特許第6937161号(P6937161)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937161
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】端子曲げユニットおよび端子曲げ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/16 20060101AFI20210909BHJP
【FI】
   H01R43/16
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-95287(P2017-95287)
(22)【出願日】2017年5月12日
(65)【公開番号】特開2017-224599(P2017-224599A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2020年4月28日
(31)【優先権主張番号】201610429035.6
(32)【優先日】2016年6月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】515329610
【氏名又は名称】シェンジェン エーエムアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ダイ,ツィヨン
(72)【発明者】
【氏名】フー,リュハイ
(72)【発明者】
【氏名】デン,インコン
(72)【発明者】
【氏名】ジョー,レイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ユン
(72)【発明者】
【氏名】ズオン,チーンローン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ウェイ
【審査官】 鈴木 重幸
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102610979(CN,A)
【文献】 特開2000−215961(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/043583(WO,A1)
【文献】 米国特許第03435857(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R43/00−43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、前記フレームに枢動可能に装着された曲げ器具と、を備え、前記曲げ器具の底部表面に受容スロットの列が形成され、曲げ加工対象の端子が、対応する前記受容スロット内に受容され位置決めされるように適合された端子曲げユニットであって、
前記対応する受容スロット内に受容された前記端子は、前記曲げ器具が回転する際に前記曲げ器具の押圧下で曲げられるとともに、
前記フレームおよび前記曲げ器具の一方に枢動孔が形成され、前記フレームおよび前記曲げ器具の他方に、前記枢動孔と嵌合するように適合された枢動軸が形成され、
前記枢動軸は前記枢動孔内に装着され、この結果、前記曲げ器具は前記フレームに枢動可能に装着され、
前記端子曲げユニットは、前記フレームに装着され前記曲げ器具を駆動して回転させるように適合された複数の駆動機構をさらに備える、
端子曲げユニット。
【請求項2】
前記複数の駆動機構が、
前記フレームに摺動可能に装着されたスライダと、
前記フレームに固定的に装着され、前記スライダを付勢して前記フレーム上で摺動させるように適合された、リニアアクチュエータとを備え、
前記リニアアクチュエータが前記スライダを付勢して前記フレーム上で摺動させると、前記スライダは前記曲げ器具を押圧するように駆動され、この結果、前記曲げ器具は回転する、
請求項1に記載の端子曲げユニット。
【請求項3】
前記リニアアクチュエータはシリンダまたは液圧シリンダを備える、
請求項に記載の端子曲げユニット。
【請求項4】
前記フレームおよび前記スライダの一方に摺動レールが形成され、前記フレームおよび前記スライダの他方に、前記摺動レールと嵌合するように適合されたシュートが形成され、
前記摺動レールは前記シュート内に嵌められ、この結果、前記スライダは前記フレームに摺動可能に装着される、
請求項に記載の端子曲げユニット。
【請求項5】
前記曲げ器具の前面に湾曲した滑らかな表面が形成され、前記駆動機構によって駆動された前記曲げ器具の回転中、前記スライダは前記曲げ器具に対して、前記曲げ器具の前記湾曲した滑らかな表面に沿って摺動する、
請求項に記載の端子曲げユニット。
【請求項6】
前記端子曲げユニットは、前記曲げ器具に接続された、弾性を有するリセット機構をさらに備え、
前記弾性を有するリセット機構は、前記端子の前記曲げ加工の終了後に前記曲げ器具を初期位置に復帰させるように適合されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の端子曲げユニット。
【請求項7】
前記弾性を有するリセット機構は、ばね要素を備える、
請求項に記載の端子曲げユニット。
【請求項8】
前記曲げ器具は、単一の端子または列を成して配置された複数の端子を曲げるように適合される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の端子曲げユニット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の端子曲げユニットと、
移動機構とを備え、
前記端子曲げユニットは、前記端子曲げユニットを事前に設定した位置へと移動させるように適合された前記移動機構に装着される、
端子曲げ装置。
【請求項10】
前記端子曲げユニットの前記フレームは、前記移動機構に固定的に装着される、
請求項に記載の端子曲げ装置。
【請求項11】
前記移動機構は、互いに対して垂直な第1の方向(X)、第2の方向(Y)、および第3の方向(Z)に移動可能な移動式プラットフォームを備える、
請求項に記載の端子曲げ装置。
【請求項12】
前記移動式プラットフォームは、第1の方向(X)に移動する第1の移動機構、第2の方向(Y)に移動する第2の移動機構、および第3の方向(Z)に移動する第3の移動機構を備え、
前記第2の移動機構は前記第1の移動機構に装着され、前記第3の移動機構は前記第2の移動機構に装着され、前記端子曲げユニットの前記フレームは前記第3の移動機構に装着され、この結果、前記フレームは、前記第1の移動機構、前記第2の移動機構、および前記第3の移動機構により移動可能となる、
請求項11に記載の端子曲げ装置。
【請求項13】
前記端子曲げ装置は、前記移動機構が装着される固定された基部をさらに備える、
請求項に記載の端子曲げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年6月16日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201610429035.6号の利益を主張するものであり、その開示の全体を参照によって本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、端子曲げユニットおよびこれを備える端子曲げ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電気コネクタの製造中、コネクタの導電端子を、事前に設定した角度、たとえば90°だけ曲げる必要のある場合がある。先行技術では、導電端子は手で曲げられる。しかしながら、手で曲げられる導電端子は1度に1つだけである場合があり、導電端子の列を同時に曲げることはできない。したがって、曲げ加工の効率は非常に限定されている。加えて、手作業であるので、曲げ加工の正確度を保証するのは難しい。多くの場合、曲げられる位置に大きな誤差が存在し、導電端子の曲げ加工の正確度を低下させ、このことにより、曲げられた導電端子を回路基板上に適正に装着するのが困難になる。加えて、導電端子を手で曲げる際に、作業者は導電端子をプライヤーなどの工具で挟持する必要がある。このため、導電端子の表面に擦り傷ができ、導電端子の品質を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本開示は、先行技術における上述の問題および欠点の少なくとも1つの側面を改善することを意図するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本開示の態様によれば、フレームと、このフレームに枢動可能に装着された曲げ器具とを備える端子曲げユニットが提供される。曲げ器具の底部表面に受容スロットの列が形成され、曲げ加工対象の端子は、対応する受容スロット内に受容され位置決めされるように適合される。対応する受容スロット内に受容された端子は、曲げ器具が回転する際に曲げ器具の押圧下で曲げられる。
【0006】
例示の実施形態によれば、端子曲げユニットは、フレームに装着され曲げ器具を駆動して回転させるように適合された複数の駆動機構をさらに備える。
【0007】
例示の実施形態によれば、駆動機構は、フレームに摺動可能に装着されたスライダと、フレームに固定的に装着され、スライダを付勢してフレーム上で摺動させるように適合されたリニアアクチュエータとを備える。リニアアクチュエータがスライダを付勢してフレーム上で摺動させると、スライダは曲げ器具を押圧するように駆動され、この結果、曲げ器具は回転する。
【0008】
例示の実施形態によれば、リニアアクチュエータは、シリンダまたは液圧シリンダを備える。
【0009】
例示の実施形態によれば、フレームおよびスライダの一方に摺動レールが形成され、フレームおよびスライダの他方に、摺動レールと嵌合するように適合されたシュートが形成される。摺動レールはこのシュート内に嵌められ、この結果、スライダはフレーム上に摺動可能に装着される。
【0010】
例示の実施形態によれば、曲げ器具の前面に湾曲した滑らかな表面が形成され、駆動機構によって駆動された曲げ器具の回転中、スライダは曲げ器具に対して、曲げ器具の湾曲した滑らかな表面に沿って摺動する。
【0011】
例示の実施形態によれば、端子曲げユニットは、曲げ器具に接続され端子の曲げ加工の終了後に曲げ器具を初期位置に復帰させるように適合された弾性のリセット機構をさらに備える。
【0012】
例示の実施形態によれば、弾性のリセット機構は、ばね要素を備える。
【0013】
例示の実施形態によれば、フレームおよび曲げ器具の一方に枢動孔が形成され、フレームおよび曲げ器具の他方に、枢動孔と嵌合するように適合された枢動軸が形成される。この枢動軸は枢動孔内に装着され、この結果、曲げ器具はフレームに枢動可能に装着される。
【0014】
例示の実施形態によれば、曲げ器具は、単一の端子または列を成して配置された複数の端子を曲げるように適合される。
【0015】
本開示の別の態様によれば、上述の端子曲げユニットと、移動機構とを備える端子曲げ装置が提供される。端子曲げユニットは、端子曲げユニットを事前に設定した位置へと移動させるように適合された移動機構に装着される。
【0016】
例示の実施形態によれば、端子曲げユニットのフレームは、移動機構に固定的に装着される。
【0017】
例示の実施形態によれば、移動機構は、互いに対して垂直な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に移動可能な移動式プラットフォームを備える。
【0018】
例示の実施形態によれば、移動式プラットフォームは、第1の方向に移動する第1の移動機構、第2の方向に移動する第2の移動機構、および第3の方向に移動する第3の移動機構を備える。第2の移動機構は第1の移動機構に装着され、第3の移動機構は第2の移動機構に装着され、端子曲げユニットのフレームは第3の移動機構に装着され、この結果、フレームは、第1の移動機構、第2の移動機構、および第3の移動機構により移動可能となる。
【0019】
例示の実施形態によれば、端子曲げ装置は、移動機構が装着される固定された基部をさらに備える。
【0020】
本開示による前出の実施形態では、端子の曲げを達成するには曲げ器具を回しさえすればよく、このことにより端子の曲げ加工の効率が改善される。加えて、この曲げ器具によって端子の列を同時に曲げることができ、このことにより端子の曲げ加工の効率がさらに改善される。
【0021】
加えて、本開示の上述の実施形態では、曲げ加工の間、曲げ器具と接触している端子の表面に擦り傷がつくことがなく、折り曲げられた端子の表面品質が保証される。
【0022】
加えて、本開示による前出の実施形態では、曲げ加工の間、端子は、端子曲げ器具の対応する受容溝内に位置決めされ、位置のずれが何ら生じることがなく、折り曲げられた端子の位置の正確度が保証される。
【0023】
添付の図面を参照して以下の本開示の説明を読めば、本開示の他の目的および利点が明らかになり、またこれらにより、本開示の総合的な理解を得ることができる。
【0024】
本発明の上記のおよび他の特徴は、その例示の実施形態について添付の図面を参照して詳細に記載することによって、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の例示の実施形態による、端子曲げ装置の概略斜視図である。
図2】本開示の例示の実施形態による、端子曲げユニットの概略斜視図である。
図3図2に示す端子曲げユニットの断面図であって、曲げ器具が初期位置にあることを示している。
図4図2に示す端子曲げユニットの断面図であって、曲げ器具が端子が曲げられた状態にあることを示している。
図5図4における端子曲げユニットと曲げられた端子との間の位置関係を示す図である。
図6A図1に示す端子曲げユニットを用いてコネクタの端子の列を曲げる工程を示す図であって、図6Aは端子曲げユニットおよび曲げ加工対象のコネクタの端子を示す。
図6B図1に示す端子曲げユニットを用いてコネクタの端子の列を曲げる工程を示す図であって、図6Bは端子曲げユニットが端子を曲げ始めるときの概略図を示す。
図6C図1に示す端子曲げユニットを用いてコネクタの端子の列を曲げる工程を示す図であって、図6Cは曲げ加工の最中の概略図を示す。
図6D図1に示す端子曲げユニットを用いてコネクタの端子の列を曲げる工程を示す図であって、図6Dは曲げ加工の終わりにおける概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の技術的解決法について、以下の例を添付の図面と組み合わせて参照してさらに詳細に記載する。本明細書において、同じまたは同様の参照符号は、同じまたは同様の部分を示す。本開示の実施形態の以下の説明は、本案の一般概念を説明することを意図しており、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0027】
加えて、以下の詳細な説明では、説明を容易にして開示される実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が明記される。しかしながら、1つまたは複数の実施形態をこれらの具体的な詳細なしでも実施できることが明らかであろう。他の状況では、図面を簡略化するために、よく知られている構造およびデバイスが例示として図示される。
【0028】
本開示の一般的技術概念によれば、フレームと、このフレームに枢動可能に装着された曲げ器具とを備える端子曲げユニットが提供される。曲げ器具の底部表面に受容スロットの列が形成され、曲げ加工対象の端子は、対応する受容スロット内に受容され位置決めされるように適合される。対応する受容スロット内に受容された端子は、曲げ器具が回転する際に曲げ器具の押圧下で曲げられる。
【0029】
図1は、本開示の例示の実施形態による、端子曲げ装置の概略斜視図を示している。
【0030】
図1に示すように、例示した実施形態では、端子曲げ装置は、端子曲げユニット100と、移動機構200とを主として備える。端子曲げユニット100は移動機構200に装着される。この移動機構200は、端子曲げユニット100を事前に設定した位置へと移動させるように、たとえば、曲げ加工対象のコネクタ10の端子の直上にある端子曲げユニット100を、たとえば図3および図6Bに示す位置へと移動させるように適合されている。
【0031】
図2は、本開示の例示の実施形態による、端子曲げユニット100の概略斜視図を示している。
【0032】
図2に示すように、例示した実施形態では、端子曲げユニット100は、フレーム110と、フレーム110に枢動可能に装着された曲げ器具120とを主として備える。
【0033】
図2に示すように、例示の実施形態では、フレーム110および曲げ器具120の一方に枢動孔113が形成され、フレーム110および曲げ器具120の他方に、枢動孔113と嵌合するように適合された枢動軸123が形成される。枢動軸123は枢動孔113内に装着され、この結果、曲げ器具120はフレームに枢動可能に装着される。
【0034】
図3は、図2に示す端子曲げユニット100の断面図であって、曲げ器具が初期位置にあることを示している。図4は、図2に示す端子曲げユニット100の断面図であって、曲げ器具120が端子11が曲げられた状態にあることを示している。図5は、図4における端子曲げユニット100と曲げられた端子11との間の位置関係を示している。
【0035】
図2図5に示すように、例示した実施形態では、曲げ器具120の底部表面に受容スロット121の列が形成され、曲げ加工対象の端子11は、対応する受容スロット121内に受容され位置決めされるように適合される。対応する受容スロット121内に受容された端子11は、曲げ器具120が回転する際に曲げ器具120の押圧下で曲げられる。
【0036】
図2図5に示すように、例示した実施形態では、端子曲げユニット100は、フレーム110に装着され曲げ器具120を駆動して枢動軸123を中心にして回転させるように適合された駆動機構130、140をさらに備える。
【0037】
図2図5に示すように、例示の実施形態では、駆動機構130、140は、フレーム110に摺動可能に装着されたスライダ130と、フレーム110に固定的に装着され、スライダ130を押してフレーム110上で摺動させるように適合されたリニアアクチュエータ140とを備える。
【0038】
図2図5に示すように、例示した実施形態では、スライダ130は曲げ器具120を押圧するように駆動され、この結果、曲げ器具120は、リニアアクチュエータ140がスライダ130を押して摺動させると、枢動軸123を中心にして回転する。
【0039】
図2図5に示すように、例示した実施形態では、リニアアクチュエータ140は、シリンダまたは液圧シリンダを備える。
【0040】
図2図5に示すように、本開示の例示の実施形態では、フレーム110およびスライダ130の一方に摺動レール112が形成され、フレーム110およびスライダ130の他方に、摺動レール112と嵌合するように適合されたシュートが形成される。摺動レール112はシュート内に嵌められ、この結果、スライダ130はフレーム110上に摺動可能に装着される。
【0041】
図2図5に示すように、例示した実施形態では、スライダ130と接触した状態になる曲げ器具120の前面に、湾曲した滑らかな表面122が形成され、駆動機構130、140によって駆動された曲げ器具120の回転中、スライダ130は曲げ器具120に対して、曲げ器具120の湾曲した滑らかな表面122に沿って摺動する。このようにして、スライダ130と曲げ器具120との間の摩擦力を低減して、図3に示す初期位置から図4に示す最終位置への曲げ器具120の回転を促進することができる。
【0042】
図2に示すように、本開示の例示の施形態では、上述の端子曲げユニット100は、弾性を有するリセット機構150をさらに備える。リセット機構150は、曲げ器具120に接続され、端子11の曲げ加工の終了後に曲げ器具120を初期位置に復帰させるように適合される。
【0043】
図2に示すように、本開示の例示の施形態では、弾性を有するリセット機構150は、ばね要素を備えてよい。
【0044】
図2図5に示すように、本開示の例示の施形態では、曲げ器具120は、列を成して配置された複数の端子11を曲げるように適合される。ただし、本開示はこれに限定されず、ただ1つの単独の端子11を曲げることが望まれる場合には、本開示の曲げ器具120を、単一の端子11を曲げるように適合することができる。
【0045】
図1および図2に示すように、例示した実施形態では、端子曲げユニット100のフレーム110は、移動機構200に固定的に装着される。例示の実施形態では、移動機構200は、互いに対して垂直な第1の方向X、第2の方向Y、および第3の方向Zに移動可能な、移動式プラットフォームを備える。
【0046】
図1および図2に示すように、本開示の例示した実施形態では、上述の移動式プラットフォームは、第1の方向Xに移動する第1の移動機構210、第2の方向Yに移動する第2の移動機構220、および第3の方向Zに移動する第3の移動機構230を備える。第2の移動機構220は第1の移動機構210に装着され、第3の移動機構230は第2の移動機構220に装着され、端子曲げユニット100のフレーム110は第3の移動機構230に装着され、この結果、フレーム110は、第1の移動機構210、第2の移動機構220、および第3の移動機構230により移動可能となる。
【0047】
図1および図2に示すように、本開示の例示の実施形態では、端子曲げ装置は、移動機構200が装着される固定された基部300をさらに備える。
【0048】
図6A図6B図6C、および図6Dは、図1に示す端子曲げユニットを用いてコネクタ10の端子11の列を曲げる工程を示している。図6Aは端子曲げユニット100の曲げ器具120および曲げ加工対象のコネクタ10の端子11を示し、図6Bは端子曲げユニット100の曲げ器具120が端子11を曲げ始めるときの概略図を示し、図6Cは曲げ加工の最中の概略図を示し、図6Dは曲げ加工の終わりにおける概略図を示している。
【0049】
端子11を曲げる具体的な工程について、図1図5、ならびに図6A図6B図6C、および図6Dを参照して以下に記載する。
【0050】
まず、図6Aに示す端子曲げユニット100の曲げ器具120は、図1に示す移動機構200によって、図3および図6Bに示す初期位置に移動される。図3および図6に示す初期位置において、端子曲げユニット100の曲げ器具120は、曲げ加工対象の端子11の列の真上に位置付けられ、端子11の列は、曲げ器具120の受容スロット121の列内に受容され位置決めされる。
【0051】
図6Cに示すように、曲げ器具120は次いで、枢動軸123を中心にして回転するように駆動され、この結果、受容スロット121の列内に受容された端子11の列が、曲げ器具120の押圧下で徐々に曲げられる。
【0052】
最後に、図4図5および図6Dに示すように、曲げ器具120を90°回転させると、端子11の列が90°曲げられ、これにより端子11に対する曲げ動作が完了する。
【0053】
図6B図6C、および図6Dに示すように、曲げ加工の全工程中、端子11は常に、端子曲げ器具120の底部表面に形成された受容スロット121内に受容され位置決めされ、位置のずれが何ら生じることがなく、曲げられた端子の位置の正確度が保証される。
【0054】
本開示の前述の実施形態における端子曲げユニットの機構は、フレームに固定されたレールに沿って移動するか、またはフレームに固定された軸を中心にして回転する。端子曲げユニットは、曲げ加工工程のデジタル式の位置決めを実現するように、駆動機構の作用下で、動作範囲内の任意の所与の動作位置に達することができる。
【0055】
上記の実施形態が例示的なものであること、および、これらに対して当業者が改良を行ってよく、様々な実施形態において記載される構造が、構造または原理に関して何ら矛盾しない自由な組み合わせであり得ることが、当業者には理解されるであろう。
【0056】
本開示について添付の図面を参照して記載してきたが、図面において開示される実施形態は、本開示の好ましい実施形態の例示となることを意図しており、本開示を限定するものと解釈するべきではない。
【0057】
本開示の一般概念の実施形態をいくつか例示し記載してきたが、これらの実施形態に本開示の一般概念の原理および精神から逸脱することなく修正を行うことができることを、当業者は理解するであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびこれらの均等物によって規定される。
【0058】
「備える」という用語は他の要素またはステップを除外せず、「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は複数を除外しないことに留意すべきである。加えて、特許請求の範囲の要素の参照符号のいずれも、本開示の範囲を限定するものとして解釈するべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D