(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記気相検体が、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、酢酸、又はトリアルキルアミンの1つ以上から選択される、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のガスセンサーは、基材、基材上の複数の電極、及び気相検体を吸着するための基材上のポリマー検知層を含む。気相検体の吸着は、ガスセンサーからの出力信号の変化をもたらすガスセンサーの特性を変化させるために有効である。例えば、水晶振動子マイクロバランス(QCM)及びフィルムバルク音響共振子センサーなどのバルク音響波(BAW)センサー、並びに表面音響波(SAW)センサーなどの、音響波センサーの場合には、ポリマー検知層上の気相検体の吸着は、圧電性変換器回路の共振周波数の変化を引き起こす。容量性センサーの場合には、ポリマー検知層上への気相検体の吸着は、デバイス電気容量の変化を提供し、一方、電気伝導度ガスセンサーでのそのような吸着は、デバイスの電気伝導度(又は抵抗)の変更をもたらす。測定可能な特性及びセンサー出力信号のそのような変化は、ポリマー層上の吸着された検体の含有量と相関させることができる。
【0016】
ポリマー検知層は、芳香族アセチレン基を含む第1モノマーと、2つ以上のシクロペンタジエノン基を含む第2モノマーとを含むモノマーの反応生成物、又はそのような反応生成物の硬化生成物を含む置換若しくは非置換ポリアリーレンから選択される検知ポリマーを含む。第1及び第2モノマーは、同じ又は異なるものであることができ、第1及び第2モノマーは、任意選択的に及び好ましくは、それぞれ、アセチレン及びシクロペンタジエノン基を含むことができる。好適なポリアリーレンポリマーとしては、例えば、式(1)又は(2):
【化1】
(式中:Rは、H、−C(=O)OR
2、置換若しくは非置換C
6〜
20アリール、又は置換若しくは非置換C
4〜
20ヘテロアリールから独立して選択され;R
1は、F、C
1〜10フルオロアルキル、C
1〜10ヒドロキシアルキル、若しくはC
1〜10アミノアルキルなどの、置換若しくは非置換C
1〜10アルキル、置換若しくは非置換C
6〜
20アリール、C
4〜
20ヘテロアリール、−C≡C−R、−C(=O)OR
2、
−C(=O)NHR
3、−O−C(=O)R
4、−NHC(=O)R
5、−S(=O)
2−OR
6、又は−S(=O)
2−NHR
3から独立して選択され;R
2は、H、C
1〜10フルオロアルキル、C
1〜10ヒドロキシアルキル、若しくはC
1〜10アミノアルキルなどの、置換若しくは非置換C
1〜10アルキル、C
6〜
20アリール、又はC
4〜
20ヘテロアリールから独立して選択され;R
3は、H又は置換若しくは非置換C
1〜10アルキルから独立して選択され;R
4は、H又は、C
1〜10ヒドロキシアルキルなどの、置換若しくは非置換C
1〜10アルキル、−O(C
1〜10アルキル)、又は−NH(C
1〜10アルキル)から独立して選択され;R
5は、H又は、C
1〜10ヒドロキシアルキルなどの、置換若しくは非置換C
1〜10アルキル、−O(C
1〜10アルキル)、又は−NH(C
1〜10アルキル)から独立して選択され;R
6は、H又は置換若しくは非置換C
1〜10アルキルから独立して選択される)
から選択される1種以上の第1モノマーと;2つ以上のシクロペンタジエノン基を含む1種以上の第2モノマーとを重合単位として含むものが挙げられる。アリール基は、1つ以上のヘテロ原子、例えば、N、O、又はSを含んでもよく、好ましいヘテロアリール基は、例えば、フラン、ピリジン、ピラジン、ピラゾール、トリアジン、オキサゾール、インドール、ベンゾフラン、カルバゾール、チオフェン、キノロン、イソキノリン、又はクロメンの1つ以上を含む。アリール基についての典型的な置換基としては、例えば、ヒドロキシ、フルオロ、アミノ、カルボキシ、チオ、又はチオカルボニルの1つ以上が挙げられる。式(1)のモノマーについては、aは、0〜2の整数であり、より好ましくは、aは、0又は1である。式(2)のモノマーについては、aは、0〜3、より好ましくは0〜2、さらにより好ましくは、0又は1の整数である。
【0017】
各Rは、好ましくは、H、C
6〜
20アリール、又はC
4〜
20ヘテロアリールから、より好ましくはH、C
6〜
10アリール、又はC
4〜
10ヘテロアリールから、その上より好ましくはH又はフェニルから独立して選択される。各R
1は、−C(=O)OR
2、−C(=O)NHR
3、−O−C(=O)R
4、−S(=O)
2−OR
6、及び−S(=O)
2−NHR
3から、より好ましくは−C(=O)OR
2及び−C(=O)NHR
3から、その上より好ましくは−C(=O)OR
2から独立して選択されることが好ましい。好ましくは、R
2は、H、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、又はC
1〜6アミノアルキル、より好ましくはH、C
1〜4アルキル、又はC
1〜6ヒドロキシアルキル、さらにより好ましくはHである。R
3は、好ましくはH又はC
1〜6アルキル、より好ましくはH又はC
1〜4アルキルである。R
4は、C
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、−O(C
1〜10アルキル)、又は−NH(C
1〜10アルキル)、より好ましくはC
1〜6アルキル、C
1〜6ヒドロキシアルキル、−O(C
1〜6アルキル)、又は−NH(C
1〜6アルキル)であることが好ましい。R
5は、好ましくはH、C
1〜10アルキル、−O(C
1〜10アルキル)、又は−NH(C
1〜10アルキル)、より好ましくはH、C
1〜6アルキル、−O(C
1〜6アルキル)、又は−NH(C
1〜6アルキル)である。R
6は、好ましくはH又はC
1〜6アルキル、より好ましくはH又はC
1〜4アルキル、さらにより好ましくはHである。式(1)及び(2)のモノマーにおける任意の2つのアルキニル部分は、互いにオルト、メタ又はパラ関係、好ましくは互いにメタ又はパラ関係を有し得る。好ましくは、アルキニル部分は、互いにオルト関係ではない。式(1)及び(2)の好適なモノマーは、一般に、商業的に入手可能であるか、又は当該技術分野において公知の方法によって容易に調製され得る。
【0018】
ポリアリーレンポリマーは、式(1)の1種以上のモノマー、若しくは式(2)の1種以上のモノマー、又は式(1)の1種以上のモノマーと式(2)の1種以上のモノマーとの混合物からなり得る。式(1)のモノマーが、好ましい第1モノマーである。ポリアリーレンポリマーは、式(1)の1種以上のモノマー又は式(1)の1種以上のモノマーと式(2)の1種以上のモノマーとの混合物からなる、及びより好ましくはポリアリーレンポリマーは、式(1)の1種以上のモノマーからなることが好ましい。
【0019】
2つ以上のシクロペンタジエノン部分を含有する任意のモノマーが、本ポリマーを調製するための第2モノマーとして好適にも使用され得る。或いはまた、それぞれが2つのシクロペンタジエノン部分を有する、2種以上の異なるモノマーの混合物が、第2モノマーとして使用され得る。2つのシクロペンタジエノン部分を含有するそのようなモノマーは、(特許文献1);(特許文献2);及び(特許文献3);(特許文献4);並びに(特許文献5)及び(特許文献6)に記載されているものなど、当技術分野において周知である。第2モノマーは、式(3):
【化2】
(式中、各R
7は、H、置換若しくは非置換C
1〜6アルキル、置換若しくは非置換C
6〜
20アリール、又は置換若しくは非置換C
4〜
20ヘテロアリールから独立して選択され;Ar
1は芳香族部分である)
で示される構造を有することが好ましい。好ましくは、各R
7は、C
3〜6アルキル、フェニル、又は置換フェニルから独立して選択され、より好ましくは、各R
7はフェニルである。
【0020】
式(3A):
【化3】
(式中、各R
7は、H、置換若しくは非置換C
1〜6アルキル、置換若しくは非置換C
6〜
20アリール、又は置換若しくは非置換C
4〜
20ヘテロアリール、好ましくはC
3〜6アルキル、置換若しくは非置換フェニルから独立して選択され、より好ましくは各R
7はフェニルであり;R
8は、置換若しくは非置換C
6〜
20アリール、又は置換若しくは非置換C
4〜
20ヘテロアリール、好ましくはフェニルであり;R
9は、置換若しくは非置換C
1〜6アルキル、置換若しくは非置換C
6〜20アリール、又は置換若しくは非置換C
4〜
20ヘテロアリール、好ましくは置換若しくは非置換C
6〜
20アリール、最も好ましくはフェニルから独立して選択され;Ar
1は芳香族部分である)
のものが、第2モノマーのために特に好ましい。
【0021】
(特許文献1)に開示されているものなどの、多種多様の芳香族部分がAr
1としての使用に好適である。 Ar
1に有用な例示的な芳香族部分としては、式(4):
【化4】
(式中、xは、1、2又は3から選択される整数であり、yは、0、1、又は2から選択される整数であり、各Ar
2は、
【化5】
から独立して選択され、
各R
10は、ハロゲン、C
1〜6ハロアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロアルコキシなどの、置換若しくは非置換C
1〜6アルキル、フェニル、及びフェノキシから独立して選択され;cは、0〜4の整数であり;d及びeのそれぞれは、0〜3の整数であり;各Zは、O、S、NR
11、PR
11、P(=O)R
11、C(=O)、CR
12R
13、及びSiR
12R
13から独立して選択され;R
11、R
12、及びR
13は、H、C
1〜4ハロアルキルなどの、置換若しくは非置換C
1〜4アルキル、及びフェニルから独立して選択される)
に示される構造を有するものが挙げられる。xは1又は2、より好ましくは1であることが好ましい。yは0又は1、より好ましくは1であることが好ましい。好ましくは、各R
10は、ハロゲン、ハロC
1〜4アルキル、C
1〜4アルコキシ、ハロC
1〜4アルコキシなどの、置換若しくは非置換C
1〜4アルキル、及びフェニルから、より好ましくはフルオロ、C
1〜4アルキル、フルオロC
1〜4アルキル、C
1〜4アルコキシ、フルオロC
1〜4アルコキシ、及びフェニルから独立して選択される。cは0〜3、より好ましくは0〜2、その上好ましくは0又は1であることが好ましい。d及びeのそれぞれは、独立して、0〜2、より好ましくは0又は1であることが好ましい。式(6)において、d+e=0〜4、より好ましくは0〜2であることが好ましい。各Zは、好ましくは、O、S、NR
11、C(=O)、CR
12R
13、及びSiR
12R
13から、より好ましくはO、S、C(=O)、及びCR
12R
13から、その上より好ましくはO、C(=O)、及びCR
12R
13から独立して選択される。各R
11、R
12、及びR
13は、H、C
1〜4アルキル、フルオロC
1〜4アルキル、及びフェニルから;より好ましくはH、C
1〜4アルキル、フルオロC
1〜2アルキル、及びフェニルから独立して選択されることが好ましい。好ましくは、各Ar
2は、式(5)を有する。
【0022】
好適な模範的なポリアリーレンとしては、以下のもの:
【化6】
が挙げられる。
【0023】
ポリアリーレンポリマーにおける繰り返し単位の数は、典型的には、2〜100である。ポリアリーレンポリマーは、ホモポリマー、又は2、3若しくはそれ以上の異なるタイプの繰り返し単位を有するコポリマーの形態を取ることができる。好適なポリアリーレンポリマーは、例えば、模範的なポリアリーレン構造に表された繰り返し単位の1つ以上を含むことができる。ポリアリーレンポリマーは、典型的には、ポリスチレン標準を使用するGPCによって測定される、1kDa〜200kDa、例えば、3〜100又は4〜50kDaの数平均分子量Mnを有する。
【0024】
本明細書で用いるところでは、「置換された」は、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル、アミノ、チオール、ニトリル、ニトロ、カルボキシル、カルボニル、カルボキサミド、エーテル、エステル、カーボネートエステル、スルホニル、スルフィニル、C
1〜
30アルキル、C
2〜
30アルケニル、C
7〜
30アラルキル、C
6〜
30アリール、C
4〜
30ヘテロアリール、−OR、−C
1〜
30アルキレン−OR、又は−C
1〜
30アルキリデン−ORなどの少なくとも1つの置換基を含むことを意味し;ここで、Rは、例えば、H、C
1〜
30アルキル、C
2〜
30アルケニル、C
6〜
30アリール、又はC
4〜
30ヘテロアリールから選択される。典型的には、置換基は、例えば、フッ素、C
1〜
20アルキル、C
2〜
20アルケニル、C
7〜
30アラルキル、C
6〜
20アリール、C
4〜
20ヘテロアリール、−OR、−C
1〜
20アルキレン−OR、又は−C
1〜
20アルキリデン−ORから;より典型的にはフッ素、C
1〜
10アルキル、C
2〜
12アルケニル、C
7〜
30アラルキル、C
6〜
20アリール、C
4〜
20ヘテロアリール、−OR、−C
1〜
20アルキレン−OR、又は−C
1〜
20アルキリデン−ORから選択される。Rは、典型的には、H、C
1〜
20アルキル、C
2〜
20アルケニル、C
6〜
20アリール、又はC
4〜
20ヘテロアリール、より好ましくはH、C
1〜
10アルキル、C
6〜
20アリール、又はC
4〜
20ヘテロアリール、最も典型的にはHから選択される。本明細書での式に関して開示されるいかなる基又は構造も、特に明記しない限り、又はそのような置換が結果として生じる構造の所望の特性に有意に悪影響を及ぼさない限り、そのように置換され得ることが理解されるであろう。本明細書で用いるところでは、「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する芳香環系を言う。好ましくは、ヘテロアリール基は、5又は6員環である。
【0025】
指定の数の炭素原子を含有する基が、別の基で置換されている場合、結果として生じる「置換された」基中の炭素原子の数は、元の(非置換の)基に含有される炭素原子と、置換基に含有される炭素原子(もしあれば)の合計である。例えば、C
6〜C
30アリール基で置換されたC
1〜C
20アルキル基について、結果として生じるアリール置換アルキル基中の炭素原子の総数は、C
7〜C
50である。
【0026】
ポリアリーレン検知ポリマーは、当業者によって容易に製造されることができる。ポリマー検知層は、検知ポリマー及び溶媒を含む、並びに1種以上の任意選択の成分を含んでもよい検知ポリマー組成物から形成される。検知ポリマーは、典型的には、組成物の全固形分を基準として、90〜100重量%、95〜100重量%、98〜100重量%又は100%の量で検知ポリマー組成物中に存在する。
【0027】
検知ポリマー組成物の溶媒成分は、組成物の調合及びキャスティングを可能にするべきであり、単一溶媒又は2種以上の個別の溶媒の組み合わせを含み得る。溶媒成分は、組成物の検知ポリマー及び他の非溶媒成分に対して優れた溶解性特性を示すべきである。溶媒は、検知ポリマー組成物の特定のポリマー及び他の成分に依存するであろう。溶媒は、水、水溶液、有機溶媒及びそれらの混合物から選択することができ、有機溶媒が典型的である。検知ポリマー組成物用の好適な有機溶媒としては、例えば:メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール及び4−オクタノール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−ヘキサノールなどのC
1〜
9直鎖又はC
3〜
9分岐若しくは環状一価アルコール、並びに2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオールなどのC
5〜
9フッ素化ジオールなどのアルコール;エチルラクテート、メチル2−ヒドロキシイソブチレート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、n−ブチルアセテートなどのアルキルアセテート、メチルメトキシプロピオネート、n−ブチルプロピオネート、n−ペンチルプロピオネート、n−ヘキシルプロピオネート及びn−ヘプチルプロピオネートなどのプロピオネート、並びにn−ブチルブチレート、イソブチルブチレート及びイソブチルイソブチレートなどのアルキルブチレートなどのアルキルエステルなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,5−ジメチル−4−ヘキサノン及び2,6−ジメチル−4−ヘプタノンなどのケトン;n−ヘプタン、n−ノナン、n−オクタン、n−デカン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、3,3−ジメチルヘキサン及び2,3,4−トリメチルペンタンなどの脂肪族炭化水素、並びにパーフルオロヘプタンなどのフッ素化脂肪族炭化水素;アニソール、トルエン、キシレン及びメシチレンなどの芳香族炭化水素;イソペンチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル及びテトラヒドロフランなどのエーテル;ガンマ−ブチロラクトン及びガンマ−バレロラクトンなどのラクトン;N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、ピロリジン、ピペリジン及びピリジンなどのアミン含有有機溶媒;並びにこれらの溶媒の1つ以上を含有する混合物が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、アルコール、脂肪族炭化水素及びエーテルが好ましい。検知ポリマー組成物の溶媒成分は、検知ポリマー組成物の総重量を基準として、典型的には、80〜99重量%、より典型的には、90〜99重量%又は95〜99重量%の量で存在する。
【0028】
検知ポリマー組成物は、例えば、架橋剤、界面活性剤、酸化防止剤、着色剤、接着促進剤、又はそれらの組み合わせから選択される1つ以上の任意選択の成分を含むことができる。そのような任意選択の添加剤は、使用される場合、それぞれ典型的には、組成物の全固形分を基準として少量で組成物中に存在する。任意選択の添加剤及び量は、対象の検体のためのポリマー検知層が悪影響を受けないように選択されるべきである。
【0029】
検知ポリマー組成物中の特定のポリマーに応じて、例えば、検知ポリマー層中の検知ポリマーに強度又は弾性などの改善された機械的特性を提供するために、検知ポリマー組成物中に架橋剤を含むことが望ましい可能性がある。好適な架橋剤は、検知組成物中のポリマーに依存するであろうし、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、メトキシメチル化された1〜6つのメチロール基を有するヘキサメチロールメラミン化合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシルオキシメチルメラミン、及びアシルオキシメチル化された1〜6つのメチロール基を有するヘキサメチロールメラミン化合物などのメラミン化合物;テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、メトキシメチル化された1〜4つのメチロール基を有するテトラメチロールグアナミン化合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシルオキシグアナミン、アシルオキシメチル化された1〜4つのメチロール基を有するテトラメチロールグアナミン化合物、及びベンズグアナアミン化合物などのグアナミン化合物;テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、メトキシメチル化された1〜4つのメチロール基を有するテトラメチロールグリコールウリル化合物、及びアシルオキシメチル化された1〜4つのメチロール基を有するテトラメチロールグリコールウリル化合物などの、メチロール、アルコキシメチル及びアシルオキシメチル基から選択される少なくとも1つの基をその上に置換されているグリコールウリル化合物;テトラメチロール尿素、テトラメトキシメチル尿素、メトキシメチル化された1〜4つのメチロール基を有するテトラメチロール尿素化合物、及びテトラメトキシエチル尿素などの、メチロール、アルコキシメチル及びアシルオキシメチル基から選択される少なくとも1つの基をその上に置換されている尿素化合物;トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリメチロールメタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、及びトリエチロールエタントリグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物;イソシアネート化合物、アジド化合物;ヒドロキシ含有化合物;又はアルケニルエーテル基などの二重結合を有する化合物から選択され得る。これらの化合物は、添加剤として使用さても又はペンダント基としてポリマー側鎖中へ導入されてもよい。架橋剤は、使用される場合、典型的には、検知ポリマー組成物の全固形分を基準として0.5〜50重量%又は0.5〜25重量%の量で検知ポリマー組成物中に存在する。
【0030】
典型的な界面活性剤としては、それらが同時に親水性及び疎水性の両方であることができることを意味する、両親媒性性質を示すものが挙げられる。両親媒性界面活性剤は、水に対する強い親和力を有する、親水性ヘッド基と、親有機性であり、水をはじく、長い疎水性テールとを有する。好適な界面活性剤は、イオン性(すなわち、アニオン性、カチオン性)又は非イオン性であることができる。界面活性剤のさらなる例としては、シリコーン界面活性剤、ポリ(アルキレンオキシド)界面活性剤、及びフルオロケミカル界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン界面活性剤としては、TRITON(登録商標)X−114、X−100、X−45、X−15などのオクチル及びノニルフェノールエトキシレート並びにTERGITOL(商標)TMN−6(The Dow Chemical Company,Midland,Michigan USA)などの分岐第二級アルコールエトキシレートが挙げられるが、それらに限定されない。もっとさらに模範的な界面活性剤としては、アルコール(第一級及び第二級)エトキシレート、アミンエトキシレート、グルコシド、グルカミン、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、又は(非特許文献2)に開示されている他の界面活性剤が挙げられる。アセチレン性ジオール誘導体である非イオン界面活性剤も好適であることができる。そのような界面活性剤は、Allentown,PAのAir Products and Chemicals,Inc.から商業的に入手可能であり、SURFYNOL及びDYNOLの商品名で販売されている。追加の好適な界面活性剤としては、トリブロックEO−PO−EOコポリマーPLURONIC 25R2、L121、L123、L31、L81、L101及びP123(BASF,Inc.)などの他のポリマー化合物が挙げられる。界面活性剤は、使用される場合、典型的には、検知ポリマー組成物の全固形分を基準として0.01〜10重量%の量で検知ポリマー組成物中に存在する。
【0031】
酸化防止剤は、検知ポリマー組成物中の有機材料の酸化を防ぐ又は最小限にするために検知ポリマー組成物に含まれることができる。好適な酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、有機酸誘導体からなる酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、アミン−アルデヒド縮合物からなる酸化防止剤及びアミン−ケトン縮合物からなる酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤の例としては、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジノニルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)2,4−ビス−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、オクチル化フェノール、アラルキル置換フェノール、アルキル化p−クレゾール及びヒンダードフェノールなどの置換フェノール;4,4’−ジヒドロキシジフェニル、メチレン−ビス(ジメチル−4,6−フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−/(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、メチレン架橋多価アルキルフェノール、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、アルキル化ビスフェノール、ヒンダードビスフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、及びテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのビス−、トリス−及びポリ−フェノールが挙げられる。好適な酸化防止剤は、商業的に入手可能であり、例えばIrganox(商標)酸化防止剤(Ciba Specialty Chemicals Corp.)である。酸化防止剤は、使用される場合、典型的には、検知ポリマー組成物の全固形分を基準として0.01〜10重量%の量で検知ポリマー組成物中に存在する。
【0032】
着色剤は、例えば、染料及び顔料を含み、ポリマー検知層厚さの測定可能性、コーティング品質を検査する能力、下層基材に検知層を配列させる能力、又は装飾外観の1つ以上を改善することために望ましい可能性がある。好適な着色剤としては、例えば、アルミナ水和物、粘土、炭酸バリウム及び硫酸バリウムなどの体質顔料;酸化亜鉛、鉛白、クロム黄、弁柄、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、紅土及びカーボンブラックなどの無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、銅フタロシアニンブルー及び銅フタロシアニングリーンなどの有機顔料;マゼンタ及びローダミンなどの塩基性染料;ダイレクトスカーレット及びダイレクトオレンジなどの直接染料;ロセリン及びメタニルイエローなどの酸性染料が挙げられる。着色剤は、使用される場合、典型的には、検知ポリマー組成物の全固形分を基準として0.01〜10重量%の量で検知ポリマー組成物中に存在する。
【0033】
検知ポリマー組成物での接着促進剤の使用は、下層基材へのポリマー検知層の接着性を改善し得る。好適な接着促進剤としては、例えば:ジチオグリセロール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルチオ)エチレン、3−(2,3−ジヒドロキシプロピルチオ)−2−メチル−プロピルスルホン酸ナトリウム、1−チオグリセロール、3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、及び3−メルカプト−1−プロパノールなどの硫黄含有化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、ピロカテコール、tert−ブチルカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、サリチルアルコール、p−ヒドロキシベンジルアルコール、o−ヒドロキシベンジルアルコール、p−ヒドロキシフェネチルアルコール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、アミノフェノール、アミノレゾルシノール、p−ヒドロキシベンゾエート、o−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、及び没食子酸などの芳香族ヒドロキシ化合物;ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−メチルベンゾトリアゾール、1−アミノベンゾトリアゾール、1−フェニルベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1−ベンゾトリアゾールカルボン酸メチル、5−ベンゾトリアゾールカルボン酸、1−メトキシ−ベンゾトリアゾール、1−(2,2−ジヒドロキシエチル)−ベンゾトリアゾール、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール又は2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスエタン、及び2,2’−{[(4−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ}ビスプロパンなどのベンゾトリアゾール系化合物;1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールなどのトリアジンベースの化合物、並びに1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールなどのケイ素含有化合物が挙げられる。接着促進剤は、使用される場合、典型的には、検知ポリマー組成物の全固形分を基準として0.05〜10重量%の量で検知ポリマー組成物中に存在する。
【0034】
検知ポリマー組成物は、公知の手順に従って調製することができる及び/又は商業的に入手可能である。例えば、組成物は、組成物の検知ポリマー及び他の任意選択の固体成分を溶媒成分に溶解させることによって調製することができる。組成物の所望の全固形分は、組成物中の特定のポリマー及びポリマー検知層の所望の最終厚さなどの要因に依存するであろう。典型的には、検知ポリマー組成物の固形分は、検知ポリマー組成物の総重量を基準として、1〜20重量%、より典型的には1〜10重量%又は1〜5重量%である。
【0035】
センサー形成中に、検知ポリマー組成物は、スピンコーティング、ディッピング、ドロップキャスティング、ローラーコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア又は他の従来のコーティング技術によって塗布することができる。これらのコーティング技術のうち、スピンコーティングが典型的である。スピンコーティングについて、検知ポリマー組成物の固形分を、利用される特定のコーティング装置、溶液の粘度、コーティングツールのスピン速度及びスピニングのために許される時間の量に基づいて調節して所望のフィルム厚さを提供することができる。
【0036】
ポリマー検知層は、典型的には、層から溶媒の全てを実質的に除去し、それによってタックなしのコーティングを形成し、且つ、下層構造への層の接着性を改善するために高温で硬化させられる。組成物の特定のポリマー及び成分に応じて、硬化は、例えば、酸化、ガス放出、重合、縮合、又は架橋によって、ポリマーにさらなる変化を引き起こし得る。硬化は、典型的には、ホットプレート上で又はオーブン中で行われる。硬化は、例えば、空気又は窒素、アルゴン若しくはへリウムなどの不活性ガスの雰囲気中で行うことができるし、又は真空下で行うことができる。本発明の好ましい態様において、ポリマー検知層は、不活性ガス雰囲気中で硬化させられる。硬化のための温度及び時間は、例えば、検知ポリマー組成物の特定のポリマー及び溶媒、並びに層厚さに依存するであろう。典型的な硬化温度は100〜450℃であり、300〜400℃又は325〜350℃の温度が好ましい。好ましくは、硬化は、不活性ガス雰囲気中で300〜400℃又は325〜350℃の温度で行われる。硬化時間は、典型的には30秒〜2時間、好ましくは10〜90分又は50〜70分である。硬化は、単一段階で又は多段階で行うことができる。硬化は、一定温度で又は傾斜した若しくは階段状の温度プロフィールなどの多様な温度プロフィールでポリマー検知組成物層を加熱することによって行うことができる。
【0037】
上記の好ましい条件で硬化させられたものなどの、本発明の好ましい検知ポリマー組成物は、有益な特性、例えば高い検体感度及び優れた経時安定性を示すことができる。いかなる特定の理論にも制約されることなく、好ましい条件下での検知ポリマー組成物の硬化は、酸化を最小限にしながら又は排除しながらポリマーを効果的に架橋することができると考えられる。検知ポリマーの架橋の存在及び程度は、硬化検知ポリマー層のFTIR及びラマン(Raman)スペクトルの組み合わせによって見ることができる。一態様において、好ましい硬化ポリマー検知層は、0.15以下の1648〜1690cm
−1の全ピーク面積対1480〜1522cm
−1の全ピーク面積の好ましい比を有するFTIRスペクトルを示す。このFTIRピーク比は、硬化プロセス中に起こる硬化前検知ポリマーの酸化の程度を実証すると考えられる。別の態様において、好ましいポリマー検知層は、1.0以下の2190〜2250cm
−1の全ピーク面積対1550〜1650cm
−1の全ピーク面積の好ましい比を有するラマンスペクトルを示す。このラマンピーク比は、硬化プロセス中に起こる硬化前検知ポリマーにおけるアルキンの反応の程度を実証すると考えられる。本発明の好ましいポリアリーレン検知ポリマーは、硬化中の酸素含有量の増加を示さない。好ましくは、硬化ポリマー検知層は、x線光電子分光法によって測定されるように、7原子%以下の酸素含有量を有する。酸素含有量は、硬化前検知ポリマーの酸化の程度を実証すると考えられる。
【0038】
ポリマー検知層の厚さは、特に限定されず、例えば、特定のポリマー、センサータイプ及びセンサージオメトリーに依存するであろう。ポリマー検知層についての厚さは、典型的には、10nm〜10ミクロンである。音響波センサーの場合には、厚さは、典型的には、10〜1000nm、50〜500nm又は100〜400nmである。容量性及び電気伝導度センサーにおける検知層は、典型的には、1〜10ミクロンである。厚いポリマー層が望ましい場合、コーティング及び任意選択の硬化を追加1回以上繰り返すことができる。ポリマー検知層の厚さの上限は、センサーの特定のタイプに影響され得る。例えば、音響波センサーの場合には、圧電結晶層の発振能力が厚さの上限に影響し得るし、より厚い層は典型的には振動を抑制する。
【0039】
これに限定することなく、ポリマー検知層を適用することができる本発明のガスセンサーとしては、音響波、容量性及び電気伝導度センサーが挙げられる。本発明は、模範的なそのようなガスセンサーを例示する、
図1〜4に関してさらに説明されるであろう。
【0040】
図1〜3は、本発明に従った様々な音響波センサーを例示する。好適な音響波センサーとしては、例えば、水晶振動子マイクロバランス及びフィルムバルク音響共振子センサーなどのバルク音響波センサー、並びに表面音響波センサーが挙げられる。そのようなセンサータイプ、及び一般に音響波センサー、並びにそれらの製造は、当技術分野において公知であり、例えば、(非特許文献3)、(非特許文献1)に記載されている。本明細書に記載されるようなポリマー検知層の音響波センサーへの適用は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、酢酸、又はトリアルキルアミンの1つ以上を含む気相検体の検知を可能にすることができる。センサーは、有機物質の検知に特に適している。
【0041】
圧電効果を示すあらゆる圧電材料(結晶)を、音響波センサーにおける圧電層のために使用することができる。典型的な圧電材料としては、例えば、リン酸ガリウム、石英、トルマリン、チタン酸バリウム、ニオブ酸マグネシウム−チタン酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、硝酸アルミニウム、又は酸化亜鉛が挙げられる。典型的には、圧電材料は、20kHz〜100MHz、典型的には0.1〜50MHz、より典型的には0.1〜30MHzの周波数範囲に基本モードを有する。任意選択的に、高調波を用いる検出は、より高周波数範囲、例えば、1MHz〜20GHz、又は30MHz〜500MHzにおいて用いることができる。
【0042】
センサータイプ及び設計に応じて、ポリマー検知層は、直接上に(すなわち、物理的接触して)か、それと圧電層との間の1つ以上の介在層ありでかのどちらかで圧電層の上に配置され得る。いくつかのセンサー設計において、ポリマー検知層は、ある種のQCM又はFBARセンサーにおいてなど、順繰りに圧電層の上に配置され得るセンサーの電極の上に配置され得る。いくつかのセンサー設計において、ポリマー検知層は、SAWセンサーにおいてなど、電極間に配置され得る。
【0043】
図1は、水晶(圧電性)共振層(結晶)100、共振層の前面の上の前面(すなわち、検知側)電極102、共振層の裏面の上の裏面電極103、及び前面電極102の上に配置された本明細書に記載されるようなポリマー検知層104を含む、例示的なQCMセンサーを横断面で例示する。電極は、金属、典型的には金又はチタンでできており、めっき、スパッタリング又は蒸着などの金属化プロセスによって形成することができる。QCMシステムは、金属水晶ホルダーと、電力を供給する及び共振周波数を制御し、測定するためのエレクトロニクスとをさらに含む。検体検出は、検体でのポリマー検知層の質量負荷によって引き起こされる周波数シフトを測定することによって行うことができる。検体分子に対する検知層の化学親和力についての知識は、共振周波数シフト対検体濃度の相関を可能にする。本発明のQCMセンサーの動作周波数は、典型的には、5〜300MHzである。QCMセンサーは、当技術分野において公知である(例えば、(特許文献7))。本発明に従ったQCMセンサーは、当業者によって製造することができる。さらに、本発明に従ったセンサーの形成に使用するのに好適なQCMセンサーは、商業的に入手可能であり、例えば、Stanford Research Systems及びInficonから入手可能なものである。また、石英以外の圧電材料、例えば、ランガサイト及びリン酸ガリウムを使用するマイクロバランスも、商業的に入手可能である。そのような市販のセンサーは、例えば、前面電極102の上に本明細書に記載されるような検知ポリマー組成物の層を適用してポリマー検知層104を形成することによって改善することができる。
【0044】
図2は、本発明に従った模範的なフィルムバルク音響共振子(FBAR)センサーを横断面で例示する。FBARセンサーは、単結晶シリコンから典型的には形成された、基材200であって、その上に絶縁層202が配置されている基材、前面(すなわち、検知側)電極204、圧電層206、裏面電極208、及び基材中に形成された空洞212中に配置された本明細書に記載されるようなポリマー検知層210を含む。FBARセンサーは、典型的には、当業者に公知のシリコンマイクロ機械加工技術によって形成される(例えば、(非特許文献4)。模範的な製造プロセスは、絶縁層202、典型的には低いストレスLPCVD窒化ケイ素の、単結晶シリコンウエハー基材200上への蒸着を含む。ウエハーの前側上の窒化物は、典型的には、シリコン基材を露出する開口部を形成するためにフォトリソグラフィープロセス(例えば、フォトレジストコーティング、露光、現像、エッチング)でパターン化される。シリコン基材の露出部分は、次に、シリコン前面に空洞212を形成するために、典型的にはKOH溶液を使ってなどのウェットエッチングによってエッチされる。前面電極204は、次に、例えば、蒸着によって形成し、次にパターン化することができる。典型的な電極材料は、接着剤層としてのクロム付きの、金である。圧電層206、例えば、ZnO層を、次に、スパッタリング蒸着し、パターン化することができる。裏面電極208(例えば、クロムの上の金の層)を、次に、蒸着、引き続くリフトオフ技術によるなどのパターン化によって形成することができる。本明細書に記載されるようなポリマー検知層210を、次に、基材前側上の絶縁層上に空洞212中に形成することができる。
図1に関連して記載されたようなエレクトロニクスが、電力の供給並びに共振周波数の制御及び測定のために提供される。検体検出及び測定は、QCMについて記載されたものと同じような方法で行うことができる。本発明のFBARセンサーの動作周波数は、典型的には、500MHz〜20GHzである。
【0045】
図3は、本発明に従った模範的な表面音響波センサーを横断面及びトップダウンビューで例示する。SAWセンサーは、圧電基材(層)300、入力相互噛合変換器(IDT)302、出力相互噛合変換器304、並びに入力及び出力電気回路(示されていない)を含む。圧電基材用の典型的な材料としては、例えば、石英、ネオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、窒化アルミニウム、又は酸化亜鉛が挙げられる。入力IDT及び出力IDTは、圧電層300の上に形成された薄膜相互噛合電極パターンを含む。これらの構造物は、典型的には、圧電基材上に薄い金属層を蒸着させ、引き続き金属膜をリソグラフィーによりパターン化することによって形成される。入力及び出力IDT電極用の典型的な材料は、金、クロム、アルミニウム、又はクロム上の金若しくはクロム及びアルミニウム上の金などの、それらの複合材である。本明細書に記載されるようなポリマー検知層306が圧電層300の上に提供され、入力IDT電極302と出力IDT電極304との間に配置される。
【0046】
本発明のSAWセンサーは、当業者に公知の方法によって製造することができる。SAWセンサーは、例えば、(特許文献8)に記載されている。SAWセンサーは、追加の変換器及び/又は追加の回路を含むことができる。IDT302が入力電気回路によって刺激される場合、圧電基材と共に圧電回路の一環としてのIDTは、入力電気信号の交流周波数に関係する振動周波数で電荷を基材表面の機械的変形に変換する。入力電気信号は、圧電基材300を通って伝播する反転圧電効果によって表面音響波を発生させる。表面音響波が出力IDT304に影響を及ぼす場合、表面音響波は、出力IDT304で出力電気信号を発生させる直接圧電効果によって電気信号へ変換し戻される。出力電気信号の大きさは、表面音響波の大きさに直接関係する。上に考察されたように、ポリマー検知層306は、対象の気相検体と選択的に相互作用することができる。検体の分子がポリマー検知層によって吸着される場合、検知層の質量密度が増加する。そのような増加は、SAWデバイスを通っての表面音響波の伝播を変えるか又は遅らせ、それは、例えば、吸着された検体の量に正比例する、表面音響波における相シフトとして登録され得る。
【0047】
図4は、本発明に従った容量性ガスセンサー及び電気伝導度(又は抵抗)ガスセンサーを横断面及びトップダウンビューで例示する。このセンサーは、基材400、基材上の相互噛合電極(IDE)402、並びに基材400及びIDE402の上に配置された本明細書に記載されるポリマー検知層406を含む。基材用の典型的な材料としては、例えば、ガラス又はシリコンが挙げられる。IDEは、典型的には、基材上に薄い金属層を蒸着し、引き続き金属膜をリソグラフィーによりパターン化することによって形成される。IDEは、典型的には、金又はクロム上の金の複合材である。本明細書に記載されるようなポリマー検知層406は、基材400及びIDE402の上に提供される。このセンサーは、加熱素子(示されていない)をさらに提供され得る。容量性センサーの場合には、誘電体の誘電率は、交流電圧の適用及びその周波数の経時変化によって測定される。誘電率は、電流及び位相関係から計算される。電気伝導度(又は抵抗)ガスセンサーの場合には、デバイスの電気伝導度(又は抵抗)の変化は、例えば、検知層における検体の含有量と相関性があり得る電流の変化として測定される。本明細書に記載されるポリアリーレン検知材料の層を含む本発明に従った容量性及び電気伝導度センサーは、当業者によって製造することができる。
【0048】
本発明のガスセンサーは、対象の気相検体の検知のために監視されるべき雰囲気にポリマー検知層を曝すことによって用いることができる。音響波センサーの場合には、センサーの共振周波数は、ポリマー検知層上の気相検体の存在に応答して監視することができる。信号の変化は、下流のプロセッサーによって、質量の変化へ直接変換することができ、ディスプレイ上で視覚化することができる。
【0049】
好適な検体としては、ポリマー検知層への吸着向けにガス又は蒸気(まとめて、ガス)形態のものが挙げられる。検体は、典型的には、室温で気相又は液相にある。液体検体は、典型的には、それらの気相濃度を高めてポリマー検知層との相互作用を促進するために加熱される。本発明のセンサーは、有機検体を測定するために特に適している。好適な有機検体としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、酢酸、又はトリアルキルアミンの1つ以上が挙げられる。センサーは、さらに又は或いはまた、無機検体、例えば水蒸気又は二酸化炭素について用いられ得る。
【0050】
本発明の好ましいガスセンサーは、対象の検体を検知するための繰り返し使用に役立つことができる。そのような場合には、検体とポリマー検知層との間の相互作用は可逆的である。
図5は、検体への応答及び回復を示す本発明に従った音響波センサーについての共振周波数対時間の代表的なプロットである。センサーは、検体を投与される前の参照Aで初期ベースライン共振周波数を示す。検体へのセンサーの暴露は、参照Bでフル応答に達するまで参照Aで始まる。共振周波数の低下は、検体とポリマー検知層との間の相互作用の指標である。そのような相互作用は、センサーの所望の動作温度で検体に対して親和力を有するが、検体と共有結合を形成しない検知層によるものであると考えられる。いかなる特定の理論にも制約されることなく、そのような相互作用は、物理吸着、化学吸着、共混和性、電荷結合錯体形成、水素結合、イオン結合等の1つ以上であると考えられる。検体の投与は次に終了させられ、センサーは、雰囲気、検体を本質的に含まない不活性ガス又は他の周囲条件に曝される。検体とポリマー検知層との間の相互作用が、例えば、脱着又は解離によって、逆転し始めるにつれて、共振周波数は、参照Cでの新たなベースラインレベルに達するまで時間と共に増加する。新たなベースラインレベル共振周波数は、例えば、ポリマー−検体相互作用の強度、湿度又はモデュラス、例えば、検体−検知ポリマーフィルム相互作用の結果としての剛性率及び/若しくは弾性率の投与前及び投与後変化、又は共沸性検体除去に応じて、元のレベルと同じもの又はそれとは異なるものであり得る。
【0051】
図5において、「応答」は、最初の(投与前)ベースラインから、検体に対するフル応答値までのセンサーの測定される共振周波数(Hz)の変化である。「回復」は、フル応答から、センサーから検体をパージした後の新たなベースラインCまでのセンサーの測定される共振周波数(Hz)の変化である。「回復時間」は、ポリマー検知層が参照Bでのフル応答から、参照Cでの新たなベースラインレベルに達するのに要する時間である。パーセント回復は、所与の検体についての回復/応答の比に等しい。本発明に従った好ましいセンサーは、50%以上の回復、より好ましくは60%以上の回復、70%以上の回復、80%以上の回復、又は90%以上の回復を示すことができる。好ましくは、そのような回復は、90分の時間内、より好ましくは60分内、30分内、又は15分内で達成される。好ましくは、そのような回復は、室温(例えば、20〜30℃)で起こるが、より高い温度で、例えば100℃までの温度で行われ得る。所与のセンサーについての温度限界は、例えば、センサーの構築の材料に、例えばポリマー検知層の特性(例えば、ポリマーのガラス転移温度)などに依存するであろう。用いられる場合、センサー加熱は、例えば、内部若しくは外部ヒーターの使用によって、又はポリマー検知層に接触するための加熱パージガスの使用によって行うことができる。室温で90分の時間内で50%以上のセンサー回復が典型的である。類似の結果は、容量性及び電気伝導度センサーなどの他のセンタータイプについて実証することができる。
【0052】
上記の特性は、本発明のセンサーを繰り返して用いることを可能にすることができる。例えば、本発明のセンサーは、センサーでの気相検体の含有量を減らすために有効な第2雰囲気に曝すことができる。測定中のガスセンサータイプの特性、例えば、音響波センサーの共振周波数は、ベースラインレベルに回復することを許される。センサーは、次に、気相検体を含む第3雰囲気に曝すことができる。この気相検体は、先行測定において検知されたものと同じ又は異なるものであることができる。この一連の測定は、1回以上繰り返すことができる。
【0053】
以下の非限定的な例は、本発明を例示するものである。
【実施例】
【0054】
検知ポリマーの合成
以下のポリマーA〜Eは、下記の手順を用いて合成した。数平均分子量(M
n)、重量平均分子量(M
w)及び多分散性(PDI=M
w/M
n)は、報告される場合、ポリスチレン標準を基準とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。ポリマーFは、Dupont Electronics & ImagingによってSiLK(商標)Jポリアリーレン樹脂として販売される市販材料である。
ポリマーA
【化7】
ポリマーB
【化8】
ポリマーC
【化9】
ポリマーD
【化10】
ポリマーE
【化11】
ポリマーF
【化12】
【0055】
合成実施例1:
4リットルの円筒形反応器に、485.010gのジフェニレンオキシドビス(トリフェニルシクロペンタジエノン)(DPO−CPD)、27.370gの3,5−ジエチニル安息香酸(DEBzOH)、及び2422gのγ−ブチロラクトン(GBL)を室温で装入した。フラスコのトップに、次に、ドライアイス凝縮器、温度調節器付き熱電対、N
2注入口、及び撹拌システムを備え付けた。反応器をぴったり合った加熱マントル中に入れた。システムを排気し、N
2で3回パージして容器から空気を除去し、それをその後N
2の一定流れで覆った。反応システムを次に135℃の内温に加熱した。1時間後に、システムを90℃に放冷し、引き続き、追加の300gのGBLと一緒に、第2アリコート(27.780g)のDEBzOHをフラスコに添加した。反応混合物を再び135℃に加熱し、この温度に1時間保った。システムを再び90℃に放冷し、引き続き、追加の330gのGBLと一緒に、第3アリコート(27.110g、0.25当量)のDEBzOHをフラスコに添加した。反応混合物を再び135℃に加熱し、この温度に1時間保ち、その時間後にシステムを再び90℃に放冷し、引き続き、追加の330gのGBLと一緒に、第4アリコート(30.763g、0.29当量)のDEBzOHをフラスコに添加した。反応混合物を再び135℃に加熱し、この温度に6時間保った。反応混合物を次に室温に冷却した。結果として生じたジエチル安息香酸−ビスシクロペンタジエニルポリアリーレンポリマーを、室温でイソプロパノールを添加することによりそれを溶液から沈澱させることによって反応混合物から単離し、濾過し、追加のイソプロパノールで洗浄し、その後濾過物を70℃で24時間乾燥させ、ポリマーAをもたらした。[ポリマーA:M
n=10.26kDa;M
w=21.33kDa;PDI=2.08]。
【0056】
合成実施例2:
DPO−CPD(109.42g)及び1,3−ジエチニルベンゼン(18.34g)を、(TEFLON(商標)フルオロポリマー排液装置プラグ付きの、ガラス内張りの)1LのOptiMax反応器に添加した。エトキシベンゼン溶媒(309g)を添加して濃いえび茶色の不均一混合物を形成した。反応器を、OptiMax合成ワークステーション(Synthesis Workstation)に移し、窒素ガスの雰囲気下で密封した。反応器トップに、(反応器底部から1cmまで上がった)4パドル撹拌機付き撹拌棒、水冷式還流冷却器、(撹拌シャフトと反応器壁との間の中間に放射状に配置された、混合物の中央深さに置かれた)内部熱電対、及び(反応器の外壁に垂直に及び隣接して置かれた)1cmバッフルを取り付けた。反応器を25℃の内温にセットし、撹拌を100prmで開始して不均一内容物を混合した。25℃での30分の平衡期間後に、反応器を、115〜135℃の内温に達するまで、1℃/分の速度で温めた。反応器を、18時間にわたって標的温度に維持した。反応器を次に1℃/分の速度で25℃に冷却した。反応器の内容物を、次に、反応器の底部において出口を通してボトルに移し、ポリマーBをもたらした。[ポリマーB:M
n=37.02kDa;M
w=105.95kDa;PDI=2.86]。
【0057】
合成実施例3
4,4’−(オキシビス(4,1−フェニレン))ビス(3−フェニル−2,5−ビス(4−(フェニルエチニル)フェニル)シクロペンタ−2,4−ジエン−1−オン(A4B2)(200g、1当量)及び1,3−ジエチニルベンゼン(21.7g、1.02当量)を、TEFLON(商標)フルオロポリマー排液装置プラグ付きの、ガラス内張りの)1LのOptiMax反応器に添加した。アニソール溶媒を、30重量%固形分を含有する溶液を提供するための量で添加して濃いえび茶色の不均一混合物を形成した。反応器を、OptiMax合成ワークステーションに移し、窒素ガスの雰囲気下で密封した。反応器トップに、(反応器底部から1cmまで上がった)4パドル撹拌機付き撹拌棒、水冷式還流冷却器、(撹拌シャフトと反応器壁との間の中間に放射状に配置された、混合物の中央深さに置かれた)内部熱電対、及び(反応器の外壁に垂直に及び隣接して置かれた)1cmバッフルを取り付けた。反応器を25℃の内温にセットし、撹拌を100prmで開始して不均一内容物を混合した。25℃で30分の平衡期間後に、反応器を、115〜135℃の内温に達するまで、1℃/分の速度で温めた。反応器を、72時間にわたって標的温度に維持した。反応器を次に1℃/分の速度で25℃に冷却した。反応器の内容物を、次に、反応器の底部において出口を通してボトルに移し、ポリマーCをもたらした。[ポリマーC:M
n=19.6kDa;M
w=49.7kDa;PDI=2.53]。
【0058】
合成実施例4
A4B2(1当量)及びDEBzOH(1.01当量)を、TEFLON(商標)フルオロポリマー排液装置プラグ付きの、ガラス内張りの)1LのOptiMax反応器に添加した。PGMEA溶媒を、30重量%固形分を含有する溶液を提供するための量で添加して濃いえび茶色の不均一混合物を形成した。反応器を、OptiMax合成ワークステーションに移し、窒素ガスの雰囲気下で密封した。反応器トップに、(反応器底部から1cmまで上がった)4パドル撹拌機付き撹拌棒、水冷式還流冷却器、(撹拌シャフトと反応器壁との間の中間に放射状に配置された、混合物の中央深さに置かれた)内部熱電対、及び(反応器の外壁に垂直に及び隣接して置かれた)1cmバッフルを取り付けた。反応器を25℃の内温にセットし、撹拌を100prmで開始して不均一内容物を混合した。25℃で30分の平衡期間後に、反応器を、115℃の内温に達するまで、1℃/分の速度で温めた。反応器温度を18時間にわたって標的温度に維持した。反応器を次に1℃/分の速度で25℃に冷却した。反応器の内容物を次に、反応器の底部において出口を通してボトルに移し、ポリマーDをもたらした。[ポリマーD:M
n=22.0kDa;M
w=70.0kDa;PDI=3.18]。
【0059】
合成実施例5
【化13】
4−エチニルフタル酸無水物(2.1当量)及び5,5’−オキシビス(3−(トリフルオロメチル)アニリン)(1当量)を、クライゼン(Claisen)アダプターを取り付けた丸底フラスコ中で磁気撹拌される酢酸(5,5’−オキシビス(3−(トリフルオロメチル)アニリン)に関連して0.2M)中で組み合わせた。クライゼンアダプターに、窒素の陽圧が凝縮器のトップでの注入口に加えられる状態でのドライアイス冷却凝縮トラップと、熱電対が撹拌反応混合物中へ伸びる状態での温度計アダプターとを取り付けた。反応混合物を次に還流(118℃)まで加熱し、2時間還流に保持した。反応混合物を、室温に冷却し、分液漏斗に移し、室温脱イオン水中へゆっくりと滴下した。固体沈殿物を、懸濁混合物から真空濾過し、脱イオン水に再懸濁させ、30分間撹拌した。懸濁液を真空濾過し、結果として生じた固体を懸濁させ、30分間撹拌しながら再び洗浄し、真空濾過し、2,2’−(オキシビス(5−(トリフルオロメチル)−3,1−フェニレン))ビス(5−エチニルイソインドリン−1,3−ジオン)(FODA)(96.71%収率)をもたらした。ケーキ様固体を48時間80℃真空オーブン中で乾燥させて水及び残留酢酸を除去した。生成物の乾燥は、所望の生成物の存在を確認する
1H−NMRによって監視した。
【0060】
A4B2(1当量)及びFODA(1.1当量)を、磁気撹拌棒、クライゼンアダプター、ドライアイス冷却凝縮トラップ、温度計アダプター及び上記のような熱電対を備え付けた丸底フラスコ中で20重量%固形分を含有する溶液を提供するための量のGBL中で組み合わせた。反応混合物を次に窒素雰囲気下で150℃に加熱し、6時間150℃に維持し、室温に冷却し、高純度アセトンで希釈した。希釈ポリマー溶液を分液漏斗中へ移し、次に、機械撹拌される、室温の脱イオン水中へゆっくりと滴加した。固体の沈澱ポリマーを懸濁混合物から真空濾過し、脱イオン水に再懸濁させ、30分間撹拌した。懸濁液を真空濾過し、固体を懸濁させ、30分間撹拌しながら再び洗浄し、再び真空濾過して真っ白でない固体粉末をもたらした。ケーキ様固体を、48時間80℃での真空オーブン中で乾燥させて水を除去し、ポリマーEをもたらした。[ポリマーE:M
n=13.7kDa;M
w=37kDa;PDI=2.7]。
【0061】
検知ポリマー組成物調製
検知ポリマー組成物は、ポリマー組成物と溶媒とを20mLのシンチレーションバイアル中で表1に示される重量百分率で組み合わせることによって調製した。混合物を、溶液が生じるまで撹拌した。
【0062】
【表1】
【0063】
センサー調製
QCMガスセンサーは、Laurell WS−650MZ−8NPPBスピンコーターで、1500rpmで30秒間、表2に明記されるようにCr/Au電極(Stanford Research Systems O100RX1)付きの各1インチ水晶上に検知ポリマー組成物をスピンコートすることによって調製した。検知ポリマー層を、空気環境の場合にはホットプレート及び窒素環境の場合にはPalomar Technologies SST 1200 Table Top Furnaceを用いて表2に示される条件で硬化させた。
【0064】
検体検知手順
上記のように調製された各ポリマーフィルム被覆QCM構成部品を、結晶ホルダーに入れ、トップから4インチの深さでQCMシステムの7LのPyrex試験チャンバー中に配置した。投与前ベースライン共振周波数f
pd(
図5における参照A)を確立し、試験チャンバーに1μLの液相トルエン(26ppm)を投与した。検体を磁気攪拌機によって撹拌して分散させ、液体を気相でチャンバーの至る所に拡散させた。QCMを、フル応答共振周波数(
図5における参照B)に達するまで投与前ベースライン共振周波数からの共振周波数シフトによって投与に応答させた。試験チャンバーを大気へガス抜きし、センサーの共振周波数を、一定の投与後ベースライン周波数(
図5における参照C)に達するまで又は90分回復させた。感度は、供与前ベースライン共振周波数マイナスフル応答共振周波数として決定し、応答時間(t
resp)は、フル感度応答の95%に達するまでの時間として決定した。センサーを、フィルムが調製されたその日に及び7日間の老化後に評価した。結果を表2に提供する。
【0065】
【表2】
【0066】
フーリエ変換赤外(FTIR)分光法キャラクタリゼーション
角切り(1インチ×1インチ)シリコンウエハー上の薄膜のFTIRスペクトロスコピーを、Harrick Scientific Brewster角度セットアップを取り付けたThermo Scientific Nicolet iS5機器を用いて取った。全ベースラインを、ポリマー機能化ウエハーと同じウエハーからカットした未改質のむき出しシリコンウエハーから取った。スペクトルを、4000及び400cm
−1の間で記録した。1480〜1522cm
−1の全ピーク面積(ピーク積分)及び1648〜1690cm
−1の全ピーク面積を測定した。試料についての後者ピーク面積対前者ピーク面積の比を決定し、表3に示す。
【0067】
ラマンスペクトロスコピーキャラクタリゼーション
ラマンスペクトロスコピー測定を、300gr/mm回折格子付きの633nm励起を用いるHoriba LabRam HR Raman顕微鏡を用いて行った。測定は、100×対物レンズ(Olympus Mplan−100×、NA 0.9)を用いて行った。2190〜2250cm
−1の全ピーク面積(ピーク積分)及び1550〜1650cm
−1の全ピーク面積を測定した。試料についての前者ピーク面積対後者ピーク面積の比を決定し、表3に示す。
【0068】
【表3】