特許第6937174号(P6937174)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937174
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】アンテナリフレクタ交替機構
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/20 20060101AFI20210909BHJP
   B64G 1/66 20060101ALI20210909BHJP
   H01Q 1/28 20060101ALI20210909BHJP
   H01Q 1/12 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   H01Q3/20
   B64G1/66 C
   H01Q1/28
   H01Q1/12 B
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-117809(P2017-117809)
(22)【出願日】2017年6月15日
(65)【公開番号】特開2018-29331(P2018-29331A)
(43)【公開日】2018年2月22日
【審査請求日】2020年6月11日
(31)【優先権主張番号】62/350,527
(32)【優先日】2016年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512266648
【氏名又は名称】マクドナルド,デットワイラー アンド アソシエイツ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ホース
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ロイセル
【審査官】 福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−135725(JP,A)
【文献】 米国特許第5966104(US,A)
【文献】 特開2014−111439(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0268192(US,A1)
【文献】 特開2010−50791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/20
B64G 1/66
H01Q 1/28
H01Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナの再構成のために、少なくとも1体のリフレクタを展開する交替機構であって、該交替機構は、
アンテナの構造部に取り付けるための固定部を有した回転アクチュエータと、該固定部に対して回転軸の周囲で回転する回転部と、
前記少なくとも1体のリフレクタを支持するための少なくとも1体の運搬部であって、該少なくとも1体の運搬部は、第1の角度位置と第2の角度位置の間で前記回転軸の周囲を回転するために前記固定部に自由に回転可能に取り付けられている少なくとも1体の運搬部と、
前記回転部に取り付けられているアームであって、該アームと前記回転部が第1方向に回転するとき、前記少なくとも1体の運搬部と連続的および解放可能に係合し、該少なくとも1体の運搬部を前記第1の角度位置から前記第2の角度位置に移動させる運搬部係合機構を運搬するアームと、
を含んでいる交替機構。
【請求項2】
前記運搬部係合機構は、前記第1の角度位置で前記少なくとも1体の運搬部に連続的にラッチし、前記第2の角度位置で該少なくとも1体の運搬部から外れるラッチ機構である、請求項1記載の交替機構。
【請求項3】
前記ラッチ機構は、前記少なくとも1体の運搬部内に形成されているボール受領部と連続的に係合する、バネにより付勢された戻り止めボールを含んでいる、請求項2記載の交替機構。
【請求項4】
固定構造部は、前記少なくとも1体の運搬部を前記第2の角度位置に固定するために、前記第2の角度位置に存在するとき、該少なくとも1体の運搬部に選択的および解放可能に係合する運搬部ポジショニング機構を含んでいる、請求項1記載の交替機構。
【請求項5】
前記運搬部係合機構は、前記アームと前記回転部が前記第1方向とは反対の第2方向に回転するとき、前記少なくとも1体の運搬部と選択的および解放可能に係合し、該少なくとも1体の運搬部を前記第2の角度位置から前記第1の角度位置に移動させる、請求項1記載の交替機構。
【請求項6】
前記固定部に取り付けられた第1の強力な止め部は、前記少なくとも1体の運搬部を当接状態にて前記第2の角度位置で確実に停止させる、請求項3記載の交替機構。
【請求項7】
前記固定部に取り付けられた第2の強力な止め部は、前記少なくとも1体の運搬部を当接状態にて前記第1の角度位置で確実に停止させる、請求項6記載の交替機構。
【請求項8】
固定構造部は、前記少なくとも1体のリフレクタおよび前記少なくとも1体の運搬部を該第1の角度位置で固定するために、前記第1の角度位置に存在するとき、前記少なくとも1体のリフレクタと選択的および解放可能に係合するリフレクタポジショニング機構を含んでいる、請求項1記載の交替機構。
【請求項9】
前記少なくとも1体の運搬部は複数の運搬部を含んでおり、該複数の運搬部のそれぞれは、前記少なくとも1体のリフレクタの対応するリフレクタを支持し、該複数の運搬部は、前記回転軸の周囲で、相対的な角度で連続的に配置されている、請求項3記載の交替機構。
【請求項10】
前記複数の運搬部のそれぞれは、前記第1の角度位置に存在するとき、該複数の運搬部のうちの隣接する運搬部と当接状態である、請求項9記載の交替機構。
【請求項11】
前記複数の運搬部のそれぞれは、該複数の運搬部の少なくとも後続の運搬部または該複数の運搬部の先行する運搬部を有しており、該複数の運搬部の後続の運搬部を有した該複数の運搬部のそれぞれの運搬部は、接触状態の時、前記運搬部係合機構を該複数の運搬部の後続の運搬部と選択的に係合させる順序化機構を含んでいる、請求項9記載の交替機構。
【請求項12】
前記順序化機構は、前記複数の運搬部の先行する運搬部から実質的に周囲に、該複数の運搬部の後続の運搬部内に形成されている前記ボール受領部内に延出する延出部を含んでおり、前記ラッチ機構の前記バネにより付勢されたボールが該複数の運搬部の後続の運搬部内に形成されている前記ボール受領部と選択的に係合することを防止する、請求項11記載の交替機構。
【請求項13】
前記固定部は、前記第2の角度位置に存在するとき当接する前記複数の運搬部のそれぞれの運搬部のための対応する第1の強力な止め部を含んでおり、該複数の運搬部は該第2の角度位置に存在するとき、互いに離れている、請求項9記載の交替機構。
【請求項14】
前記複数の運搬部の後続の運搬部は、当接状態にある対応する第1の角度位置において、該複数の運搬部の先行する運搬部のための第2の強力な止め部を形成する、請求項13記載の交替機構。
【請求項15】
前記運搬部ポジショニング機構と前記リフレクタポジショニング機構のうちの少なくとも一方は、バネにより付勢されたボールの戻り止め機構を含んでいる、請求項9記載の交替機構。
【請求項16】
請求項1記載の交替機構を含んでいる宇宙船アンテナであって、該交替機構はアンテナの再構成のために少なくとも1体のリフレクタに接続されている、宇宙船アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2017年6月15日に出願された米国仮特許願62/350527の優先権を主張する。
【0002】
本願発明はアンテナシステムに関しており、特には、宇宙船アンテナの再構成のためにリフレクタ(反射器)またはサブリフレクタ(補助リフレクタ)を本質的には連続的に展開(配置)および交替するリフレクタ交替機構に関する。
【背景技術】
【0003】
機構に関しては一切説明してはいない米国特許7932868および放射状に固定された状態で延び、互いにほぼ等間隔(すなわち、この場合には90°)に提供されている4体のリフレクタを備えた回転シャフトを開示する米国特許9065173等において述べられているように、宇宙船アンテナの技術において、リフレクタ展開/交替機構を利用することはよく知られている。後者の機構は比較的に複雑であり、その操作には比較的に大きな空間を必要とする。
【0004】
これらの機構のいずれも、使用されているリフレクタによってアンテナの再構成(再配置)をさせるための、1度に1体のリフレクタを移動させる操作の詳細は開示していない。
【0005】
従って、改良されたリフレクタ交替機構の需要が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本願発明の一般的な目的は、前述の問題を軽減することができる改良されたリフレクタ交替機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の利点は、このリフレクタ交替機構が、少なくとも1体のリフレクタまたはそのサブリフレクタ(補助リフレクタ)を移動させることによりアンテナを再構成(再配置)することができることである。
【0008】
本願発明の別な利点は、このリフレクタ交替機構が、複数のリフレクタまたはそのサブリフレクタを連続的または順序的に移動させることによりアンテナを再構成することができることである。
【0009】
本願発明の別な利点は、このリフレクタ交替機構が、第1の積み込み形態にあるときにリフレクタに優れた整合性と安定性を提供するが、その構造が比較的に単純なことである。
【0010】
本願発明のさらに別な利点は、このリフレクタ交替機構が、使用されていないリフレクタをアンテナの信号経路から外すことである。
【0011】
本願発明のさらに別な利点は、このリフレクタ交替機構が、随時にアンテナの任意の所望形態にリセットさせることである。
【0012】
本願発明のさらに別な利点は、このリフレクタ交替機構が、打ち上げ形態では非常にコンパクトなことである。
【0013】
本願発明のさらに別な利点は、このリフレクタ交替機構がコンパクトであるだけでなく、非常に軽量なことである。
【0014】
本願発明の1態様によれば、アンテナの再構成のために少なくとも1体のリフレクタ(またはサブリフレクタ)を保持および交替させる交替機構が提供される。この交替機構は以下の構成要素[0015]から[0017]を含んでいる。
【0015】
アンテナの構造体に取り付けるための固定部と、回転軸の周囲でその固定部に対して回転する回転部(動作部)とを有した回転アクチュエータ。
【0016】
その少なくとも1体のリフレクタを支持するための少なくとも1体の運搬部(キャリア)であって、その少なくとも1体の運搬部は第1の角度位置(位置)と第2の角度位置との間で回転軸の周囲を回転するように固定部に自由回転式に取り付けられている運搬部。
【0017】
その回転部に取り付けられているアームであって、それらアームと回転部が第1方向に回転するとき、運搬部係合機構を連続的に運び、その少なくとも1体の運搬部と解放可能に係合してその少なくとも1体の運搬部を第1の角度位置から第2の角度位置に移動させるアーム。
【0018】
1実施態様においては、運搬部係合機構は、第1の角度位置で、その少なくとも1体の運搬部に連続的にラッチ(掛け留め)し、第2の角度位置で、その少なくとも1体の運搬部から外れるラッチ機構である。
【0019】
1実施態様においては、そのラッチ機構は、その少なくとも1体の運搬部内に形成されているボール受領部と連続的に係合するバネにより付勢された戻り止めボールを含む。
【0020】
1実施態様においては、固定部に取り付けられた第1の強力な止め部は、その少なくとも1体の運搬部を、そこと当接状態にて第2の角度位置で確実に停止させる。
【0021】
便利には、その固定構造部は、第2の角度位置にあるときに、その少なくとも1体の運搬部を第2の角度位置で固定させるために、その少なくとも1体の運搬部と選択的および解放可能に係合する運搬部ポジショニング(位置調整)機構を含む。
【0022】
1実施態様においては、運搬部係合機構は、アームと回転部が第1方向とは反対の第2方向に回転するとき、その少なくとも1体の運搬部と選択的および解放可能に係合し、その少なくとも1体の運搬部を第2の角度位置から第1の角度位置に移動させる。
【0023】
1実施態様においては、固定部に取り付けられた第2の強力な止め部が、その少なくとも1体の運搬部を、そことの当接状態にて第1の角度位置に確実に停止させる。
【0024】
便利には、その固定構造部は、第1の角度位置にあるときに、その少なくとも1体のリフレクタと、その少なくとも1体の運搬部を第1の角度位置で固定させるために、その少なくとも1体のリフレクタと選択的および解放可能に係合するリフレクタポジショニング機構を含む。
【0025】
1実施態様においては、その少なくとも1体の運搬部は、それぞれが、その少なくとも1体のリフレクタの対応するリフレクタを支持する複数の運搬部を含んでおり、回転軸の周囲で、それら複数の運搬部は互いに対して連続的および角度的に(角度を有して)ポジショニング(位置決め)されている。
【0026】
便利には、それら複数の運搬部のそれぞれは、第1の角度位置にあるとき、複数の運搬部の隣接する運搬部と当接状態にある。
【0027】
便利には、それら複数の運搬部のそれぞれの運搬部は、それら複数の運搬部の少なくとも後続の運搬部あるいは先行する運搬部を有しており、それら複数の運搬部のそれぞれの運搬部は、それと接触状態にあるとき、それら複数の運搬部の後続の運搬部に、運搬部係合機構を選択的に係合させる順序化機構を含んだ、それら複数の運搬部の後続の運搬部を有している。
【0028】
便利には、その順序化機構は、複数の運搬部の後続の運搬部内に形成されたボール受領部にラッチ機構のバネにより付勢されたボールが選択的に係合することを防止するように、複数の運搬部の先行する運搬部から、複数の運搬部の後続の運搬部内に形成されたボール受領部内に実質的に周辺上で延出する延出部を含んでいる。
【0029】
便利には、固定部は、その第2の角度位置にあるとき、それと隣接する複数の運搬部のそれぞれの運搬部のためのそれぞれの第1の強力な止め部を含んでおり、第2の角度位置にあるとき、複数の運搬部は互いに離れている。
【0030】
便利には、複数の運搬部のその後続の運搬部は、それと当接接触した状態にて、その対応する第1の角度位置で複数の運搬部の先行する運搬部のための第2の強力な止め部を形成している。
【0031】
1実施態様においては、運搬部ポジショニング機構とリフレクタポジショニング機構の少なくとも一方はバネにより付勢されたボールの戻り止め機構を含んでいる。
【0032】
本願発明の別な態様においては、アンテナの再構成のために少なくとも1体のリフレクタに接続する前述の展開機構を含んだ宇宙船アンテナが提供される。
【0033】
本願発明の他の目的および利点は、添付の図面を参考にして、ここに提供されている詳細な説明を注意深く読めば明白になるであろう。
【0034】
本願発明の別な態様と利点は、以下の図面と関連させた説明からさらに理解が進むであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1a】アンテナ供給ホーンと主リフレクタとの間に配置されている複数のリフレクタに接続されて示されている異なる配向性を備えた本願発明の実施例によるリフレクタ取り換え機構を備えた宇宙船に取り付けられるアンテナの概略側面図と正面図である。
図1b】アンテナ供給ホーンと主リフレクタとの間に配置されている複数のリフレクタに接続されて示されている異なる配向性を備えた本願発明の実施例によるリフレクタ取り換え機構を備えた宇宙船に取り付けられるアンテナの概略側面図と正面図である。
図2】本願発明の1実施例によるリフレクタ交替機構の斜視図であり、第1角(積み込み)形態でそこに接続されており、保持および解放機構に接続されたリフレクタを示している。
図3】明確性のために外側ハウジングが外されて図示されている図2の実施例の上方前部斜視図である。
図4図2の実施例の上方側部斜視図であり、第1の角度位置に存在する運搬部を示している。
図5図4に類似しており、第1リフレクタの運搬部に係合するアームを示している。
図6図2の実施例の上方前部斜視図であり、第1運搬部がその第2の角度位置でラッチされている、第1の角度位置で第2運搬部に係合するアームを示している。
図7図6の7−7線に沿った断面図であり、アームのラッチ機構を図示している。
図8図6の8−8線に沿った拡大断面図であり、第1運搬部の運搬部ポジショニング機構を図示している。
図9図6の実施例の上方後部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下では添付の図面を参考に付して、本願発明の好適実施例が、発明を限定することは意図されず、前述の目的のために説明されている。
【0037】
図1aから図9にかけて、電磁信号の送信のためのアンテナ14の、特に宇宙船18に取り付けられるアンテナ上での再構成(再配置)のための少なくとも1体、好適には複数のリフレクタ(またはサブリフレクタ)12を展開するための本願発明の1実施例による展開または交替機構が図示されている。図1aと図1bに示す最上または第5のリフレクタ12eは交替機構10には接続されていない固定リフレクタである。それぞれの運搬部(キャリア)30a、30b、30cおよび30dはリフレクタ12a、12b、12cおよび12dをそれぞれ支持し、運搬部(キャリア)30は回転軸26の周囲で互いに連続的に角度を有して配置されている。図1aから図9の実施例10は動くサブリフレクタを示しているが、それはリフレクタ等にも適用されるのでリフレクタなる用語が以下の説明を通して使用されている。
【0038】
交替機構10は一般に、アンテナ14の構造部16に取り付けるための固定部22を有した回転アクチュエータまたはモータ20と、固定部22に対して回転軸26の周囲を回転するシャフト25等を含んだ回転部24を含んでいる。少なくとも1体の、典型的には複数の運搬部30がそれぞれのリフレクタ12を支持する。これら運搬部は、図7で示すように回転軸26の周囲を回転するように、それぞれのブッシング28等を介して自由に回転できるようにシャフト25に取り付けられている。それぞれの運搬部30の回転は、それぞれの積み込まれた第1の角度位置と、それぞれの展開された第2の角度位置との間である。
【0039】
回転部24に取り付けられたアーム32は、複数の運搬部30と連続的および解放可能に係合する運搬部を運搬し、アーム32と回転部24が第1方向に回転するときに、それらをそれぞれの第1の角度位置から第2の角度位置に移動させる。
【0040】
運搬部係合機構34(図7参照)は一般に、運搬部30に第1の角度位置で連続的にラッチし、第2の角度位置で運搬部30を外すラッチ機構である。
【0041】
一般にそのラッチ機構は、圧縮スプリング37の作用によって、それぞれの運搬部30a、30b、30c、30d内に形成されている対応ボール受領部38と連続的に係合するバネにより付勢された戻り止めボール36を含む。固定部22に位置する第1の強力な止め部40aは、第1運搬部30aを、それと当接状態で第2の角度位置にて確実に停止させる。同様に、固定部22は一般に、それぞれの第2の角度位置にあるとき、それぞれの運搬部30b、30c、30dを当接状態で受領するように第1の強力な止め部40b、40c、40dを含んでいる。さらに、それらの第2の角度位置にあるとき、運搬部30は一般に互いから離れて存在する。
【0042】
一般に固定構造部22は、複数の運搬部30と、それらを第2の角度位置に固定して維持するために、それらがそれらの第2の角度位置にあるときに選択的および解放可能に係合する運搬部ポジショニング機構(運搬部位置決め機構)42を含んでいる。
【0043】
第1運搬部30aのボール受領部38は常に自由係合状態にあるので、運搬部係合機構34は、アーム32と回転部24が第1方向とは反対の第2方向に回転するとき、全ての運搬部30を、それらの第2の角度位置から、それらの第1の角度位置に連続的に、その後同時的に移動して戻すために、第1運搬部30と選択的および解放可能に係合する。この目的で、固定構造部22上に位置する第2の強力な止め部44は、最後のリフレクタ12dを、それと当接状態にて第1の角度位置で確実に停止させる。同様に、最後のリフレクタ12dは第3リフレクタ12cのためのハードストップとして機能し、その後同様に作用する。
【0044】
一般に、固定構造部22はリフレクタポジショニング/戻り止め機構46を含んでおり、この機構は複数のリフレクタ12d、12c12b、12aと、それぞれの第1の角度位置で選択的および解放可能に係合し、それら、および対応する運搬部30dから30aを第1の角度位置で固定する。第2の強力な止め部44は一般にリフレクタポジショニング機構(リフレクタ位置決め機構)46の一部であり、またはそれと一体的である。
【0045】
好適には、第1の角度位置にあるとき、それぞれの運搬部30は隣接運搬部30と当接状態にある。
【0046】
それぞれの運搬部30は、典型的には順序化機構50を含んだ後続の運搬部を有し、それと接触状態にあるとき、ラッチ機構34を、その後続の運搬部に選択的にラッチさせる。典型的には順序化機構50は延出部52を含んでおり、延出部は、先行する運搬部30から、その後続の運搬部30内に形成されているボール受領部38内に突起しており、ラッチ機構34のバネにより付勢されたボール36が、その後続の運搬部30のボール受領部38と選択的に係合することを防止する。
【0047】
運搬部ポジショニング機構42及び/又はリフレクタポジショニング機構46は典型的には、運搬部係合機構34あるいは磁気機構等の他の任意の機構に類似したバネにより付勢されたボールの戻り止め機構を含む。
【0048】
それぞれのリフレクタ12がその第1の角度位置から第2の角度位置に移されるとき、モータ20は十分に強力で、移動されている対応リフレクタ12のリフレクタポジショニング機構46によって発生される抵抗トルクに打ち勝つ。同様に、第2の角度位置において運搬部30は互いに離れているので、1毎に、全てのリフレクタ12が第2の角度位置から第1の角度位置に全て戻されるとき、モータ20は十分に強力で、それぞれの運搬部30の運搬部ポジショニング機構42によって発生される抵抗トルクに連続的に打ち勝つ。
【0049】
本願発明は、アンテナ14の再構成のために、少なくとも1つ、好適には複数のリフレクタ12に接続する上述した交替機構10を含んだ宇宙船アンテナ14も提供する。
【0050】
図示はしないが、当該技術の技術者であれば、本願発明の範囲から逸脱せずに、アクチュエータが、クランク構造体等に接続されたリニアアクチュエータのごとき非回転式アクチュエータでもあり得ることを理解するであろう。
【0051】
本願発明をある程度の特定性により説明したが、開示内容は例示としてのものであり、本願発明は、ここで説明され、図示されている実施例の特徴に限定されるものではなく、それらの全ての変形および改良は本願発明の「請求の範囲」に記載されている範囲に含まれることは理解されるべきである。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9