特許第6937283号(P6937283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937283
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20210909BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20210909BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20210909BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20210909BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20210909BHJP
   C25D 5/12 20060101ALI20210909BHJP
   C25D 7/12 20060101ALI20210909BHJP
   C25D 5/40 20060101ALI20210909BHJP
   C25D 5/34 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   H01L21/88 T
   H01L21/304 647Z
   H01L21/60 301B
   H01L21/60 301P
   C25D5/12
   C25D7/12
   C25D5/40
   C25D5/34
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-175444(P2018-175444)
(22)【出願日】2018年9月19日
(65)【公開番号】特開2020-47794(P2020-47794A)
(43)【公開日】2020年3月26日
【審査請求日】2020年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩明
【審査官】 佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−279034(JP,A)
【文献】 特開2003−234348(JP,A)
【文献】 特表2002−540631(JP,A)
【文献】 特開2004−63672(JP,A)
【文献】 特開2001−267357(JP,A)
【文献】 特開2017−69381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 21/304
H01L 21/60
C25D 5/12
C25D 7/12
C25D 5/40
C25D 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属層の上に、ニッケルを含む第2の金属層を形成し、
前記第2の金属層に対し1重量%未満の濃度の希釈塩酸で第1の洗浄処理を行い、
前記第2の金属層の上に金を含む第3の金属層を形成する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1の金属層は銅を含む請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2の金属層と前記第3の金属層との間に、パラジウム又は白金を含む第4の金属層を形成する請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第4の金属層に対し1重量%未満の希釈塩酸で第2の洗浄処理を行う請求項3記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第3の金属層にボンディングワイヤを接続する請求項1ないし請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1の洗浄処理の時間は20秒以上120秒以下である請求項1ないし請求項5いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1の洗浄処理は0.5重量%以下の濃度の希釈塩酸で行う請求項1ないし請求項6いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップ上の電極パッドとリードフレームなどの外部電極とを接続するために、ボンディングワイヤが用いられる。ボンディングワイヤの一端が電極パッドに接続され、他端が外部電極に接続される。ボンディングワイヤの信頼性を向上させるために、例えば、電極パッドの表面に耐酸化性が高く安定した金を含む金属層を用いる。しかし、金の下地となる金属層と金を含む金属層の密着性が低下することにより、ボンディング歩留りが低下する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−279034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、密着性の高い金属積層構造を有する半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様の半導体装置の製造方法は、第1の金属層の上に、ニッケルを含む第2の金属層を形成し、前記第2の金属層に対し1重量%未満の濃度の希釈塩酸で第1の洗浄処理を行い、前記第2の金属層の上に金を含む第3の金属層を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図。
図2】実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の拡大模式断面図。
図3】実施形態の半導体装置の製造方法の模式断面図。
図4】実施形態の半導体装置の製造方法の模式断面図。
図5】実施形態の半導体装置の製造方法の模式断面図。
図6】実施形態の半導体装置の製造方法の模式断面図。
図7】実施形態の半導体装置の製造方法の模式断面図。
図8】実施形態の半導体装置の製造方法の模式断面図。
図9】実施形態の半導体装置の製造方法の模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書中、同一又は類似する部材については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0008】
本明細書中、部品等の位置関係を示すために、図面の上方向を「上」、図面の下方向を「下」と記述する場合がある。本明細書中、「上」、「下」の概念は、必ずしも重力の向きとの関係を示す用語ではない。
【0009】
実施形態の半導体装置の製造方法は、第1の金属層の上に、めっき法によりニッケルを含む第2の金属層を形成し、第2の金属層に対し1重量%未満の濃度の希釈塩酸で第1の洗浄処理を行い、第2の金属層の上に金を含む第3の金属層を形成する。
【0010】
図1は、実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の模式断面図である。実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置100は、半導体チップ10、リードフレーム11、ボンディングワイヤ12、はんだ層13を含む。
【0011】
半導体チップ10は、はんだ層13によって、リードフレーム11に固定される。また、半導体チップ10は、ボンディングワイヤ12によって、リードフレーム11に電気的に接続される。
【0012】
ボンディングワイヤ12の一端が半導体チップ10の表面に設けられる図示しない電極パッドに接続される。ボンディングワイヤ12の他端がリードフレーム11に接続される。
【0013】
ボンディングワイヤ12は、例えば、銅ワイヤ、金ワイヤ、アルミワイヤ、又は、パラジウムで被覆された銅ワイヤである。
【0014】
図2は、実施形態の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置の拡大模式断面図である。図2は、図1の点線枠で囲まれる部分の拡大図である。図2は、半導体チップ10のボンディングワイヤ12が接続される電極パッドを含む図である。
【0015】
半導体チップ10は、シリコン基板20、層間絶縁層22、保護絶縁層24、コンタクト電極26、銅を含む金属層30(第1の金属層)、ニッケルを含む金属層32(第2の金属層)、パラジウムを含む金属層34(第4の金属層)、金を含む金属層36(第3の金属層)を備える。
【0016】
シリコン基板20は、単結晶のシリコン基板である。シリコン基板20には、例えば、図示しないトランジスタやダイオードなどの半導体素子が形成されている。
【0017】
層間絶縁層22は、シリコン基板20の上に設けられる。層間絶縁層22は、例えば、酸化シリコンを含む。
【0018】
保護絶縁層24は、層間絶縁層22の上に設けられる。保護絶縁層24は、例えば、酸化シリコン層と窒化シリコン層との積層構造を有する。
【0019】
銅を含む金属層30、ニッケルを含む金属層32、パラジウムを含む金属層34、金を含む金属層36は、半導体チップ10の電極パッドを構成する。銅を含む金属層30、ニッケルを含む金属層32、パラジウムを含む金属層34、金を含む金属層36は、例えば、半導体チップ10の保護絶縁層24の上に形成された再配線(Re Distribution. Layer)である。
【0020】
銅を含む金属層30は、保護絶縁層24の上に設けられる。銅を含む金属層30は、コンタクト電極26に接する。
【0021】
銅を含む金属層30は、コンタクト電極26を介してシリコン基板20に電気的に接続される。銅を含む金属層30は、例えば、銅を主成分とする。銅を主成分とするとは、銅を含む金属層30を構成する元素のうち、最も原子割合の高い元素であることを意味する。銅を含む金属層30の厚さは、例えば、5μm以上20μm以下である。
【0022】
ニッケルを含む金属層32は、銅を含む金属層30の上に設けられる。ニッケルを含む金属層32は、銅を含む金属層30に接する。
【0023】
ニッケルを含む金属層32は、例えば、銅の拡散を抑制する機能を有する。ニッケルを含む金属層32は、例えば、ニッケルを主成分とする。ニッケルを含む金属層32の厚さは、例えば、1μm以上2μm以下である。
【0024】
パラジウムを含む金属層34は、ニッケルを含む金属層32の上に設けられる。パラジウムを含む金属層34は、ニッケルを含む金属層32に接する。
【0025】
パラジウムを含む金属層34は、例えば、ニッケルの拡散を抑制する機能を有する。パラジウムを含む金属層34は、例えば、パラジウムを主成分とする。パラジウムを含む金属層34厚さは、例えば、0.1μm以上0.3μm以下である。
【0026】
金を含む金属層36は、パラジウムを含む金属層34の上に設けられる。金を含む金属層36は、パラジウムを含む金属層34に接する。
【0027】
金を含む金属層36は、例えば、ボンディングワイヤ12の密着性を向上させる機能を有する。金を含む金属層36の厚さは、例えば、0.5μm以上2μm以下である。
【0028】
ボンディングワイヤ12は、金を含む金属層36の表面に接続される。
【0029】
次に、実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図3図4図5図6図7図8、及び、図9は、実施形態の半導体装置の製造方法の模式断面図である。
【0030】
まず、公知のプロセス技術を用いて、シリコン基板20の上に層間絶縁層22を形成する。次に、公知のプロセス技術を用いて、層間絶縁層22にシリコン基板20に達するコンタクトホールを形成し、コンタクトホールにコンタクト電極26を形成する。
【0031】
次に、公知のプロセス技術を用いて、層間絶縁層22上、及び、コンタクト電極26の上に保護絶縁層24を形成する。次に、公知のプロセス技術を用いて、保護絶縁層24に開口部を開口する(図3)。
【0032】
次に、図示しないめっき用のシード層を保護絶縁層24上及びコンタクト電極26上に形成する。シード層は、例えば、公知のスパッタ法で形成されるチタンと銅を含む膜である。次に、公知のリソグラフィ法を用いて、レジスト40をパターニングする(図4)。
【0033】
次に、例えば、公知の電解めっき法により、レジスト40の開口部に、銅を含む金属層30を形成する(図5)。
【0034】
次に、例えば、公知の電解めっき法により、レジスト40の開口部の、銅を含む金属層30の上にニッケルを含む金属層32を形成する(図6)。
【0035】
次に、例えば、ニッケルを含む金属層32に対し、純水による洗浄処理を行う。純水による洗浄処理により、残存するめっき液を除去する。
【0036】
次に、ニッケルを含む金属層32に対し、1重量%未満の濃度の希釈塩酸で第1の洗浄処理を行う。第1の洗浄処理により、ニッケルを含む金属層32の表面に形成された自然酸化膜を除去する。
【0037】
第1の洗浄処理の希釈塩酸の塩酸濃度は、例えば、0.01重量%以上1重量%未満である。第1の洗浄処理の時間は、例えば、20秒以上120秒以下である。
【0038】
次に、例えば、公知の電解めっき法により、レジスト40の開口部の、ニッケルを含む金属層32の上にパラジウムを含む金属層34を形成する(図7)。
【0039】
次に、例えば、パラジウムを含む金属層34に対し、純水による洗浄処理を行う。純水による洗浄処理により、残存するめっき液を除去する。
【0040】
次に、パラジウムを含む金属層34に対し、1重量%未満の濃度の希釈塩酸で第2の洗浄処理を行う。第2の洗浄処理により、パラジウムを含む金属層34の表面に形成された自然酸化膜を除去する。
【0041】
第2の洗浄処理の希釈塩酸の塩酸濃度は、例えば、0.01重量%以上1重量%未満である。第2の洗浄処理の時間は、例えば、20秒以上120秒以下である。
【0042】
次に、例えば、公知の電解めっき法により、レジスト40の開口部の、パラジウムを含む金属層34の上に金を含む金属層36を形成する(図8)。
【0043】
次に、例えば、金を含む金属層36に対し、純水による洗浄処理を行う。純水による洗浄処理により、残存するめっき液を除去する。
【0044】
次に、レジスト40を剥離し、保護絶縁層24の上に残存するシード層を公知のエッチングにより除去する(図9)。
【0045】
次に、半導体チップ10を、リードフレーム11の上にはんだ層13を用いて固定する。
【0046】
次に、金を含む金属層36の表面に、公知のワイヤボンダーを用いて、ボンディングワイヤ12を接続する。
【0047】
以上の製造方法により、図1及び図2に示す半導体装置100が製造される。
【0048】
次に、実施形態の半導体装置の製造方法の作用及び効果について説明する。
【0049】
ボンディングワイヤの信頼性を向上させるために、電極パッドの表面に耐酸化性が高く安定した金を含む金属層を用いる場合がある。しかし、金を含む金属層の下地となる金属層と金を含む金属層の密着性が低下することにより、ボンディング歩留りが低下する場合がある。
【0050】
金を含む金属層の下地となる金属層と金の密着性が低下すると、例えば、電極パッドの表面にボンディングワイヤを接続する際、電極パッドの膜剥がれが生じ、ボンディング不良となる。
【0051】
発明者の検討により、金を含む金属層の下地となるニッケルを含む金属層の表面に自然酸化膜が存在することにより、金を含む金属層の密着性が低下することが明らかになった。
【0052】
実施形態の半導体装置の製造方法は、ニッケルを含む金属層32の形成後に、ニッケルを含む金属層32に対し、1重量%未満の濃度の希釈塩酸で第1の洗浄処理を行う。第1の洗浄処理により、ニッケルを含む金属層32の表面に形成された自然酸化膜を除去する。
【0053】
したがって、ニッケルを含む金属層32とパラジウムを含む金属層34との間の密着性が向上する。結果的に金を含む金属層36の密着性が向上する。
【0054】
第1の洗浄処理の希釈塩酸の塩酸濃度は、0.01重量%以上1重量%未満であることが好ましく、0.01重量%以上0.8重量%以下であることがより好ましく、0.1重量%以上0.5重量%以下であることが更に好ましく、0.1重量%以上0.3重量%以下であることが最も好ましい。上記範囲を充足することにより、自然酸化膜の除去効率が向上する。
【0055】
第1の洗浄処理の希釈塩酸の塩酸濃度が1重量%を超えると、希釈塩酸の中の活性酸素量が増大し、第1の洗浄処理中に、ニッケルを含む金属層32の表面の酸化が進行する。したがって、第1の洗浄処理の希釈塩酸の塩酸濃度が1重量%を超えることは好ましくない。
【0056】
第1の洗浄処理の時間は、20秒以上120秒以下であることが好ましい。上記範囲を充足することにより、自然酸化膜の除去効率が向上する。
【0057】
以上、実施形態の半導体装置の製造方法によれば、電極パッドの金を含む金属層の密着性が向上する。したがって、密着性の高い金属積層構造を有する半導体装置の製造方法が実現される。よって、ボンディング歩留りの高い半導体装置が実現できる。
【0058】
実施形態では、第1の金属層が銅を含む金属層30である場合を例に説明したが、第1の金属層は、その他の金属を含む金属層、例えば、アルミニウムを含む金属層であっても構わない。
【0059】
実施形態では、第4の金属層がパラジウムを含む金属層34である場合を例に説明したが、第4の金属層は、その他の金属を含む金属層、例えば、白金を含む金属層であっても構わない。
【0060】
実施形態では、金を含む金属層36の上にボンディングワイヤを接続する場合を例に説明したが、例えば、金を含む金属層36の上に、その他の接続用部材、例えば、はんだボールなどが接続される場合にも、本発明を適用することが可能である。
【0061】
実施形態では、第1乃至第4の金属層の形成を電界めっき法でおこなう場合を例に説明したが、無電界めっき法でおこなっても構わない。また、めっき法以外の方法、例えばスパッタリング法、蒸着法等でおこなうことも考えられる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
12 ボンディングワイヤ
30 銅を含む金属層(第1の金属層)
32 ニッケルを含む金属層(第2の金属層)
34 パラジウムを含む金属層(第4の金属層)
36 金を含む金属層(第3の金属層)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9