特許第6937183号(P6937183)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937183
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】内視鏡検査装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/267 20060101AFI20210909BHJP
   A61B 1/01 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   A61B1/267
   A61B1/01
【請求項の数】27
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-143590(P2017-143590)
(22)【出願日】2017年7月25日
(62)【分割の表示】特願2014-543964(P2014-543964)の分割
【原出願日】2012年11月29日
(65)【公開番号】特開2017-221685(P2017-221685A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2017年8月22日
【審判番号】不服2019-9033(P2019-9033/J1)
【審判請求日】2019年7月4日
(31)【優先権主張番号】1120628.1
(32)【優先日】2011年11月30日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516045573
【氏名又は名称】テレフレックス、ライフ、サイエンシーズ、アンリミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】TELEFLEX LIFE SCIENCES UNLIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレイン,アーチボルド・イアン・ジェレミー
【合議体】
【審判長】 井上 博之
【審判官】 蔵田 真彦
【審判官】 ▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0051734(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/001724(WO,A1)
【文献】 特開平8−547(JP,A)
【文献】 特表2003−511108(JP,A)
【文献】 特開平10−179745(JP,A)
【文献】 特表2006−522623(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0041392(US,A1)
【文献】 特表2005−527246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B1/00-1/32
A61M11/00-19/00
A62B7/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の使用を容易にするための内視鏡検査装置であって、1つの気道管と、前記気道管の一方端に担持されるマスクとを備え、前記マスクは、遠端と、近端と、患者の喉頭後ろの空間に適合し、かつその中に嵌合して喉頭口の周りに封止を形成することができる周囲形成部とを有し、前記周囲形成部は使用の際の上側に搭載面を含み、前記周囲形成部は前記マスクの中空内部空間または管腔を取り囲み、前記気道管は前記マスクの前記管腔の中に開口し、前記装置はさらに、前記マスクが定位置にある場合に患者の食道の中への内視鏡の通過のために適合される導管を備え、
前記導管は遠端と近端とを有し、前記導管の前記遠端は前記周囲形成部の遠端に隣接して前記周囲形成部の前記遠端まで延在し、前記気道管および前記導管は、予め形成された組み合わされた気道管および導管アセンブリとして提供され、前記1つの気道管の直径は前記導管の直径よりも小さく、前記1つの気道管は前記周囲形成部の前記搭載面に嵌まる下方向に向いた朝顔型に開く端部分で終端する、内視鏡検査装置。
【請求項2】
前記装置は、前記導管の壁の内側表面とその中に挿入される内視鏡との間の摩擦接触を最小限にするように適合される、請求項1に記載の内視鏡検査装置。
【請求項3】
前記装置には、前記導管の内部壁の表面積を低減する手段が設けられる、請求項2に記載の内視鏡検査装置。
【請求項4】
前記手段は、長手方向に延在する複数の稜線を備える、請求項3に記載の内視鏡検査装置。
【請求項5】
前記導管は、前記気道管に対して大きな径を有する、請求項1または2に記載の内視鏡検査装置。
【請求項6】
前記導管の径は、約5〜25mmの間、より典型的には約10〜20mmの間、最も典型的には約15mmである、請求項1から5のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項7】
前記導管の径方向壁厚みは約1〜2mmの間である、請求項1から6のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項8】
前記導管は、その壁の中に形成される複数のボアを備える、請求項3から5のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項9】
前記導管は、その壁の中に形成される複数のチャネルを備える、請求項7に記載の内視鏡検査装置。
【請求項10】
前記導管はシリコーン材料を備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項11】
前記導管のデュロメータ硬度は60〜70ショアの間である、請求項1から10のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項12】
周囲形成部は膨らますことができるカフである、請求項1から11のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項13】
前記マスクは後ろ板を備える、請求項1から12のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項14】
前記気道管は前記気道管内の撚れの形成を回避するように強化される、請求項1から13のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項15】
前記導管は、使用の際、前記マスクの遠端から延在して、患者の口を通り、前記患者の歯の間に到達する長さを有する、請求項1から14のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項16】
前記気道管および/または導管は咬合阻止器を含む、請求項1から15のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項17】
前記咬合阻止器は、使用の際、患者の歯に隣接する、比較的より軟らかい壁部分を含む、請求項16に記載の内視鏡検査装置。
【請求項18】
咬合阻止器は、その遠端に先細部分を含む、請求項14に記載の内視鏡検査装置。
【請求項19】
咬合阻止器は前記導管上に設けられる、請求項1から13のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項20】
前記導管の遠端はカフの遠端に隣接する、請求項1から19のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項21】
前記導管の遠端は、水平面に対して約10〜15度の角度αで設けられ、前記水平面は、前記装置が実質的に線形の配置にある場合は前記装置の前記長軸に対して垂直である、請求項1から20のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項22】
前記導管の遠端はカフの遠端を大きく越えて延在しない、請求項17または18に記載の内視鏡検査装置。
【請求項23】
カフの遠端に開口が設けられる、請求項1から22のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項24】
前記導管および前記気道管は、それらが互いに別個である、請求項1から23のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項25】
前記導管と前記気道管とは互いに接続される、請求項1から20のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項26】
前記導管の出口の広がりを許す手段を含む、請求項1から25のいずれか1項に記載の内視鏡検査装置。
【請求項27】
前記手段は、前記導管の出口に隣接するスリットを備える、請求項26に記載の内視鏡検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡検査装置に関し、より特定的には気道も設ける内視鏡検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある外科的診断内視鏡検査手順は、患者の上部消化管の中への機器または視覚装置の挿入を必要とする。たとえば、内視鏡検査では、内視鏡は、患者の口を直接通って、食道の中へ、そして胃および十二指腸まで通される。内視鏡は、照明およびカメラなどの視覚化装置をその先端に含み、操作者が他の機器を通すことができるワーキングチャネルを含むことができる。内視鏡検査では、患者は通常何らかの形態の局所麻酔を施され、場合によっては鎮静剤も与えられる。患者の歯の間にマウスガードが置かれ、内視鏡がそこを通されて、その時点で患者は内視鏡の先端または遠端を飲込まなければならない。患者が一旦遠端を飲込むと、操作者は、食道を通って胃および十二指腸の中へ手の力で内視鏡を押込まなければならない。
【0003】
手探りで手の力で機器または視覚化装置を患者の食道に挿入することが必要な内視鏡検査などの手順については多数の問題が発生する可能性がある。第1に、患者によっては局所麻酔および鎮静剤の使用が望ましくなく、患者の生命兆候の小さな変化から、不整脈、呼吸停止、心筋梗塞、ショック、およびおそらくは死亡すらも含む、心肺の厄介な問題を引起すことがある(7頁、上部消化管内視鏡検査偶発症(Complications of Upper Gastrointestinal Endoscopy、ライリー(Riley)およびオルダーソン(Alderson)、胃腸病学におけるBSGガイドライン(BSG Guidelines in Gastroenterology)、2006年11月)。さらに、上部消化管内視鏡検査は、感染症、穿孔、または場合によっては出血などの問題を生じることがある。具体的には、穿孔は、しばしば病理部位において、または手探り状態で内視鏡を挿入する結果、患者の咽頭または食道で起こることがある(7および8頁、上部消化管内視鏡検査偶発症(Complications of Upper Gastrointestinal Endoscopy)、ライリー(Riley)およびオルダーソン(Alderson)、胃腸病学におけるBSGガイドライン(BSG Guidelines in Gastroenterology)、2006年11月)。さらに、治療目的の上部消化管内視鏡検査がしばしば診断目的の内視鏡検査よりも長い時間が掛かることが知られている。さらに、多くの場合、そのような技術の使用が対象患者にとってより不快なことがあり、より高レベルの静脈内鎮静を必要とすることがあり、これが静脈内無痛法と合わさると心肺の厄介な問題を引起すことがある(8頁、上部消化管内視鏡検査偶発症(Complications of Upper Gastrointestinal Endoscopy)、ライリー(Riley)およびオルダーソン(Alderson)、胃腸病学におけるBSGガイドライン(BSG Guidelines
in Gastroenterology)、2006年11月)。
【0004】
さらに、上部消化管内視鏡検査の後に続いて、患者は喉および腹部に何らかの軽微な不快感を経験することがある。これらの愁訴は一般的に軽微であると考えられるが、あるプロスペクティブ研究は、患者のうち約2%が医学的助言を求め続けて、患者によっては入院することを発見した(7頁、上部消化管内視鏡検査偶発症(Complications of Upper Gastrointestinal Endoscopy)、ライリー(Riley)およびオルダーソン(Alderson)、胃腸病学におけるBSGガイドライン(BSG Guidelines in Gastroenterology)、2006年11月)。
【0005】
現時点で、内視鏡は通常、患者の食道の中にそれ自身が、すなわちガイド装置なしに、挿入される。これは典型的に一般的麻酔法の際の問題を引起す。というのも、空気の供給がほとんどまたは全くないために、患者の呼吸に干渉するおよび呼吸を妨げることがある
からである。したがって、そのような状況では、検査手順を迅速に行なって、内視鏡が挿入される時間の量を最小限にすることが重要である。この結果、検査手順の間に得られる情報がより少なくなることがあるが、これは患者にとって危険であり、その結果、生じるコストが増大してしまうことがある。
【0006】
体腔の中への内視鏡の移動のための経路を設けるのにガイドチューブを用いることが公知である。EP2368481およびEP2368483は、患者の体腔の中への内視鏡の進入を導くためのガイド装置に関する。
【0007】
喉頭マスク気道装置などの人工的な気道装置は、意識のない患者の気道を確保するのに有用な周知の装置である。その最も基本的な形態では、喉頭マスク気道装置は、気道管と、気道管の一方端に担持されるマスクとからなり、マスクは、患者の喉頭の後ろの実際のかつ潜在的な空間に適合し、かつその中に嵌合して喉頭口の周りに封止を形成することができる、しばしば「カフ」として公知の周囲形成部(peripheral formation)を有する。カフは膨らませることができるものであり得、大部分の変形例では、これは、マスクの中空内部空間または管腔を取り囲み、少なくとも1つの気道管が管腔の中に開口している。米国特許第4,509,514号は、このような喉頭マスク気道装置を記載する多数の刊行物のうちの1つである。患者に喉頭マスク気道装置を挿入し、これにより気道を確保することは比較的容易である。また、喉頭マスク気道装置は、それが不適切に挿入されたとしても依然として気道を確保する傾向がある点で「寛大な」装置である。したがって、喉頭マスク気道装置はしばしば「救命」装置と考えられる。また、喉頭マスク気道装置は、患者の頭、首、および顎を比較的わずかにしか操作せずに挿入され得る。さらに、喉頭マスク気道装置は、気管の敏感な内膜に接する必要なく、患者の肺の換気を提供し、確保される気道の大きさは典型的に気管内管で確保される気道管の大きさよりも大幅に大きい。また、喉頭マスク気道装置は、気管内管と同程度に咳嗽に干渉しない。主としてこれらの利点により、喉頭マスク気道装置の人気が近年高まっている。
【0008】
内視鏡検査の際、患者の上部消化管の検査を補助するには、内視鏡が薄くかつ可撓性であることが好ましい。そのような装置は一般的に、典型的には患者内での内視鏡の移動を制限するであろう喉頭マスクとともに用いるには好適でないであろう。さらに、内視鏡と組合せて喉頭マスクを設けると、ユーザに対する困難となることがある。というのも、内視鏡は患者の食道内への喉頭マスクの挿入に干渉することがあり、これにより内視鏡と組合せた喉頭マスクの挿入は典型的に、マスク単独の挿入と比較してより困難であろうからである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、このような問題を軽減しようとすることである。
発明の第1の局面に従うと、内視鏡の使用を容易にするための内視鏡検査装置が提供され、内視鏡検査装置は、少なくとも1つの気道管と、少なくとも1つの気道管の一方端に担持されるマスクとを備え、マスクは、遠端と、近端と、患者の喉頭の後ろの実際のかつ潜在的な空間に適合し、かつその中に嵌合して、喉頭口の周の周りの封止を形成することができる周囲形成部とを有し、周囲形成部は、マスクの中空内部空間または管腔を取り囲み、少なくとも1つの気道管はマスクの管腔の中に開口し、装置はさらに、マスクが定位置にある場合に患者の食道の中への内視鏡の通過のために適合される導管を備える。
【0010】
本発明に従う内視鏡検査装置を設けることは、患者内に気道を確保する、および内視鏡検査によって引起され得る逆流または嘔吐から気道を保護するという組み合わさった利点を有する。このように、本発明の装置は有利には、同時に患者内の気道を確保しつつ患者の食道内への内視鏡の安全かつ正確な挿入を助ける。
【0011】
好ましくは、本発明の装置は近端および遠端を備え、その間に長軸が設けられ、導管は、装置の長軸に対する中線に向けてオフセットするような角度で設けられる。有利には、中線に対してオフセットする角度で導管を設けることにより、導管および気道管の両方を患者の食道内に収容することができ、食道内の気道管が利用できる空間の量が増し、気道の閉塞が防止される。典型的に、カフおよび気道管は、装置の長軸に対する中線に実質的に隣接して位置決めされる。
【0012】
典型的に、本発明の装置は、導管の内側壁とその中に挿入される内視鏡との間の摩擦接触を最小限にする。有利には、本発明の装置は、導管およびしたがって患者の食道内への内視鏡の挿入を助ける。
【0013】
好ましくは、導管のボア径は大きい。典型的に、導管は、内視鏡検査装置の大きさに依存して、直径が約5〜25mmの間、より典型的には約10〜20mmの間、最も典型的には約15mmである。有利には、導管の直径は、導管を通る内視鏡の通過を許す。このように、導管は、外科医がそれを通して患者の上部消化管を見ることができる「動作チャネル」を形成する。さらに、導管の直径は、患者の体に依存して異なってもよい。好ましくは、導管の径方向壁厚みは約1〜2mmの間である。
【0014】
好ましくは、導管は複数のボアを備える。典型的に、導管は複数のチャネルを備え、有利には、剛性が増した構造を設ける。さらに、導管は好ましくは、患者の体内への装置の挿入を助けるように実質的に可撓性である。
【0015】
好ましい実施形態では、導管はシリコーン材料を備える。別の実施形態では、導管は、ポリ塩化ビニル(PVC)またはゴムなどの可塑性材料を備えてもよい。好ましくは、導管のデュロメータ硬度は60〜70ショアの間である。このデュロメータ硬度は、挿入の際、患者の食道内に導管を挿入するのに必要な力がより小さいという利点を有する。
【0016】
典型的に、本発明に従う内視鏡検査装置は、患者の上部食道括約筋の中に挿入される。体のこの領域の狭い寸法のために、装置の慎重な挿入が必要である。典型的に、本発明に従う内視鏡検査装置は、案内される装置の挿入を与えるカフの先端によって上部食道括約筋の中に挿入される。さらに、装置の先端の遠位可撓性は、装置の挿入の際に患者の喉の後湾曲を辿るのを助け得、患者の喉に対する外傷を低減する。
【0017】
内視鏡と組合せた本発明に従う内視鏡検査装置の使用は、内視鏡単独の使用よりも安全であり、有利には、患者の食道内に内視鏡をより長期間挿入できるようにする。
【0018】
典型的に、周囲形成部は膨らませることができるものであり得る。好ましくは、周囲形成部は膨らませることができるカフである。カフは典型的に、患者の喉頭後ろの実際のかつ潜在的な空間に適合し、かつこの中に嵌合して喉頭口の周りの封止を形成することができる。典型的に、カフは近端から遠端に延在する。マスクは、近端から遠端へ実質的に凸の曲面を描くことが好ましい。マスクが後ろ板を備え、後ろ板が背側および腹側を有し、背側が実質的に平滑でその幅にわたって凸の曲率を有することがさらに好ましい。気道管の背側表面は、曲率が後ろ板の幅にわたる曲率に対応することも好ましい。これらの手段のすべてがマスクの挿入を容易にするのを助ける。
【0019】
気道管は好ましくは、マスク本体の材料よりも比較的剛性の材料を備える。典型的に、気道管の直径は導管の直径よりも小さく、このため、患者に装置を挿入する際、導管のためのより多くの空間を設ける。好ましくは、気道管は、管内の撚れの形成を回避するように強化される。気道管およびマスク本体の両者ともが好ましくは可塑性材料を備える。1
つの実施形態では、気道管はシリコーン材料を備えてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、気道管はその近端にコネクタ要素を備えてもよい。コネクタ要素は、気道管を気体供給部に接続するように設けられてもよい。好ましい実施形態では、気道管は、その近端にコネクタ要素を備えない。有利には、気道管の近端にコネクタ要素がないことは、患者の食道内への気道管の挿入を助ける。
【0021】
好ましい実施形態では、導管は、使用の際、マスクの遠端から延在し、患者の口を通り、患者の歯の間に現われるような長さを有する。有利には、導管およびしたがって内視鏡は、患者の口を通って挿入され得る。
【0022】
1つの実施形態では、気道管は、使用の際、患者の歯に隣接する点に隣接する比較的より軟らかい壁部分を含む。比較的より軟らかい部分は、咬合阻止器の一部を形成することが好ましい。咬合阻止器を気道管の比較的より軟らかい部分に設けることは、より剛性でない部分により、患者の歯に対する損傷を防ぐという利点を有する。別の実施形態では、咬合阻止器を導管上に設けてもよい。気道管または導管の上に咬合阻止器を設けることは、いずれかの構成要素が設けるチャネルが崩れるのを防止するという付加的な利点を有する。誤解を避けるために、内視鏡装置は、食道材料の除去のための手段を有しても有しなくてもよい。
【0023】
好ましくは、導管の遠端はカフの遠端に実質的に隣接する。より好ましくは、導管の遠端は、水平面に対して角度αで設けられる(水平面は、装置が実質的に線形の配置にある場合は、装置の長軸に垂直である)。典型的に、角度αは、水平面に対して約10〜15度であり、より好ましくは水平面に対して45度である。好ましくは、角度αは鋭角である。水平面に対して角度αで設けられる遠端を有する導管を設けることは、患者内への装置の挿入を助ける。有利には、水平面に対する角度αの大きさがより大きいほど、患者内への装置の挿入がより容易になる。好ましくは、装置の挿入の際に、(カフの遠端にある)カフの先端によって設けられるガイド手段と干渉しないように、導管の遠端は、カフの遠端を大きく越えて延在しない。
【0024】
典型的に、導管は、装置の前方から見ると、装置の長軸に対して左または右方向に突出するように位置決めされてもよい。有利には、導管が装置の長軸に対して突出する方向は、内視鏡検査装置を操作する人が左利きまたは右利きであるかに依存して選択されてもよい。
【0025】
好ましい実施形態では、カフ内に開口を設けてもよい。より好ましくは、カフの遠端に開口を設けてもよい。有利には、カフ内に開口を設けることにより、カフへの導管の装着が容易になる。さらに、カフ内に開口を設けることは、患者の上部消化管を見る内視鏡のような機器が導管内に挿入された場合のその使用を助け得る。
【0026】
典型的に、導管はまっすぐのまたは線形の構成を採用する。別の実施形態では、導管は、湾曲しかつ患者の気道の解剖学的構造の形状に従うように成形されてもよい。
【0027】
好ましい実施形態では、内視鏡検査装置は、互いから別個であるような構成で維持される導管および気道管を備える。これは、装置の挿入の際に気道が確保されるようにし、かつ内視鏡の挿入の結果生じ得る逆流および/または嘔吐から気道を確実に保護するので、有利である。別の実施形態では、気道管と導管とを互いに接続してもよい。この実施形態では、装置の挿入の際に気道を確保するため、ならびに内視鏡の挿入の結果として起こり得る逆流および/または嘔吐から気道を保護するために、装置の領域において構成要素が互いから別個であることも必要であろう。
【0028】
以下の図面を参照して、一例として発明をさらに記載する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明に従う装置の部分の前方斜視図である。
図2】本発明に従う装置の底面平面図である。
図3】本発明に従う装置の平面図である。
図4】本発明に従う装置の導管の断面図である。
図5】気道管の方向に見た本発明に従う装置の側面図である。
図6】導管が水平面に対して位置決めされる角度αを示す、図5の装置の端の側面図である。
図7】導管の方向に見た本発明の装置の側面図である。
図8】発明に従う装置の第2の実施形態の底面平面図である。
図9】発明に従う装置の第3の実施形態の側面図である。
図10】左から見た図9の装置の前方斜視図である。
図11】右から見た図9の装置の前方斜視図である。
図12図9の装置の平面図である。
図13図9の装置の正面図である。
図14図9の装置の左側背面半横向き図である。
図15図9の装置の図の一部の側面図である。
図16図15の一部の平面図である。
図17】装置9のさらなる一部の側面図である。
図18図17の一部の背面図である。
図19】組立てられた状態の図15および図17の一部の左側面図である。
図20図19のアセンブリの右側面図である。
図21】第1の位置の、発明に従う装置のさらなる実施形態の一部の側面図である。
図22】第2の位置の、図21の一部の図である。
図23】第1の位置の、図21の一部の平面図である。
図24】第1の位置の、図21の一部の正面図である。
図25図21に示される一部を組入れる、発明に従う装置の前方斜視図である。
図26】第1の内視鏡とともに用いる、図25の装置の前方斜視図である。
図27】第1の内視鏡とともに用いる、図25の装置の前方斜視図である。
図28】第2の内視鏡とともに用いる、図25の装置の前方斜視図である。
図29】第2の内視鏡とともに用いる、図25の装置の前方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで図面を参照して、胃鏡の使用を容易にするための装置1が図示され、装置1は、少なくとも1つの気道管2と、少なくとも1つの気道管の一方端に担持されるマスク3とを備え、マスク3は、遠端4と、近端5と、患者の喉頭後ろの実際のかつ潜在的な空間に適合し、かつその中に嵌合して喉頭口の周の周りの封止を形成することができる周囲形成部6とを有し、周囲形成部6はマスク3の中空内部空間または管腔7を取り囲み、少なくとも1つの気道管2はマスクの管腔の中に開口し、装置はさらに、マスク3が定位置にある場合に患者の食道の中への胃鏡の通過のために適合される導管8を備える。
【0031】
全体的な外観という点で、本発明に従う装置1は、すべてではなくても大部分において、そのような装置を構成する基本的部分、すなわち気道管2およびマスク部分3、からなるという点で、先行技術の喉頭マスク気道装置にいくぶん似ている。図を参照して、装置1は、近端1a(装置が使用されている場合はユーザに最も近い端)と、遠端1b(装置が使用されている場合はユーザから最も遠い端)と、背または咽頭側、腹または喉頭側、
ならびに右および左側を有する。
【0032】
気道管2は近端2aから遠端2bに延在し、遠端2bは中空マスク部分3の内部に開口する。気道管2は、患者への装置1の挿入を助けて柄またはガイドとして働けるように弾性変形可能であるかまたは比較的剛性であってもよい。気道管2は、たとえば、シリコーンゴムまたは可塑性材料などの、当業者には明らかであるようなそのような目的のために現在用いられている任意の材料から作られてもよい。これは、まっすぐかつ可撓性であってもよい、または適切に解剖学的に湾曲した形状に成形されてもよい。
【0033】
まず図1から図7の実施形態を参照して、マスク部分3は、しばしば後ろ板9(図3を参照)と称される本体部分と、膨らませることができるカフ6の形態を取り得る周囲形成部とを含み、膨らませることができるカフ6は、近端6aから遠端6bに延在する。膨らませることができるカフ6には膨らませライン14が設けられてもよい。膨らませることができるカフ6は有利には、喉頭後ろの空間に適合し、かつその中に嵌合して、装置1が喉頭の内部を貫通せずに喉頭口の周の周りに封止を形成することができる。患者の異なる大きさには異なる大きさのマスクが必要である。
【0034】
カフ6は吹込み成形PVCを備えてもよく、ほぼ楕円形の膨らませることができる輪の形態を取ってもよい。カフ6は典型的に一体に形成される。
【0035】
マスクは、近端から遠端へ実質的に凸の曲面を描くことが好ましい。後ろ板9は背側および腹側を備え、背側は実質的に平滑であり、かつその幅にわたって凸の曲率を有することがさらに好ましい。気道管2の背側表面は、曲率が、後ろ板9の幅にわたる曲率に対応することも好ましい。後ろ板9は典型的に、ショア50Aビテン(Vythene)(登録商標
)PVC+PUからの成形によって形成される。この材料は典型的に、気道管2の材料よりも実質的により軟らかくかつより変形可能なものである。後ろ板9は典型的に、背または腹側方向から見ると、ほぼ楕円形の成形体を備える。
【0036】
先行技術の喉頭マスク気道装置に対して、発明に従う装置1は導管8を含み、導管8は、マスク3が定位置にある場合に患者の食道の中へのファイバースコープまたは内視鏡などの胃鏡の挿入を容易にするように設けられる。この実施形態では、本発明の装置1は近端1aおよび遠端1bを備え、その間に長軸が設けられ、導管8は、装置の長軸に対する中線に向けてオフセットするような角度で設けられてもよい。これは有利である。というのも、場合によっては、導管8および気道管2が両者とも同じ平面内に設けられた場合は、これらを快適に収容するのに十分な空間がないかもしれないからである。このように、装置の長軸に対する中線に向けてオフセットした角度で導管8を設けることは、導管8および気道管2の両方が患者の食道内により快適に収容されるのを可能にするという利点を有する。さらに、この実施形態では、導管8は、気道管およびしたがって装置によって確保される気道を妨げない。
【0037】
導管8は好ましくは比較的大きなボア径を有する。典型的に、導管の直径は、5〜25mmの間、より典型的には10〜20mmの間、最も典型的には約15mmである。そのような直径は、導管8を通る内視鏡またはファイバースコープなどの胃鏡の通過を許すように設けられてもよい。しかしながら、導管8の直径は、患者の体に依存して異なってもよい。好ましくは、導管8は、可撓性を加える(図4に示されるような)複数のボア11を備える。好ましくは、導管8はボア11の間に複数のチャネルまたはウェブ13を備え、チャネル13は導管8に増大した剛性を与える。有利には、導管8は可撓度も維持し、こうして患者の食道内への装置の挿入を助ける。さらに、本発明の装置1は、導管8の内側壁とその中に挿入される胃鏡との間の摩擦接触を最小限にして、こうして導管8内およびしたがって患者の食道内への胃鏡の挿入を助ける。
【0038】
導管8は好ましくは、装置のマスク部分3を通って延在し、カフ6の遠端6bに接する。好ましくは、導管8の遠端8bはカフ6の遠端6bに隣接して設けられる。好ましくは、導管8の遠端8bは、水平面に対して角度αで設けられる(水平面は、装置が実質的に線形の配置にある場合は、装置1の長軸に対して実質的に垂直である)。好ましくは、角度αは水平面に対して約10〜15度、より好ましくは水平面に対して約45度である。水平面に対して角度αで設けられる遠端8bを有する導管8を設けることは、患者の食道内への装置1の挿入を助ける。好ましくは、装置1の挿入の際にカフ6の先端によって設けられるガイド手段に干渉しないように、導管8の遠端8bは、カフ6の遠端を大きく越えて(すなわちカフの先端に)延在しない。これを図5および図6に見ることができる。図6は、図5に示される円内の領域を図示する。具体的に、図6を参照して、導管8の遠端8bは水平面に対して角度αで設けられる。典型的に、角度αが水平面に対して大きくされると、装置1は挿入がより容易になり、その挿入の際に患者の食道に与える外傷がより少なくなる。
【0039】
その長さの大部分に亘って、導管8は好都合には、好ましくは60〜70ショアの範囲のデュロメータ硬度のシリコーンまたは他のプラスチックもしくはゴムなどの可撓性のまたはエラストマー材料から成形され得るまたは押出成形され得る。成人に用いるには、導管8の内径(i.d.)は約15mmであってもよく、径方向壁厚みは約1〜2mmであってもよい。
【0040】
図2は、本発明の1つの実施形態に従う装置を示し、コネクタ12が気道管2の近端2aに設けられる。この実施形態では、コネクタ12は、気体供給部への気道管2の接続を可能にする。コネクタ12は、送気管と吸入部との接続の容易を可能にするように、(気道管2と比較して)比較的剛性の可塑性材料から形成される。しかしながら、好ましい実施形態では、装置は気道管2の近端2aにコネクタを備えない。コネクタが気道管2の近端2aに設けられない実施形態では、患者の食道内への装置1の挿入が改良される。
【0041】
図2に示されるように、装置1は好ましくは、膨らませることができるカフ6を選択的に膨らませたり萎ませたりするための膨らませライン14も含む。膨らませライン14は、カフ6の近端6aに結合される遠端14bから、装置1が使用される際は患者の外に位置する近端14aに延在する。典型的には逆止め弁16が可撓性管14内に位置する。
【0042】
使用の際、装置1は、患者の口を通して挿入され、喉元のカフの遠端6bが(その寸法のためにマスク3が容易に入ることができない)通常は閉じた食道の上側端に対して存在する状態でマスク3が静止するまで喉頭蓋を過ぎて、喉を通っていく。次にカフ6が膨らまされて、喉頭への入口の周りを封止する。
【0043】
装置の挿入後、ファイバースコープまたは内視鏡などの胃鏡が導管8を通って挿入され得る。装置1の長軸に対する中線に向けてオフセットするような角度で導管8を設けることは、これが気道管2を妨げず、患者の食道内に導管8および気道管2のためのより多くの空間を設けるという利点を有する。このように、気道管2によって患者内に気道が確保され、同時に導管8を通って胃鏡が挿入され得る。
【0044】
ここで図8を参照して、図1から図7の装置の変形を図示する。この変形では、導管8には、内視鏡の挿入を容易にするコネクタも含むことができる咬合阻止器17が設けられる。
【0045】
ここで図9から図20を参照して、発明に従う装置1の第3の実施形態を図示する。特に図10から図13に見られるように、装置1は、これが少なくとも1つの気道管2と、
少なくとも1つの気道管の一方端に担持されるマスク3とを含み、マスク3が、遠端4と、近端5と、患者の喉頭後ろの実際のかつ潜在的な空間に適合し、かつこの中に嵌合して喉頭口の周の周りに封止を形成することができる周囲形成部6とを有し、周囲形成部6がマスク3の中空内部空間または管腔7を取り囲み、少なくとも1つの気道管2がマスクの管腔7の中に開口し、装置がさらに、マスク3が定位置にある場合に患者の食道内への胃鏡の通過のために適合される導管8をさらに備える点で、図1から図8に図示される装置に似ている。上述のような材料および構築のさまざまな詳細をこの実施形態にも適用してもよい。
【0046】
この実施形態では、気道管2および導管8が両者とも部分18で受けられ、この実施形態では、部分18が咬合阻止器18の形態を取ることがわかる。咬合阻止器18は一体成形された可塑性部分であり、各々1つが気道管2および導管8を収容する2つのボアで形成される。代替案として、咬合阻止器18が気道管2および導管8のうち一方または両方と一体に形成可能であることが認められる。咬合阻止器18は、装置1が用いられる際の患者の歯に対する損傷を防止し得るように、比較的より軟らかい材料または軟らかい材料インサートと一体に形成され得る、(使用時の)上側および下側の噛み合わせ面18a、18bを有する。咬合阻止器18は近端19aおよび遠端19bを有し、その遠端19bに、装置1の挿入を補助する先細セクション19cを設ける。図18からわかるように、咬合阻止器18は、その近端19aに、ボア20aおよび20bを有するほぼ平らな面20を有する。図示されるようにボア20bに気道管延長部2aを装着可能である、またはこれに代えて、マスク部分から咬合阻止器18を通って他方側に延出する比較的より長い気道管2を利用することができる。認められるように、咬合阻止器18は、気道管2および導管8の両者の穴あきを防止するように働くだけでなく、装置1に構造的完全性および剛性も与えて、気道管2および導管8を互いに対しておよび装置1の他の構成要素に対して定位置に保つ。
【0047】
ここで図13を参照して、導管8が、装置1の挿入を助ける楕円形断面を有し、長手方向に延在する稜線の形態の、摩擦を低減する手段22を設けた内部面21も有することがわかる。稜線22は組み合わさって、稜線がない場合に平滑な内部ボアが設けるであろうよりも、はるかにより小さい内部表面積を形成し、このため、導管8と挿入内視鏡との間の摩擦が低減される。稜線は、導管の全長またはそのかなりの部分にわたって延在してもよい。付加的なまたは代替的な摩擦低減手段として、導管8に、潤滑のためのポリシロキサンコーティングを施すことができる。図13からは、導管8の内部表面に、ここでは「V」形の切り込みに似た2つの対向する長手方向に延在するチャネル23が設けられることもわかる。これらのチャネルは、図13に見られるように上から下へ導管8がより容易に圧縮されるまたは引伸ばされるのを許すヒンジ点として働いて、装置1の挿入を助け、かつ導管8に内視鏡を通すことも助ける。
【0048】
図15から図20は、装置1が有利にはどのように形成され得るかを図示する。見られるように、装置1は、3つの主要部品、すなわちカフ部分6、気道管と後ろ板とも称され得る導管アセンブリとの組み合わせ2/8、ならびに膨らませラインを備える。図15および図16に図示されるカフ部分6は、可塑性材料またはシリコーンから一体に形成されてもよい。これは一般的に当該技術分野で公知のような従来の形状であるが、使用の際の上側に接着稜線24aを有する湾曲した搭載面24を含む。図17および図18に図示される気道管および導管アセンブリ2/8は一体に形成されてもよく、または、予め形成された、完成した、および組立てられた部分を含んでもよい。認められるように、図18に示されるアセンブリは、図17に示される完成アセンブリにおけるよりも、気道管2および導管8の程度がより長くなるように未完成である。図17を参照して、気道管2は、見られるように、カフ部分6の搭載面24に嵌まる導管8のレベルよりも下の、下方向に向いた朝顔型に開く端部分25で終端するのがわかる。次に膨らませラインを任意の好適な
手段でカフ部分6に装着することができる。図示されるように、導管8の端は、その長手方向軸に対して垂直の平面に対して20度の角度で後方に向けて切断されることが好ましい。
【0049】
図21から図29は、発明に従う装置の第4の実施形態を図示する。前述の実施形態と同様に、装置1は、少なくとも1つの気道管2と少なくとも1つの気道管の一方端に担持されるマスク3とからなり、マスク3は、遠端4と、近端5と、患者の喉頭後ろの実際のかつ潜在的な空間に適合され、かつその中に嵌合して喉頭口の周の周りに封止を形成することができる周囲形成部6とを有し、周囲形成部6は、マスク3の中空内部空間または管腔7を取り囲み、少なくとも1つの気道管2はマスクの管腔7の中に開口し、装置はさらに、マスク3が定位置にある場合に患者の食道中への胃鏡の通過のために適合される導管8をさらに備える。上述のような材料および構築のさまざまな詳細がこの実施形態にも適用されてもよい。
【0050】
認められるように、この装置と前述のものとの間の主な相違点は、導管8の遠端の構成である。この実施形態では、導管8の遠端は先細になり、この遠端に、出口27の広がりを許す手段26が設けられる。この実施形態では、手段26は、出口が実質的に5mm〜少なくとも15mmの範囲で広がるのを許すのに十分な距離だけ出口から後方に延在する、導管8の壁の中の4つのスリットの形態を取る。このように、図26および図27に図示される第1の位置では、出口の直径27は、広がらなくても約5mmの直径の内視鏡28を収容するのに十分に大きい一方で、図28および図29では、出口は、それが約15mmの直径の内視鏡を収容するために広がった第2の位置において示される。現在用いられている内視鏡の直径は15mm以下であるが、発明はこのように将来的により大きな計器を収容することができる。
【0051】
このように、本発明は、同時に気道を確保し、内視鏡の挿入の際に起こり得る嘔吐または逆流から気道を保護しつつ、患者の食道の中への内視鏡28の安全かつ正確な挿入を可能にする装置を提供することが立証された。
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図10
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