特許第6937157号(P6937157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6937157放射線画像診断装置及び医用画像処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937157
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】放射線画像診断装置及び医用画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20210909BHJP
【FI】
   A61B6/03 350X
【請求項の数】22
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-78501(P2017-78501)
(22)【出願日】2017年4月11日
(65)【公開番号】特開2017-189612(P2017-189612A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2020年3月11日
(31)【優先権主張番号】15/095,951
(32)【優先日】2016年4月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】ジエン ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンリー・ワン
(72)【発明者】
【氏名】イ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ユウ
【審査官】 安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−500118(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0348440(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/042466(WO,A2)
【文献】 特表2017−521124(JP,A)
【文献】 特開2014−004359(JP,A)
【文献】 米国特許第08958660(US,B1)
【文献】 米国特許第05909476(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の検出データを取得する取得部と、
再構成画像におけるノイズを所望の標準偏差に関連づけるための目的関数を用いて、逐次近似再構成処理に用いる正則化関数の正則化パラメータを推定する推定部と、
前記検出データに基づき、前記推定部により推定された前記正則化パラメータを有する正則化関数による逐次近似再構成処理を行い、再構成画像を生成する再構成処理部と、
を具備する放射線画像診断装置。
【請求項2】
前記推定部は、所定の統計的特性が所定値を有する前記再構成画像を生成するための前記正則化パラメータを推定する請求項1記載の放射線画像診断装置。
【請求項3】
前記所定の統計的特性は、低コントラスト検知能モデルパラメータ、変調伝達関数パラメータ、ノイズパワースペクトルパラメータ、ディープライムメトリック、および標準偏差の1つである請求項2記載の放射線画像診断装置。
【請求項4】
前記推定部は、順投影行列および逆投影行列を含み且つ前記順投影行列および前記逆投影行列の積は非単位行列であるシステムモデルを使用して、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項5】
前記推定部は、逆投影行列および順投影行列を含む行列積の三次元フーリエ変換の計算を使用して、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項6】
前記推定部は、シフト不変ヘッセ行列の近似の計算を使用して前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項7】
前記推定部は、シフト不変ヘッセ行列の近似、逆投影行列、対角線重み行列、統計的重み行列、および順投影行列を含む行列積、前記逆投影行列、前記統計的重み行列、重みキャップが適用された対角線重み行列、および前記順投影行列を含む行列積、を表す複数の行列のそれぞれの局所的応答アレイの三次元フーリエ変換を使用して前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項8】
前記推定部は、
前記正則化パラメータの範囲を決定し、
前記正則化パラメータの範囲の中間値を計算し、
前記中間値で評価された場合に、前記正則化パラメータを再構成画像におけるノイズの所望の標準偏差に関連づける目的関数が所定の閾値未満の絶対値を有するかどうかを判定し、
前記中間値で評価された前記目的関数が前記所定の閾値未満の絶対値を有する場合、前記中間値を返し、
前記中間値で評価された前記目的関数が前記所定の閾値超の大きさを有しかつ前記中間値で評価された前記目的関数の符号が前記範囲の上限値を使用して評価された前記目的関数の符号と等しい場合、前記範囲の上限値を前記中間値に設定し、
前記中間値で評価された前記目的関数が前記所定の閾値超の大きさを有しかつ前記中間値で評価された前記目的関数の符号が前記範囲の下限値を使用して評価された前記目的関数の符号と等しい場合、前記下限値を前記中間値に設定する、
ことによって二分求根法を使用して前記正則化パラメータを予測する請求項1乃至7のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項9】
前記推定部は、所定の関心領域が前記再構成画像内の一様な密度の領域内に配置されるように、前記検出データに対して設定された再構成撮像視野(d−FOV)に基づいて、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項10】
前記正則化関数は、二次正則化関数、非二次正則化関数、およびHuber正則化関数、および全変動最小化正則化関数の少なくとも1つ以上である請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項11】
前記推定部は、ニュートンの求根法、セカント求根法、二分求根法、補間ベースの求根法、逆数補間ベースの求根法、ブレントの求根法、ブーダン=フーリエベースの求根法、およびスツルム列ベースの求根法のうちの少なくとも1つの求根法を使用して、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項12】
前記推定部は、所定のキャップ値を使用して決定された対角線値を含む重み行列を使用して、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至11のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項13】
前記重み行列の前記対角線値は、逆分散の二乗と、前記逆分散および前記キャップ値の間の最小値との間の比を用いて決定される請求項12記載の放射線画像診断装置。
【請求項14】
前記放射線の検出データは、コンピュータ断層撮影投影データ又は陽電子断層撮影検出データである請求項1乃至13のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項15】
前記再構成処理部は、前記正則化パラメータ、再構成撮像視野(d−FOV)、前記逐次近似再構成処理に用いられる逆投影行列及び順投影行列を用いて目的関数を解くことにより、前記再構成画像の所定の関心領域における標準偏差を計算する請求項1乃至14のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項16】
前記推定部は、前記逐次近似再構成処理前に、再構成撮像視野(d−FOV)の前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至15のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項17】
前記推定部は、前記逐次近似再構成処理によって得られる前記再構成画像に含まれる所定の領域内のノイズの分散値を用いて、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至16のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項18】
前記推定部は、前記逐次近似再構成処理によって得られる前記再構成画像についての所望の局所空間解像度を基準として、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至16のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項19】
前記推定部は、前記逐次近似再構成処理によって得られる前記再構成画像ついての低コントラスト分解能を基準として、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至16のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項20】
前記推定部は、検出能に関する指標を用いて重み付けされた前記検出データを用いて、前記正則化パラメータを推定する請求項1乃至16のうちいずれか一項記載の放射線画像診断装置。
【請求項21】
再構成画像におけるノイズを所望の標準偏差に関連づけるための目的関数を用いて、逐次近似再構成処理に用いる正則化関数の正則化パラメータを推定する推定部と、
放射線の検出データに基づき、前記推定部により推定された前記正則化パラメータを有する正則化関数による逐次近似再構成処理を行い、再構成画像を生成する再構成処理部と、
を具備する医用画像処理装置。
【請求項22】
放射線の検出データを取得する取得部と、
前記検出データに対して設定された再構成撮像視野(d−FOV)、関心領域および所望のノイズ標準偏差に基づいて、逐次近似再構成処理に用いる正則化関数の正則化パラメータを推定する推定部と、
前記検出データに基づき、前記推定部により推定された前記正則化パラメータを有する正則化関数による逐次近似再構成処理を行い、再構成画像を生成する再構成処理部と、
を具備する放射線画像診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、放射線画像診断装置及び医用画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線コンピュータ断層撮影(CT)および陽電子断層撮影(PET)のいずれにおいても、逐次近似再構成が被検体の再構成画像を生成するために使用されることが可能である。両ケースにおいて、システム行列Aは、検出X線データyと再構成画像xの関係を表すために使用されることが可能であり、システム行列式(1)のように表現される。
【0003】
【数1】
【0004】
CT画像再構成では、システム行列Aは被検体を通過するX線の軌道を表し、被検体を通過した後のX線強度は被検体を貫くX線軌道に沿った減衰に依存する。PETでは、システム行列Aは、1回の電子−陽電子消滅イベントによる2つのX線の検出によって示される同時計数線(LOR)を表す。LORは、消滅イベントによる2つのX線を検出する2つの検出器の間の線を意味する。
【0005】
代数的再構成技術等の様々な反復再構成(IR)法があるが、1つの一般的なIR法は、式(2)によって表現される最適化問題を解いて中括弧内の費用関数を最小化する引数xを得ることである。
【0006】
【数2】
【0007】
例えば、X線CTにおいて、AはX線源から被検体OBJを介してX線検出器までのX線軌道(例えば、所与のX線経路を表す線積分またはラドン変換またはX線変換)を表すシステム行列であり、yは一連の投影角度で生成された投影画像(例えば、X線検出器でのX線強度)を表し、xは被検体OBJのX線減衰の再構成画像を表す。例えば、X線検出器要素間のノイズが相互に関連しない場合、重み行列Wは投影データのノイズの逆行列とされることが可能である。システム行列項は、再構成画像xの順投影Aが、測定された投影画像yの全てに対して良好な近似をもたらす場合、最小になる。上記の式において、U(x)は正則化関数であり、βは、システム行列項および正則化項の相対的な寄与に重み付けする正則化パラメータである。
【0008】
正則化によって改良されたIR法は、フィルタ補正逆投影等の他の再構成法に対して複数の長所を有し得る。例えば、正則化によって改良されたIR法は、投影データがまばらな投影角度(すなわち少数の視界での投影データ)のみを含んでいる場合または信号対ノイズ比が低い(すなわちノイズの多い投影データ)場合であっても、高品質な再構成を生むことが可能である。少数の視界、限られた角度、およびノイズの多い投影データの場合、正則化関数を使用することにより、一部の被検体OBJの推測的モデルによっては再構成画像に所定の特徴が加わる。例えば、減衰係数が正であることを強制することは、各ピクセルがX線を吸収するかまたは透明であるという(すなわち、X線の増大はない)推測的モデル(このことは、実際問題として、臨床用途において実質的に確かなものである)に基づく正則化をもたらし得る。文言「ピクセル」は、任意の次元のアレイにおける値を指し、例えば二次元画像アレイにおける二次元のピクセル、三次元画像アレイにおける三次元ボリュームピクセルすなわちボクセルを含む。
【0009】
同様に、他の正則化項は、再構成画像に課される特徴または制約についての推測的知識に依存し得る。例えば、凸集合(POCS)への投影と併せて「全変動」(TV)を最小化することも、非常に良く知られている正則化方式である。TV最小化アルゴリズムは、画像が、広い領域の大部分に亘って一様でありかつ一様な領域の境界で遷移が鮮明であることを前提としている。これは、様々な器官の臨床画像について概ね当てはまり、各器官は当該器官の全体に亘ってほぼ一定のX線吸収係数を示す(例えば、骨はある第1の吸収係数を有し、肺はある第2の第2係数を有し、心臓はある第3の係数を有し得る)。推測的モデルが画像オブジェクトOBJによく合致する場合、これらの正則化付きIRアルゴリズムは、たとえ再構成問題が著しく劣決定されて(例えば若干の視界シナリオのみ、投影角度が欠けている、またはノイズが多い)いても、良好な画質を生成することが可能である。
【0010】
正則化項は一般的に再構成画像xのノイズ特性を向上させることが可能であり、再構成画像における信号対ノイズ比についての改善の程度は正則化パラメータβの大きさに依存する。βが大きいと、再構成画像の信号対ノイズ比は減少し得、βが小さいと、再構成画像の信号対ノイズ比は増加し得る。他方、正則化パラメータβを非常に大きくすることは、正則化関数の選択によっては、空間解像度の妨げとなり得る。
【0011】
加えて、再構成画像の信号対ノイズ比は、画像視野(dFOV)のサイズ、順投影行列および逆投影行列によって表現されたシステムモデル、および投影データの統計的特性に依存する可能性がある。現在の方法は、正則化付きIR(これは投影データ、システムモデル、およびdFOVの所与の組についての特定の統計的特性を有する再構成画像を生成することを約束する)の実行前に正則化パラメータβを選択するには不十分である。ある再構成タスクについての正則化パラメータβを選択しかつ特定のノイズ特性および画質を有する再構成画像を達成するための現在の方法のこのような制限は、CTシステムおよびPETシステムの両方に当てはまる。
【0012】
PETシステムは、医用画像において広く使用される。陽電子断層撮影(PET)では、放射性医薬品が、注入、吸入、または摂取によって撮影対象に導入される。放射性医薬品の投与後、放射性医薬品の物理的および生体分子的特性によって、人体中の特定の位置に薬剤が集結する。放射性医薬品の実際の空間的分散、薬剤が蓄積した領域の強度、および投与からその最終的な排出までの過程の動態は、全て臨床上、意義のあり得る要素である。この過程において、放射性医薬品に付着した陽電子放射体は、半減期、分岐比等の同位体の物理的性質に従って陽電子を放射する。
【0013】
放射性核種は陽電子を放射し、放射された陽電子が電子と衝突すると消滅イベントが起こり、消滅イベントにおいて陽電子と電子は結合する。大抵の場合、消滅イベントは実質的に180度離れて進行する2つの(511keVの)γ線を生成する。
【0014】
断層撮影の再構成原理によって放射性同位体の時空的分布を再構成できるためには、検出された各イベントが、そのエネルギー(すなわち生成された光の量)、その位置、およびそのタイミングについて特徴付けられる必要がある。2つのγ線を検出しかつそれらの位置の間に線、すなわち同時計数線(LOR)を引くことによって、最初の崩壊と思われる位置を割り出すことが可能である。この処理は、単に相互作用の可能性のある線を、それらの同時計数線を多く累積することによってかつ断層撮影の再構成処理を通じて特定するのみであり、本来の分布は推定がなされ得る。2つのシンチレーションイベントの位置に加えて、(数百ピコセカンド以内の)正確なタイミングが利用可能であれば、飛行時間(TOF)を計算することにより、同時計数線に沿ったイベントと思われる位置に関するより多くの情報を加えることが可能である。スキャナの時間分解能における制限が、この同時計数線に沿った位置決め精度を左右する。多くのイベントを収集することが、断層撮影の再構成を通じて推定される被検体画像にとって必須の情報を作り出す。
【0015】
PET画像システムは、被検体からのγ線放射を検出するために互いに離れて配置された検出器を使用する。検出器の輪が、各角度から到来するγ線を検出するために使用されることが可能である。このように、PETスキャナはできるだけ多くの放射線を取り込めるように実質的に円筒状であり、すなわち、定義によれば、等方性である。PETスキャナは数千の個々の水晶(すなわちシンチレータ要素)から構成されることが可能である。水晶は、それぞれのシンチレーションイベントによる光パルスを測定するための光検出器とともにモジュールへとパッケージ化された二次元のシンチレータアレイで配置される。光検出器によって測定された相対的なパルスエネルギーは、シンチレーションイベントの位置を特定するために使用される。
【0016】
コンピュータ断層撮影(CT)システムは、PETシステムと複数の類似点および複数の相違点を有する。CTシステムおよびCT方法も、医用撮影および医用診断向けに幅広く使用される。一般的に、CTシステムは、被検体の身体を貫く1以上の断面スライスの画像を作成する。X線源等の放射線源は、身体に一方の側から照射する。X線源の付近には、通常、コリメータがあり、コリメータはX線ビームの角度範囲を制限する。そうすることで、身体に作用する放射線は、身体の1つの断面スライスを定義する平面領域(またはボリューム領域)へと実質的に制限される。身体の反対側にある少なくとも1つの検出器(一般的には1つ以上の多数の検出器)は、実質的にスライスの平面内で身体を通過した放射線を受ける。身体を通過した放射線の減衰は、検出器から受信された電気信号を処理することによって測定される。一連の投影角度での投影データ(すなわちCTスキャン)は、次いで、サンプリングされた平面領域(またはボリューム)の画像を再構成するために記録かつ/または処理される。
【0017】
CTサイノグラムは、第1軸(または軸の組)に沿った検出器アレイに沿った「空間」および第2軸に沿ったCTスキャンの「時間/角度」の関数として身体による減衰を表示する投影データの構成である。空間次元は、X線検出器の1次元配列に沿った位置を指す。時間/角度次元は、時間の関数として変化するX線の投影角度を指し、時間の経過とともに投影角度が増加し、線形の一連の投影角度において投影の測定が実行される。特定のボリュームによる減衰は、垂直軸のまわりで正弦波を描き、回転軸からより離れたボリュームはより大きな振幅の正弦波を有し、正弦波の位相は回転軸のまわりのボリュームの角度位置を決定する。逆ラドン変換または同等な画像再構成法を実行することにより、サイノグラムにおける投影データによる画像が再構成される。再構成画像は身体の断面スライス(またはボリューム)に対応する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
正則化付き逐次近似再構成(IR)を使用して放射線検出データから再構成される再構成画像の特性(例えば画像の統計的特定および局所空間解像度)と、IRにおいて使用される正則化関数の強度を表す正則化パラメータと、の関係の推定する方法は、更なる改善が依然として望まれている。
【0019】
目的は、例えば、再構成画像の画像視野(dFOV)、放射線検出データの統計的特性、および順投影行列および逆投影行列を含むシステムモデルを用いた、順投影行列および逆投影行列がマッチする必要のないように補償するために再構成画像特性と正則化パラメータの関係を推定する方法において、さらなる改善策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本実施形態に係る放射線画像診断装置は、取得部と、推定部と、再構成処理部と、を具備する。取得部は、放射線の検出データを取得する。推定部は、検出データに対して設定された再構成撮像視野(d−FOV)に基づいて、逐次近似再構成処理に用いる正則化関数の正則化パラメータを推定する。再構成処理部は、検出データに基づき、推定部により推定された正則化パラメータを有する正則化関数による逐次近似再構成処理を行い、再構成画像を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、480mmの画像視野(dFOV)を有する再構成画像を示す。
図1B図1Bは、240mmの画像視野(dFOV)を有する再構成画像を示す。
図1C図1Cは、120mmの画像視野(dFOV)を有する再構成画像を示す。
図1D図1Dは、60mmの画像視野(dFOV)を有する再構成画像を示す。
図2A図2Aは、再構成画像、dFOV、システムモデル、および放射線検出データの統計的特性の所定の指定内容に従って正則化パラメータを予測しかつ予測された正則化パラメータを使用して画像を反復再構成するための、一実装に従った方法のフローチャートを示す。
図2B図2Bは、正則化パラメータを予測するための超越目的関数を計算する処理のフローチャートを示す。
図3図3は、正則化パラメータを予測するための超越目的関数等の等式の根を求めるための、一実装に従った処理のフローチャートを示す。
図4A図4Aは、400mmの画像視野(dFOV)を有しかつ示された領域内で20ハウンズフィールドユニット(HU)の標準偏差となると予測された正則化パラメータを使用して再構成された再構成画像を示す。
図4B図4Bは、200mmの画像視野(dFOV)を有しかつ図4において使用されるのと同じ正則化パラメータを使用して再構成された再構成画像を示す。
図4C図4Cは、200mmの画像視野(dFOV)を有しかつ示された領域内で20HUの標準偏差となると予測された正則化パラメータを使用して再構成された再構成画像を示す。
図5図5は、一実装に従ったCTスキャナの実装の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
統計ベースの逐次近似再構成(IR)は、X線コンピュータ断層撮影(CT)および陽電子断層撮影(PET)ベースの画像再構成についての複数の長所を持つ。例えば、統計ベースIRは、被検体の良質な画像を再構成するために様々な物理的影響を取り入れた正確なシステムモデルを取り込むことを可能にする。したがって、統計ベースIRは、有利なことに、従来の分析手法より高画質の画像を生成することを可能にする。IRを使用して再構成された画像の質は、正則化技術を取り込むことによってさらに向上させられることが可能である。正則化技術は、再構成画像のノイズ特性を制御するために使用されることが可能である。正則化項を適切に選択または設計することによって、器官の境界、および器官中のならびに器官間の微細構造、のまわりの明瞭なエッジ等の画像特徴を維持しつつ再構成画像中のノイズが抑制されることが可能である。
【0023】
正則化付きIRが強力なツールである一方、多くの課題が依然残る。例えば、正則化関数の強度を最適化するための正則化パラメータを選択する現在の方法では、正則化パラメータおよび画像視野(dFOV)の所与の選択についての対応する再構成画像において得られるノイズ特性は正確には予測されない。したがって、CTおよびPET用のIRの多くのユーザが、再構成画像における所望のノイズレベルを得るために必要な正則化パラメータの大きさを推測しなければならない。ユーザが所望/許容の範囲を超えた再構成画像ノイズレベルにつながる正則化パラメータを誤って推測した場合、ユーザは、所望のノイズ特性を有する正則化パラメータおよび再構成画像をやがて推測できることを望みつつ、別の正則化パラメータの推測および再構成処理を再三繰り返さなければならない。
【0024】
さらに、ユーザが続いてdFOVを変更する場合、または統計的特性の異なる別のX線データを使用する場合、ユーザは各変更について、推測およびチェック手順を繰り返さなければならない。放射線検出データ(放射線検出データはCT投影データおよびPETデータの両方を含む)およびdFOVが異なると、再構成画像でのノイズ特性が異なることになるからである。また、再構成画像のノイズ特性は、システムモデルにおいて使用される順投影行列および逆投影行列の選択にも依存し得る(例えば、システムモデルは、順投影について使用されるシステム行列Aおよび逆投影行列Bを含み、これらはハーフスキャンが実行されているかフルスキャンが実行されているか、および様々な投影角度の重みの相対関係に依存する)。このように、再構成画像の集合において一貫したノイズ特性を維持するためには、上記のパラメータのうちのいずれかが変化するなら、相応して、再構成画像の集合における一貫した統計的特性を維持するための正則化パラメータは変化する。さらに、正則化パラメータをどれだけ変更するべきかの知識は、正則化パラメータを上記パラメータの関数として再構成画像の統計的特性に関連付けることが可能な方法に依存する。この関係が与えられれば、再構成画像において所望の統計的特性を生成する正則化パラメータを予測することが可能である。本実施形態の記載の方法および装置は、正則化パラメータと、正則化パラメータが依存する上記のパラメータの関係を説明かつ適用する。
【0025】
再構成画像の所望の統計的特性に対応する正則化パラメータを予測する方法無しでは、ユーザは、どの正則化パラメータが再構成画像のどのようなノイズ特性につながるかを推測および確認する上記の経験的なサイクルをするに限られる。この経験的サイクルは非効率であり得る。
【0026】
次に図面(図面において、同様の参照数字は複数の図面にわたって同一または対応する部分を指す)を参照すると、図1A図1B図1C、および図1Dは、同じCT投影データから生成されたがdFOVの異なる画像を示す。各再構成画像は同じデータセットおよび同じ正則化パラメータを使用する。図1A図1B図1C、および図1DについてのdFOVサイズは、それぞれ480mm、240mm、120mm、および60mmである。各再構成画像において、被検体の同じ物理的領域に対応する関心領域(ROI)が示される。これらの領域の統計的特性が比較され、dFOVサイズが小さくなるとROI内の分散が増加することが分かった。
【0027】
(異なるdFOVとは違って)異なるデータセットの比較では、例えば、異なるデータセットから再構成された画像におけるノイズは、X線線量レベルおよび被検体サイズが異なるので、異なるということが分かるだろう。したがって、一貫したノイズ特性(例えば分散)が望まれる場合、あるデータセットには適している正則化パラメータと同じ正則化パラメータは他のデータセットには適していないかもしれない。すなわち、図1A図1B図1C、および図1Dと同様に、異なる被検体または同じ被検体であっても異なる器官/領域であれば異なるデータセットに対しては、様々な再構成画像間で一貫したノイズパラメータを維持できるように異なる正則化パラメータが必要であり得る。
【0028】
したがって、再構成画像間でIRノイズ特性を安定させるために、正則化パラメータを選択することが使用されることが可能である。他方、正則化パラメータを任意にまたは指針無く選択することは、再構成画像のノイズ特性が不確かなものとなったり著しくばらついたりすることにつながり得る。正則化パラメータを再構成画像のノイズ特性に結び付けるために、本実施形態に記載の方法によれば、正則化パラメータを予測することによって、放射線検出データ、dFOVサイズ、および画像再構成用のシステムモデルの統計的特性を補償しつつ所望のノイズ特性を達成することが可能になる。このように、本実施形態に記載の方法によって、臨床評価目的により良く役立つように、再構成された臨床画像における一貫したノイズ特性が可能になる。
【0029】
本実施形態に記載の方法は、複数の利点をもたらす。第1に、本実施形態に記載の方法は、逐次近似再構成の画像ノイズを線量レベル、dFOVサイズ、患者の特徴等と無関係にするノイズ一貫性をもたらすことが可能である。第2に、本方法は、正則化パラメータが再構成画像についての目標の標準偏差を生成するということをもたらすことが可能である。第3に、本方法は、非二次正則化関数を含め、正則化項の広い選択についての再構成画像のノイズ共分散の理論的予測をもたらすことが可能である。第4に、本方法は、マッチした投影行列およびマッチしていない投影行列の両方を含め、正則化付きIRにおいて使用されるどのようなCTシステムモデルも補償することが可能である。マッチしていない投影行列は、逆投影行列Bが順投影行列Aの逆行列でない場合に起こり、マッチしている投影行列は、逆投影行列Bの順投影行列Aとの行列積が単位行列を生成するように逆投影行列Bが順投影行列Aの逆行列である場合に起こる。さらに、本実施形態に記載の方法は、例えばCT投影データまたはPETデータの統計的特性を表す重み行列を使用することによって、線量レベル、患者サイズ、および他の物理的要素の影響といった考慮事項を補償する。第6に、本方法は、例えば全周スキャンモード(すなわち、軸に関し、ステップアンドシュート法)、ヘリカルスキャンモード、ダイナミックスキャンモード、フルスキャンモード、ハーフスキャンモードを含め、様々なスキャントポロジーおよびスキャンモードに適用される。また、ある実装では、本方法は、空間変数重み付け、近隣重み付け、および事前フィルタリングの影響を含めて正則化関数を広範囲に解析することを可能にする、非二次正則化項の局所的スペクトル応答を扱うための新規技術を含むことが可能である。最後に、本方法のさらに新規な変更が、重みのキャップ付きの共分散行列計算がノイズ低減量を線量に適応的にできるように、特定の実装に含められることが可能である。この新規な変更は、高線量レベルのデータにおいてノイズを自動的により少なくする。このことは、低コントラストな検出/撮影作業の場合に有益であり得る。
【0030】
本実施形態に記載の方法は、正則化付きIRを使用して生成される再構成画像のノイズ特性に正則化パラメータを関連付ける。正則化付きIRは、以下の式(3)で表される費用関数を最小化する画像xを求めるものとして記述されることが可能である。
【0031】
【数3】
【0032】
yは検出されたX線データであり、Aは順投影(または順投影行列)であり、Wは重み行列であり、U(x)は正則化関数であり、βは正則化パラメータである。正則化関数は、一般に、以下の式(4)で与えられる。
【0033】
【数4】
【0034】
νはピクセルjでの空間変化重みであり、ωjkはピクセルjおよびk(Nはピクセルjの近隣のピクセルである)についての近隣重みであり、ρ( )はポテンシャル関数である。ある実装では、正則化関数は、罰則関数の平滑さを制御する。ポテンシャル関数ρ( )の一例はHuber関数であり、Huber関数は、以下の式(5)で表される。
【0035】
【数5】
【0036】
dは所定の定数である。ある実装では、等方的二次正則化関数は、当該正則化関数が式(6)で与えられるように使用されることが可能である。
【0037】
【数6】
【0038】
ある実装では、異方的二次正則化関数が使用されることが可能である。このように、Huber関数に加えて、正則化関数U(x)は任意の二次正則化関数、任意の非二次正則化関数、任意の全変動最小化正則化関数、または他の正則化関数を使用することが可能である。
【0039】
再構成画像の統計は理論上、次の式(7)で与えられるIRノイズ共分散行列を使用してモデル化されることが可能である。
【0040】
【数7】
【0041】
上記の式は、マッチしていない投影ペアを使用する影響を明示的にモデル化する。マッチしていない行列ペアを使用することは、計算を並列化させることによってIR処理の著しい高速化を達成するのに有益であり得る。例えば、正則化付きIRは、GPU(graphical processing unit)等の大量に並列計算を行うハードウェアを使用して、大幅に高速化されることが可能である。
【0042】
シフト不変ヘッセ行列は以下の近似を使用して、次の式(8)で計算されることが可能である。
【0043】
【数8】
【0044】
行列Rの要素は以下の式(9)を使用して計算されることが可能である。
【0045】
【数9】
【0046】
これは、次の式(10)へと簡略化される。
【0047】
【数10】
【0048】
ある実装では、次の式(11)で与えられる再構成画像の共分散は、X線データyのノイズで重み付けされた共分散の要素がキャップされた値を有するように修正されることが可能である。
【0049】
【数11】
【0050】
すなわち、予測適応的データノイズは、X線データyの修正済み共分散を使用してモデル化されることが可能であり、WCov{y}Wの対角線項の行列要素は、次の式(12)となるように修正されることが可能である。
【0051】
【数12】
【0052】
キャップ値無しの実装では、統計的重みはデータ分散に反比例する。他の実装ではパラメータcapが適用され、パラメータcapは線量レベルに依存するものとされることが可能である。
【0053】
再構成画像の共分散に対する近似の上記の実装のうちの1つを使用して、正則化パラメータβを再構成画像におけるノイズの所望の標準偏差に関連づける超越目的関数φ( )が定義されることが可能である。さらに、三次元高速フーリエ変換(FFT)を使用すると、所与のデータセット、IRシステムのモデル、dFOV、および正則化項について調整パラメータβが素早く予測されることが可能であるように上記の式は変形されることが可能である。こうして、FFTベースの解法が、次の式(13)で表される目的関数の根について解くことによって生成されることが可能である。
【0054】
【数13】
【0055】
パラメータcは画像強度のユニットに依存することが可能である。例えば、ハウンズフィールドユニットが再構成画像において使用される場合、パラメータcは1000/μwaterとされることが可能である。μwaterは、水による実効的なX線減衰係数である。
【0056】
マッチしていない投影行列が使用される場合、パラメータγが適用される。なぜそうであるかを理解するために、次のことを考える。マッチしていない投影行列が使用される場合、λ(ラムダ)およびλ(ラムダチルダ)の差を補償するためのさらなるスケーリング係数が使用されない限り、Bは目的関数の計算の際にAによって置換されることが可能でない。そのようなスケーリング係数は、異なるスキャンにおいて取得された様々なデータセットを使用して再構成を複数回行うことを通じて、経験を通じて推定されることが可能である。基本的に仮定されていることは、dFOVサイズが固定であれば、正則化パラメータの変更は当該スケーリング係数に影響しないはずであるということである。したがって、そのようなスケーリング係数は再構成画像において経験による実際の標準偏差と、上記の目的関数を使用して算出された、予測された標準偏差と、の間の比を取ることによって決定されることが可能である。
【0057】
パラメータδは、エッジが再構成画像において保たれる程度に基づいて決定されることが可能である。例えば、δ=1(HU)は、多くの場合、エッジのはっきりした画像につながる。パラメータδは上記の正則化関数についての式において与えられている。
【0058】
パラメータτはピクセル相関に対応する。ほとんどの場合、τは例えば1.0の値に固定されることが可能である。
【0059】
値の明示的説明の提示の目的で、まず、一般に、重み行列は、W=Wとして、対角線に沿って冗長重みを含んだ対角行列Wと、Ws=cov−1{y}で与えられる統計的重み行列へと分解されることが可能である。重みのキャッピングが適用される場合、統計的重み行列は、次の式(14)として表されることが可能である。
【0060】
【数14】
【0061】
この背景で、超越目的関数において用いられる局所的スペクトルλ(ラムダチルダ)は、行列BWAの第j列の三次元FFTとして計算されることが可能である(ある実装では、重みキャッピングが含まれ、別の実装では重みキャッピングは含まれない)。局所的スペクトルλは、行列BWAの第j列の三次元FFTとして計算されることが可能である。局所的スペクトルμ〜(ミューチルダ)は、R〜(アールチルダ)の第j列の三次元FFTとして算出されることが可能である。R〜(アールチルダ)の要素は、以下の式(15)で与えられる。
【0062】
【数15】
【0063】
上記の式を適用し、図2Aは、ピクセルjでの指定されたノイズ標準偏差σUSERを達成するために正則化パラメータβを予測する方法100を示す。さらに、図2Bは、生データ、再構成画像における関心ピクセル/領域、dFOV、およびユーザ指定の標準偏差σUSERの入力値に基づいた超越目的関数を計算する処理のフローチャートを示す。
【0064】
方法100のステップ110において、X線データyが取得される。X線データはCT投影データまたはPETデータであってよい。X線データyは、CTスキャナまたはPETスキャナによって実行された測定を使用して取得されることが可能である。あるいは、X線データyはX線データが保存されたコンピュータ可読メモリから、以前に生成された投影データまたはPETデータを検索することによって取得されることが可能である。
【0065】
方法100のステップ120において、正則化パラメータの決定のための関心領域(例えば再構成画像におけるピクセル)が選択される。例えば、ユーザは、マウスを使用してスクリーン中のピクセルをクリックすることによって、またはピクセル座標を入力することによって、関心領域を指定することが可能である。また、ユーザは、複数のピクセルを囲む三次元幾何学形状における全ピクセルを含めるように関心領域を指定することが可能である。さらに、ユーザが望むノイズ標準偏差σUSERが指定される。
【0066】
【数16】
【0067】
ある実装では、自動化されたアルゴリズムが、関心領域を定義するために使用されることが可能である。例えば、表1に概要が示された処理が、関心領域を自動的に選択するために使用されることが可能である。dFOV内のピクセルのうちのいずれが使用されてもよい。表1は、素早く安定的にピクセル座標が選択されることが可能な処理の例を示す。
【0068】
複数のピクセルが関心領域の中にある場合、関心領域中の各ピクセルについて算出された目的関数φ( )の平均が使用される。簡略化を目的として、本実施形態での説明は単一ピクセルのケースについて詳述するが、当業者によって理解されるように、多くのピクセルを含んだ関心領域への一般化は容易である。
【0069】
【数17】
【0070】
ステップ120において関心領域を選択すると、方法100は処理130に移る。処理130はステップ132、134、および136を含む。処理130において、逐次近似再構成において使用される正則化パラメータが、目的関数に対して求根法を使用することによって推定される。推定された正則化パラメータは、選択された関心領域において所望の統計的特性を有する再構成画像を生成するという有益な特性を有する。図2Bは、どのように超越目的関数が計算されることが可能かのフローチャートを示す。
【0071】
ステップ132において、超越目的関数に入力される中間結果が計算される。表2は、超越目的関数の計算において使用される中間結果を要約する。図2Bに示されるように、重み行列が、生のX線データから計算される。次に、重み行列およびdFOVのサイズが使用されて、スケーリング係数cおよびγが計算される。ピクセルjでの空間変化重みνは、重み行列、ピクセルjの座標、およびdFOVのサイズを使用して計算される。空間変化重みνの定義は、正則化関数の定義から得られる。行列R〜(アールチルダ)についての局所的応答は、ピクセルjの座標および正則化関数の定義における重みに依存する。行列BWAについての局所的応答は、ピクセルjの座標、重み行列、およびdFOVのサイズに依存する。同様に、ある実装においてキャッピング値が使用される場合、行列BWAについての局所的応答はピクセルjの座標、重み行列、dFOVのサイズ、およびキャッピング値に依存する。局所的応答が超越目的関数の計算において直接使用されるのではなく、図2Bに示されるように、それぞれの行列の第j列の三次元FFTが使用される。
【0072】
ステップ132において中間結果を算出した後、ステップ134において超越目的関数が中間結果に基づいて計算される。これは式(16)を使用して計算される。
【0073】
【数18】
【0074】
ステップ136において、求根法が適用されて、根における正則化パラメータについて解かれる。超越目的関数の根について解くために使用されることが可能な求根アルゴリズムの例は、ニュートン法、セカント法、補間ベースの方法、逆数補間法ベースの方法、ブレント法、ブーダン=フーリエベースの方法、およびスツルム列ベースの方法を含む。さらに、図3および表3は、ステップ136を実行するために使用されることが可能な二分求根法300を示す。
【0075】
【数19】
【0076】
方法300のステップ310において、種々の入力パラメータが初期化される。例えば、関心領域についてのボクセル座標が入力として、他のユーザ定義の所望標準偏差σUSER等の入力とともに取得される。また、ループ変数n、および正則化パラメータの範囲βmin・βmax間も初期化される。このことは、表3における最初の4行(すなわち、表3に列挙されているステップ1)に対応する。表3に示されるように、停止の判定基準もこのときに初期化されることが可能であり、停止判定基準は誤差許容値ε(例えば1HU)および反復の最大値nmax(例えば20)を含み得る。
【0077】
方法300のステップ320において、正則化パラメータ範囲の極値βmin及びβmaxの中間点βが計算される(例えば、表3に列挙されているステップ2.a)。
【0078】
方法300のステップ330において、目的関数の中間点βにおける値が計算される。
【0079】
方法300のステップ340において、停止判定基準が評価される。例えば、目的関数の中間点βでの値が所定の誤差許容値ε未満である場合、停止判定基準が満たされ、中間点βが正則化パラメータとして出力される(例えば、表3に列挙されているステップ2.b)。反復の最大値が超過されている場合、デフォルト値が正則化パラメータとして返される(例えば、表3に列挙されているステップ3)。他の実装においては、反復の最大値が超過されている場合、目的関数のゼロに最も近い値を与える正則化パラメータの集合{βmin,βmaxおよびβ}が、正則化パラメータとして返される。停止判定基準が満たされない場合、方法300はステップ350に移る。
【0080】
方法300のステップ350において、正則化パラメータ範囲が、目的関数の中間点βでの符号に基づいて変更される。目的関数が中間点βにおいて中間点βminでの目的関数と同じ符号を有する場合、新たなβminがβの値へと設定される。そうでない場合、新たなβmaxがβの値へと設定される(例えば、表3に列挙されているステップ2.c)。
【0081】
方法300のステップ360において、ループの変数がインクリメントされ、別のループの繰り返しが、方法300がステップ320に戻ることによって開始される(例えば、表3に列挙されているステップ2.d)。
【0082】
図2Aに戻ると、再構成画像において所望の標準偏差を生成するための正則化パラメータが予測された後、方法100は、ステップ140に移る。ステップS140において、画像は予測された正則化パラメータで実施された正則化付きIRを使用して再構成される。
【0083】
図4A図4B、および図4Cは、異なるdFOVおよび異なる正則化パラメータについて取得された再構成画像の例を示す。図4Aは、dFOVサイズが400mmの再構成画像を示す。図4Bは、dFOVサイズが200mmでかつ図4Aにおいて使用されたのと同じ正則化パラメータを使用する再構成画像を示す。図4Cは、dFOVサイズが200mmでかつ図4Aにおいて使用されたのと同じ標準偏差を維持するために正則化パラメータ予測方法100を使用する再構成画像を示す。各図について、多角形が決定され、標準偏差がそれぞれの多角形内のピクセルについて計算された。多角形は図4A図4B、および図4Cに重ねて表示されている。図4A図4B、および図4Cについて測定された標準偏差は、それぞれ20.7HU、40.0HU、および23.4HU(HUはハウンズフィールドユニットを意味する)である。目標の標準偏差は図4Aおよび図4Cについて20HUであった。
【0084】
ある実装では、方法100は複数のピクセルに亘る所望の平均標準偏差をもたらす正則化パラメータを予測するように一般化されることが可能である。例えば、複数のピクセルは再構成画像のボリュームの内部から、または再構成画像の全体の中で異なる代表的位置から選択されることが可能である。
【0085】
ある実装では、方法100は、再構成されたdFOV、患者のサイズ、およびX線線量レベルについて補償することによって再構成画像において目標のノイズを達成するためにCT正則化付きIRを使用する正則化パラメータ予測装置を使用して実行されることが可能である。この装置は、次のステップを実行することが可能である。(i)目標標準偏差を選択する、(ii)自動化されたピクセル選択処理を使用して関心対象の画像ピクセルを決定する、(iii)三次元FFTを使用して、フィッシャー情報量行列の局所的スペクトルおよび近似された正則化関数のヘシアンを計算する、(iv)直線探索アルゴリズムを使用して所定の標準偏差を満たす正則化パラメータを予測する、(v)予測された正則化パラメータ値を使用してIRを実行する。
【0086】
さらに、特定の実装では、装置は、関心対象のピクセル(領域)を決定するための自動化されたピクセル選択工程を使用するステップを実行することが可能であり、以下が含まれる。(i)関心対象のピクセル(領域)はスキャンされている被検体OBJの内部の任意のピクセルであり得る、(ii)所与の組織タイプについてのピクセル位置が自動で特定されることが可能である。
【0087】
ある実装では、装置は、さらに、以下のように局所的スペクトルλj(ラムダチルダ)を計算することによって方法100を実行することが可能である。第1に、1つのピクセルjが、正則化付きIRにおいて使用されるのと同じ順投影行列を使用して順投影される。第2に、結果が、統計的重み(ある実装では、上記のように、統計的重みはキャッピングの対象とされる)および冗長重みで乗じられる。第3に、積が、正則化付きIRにおいて使用されるのと同じ逆投影行列を使用して画像へと逆投影される。次に、これらの結果たる行列積の三次元FFTを実行することによってスペクトルλ(ラムダチルダ)が取得される。
【0088】
ある実装では、装置は、さらに、以下のように局所的スペクトルλを計算することによって方法100を実行することが可能である。第1に、1つのピクセルjが、正則化付きIRにおいて使用されるのと同じ順投影行列を使用して順投影される。第2に、結果が、統計的重み(ある実装では、上記のように、統計的重みはキャッピングの対象とされる)および冗長重みで乗じられる。第3に、積が、正則化付きIRにおいて使用されるのと同じ逆投影行列を使用して画像へと逆投影される。次に、これらの結果たる行列積の三次元FFTを実行することによってスペクトルλが取得される。
【0089】
ある実装では、装置は、さらに、以下のように局所的スペクトルμ〜(ミューチルダ)を計算することによって方法100を実行することが可能である。第1に、三次元画像が定義される。第2に、ピクセルjの値が全近隣重みの和へと設定される。第3に、ピクセルjの各近隣が、負の近隣重みへと設定される。第4に、これらの結果たる行列積の三次元FFTを実行することによってスペクトルμ〜(ミューチルダ)が取得される。近隣重みは、近隣重みの和が1に等しくなるように正規化されることが可能である。
【0090】
ある実装では、重みキャップ値はトレーニングデータを使用して選択または知得されることが可能である。例えば、重みキャップ値は、人工ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、または主成分分析等の機械学習を使用して、選択または知得されることが可能である。ある実装では、重みキャップ値は、デフォルト値に従って、実行される臨床作業または臨床撮影の特定のタイプに基づいて選択されることが可能である。
【0091】
ある実装では、提案された方法は、dFOV内の任意の1つのピクセルについてのノイズの推定を可能にする。代替的な実装では、正則化パラメータの予測は、関心領域内の複数のピクセルのノイズの平均に基づくことが可能である。このように、正則化パラメータ予測方法は、複数ピクセルの標準偏差を平均することによって平均的画像ノイズを推定するために適用されることが可能である。
【0092】
ある実装では、上記の諸式はユーザ選択の標準偏差に基づいて正則化パラメータを計算するのではなく、ユーザ選択の正則化パラメータに基づいて標準偏差を計算するために使用されることが可能である。このように、一方の方向での場合、方法は、標準偏差から開始して正則化パラメータを決定することが可能である。一方、逆の方向での場合、方法は、正則化パラメータから開始して、標準偏差を決定することが可能である。
【0093】
ある実装では、方法100は正則化付きIRを使用して取得される再構成画像において所望の局所空間解像度を取得するための正則化パラメータを推定するように修正されることが可能である。
【0094】
ある実装では、X線データはCT投影データとすることが可能であり、再構成画像はCT画像とすることが可能である。他の実装では、X線データはPETデータとすることが可能であり、再構成画像はPET画像とすることが可能である。
【0095】
ある実装では、方法100は正則化付きIRを使用する特定の撮影作業を最適化する正則化パラメータを推定するように修正されることが可能である。例えば、特定の撮影作業はディープライムメトリック(Detectability Index:モデルオブザーバの指標値等)を使用する撮影作業であり得る。ディープライムは、正則化パラメータを使用して変調伝達関数(MTF)およびノイズパワースペクトル(NPS)を計算することによって求められることが可能である。例えば、使用可能な非事前重み付けディープライム(NPW)は、次の式(17)で表される。
【0096】
【数20】
【0097】
ある実装では、方法100はPET正則化付きIRおよびSPECT正則化付きIRに適合されることが可能である。その場合、正則化パラメータは、空間での所望の位置(例えばピクセル位置または複数ピクセルを含んだ関心領域の位置)または病変検出能または病変動態パラメータ検出等の特定の撮影作業について、所望のノイズすなわち画像解像度を達成するように決定される。
【0098】
方法100の重要な2つの利点は次の通りである。(i)提案されたノイズ解析は画質を著しく損なうことなく再構成速度を上げるためにマッチしていない投影行列ペアが使用される場合に実用的に素早くかつ効率的にX線CT画像再構成を分析するのに良く適している。(ii)提案された、正則化関数の局所的シフト不変ヘッセ行列近似は、従来の方法に対する改善をもたらす。方法100は平均画像に基づいた近似およびモンテカルロベースの方法より実用的である。余分な再構成が不要だからである。また、方法100は直接データ・プラグイン方式より安定している。
【0099】
図5は、CT装置またはCTスキャナに含まれる放射線ガントリの実装を示す。図5に示されるように、放射線ガントリ500は、側面からの様子が示されており、また、X線管501、環状フレーム502、および複数列または二次元アレイ型X線検出器503を含む。X線管501およびX線検出器503は、被検体OBJの反対側で環状フレーム502上に取り付けられ、環状フレーム502は回転軸RAの周りで回転可能に支持される。回転ユニット507は、被検体OBJが軸RAに沿って図示された頁の奥の方向または頁の手前の方向に移動されている間に、0.4秒/回転等の高速で環状フレーム502を回転させる。
【0100】
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の第1実施形態が、添付図面を参照して以下に記載される。X線CT装置は、例えばX線管およびX線検出器が検査される被検体の周りをともに回転する回転/回転型装置、および、多くの検出器要素が環状または面状に配列されかつX線管のみが検査される被検体の周りを回転する固定/回転型装置等の様々な型の装置を含むことに留意されたい。本実施形態はどちらの型にも適用されることが可能である。ここでは、現在主流である回転/回転型が例示される。
【0101】
複数スライスX線CT装置は、高電圧発生器509をさらに含み、高電圧発生器509は、X線管501がX線を生成するように、スリップリング508を介してX線管501に印加される管電圧を生成する。X線は、被検体OBJに向かって放射され、被検体OBJの断面領域は円によって表される。例えば、X線管501は、第1スキャンにおいて、第2スキャンでの平均X線エネルギー未満の平均X線エネルギーを有する。したがって、異なるX線エネルギーに対応する2以上のスキャンが取得されることが可能である。X線検出器503は、被検体OBJを通り抜けて伝搬した照射X線を検出するために、被検体OBJのX線管501と反対側に位置する。X線検出器503は、さらに、独立した検出器要素または検出器ユニットを含む。
【0102】
CT装置は、さらに、X線検出器503からの検出信号を処理するための他の装置を含む。データ収集回路またはデータ収集システム(DAS)504は、各チャネルについてのX線検出器503からの出力信号を電圧信号に変換し、電圧信号を増幅し、さらに電圧信号をディジタル信号へと変換する。X線検出器503およびDAS504は、所定の回転毎全投影数(TPPR)を処理するように構成される。
【0103】
上記のデータは、前処理装置506へ送信される。前処理装置506は非接触データ送信器505を介して放射線ガントリ500の外部のコンソール内に収容される。前処理装置506は、生データに対して、感度補正等の特定の補正を実行する。メモリ512は、結果得るデータ(投影データとも称される)を再構成処理直前のステージで格納する。メモリ512は、データ/制御バス511によって、再構成装置514、入力装置515、およびディスプレイ516と共に、システムコントローラ510に接続される。システムコントローラ510は、電流をCTシステムの駆動のために十分なレベルまで制限する電流調整器513を制御する。
【0104】
検出器は、様々な世代のCTスキャナシステムの中の患者に対して、回転かつ/または固定される。一実施態様においては、上記のCTシステムは、第3世代ジオメトリシステムおよび第4世代ジオメトリシステムの組み合わせの例とすることが可能である。第3世代システムでは、X線管501およびX線検出器503は、環状フレーム502上で正反対に取り付けられ、環状フレーム502が回転軸RAを軸として回転されている間に被検体OBJの周りで回転させられる。第4世代ジオメトリシステムでは、検出器は、患者の周りに固定して配置され、X線管は患者の周りを回転する。代替的な実施形態では、放射線ガントリ500は、Cアームおよびスタンドによって支持される環状フレーム502上に配置された複数の検出器を有する。
【0105】
メモリ512は、X線検出器503でのX線照射量を表す測定値を格納することが可能である。さらに、メモリ512は、本実施形態に記載の方法100およびCT/PET正則化付きIRを実行するための専用プログラムを格納することが可能である。
【0106】
再構成装置514は、本実施形態に記載の超越目的関数の計算、方法100、正則化付きIR画像再構成を実行することが可能である。さらに、再構成装置514は、必要に応じて、ボリュームレンダリング処理および画像差分処理等の前再構成処理および画像処理を実行することが可能である。なお、独立した医用画像処理装置(ワークステーション)等により、再構成装置514の機能を実現するようにしてもよい。
【0107】
前処理装置506によって実行された投影データの前再構成処理は、例えば、検出器較正、検出器非線形性、および極性効果に対する補正を含むことが可能である。
【0108】
再構成装置514によって実行される後再構成処理は、必要に応じて、画像のフィルタリングおよびスムージング、ボリュームレンダリング処理、ならびに画像差分処理を含むことが可能である。画像再構成処理は、本実施形態に記載の方法100を使用する画像再構成向けの任意のもの実装を含み得る。再構成装置514は、メモリを使用して、例えば投影データ、再構成画像、較正データ、およびパラメータ、ならびにコンピュータプログラムを格納することが可能である。
【0109】
再構成装置514は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)など、ディスクリート型論理ゲートとして実現されることが可能なCPU(処理回路)を含むことが可能である。FPGAまたはCPLDの実装は、VHDL、Verilog、またはその他のハードウェア記述言語でコード化され得、また、コードはFPGAまたはCPLDにおいてメモリ内に直接格納されてもよいし、別個の電子メモリとして格納されてもよい。さらに、メモリ512はROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、またはFLASHメモリ等の不揮発性とすることが可能である。メモリ512は、またSRAMまたはDRAM等の揮発性でも良く、また、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ等のプロセッサが、電子メモリ、およびFPGAまたはCPLDとメモリの間の連携を管理するために設けられることが可能である。
【0110】
代替として、再構成装置514におけるCPUは、本実施形態に記載の機能を実行するコンピュータ可読命令の集合を含むコンピュータプログラムを実行することが可能であり、コンピュータプログラムは、任意の上記の非一時的電子メモリ、および/またはハードディスクドライブ、CD、DVD、FLASHドライブ、あるいはその他の任意の既知の記憶媒体に格納される。さらに、コンピュータ可読命令は、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、またはオペレーティングシステムのコンポーネント、またはそれらの組み合わせとして提供され得、当業者にとって既知のオペレーティングシステム等のオペレーティングシステムとともに動作する。さらに、CPUは、指示を実行するために並行して協同で動作する、複数のプロセッサとして実装されることが可能である。
【0111】
一実装においては、再構成画像は、ディスプレイ516上に表示されることが可能である。ディスプレイ516は、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED、LED、またはその他の当業者にとって既知のディスプレイとすることが可能である。
【0112】
メモリ512は、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、FLASHドライブ、RAM、ROM、またはその他の当業者にとって既知の電子ストレージとすることが可能である。
【0113】
一実装においては、再構成画像は、ディスプレイ上に表示されることが可能である。ディスプレイは、LCDディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLED、LED、またはその他の当業者にとって既知のディスプレイとすることが可能である。
【0114】
メモリ1478は、ハードディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ、FLASHドライブ、RAM、ROM、またはその他の当業者にとって既知の電子ストレージとすることが可能である。
【0115】
ネットワークコントローラ1480は、CTスキャナの様々な部分の間をインターフェースすることが可能である。また、ネットワークコントローラ1480は外部ネットワークとインターフェースすることも可能である。理解されるように、外部ネットワークは、インターネット等の公衆ネットワーク、またはLANあるいはWAN等のプライベートネットワーク、またはその任意の組合せとすることが可能であり、PSTNサブネットワークまたはISDNサブネットワークを含み得る。外部ネットワークは、有線であってもよいし、EDGE、3G、および4G無線セルラ・システムを含むセルラネットワーク等の無線であってもよい。無線ネットワークは既知の他の無線通信形態であることが可能である。
【0116】
いくつかの実装が本実施形態において記載されているが、これらの実装は、例としてのみ提示されており、開示の教示を制限することを意図されていない。実際、本実施形態に記載の新規な方法、装置、およびシステムは他の様々な形態で実現され得る。さらに、開示の要旨を逸脱することなく、本実施形態に記載の方法、装置、およびシステムの形態において種々の省略、置き換え、および変更が行われ得る。
【符号の説明】
【0117】
500…放射線ガントリ、501…X線管、502…環状フレーム、503…X線検出器、504…データ収集システム、505…非接触データ送信器、506…前処理装置、507…回転ユニット、508…スリップリング、509…高電圧発生器、510…システムコントローラ、511…データ/制御バス、512…メモリ、513…電流調整器、514…再構成装置、515…入力装置、516…ディスプレイ、1478…メモリ、1480…ネットワークコントローラ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5