸方向のアパーチャに延びる弾性リング18を含む。リング18の支持面44は、アパーチャ26の高さで軸A−A’に対して横方向に延びている。
【0120】
第3の装置は、例えば、2つの連続するインプラント16、20を接合するために使用される。実際、第1のインプラントおよび第2のインプラント20の軸A−A’は実質的に同一線上にある。2つの中央通路24、84は、エルボなしで連通する。
【0121】
第3の装置では、第2のインプラントは、第1のインプラント16において軸方向に移動可能であり、弾性リング18によってシール可能に保持される。これにより、操作者は、異なる解剖学的構造に適合するように、インプラントの相対的な軸方向の位置を互いに対して調整することが可能になる。
【0122】
1つの代替案では、弾性リング18は、例えば一次導管12における流体の通る流量を減少させるために、第2のインプラント20なしで使用することができる。リング18は、その弾性という特性のために、第1のインプラント16において循環する液体の流れにより課せられる移動に適合する。
【0123】
この例では、8本のストランドが示されている。しかしながら、ストランドの数は、リング18の内側開口部40の輪郭46を画定するために少なくとも3本のストランド60、好ましくは少なくとも4本のストランド60が存在している限り、異なっていてもよい。
【0124】
ストランド60の対66の数は、有利には2本〜8本が含まれる。
【0125】
あるいは、ストランド60の配置が異なっている。例えば、外側輪郭42上のストランド60の端部62、64が異なる。例えば、いくつかのストランド60は異なる長さを有する。
【0126】
図1に示す例では、第1のインプラント16は、被覆層32を含む体内プロテーゼである。1つの代替案では、第1のインプラント16は、フレーム30に被覆層32を含まないステントである。
【0127】
あるいは、リング18が配置されている本体22は管状ではない。