(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のリード部は、第1リード部と、前記第1リード部よりも短い第2リード部とを有し、前記第1リード部と前記第2リード部とが交互に配置され、前記段部は、互いに隣接する前記第1リード部と前記第2リード部との間の前記支持部材に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のリードフレーム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、
図1乃至
図8を参照して説明する。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
【0017】
リードフレームの構成
まず、
図1乃至
図4により、本実施の形態によるリードフレームの概略について説明する。
図1乃至
図4は、本実施の形態によるリードフレームを示す図である。
【0018】
図1に示すように、リードフレーム10は、縦横にマトリックス状に配置された複数の単位リードフレーム10aを備えている。各単位リードフレーム10aは、それぞれ半導体装置20(後述)に対応する領域である。各単位リードフレーム10aの間には、支持部材13が介在され、支持部材13によって各単位リードフレーム10aが互いに連結されている。
【0019】
図2および
図3に示すように、リードフレーム10は、平面矩形状のダイパッド11と、ダイパッド11の周囲に設けられた複数の第1リード部12Aおよび複数の第2リード部12Bとを備えている。なお
図2において、二点鎖線で囲まれた領域が単位リードフレーム10aに対応する。単位リードフレーム10aには、それぞれ1つのダイパッド11と、当該ダイパッド11を取り囲む複数の第1リード部12Aおよび複数の第2リード部12Bとが配置されている。
【0020】
ダイパッド11は、平面略矩形形状を有しており、その表面には、後述する半導体素子21が搭載される。また、ダイパッド11の四隅には吊りリード14が連結されており、ダイパッド11は、この4本の吊りリード14を介して支持部材13に連結支持されている。一方、複数の第1リード部12Aおよび複数の第2リード部12Bは、支持部材13に直接連結されることによって支持されている。なお、本明細書中、「表面」とは、半導体素子21が搭載される側の面をいい、「裏面」とは、外部の図示しない実装基板に接続される側の面をいう。
【0021】
本実施の形態において、少なくともダイパッド11の中央部分にはハーフエッチング加工が施されておらず、リードフレーム10の加工前の素材(金属基板)と同等の厚みを有している。具体的には、ダイパッド11の中央部分の厚みは、半導体装置20の構成にもよるが、0.05mm以上0.5mm以下とすることができる。
【0022】
各第1リード部12Aおよび各第2リード部12Bは、後述するようにボンディングワイヤ22を介して半導体素子21に接続されるものであり、ダイパッド11との間に空間を介して配置されている。各第1リード部12Aおよび各第2リード部12Bは、それぞれ支持部材13からX方向又はY方向のいずれかに沿って延び出しており、各第1リード部12Aは、各第2リード部12Bよりも長く構成されている。ここで、X方向、Y方向とは、リードフレーム10の面内において、ダイパッド11の各辺に平行な二方向であり、X方向とY方向とは互いに直交している。また、Z方向は、X方向及びY方向の両方に対して垂直な方向である。
【0023】
各第1リード部12Aと各第2リード部12Bとは、ダイパッド11の周囲において、互いに間隔を空けて交互に配置されている。隣接する第1リード部12A及び第2リード部12B同士は、半導体装置20(後述)の製造後に互いに電気的に絶縁される形状となっている。また、第1リード部12A及び第2リード部12Bは、半導体装置20の製造後にダイパッド11と電気的に絶縁される形状となっている。この第1リード部12A及び第2リード部12Bの裏面には、それぞれ外部の実装基板(図示せず)に電気的に接続される外部端子17A、17Bが形成されている。各外部端子17A、17Bは、半導体装置20(後述)の製造後に、それぞれ半導体装置20から外方に露出するようになっている。
【0024】
第1リード部12Aの外部端子17A及び第2リード部12Bの外部端子17Bは、隣り合う第1リード部12A及び第2リード部12B間で内側および外側に位置するよう、平面から見て交互に千鳥状に配置されている。またダイパッド11の周囲において、相対的に長い第1リード部12Aと、相対的に短い第2リード部12Bとが、全周にわたり交互に配置されている。これにより、第1リード部12A及び第2リード部12Bの外部端子17A、17Bが、隣接する第1リード部12A及び第2リード部12Bに短絡する不具合が防止される。
【0025】
次に、
図2乃至
図4を参照して、第1リード部12A及び第2リード部12Bの構成について更に説明する。
【0026】
図2および
図3に示すように、第1リード部12Aは、接続リード52と、接続リード52よりも広い幅を有する端子部53とを有している。端子部53の表面には内部端子15Aが形成されている。この内部端子15Aは、後述するようにボンディングワイヤ22を介して半導体素子21に電気的に接続される領域となっている。内部端子15A上には、ボンディングワイヤ22との密着性を向上させるめっき部が設けられていても良い。また、端子部53の裏面には上述した外部端子17Aが形成されている。
【0027】
接続リード52は、端子部53よりも外側(支持部材13側)に位置しており、その外端部は支持部材13に連結されている。接続リード52は、当該接続リード52が連結される支持部材13に対して垂直に延びている。
【0028】
図3に示すように、第1リード部12Aの接続リード52は、それぞれ裏面側からハーフエッチングされることにより薄肉に形成されている。他方、端子部53は、ハーフエッチングされることなく、ダイパッド11および支持部材13と同一の厚みを有している。このように、接続リード52の厚さが端子部53の厚さよりも薄いことにより、幅の狭い第1リード部12Aを精度良く形成することができ、小型でピン数の多い半導体装置20を得ることができる。なお、ハーフエッチングとは、被エッチング材料をその厚み方向に途中までエッチングすることをいう。
【0029】
図2および
図3に示すように、第2リード部12Bは、端子部63を有している。この端子部63の外側端部は支持部材13に連結されており、端子部63は支持部材13に対して垂直に延びている。端子部63の表面には内部端子15Bが形成されている。この内部端子15Bは、後述するようにボンディングワイヤ22を介して半導体素子21に電気的に接続される領域となっている。内部端子15Bは、平面視で長方形と半円とを合わせた形状を有している。内部端子15B上には、ボンディングワイヤ22との密着性を向上させるめっき部が設けられていても良い。また、端子部63の裏面には上述した外部端子17Bが形成されている。
【0030】
次に、
図4を参照して、支持部材13の断面形状について説明する。
図4は、支持部材13の長手方向に対して垂直な断面であって、互いに隣接する第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間における断面を示している。
【0031】
図4に示すように、支持部材13は、支持部材表面65と、支持部材裏面66と、支持部材表面65と支持部材裏面66との間に位置する支持部材側面67とを有している。この場合、支持部材13は素材(金属基板31)と同一の厚みt
Bを有している。支持部材表面65および支持部材裏面66は、それぞれ未加工の素材面(金属基板31の表面および裏面)からなる。また、支持部材表面65および支持部材裏面66は、それぞれダイパッド11の表面および裏面と同一平面上に位置している。
【0032】
図4に示すように、支持部材13のうち、互いに隣接する第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間に位置する領域の裏面に、段部75が形成されている。段部75は、支持部材裏面66側からハーフエッチングされることにより形成されたものである。段部75は、第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間において、支持部材13の長手方向全域にわたって形成されている。また段部75は、第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間となる全ての箇所に設けられている。これにより、支持部材13の長手方向全体にわたって支持部材13と封止樹脂23とを強固に密着させることができる。
【0033】
このように、支持部材13のうち第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間に段部75が形成されているので、段部75を裏面側から覆うように封止樹脂23(後述)が充填される。これにより、段部75がアンカーとしての効果を発揮し、支持部材13と封止樹脂23とを強固に密着させることができる。
【0034】
また段部75は、支持部材表面65および支持部材裏面66に対して略平行な天面76を有している。天面76は、支持部材表面65と支持部材裏面66との間に位置している。天面76は、支持部材表面65と支持部材裏面66との中間位置にあっても良く、あるいは中間位置よりも支持部材表面65側又は支持部材裏面66側に位置していても良い。天面76と支持部材表面65との距離t
Aは、例えば支持部材13の厚み(金属基板31の厚み)t
Bの40%以上60%以下とすることが好ましい。天面76の幅w
A(支持部材13の長手方向に垂直な長さ)は、例えば20μm以上100μm以下であっても良い。
【0035】
支持部材表面65および支持部材裏面66は、それぞれ支持部材13の長手方向に略直線状に平行に延びる内側縁部65a、66aを有している。支持部材表面65の内側縁部65aは、支持部材裏面66の内側縁部66aよりも内側(ダイパッド11側)に位置している。したがって支持部材13の幅(支持部材13の長手方向に垂直な長さ)は、裏面側よりも表面側が太くなっている。支持部材表面65の内側縁部65aと支持部材裏面66の内側縁部66aとの間の幅w
B(支持部材13の長手方向に垂直な長さ)は、例えば40μm以上120μm以下であっても良い。上述した天面76の幅w
Aは、支持部材表面65と支持部材裏面66との間の幅w
Bの例えば5%以上70%以下とすることが好ましい。
【0036】
支持部材側面67は、天面76よりも支持部材表面65側に位置する第1側面68と、天面76よりも支持部材裏面66側に位置する第2側面69とを有している。各第1側面68は、天面76から支持部材表面65まで延び、各第2側面69は、天面76から支持部材裏面66まで延びている。第1側面68および第2側面69は、それぞれ支持部材表面65および支持部材裏面66に対して傾斜して延びている。これにより、支持部材13と封止樹脂23との接触面積を増加し、支持部材13が封止樹脂23から剥離しにくいようになっている。
【0037】
また第1側面68は、一対の湾曲部68a、68bと、一対の湾曲部68a、68bの間に位置するとともに断面略直線状の中間部68cとを有している。このうち湾曲部68aは支持部材表面65に連続して形成され、湾曲部68bは天面76に連続して形成されている。さらに第2側面69は、一対の湾曲部69a、69bと、一対の湾曲部69a、69bの間に位置するとともに断面略直線状の中間部69cとを有している。このうち湾曲部69aは天面76に連続して形成され、湾曲部69bは支持部材裏面66に連続して形成されている。このように第1側面68及び第2側面69の形状に凹凸が設けられていることにより、支持部材13と封止樹脂23との接触面積を増加し、支持部材13と封止樹脂23とを強固に密着させることができる。
【0038】
以上説明したリードフレーム10は、全体として銅、銅合金、42合金(Ni42%のFe合金)等の金属から構成されている。また、リードフレーム10の厚みは、製造する半導体装置20の構成にもよるが、50μm以上500μm以下、好ましくは80μm以上200μm以下とすることができる。
【0039】
なお、本実施の形態において、第1リード部12A及び第2リード部12Bは、ダイパッド11の4辺全てに沿って配置されているが(
図1参照)、これに限られるものではなく、例えばダイパッド11の対向する2辺のみに沿って配置されていても良い。
【0040】
半導体装置の構成
次に、
図5および
図6により、本実施の形態によるリードフレーム10を用いて作製される半導体装置について説明する。
図5および
図6は、半導体装置(DR−QFN(Dual Row QFN)タイプ)を示す図である。
【0041】
図5および
図6に示すように、半導体装置(半導体パッケージ)20は、ダイパッド11と、ダイパッド11の周囲に配置された複数の第1リード部12A及び複数の第2リード部12Bと、ダイパッド11上に搭載された半導体素子21と、第1リード部12A又は第2リード部12Bと半導体素子21とを電気的に接続する複数のボンディングワイヤ(接続部材)22とを備えている。また、ダイパッド11、第1リード部12A、第2リード部12B、半導体素子21およびボンディングワイヤ22は、封止樹脂23によって樹脂封止されている。
【0042】
このうちダイパッド11、第1リード部12A及び第2リード部12Bは、上述したリードフレーム10から作製されたものである。このダイパッド11、第1リード部12A及び第2リード部12Bの構成は、半導体装置20に含まれない領域を除き、上述した
図1乃至
図4に示すものと同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、支持部材13は、半導体装置20には含まれない。
【0043】
また、半導体素子21としては、従来一般に用いられている各種半導体素子を使用することが可能であり、特に限定されないが、例えば集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等を用いることができる。この半導体素子21は、各々ボンディングワイヤ22が取り付けられる複数の電極21aを有している。また、半導体素子21は、例えばダイボンディングペースト等の接着剤24により、ダイパッド11の表面に固定されている。
【0044】
各ボンディングワイヤ22は、例えば金、銅等の導電性の良い材料からなっている。各ボンディングワイヤ22は、それぞれその一端が半導体素子21の電極21aに接続されるとともに、その他端が各第1リード部12Aの内部端子15A又は第2リード部12Bの内部端子15Bにそれぞれ接続されている。なお、内部端子15A、15Bには、ボンディングワイヤ22と密着性を向上させるめっき部が設けられていても良い。
【0045】
封止樹脂23としては、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはPPS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。封止樹脂23全体の厚みは、300μm以上1200μm以下程度とすることができる。また、封止樹脂23の一辺(半導体装置20の一辺)は、例えば8mm以上16mm以下することができる。なお、
図5において、封止樹脂23のうち、ダイパッド11、第1リード部12A及び第2リード部12Bよりも表面側に位置する部分の表示を省略している。
【0046】
リードフレームの製造方法
次に、
図1乃至
図4に示すリードフレーム10の製造方法について、
図7(a)−(e)を用いて説明する。なお、
図7(a)−(e)は、リードフレーム10の製造方法を示す断面図(
図3に対応する図)である。
【0047】
まず
図7(a)に示すように、平板状の金属基板31を準備する。この金属基板31としては、銅、銅合金、42合金(Ni42%のFe合金)等の金属からなる基板を使用することができる。なお金属基板31は、その両面に対して脱脂等を行い、洗浄処理を施したものを使用することが好ましい。
【0048】
次に、金属基板31の表裏全体にそれぞれ感光性レジスト32a、33aを塗布し、これを乾燥する(
図7(b))。なお感光性レジスト32a、33aとしては、従来公知のものを使用することができる。
【0049】
続いて、この金属基板31に対してフォトマスクを介して露光し、現像することにより、所望の開口部32b、33bを有するエッチング用レジスト層32、33を形成する(
図7(c))。
【0050】
次に、エッチング用レジスト層32、33を耐腐蝕膜として金属基板31に腐蝕液でエッチングを施す(
図7(d))。これにより、ダイパッド11、第1リード部12A、第2リード部12B及び支持部材13の外形が形成される。このとき、エッチング用レジスト層32、33の形状を適宜調整することにより、支持部材13の裏面側に段部75が形成される。なお、腐蝕液は、使用する金属基板31の材質に応じて適宜選択することができ、例えば、金属基板31として銅を用いる場合、通常、塩化第二鉄水溶液を使用し、金属基板31の両面からスプレーエッチングを行うことができる。
【0051】
その後、エッチング用レジスト層32、33を剥離して除去することにより、
図1乃至
図4に示すリードフレーム10が得られる。(
図7(e))。
【0052】
なお、上記においては、金属基板31の両面側からスプレーエッチングを行う場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、金属基板31の片面ずつ2段階のスプレーエッチングを行っても良い。具体的には、まず金属基板31の表面側の全体に第1エッチング用レジスト層を設けるとともに、裏面側に所定のパターンをもつ第2エッチング用レジスト層を形成し、金属基板31の裏面側のみエッチングを施す。次に、第1及び第2エッチング用レジスト層を除去するとともに、金属基板31の裏面側に耐エッチング性のある樹脂からなる封止層を設ける。続いて、金属基板31の表面側に所定のパターンをもつ第3エッチング用レジスト層を形成し、この状態で金属基板31の表面側のみエッチングを施す。その後、裏面側の封止層を剥離することにより、リードフレーム10の外形が形成される。このように金属基板31の片面ずつスプレーエッチングを行うことにより、第1リード部12A及び第2リード部12Bの変形を回避しやすいという効果が得られる。
【0053】
半導体装置の製造方法
次に、
図5および
図6に示す半導体装置20の製造方法について、
図8(a)−(e)を用いて説明する。
【0054】
まず上述した、
図7(a)−(e)に示す方法により、リードフレーム10を作製する(
図8(a))。
【0055】
次に、リードフレーム10のダイパッド11上に、半導体素子21を搭載する。この場合、例えばダイボンディングペースト等の接着剤24を用いて、半導体素子21をダイパッド11上に載置して固定する(ダイアタッチ工程)(
図8(b))。
【0056】
次に、半導体素子21の各電極21aと、各第1リード部12Aの内部端子15A及び第2リード部12Bの内部端子15Bとを、それぞれボンディングワイヤ(接続部材)22によって互いに電気的に接続する(ワイヤボンディング工程)(
図8(c))。
【0057】
このとき、リードフレーム10をワイヤボンディング装置のヒートブロック36上に載置する。次いで、ヒートブロック36により第1リード部12A及び第2リード部12Bを裏面側から加熱する。これとともに、ワイヤボンディング装置のキャピラリー(図示せず)を介して超音波を印加しながら、半導体素子21の各電極21aと各第1リード部12A及び第2リード部12Bとをボンディングワイヤ22を用いて電気的に接続する。
【0058】
次に、リードフレーム10に対して熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を射出成形またはトランスファ成形することにより、封止樹脂23を形成する(
図8(d))。このようにして、リードフレーム10、半導体素子21、第1リード部12A、第2リード部12Bおよびボンディングワイヤ22を封止する。
【0059】
次に、各半導体素子21間の封止樹脂23をダイシングすることにより、リードフレーム10を各半導体装置20毎に分離する。この際、例えばダイヤモンド砥石からなるブレード(図示せず)を回転させながら、各半導体装置20間のリードフレーム10および封止樹脂23を切断しても良い。このように、リードフレーム10および封止樹脂23を切断することにより、半導体装置20が個片化され、支持部材13は各半導体装置20から分離されかつ除去される。
【0060】
このようにして、
図5および
図6に示す半導体装置20が得られる(
図8(e))。
【0061】
ところで、ブレードを用いてリードフレーム10および封止樹脂23を切断して半導体装置20を個片化することにより、第1リード部12A及び第2リード部12Bもそれぞれ切断される。しかしながら、仮に、支持部材13と封止樹脂23との密着性が不十分であると、リードフレーム10および封止樹脂23が切断された際、第1リード部12A及び第2リード部12Bや支持部材13にクラックや剥離(デラミ)が発生してしまうおそれがある。これに対して本実施の形態によれば、支持部材13のうち、互いに隣接する第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間に位置する領域の裏面に、段部75が形成されている。これにより、段部75がアンカーとしての機能を発揮するので、支持部材13のうち第1リード部12A及び第2リード部12Bに隣接する箇所と封止樹脂23との密着性を高めることができる。このため、支持部材13と封止樹脂23とが強固に接着し、半導体装置20を個片化する際に第1リード部12A及び第2リード部12Bや支持部材13にクラックや剥離が生じる不具合を防止することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、段部75は、支持部材表面65および支持部材裏面66に対して略平行な天面76を有する。これにより、封止樹脂23が天面76を覆うように充填されるので、支持部材13と封止樹脂23とを強固に密着させることができる。
【0063】
さらに、本実施の形態によれば、支持部材側面67の第1側面68および第2側面69が、それぞれ支持部材表面65および支持部材裏面66に対して傾斜しているので、支持部材側面67の表面積を増大し、支持部材13と封止樹脂23とをより密着させやすくすることができる。
【0064】
さらに、本実施の形態によれば、段部75は、第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間の支持部材13に形成されているので、第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間において、支持部材13と封止樹脂23とを強固に密着させることができる。
【0065】
(第2の実施の形態)
次に、
図9および
図10を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。
図9および
図10は本発明の第2の実施の形態を示す図である。
図9および
図10に示す第2の実施の形態は、支持部材13が薄肉化されている点が異なるものであり、他の構成は上述した第1の実施の形態と略同一である。
図9および
図10において、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0066】
図9に示すように、本実施の形態によるリードフレーム10Aにおいて、支持部材13はコネクティングバーからなり、第1の実施の形態の場合よりも幅が細く形成されている。支持部材13の幅w
cは、例えば100mm以上400mm以下である。
【0067】
次に、
図10を参照して、支持部材13の断面形状について説明する。
図10は、支持部材13の長手方向に対して垂直な断面であって、互いに隣接する第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間における断面を示している。
【0068】
図10に示すように、支持部材13は、支持部材表面65と、支持部材裏面66と、支持部材表面65と支持部材裏面66との間に位置する支持部材側面67とを有している。この場合、支持部材13は、裏面側からハーフエッチングにより薄肉に形成されている。支持部材13は素材(金属基板31)の厚みt
Bよりも薄い厚みt
cを有している。この厚みt
cは、支持部材13の長手方向に沿って略均一となっている。厚みt
cは、具体的には例えば30μm以上105μm以下であっても良い。
【0069】
支持部材13の支持部材表面65は、未加工の素材面(金属基板31の表面)からなる。また、支持部材表面65は、それぞれダイパッド11の表面と同一平面上に位置している。一方、支持部材裏面66は、ハーフエッチングされることにより形成された面であり、平坦面となっている。支持部材裏面66は、ダイパッド11の裏面よりも表面側(Z方向プラス側)に位置している。なお、
図10の仮想線は、ダイパッド11の裏面(金属基板31の裏面)が存在する平面を示している(
図11及び
図12においても同様)。
【0070】
支持部材13のうち、互いに隣接する第1リード部12Aと第2リード部12Bとの間に位置する領域の裏面に、段部75が形成されている。これにより、段部75がアンカーとしての効果を発揮し、支持部材13と封止樹脂23とを強固に密着させることができる。
【0071】
また段部75は、支持部材表面65および支持部材裏面66に対して略平行な天面76を有している。天面76と支持部材表面65との距離t
dは、支持部材13の厚み(金属基板31の厚み)t
cの例えば20%以上30%以下とすることが好ましい。天面76の幅w
d(支持部材13の長手方向に垂直な長さ)は、例えば20μm以上100μm以下であっても良い。
【0072】
支持部材表面65および支持部材裏面66は、それぞれ支持部材13の長手方向に略直線状に平行に延びる内側縁部65a、66aを有している。支持部材表面65の内側縁部65aは、支持部材裏面66の内側縁部66aよりも内側(ダイパッド11側)に位置している。したがって支持部材13の幅(支持部材13の長手方向に垂直な長さ)は、裏面側よりも表面側が太くなっている。支持部材表面65の内側縁部65aと支持部材裏面66の内側縁部66aとの間の幅w
e(支持部材13の長手方向に垂直な長さ)は、例えば40μm以上120μm以下であっても良い。上述した天面76の幅w
dは、支持部材表面65と支持部材裏面66との間の幅w
eの、例えば5%以上70%以下とすることが好ましい。
【0073】
図11は、本実施の形態の変形例を示している。
図11に示すように、段部75の天面76に、裏面側(Z方向マイナス側)に突出する突起77が形成されている。突起77の形成される位置は特に限定されるものではなく、天面76の中間部(支持部材13の長手方向に垂直な方向における中間部)であっても良く、天面76の中間部よりも内側(ダイパッド11側)あるいは外側(ダイパッド11の反対側)であっても良い。このように、天面76に突起77が形成されていることにより、支持部材13と封止樹脂23とをより強固に密着させることができる。なお、
図1乃至
図4に示す第1の実施の形態においても、天面76にこのような突起77を形成しても良い。
【0074】
図12は、本実施の形態の他の変形例を示している。
図12に示すように、段部75の天面76に、表面側(Z方向プラス側)に凹む凹部78が形成されている。この場合、凹部78は、天面76のうち第2側面69側に連続する部分に形成されている。しかしながら、これに限らず、凹部78は、天面76の中間部(支持部材13の長手方向に垂直な方向における中間部)に形成されても良く、天面76の中間部よりも内側(ダイパッド11側)あるいは外側(ダイパッド11の反対側)に形成されても良い。このように、天面76に凹部78が形成されていることにより、支持部材13と封止樹脂23とをより強固に密着させることができる。なお、
図1乃至
図4に示す第1の実施の形態においても、天面76にこのような凹部78を形成しても良い。
【0075】
なお、上記各実施の形態では、第1リード部12Aと第2リード部12Bとが交互に配置されている場合を例にとって説明した。しかしながらこれに限らず、全てのリード部が共通する長さのリード部から構成されていても良い(QFNタイプ)。
【0076】
さらに、上記各実施の形態では、第1リード部12Aの外部端子17Aと第2リード部12Bの外部端子17Bとが千鳥状に2列に配置されている場合を例にとって説明したが、これに限らず、外部端子が3列以上に配置されていても良い。