特許第6937279号(P6937279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6937279プログラム編集装置、加工装置、加工方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937279
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】プログラム編集装置、加工装置、加工方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/4093 20060101AFI20210909BHJP
【FI】
   G05B19/4093 H
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-165791(P2018-165791)
(22)【出願日】2018年9月5日
(65)【公開番号】特開2020-38529(P2020-38529A)
(43)【公開日】2020年3月12日
【審査請求日】2021年4月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(72)【発明者】
【氏名】蔭地 謙作
【審査官】 樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−170147(JP,A)
【文献】 特開2015−179394(JP,A)
【文献】 特許第5925976(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/4093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動対象物を目標とする複数の移動位置に順次移動させるための複数の位置情報を含んだNCプログラムを編集する装置であって、
前記NCプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に格納されたNCプログラムを読み出し、読み出したNCプログラム中に含まれる識別情報を基に、該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識し、認識された各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更して該NCプログラムを編集する位置編集部とを備えていることを特徴とするプログラム編集装置。
【請求項2】
前記位置編集部は、不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値に応じて前記位置情報を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のプログラム編集装置。
【請求項3】
前記位置編集部は、乱数を生成し、生成した乱数に応じて前記位置情報を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のプログラム編集装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記位置編集部により編集されたNCプログラム、又は前記不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値、又は前記不確定な要素に基づき生成された数値若しくは所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値と関連するパラメータを記憶するように構成されていることを特徴とする請求項2記載のプログラム編集装置。
【請求項5】
前記記憶部に記憶されるパラメータは、該パラメータに基づいて加工された加工物に対し付与された個体識別情報と関連付けて記憶されることを特徴とする請求項4記載のプログラム編集装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記移動対象物のモデル情報を記憶するように構成されるとともに、
画像を表示する表示部と、
前記記憶部に格納されたNCプログラムを実行し、前記記憶部に格納されたモデル情報を基に前記移動対象物のモデルを移動させた画像を生成して、前記表示部に表示させるシミュレーション部とを更に備えていることを特徴とする請求項1乃至5記載のいずれかのプログラム編集装置。
【請求項7】
前記シミュレーション部は、前記NCプログラムの実行に加えて、少なくとも該NCプログラムによる加工時間、又は加工コストのいずれか一方を演算して前記表示部に表示するように構成されていることを特徴とする請求項6記載のプログラム編集装置。
【請求項8】
前記移動対象物を移動させる運動機構部と、
前記運動機構部を数値制御する数値制御装置とを備えた加工装置であって、
前記請求項1乃至7記載のいずれかのプログラム編集装置を備えていることを特徴とする加工装置。
【請求項9】
移動対象物を移動させる運動機構部と、
前記運動機構部を数値制御する数値制御装置とを備えた加工装置であって、
前記数値制御装置は、
前記移動対象物を目標とする複数の移動位置に順次移動させるための複数の位置情報を含んだNCプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に格納されたNCプログラムに従い前記運動機構部を数値制御して、前記移動対象物を目標とする移動位置に順次移動させるプログラム実行部とを備え、
前記プログラム実行部は、実行するNCプログラム中に含まれる識別情報を基に、該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識し、認識した各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更し、変更した位置に前記移動対象物を移動させるように構成されていることを特徴とする加工装置。
【請求項10】
前記プログラム実行部は、不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値に応じて、前記位置情報を変更するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の加工装置。
【請求項11】
前記プログラム実行部は、乱数を生成し、生成した乱数に応じて前記位置情報を変更するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の加工装置。
【請求項12】
移動対象物を目標とする複数の移動位置に順次移動させるための複数の位置情報を含んだNCプログラムを用い、該NCプログラムに従って前記移動対象物を移動させて被加工物を加工する加工方法において、
前記NCプログラムを解析し、NCプログラム中に含まれる識別情報を基に、該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識し、認識された各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更して、該NCプログラムを編集した後、編集されたNCプログラムを用いて前記被加工物を加工するようにしたことを特徴とする加工方法。
【請求項13】
前記位置情報の変更は、不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値に応じて行われることを特徴とする請求項12記載の加工方法。
【請求項14】
前記位置情報の変更は、乱数に応じて行われることを特徴とする請求項12記載の加工方法。
【請求項15】
NCプログラムを解析し、NCプログラム中に含まれる識別情報を基に、該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識する変更可否認識処理、変更可能と認識された各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更する変更処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項16】
更に、不確定な要素に基づいた数値、または所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて数値を生成する数値生成処理をコンピュータに実行させ、
前記変更処理では、生成された数値を用いて前記位置情報を変更するように、コンピュータに実行させる、請求項15記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
更に、乱数を生成する乱数生成処理をコンピュータに実行させ、
前記変更処理では、生成された数値を用いて前記位置情報を変更するように、コンピュータに実行させる、請求項15記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つの基本となるNCプログラムに基づいて、多様な形状の製品を加工することができるプログラム編集装置、加工装置、加工方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から広く知られたNC加工装置は、数値制御装置により、予め作成されたNCプログラムに従い、その運動機構部を位置制御して製品を加工するものであり、同一形状の製品を精度良く、効率的に加工することできるという特質、特長を有している。
【0003】
そして、従来、このNCプログラムに情報を付加して位置制御を行う技術が、特開2004−78516号公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−78516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、NC加工装置を用いて製造される高精度な部品を組み合わせた最終製品(商品)は、同一品番の商品であれば、肉眼でその個体差が分からなくなっている。このため、商品の購入時には、どの品番の商品を選ぶかが消費者の注目するところとなり、購入目的の品番が決まっていれば、通信販売で購入する消費者も多く、実物を吟味して買い物をするといった楽しみが薄れてきている。その一方で、消費者には、同一品番の商品であれば、他人の物との形状上の相違がないため、自身の所有物に個性を持たせたいという欲求が潜在的に存在しており、このようなニーズに応えるために、例えばスマートフォン用のケースなどの商品に個性を持たせるべく、様々なデザインの商品が販売されている。
【0006】
ところが、上述した特開2004−78516号公報に開示される技術は、予め作成されたNCプログラムに位置情報を付加することにより、NCプログラム中で指示された位置を補完して、より滑らかな曲面の加工を実現しようとするものであり、加工毎に同じ補完処理が実行されるため、この従来技術においても、加工物の形状上の相違が肉眼で認識することができない点については、従来の一般的なNC加工装置の場合と何ら変わるところがなかった。即ち、この従来技術を用いるか否かで、加工品の曲面の滑らかさは向上するが、当該加工品の形状が目に見えて大きく変わることはない。
【0007】
斯くして、従来において多様な形状の製品を得るためには、求められる形状に対応した固有のNCプログラムを用いて加工する必要があり、このため、各形状に応じた固有のNCプログラムをそれぞれ作成する必要があった。
【0008】
ところが、一般的には、NCプログラムは、人手により、即ち、プログラマーによって作成されるものであるため、求められる形状に応じたNCプログラムをそれぞれ作成する場合には、その作成に手間がかかり、このため、従来では、同一の商品概念には属するものの多様な形状を有する商品を生産する場合には、これを効率的に生産することができないという問題があった。尚、各NCプログラムを自動プログラミング装置によって自動的に作成することもできるが、この場合には、それぞれについてCADデータ等が必要であり、またNCプログラムを生成のための複雑な設定が必要であるため、必ずしも効率的な作成を行うことはできない。また、形状のバリエーションにも、限界がある。
【0009】
本発明は以上の実情に鑑みなされたものであって、形状上、或いは機能上の制約を受けない部分について、肉眼で識別可能な固有の形状に、しかも効率的に加工することを可能にするプログラム編集装置、加工装置、加工法及びコンピュータプログラムの提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、移動対象物を目標とする複数の移動位置に順次移動させるための複数の位置情報を含んだNCプログラムを編集する装置であって、
前記NCプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に格納されたNCプログラムを読み出し、読み出したNCプログラム中に含まれる識別情報を基に、該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識し、認識された各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更して該NCプログラムを編集する位置編集部とを備えたプログラム編集装置に係る。
【0011】
このプログラム編集装置によれば、記憶部に格納された既存のNCプログラムが、位置編集部によって、その各位置情報が変更される、即ち、編集される。具体的には、上述したように、位置編集部は記憶部から該当するNCプログラムを読み出し、読み出したNCプログラム中に含まれる識別情報を基に、このNCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識する。そして、位置編集部は、認識した各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更することによって、当該NCプログラムを編集する。
【0012】
位置編集部によって変更される位置情報は、例えば、製品の本質的な機能に影響しない部位に係る位置情報であり、このような変更可能な位置情報は、あらかじめ設定されたNCコードによって識別される。尚、位置情報の変更の可否は、一つの製品の各部位に対して個別に設定することができ、例えば、製品の機能として高い加工精度が必要な箇所については位置情報の変更を不可とし、製品の機能を損なわない部位について位置情報を変更可能とすることができる。
【0013】
そして、このようにして編集されたNCプログラムを用いて、適宜加工装置により製品を加工することで、即ち、変更可能な位置情報を許容範囲内で任意の位置に変更することによって、あえてばらつきのある加工を行うことで、元となるNCプログラムを用いて加工した製品とは異なる形状の製品を得ることができる。
【0014】
斯くして、このプログラム編集装置によれば、形状の異なる製品を加工するためのNCプログラムを自動的に、しかも効率的に作成することができる。したがって、形状上、或いは機能上の制約を受けない部分については、製品の機能を損なわない範囲で、肉眼により形状の相違を認識することができる固有の形状を備えた個性的な製品を効率的に生産することができ、このような個性的な商品を提供することによって、オリジナリティを好む消費者を満足させることができる。
【0015】
本発明において、前記位置編集部は、不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値に応じて前記位置情報を変更するように構成されることができ、或いは、前記位置編集部は、乱数を生成し、生成した乱数に応じて前記位置情報を変更するように構成されることができる。位置編集部をこのように構成することで、規則性のない形状の製品を生産することができ、加工製品をより個性的なものとすることができる。
【0016】
また、本発明に係るプログラム編集装置は、前記位置編集部により編集されたNCプログラム、又は前記不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値、又は前記不確定な要素に基づき生成された数値若しくは所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値と関連するパラメータを前記記憶部に記憶するように構成されていても良く、更に、前記パラメータを、当該パラメータに基づいて加工された加工物に対し付与された個体識別情報と関連付けて記憶するように構成されていても良い。編集されたNCプログラムを記憶部に格納すれば、当該編集後のNCプログラムを用いた再加工を行うことができる。或いは、NCプログラムを編集するための数値やこれに関連するパラメータを記憶部に記憶することで、編集されたNCプログラムを、これらの情報を用いて再現することができ、再現したNCプログラムを用いて再加工を行うことができる。また、パラメータと加工物の個体識別情報と関連付けて記憶することで、個体識別情報から特定される加工物と同じ形状のものを再加工することができる。尚、個体識別情報の具体例としては、所謂「ID番号」を例示することができる。
【0017】
また、本発明に係るプログラム編集装置において、前記記憶部は、前記移動対象物のモデル情報を記憶するように構成されていても良く、更に、このプログラム編集装置は、画像を表示する表示部と、前記記憶部に格納されたNC加工プログラムを実行し、前記記憶部に格納されたモデル情報を基に前記移動対象物のモデルを移動させた画像を生成して、前記表示部に表示させるシミュレーション部とを備えていても良い。
【0018】
また、この場合に、前記シミュレーション部は、前記NCプログラムの実行に加えて、少なくとも該NCプログラムによる加工時間、又は加工コストのいずれか一方を演算して前記表示部に表示するように構成されていても良い。
【0019】
また、本発明は、移動対象物を移動させる運動機構部と、運動機構部を数値制御する数値制御装置とを備えた加工装置に係り、この加工装置は、上述した構成のプログラム編集装置を備えて構成される。この構成の加工装置によれば、プログラム編集装置により編集されたNCプログラムを用いて、直ちに製品を加工することができる。
【0020】
また、本発明は、移動対象物を移動させる運動機構部と、
前記運動機構部を数値制御する数値制御装置とを備えた加工装置であって、
前記数値制御装置は、
前記移動対象物を目標とする複数の移動位置に順次移動させるための複数の位置情報を含んだNCプログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に格納されたNCプログラムに従い前記運動機構部を数値制御して、前記移動対象物を目標とする移動位置に順次移動させるプログラム実行部とを備え、
前記プログラム実行部は、実行するNCプログラム中に含まれる識別情報を基に、該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識し、認識した各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更し、変更した位置に前記移動対象物を移動させるように構成された加工装置に係る。
【0021】
この加工装置によれば、数値制御装置のプログラム実行部が記憶部内に格納されたNCプログラムを実行し、当該NCプログラムに含まれる位置情報に従って運動機構部を数値制御することにより、移動対象物を目標とする移動位置に順次移動させる。これにより製品が加工される。
【0022】
その際、数値制御装置のプログラム実行部は、実行するNCプログラム中に含まれる識別情報を基に、当該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識し、認識した各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更し、変更した位置に移動対象物を移動させる。尚、この加工装置においても、変更される位置情報は、例えば、製品の本質的な機能に影響しない部位に係る位置情報であり、このような変更可能な位置情報は、あらかじめ設定されたNCコードによって識別される。また、位置情報の変更の可否は、一つの製品の各部位に対して個別に設定することができ、例えば、製品の機能として高い加工精度が必要な箇所については位置情報の変更を不可とし、製品の機能を損なわない部位について位置情報を変更可能とすることができる。
【0023】
斯くして、この加工装置によれば、変更可能な位置情報を許容範囲内で任意の位置に変更することによって、あえてばらつきのある加工を行うようにしているので、元となるNCプログラムを用い、その位置情報を変更することなく加工した製品とは異なる形状の製品を得ることができる。したがって、形状上、或いは機能上の制約を受けない部分については、製品の機能を損なわない範囲で、肉眼により形状の相違を認識することができる固有の形状を備えた個性的な製品を効率的に生産することができ、このような個性的な商品を提供することによって、オリジナリティを好む消費者を満足させることができる。
【0024】
また、この加工装置において、前記プログラム実行部は、不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値に応じて、前記位置情報を変更するように構成されていても良く、或いは、乱数を生成し、生成した乱数に応じて前記位置情報を変更するように構成されていても良い。
【0025】
また、本発明は、移動対象物を目標とする複数の移動位置に順次移動させるための複数の位置情報を含んだNCプログラムを用い、該NCプログラムに従って前記移動対象物を移動させて被加工物を加工する加工方法において、
前記NCプログラムを解析し、NCプログラム中に含まれる識別情報を基に、該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識し、認識された各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更して、該NCプログラムを編集した後、編集されたNCプログラムを用いて前記被加工物を加工するようにした加工方法に係る。
【0026】
この加工方法によれば、上述したように、元となるNCプログラムを用い、その位置情報を変更することなく加工した製品とは異なる形状の製品を得ることができる。したがって、形状上、或いは機能上の制約を受けない部分については、製品の機能を損なわない範囲で、肉眼により形状の相違を認識することができる固有の形状を備えた個性的な製品を効率的に生産することができ、このような個性的な商品を提供することによって、オリジナリティを好む消費者を満足させることができる。
【0027】
そして、この加工方法において、前記位置情報の変更は、不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値に応じて行うことができ、また、乱数に応じて行うことができる。
【0028】
また、本発明は、NCプログラムを解析し、NCプログラム中に含まれる識別情報を基に、該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置情報を認識する変更可否認識処理、変更可能と認識された各位置情報を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更する変更処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムに係る。
【0029】
そして、このコンピュータプログラムは、不確定な要素に基づいた数値、または所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて数値を生成する数値生成処理をコンピュータに実行させる処理を含むことができ、前記変更処理では、生成された数値を用いて前記位置情報を変更する処理とすることができる。
【0030】
或いは、前記コンピュータプログラムは、乱数を生成する乱数生成処理をコンピュータに実行させる処理を含むことができ、前記変更処理では、生成された乱数を用いて前記位置情報を変更する処理とすることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、元となるNCプログラムを用いて加工した製品とは異なる形状の製品を得ることができる。このため、形状上、或いは機能上の制約を受けない部分については、製品の機能を損なわない範囲で、肉眼により形状の相違を認識することができる固有の形状を備えた個性的な製品を効率的に生産することができ、このような個性的な商品を提供することによって、オリジナリティを好む消費者を満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係る加工装置の概略構成を示したブロック図である。
図2】本実施形態における作用を説明するための説明図である。
図3】本実施形態におけるNCプログラムの一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る加工装置の概略構成を示したブロック図である。
【0034】
図1に示すように、本例の加工装置1は、運動機構部2、数値制御装置10及び表示装置21を備えて構成される。尚、本例の加工装置1は、除去加工又は付加加工用の装置である。
【0035】
前記運動機構部2は、移動対象物を移動させて加工を実行する機構部であり、例えば、除去工具又は付加工具を保持した工具保持部と、ワークを保持したテーブルとを相対的に移動させて、当該ワークに対して除去加工又は付加加工を実行する。この場合、工具保持部及びテーブルの少なくとも一方が移動対象物である。
【0036】
また、前記表示装置21は、液晶ディスプレイなどの画面表示装置であり、テキスト情報や画像などを表示することができるようになっている。
【0037】
前記数値制御装置10は、CPU、RAM、ROMなどを含むコンピュータから構成され、プログラム関係記憶部13、モデル情報記憶部14、プログラム実行部15、位置編集部19及びシミュレーション部20を備えて構成される。そして、プログラム実行部15、位置編集部19及びシミュレーション部20はそれぞれコンピュータプログラムによってその機能が実現され、後述する処理を実行する。
【0038】
また、プログラム関係記憶部13及びモデル情報記憶部14はRAMなどの適宜記憶媒体から構成される。これらプログラム関係記憶部13及びモデル情報記憶部14は一つの記憶部12として一つの記憶媒体から構成することができ、或いはそれぞれ別の記憶媒体から構成することもできる。
【0039】
また、前記プログラム関係記憶部13は、オリジナルのNCプログラム、及びこのNCプログラムを編集した編集NCプログラムなどを記憶する機能部である。NCプログラムの一例を図3に示す。このNCプログラムはオリジナルのNCプログラムであり、X,Y,Zで指令される位置指令(位置情報)、切削送り動作指令に関する「G01」、工具番号及びその補正番号を指令する「T0101(Tコード)」、主軸回転速度に関する指令「S1500(Sコード)」、送り速度に関する指令「F450(Fコード)」などを含んでいる。
【0040】
尚、他のGコードである「G90」はアブソリュート指令を定義し、「G28」は原点復帰指令を定義する。また、Mコードの内、「M06」は工具交換指令、「M03」は主軸正転指令、「M05」は主軸停止指令、「M30」はプログラムエンドであり、「M1000」及び「M1001」はユーザ独自のコードで、これら「M1000」及び「M1001」で挟まれた位置指令について、その値を変更可能であることを定義している。「M1000」に続く「−xa,xb」はX軸の位置指令を−aからbの範囲内で変更可能であることを定義しており、Y軸の位置指令を変更する場合には、「−ya,yb」と指令され、Z軸の位置指令を変更する場合には、「−za,zb」と指令される。また、「P0001」はプログラム番号であり、「N0001」−「N0013」はシーケンス番号である。
【0041】
図2に、このNCプログラムで指令された工具TとワークWとの相対的な移動経路を示している。具体的には、工具Tは、ワークWに対して、位置P(x,y,z)→位置P(x,y,z)→位置P(x,y,z)→位置P(x,y,z)→位置P(x,y,z)→位置P(x,y,z)→位置P(x,y,z)→位置P(x,y,z)→位置P(x,y,z)の経路で移動する。
【0042】
また、前記モデル情報記憶部14は、少なくとも前記移動対象物に係るモデルデータを記憶する機能部である。尚、このモデルデータは、3次元モデルデータの他、2次元モデルデータでも良く、本例では、工具及び工具を保持する保持部、並びにワーク及びワークを保持するテーブルに係るモデルデータがモデル情報記憶部14に格納される。
【0043】
前記プログラム実行部15は、プログラム解析処理部16、位置変更処理部17及び動作制御部18を備えて構成される。プログラム解析処理部16は、前記プログラム関係記憶部13内に格納されたNCプログラムの中から実行するNCプログラムを読み出し、当該NCプログラム中に含まれる各指令コードを認識し、認識した各指令を位置変更処理部17に出力する処理を行う。
【0044】
前記位置変更処理部17は、前記プログラム解析処理部16から受信した各指令に対応する制御信号を動作制御部18に送信する処理を行う。そして、その際、位置変更処理部17は、受信した位置指令が変更可能な位置指令であるか否かを判別し(変更可否認識処理)、変更可能な位置指令の場合には、指令位置を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更し(変更処理)、変更した位置に係る制御信号を前記動作制御部18に送信する。
【0045】
この位置変更処理部17における処理を、図3に示したNCプログラムを例に、より具体的に説明する。位置変更処理部17は、プログラム解析処理部16によってシーケンス番号「N0001」から順次解析された各指令を受信し、受信した各指令に係る制御信号を前記動作制御部18に送信する。その際、プログラム解析処理部16からシーケンス番号「N0004」に含まれるコード「M1000」及びこれに続くデータ「−xa,xb」を受信すると、位置変更処理部17は、この「M1000」以降の位置指令の内、X軸関する位置指令を「−a」から「b」の範囲内で変更可能な位置指令として認識(判別)する(変更可否認識処理)。
【0046】
そして、位置変更処理部17は、プログラム解析処理部16からシーケンス番号「N0005」に含まれる位置指令「Xx,Yy,Zz」を受信すると、公知のアルゴリズムに従って乱数(数値)cを生成し、生成した乱数cを基に、X軸に関する指令位置「x」を、下式によって算出される「x’」に変更し(変更処理)、変更した指令位置「x’」に係る制御信号を前記動作制御部18に送信する。尚、乱数cは0≦c≦100である。
’=(x−a)+(a+b)×(c/100)
【0047】
ついで、位置変更処理部17は、プログラム解析処理部16からシーケンス番号「N0006」に含まれる位置指令「Xx,Yy,Zz」を受信すると、同様にして乱数(数値)cを生成し、生成した乱数cを基に、X軸に関する指令位置「x」を、下式によって算出される「x’」に変更し(変更処理)、変更した指令位置「x’」に係る制御信号を前記動作制御部18に送信する。この乱数cも0≦c≦100である。
’=(x−a)+(a+b)×(c/100)
【0048】
次に、位置変更処理部17は、プログラム解析処理部16からシーケンス番号「N0007」に含まれるコード「M1001」を受信すると、位置指令を変更する処理の終了を認識して、シーケンス番号「N0008」以降に含まれる位置指令については変更を加えることなく、当該位置指令に係る制御信号を前記動作制御部18に送信する。
【0049】
そして、前記動作制御部18は、位置変更処理部17から出力される指令位置に係る制御信号に従い前記運動機構部2を数値制御して、工具TとワークWとを目標とする移動位置に順次相対的に移動させ、これによりワークWが加工される。
【0050】
前記位置編集部19は、前記プログラム関係記憶部13に格納されたNCプログラムを読み出し、読み出したNCプログラム中に含まれる識別情報を基に、当該NCプログラム中に含まれる位置情報の中から変更可能な位置指令を認識し(変更可否認識処理)、認識された各指令位置を予め設定された許容範囲内で任意の位置に変更して(変更処理)、当該NCプログラムを編集する処理を行う。
【0051】
この位置編集部19における処理を、上述した位置変更処理部17の場合と同様に、図3に示したNCプログラムを例に、より具体的に説明する。位置編集部19はNCプログラムをシーケンス番号「N0001」から順に順次読み出し、読み出した指令に「M1000」が含まれるかどうかを確認する。そして、「M1000」が認識されると、これに続くデータ「−xa,xb」を認識し、位置編集部19は、この「M1000」以降の位置指令の内、X軸関する位置指令を「−a」から「b」の範囲内で変更可能な位置指令として認識(判別)する(変更可否認識処理)。
【0052】
そして、位置編集部19は、次に、シーケンス番号「N0005」に含まれる位置指令「Xx,Yy,Zz」を認識すると、公知のアルゴリズムに従って乱数(数値)cを生成し、生成した乱数cを基に、X軸に関する指令位置「x」を、下式によって算出される「x’」に変更する(変更処理)。尚、上述したように、この乱数cは0≦c≦100である。
’=(x−a)+(a+b)×(c/100)
【0053】
ついで、位置編集部19はシーケンス番号「N0006」に含まれる位置指令「Xx,Yy,Zz」を認識すると、同様にして乱数(数値)cを生成し、生成した乱数cを基に、X軸に関する指令位置「x」を、下式によって算出される「x’」に変更する(変更処理)。この乱数cも0≦c≦100である。

’=(x−a)+(a+b)×(c/100)
【0054】
次に、位置編集部19はシーケンス番号「N0007」に含まれるコード「M1001」を認識すると、位置指令を変更する処理の終了を認識して、シーケンス番号「N0008」以降に含まれる位置指令についてはその指令位置に変更を加えない。尚、変更可能な位置指令を判別するための前記識別情報はコード「M1000」及び「M1001」が該当し、変更可能な範囲である許容範囲は「−xa,xb」により定義される。そして、位置編集部19は指令位置の変更後、識別情報に係るコード「M1000」及び「M1001」をNCプログラムから削除し、また、許容範囲に係る指令値である「−xa,xb」を削除する。
【0055】
位置編集部19は、以上のようにして編集した編集後のNCプログラムを、新たなプログラム番号を付して前記プログラム関係記憶部13に格納する。尚、オリジナルなNCプログラムは更新されることなく、元の状態でそのままプログラム関係記憶部13に格納された状態となっている。
【0056】
前記シミュレーション部20は、前記プログラム関係記憶部13に格納されたNCプログラム(編集後のNCプログラムを含む)を仮想的に実行して、加工時間、又は加工コストのいずれか一方を演算して前記表示装置21に表示する。その際、シミュレーション部20は、前記モデル情報記憶部14に格納された工具T及び工具を保持する保持部、並びにワークW及びワークを保持するテーブルに係る各モデルデータを基に、適宜仮想空間内に、各モデルを定められた位置関係(実際の位置関係)となるように配置するとともに、前記NCプログラムを実行し、NCプログラムに含まれる各位置指令に従って各モデルを移動させた画像を生成して、前記表示装置21に表示させる。尚、表示させる画像は2次元画像でも3次元画像でもいずれでも良い。
【0057】
以上の構成を備えた本例の加工装置1によれば、プログラム実行部15により、プログラム関係記憶部13に格納されたオリジナルのNCプログラムが実行されると、NCプログラム中に含まれる識別情報(「M1000」、「M1001」)を基に、NCプログラム中の位置指令の内、変更可能な位置指令が判別され、変更可能な指令位置が任意の位置に変更され、このような位置制御の下で工具とワークとが相対移動され、この結果、ワークWが加工される。
【0058】
尚、変更可能な指令位置は、例えば、製品の本質的な機能に影響しない部位に係る位置に設定され、変更不可能な指令位置は、例えば、製品の本質的な機能に影響する部位に対して設定される。
【0059】
上述した図2に示す例では、指令位置P(x,y,z)及び指令位置P(x,y,z)が変更可能な位置であり、xの位置が、これを基点として−aからbの範囲で任意の位置x’に変更され、同様に、xの位置が、これを基点として−aからbの範囲で任意の位置x’に変更される。指令位置P、P、P、P、Pは製品の本質的な機能に影響する位置であるとして変更されない。
【0060】
斯くして、この加工装置1によれば、元となるオリジナルなNCプログラムを用い、その指令位置を変更することなく加工した製品に比べて、異なる形状の製品を得ることができる。またプログラム実行部15によってオリジナルなNCプログラムを実行する都度、異なる形状の製品を得ることができる。したがって、形状上の制約を受けない部分について、固有の形状を有する個性的な製品を効率的に生産することができ、このような個性的な商品を提供することによって、オリジナリティを好む消費者を満足させることができる。
【0061】
また、本例の加工装置1では、プログラム関係記憶部13に格納されたオリジナルなNCプログラムが位置編集部19により編集され、編集後のNCプログラムがプログラム関係記憶部13に格納される。即ち、位置編集部19は、オリジナルなNCプログラム中に含まれる識別情報(「M1000」、「−xa,xb」、「M1001」)を基に、当該NCプログラム中の位置指令の内、変更可能な位置指令を判別して、変更可能な指令位置を任意の位置に変更するとともに、識別情報に係るコード「M1000」及び「M1001」を当該NCプログラムから削除し、また、許容範囲に係る指令値である「−xa,xb」を削除し、このようにして編集したNCプログラムを新たなプログラム番号を付してプログラム関係記憶部13に格納する。
【0062】
斯くして、このように編集されたNCプログラムを前記プログラム実行部15により実行して加工を行うと、元となるオリジナルなNCプログラムを用い、その指令位置を変更することなく加工した製品に比べて、異なる形状の製品を得ることができる。また、位置編集部19によってオリジナルなNCプログラムを編集する都度、異なる指令位置に変更された新たなNCプログラムを得ることができる。したがって、このように編集された各NCプログラムを用いて加工を行うことで、形状上の制約を受けない部分について、固有の形状を有する個性的な製品を効率的に生産することができ、このような個性的な商品を提供することによって、オリジナリティを好む消費者を満足させることができる。
【0063】
また、本例の加工装置1では、シミュレーション部20により、プログラム関係記憶部13に格納されたNCプログラム(編集後のNCプログラムを含む)が仮想的に実行され、加工時間、又は加工コストのいずれか一方が演算されて表示装置21に表示されるとともに、工具T及び工具を保持する保持部、並びにワークW及びワークを保持するテーブルに係る各モデルを、実行するNCプログラムに含まれる各位置指令に従って移動させた画像を生成して、前記表示装置21に表示させる。
【0064】
これにより、各NCプログラムを用いて加工したときの加工状態を視覚的に確認することができるとともに、その加工時間及び/又は加工コストを確認することができる。したがって、所定の加工効率が満足されるNCプログラムを客観的に認識することができ、加工効率が満足されるNCプログラムのみを用いて加工することで、固有の形状を有する個性的な製品を、加工時間や加工コストの面についても効率的に生産することができる。
【0065】
尚、本例の加工装置1では、前記プログラム関係記憶部13、モデル情報記憶部14、位置編集部19及びシミュレーション部20がプログラム編集装置11を構成する。
【0066】
以上、本発明の具体的な実施の形態について説明したが、本発明が採り得る態様は何らこれに限定されるものではない。
【0067】
例えば、図3に示したNCプログラム、及びこのNCプログラムに対応した図2の移動経路は、あくまでも例示であって、これに限定されるものではない。変更可能な位置指令も2か所に限られるものではなく、より多くの指令位置を変更するようにしても良く、また、一つの部位に限られず、複数の部位について指令位置を変更するようにしても良い。このようにすれば、より個性が強調された製品を加工することができる。
【0068】
また、上例の位置変更処理部17及び位置編集部19では、乱数を用いて指令位置を変更するようにしたが、これに限られるものではなく、この他に、例えば、或る不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値に応じて前記指令位置を変更するようにしてもよい。そして、位置編集部19は、前記不確定な要素に基づき生成された数値、又は所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値、又は前記不確定な要素に基づき生成された数値若しくは所定の数値列から前記位置情報とは異なる要素に基づいて抽出された数値と関連するパラメータを前記プログラム関係記憶部13に格納するように構成されていても良く、更に、前記パラメータを、当該パラメータに基づいて加工された加工物に対し付与された個体識別情報と関連付けて前記プログラム関係記憶部13に格納するように構成されていても良い。NCプログラムを編集するために用いた数値やこれに関連するパラメータをプログラム関係記憶部13に格納することで、編集されたNCプログラムが失われた場合に、当該NCプログラムをこれらの情報を用いて再現することができ、再現したNCプログラムを用いて再加工を行うことができる。また、パラメータと加工物の個体識別情報と関連付けて記憶することで、個体識別情報から特定される加工物と同じ形状のものを再加工することができる。尚、個体識別情報の具体例としては、所謂「ID番号」を例示することができる。
【0069】
また、位置編集部19は、プログラム関係記憶部13に編集後のNCプログラムを格納する場合に、このNCプログラムによって加工された製品に対して設定されたID(固有情報)と共に、当該NCプログラムをを前記プログラム関係記憶部13に格納するように構成されていても良い。
【0070】
繰り返しになるが、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1 加工装置
2 運動機構部
10 数値制御装置
11 プログラム編集装置
12 記憶部
13 プログラム関係記憶部
14 モデル情報記憶部
15 プログラム実行部
16 プログラム解析処理部
17 位置変更処理部
18 動作制御部
19 位置編集部
20 シミュレーション部
21 表示装置
図1
図2
図3