(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定エリアを撮像する撮像装置が撮像した画像に含まれるオブジェクトを特定し、前記画像における位置であるローカル位置に対応する当該オブジェクトの位置と、当該オブジェクトに対応する矩形領域の位置及び大きさとを特定する矩形領域特定部と、
複数のローカル位置のそれぞれに、前記矩形領域の位置及び大きさを示す矩形領域情報を関連付けた関連情報に含まれる前記複数のローカル位置から、前記矩形領域特定部が特定した前記オブジェクトの位置から相対的に近い一以上のローカル位置を選択する第1選択部と、
前記矩形領域特定部が特定した前記矩形領域の位置及び大きさと、前記第1選択部が選択した一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の前記矩形領域情報が示す矩形領域の位置及び大きさとに基づいて、当該一以上の前記矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択する第2選択部と、
を備える領域選択装置。
前記関連情報において、前記複数のローカル位置のそれぞれに、前記矩形領域に対応するオブジェクトの前記所定エリアにおける位置であるグローバル位置がさらに関連付けられており、
前記関連情報において前記第2選択部が選択した前記一の矩形領域情報に関連付けられている前記グローバル位置を、前記オブジェクトのグローバル位置として特定する位置特定部をさらに備える、
請求項1に記載の領域選択装置。
前記第2選択部は、前記矩形領域特定部が特定した前記矩形領域と、前記第1選択部が選択した一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の矩形領域情報が示す矩形領域のそれぞれとの重複率を算出し、重複率が相対的に高い矩形領域に対応する一の前記矩形領域情報を選択する、
請求項1に記載の領域選択装置。
前記第2選択部は、前記第1選択部が選択したローカル位置と、前記矩形領域特定部が特定した前記オブジェクトの位置が所定距離以上である場合、一の前記矩形領域情報を選択しないように制御する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の領域選択装置。
前記第1選択部は、前記矩形領域特定部が特定した前記オブジェクトの位置から所定距離以内のローカル位置が前記関連情報に含まれていない場合、前記ローカル位置を選択しないように制御する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の領域選択装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特定したオブジェクトの領域と、記憶部に記憶されているオブジェクトとをマッチングする場合、特定したオブジェクトの領域と、記憶部に記憶されているオブジェクトとの重複率(IOU:Intersection over Union)に基づいてマッチングすることが行われる。しかしながら、重複率に基づいてマッチングする場合、特定したオブジェクトの領域と、記憶部に記憶されている全てのオブジェクトとの重複率を算出する必要があり、マッチングに時間を要するという問題がある。
【0005】
これに対し、特許文献1には、インデキシングしたオブジェクトの中心座標及び面積と、オブジェクトの所定エリアにおける位置とを関連付けて記憶させておき、特定したオブジェクトの中心座標及び面積と、記憶されているオブジェクトの中心座標及び面積とのマッチングを高速に行うことが開示されている。
【0006】
しかしながら、中心座標と面積とを一つのベクトルと定義した3次元空間でインデキシングを行った場合、重複率を用いてマッチングを行う場合に比べて精度が劣るという問題がある。
【0007】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、特定したオブジェクトに対応するオブジェクトのマッチングを高速かつ高精度に実現することができる領域選択装置、領域選択方法、及び領域選択プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る領域選択装置は、所定エリアを撮像する撮像装置が撮像した画像に含まれるオブジェクトを特定し、前記画像における位置であるローカル位置に対応する当該オブジェクトの位置と、当該オブジェクトに対応する矩形領域の位置及び大きさとを特定する矩形領域特定部と、複数のローカル位置のそれぞれに、前記矩形領域の位置及び大きさを示す矩形領域情報を関連付けた関連情報に含まれる前記複数のローカル位置から、前記矩形領域特定部が特定した前記オブジェクトの位置から相対的に近い一以上のローカル位置を選択する第1選択部と、前記矩形領域特定部が特定した前記矩形領域の位置及び大きさと、前記第1選択部が選択した一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の前記矩形領域情報が示す矩形領域の位置及び大きさとに基づいて、当該一以上の前記矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択する第2選択部と、を備える。
【0009】
前記関連情報において、前記複数のローカル位置のそれぞれに、前記矩形領域に対応するオブジェクトの前記所定エリアにおける位置であるグローバル位置がさらに関連付けられており、前記領域選択装置は、前記関連情報において前記第2選択部が選択した前記一の矩形領域情報に関連付けられている前記グローバル位置を、前記オブジェクトのグローバル位置として特定する位置特定部をさらに備えてもよい。
【0010】
前記第2選択部は、前記矩形領域特定部が特定した前記矩形領域と、前記第1選択部が選択した一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の矩形領域情報が示す矩形領域のそれぞれとの重複率を算出し、重複率が相対的に高い矩形領域に対応する一の前記矩形領域情報を選択してもよい。
【0011】
前記第2選択部は、算出した前記重複率のうち、最も高い重複率が所定の閾値未満である場合、一の前記矩形領域情報を選択しないように制御してもよい。
【0012】
前記第2選択部は、前記第1選択部が選択したローカル位置と、前記矩形領域特定部が特定した前記オブジェクトの位置が所定距離以上である場合、一の前記矩形領域情報を選択しないように制御してもよい。
【0013】
前記第1選択部は、前記矩形領域特定部が特定した前記オブジェクトの位置から所定距離以内のローカル位置が前記関連情報に含まれていない場合、前記ローカル位置を選択しないように制御してもよい。
【0014】
前記関連情報は、オブジェクトが取り得る複数の形状のそれぞれに対応して設けられており、前記第1選択部は、前記複数の形状のそれぞれに対応する複数の前記関連情報を参照し、前記矩形領域特定部が特定した前記オブジェクトの位置に対応する複数のローカル位置を選択してもよい。
【0015】
前記第1選択部は、複数の前記関連情報を参照し、前記複数の形状のそれぞれに対応する前記ローカル位置を複数選択し、前記第2選択部は、前記第1選択部が複数の形状のそれぞれに対して選択した複数のローカル位置に関連付けられている前記矩形領域情報が示す前記矩形領域の位置及び大きさと、前記矩形領域特定部が特定した前記矩形領域の位置及び大きさとに基づいて、複数の形状のそれぞれに対して選択した複数の前記矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択してもよい。
前記関連情報において、前記複数のローカル位置がインデックス化されていてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係る領域選択方法は、コンピュータが実行する、所定エリアを撮像する撮像装置が撮像した画像に含まれるオブジェクトを特定し、前記画像における位置であるローカル位置に対応する当該オブジェクトの位置と、当該オブジェクトに対応する矩形領域の位置及び大きさとを特定するステップと、複数のローカル位置のそれぞれに、前記矩形領域の位置及び大きさを示す矩形領域情報を関連付けた関連情報に含まれる前記複数のローカル位置から、特定された前記オブジェクトの位置から相対的に近い一以上のローカル位置を選択するステップと、特定された前記矩形領域の位置及び大きさと、選択された一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の前記矩形領域情報が示す矩形領域の位置及び大きさとに基づいて、当該一以上の前記矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択するステップと、を備える。
【0017】
本発明の第3の態様に係る領域選択プログラムは、コンピュータを、所定エリアを撮像する撮像装置が撮像した画像に含まれるオブジェクトを特定し、前記画像における位置であるローカル位置に対応する当該オブジェクトの位置と、当該オブジェクトに対応する矩形領域の位置及び大きさとを特定する矩形領域特定部、複数のローカル位置のそれぞれに、前記矩形領域の位置及び大きさを示す矩形領域情報を関連付けた関連情報に含まれる前記複数のローカル位置から、前記矩形領域特定部が特定した前記オブジェクトの位置から相対的に近い一以上のローカル位置を選択する第1選択部、及び、前記矩形領域特定部が特定した前記矩形領域の位置及び大きさと、前記第1選択部が選択した一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の前記矩形領域情報が示す矩形領域の位置及び大きさとに基づいて、当該一以上の前記矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択する第2選択部、として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、特定したオブジェクトに対応するオブジェクトのマッチングを高速かつ高精度に実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
[領域選択装置2の概要]
図1は、第1実施形態に係る領域選択装置2の概要を示す図である。領域選択装置2は、撮像装置1が撮像した画像に含まれるオブジェクトに対応する矩形領域を特定する装置である。オブジェクトは、例えば、店舗等の所定エリアにおいて、移動の軌跡を追跡する対象である店員等の人物である。
【0021】
撮像装置1は、所定エリアを撮像する撮像装置である。ここで、所定エリアは、例えば店舗のフロアである。所定エリアには、移動の軌跡を追跡する対象のオブジェクトとして、店員等の人物が存在する。撮像装置1は、所定エリアの全方位画像を撮像する。なお、本実施形態において、撮像装置1は、全方位画像を撮像するものとしたが、これに限らず、全方位画像ではない画像を撮像してもよい。
【0022】
領域選択装置2は、撮像装置1が撮像した全方位画像を取得する(
図1の(1))。領域選択装置2は、取得した全方位画像を解析することにより、全方位画像に含まれるオブジェクトを示す矩形領域を特定するとともに、全方位画像上のオブジェクトの位置を特定する(
図1の(2))。この際、領域選択装置2は、オブジェクト検出用に学習済みの機械学習器や深層学習器を用いることができる。
【0023】
領域選択装置2には、所定エリアの位置であるグローバル位置にオブジェクトが配置された場合に撮像装置1が撮像する全方位画像に含まれる当該オブジェクトに対応する矩形領域を示す矩形領域情報と、当該オブジェクトの全方位画像上の位置であるローカル位置とを関連付けた関連情報としてのオブジェクト投影情報が記憶されている。領域選択装置2は、オブジェクト投影情報を参照し、特定したオブジェクトの位置に近いローカル位置を一以上選択する(
図1の(3))。
【0024】
領域選択装置2は、特定したオブジェクトの矩形領域と、選択された一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている矩形領域との重複率を算出し(
図1の(4))、重複率が最も高い矩形領域を示す矩形領域情報を特定する(
図1の(5))。
【0025】
このようにすることで、領域選択装置2は、全方位画像から特定したオブジェクトを示す矩形領域と、オブジェクト投影情報に記憶されている全ての矩形領域との重複率を算出することなく、一の矩形領域情報を特定するので、全ての矩形領域との重複率を算出する場合に比べて高速かつ高精度にオブジェクトを示す矩形領域のマッチングを行うことができる。
続いて、領域選択装置2の構成について説明する。
【0026】
[領域選択装置2の構成]
図2は、第1実施形態に係る領域選択装置2の構成を示す図である。
図2に示すように、領域選択装置2は、記憶部21と、制御部22とを備える。
【0027】
記憶部21は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部21は、制御部22が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部21は、領域選択装置2を、画像取得部221、矩形領域特定部222、第1選択部223、及び第2選択部224として機能させる領域選択プログラムを記憶している。
【0028】
また、記憶部21には、予め、複数のローカル位置のそれぞれに、矩形領域の位置及び大きさを示す矩形領域情報を関連付けたオブジェクト投影情報が記憶されているものとする。
【0029】
図3は、第1実施形態に係るオブジェクト投影情報の一例を示す図である。
図3に示すように、オブジェクト投影情報は、オブジェクトが取り得る複数の形状のそれぞれに対応して設けられている。オブジェクトは、人物であることから、オブジェクトの形状は、例えば、直立しているときの人物の形状、椅子に座っているときの人物の形状、大人を示す人物の形状、子供を示す人物の形状である。なお、オブジェクト投影情報は、複数の形状のそれぞれに対して別個に設けられていてもよいし、複数の形状のそれぞれに対応して一つのみ設けられていてもよい。
【0030】
また、オブジェクト投影情報において、複数のローカル位置は、例えばkd木(k-dimensional tree)によりインデックス化されている。ローカル位置がインデックス化されていることにより、ローカル位置の検索を高速に実現することができる。
【0031】
制御部22は、例えばCPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)である。制御部22は、記憶部21に記憶された領域選択プログラムを実行することにより、画像取得部221、矩形領域特定部222、第1選択部223、及び第2選択部224として機能する。
【0032】
画像取得部221は、撮像装置1が撮像した全方位画像を取得する。全方位画像には、撮像時刻を示す情報が含まれている。
【0033】
矩形領域特定部222は、所定エリアを撮像する撮像装置1が撮像した全方位画像を解析することにより、全方位画像におけるオブジェクトに対応する矩形領域の位置及び大きさを特定する。例えば、矩形領域特定部222は、全方位画像における矩形領域の位置として、当該矩形領域の一つの頂点を示す2次元座標(x,y)を特定するとともに、矩形領域の大きさとして、当該頂点と隣接する2つの頂点との距離w、hを特定することにより、矩形領域の位置及び大きさを示す矩形領域情報(x,y,w,h)を特定する。ここで、全方位画像上の所定軸に対する矩形領域の傾きθは0であるものとする。傾きθが0の矩形領域を、直立矩形領域という。なお、矩形領域特定部222は、機械学習器や深層学習器を用いてオブジェクトの矩形領域を特定してもよい。一般に、機械学習器や深層学習器を用いてオブジェクトの矩形領域を特定する場合は、直立矩形領域として特定する場合が多い。
【0034】
また、矩形領域特定部222は、特定したオブジェクトに対応する矩形領域の位置及び大きさに基づいて、全方位画像におけるオブジェクトの位置を特定する。例えば、矩形領域特定部222は、矩形領域の中心点を、全方位画像におけるオブジェクトの位置として特定する。なお、ここで特定するオブジェクトの位置は、矩形領域情報に含まれる2次元座標(x,y)と同一である必要はない。
【0035】
第1選択部223は、記憶部21に記憶されているオブジェクト投影情報に含まれる複数のローカル位置から、矩形領域特定部222が特定したオブジェクトの位置から相対的に近い一以上のローカル位置を選択する。
【0036】
具体的には、第1選択部223は、オブジェクトが取り得る複数の形状のそれぞれに対応する複数のオブジェクト投影情報を参照し、当該複数のオブジェクト投影情報について、矩形領域特定部222が特定したオブジェクトの位置から相対的に近いローカル位置として、当該オブジェクトの位置から所定距離以内の一以上のローカル位置を選択する。
【0037】
図4は、複数のローカル位置を選択する例を説明する図である。
図4に示す矩形領域Rは、矩形領域特定部222が、全方位画像OPから特定したオブジェクトに対応する矩形領域であり、位置Pは、矩形領域特定部222が特定したオブジェクトの位置である。
【0038】
第1選択部223は、直立状態に対応するオブジェクト投影情報を参照し、位置Pから所定距離以内の範囲APに対応するローカル位置として一以上のローカル位置を選択する。また、第1選択部223は、着席状態に対応するオブジェクト投影情報を参照し、位置Pから所定距離以内の範囲APに対応するローカル位置として、一以上のローカル位置を選択する。オブジェクト投影情報に含まれる複数のローカル位置はインデックス化されていることから、第1選択部223は、一以上のローカル位置を高速に選択することができる。
【0039】
なお、第1選択部223は、矩形領域特定部222が特定したオブジェクトの位置から所定距離以内のローカル位置がオブジェクト投影情報に含まれていない場合、オブジェクト投影情報からローカル位置を選択しないようにしてもよい。このようにすることで、領域選択装置2は、オブジェクトに対応する矩形領域情報が存在しないにもかかわらず矩形領域情報を選択してしまう過検出を抑制することができる。
【0040】
第2選択部224は、矩形領域特定部222が特定した矩形領域の位置及び大きさと、第1選択部223が選択した一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の矩形領域情報が示す矩形領域の位置及び大きさとに基づいて、当該一以上の矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択する。
【0041】
具体的には、第2選択部224は、矩形領域特定部222が特定した矩形領域情報が示す矩形領域と、第1選択部223が選択した一以上のローカル位置に関連付けられている一以上の矩形領域情報が示す矩形領域のそれぞれとの重複率を算出する。そして、第2選択部224は、重複率が相対的に高い矩形領域に対応する一の矩形領域情報を選択する。
【0042】
より具体的には、第2選択部224は、第1選択部223が複数の形状のそれぞれに対して選択した複数のローカル位置に関連付けられている矩形領域情報が示す矩形領域の位置及び大きさと、矩形領域特定部222が特定した矩形領域の位置及び大きさとに基づいて算出される重複率に基づいて、複数の形状のそれぞれに対して選択した矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択する。例えば、第2選択部224は、複数の形状のそれぞれに対して選択した矩形領域情報のうち、重複率が最も高い一の矩形領域情報を選択する。
【0043】
第1選択部223が、全ての矩形領域情報の中から、オブジェクトの位置に相対的に近いローカル位置を選択した場合、特定の形状に対応するローカル位置のみ選択され、実際のオブジェクトの形状に対応するローカル位置が選択できない場合がある。これに対し、領域選択装置2は、第1選択部223が複数の形状のそれぞれに対して選択された複数のローカル位置に関連付けられている矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択するので、実際のオブジェクトの形状に対応する矩形領域情報を精度良く選択することができる。
【0044】
なお、第2選択部224は、算出した複数の重複率のうち、最も高い重複率が所定の閾値未満である場合、一の矩形領域情報を選択しないように制御してもよい。また、第2選択部224は、第1選択部223が選択したローカル位置と、矩形領域特定部222が特定したオブジェクトの位置が所定距離以上である場合、一の矩形領域情報を選択しないようにしてもよい。このようにすることで、領域選択装置2は、過検出を抑制することができる。
【0045】
[領域選択装置2における処理の流れ]
続いて、領域選択装置2における処理の流れについて説明する。
図5は、第1実施形態に係る領域選択装置2における処理の流れを示すフローチャートである。
【0046】
まず、画像取得部221は、撮像装置1から全方位画像を取得する(S11)。
続いて、矩形領域特定部222は、取得した全方位画像の画像解析を行い、全方位画像に含まれるオブジェクトの矩形領域と、当該オブジェクトの位置を特定する(S12)。
【0047】
続いて、第1選択部223は、記憶部21に記憶されているオブジェクトが取り得る複数の形状のそれぞれに対応する複数のオブジェクト投影情報に含まれる複数のローカル位置から、特定したオブジェクトの位置から相対的に近い一以上のローカル位置を選択する(S13)。
【0048】
続いて、第2選択部224は、特定したオブジェクトの矩形領域と、選択された、複数の形状のそれぞれに対応する一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている矩形領域情報が示す矩形領域との重複率を算出する(S14)。
続いて、第2選択部224は、算出した重複率が最も高い矩形領域を示す矩形領域情報を選択する(S15)。
【0049】
[第1実施形態における効果]
以上説明したように、第1実施形態に係る領域選択装置2は、所定エリアを撮像する撮像装置1が撮像した画像に含まれるオブジェクトを特定し、ローカル位置に対応する当該オブジェクトの位置と、当該オブジェクトに対応する矩形領域の位置及び大きさとを特定する。領域選択装置2は、オブジェクト投影情報から、特定されたオブジェクトの位置から相対的に近い一以上のローカル位置を選択し、特定されたオブジェクトに対応する矩形領域の位置及び大きさと、オブジェクト投影情報において選択された一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の矩形領域情報が示す矩形領域の位置及び大きさとに基づいて、当該一以上の矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択する。このようにすることで、領域選択装置2は、全方位画像から特定したオブジェクトと、オブジェクト投影情報上の矩形領域情報が示すオブジェクトとのマッチングを高速かつ高精度に実現することができる。
【0050】
<第2実施形態>
[複数の撮像装置1のいずれかに対応する矩形領域情報を選択する]
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、撮像装置1に対応するオブジェクト投影情報を参照し、撮像装置1が撮像した全方位画像に含まれるオブジェクトに対応する一の矩形領域情報を選択した。しかしながら、所定エリアの広さによっては、1台の撮像装置1が、所定エリアの全てを撮像することができず、複数の撮像装置1で所定エリアを撮像する場合がある。そこで、第2実施形態に係る領域選択装置2は、複数の撮像装置1が撮像した全方位画像から、一の矩形領域情報を選択する。
【0051】
図6は、第2実施形態に係る領域選択装置2の構成を示す図である。
図6に示すように、領域選択装置2の制御部22は、位置特定部225をさらに備える。
図7は、第2実施形態に係るオブジェクト投影情報の一例を示す図である。
図7に示すように、第2実施形態に係るオブジェクト投影情報は、複数の撮像装置1のそれぞれを識別する装置IDと、ローカル位置と、矩形領域情報と、グローバル位置とを関連付けて記憶する。
【0052】
第2実施形態において、第1選択部223は、オブジェクトが取り得る複数の形状のそれぞれに対応する複数のオブジェクト投影情報を参照し、当該複数のオブジェクト投影情報について、オブジェクトの位置を特定する元となった全方位画像を撮像した撮像装置の装置IDに関連付けられている複数のローカル位置の中から、当該オブジェクトの位置に対応する複数のローカル位置を選択する。
【0053】
例えば、第1選択部223は、第1の撮像装置1から取得した全方位画像に対して特定されたオブジェクトの位置について、第1の撮像装置1を示す装置IDに関連付けられている複数のローカル位置の中から、当該オブジェクトの位置に対応する複数のローカル位置を選択する。同様に、第1選択部223は、第2の撮像装置1から取得した全方位画像に対して特定されたオブジェクトの位置について、第2の撮像装置1を示す装置IDに関連付けられている複数のローカル位置の中から、当該オブジェクトの位置に対応する複数のローカル位置を選択する。
【0054】
第1の撮像装置1及び第2の撮像装置1は、同時に所定エリアを撮像することから、第1の撮像装置1及び第2の撮像装置1の撮像範囲が重複している場合には、それぞれの撮像装置1が撮像した全方位画像にオブジェクトが映り込む場合がある。この場合、第1選択部223は、第1の撮像装置1を示す装置IDに関連付けられている複数のローカル位置を選択するとともに、第2の撮像装置1を示す装置IDに関連付けられている複数のローカル位置を選択する。
【0055】
第2選択部224は、矩形領域特定部222が特定した矩形領域の位置及び大きさと、第1選択部223が選択した一以上のローカル位置のそれぞれに関連付けられている一以上の矩形領域情報が示す矩形領域の位置及び大きさとに基づいて、当該一以上の矩形領域情報から一の矩形領域情報を選択する。第2選択部224は、第1選択部223が一の時刻に対して、第1の撮像装置1を示す装置IDに関連付けられている複数のローカル位置を選択するとともに、第2の撮像装置1を示す装置IDに関連付けられている複数のローカル位置を選択した場合、それぞれの装置IDに対して、一の矩形領域情報を選択してもよい。この場合、第2選択部224は、2つの矩形領域情報を選択する。
【0056】
位置特定部225は、記憶部21に記憶されているオブジェクト投影情報において、第2選択部224が選択した一の矩形領域情報に関連付けられているグローバル位置を、矩形領域特定部222が特定したオブジェクトのグローバル位置として特定する。また、位置特定部225は、第2選択部224が2つの矩形領域情報を選択した場合、例えば重複率の高い方の矩形領域情報に関連付けられているグローバル位置を、矩形領域特定部222が特定したオブジェクトのグローバル位置として特定する。なお、位置特定部225は、第2選択部224が2つの矩形領域情報を選択した場合、それぞれの矩形領域情報に関連付けられているグローバル位置を、矩形領域特定部222が特定したオブジェクトのグローバル位置として特定してもよい。
【0057】
位置特定部225は、特定したオブジェクトが含まれている全方位画像に含まれている撮像時刻を示す情報と、特定したグローバル位置を示す位置情報とを関連付けて、オブジェクト位置情報として、記憶部21に記憶させる。
【0058】
[第2実施形態における効果]
以上説明したように、第2実施形態に係る領域選択装置2は、特定した矩形領域情報に関連付けられているグローバル位置を、特定したオブジェクトのグローバル位置に特定する。このようにすることで、領域選択装置2は、複数の撮像装置1が撮像した全方位画像の少なくともいずれかに含まれるオブジェクトに対応するグローバル位置を高速かつ高精度に特定することができる。
【0059】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。
【0060】
また、特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。