【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、革新的技術開発・緊急展開事業(地域戦略プロジェクト)、産業技術力強化法第19条の規定の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記品種の栽培においてあるイベントが生じ、該あるイベントの日付及び数量に関する情報が入力され、該情報に基づいて出荷予定日及び出荷予定数量が計算された後に、該品種の栽培において次のイベントが生じ、該次のイベントの少なくとも日付に関する情報が入力されると、該情報に基づいて新たな出荷予定日及び出荷予定数量を計算し、該新たな出荷予定日及び出荷予定数量に基づいて前記全体としての出荷予測をし直すことを特徴とする請求項1に記載の装置。
計算された前記イベントの予定日及び予定数量と、入力された前記日付及び数量に関する情報との比較に基づいて、記憶された前記生育特性の情報を修正するための参考情報を出力する手段をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
コンピュータにインストールされて、複数の生産者又は圃場が全体としてどの日にどれだけの数量の前記品種の収穫品を出荷可能であるかを予測するためのプログラムであって、
園芸品の品種ごとの生育特性を、該品種の栽培において生じるイベントに関連して複数に区切られる期間の各々についての情報として記憶するためのプログラムコードと、
前記品種の栽培において実際にイベントが生じたことに応じて、該イベントの生じた日付及び数量に関する情報が入力されると、該日付及び数量に関する情報と、記憶された前記生育特性のうち実際に生じた前記イベントに関連する期間についての情報とに基づいて、前記品種の収穫品の出荷予定日及び出荷予定数量を計算するためのプログラムコードと、
複数の生産者又は圃場の各々について計算された前記出荷予定日及び出荷予定数量に基づいて、前記全体としての出荷予測を行うためのプログラムコードとを備えることを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、以下の説明は、本発明の具体例を示すものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
上述した本発明の原理に従う態様において、前記品種の栽培においてあるイベントが生じ、該あるイベントの日付及び数量に関する情報が入力され、該情報に基づいて出荷予定日及び出荷予定数量が計算された後に、該品種の栽培において次のイベントが生じ、該次のイベントの少なくとも日付に関する情報が入力されると、該情報に基づいて新たな出荷予定日及び出荷予定数量を計算し、該新たな出荷予定日及び出荷予定数量に基づいて前記全体としての出荷予測をし直すようにしてもよい。
【0020】
これにより、園芸品の生育段階に応じたリアルタイムな出荷予測が可能になり、各生産者の栽培が出荷に近づくにつれて、予測の精度をより高くすることができる。
【0021】
例えば、前記イベントとして、定植と、開花抑制の停止(例えば、点灯していた電照を消灯したり、定期的に行っていたエチレンガスの散布を止めたりすると、その後に開花が促進されるから、消灯や散布終了が、開花抑制の停止というイベントに相当)とがある場合、前記生育特性の情報が、前記定植を起点とする日数の情報と、前記開花抑制の停止を起点とする日数の情報とを含むようにし、前記定植が実際に行われた日付の情報と前記生育特性の情報とに基づいて計算された出荷予定日を、前記開花抑制の停止が実際に行われた日付の情報と前記生育特性の情報とに基づいて新たな出荷予定日を計算することにより、修正するようにしてもよい。
【0022】
さらに、例えば、前記生育特性の情報が、開花抑制の停止後の花芽の成長段階に対応する複数のイベント(例えば、発蕾、膜割、露払等の中から、本装置を使用する生産者又は出荷団体が指定したイベント)の各々を起点とする日数の情報を含むようにし、前記開花抑制の停止が実際に行われた日付の情報と前記生育特性の情報とに基づいて計算された出荷予定日を、前記各イベントが実際に生じた日付の情報と前記生育特性の情報とに基づいて新たな出荷予定日を計算することにより、修正するようにしてもよい。
【0023】
このように、栽培において生じるイベントに関連して複数に区切られる期間の各々についての情報である生育特性の情報を、多くの期間について持たせることによって、出荷予測の精度をさらに高くすることが可能になる。
【0024】
上述した本発明の原理に従う態様において、前記生育特性の情報が、標準以外の栽培方法を採ることによる収穫までの日数の増減を示す情報を含むようにし、前記入力する手段に、前記品種の栽培において採った栽培方法に関する情報を入力する手段を含ませ、前記計算する手段に、入力された前記栽培方法に関する情報と、記憶された前記増減を示す情報とを、前記出荷予定日の計算に用いる手段を含ませるようにしてもよい。
【0025】
これにより、標準的な栽培方法を採る場合(例えば、仕立方法として摘芯を採り、定植方法として発根苗を採り、電照方法として再電照なしとする場合)において、生育特性の情報を用いた出荷予測が可能になるだけでなく、実際の栽培で標準以外の方法を採った場合(例えば、仕立方法として無摘芯を採った場合又は定植方法として直挿しを採った場合、あるいは電照方法として再電照ありとした場合)においても、その栽培方法に応じた精度の高い出荷予測をすることが可能になる。
【0026】
なお、仕立方法として摘芯を採り、定植方法として発根苗を採る場合、収穫品(花)の数量は、仕立本数に実際に定植を行った苗数を乗算した数に基づいて予測することができる。そこで、標準の仕立本数を生育特性の情報に含めておき、この情報を用いて出荷予定数量を予測するようにしてもよい。
【0027】
上述した本発明の原理に従う態様において、前記生育特性の情報が、収穫の開始から何日目にどれだけの割合の収穫品が得られるかを示す収穫分布の情報を含むようにし、前記品種の栽培において前記収穫の開始より前のイベントが生じ、該イベントの日付及び数量に関する情報が入力された時から、前記収穫分布の情報を用いて前記出荷予定日及び出荷予定数量の計算を行うようにしてもよい。
【0028】
これにより、同一の生産者又は圃場が同一の日に定植し同一の方法で栽培した同一の品種について、複数の日に跨って収穫する場合に、どの日にどれだけの数量の収穫品が得られるかを、一日ごとに予測することが可能になり、例えば、物日に大量の収穫品が得られるように、後述する出荷計画や生産計画を作成することも可能になる。
【0029】
上述した本発明の原理に従う態様において、前記生育特性の情報が、収穫の開始から何日目にどれだけの割合の収穫品が得られるかを示す収穫分布の情報を含むようにし、前記装置が、各生産者又は圃場による前記品種の収穫品の出荷計画に関する情報を入力する手段と、入力された前記出荷計画に関する情報と、記憶された前記収穫分布の情報とに基づいて、前記品種の収穫品の出荷計画日及び出荷計画数量を計算する手段と、複数の生産者又は圃場の各々について計算された前記出荷計画日及び出荷計画数量に基づいて、全体としてどの日にどれだけの数量の前記品種の収穫品が出荷される計画であるかを出力する手段とをさらに備え、前記全体としての計画の出力後に、前記各生産者又は圃場による出荷計画を変更できるようにしてもよい。
【0030】
これにより、例えば、複数の生産者を取り纏める出荷団体において、各生産者から大まかな出荷計画の情報(例えば、品種ごとに一つの出荷予定日)を提出してもらい、それと生育特性の情報とに基づいて、全体としてどの日にどれだけの数量の収穫品が得られる出荷計画になるかを、一日ごとに可視化することが可能になり、物日に販売すべき十分な量の収穫品を確保するというような目的に沿って、各生産者の出荷計画を細かく調整することも可能になる。
【0031】
ここで、前記収穫分布の情報を、収穫される花の品質と大きさの少なくとも一方を表す分類ごとに、何日目にどれだけの割合の収穫品が得られるかを示すものとし、前記全体としての出荷予測又は出荷計画出力を、前記分類ごとに行うようにしてもよい。
【0032】
これにより、例えば、園芸品を販売する際に利用される規格(品質、大きさ等)ごとに、生育特性の情報を活用して、精度の高い出荷予測を行ったり、出荷計画や生産計画の作成を行ったりすることが可能になる。
【0033】
上述した本発明の原理に従う態様において、前記装置が、前記品種についての各生産者又は圃場の出荷計画に関する情報を入力する手段と、入力された前記出荷計画に関する情報と、記憶された前記生育特性の情報とに基づいて、前記品種の栽培におけるイベントの予定日及び予定数量を計算し、各生産者又は圃場の生産計画として出力する手段とをさらに備えるようにしてもよい。
【0034】
これにより、例えば、各生産者の出荷計画と生育特性の情報とに基づいて、各生産者が栽培においていつ何をすべきかを示す生産計画を作成することが可能になり、効率的な栽培を行うことができるようになる。ここで用いる各生産者の出荷計画は、上述したように、全体の出荷計画を見ながら細かく調整した後のものとしてもよい。
【0035】
上記の装置が、計算された前記イベントの予定日及び予定数量と、入力された前記日付及び数量に関する情報との比較に基づいて、記憶された前記生育特性の情報を修正するための参考情報を出力する手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0036】
上述した本発明の原理に従う態様において、前記入力する手段が、前記品種の収穫を前記イベントとして、実際の収穫の日付及び数量に関する情報を入力する手段を含むようにし、前記装置が、計算された前記出荷予定日及び出荷予定数量と、入力された前記収穫の日付及び数量に関する情報との比較に基づいて、記憶された前記生育特性の情報を修正するための参考情報を出力する手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0037】
これらの参考情報を用いることにより、例えば、栽培実績に基づいて、生育特性の情報を、より実態に合うように改善し、さらに出荷予測等の精度を高めることが可能になる。
【0038】
上述した本発明の原理に従う態様において、前記記憶する手段が、前記生育特性の情報を、出荷時期ごとに異なり得るものとして記憶し、前記計算する手段が、実際に生じた前記イベントに属する栽培の出荷時期に合った前記生育特性の情報を用いて、前記出荷予定日及び出荷予定数量の計算を行うようにしてもよい。
【0039】
これにより、品種ごとの生育特性を、さらに時期別に特定し管理して、季節差を考慮した精度の高い出荷予測等を行うことが可能になる。上記の参考情報を用いた生育特性の改善は、時期のくくり方を変更するものであってもよい。
【0040】
上述した本発明の原理に従う態様において、前記記憶する手段が、前記生育特性の情報を、生産者又は圃場ごとに異なり得るものとして記憶し、前記計算する手段が、実際に生じた前記イベントに属する栽培が行われている生産者又は圃場に合った前記生育特性の情報を用いて、前記出荷予定日及び出荷予定数量の計算を行うようにしてもよい。
【0041】
これにより、品種ごとの生育特性を、さらに地域別に特定し管理して、地域差を考慮した精度の高い出荷予測等を行うことが可能になる。上記の参考情報を用いた生育特性の改善は、地域のくくり方を変更するものであってもよい。
【0042】
以下には、例示として、本発明の一実施形態に係る出荷予測システムについて、図面を用いて説明する。
【0043】
図1〜3に例示するように、本システムは、複数の生産者(農家)を取り纏める出荷団体が使用可能なパソコン等の端末201(複数あってもよい)と、各生産者が使用可能なスマートフォン等の端末301、302、303、…(以下、代表して301と記す)に、インターネット等のネットワーク400を介して接続可能なデータセンタ100内に、出荷予測システム101として提供され得る(
図2の例)。
【0044】
本システムを利用する出荷団体と生産者は、システム内に記憶される園芸品の品種ごとの生育特性(品種特性)を共有できる。品種特性は、栽培において生じるイベントに関連して複数に区切られる期間(栽培段階)の各々についての情報を含み、出荷団体と生産者とで特定した情報が入力され(
図1(1)、
図3の品種特性入力部105)、記憶され(
図3の品種特性データベース110)、一元的に管理される。
【0045】
品種特性の情報の入力は、出荷団体用端末201から行われてもよいし、それとは別に設けられた品種特性管理用端末210から行われてもよい。また、最初は、各生産者が生産者用端末301から自身の栽培する品種についての特性情報を入力し、その後、これをシステムとして統合管理し、更新していくようにしてもよい。
【0046】
なお、
図3に示すように、それぞれの端末は、データ入力部とデータ出力部を備える(出荷団体用端末201は、280と290、各生産者用端末301は、380と390、特性管理用端末210は、260と270)。これらのデータ入力部とデータ出力部は、本システムをサーバとするブラウザによって構成されてもよい。
【0047】
各生産者から、端末301によって、自身が栽培する予定の品種と、出荷予定日(月、旬、週等、ある程度の幅を持たせた出荷時期でもよい)が入力される(
図1(2)、
図3の出荷計画予定入力部115)と、本システムは、品種特性データベース110に記憶された品種特性を用いて、全体としての出荷計画(日当たりの出荷計画本数等)を作成し(
図1(3)、
図3の出荷計画作成部120)、記憶する(
図3の出荷計画記憶部125)。各生産者は、圃場ごとに異なる出荷時期を入力してもよいし、品種特性も、圃場ごとに異なるものとして記憶されていてもよい。
【0048】
一方で、出荷団体からは、端末201によって、全体としての販売計画が入力される(
図1(4)、
図3の販売計画予定入力部130)。出荷団体が、この販売計画と、作成された出荷計画とを照らし合わせ、必要に応じて出荷計画の予定を変更する(
図3の出荷計画予定変更部135)と、本システムは、再び品種特性を用いて全体としての出荷計画を作成する。作成された出荷計画の確定が指示されると、確定した出荷計画が出荷計画記憶部125に記憶される。販売計画と出荷計画の照合と、出荷計画予定の変更を、本システムが行い、変更の候補を出荷団体に提示するようにしてもよい。
【0049】
確定した出荷計画は、個々の生産者の出荷計画(圃場ごとに異なってもよい)を含んでおり、本システムは、そこから、個々の生産者の生産計画を、品種特性データベース110に記憶された品種特性を用いて作成し(
図1(6)、
図3の販売計画作成部140)、記憶する(
図3の生産計画記憶部150)。そして、本システムは、各生産者に向けて作成された生産計画を、各生産者用端末301に出力し(
図3の生産計画出力部145)、各生産者が生産計画(圃場ごとに異なってもよい)に沿って当該品種の栽培を進めていくことができるようにする。
【0050】
各生産者が栽培を進めていく中で、端末301を介し、実際にイベントが生じた(段階が進んだ)ことに応じて、各イベントの生じた日付と数量に関する情報が入力される(
図1(7)、
図3の栽培実績入力部160)と、本システムは、入力された情報と、品種特性データベース110に記憶された品種特性のうち実際に生じたイベントに関連する期間についての情報とに基づいて、改めて出荷予定日及び出荷予定数量を計算する(
図1(8)、
図3の出荷予測計算部165)。この計算(予測)も、圃場ごとに行われてよい。
【0051】
本システムは、各生産者についての上述した計算結果に基づいて、当該品種の収穫品が全体としてどの日にどれだけの数量出荷可能であるかを予測し、実績値が入力される都度、リアルタイムに予測結果を更新していく(
図3の出荷予測記憶部170)。この更新結果は、その都度、出荷団体に提示され(
図3の出荷予測出力部175)、これによって、出荷団体において、より精度の高い出荷予測を活用した販売活動が可能になる。生育段階が進むにつれて、その状況に応じた出荷見込値が再計算されるため、出荷時期が近付くにつれて、出荷予測の精度が上がるのである。
【0052】
栽培実績入力部160により入力された実績値は、栽培履歴記憶部180に記憶され、品種特性を用いて作成された生産計画と比較、分析されることで、栽培実績に基づいて品種特性を改善していくことが可能になる(
図1(9)、
図3の品種特性確認部185)。見直された品種特性は、端末210等から、品種特性入力部105を介して、品種特性データベース110に記憶され、次のサイクル(
図1(2)〜(9))で活用される。
【0053】
上述した
図3の各機能部は、ソフトウェアとして構成されても、ハードウェアとして構成されても、それらの組み合わせとして構成されてもよい。
【0054】
図4〜5は、品種特性データベース110における品種特性のデータ構造を例示する。本例は、園芸品がきく類で、切り花を収穫品とする場合の一例である。
図4(a)の例では、品種ごとに加えて、地域ごと(当該品種の生育特性が類似する範囲で大きく括った地方でもよいし、圃場ごとでもよい)且つ出荷時期ごと(標準の出荷時期以外の出荷時期の場合、同一品種でも生育特性が異なるものとして管理する)に、栽培期間の情報(
図4(b))を管理可能としている。さらに、収穫される日のばらつき、等級(秀、優、良、外等の品質)や階級(3L以上、2L、L、M、S、SS以下等の大きさ)のばらつき(
図5)についても、管理可能としている。
【0055】
図6は、上記の品種特性を入力させるために端末210等に表示される画面を例示する。ここでは、生産組織(生産者又は圃場もしくは複数の生産者のグループ)と年度と品種ごとに、一つの明細として扱っている。まず、画面上段で、品種(「参照」ボタンを押下すると品種選択画面が起動され、品種の指定が可能)と、期間(標準を指定するか、そうでなければ出荷期間を月日で指定する)を入力する。標準としての品種特性は、必ず入力するものとし、それに加えて、出荷時期に応じて異なる品種特性を設定可能とするが、同一品種で月日を重複して特性情報を入力することはできないものとする。
【0056】
図4(a)に示すように、本例の品種特性は、標準の仕立方法として、品種ごとに摘しん、無摘しんいずれかを指定し、標準以外の仕立方法を採った場合の生育日数の加算分(マイナスの日数が指定される場合は標準日数から減算されることになる、以下同様)を指定できるようになっている。また、標準の定植方法として、品種ごとに直挿し、発根苗いずれかを指定し、標準以外の定植方法を採った場合の生育日数の加算分を指定できるようになっている。
【0057】
きく類の場合、電照技術もしくはエチレンガス散布技術によって、開花時期の調整が可能である。つまり、照明を点灯しておいたり、エチレンガスを定期的に散布したりしている間は、開花が抑制され、照明を消灯したり、エチレンガス散布を止めたりすると、そこから開花へ向けての生育が開始される。ここで、一旦開花へ向けて消灯等を行った後に、出荷時期を先延ばしするために、再度点灯等を行って開花を抑制することがある。
【0058】
これを再電照と呼び、
図4(a)に示すように、本例の品種特性は、標準として再電照を行うか否か(再電照の有無)を指定し、標準以外を採った場合の生育日数の加算分を指定できるようになっている。
【0059】
さらに、
図4(a)に示すように、本例の品種特性は、品種全体の歩留り率を指定できるようになっている。定植苗数に後述する仕立本数を乗算し、その結果に歩留り率を乗算することで、出荷計画本数や出荷見込本数を計算することが可能である。
【0060】
図4(b)に示すように、本例の品種特性は、栽培期間として、定植日から各工程までの延べ日数と、消灯日から各工程までの延べ日数とを指定できるようになっている。また、本例の品種特性は、標準の仕立本数をも指定できるようになっている(無摘しんの場合は便宜上1を指定するものとし、摘しんの場合は仕立本数分の花が得られるように一定の背丈まで生育した株を切断して切断面から生育する複数の枝を仕立てる)。
【0061】
図5に示すように、本例の品種特性は、出荷日と等級及び階級を指定できるようになっており、出荷日と等級及び階級に応じた栽培率を、百分率で入力する。入力すると、
図6の例では、画面下段に、合計値(等級計、合計、等級+階級計)が表示される。
【0062】
出荷計画の管理にあたっては、まず、出荷団体が、需要予測に応じて、販売計画を作成する。その販売計画を入力するために、出荷団体用端末201に表示される画面が、
図7に例示されている。該当年作の新たな品種の販売計画を入力したい場合、画面上段で、品種を入力する。そして、品種ごとに「月単位/旬単位/週単位/日単位」を選択し、該当期間の販売計画本数を入力し、「登録」ボタンを押下する。
【0063】
なお、販売計画の一覧を表示する画面(図示せず)において、「新規入力」ボタンを押下すると、上述した販売計画入力画面に遷移し、一覧中のある販売計画を選択して「編集」ボタンを押下すると、該当品種の販売計画入力画面に遷移するようにしてもよい。
【0064】
一方で、各生産者は、自身の出荷計画の予定を、圃場、出荷時期、品種ごとに、出荷団体へ報告する。その情報を各生産者が本システムに入力するために、各生産者用端末301に表示される画面が、
図8に例示されている。この入力を出荷団体が代理で行ってもよく(各生産者は紙ベースで出荷団体へ報告する)、その場合には同様の入力画面が、出荷団体用端末201に表示される。
【0065】
図8の例において、出荷計画の予定として入力される情報は、圃場(生産者ごとに管理する圃場一覧から選択させてもよいし手入力させてもよい)、出荷時期(月単位、旬単位、週単位、日単位のいずれかが指定されると、それに応じたリストを表示し、その中から時期を選択させるようにしてもよい)、品種(品種が指定されると、花形/色を自動表示するようにしてもよい)、仕立方法、出荷量、定植方法、再電照の有無である。
【0066】
仕立方法、定植方法、再電照の有無は、入力された圃場、出荷時期、品種によって特定される品種特性から取得される標準の方法を初期値として表示し、標準と異なる方法を採る場合に選択し直させるようにしてもよい。仕立方法としては、無摘しん、摘しんのいずれかを選択させ、摘しんの場合は、仕立本数を入力させる(初期値として品種特性の本数を表示し、それと異なる本数にする場合に入力し直させるようにしてもよい)。
【0067】
出荷量は、定植苗数で表すのか、出荷本数で表すのかを選択させた上で、対応する数を入力させる。定植苗数で表す場合、上記の仕立本数に定植苗数及び品種特性の歩留り率を乗算した数が、出荷本数となる。出荷本数(歩留まり率を乗算した後の数)の代わりに、計画本数(定植苗数に仕立本数を乗算した数に相当)を選択、入力させるようにしてもよい。
【0068】
定植方法としては、直挿し、発根苗のいずれかを選択させ、再電照の有無としては、あり、なしのいずれかを選択させる。標準以外の仕立方法(本例では、無摘しん)が選択された場合、品種特性の仕立方法に設定した日数を反映し、標準以外の定植方法(本例では、直挿し)が選択された場合は、品種特性の定植方法に設定した日数を反映し、標準以外の再電照の有無(本例では、あり)が選択された場合は、品種特性の再電照に設定した日数を反映して、出荷計画日を算出する。
【0069】
図8で入力された情報と、品種特性の情報とに基づいて、出荷計画日及び出荷計画本数(一日当たり)を算出する方法の一例を、
図9に示す。このように算出される出荷計画の情報を集計することにより、全体として、どの日に、どの等級及び階級の収穫品が、何本得られるかが可視化され、
図10の例のように、出荷団体用端末201の画面に表示される。
【0070】
出荷団体は、可視化された全体の出荷計画と、販売計画とを照らし合わせ、出荷計画の調整が必要な場合は、出荷団体と生産者とで協議を行う。
図10の例では、表示する出荷計画を特定するための検索条件として、種類/色/花形/品種(「参照」ボタンを押下すると品種選択画面が起動され、品種の指定が可能)と、出荷時期(開始日と終了日を、それぞれカレンダー機能から指定)と、等級(秀、優、良、外を、「と等しい」、「より上級」、「より下級」を用いて指定)と、階級(3L以上、2L、L、M、S、SS以下を、「と等しい」、「より大きい」、「より小さい」を用いて指定)を使うことができる。
【0071】
検索条件には、生産者(「参照」ボタンを押下すると生産者選択画面が起動され、生産者の指定が可能)も含まれ、個々の生産者についての出荷計画を検索して表示することもできるし、複数の生産者について集計された出荷計画を表示することもできる。複数の生産者の指定方法として、例えば、連合会の利用者は単協の指定を可能とし、グループ構成ありの生産組織の利用者は、グループの指定を可能としてもよい。
【0072】
出荷計画は、
図10の画面下段に示すように、日単位の棒グラフで表示することができるが、集計単位として日単位でなく週単位が選択される場合には、週ごとに集約した出荷計画を表示することも可能である。
【0073】
図10の画面下段は、「グラフ表示」ボタンを押下した結果として表示されるものであるが、代わりに「一覧表示」を押下すると、
図11に示すように、画面下段に各生産者/圃場ごとの出荷計画(上述した検索条件に合致するもの)の一覧が表示される。
【0074】
図11の例では、一覧として、品種(色と花形も表示する)、出荷時期(上段に入力された出荷時期、下段に入力された出荷時期を日付展開した期間を表示する)、出荷計画本数、生産者/圃場が表示されている。
【0075】
出荷団体において、販売計画と比較しながら、
図10及び
図11に表示される出荷計画を見直し、変更した各生産者の出荷計画が各生産者と出荷団体との間で合意されると、出荷団体用端末201の画面(図示せず)で「確定」ボタンが押下されることにより、当該出荷計画を対象年作の目標値として確定する。
【0076】
ここで、
図12に例示するように、確定した各生産者の出荷計画から、品種特性に基づいて時期を遡ると、各生産者の生産計画を作成することができる。この生産計画は、出荷団体用端末201において一覧から選択することにより、
図13左側に例示する画面のように出力することもできるし、その生産計画に沿って栽培を行う生産者の端末301に、
図13右側に例示する画面のように出力することもできる。
【0077】
図13の例では、生産計画単位に計画内容と収穫予定が表示されており、計画内容として、出荷計画の収穫日から逆算した定植日(時期)と定植苗数、出荷計画の収穫日から逆算した消灯日(時期)と定植苗数、出荷計画の収穫日(時期)と収穫本数が出力されている。収穫予定は、品種特性に従って、収穫される日付、等級、階級に振り分けて出力されている。
【0078】
各生産者は、実際の栽培を開始すると、栽培状況を出荷団体に報告し、出荷団体が全体としての出荷予測を把握する(各生産者が全体の出荷予測を共有してもよい)。品種特性を用いた出荷予測(初期値は、最終確定した時点の出荷計画)を、実際の栽培状況に合わせて時々刻々と修正していくため、出荷予測の精度を高められる。さらに、修正された出荷予測が販売計画と乖離する場合には、後から栽培を開始する生産者の出荷計画を調整したり、栽培中の生産者の生産計画を変更したり(消灯日を前後させたり再電照の有無を変えたり)することにより、出荷予測の元となる出荷計画を変化させて、販売計画に近づけることも可能である。
【0079】
各生産者から出荷団体への栽培状況の報告は、
図14〜17に例示するように、各生産者用端末301を用いて行ってもよいし、紙ベースあるいはその他の伝達手段で行って出荷団体が端末201により代理入力してもよい。
【0080】
各生産者の実際の栽培においては、まず、生産計画に沿って、苗の定植を行う。この時、電照を点灯する。そして、
図14(a)に例示する画面(定植入力)を介して、定植した日付と苗数を入力する。入力にあたっては、対象となる出荷計画(圃場、出荷時期、品種によって特定される)を指定し、定植日ごとに一つの明細とする。
【0081】
図14(a)の例では、入力項目として、品種(計画時の品種を初期表示し、品種が変更されると、花形/色を自動表示する)、仕立方法、定植方法、再電照の有無、定植日、定植苗数が設けられている。
【0082】
仕立方法、定植方法、再電照の有無としては、計画時の値を初期値として表示し、実際の栽培においてそれと異なる方法を採った場合に、入力し直させるようにする。実際の栽培における方法が、標準以外の方法であった場合は、品種特性の各方法に設定した日数を反映して、出荷予測日算出の際に加算する。
【0083】
定植日は、当日の日付を初期値として表示し、カレンダー機能で変更できるようにして、入力させる。定植苗数は、計画時の苗数を初期値として表示し、それと異なる苗数とした場合には、改めて入力させる。
【0084】
図14(b)に例示する画面(計画外定植入力)は、生産者が、生産計画にない定植を行った場合に、その内容を出荷団体に報告するために用いられる。ここでの入力項目は、
図14(a)における入力項目と同一であるが、出荷計画が存在しないため、圃場、出荷時期、品種を、ここで初めて入力することになる。また、初期値として表示されるのは、計画時の値ではなく、品種特性から取得される値となる。
【0085】
各生産者の実際の栽培において、仕立方法として摘しんを採る場合、整枝が行われる。この時、
図15(a)に例示する画面(整枝入力)を介して、整枝した日付と仕立本数を入力する。入力にあたっては、対象となる出荷計画(圃場、出荷時期、品種によって特定される)を指定し、定植日ごとに一つの明細とする。
【0086】
図15(a)の例では、入力項目として、整枝日、仕立本数が設けられている。整枝日は、当日の日付を初期値として表示し、カレンダー機能で変更できるようにして、入力させる。仕立本数は、計画時の本数を初期値として表示し、それと異なる本数とした場合には、改めて入力させる。
【0087】
各生産者の実際の栽培においては、その後、電照設備の消灯が行われる。この時、
図15(b)に例示する画面(消灯入力)を介して、消灯した日付を入力する。入力にあたっては、対象となる出荷計画(圃場、出荷時期、品種によって特定される)を指定し、消灯日ごとに一つの明細とする(同一の定植日のものに対して複数日に分けて消灯する場合、複数の明細となる)。
【0088】
図15(b)の例では、入力項目として、消灯日、消灯割合が設けられている。消灯日は、当日の日付を初期値として表示し、カレンダー機能で変更できるようにして、入力させる。消灯割合は、残りの割合を初期値として表示し、定植苗数のうちその日に消灯した割合を、改めて入力させる。つまり、最初に100%と表示され、実際にその日に消灯したのが半分であった場合、50%と入力する。そして、次の消灯日に残りの半分に対して消灯した場合、行追加により明細を追加して日付を入力し、残りの割合50%という初期表示を25%に変更して入力する。さらにその後、残りの全てに対して消灯すると、行追加により明細を追加して消灯日を入力し、残りの割合25%という初期表示のまま入力する。合計が100%を超える入力は不可とする。
【0089】
消灯後は、蕾がつく発蕾と、花の膜が割かれる膜割を観察し、それぞれ
図16(a)に例示する画面(発蕾入力)及び
図16(b)に例示する画面(膜割入力)を介して、それらが実際に確認された日付を入力する。
【0090】
図16(a)の例では、入力項目として、発蕾日が設けられている。入力にあたっては、対象となる出荷計画(圃場、出荷時期、品種によって特定される)を指定し、消灯日ごとに一つの明細とする(同一の定植日のものに対して複数日に分けて消灯する場合、消灯日の数だけ発蕾日の入力欄が表示される)。発蕾日は、当日の日付を初期値として表示し、カレンダー機能で変更できるようにして、入力させる。
【0091】
図16(b)の例では、入力項目として、膜割日が設けられている。入力にあたっては、対象となる出荷計画(圃場、出荷時期、品種によって特定される)を指定し、消灯日ごとに一つの明細とする(同一の定植日のものに対して複数日に分けて消灯する場合、消灯日の数だけ膜割日の入力欄が表示される)。膜割日は、当日の日付を初期値として表示し、カレンダー機能で変更できるようにして、入力させる。
【0092】
その後、各生産者の実際の栽培において、開花が確認されると、切り花として収穫し、出荷するとともに、
図17(a)に例示する画面(収穫入力)を介して、収穫開始日を入力し、
図17(b)に例示する画面(収穫入力)を介して、収穫完了日を入力する。
【0093】
入力にあたっては、対象となる出荷計画(圃場、出荷時期、品種によって特定される)を指定し、消灯日ごとに一つの明細とする(同一の定植日のものに対して複数日に分けて消灯する場合、消灯日の数だけ収穫開始日及び収穫完了日の入力欄が表示される)。収穫開始日及び収穫完了日は、当日の日付を初期値として表示し、カレンダー機能で変更できるようにして、入力させる。
【0094】
図17(a)(b)の例では、入力項目として、収穫開始日及び収穫完了日に加え、歩留り率の入力欄が表示されており、完了日入力時に収量の歩留り率を入力させるようにする。歩留り率は、「収穫完了」ボタンから遷移した際に、初期値を100%として表示し、それより収量が少ない場合に、改めて入力させる。本例では、出荷計画単位で、歩留り率を管理している。
【0095】
なお、図示しない画面を介して、等級及び階級別に収量を入力させるようにしてもよい。これにより、
図22に例示するように、詳細な出荷実績を含む栽培履歴を用いて、後述する品種特性の改善を行えるようになる。
【0096】
図14〜17で入力された情報と、品種特性の情報とに基づいて、見込収穫日及びその日の見込収穫本数を算出(未来の日ごとの出荷量を予測)する方法の一例を、
図18に示す。このように算出される出荷予測の情報を集計することにより、全体として、どの日に、どの等級及び階級の収穫品が、何本出荷される予定であるかが確実性を持って可視化され、
図19の例のように、出荷団体用端末201の画面に表示される。これにより、出荷団体は、高額取引可能な出荷先と相対取引を行うようなことが可能になる。
【0097】
図19の例では、表示する出荷予測を特定するための検索条件として、種類/色/花形/品種(「参照」ボタンを押下すると品種選択画面が起動され、品種の指定が可能)と、出荷時期(開始日と終了日を、それぞれカレンダー機能から指定)と、等級(秀、優、良、外を、「と等しい」、「より上級」、「より下級」を用いて指定)と、階級(3L以上、2L、L、M、S、SS以下を、「と等しい」、「より大きい」、「より小さい」を用いて指定)を使うことができる。
【0098】
検索条件には、生産者(「参照」ボタンを押下すると生産者選択画面が起動され、生産者の指定が可能)も含まれ、個々の生産者についての出荷予測を検索して表示することもできるし、複数の生産者について集計された出荷予測を表示することもできる。複数の生産者の指定方法として、例えば、連合会の利用者は単協の指定を可能とし、グループ構成ありの生産組織の利用者は、グループの指定を可能としてもよい。
【0099】
図19の出荷予測の検索においては、さらに、始点/終点として、定植日、消灯日、発蕾日、膜割日、収穫開始日の中からいずれかを選択可能とすることにより、指定した工程から工程までに限定して、予測結果を表示することもできる。また、計画外定植を含む全体を対象とした出荷予測を表示するか、計画外定植を除いた分を対象として出荷予測を表示するかを選択できるようにしている。
【0100】
出荷予測は、実際の生育状況に応じて更新され、
図19の画面下段に示すように、日単位の棒グラフで表示することができるが、集計単位として日単位でなく週単位が選択される場合には、週ごとに集約した出荷予測を表示することも可能である。
【0101】
なお、
図19の例では、出荷予測を日ごとに集計してグラフ表示するにあたり、収穫開始報告まであったもの(収穫開始に基づく出荷予測が対象の日付に該当する数量の集計)、膜割確認報告まであったもの(膜割後の工程について報告はないが出荷予測が対象の日付に該当する数量の集計)、発蕾確認報告まであったもの(発蕾後の工程について報告はないが出荷予測が対象の日付に該当する数量の集計)、消灯実施報告があったもの(消灯後の工程について報告はないが出荷予測が対象の日付に該当する数量の集計)、定植実施報告のみのもの(定植後の工程について報告はないが出荷予測が対象の日付に該当する数量の集計)を、それぞれ区別して表示している。この順番で、収穫品の出荷までに存在する不確定な要素が減るため、予測精度が高くなることが期待されるから、区別して表示することにより、未来の出荷量の確度をより詳細に予想することも可能である。
【0102】
図19の例では、上述した棒グラフに加えて、出荷団体が当初入力した販売計画における数量と、最終確定した時点の出荷計画における数量を、それぞれ折れ線グラフで表示しているから、実際の栽培状況に基づく出荷予測が当初の計画と乖離してきた場合に、即座に気付くことが可能である。
【0103】
また、
図19の例では、出荷計画として「現在」が選択されると、直近に更新された出荷予測を表示し、「出荷計画確定時点」(図示せず)が選択されると、
図10相当の出荷計画(最終確定した時点の出荷計画を示す折れ線グラフと一致するもの)を表示するようになっており、この切り替えによっても、実際の栽培状況に基づく出荷予測と当初の計画とを比較することが可能である。
【0104】
図19の画面下段は、「グラフ表示」ボタンを押下した結果として表示されるものであるが、代わりに「一覧表示」を押下すると、
図20に示すように、画面下段に各生産者/圃場ごとの出荷予測(上述した検索条件に合致するもの)の一覧が表示される。
【0105】
図20の例では、一覧として、品種(色と花形も表示する)、見込収穫日(現状の生育状況から想定される収穫日)、見込収穫本数(現状の生育状況から想定される収穫本数)、生産者/圃場が表示されている。また、比較の対象として、出荷計画日及び出荷計画本数も表示されている。
【0106】
図20の一覧において選択された出荷予測(及びそれに対応する出荷計画)の詳細は、出荷団体用端末201において、
図21に例示する画面のように表示することができる。
図21の内容は、生産者用端末301において、
図13右側に例示した画面と同様に表示することも可能である。
【0107】
図21の例では、出荷計画単位に計画内容と生育状況と収穫予定が表示されており、計画内容としては、
図13の出荷計画と同じものが出力されている。
【0108】
図21の生育状況としては、予定の欄と実績の欄とが設けられており、予定の欄には、出荷計画の収穫日から逆算した定植計画日(時期)と定植計画苗数、入力された定植日から品種特性を使って算出した整枝日と仕立本数、入力された整枝日(まだ入力されていない場合には定植日)から品種特性を使って算出した消灯日、入力された消灯日(まだ入力されていない場合には定植日)から品種特性を使って算出した発蕾日、入力された発蕾日(まだ入力されていない場合には消灯日、それもまだ入力されていない場合には定植日)から品種特性を使って算出した膜割日、入力された膜割日(まだ入力されていない場合には消灯日、それもまだ入力されていない場合には定植日)から品種特性を使って算出した収穫日(開始〜完了)が表示される。
【0109】
実績の欄には、
図14(a)又は(b)で入力された定植日及び定植苗数(
図14(b)の場合には
図21における出荷計画と定植予定が空欄となる)、
図15(a)で入力された整枝日及び仕立本数、
図15(b)で入力された消灯日、
図16(a)で入力された発蕾日、
図16(b)入力された膜割日、
図17(a)及び(b)でそれぞれ入力された収穫開始日及び収穫完了日と歩留り率が表示される。
【0110】
図21の収穫予定としては、入力された最新の実績情報に基づいて算出された見込収穫日及び見込収穫本数が、品種特性に従って、収穫される日付、等級、階級に振り分けて表示される。
【0111】
図21の例においては、栽培がまだ途中であり、実績として消灯日までしか入力されていないが、最後まで栽培が行われ、収穫が完了すると、
図22に例示するように、実績として全ての情報が入力され、収穫予定の代わりに収穫実績(出荷実績)が表示されるようになる。
【0112】
栽培実績として、上記の例では、生産計画に沿ったイベントを報告しているが、気象や電照トラブル等の障害が原因で収穫品に品質劣化が発生した場合に、当該事故内容を報告するようにしてもよい。その場合の入力項目としては、例えば、事故日、事故割合(事故割合以外の分は、通常出荷が可能であるから、出荷予測の中に含められる)、事故理由(選択式としてもよい)、事故品出荷可否(事故を受けた分も二級品として出荷できるなら可を選択する)、備考(病害と虫害等の複数の事故が一つの出荷計画に対して発生した場合に記載する)を設ける。
【0113】
最後に、本システムにおける品種特性の管理と、栽培実績を用いた品種特性の改善について説明する。品種特性は、既述のように、生産組織内で品種ごとの生育特性を把握するため、段階ごとに生育に要する日数や仕立本数を取り決めたものであり、より現実に沿ったものとなるように、年々改善されていくことが望ましい。
【0114】
本システムでは、より適切な品種特性を把握するために、品種と出荷時期と地域ごとに、データベースに登録されている品種特性と、今年作の実績(生産組織内で様々な要素ごとに集計したもの)を、簡易に比較できるようにする。この比較は、定植の実績日を基準として行うだけでなく、消灯の実績日を基準として行ってもよい。
【0115】
本システムは、生産組織内で行われた比較検討の結果を反映して、データベースに登録される品種特性の追加、変更、削除を行うことが可能である。その際、今まで一つのものとして登録されていた品種特性を、出荷時期又は地域を細分化することにより複数に分けて登録可能にしてもよいし、今まで複数に分けて登録された品種特性を、まとめて一つのものとして登録可能にしてもよい。
【0116】
図23は、既存の品種特性に対する各生産者の栽培実績のズレを可視化するための画面を例示する。
図23の例においては、
図19の例と同様の検索条件を指定可能とし(但し、一つの収穫期間中の等級及び階級のばらつきについては、別途比較画面を表示することになるため、等級と階級は指定可能としない)、検索条件に合致する出荷計画及び消灯日ごとの生育実績(同一の定植日のものに対して複数日に分けて消灯する場合は、それぞれ別の生育実績とする)を棒グラフで表示している。
【0117】
図23の例における出力項目は、定植、消灯、収穫開始の各日付と、生産者/圃場と、仕立本数と、栽培実績と、生産計画(すなわちデータベースに登録されている品種特性)である。栽培実績としては、定植から整枝までの延べ日数、整枝から消灯までの延べ日数、消灯から発蕾までの延べ日数、発蕾から膜割までの延べ日数、膜割から収穫開始までの延べ日数、収穫開始から収穫完了までの延べ日数を、それぞれ棒グラフで連続させて表示し、生産計画としては、品種特性の整枝延べ日数、品種特性の消灯延べ日数、品種特性の発蕾延べ日数、品種特性の膜割延べ日数、品種特性の収穫開始延べ日数、収穫完了延べ日数を、それぞれ線グラフで表示している。
【0118】
図23の画面下段は、「グラフ表示」ボタンを押下した結果として表示されるものであるが、代わりに「一覧表示」を押下すると、
図24に例示するような情報が表示される(但し、
図24は、画面表示の代わりに印刷を指示した場合に提示される情報の例を示している)。
【0119】
図24の例では、品種と期間ごとに、仕立本数と、各工程間の延べ日数(定植から整枝までの経過日数、定植から消灯までの経過日数、消灯から発蕾までの経過日数、消灯から膜割までの経過日数、消灯から収穫開始までの経過日数、消灯から収穫完了までの経過日数)とが、品種特性を上段に、実績(平均値)を中段に、両者の差異を下段にして、提示されている。
【0120】
図24の一覧において選択された栽培実績の詳細は、
図25に例示されるように提示される。
図25の例では、生産者/圃場と定植日/消灯日/収穫期間ごとに、仕立本数と、各工程間の延べ日数(定植から整枝までの経過日数、定植から消灯までの経過日数、消灯から発蕾までの経過日数、消灯から膜割までの経過日数、消灯から収穫開始までの経過日数、消灯から収穫完了までの経過日数)とが、品種特性を上段に、実績(平均値)を中段に、両者の差異を下段にして、提示されている。
【0121】
図23〜25を参照して検討した結果、品種特性を改善する場合には、
図26に例示するような画面において、種類/色/花形/品種(「参照」ボタンを押下すると品種選択画面が起動され、品種の指定が可能)と、出荷時期(品種特性の期間を月日で指定すると、当該月日の範囲に1日でも合致する品種特性情報が抽出され、「標準を含む」をチェックすると、標準の品種特性情報を含めて抽出される)とを、検索条件として指定して、品種特性データベースから品種特性を読み出す。
【0122】
読みだされた品種特性の一覧が、
図26の画面下段のように表示されたら、変更したい品種特性を選択し、「編集」ボタンを押下すると、該当する品種特性情報の入力画面(
図6の各欄に登録情報が記入されている画面)が編集モードで起動される。一覧にない品種特性を追加したい場合は、画面上段の「新規入力」ボタンを押下すると、新たな品種特性情報の入力画面(
図6の画面)が起動される。
【0123】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述の実施形態を当業者が種々に変形、改良、応用等して実施できることは勿論であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。