特許第6937139号(P6937139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937139
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】廃棄物処理装置および廃棄物処理方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/00 20060101AFI20210909BHJP
   C02F 3/28 20060101ALI20210909BHJP
   C02F 11/04 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   B09B3/00 CZAB
   B09B3/00 D
   C02F3/28 A
   C02F11/04 A
【請求項の数】12
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-44109(P2017-44109)
(22)【出願日】2017年3月8日
(65)【公開番号】特開2017-209665(P2017-209665A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2019年11月12日
(31)【優先権主張番号】特願2016-100484(P2016-100484)
(32)【優先日】2016年5月19日
(33)【優先権主張国】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 文部科学省 地域イノベーション戦略支援プログラム 第11回ひょうご水ビジネス研究会 〜下水道の可能性〜、平成28年9月8日 神鋼環境ソリューション技報 2016年度 Vol.13 No.1 通巻25号、株式会社神鋼環境ソリューション技術開発センター(神鋼環境ソリューション技報編集委員会事務局)、平成28年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(73)【特許権者】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 進
(72)【発明者】
【氏名】徳田 直子
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 彰
(72)【発明者】
【氏名】塩田 憲明
(72)【発明者】
【氏名】竹林 徹也
(72)【発明者】
【氏名】水口 護
(72)【発明者】
【氏名】加藤 利崇
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 祐二
(72)【発明者】
【氏名】井上 雅庸
(72)【発明者】
【氏名】坂口 佳史
(72)【発明者】
【氏名】射場 文隆
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−221541(JP,A)
【文献】 特開2008−183498(JP,A)
【文献】 特開2003−019491(JP,A)
【文献】 特開2002−102828(JP,A)
【文献】 特開2006−095377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B
C02F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油分を含む有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部を備えており、
前記処理部は、前記生物処理槽内の収容水を固液分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離部と、前記収容水を前記生物処理槽から前記固液分離部に移送する収容水移送部と、前記分離水を前記生物処理槽に移送する分離水移送部とをさらに有し、
前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度、及び、該収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比の少なくとも一方の値を調整する調整部をさらに備え、
前記生物処理槽に移送する前記有機性廃棄物の流量を前記調整部が調整することによって、下記(1)及び(2)の少なくとも何れか一方を満たすように構成されている、廃棄物処理装置。
(1)前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下となる。
(2)前記生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.15以下となる。
【請求項2】
前記生物処理槽は、前記生物処理槽内の収容水を沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る沈殿分離槽であり、
前記収容水移送部は、前記沈殿分離槽で得られた濃縮物を前記収容水として前記生物処理槽から前記固液分離部に移送する収容水移送部である、請求項1に記載の廃棄物処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部であり、
前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記生物処理槽に移送する移送部を更に備えており、
前記移送部は、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を混合することにより混合物を得る混合槽と、前記第1有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第1移送部と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第2移送部と、前記混合物を前記生物処理槽に移送する第3移送部とを有し、
前記分離水移送部は、前記混合槽を介してまたは前記混合槽を介さずに前記分離水を前記生物処理槽に移送する分離水移送部である、請求項1又は2に記載の廃棄物処理装置。
【請求項4】
油分を含む有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部を備えており、
前記生物処理槽は、前記生物処理槽内の収容水を沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る沈殿分離槽であり、
前記処理部は、前記濃縮物を前記生物処理槽外に移送する濃縮物移送部をさらに有し、
前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度、及び、該収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比の少なくとも一方の値を調整する調整部をさらに備え、
前記生物処理槽に移送する前記有機性廃棄物の流量を前記調整部が調整することによって、下記(1)及び(2)の少なくとも何れか一方を満たすように構成されている、廃棄物処理装置。
(1)前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下となる。
(2)前記生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.15以下となる。
【請求項5】
前記処理部は、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部であり、
前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記生物処理槽に移送する移送部を更に備えており、
前記移送部は、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を混合することにより混合物を得る混合槽と、前記第1有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第1移送部と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第2移送部と、前記混合物を前記生物処理槽に移送する第3移送部とを有する、請求項1、2、又は4の何れか1項に記載の廃棄物処理装置。
【請求項6】
前記調整部は、前記混合槽内の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.32以下となるように前記混合槽内の混合物を調整する調整部である、請求項3又は5に記載の廃棄物処理装置。
【請求項7】
前記移送部は、前記混合槽を介さずに前記生物処理槽に前記第2有機性廃棄物を移送する第4移送部をさらに有する、請求項3、5、又は6の何れか1項に記載の廃棄物処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記生物処理槽内の収容水のpH及び前記収容水から発生するガスのメタン濃度の少なくとも一方の値を測定する測定部をさらに有し、
前記調整部は、前記測定部で測定した生物処理槽内の収容水のpH及び前記収容水から発生するガスのメタン濃度の少なくとも一方の値に基づいて、前記調整をする調整部である、請求項1〜7の何れか1項に記載の廃棄物処理装置。
【請求項9】
前記処理部は、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部であり、
前記第1有機性廃棄物が厨房排水を含有し、前記第2有機性廃棄物が厨芥を含有する、請求項1〜の何れか1項に記載の廃棄物処理装置。
【請求項10】
油分を含む有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部を備えており、
前記処理部は、前記生物処理槽内の収容水を固液分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離部と、前記収容水を前記生物処理槽から前記固液分離部に移送する収容水移送部と、前記分離水を前記生物処理槽に移送する分離水移送部とをさらに有し、
前記処理部は、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部であり、
前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記生物処理槽に移送する移送部を更に備えており、
前記第1有機性廃棄物が、厨房から排出された厨房排水を含み、且つ、前記第2有機性廃棄物が厨芥を含み、
前記移送部は、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を混合することにより混合物を得る混合槽と、前記第1有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第1移送部と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第2移送部と、前記混合物を前記生物処理槽に移送する第3移送部とを有し、
前記第1移送部は、
前記厨房排水を含む第1有機性廃棄物を貯留することにより、油分を上層に浮遊させる浮遊槽と、
前記浮遊槽における上層の第1有機性廃棄物から、前記上層よりも油分濃度が低いグリス分離水と、前記上層よりも油分濃度が高い濃縮物とを得るグリストラップと、
前記浮遊槽における下層の第1有機性廃棄物から、該下層よりも含水率が高い第1スクリーン分離水と、該下層よりも含水率が低い濃縮物と、を得る第1スクリーンと、
前記第1スクリーンで得られた第1スクリーン分離水たる第1有機性廃棄物を貯留する貯留槽と、
加圧浮上法により、前記貯留槽内の貯留水たる第1有機性廃棄物から、前記貯留槽内の貯留水よりも油分濃度が低い加圧浮上後分離水と、前記貯留槽内の貯留水よりも油分濃度が高い濃縮物とを得る加圧浮上部と、を有し、
前記グリストラップで得られたグリス分離水が前記浮遊槽に返送されるように構成され、且つ、前記加圧浮上部で得られた濃縮物たる第1有機性廃棄物を前記混合槽に移送するように構成されており、
前記第2移送部は、
前記厨芥を粉砕し、粉砕した厨芥と水とを混合することにより、ディスポーザ排水を得るディスポーザ部と、
該ディスポーザ排水たる第2有機性廃棄物から、該ディスポーザ排水よりも含水率が高い第2スクリーン分離水と、該ディスポーザ排水よりも含水率が低い濃縮物と、を得る第2スクリーンとを有し、
前記移送部は、前記第2スクリーンで得た濃縮物たる第2有機性廃棄物の移送先を、前記混合槽と前記生物処理槽との間で相互に切り替え可能に構成され、且つ、前記第2移送部の前記第2スクリーンで得られた前記第2スクリーン分離水を、前記第1移送部の前記貯留槽に移送するように構成されており、
前記分離水移送部は、前記混合槽を介してまたは前記混合槽を介さずに前記分離水を前記生物処理槽に移送する分離水移送部である、廃棄物処理装置。
【請求項11】
油分を含む有機性廃棄物を生物処理槽内でメタン生成菌により生物処理する生物処理工程を有する処理工程を備えており、
前記処理工程は、前記生物処理槽内の収容水を前記生物処理槽から固液分離部に移送する収容水移送工程と、前記収容水を前記固液分離部で固液分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離工程と、前記分離水を前記生物処理槽に移送する分離水移送工程と、をさらに有し、
前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度、及び、該収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比の少なくとも一方の値について、前記生物処理槽に移送する前記有機性廃棄物の流量を調整することによって、下記(1)及び(2)の少なくとも何れか一方を満たすようにする、廃棄物処理方法。
(1)前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下となる。
(2)前記生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.15以下となる。
【請求項12】
油分を含む有機性廃棄物を生物処理槽内でメタン生成菌により生物処理する生物処理工程を有する処理工程を備えており、
前記処理工程は、前記生物処理槽内の収容水を前記生物処理槽で沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離工程と、前記濃縮物を前記生物処理槽外に移送する濃縮物移送工程と、をさらに有し、
前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度、及び、該収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比の少なくとも一方の値について、前記生物処理槽に移送する前記有機性廃棄物の流量を調整することによって、下記(1)及び(2)の少なくとも何れか一方を満たすようにする、廃棄物処理方法。
(1)前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下となる。
(2)前記生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.15以下となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処理装置および廃棄物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機性廃棄物の処理方法としては、該廃棄物を、生物(メタン生成菌等)を含有する汚泥を備える生物処理槽で処理する方法が知られている(例えば、特許文献1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−321792号公報
【特許文献2】特開2006−95377号公報
【特許文献3】特開2008−229590号公報
【特許文献4】特開2011−183354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1〜4の方法では、該廃棄物における油分濃度が高いと前記汚泥に油分が付着して生物の活性が低下するという問題がある。
【0005】
そこで、上記問題点に鑑み、本発明は、油分を含む有機物を生物で分解させつつも、生物の活性の低下を抑制し得る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る廃棄物処理装置は、油分を含む有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部を備えており、
前記処理部は、前記生物処理槽内の収容水を固液分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離部と、前記収容水を前記生物処理槽から前記固液分離部に移送する収容水移送部と、前記分離水を前記生物処理槽に移送する分離水移送部とをさらに有する。
【0007】
油分は汚泥に吸着しやすいので、斯かる廃棄物処理装置によれば、前記生物処理槽内の収容水を固液分離することにより、油分を濃縮物に濃縮させることができる。また、油分が付着することにより活性が低下した生物を有する汚泥も濃縮物に濃縮させることができる。よって、該濃縮物を生物処理槽外に排出すれば、生物処理槽における生物の活性の低下を抑制することができる。
また、前記分離水を前記生物処理槽に移送することにより、分離水に含まれる未分解の有機物を生物処理槽に戻すことができる。その結果、分離水に含まれる有機物を生物処理槽で分解させつつも、生物処理槽の生物の活性を高めることができる。
よって、斯かる廃棄物処理装置によれば、油分を含めた有機物を生物で分解させつつも、生物の活性の低下を抑制し得る。
【0008】
ここで、本発明の一の局面に係る廃棄物処理装置では、前記生物処理槽が、前記生物処理槽内の収容水を沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る沈殿分離槽であり、
前記収容水移送部が、前記沈殿分離槽で得られた濃縮物を前記収容水として前記生物処理槽から前記固液分離部に移送する収容水移送部であってもよい。
【0009】
また、本発明の一の局面に係る廃棄物処理装置は、前記処理部が、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部であり、
前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記生物処理槽に移送する移送部を更に備えており、
前記移送部は、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を混合することにより混合物を得る混合槽と、前記第1有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第1移送部と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第2移送部と、前記混合物を前記生物処理槽に移送する第3移送部とを有し、
前記分離水移送部は、前記混合槽を介してまたは前記混合槽を介さずに前記分離水を前記生物処理槽に移送する分離水移送部であってもよい。
【0010】
また、本発明の他の局面に係る廃棄物処理装置は、油分を含む有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部を備えており、
前記生物処理槽は、前記生物処理槽内の収容水を沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る沈殿分離槽であり、
前記処理部は、前記濃縮物を前記生物処理槽外に移送する濃縮物移送部をさらに有する。
【0011】
斯かる廃棄物処理装置によれば、油分は汚泥に吸着しやすいので、前記生物処理槽内の収容水を沈殿分離することにより、油分を濃縮物に濃縮させることができる。また、油分が付着することにより活性が低下した生物を有する汚泥も濃縮物に濃縮させることができる。そして、該濃縮物を生物処理槽外にすることにより、生物処理槽における生物の活性の低下を抑制することができる。
また、前記分離水を前記生物処理槽に留めることにより、分離水に含まれる有機物を生物処理槽で分解させつつも、生物処理槽の生物の活性を高めることができる。
よって、斯かる廃棄物処理装置によれば、油分を含めた有機物を生物で分解させつつも、生物の活性の低下を抑制し得る。
【0012】
さらに、本発明の一及び他の局面に係る廃棄物処理装置は、前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度、及び、該収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比の少なくとも一方の値を調整する調整部をさらに備えてもよい。
【0013】
また、前記調整部を有する廃棄物処理装置では、前記処理部が、前記生物処理槽内の収容水のpH及び前記収容水から発生するガスのメタン濃度の少なくとも一方の値を測定する測定部をさらに有し、
前記調整部が、前記測定部で測定した生物処理槽内の収容水のpH及び前記収容水から発生するガスのメタン濃度の少なくとも一方の値に基づいて、前記調整をする調整部であってもよい。
さらに、前記調整部を有する廃棄物処理装置は、前記調整部は、下記(1)及び(2)の少なくとも何れか一方を満たすようにする調整部であってもよい。
(1)前記生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下となる。
(2)前記生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.15以下となる。
【0014】
さらに、前記調整部を有する廃棄物処理装置は、前記処理部が、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部であり、
前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記生物処理槽に移送する移送部を更に備えており、
前記移送部は、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を混合することにより混合物を得る混合槽と、前記第1有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第1移送部と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第2移送部と、前記混合物を前記生物処理槽に移送する第3移送部とを有し、
前記調整部は、前記混合槽内の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.32以下となるように前記混合槽内の混合物を調整する調整部であってもよい。
【0015】
また、本発明の一及び他の局面に係る廃棄物処理装置は、前記処理部が、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部であり、
前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記生物処理槽に移送する移送部を更に備えており、
前記移送部が、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を混合することにより混合物を得る混合槽と、前記第1有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第1移送部と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽に移送する第2移送部と、前記混合物を前記生物処理槽に移送する第3移送部とを有してもよい。
【0016】
さらに、前記混合槽を有する廃棄物処理装置では、前記移送部が、前記混合槽を介さずに前記生物処理槽に前記第2有機性廃棄物を移送する第4移送部をさらに有してもよい。
【0017】
また、本発明の一及び他の局面に係る廃棄物処理装置では、前記処理部は、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部であり、
前記第1有機性廃棄物が厨房排水を含有し、前記第2有機性廃棄物が厨芥を含有してもよい。
【0018】
さらに、本発明の一の局面に係る廃棄物処理方法は、油分を含む有機性廃棄物を生物処理槽内でメタン生成菌により生物処理する生物処理工程を有する処理工程を備えており、
前記処理工程は、前記生物処理槽内の収容水を前記生物処理槽から固液分離部に移送する収容水移送工程と、前記収容水を前記固液分離部で固液分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離工程と、前記分離水を前記生物処理槽に移送する分離水移送工程とをさらに有する。
【0019】
また、本発明の他の局面に係る廃棄物処理方法は、油分を含む有機性廃棄物を生物処理槽内でメタン生成菌により生物処理する生物処理工程を有する処理工程を備えており、
前記処理工程は、前記生物処理槽内の収容水を前記生物処理槽で沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離工程と、前記濃縮物を前記生物処理槽外に移送する濃縮物移送工程をさらに有する。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、油分を含めた有機物を生物で分解させつつも、生物の活性の低下を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一実施形態に係る廃棄物処理装置の概略図。
図2】他実施形態に係る廃棄物処理装置の概略図。
図3】混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)との関係を示す図(試験例1)。
図4】混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)との関係を示す図(試験例1)。
図5】混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)との関係を示す図(試験例2)。
図6】混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)との関係を示す図(試験例2)。
図7】生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)、生物処理槽内の収容水の揮発性脂肪酸濃度(生物処理槽内VFA)、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)、生物処理槽の収容水のノルマルヘキサン抽出物質の除去率(n−Hex除去率)、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)、及び、生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(生物処理槽内n−Hex/VS)の時間変化を示す図。
図8】混合槽への厨芥固形物の投入量、混合槽へのスカムの投入量、及び、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)の時間変化を示す図。
図9】生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)、生物処理槽の収容水のノルマルヘキサン抽出物質の除去率(n−Hex除去率)の時間変化を示す図。
図10】生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(生物処理槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)との関係を示す図。
図11】生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)と、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)との関係を示す図。
図12】生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)と、生物処理槽内の収容水の揮発性脂肪酸濃度(生物処理槽内VFA)との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、厨房排水と厨芥とをメタン発酵処理する場合を例に、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態においては油分を含む第1有機性廃棄物として、前記厨房排水を含有する第1有機性廃棄物を生物処理し、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物として、厨芥を含有する第2有機性廃棄物を生物処理する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、油分を含む有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽21を有する処理部2と、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記生物処理槽21に移送する移送部3とを備える。
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記生物処理槽21内の収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度、該収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比を調整する調整部4をさらに備える。
前記処理部2は、油分を含む第1有機性廃棄物、及び、該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い第2有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽を有する処理部である。
【0024】
前記移送部3は、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を混合することにより混合物を得る混合槽35と、前記第1有機性廃棄物を前記混合槽35に移送する第1移送部31と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽35に移送する第2移送部32と、前記混合物を前記生物処理槽21に移送する第3移送部33とを有する。
また、前記移送部3は、前記混合槽35を介さずに前記生物処理槽21に前記第2有機性廃棄物を移送する第4移送部34を有する。
さらに、前記移送部3は、前記第2移送部32を移送する第2有機性廃棄物の流量、及び、前記第4移送部34を移送する第2有機性廃棄物の流量の少なくとも何れか一方の流量を制御する制御部36を有する。
【0025】
なお、“第2有機性廃棄物が該第1有機性廃棄物よりも油分濃度が低い”という要件による効果を本実施形態の廃棄物処理装置において得るためには、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物が前記生物処理槽21に供給される際に前記要件を満たしていればよく、また、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物が前記混合槽35を介する場合には、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物が前記混合槽35に供給される際に前記要件を満たしていればよい。
【0026】
前記第1移送部31は、厨房から排出された厨房排水Aたる第1有機性廃棄物を貯留することにより、油分を上層に浮遊させる槽31aを有する。
また、前記第1移送部31は、前記槽31aの上層の厨房排水Aたる第1有機性廃棄物から、該上層の厨房排水Aよりも油分濃度が低い分離水と、該上層の厨房排水Aよりも油分濃度が高い濃縮物Dとを得るグリストラップ31bを有する。
さらに、前記第1移送部31は、前記槽31aの下層の厨房排水Aたる第1有機性廃棄物から、該下層の厨房排水Aよりも含水率が高い分離水と、該下層の厨房排水Aよりも含水率が低い濃縮物Eとを得るスクリーン31cを有する。
また、前記第1移送部31は、前記スクリーン31cで得られた分離水たる第1有機性廃棄物を貯留する槽31dを有する。
さらに、前記第1移送部31は、加圧浮上法により、前記槽31d内の収容水たる第1有機性廃棄物から、前記槽31d内の収容水よりも油分濃度が低い分離水と、前記槽31d内の収容水よりも油分濃度が高い濃縮物とを得る加圧浮上部31eを有する。
また、前記第1移送部31は、前記加圧浮上部31eで得られた濃縮物たる第1有機性廃棄物を前記混合槽35に移送する濃縮物移送管31fを有する。さらに、前記第1移送部31は、該濃縮物を該濃縮物移送管31f内にて移送させうるように前記濃縮物移送管31fに配されたポンプ31gを有してもよい。
さらに、前記第1移送部31は、前記加圧浮上部31eで得られた濃縮物たる第1有機性廃棄物を貯留する調整槽を更に備えてもよい。前記調整槽は、前記濃縮物移送管31fの途中に設けられている。前記調整部4は、前記調整槽を用いることにより、前記生物処理槽に移送する前記第1有機性廃棄物の流量を調整する調整部である。
【0027】
前記第1移送部31は、前記グリストラップ31bで得られた分離水が厨房排水Aとして前記槽31aに返送されるように構成されている。
また、前記第1移送部31は、前記グリストラップ31bで得られた濃縮物Dが廃棄物処理装置1外に移送されるように構成されている。
さらに、前記第1移送部31は、前記スクリーン31cで得られた濃縮物Eが廃棄物処理装置1外に移送されるように構成されている。
また、前記第1移送部31は、前記加圧浮上部31eで得られた分離水を前記移送部3外に移送するように構成されている。
【0028】
前記第2移送部32は、厨芥Bたる第2有機性廃棄物を粉砕し、粉砕した厨芥Bと水とを混合することにより、ディスポーザ排水を得るディスポーザ部32aを有する。
また、前記第2移送部32は、該ディスポーザ排水たる第2有機性廃棄物から、該ディスポーザ排水よりも含水率が高い分離水と、該ディスポーザ排水よりも含水率が低い濃縮物とを得るスクリーン32bを有する。
即ち、本実施形態のスクリーン32bは、粉砕された厨芥を主体とした有機性固形分を含む濃縮物を形成し得るように形成されている。
さらに、前記第2移送部32は、ディスポーザ排水を貯留するディスポーザ排水槽32cを有する。
また、前記第2移送部32は、前記ディスポーザ排水をディスポーザ排水槽32cを介さずに前記スクリーン32bに移送する第1ディスポーザ排水移送管32dと、前記ディスポーザ排水を前記ディスポーザ排水槽32cを介して前記スクリーン32bに移送する第2ディスポーザ排水移送管32eとを有する。
さらに、前記第2移送部32は、前記第1ディスポーザ排水移送管32dと前記第2ディスポーザ排水移送管との間で、前記ディスポーザ排水の移送経路を相互に切り替え可能とする切り替え部32fを有する。
また、前記第2移送部32は、前記スクリーン32bで得た濃縮物たる第2有機性廃棄物を前記混合槽35に移送する濃縮物移送管32gと、該濃縮物を該濃縮物移送管32g内にて移送させうるように前記スクリーン32bまたは前記濃縮物移送管32gに配されたポンプ32hとを有する。
【0029】
また、前記第2移送部32は、前記スクリーン32bで得られた分離水を前記槽31dに移送するように構成されている。
【0030】
前記切り替え部32fは、前記第1ディスポーザ排水移送管32dの流路を開閉する第3バルブ32f1と、前記第2ディスポーザ排水移送管32eの流路を開閉する第4バルブ32f2とを有する。
また、前記第2移送部32は、前記第3バルブ32f1を開状態にし、前記第4バルブ32f2を閉状態にすることにより、前記ディスポーザ排水を前記ディスポーザ排水槽32cを介さずに前記スクリーン32bに移送することができる。また、前記第2移送部32は、前記第3バルブ32f1を閉状態にし、前記第4バルブ32f2を開状態にすることにより、前記ディスポーザ排水を前記スクリーン32bに移送する前に前記ディスポーザ排水槽32cで貯留することができる。すなわち、前記第2移送部32は、平常時は前記ディスポーザ排水を前記スクリーン32bに移送することができる。また、前記第2移送部32は、前記ディスポーザ排水が多量に発生した時には前記ディスポーザ排水槽32cで貯留しつつ、前記ディスポーザ排水槽32cで貯留されるディスポーザ排水の一部を前記スクリーン32bに移送することにより、前記スクリーン32bに移送するディスポーザ排水の量を抑制することができる。
【0031】
前記混合槽35は、前記濃縮物移送管32gで移送された濃縮物たる第2有機性廃棄物と、前記濃縮物移送管31fで移送された濃縮物たる第1有機性廃棄物とを混合して混合物を得る混合槽である。前記移送部3は、該混合槽35内を撹拌する撹拌部35aを有する。
【0032】
前記第3移送部33は、前記混合物を、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物として前記生物処理槽21に移送する混合物移送管33aと、該混合物を該混合物移送管33a内にて移送させうるように前記混合物移送管33aに配されたポンプ33bとを有する。
【0033】
前記第4移送部34は、前記濃縮物移送管32gの前記ポンプ32hより下流側の位置から分岐した分岐管34aを有する。
該分岐管34aは、前記スクリーン32bで得た濃縮物たる第2有機性廃棄物を前記混合槽35を介さずに前記生物処理槽21に移送する管である。
【0034】
前記制御部36は、前記混合槽35と前記生物処理槽21との間で、前記スクリーン32bで得た濃縮物たる第2有機性廃棄物の移送先を相互に切り替え可能とする制御部である。
前記制御部36は、前記濃縮物移送管32gの流路を開閉する第1バルブ36aと、前記分岐管34aの流路を開閉する第2バルブ36bとを有する。
前記移送部3は、前記第1バルブ36aを開状態にし、前記第2バルブ36bを閉状態にすることにより、前記スクリーン32bで得た濃縮物たる第2有機性廃棄物を前記混合槽35に移送することができる。また、前記移送部3は、前記第1バルブ36aを閉状態にし、前記第2バルブ36bを開状態にすることにより、前記スクリーン32bで得た濃縮物たる第2有機性廃棄物を前記混合槽35を介さずに前記生物処理槽21に移送することができる。
【0035】
前記処理部2は、前記生物処理槽21に加え、前記生物処理槽21内の収容水を固液分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物Fを得る固液分離部22と、前記収容水を前記生物処理槽21から前記固液分離部22に移送する収容水移送部23aと、前記固液分離部22で得られた分離水を前記生物処理槽21に移送する分離水移送部23bと、前記固液分離部22で得られた濃縮物Fを廃棄物処理装置1外に移送する濃縮物移送部23cとを有する。
なお、前記固液分離部22で得られた分離水を前記生物処理槽21に移送する際には、該分離水を、前記ディスポーザ排水槽32cまたは前記混合槽35を介して前記生物処理槽21に移送してもよい。
また、前記処理部2は、前記生物処理槽21からのオーバーフロー水から、該オーバーフロー水よりも含水率が高い分離水と、該オーバーフロー水よりも含水率が低い濃縮物とを得るスクリーン24を有する。
さらに、前記処理部2は、前記スクリーン24で得られた分離水を曝気しながら好気性生物で処理することにより、浄化水Cを得る曝気部25aを有する。
また、前記処理部2は、浄化水Cを系外に排出する排出部25bを有する。該排出部25bは、槽とポンプとを備え、該槽は、前記曝気部25aで得られた浄化水Cを一時的に収容する槽であり、前記ポンプは、該槽内の浄化水Cを引き抜いて系外に排出させるためのポンプである。
また、前記処理部2は、前記生物処理槽21で得られたバイオガスから硫黄分を除去する脱硫部26aと、該脱硫部26aで硫黄分が除去されたバイオガスを貯留するガス貯留部26bと、該ガス貯留部26bで貯留されたガスをエネルギーとして利用するガス利用設備26cとを有する。
【0036】
前記生物処理槽21は、前記移送部3から移送されてきた第1有機性廃棄物と第2有機性廃棄物とをメタン生成菌で生物処理する生物処理槽である。
また、前記処理部2は、前記生物処理槽21内の収容水を撹拌する撹拌部21aを有する。前記撹拌部21aは、回転軸21a1と、回転軸に設けられた撹拌翼21a2とを有する。なお、前記撹拌部21aは、回転軸に撹拌翼を設けたものに限らず、例えば、前記生物処理槽21内の収容水にガスを吹き込むことにより該収容水を撹拌する装置であってもよい。また、前記撹拌部21aは、ポンプを用いて前記収容水を循環させることにより該収容水を撹拌する装置であってもよい。
さらに、前記処理部2は、前記生物処理槽21内の収容水のpH、及び、前記生物処理槽21内の前記収容水から発生するガスのメタン濃度の少なくとも何れか一方を測定する測定部21bを有する。
【0037】
前記収容水移送部23aは、前記収容水を前記生物処理槽21から前記固液分離部22に移送する収容水移送管23a1と、前記収容水を該収容水移送管23a1内にて移送させうるように該収容水移送管23a1に配されたポンプ23a2とを有する。
前記分離水移送部23bは、前記混合槽35を介して前記分離水を前記生物処理槽21に移送する分離水移送部である。
【0038】
なお、前記処理部2の生物処理槽21は、前記生物処理槽21内の収容水を沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る沈殿分離槽となっていてもよい。
この場合、前記収容水移送部23aは、前記沈殿分離槽で得られた濃縮物を前記収容水として前記生物処理槽21から前記固液分離部22に移送する収容水移送部である。
また、生物処理の時よりも前記撹拌部21aによる撹拌を緩やかにするか、或いは前記撹拌部21aによる撹拌を停止することで、前記生物処理槽21が沈殿分離槽として機能する。なお、前記回転軸の回転数を低下させることで前記撹拌部21aによる撹拌を緩やかにすることができ、また、前記回転軸の回転を停止することで前記撹拌部21aによる撹拌を停止することができる。
また、前記生物処理槽21たる沈殿分離槽の底面は、傾斜してもよく、例えば、テーパー状になってもよい。前記生物処理槽21たる沈殿分離槽は、前記底面が傾斜していることで、含水率がより一層低い濃縮物を得やすくなる。
【0039】
前記処理部2は、前記スクリーン24で得た濃縮物Gを廃棄物処理装置1外に移送するように構成されている。
また、前記処理部2は、浄化水Cが廃棄物処理装置1外に移送されるように構成されている。浄化水Cは、例えば下水道に移送される。
【0040】
前記ガス利用設備26cとしては、ボイラー、ガスエンジン発電機などが挙げられる。該ガス利用設備26cでは、前記ボイラーによって蒸気が得られる。また、ガスエンジン発電機によって電気と温水とが得られる。
【0041】
さらに、前記処理部2は、前記ガス利用設備26cで得られた蒸気又は温水で前記生物処理槽21内の収容水を温めるように構成されている。収容水内のメタン生成菌の活性を高めるという観点から、収容水の温度は、中温メタン発酵では35℃〜40℃、高温メタン発酵では50〜60℃が好ましい。油分を多く含む有機性廃棄物を用いてメタン発酵する場合には、高温メタン発酵の方が、効率がよい。
具体的には、前記処理部2は、前記温水、又は、前記蒸気を貯留する槽26dを有し、該温水、又は、前記蒸気で前記生物処理槽21の収容水を温めるように構成されている。
例えば、前記処理部2は、熱交換器を介して前記温水を利用することにより、前記生物処理槽21の収容水を温めるように構成されてもよく、また、前記生物処理槽21の収容水に蒸気を直接吹き付けることにより、前記生物処理槽21の収容水を温めるように構成されてもよい。
【0042】
前記調整部4は、前記生物処理槽内の収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度、及び、該収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比の少なくとも一方の値を調整すべく、前記処理部2及び前記移送部3の少なくとも一方に制御する信号を発信する信号発信部41と、該信号を前記処理部2及び前記移送部3の少なくとも一方に信号を伝達する制御信号伝達部42とを有する。
【0043】
本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記調整部4によって前記制御部36が作動することにより、前記混合槽35と前記生物処理槽21との間で、前記スクリーン32bで得た濃縮物たる第2有機性廃棄物の移送先を相互に切り替え可能となっている。
すなわち、前記制御信号伝達部42は、前記制御部36の前記第1、2バルブ36a、36bそれぞれに信号を伝達する第1、2制御信号伝達部42a、42bを有する。本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記第1、2制御信号伝達部42a、42bによって、前記第1、2バルブ36a、36bが開閉されるように構成されている。
【0044】
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記調整部4によって、前記移送部3で前記生物処理槽21に移送する第1有機性廃棄物、第2有機性廃棄物との流量を調整するように構成されている。
すなわち、前記制御信号伝達部42は、前記ポンプ31g、32h、33bそれぞれに信号を伝達する第3、4、5制御信号伝達部42c、42d、42eを有する。
本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記第3、4、5制御信号伝達部42c、42d、42eによって、前記ポンプ31g、32h、33bの回転数を変化させることにより、前記移送部3で前記生物処理槽21に移送する第1有機性廃棄物と第2有機性廃棄物との流量を調整するように構成されている。なお、前記第1有機性廃棄物と前記第2有機性廃棄物との流量の調整は、前記ポンプ31g、32h、33bの回転数を変化させることによるに限るものではなく、例えば、前記ポンプ31g、32h、33bの吐出配管中に制御弁を設けて、該制御弁の開度を変化させることによるものであってもよい。
【0045】
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記調整部4によって、前記生物処理槽21から前記固液分離部22に移送する前記生物処理槽21の収容水の流量を調整するように構成されている。
すなわち、前記制御信号伝達部42は、前記ポンプ23a2に信号を伝達する第6制御信号伝達部42fを有する。
本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記第6制御信号伝達部42fによって、前記ポンプ23a2の回転数を変化させることにより、前記移送部3で前記生物処理槽21から前記固液分離部22に移送する前記生物処理槽21の収容水の流量を調整するように構成されている。
【0046】
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記調整部4によって、前記生物処理槽21を沈殿分離槽として機能させるように構成されている。
すなわち、前記制御信号伝達部42は、撹拌部21aに信号で伝達する第7制御信号伝達部42gを有する。
本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記第7制御信号伝達部42gによって、前記回転軸21a1の回転数を変化させることにより、前記生物処理槽21を沈殿分離槽として機能させるように構成されている。
【0047】
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記調整部4によって、前記混合槽35に供給される際の前記第1有機性廃棄物の油分の濃度を調整するように構成されている。
具体的には、前記制御信号伝達部42は、前記加圧浮上部31eに信号で伝達する第8制御信号伝達部42hを有し、前記第8制御信号伝達部42hによって、前記加圧浮上部31eでの加圧条件(圧力、加圧時間等)を調整するように構成されている。
【0048】
また、前記調整部4は、下記(1)〜(3)の少なくとも何れか一を満たすようにする調整部である。
(1)前記生物処理槽内の収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下となる。
(2)前記生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.15以下となる。
(3)前記混合槽内の混合物における、全蒸発残留物における強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.32以下となる。
なお、本実施形態に係る対象試料におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度は、JIS K0102:2013に記載の方法に基づいて測定することができる。
また、本実施形態に係る対象試料における全蒸発残留物の強熱減量は、JIS K0102:2013に記載の方法に基づいて測定することができ、下記式で求めることができる。
「対象試料における全蒸発残留物の強熱減量(mg/L)」 = (全蒸発残留物の質量(mg) − 全蒸発残留物の強熱残留物の質量(mg))/対象試料の容量(L)
【0049】
なお、上記(1)を満たす前記調整部4としては、前記収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/Lを超えないよう、例えば、前記収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,000mg/Lを超えたときに、前記収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度を2,000mg/L以下にすべく廃棄物処理装置の運転条件を調整するものが挙げられる。
即ち、前記調整部4としては、例えば、前記濃度に対して2,250mg/L以下の範囲内で設定された閾値に基づき廃棄物処理装置の構成機器類に対して制御を行い、前記濃度が閾値を超えた際に閾値以下に前記濃度を引き下げるとともに該濃度を処理期間通じて平均2,250mg/L以下、好ましくは、常時2,250mg/L以下とするものが挙げられる。
【0050】
上記(2)を満たす前記調整部4としては、例えば、前記収容水における、全蒸発残留物の強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.15を超えたときに、前記収容水における、全蒸発残留物の強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比を0.15以下にすべく廃棄物処理装置の運転条件を調整するものが挙げられる。また、上記(2)を満たす前記調整部4としては、例えば、前記収容水における、全蒸発残留物の強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比の処理期間における平均値が0.15以下になるように調整するものが挙げられる。また、前記調整部4は、前記収容水における、全蒸発残留物の強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比を常に0.15以下にすることが好ましい。
即ち、前記調整部4としては、例えば、前記比に対して0.15以下の範囲内で設定された閾値に基づき廃棄物処理装置の構成機器類に対して制御を行い、前記比が閾値を超えた際に閾値以下に前記比を引き下げるとともに該比を処理期間通じて平均0.15以下、好ましくは、常時0.15以下とするものが挙げられる。
【0051】
上記(3)を満たす前記調整部4としては、例えば、前記混合物における、全蒸発残留物における強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.32以下となるよう、例えば、前記混合物における、全蒸発残留物における強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.30を超えたときに、前記混合槽内の混合物における、全蒸発残留物における強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比を0.30以下にすべく廃棄物処理装置の運転条件を調整するものが挙げられる。
即ち、前記調整部4としては、例えば、前記比に対して0.32以下の範囲内で設定された閾値に基づき廃棄物処理装置の構成機器類に対して制御を行い、前記比が閾値を超えた際に閾値以下に前記比を引き下げるとともに該比を処理期間通じて平均0.30以下、好ましくは、常時0.30以下とするものが挙げられる。
【0052】
前記混合槽内の混合物における、全蒸発残留物における強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.26以下となることが好ましい。
上記(3)を満たす前記調整部4としては、例えば、前記混合物における、全蒸発残留物における強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.26以下となるよう、例えば、前記混合物における、全蒸発残留物における強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.25を超えたときに、前記混合槽内の混合物における、全蒸発残留物における強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比を0.25以下にすべく廃棄物処理装置の運転条件を調整するものが挙げられる。
即ち、前記調整部4としては、例えば、前記比に対して0.26以下の範囲内で設定された閾値に基づき廃棄物処理装置の構成機器類に対して制御を行い、前記比が閾値を超えた際に閾値以下に前記比を引き下げるとともに該比を処理期間通じて平均0.25以下、好ましくは、常時0.25以下とするものが挙げられる。
【0053】
本実施形態に係る廃棄物処理装置は、上記の如く構成されているが、次に、本実施形態に係る廃棄物処理方法について説明する。
【0054】
本実施形態に係る廃棄物処理方法では、本実施形態に係る廃棄物処理装置を用いて廃棄物を生物処理する。
【0055】
一実施形態に係る廃棄物処理方法は、油分を含む有機性廃棄物を生物処理槽21内で生物により生物処理する生物処理工程を有する処理工程を備えている。
前記処理工程は、前記生物処理槽21内の収容水を前記生物処理槽21から固液分離部22に移送する収容水移送工程と、前記収容水を前記固液分離部22で固液分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離工程と、前記分離水を前記生物処理槽21に移送する分離水移送工程とをさらに有する。
【0056】
他の実施形態に係る廃棄物処理方法は、油分を含む有機性廃棄物を生物処理槽21内で生物により生物処理する生物処理工程を有する処理工程を備えている。
前記処理工程は、前記生物処理槽21内の収容水を前記生物処理槽21で沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離工程と、前記濃縮物を前記生物処理槽21外に移送する濃縮物移送工程をさらに有する。
前記処理工程は、前記沈殿分離以前において前記生物処理槽21内の収容水を該収容水内で回転する撹拌翼21a2によって撹拌し、前記沈殿分離では、前記撹拌翼21a2の回転速度を低下させることが好ましい。
このように前記撹拌翼21a2の回転速度を低下させることで、油分が付着して活性の低下した汚泥の沈殿を促進させることができる。
なお、この沈殿分離に際しては、前記撹拌翼21a2が停止状態となるまで回転速度を低下させることが好ましい。
【0057】
本実施形態に係る廃棄物処理方法の前記移送工程は、前記第1有機性廃棄物を混合槽35に移送する第1移送工程と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽35に移送する第2移送工程と、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記混合槽35で混合することにより混合物を得る混合工程と、該混合物を前記生物処理槽21に移送する第3移送工程と、前記混合槽35を介さずに前記生物処理槽21に前記第2有機性廃棄物を移送する第4移送工程とを有することが好ましい。
【0058】
また、本実施形態に係る廃棄物処理方法では、下記(1)から(3)の少なくとも何れか一方を満たすように調整することが好ましい。
(1)前記生物処理槽21内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下となる。
(2)前記生物処理槽21内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.15以下となる。
(3)前記混合槽35内の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.32以下となる。
【0059】
本実施形態に係る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法は、上記のように構成されているので、以下の利点を有するものである。
【0060】
即ち、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、油分を含む有機性廃棄物をメタン生成菌で生物処理する生物処理槽21を有する処理部2と、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記生物処理槽21に移送する移送部3とを備えている。前記処理部2は、前記生物処理槽21内の収容水を固液分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る固液分離部22と、前記収容水を前記生物処理槽21から前記固液分離部22に移送する収容水移送部23aと、前記分離水を前記生物処理槽21に移送する分離水移送部23bとを有する。
油分は汚泥に吸着しやすいので、斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記生物処理槽21内の収容水を固液分離することにより、油分を濃縮物に濃縮させることができる。また、油分が付着することにより活性が低下した生物を有する汚泥も濃縮物に濃縮させることができる。よって、該濃縮物を前記生物処理槽21外に排出すれば、前記生物処理槽21におけるメタン生成菌たる生物の活性の低下を抑制することができる。
また、前記分離水を前記生物処理槽21に移送することにより、分離水に含まれる未分解の有機物を前記生物処理槽21に戻すことができる。その結果、分離水に含まれる有機物を前記生物処理槽21で分解させつつも、前記生物処理槽21のメタン生成菌たる生物の活性を高めることができる。
よって、斯かる廃棄物処理装置1によれば、メタン生成菌たる生物の活性の低下をより一層抑制し得る。
【0061】
なお、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、生物処理槽の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が上昇傾向にある場合は、生物処理槽に移送する第1有機性廃棄物の流量、及び、第2有機性廃棄物の流量を調整するように構成されている。
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、生物処理槽の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/Lを超える等した場合には、生物処理槽に移送する第1有機性廃棄物の流量を減少させる。
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、生物処理槽に移送する第2有機性廃棄物の流量を増加させるには、生物処理槽の油分濃度の上昇が緩やかである場合(緊急の対応を要さない場合)には、混合槽に移送する第2有機性廃棄物の流量を増加させ、生物処理槽の油分濃度の上昇が急激である場合(緊急の対応を要する場合)には、混合槽を介さずに生物処理槽に移送する第2有機性廃棄物の流量を増加させるように構成されている。また、緊急の対応を要する場合には、生物処理槽に移送する第1有機性廃棄物の流量も減少させるように構成されている。
【0062】
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、前記処理部2の生物処理槽21は、前記生物処理槽21内の収容水を沈殿分離することにより、前記収容水よりも含水率が高い分離水、及び、前記収容水よりも含水率が低い濃縮物を得る沈殿分離槽であり、前記収容水移送部23aは、前記沈殿分離槽で得られた濃縮物を前記収容水として前記生物処理槽21から前記固液分離部22に移送する収容水移送部である。
斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記生物処理槽21で得られた分離水を該生物処理槽21に留め、更に、前記生物処理槽21で得られた濃縮物をさらに前記固液分離部22で固液分離し、該固液分離部22で得られた分離水を前記生物処理槽21に戻すので、未分解の有機物を前記生物処理槽21で生物処理することができる。その結果、分離水に含まれる有機物を前記生物処理槽21で分解させつつも、前記生物処理槽21のメタン生成菌たる生物の活性を高めることができる。
【0063】
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、前記移送部3は、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を混合することにより混合物を得る混合槽35と、前記第1有機性廃棄物を前記混合槽35に移送する第1移送部31と、前記第2有機性廃棄物を前記混合槽35に移送する第2移送部32と、前記混合物を前記生物処理槽21に移送する第3移送部33とをさらに有する。
斯かる廃棄物処理装置1によれば、処理すべき第1有機性廃棄物の量が多くなった場合や、第1有機性廃棄物の油分濃度が高くなった場合でも、前記第1有機性廃棄物及び前記第2有機性廃棄物を前記混合槽35で一旦貯めることができるので、前記生物処理槽21における油分濃度の上昇を抑制することができる。その結果、前記生物処理槽21内の汚泥に付着する油分の量を抑制することができる。
【0064】
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、前記分離水移送部23bは、前記混合槽35を介して前記分離水を前記生物処理槽21に移送する分離水移送部である。
【0065】
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記生物処理槽21内の収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度、及び、該収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の少なくとも一方の値を調整する調整部4をさらに備える。
対象試料におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度は、対象試料における油分濃度の指標となる。また、対象試料における、全蒸発残留物の強熱減量は、対象試料における、メタン生成菌で分解できる有機物濃度の指標となる。
よって、斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記生物処理槽21内の収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度を低減することにより、前記生物処理槽21内の汚泥に油分が付着するのをより一層抑制することができる。
また、斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記生物処理槽21内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度を低減することにより、前記生物処理槽内の収容水に含まれる油分を前記第2有機性廃棄物に付着させることができる。その結果、斯かる廃棄物処理装置1によれば、生物たるメタン生成菌の活性の低下を抑制し得る。
【0066】
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、前記生物処理槽21は、前記生物処理槽21内の収容水のpH及び前記収容水から発生するガスのメタン濃度の少なくとも一方の値を測定する測定部21bを有する。前記調整部4は、前記測定部21bで測定した生物処理槽21内の収容水のpH及び前記収容水から発生するガスのメタン濃度の少なくとも一方の値に基づいて、前記調整をする調整部である。
前記生物処理槽21内の収容水のpH及び前記収容水から発生するガスのメタン濃度はそれぞれメタン生成菌の活性状態の指標となるので、斯かる廃棄物処理装置1によれば、生物たるメタン生成菌の活性の低下をより一層抑制し得る。
有機物のメタン発酵に機能する菌は、通常、至適pHが中性(pH7)付近に存在し、有機物から有機酸を経由してメタンを生成する。このとき、メタンとともに二酸化炭素も発生し、メタンと二酸化炭素との合計に占めるメタンの割合は、概ね、50体積%以上である。
そして、メタン生成菌に油分が付着するなどして菌が十分に活動できなくなると、生物処理槽の収容水のpHが低下し、該収容水から発生するガスのメタン濃度が低下する。
従って、本実施形態においては、pHが6.5以下に低下したときやガスのメタン濃度が60体積%以下に低下したときに前記調整部4によって廃棄物処理装置1の運転条件を調整することが好ましい。
【0067】
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、前記調整部4は、下記(1)〜(3)の少なくとも何れか一を満たすようにする調整部である。
(1)前記生物処理槽21内の収容水におけるノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下となる。
(2)前記生物処理槽21内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.15以下となる。
(3)前記混合槽35内の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量(mg/L)に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度(mg/L)の比が0.32以下となる。
斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記生物処理槽21内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度を2,250mg/L以下にすることにより、前記生物処理槽21内の収容水中の汚泥に付着する油分の量をより一層抑制することができる。その結果、斯かる廃棄物処理装置1によれば、生物たるメタン生成菌の活性の低下をより一層抑制し得る。
また、斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記生物処理槽21内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比を0.15以下にすることにより、前記生物処理槽21内の収容水に含まれる油分を前記第2有機性廃棄物に付着させることができる。その結果、斯かる廃棄物処理装置1によれば、生物たるメタン生成菌の活性の低下を抑制し得る。
さらに、斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記混合槽35内の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比を0.32以下にすることにより、前記混合槽35内の収容水中の汚泥に付着する油分の量を抑制することができる。その結果、斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記生物処理槽21内の収容水中の汚泥に付着する油分の量もより一層抑制することができ、生物たるメタン生成菌の活性の低下をより一層抑制し得る。
【0068】
また、本実施形態に係る廃棄物処理装置1では、前記移送部3は、前記混合槽35を介さずに前記生物処理槽21に前記第2有機性廃棄物を移送する第4移送部34を備えている。
斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記混合槽35を介さずに前記生物処理槽21に前記第2有機性廃棄物を前記第4移送部34で移送することにより、前記生物処理槽21内の収容水に含まれる油分を前記第2有機性廃棄物に付着させることができる。その結果、前記生物処理槽21内の汚泥に油分が付着するのを抑制することができる。
よって、斯かる廃棄物処理装置1によれば、油分を含めた有機物を生物で分解させつつも、生物の活性の低下を抑制し得る。
上記効果をより顕著に発揮させる上において、混合槽を介さずに生物処理槽に導入させる第2有機性廃棄物は、ノルマルヘキサン抽出物質濃度が10,000mg/L以下であることが好ましい。
また、混合槽を介さずに生物処理槽に導入される第2有機性廃棄物は、厨芥の粉砕物などの有機性固形分を10質量%以上含有していることが好ましい。
さらに、第2有機性廃棄物に含まれる有機性固形分は、第2有機性廃棄物の全量が40mmメッシュのふるいを通過するように微粉砕されていることが、油分を付着させるために表面積を大きく確保できる点において好適である。
【0069】
さらに、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記第1有機性廃棄物が厨房排水を含有し、前記第2有機性廃棄物が厨芥を含有してもよい。
【0070】
なお、本発明に係る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法は、上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法は、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係る廃棄物処理装置および廃棄物処理方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0071】
例えば、本実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記生物処理槽21と別体の前記固液分離部22を備えているが、図2に示すように、他の実施形態に係る廃棄物処理装置1は、前記固液分離部22を備えず、前記生物処理槽21で沈殿分離して得られた濃縮物Fを収容水として前記生物処理槽21外に移送する収容水移送部23aを備えている。
斯かる廃棄物処理装置1によれば、前記生物処理槽21で得られた分離水を該生物処理槽21に留め、更に、前記生物処理槽21で得られた濃縮物Fを前記生物処理槽21外に移送するので、未分解の有機物を多く前記生物処理槽21に留めつつ、油分と、活性が低下した生物を有する汚泥とを多く前記生物処理槽21外に排出することができる。その結果、分離水に含まれる有機物を前記生物処理槽21で分解させつつも、前記生物処理槽21のメタン生成菌たる生物の活性を高めることができる。
【実施例】
【0072】
次に、試験例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
【0073】
(試験例1)
メタン生成菌で生物処理する生物処理槽たるジャーファメンター(容積:10L)に8Lの種汚泥を投入して、実験を開始した。
種汚泥については、食品工場の高温メタン発酵槽から採取した発酵液を保温容器に入れて持ち帰ったものを種汚泥として実験に供した。
ジャーファメンターたる生物処理槽の温度は55℃(生物処理槽におけるメタン発酵が高温メタン発酵となる温度)とした。
複数のレストランから排出される厨芥をディスポーザで破砕した後、約10倍量の希釈水で希釈して、流動性をもたせて配管で輸送し、生物処理槽投入前に1mm目のスクリーンで固液分離した厨芥固形物を第2有機性廃棄物として用いた。
また、同じくレストランから排出される厨房排水を加圧浮上分離して得られたスカムを第1有機性廃棄物として用いた。
そして、厨芥固形物とスカムとを質量混合比1:0〜1:2で混合槽に投入し、混合物を得た。この質量混合比を変化させることで、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(n−Hex/VS)を0.07〜0.33に変化させた。
そして、チューブポンプを用いて混合物を1日あたり1回から8回に分けてジャーファメンターたる生物処理槽に投入した。
なお、チューブポンプ等が詰まるのを防止するために、チューブポンプを用いて混合物を移送させる前に、混合物をミキサーで細かく粉砕した。
【0074】
(試験例1の結果)
図3には、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)との関係を示す。
また、図4には、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内ガス中のメタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)との関係を示す。
なお、各図に示す、生物処理槽内ガス中のメタン濃度は、体積%を意味する。
混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)が0.26以下であると、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)を低く抑えられる傾向が認められ、同時に生物処理槽内ガス中のメタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)を高く維持できる傾向が認められた。
これは、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)が低くなることにより、生物処理槽内のメタン生成菌の活性が高められたため、すなわち、メタン発酵が促進されたためと推察される。
なお、通常、生物処理する場合には、生物処理槽に供給する、生物処理の対象となる物質の量を急激に上げずに少しずつ上げることにより、生物を含む汚泥を馴養させながら生物処理する。
しかし、試験例1では、通常よりも馴養を簡略化し、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比を急激に変化させた条件下で試験を行った。
したがって、通常よりも馴養を簡略化し、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比を急激に変化させた条件下では、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比は、0.26以下であることが好ましい。
【0075】
(試験例2)
試験例1では、通常よりも馴養を簡略化し、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比を急激に変化させた条件下で試験を行ったが、試験例2では、生物を含む汚泥を通常条件で馴養させながら生物処理をした。
すなわち、試験例2では、生物を含む汚泥を通常条件で馴養させながら生物処理をしたこと以外は、試験例1と同じ装置を用い、同様な方法で試験を行った。
具体的には、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)が0.1〜0.33となるように、厨芥固形物とスカムとの質量混合比を変化させながら厨芥固形物とスカムとを混合槽に投入した。
また、試験例1とは異なり、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)を0.22〜0.26の間で1ヶ月以上保持させて、汚泥を馴養させ、その後、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)を0.27以上にした。
【0076】
(試験例2の結果)
図5には、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)との関係を示す。
また、図6には、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内ガス中のメタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)との関係を示す。
なお、各図に示す、生物処理槽内ガス中のメタン濃度は、体積%を意味する。
試験例2では、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)を低く抑えられるとともに、同時に生物処理槽内ガス中のメタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)を高く維持できた。
したがって、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比は、0.32以下であることが好ましい。
【0077】
(試験例1、2のまとめ)
試験例1、2より、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比は、好ましくは0.32以下、より好ましくは0.26以下である。
【0078】
(試験例3)
第2有機性廃棄物たる厨芥ディスポーザ排水と第1有機性廃棄物たる厨房排水を生物処理槽で処理する設備において、厨芥ディスポーザ排水をスクリーンで固液分離した固形分(厨芥固形物)と、厨房排水を加圧浮上して分離したスカムとを混合槽で混合して混合物を得、メタン生成菌で生物処理する生物処理槽で前記混合物を処理した。結果を図7〜12に示す。
【0079】
図7には、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)、生物処理槽内の収容水の揮発性脂肪酸濃度(生物処理槽内VFA)、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)、生物処理槽の収容水のノルマルヘキサン抽出物質の除去率(n−Hex除去率)、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)、及び、生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(生物処理槽内n−Hex/VS)の時間変化を示す。
なお、図7に示す各値は、1日ごとに測定した値である。
また、生物処理槽の収容水のノルマルヘキサン抽出物質の除去率(n−Hex除去率)は、下記式で求めたものを意味する。
n−Hex除去率 = 1 − (生物処理槽から取り出した収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度/混合槽から生物処理槽に投入される混合物のノルマルヘキサン抽出物質濃度)
図8には、混合槽への厨芥固形物の投入量、混合槽へのスカムの投入量、及び、混合槽の混合物における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(混合槽内n−Hex/VS)の時間変化を示す。
図9には、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)、生物処理槽の収容水のノルマルヘキサン抽出物質の除去率(n−Hex除去率)の時間変化を示す。
なお、図8、9に示す各値は、1日ごとに測定した値を1週間ごとに算術平均した値である。
【0080】
図10〜12は、図7に示すデータを用いて作成した図である。
図10には、生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(生物処理槽内n−Hex/VS)と、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)との関係を示す。
図11には、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)と、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)との関係を示す。
図12には、生物処理槽内のガス中メタン濃度(生物処理槽内ガス中CH4)と、生物処理槽内の収容水の揮発性脂肪酸濃度(生物処理槽内VFA)との関係を示す。
【0081】
図10に示すように、生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比(生物処理槽内n−Hex/VS)が0.15以下であると、生物処理槽内のガス中メタン濃度が高くなりやすい傾向が示された。
すなわち、生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比が0.15以下であると、メタン発酵が促進されやすくなると考えられる。
したがって、生物処理槽内の収容水における、全蒸発残留物の強熱減量に対するノルマルヘキサン抽出物質濃度の比は、0.15以下であることが好ましい。
【0082】
また、図11に示すように、試験例2では、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度(生物処理槽内n−Hex)が2,250mg/L以下であると、生物処理槽内のガス中メタン濃度が高くなりやすい傾向が示された。
すなわち、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度が2,250mg/L以下であると、メタン発酵が促進されやすくなると考えられる。
したがって、生物処理槽内の収容水のノルマルヘキサン抽出物質濃度は、2,250mg/L以下であることが好ましい。
【0083】
なお、図12に示すように、試験例2では、生物処理槽内のガス中メタン濃度55〜65%の範囲を境にして、生物処理槽内の収容水の揮発性脂肪酸濃度が大きく変化した。
すなわち、生物処理槽内の収容水の揮発性脂肪酸濃度が低いと、生物処理槽内のガス中メタン濃度が高くなりやすい傾向にあると考えられる。そして、その結果、メタン発酵が促進されやすくなると考えられる。
【符号の説明】
【0084】
A:厨房排水、B:厨芥、C:浄化水、D:濃縮物、E:濃縮物、F:濃縮物、F’:濃縮物、G:濃縮物、
1:廃棄物処理装置、2:処理部、3:移送部、4:調整部、
21:生物処理槽、21a:撹拌部、21a1:回転軸、21a2:撹拌翼、21b:測定部、22:固液分離部、23a:収容水移送部、23a1:収容水移送管、23a2:ポンプ、23b:分離水移送部、23c:濃縮物移送部、24:スクリーン、25a:曝気部、25b:排出部、26a:脱硫部、26b:ガス貯留部、26c:ガス利用設備、26d:槽、
31:第1移送部、31a:槽、31b:グリストラップ、31c:スクリーン、31d:槽、31d1:撹拌部、31e:加圧浮上部、31f:濃縮物移送管、31g:ポンプ、
32:第2移送部、32a:ディスポーザ部、32b:スクリーン、32c:ディスポーザ排水槽、32d:第1ディスポーザ排水移送管、32e:第2ディスポーザ排水移送管、32f:切り替え部、32f1:第3バルブ、32f2:第4バルブ、32g:濃縮物移送管、32h:ポンプ、
33:第3移送部、33a、混合物移送管、33b:ポンプ、
34:第4移送部、34a:分岐管、
35:混合槽、35a:撹拌部、
36:制御部、36a:第1バルブ、36b:第2バルブ、
41:信号発信部、42:制御信号伝達部、42a:第1制御信号伝達部、42b:第2制御信号伝達部、42c:第3制御信号伝達部、42d:第4制御信号伝達部、42e:第5制御信号伝達部、42f:第6制御信号伝達部、42g:第7制御信号伝達部、42h:第8制御信号伝達部
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