【文献】
3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Univ,3GPP TS 36.331,V13.1.0,[検索日 2017.05.27], インターネット <URL: http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.331/36331-d10.zip>,2016年04月01日,p.30-35, p.106-116, p.189, p.191, p.209,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.331/36331-d10.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受信部は、RRC Connected状態である場合、前記測定帯域情報を、RRCメッセージを介して前記基地局から受信し、RRC Idle状態である場合、前記測定帯域情報を、報知情報を介して前記基地局から受信する、請求項1又は2に記載の端末。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態に係る無線通信システムはLTE(5Gを含む)に準拠した方式のシステムを想定しているが、本発明はLTE(5Gを含む)に限定されるわけではなく、他の方式にも適用可能である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、12、13、又はリリース14以降に対応する第5世代の通信方式も含む広い意味で使用する。
【0015】
<システム構成>
図2は、実施の形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る無線通信システムは、基地局eNBとユーザ装置UEを含む。
図2には、基地局eNBとユーザ装置UEが1つずつ示されているが、これは例であり、それぞれ複数あってもよい。
【0016】
基地局eNB及びユーザ装置UEは、LTE及び5GのNewRAT(NR)の両方をサポートしていてもよいし、5GのNewRAT(NR)のみをサポートしていてもよいし、LTEのみをサポートしていてもよい。
【0017】
<処理手順>
図3は、実施の形態に係る無線通信システムが行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0018】
ステップS11で、基地局eNBは、受信品質を測定する周波数範囲を指示する測定帯域情報(以下、「測定帯域情報」と呼ぶ)をユーザ装置UEに送信する。なお、基地局eNBは、ユーザ装置UEがRRC Connected状態である場合、測定帯域情報をRRCメッセージを用いてユーザ装置UEに送信するようにしてもよい。また、ユーザ装置UEがRRC Idle状態である場合に測定帯域情報を受信可能にするため、測定帯域情報を報知情報を用いて送信(ブロードキャスト)しておくようにしてもよい。
図4に、測定帯域情報の設定例を示す。
図4に示すように、測定帯域情報には任意の周波数範囲を設定可能である。周波数範囲は、RBのインデックスを用いて表現されてもよい。例えば、システム帯域全体に対して予めRB毎にインデックス(例えば、周波数が低い順にRB#0〜RB#100など)が付与されている場合、周波数範囲は、例えばRB#10〜RB#20というように表現されてもよい。
【0019】
なお、周波数範囲はどのように設定されてもよいが、隣接セルからの干渉を適切に測定可能な周波数(
図1で説明した問題が生じない周波数)に設定されるのが望ましい。また、ユーザ装置UEの消費電力を抑えるために、周波数範囲の幅(測定帯域幅)は、ある程度狭い帯域幅に設定されるのが望ましい。
【0020】
ステップS12で、ユーザ装置UEは、基地局eNBから受信した測定帯域情報で指示される周波数範囲でセルの受信品質の測定を行う。なお、受信品質は、RSRQ、RSRP、RSSI、又はSINRであってもよいし、これらの一部又は全部であってもよい。
【0021】
受信品質の測定はどのような方法で行われてもよいが、ユーザ装置UEは、例えば、測定帯域情報で指示される周波数範囲にマッピングされる参照信号又は同期信号のいずれか一方を用いて受信品質の測定を行うようにしてもよい。当該参照信号は、UE固有の参照信号であってもよいし、セル固有の参照信号であってもよい。同様に、当該同期信号は、UE固有の同期信号(SS)であってもよいし、セル固有の同期信号(SS)であってもよい。
【0022】
また、ユーザ装置UEは、RRC Connected状態である場合と、RRC Idle状態である場合とで、受信品質の測定方法を変えるようにしてもよい。例えば、RRC Connected状態である場合、ユーザ装置UEは、UE固有の参照信号又はUE固有の同期信号を用いて受信品質の測定を行い、RRC Idle状態である場合、ユーザ装置UEは、セル固有の参照信号又はセル固有の同期信号を用いて受信品質の測定を行うようにしてもよい。
【0023】
ステップS13で、ユーザ装置UEは、受信品質の測定結果を基地局eNBに報告する。
【0024】
以上、実施の形態に係る無線通信システムが行う処理手順について説明した。本処理手順により、隣接セルの干渉を考慮した測定帯域の設定が可能になる。また、システム帯域幅が広い場合であっても、測定帯域幅を抑えることが可能になり、受信品質の測定に伴うユーザ装置UEの消費電力を抑えることが可能になる。
【0025】
なお、ステップS11の処理手順で基地局eNBからユーザ装置UEに送信される測定帯域情報には、
図5に示すように、複数の周波数範囲が設定されていてもよい。この場合、ステップS12の処理手順で、ユーザ装置UEは、複数の周波数範囲の各々について受信品質の測定を行う。なお、ユーザ装置UEは、ステップS13の処理手順で、測定した各々の受信品質を基地局eNBに報告するようにしてもよいし、測定した各々の受信品質の平均値を基地局eNBに報告するようにしてもよい。
図5の例では、サブバンド#1、サブバンド#2、及びサブバンド#3の3つの周波数範囲が設定されており、ユーザ装置UEは、サブバンド#1、サブバンド#2、及びサブバンド#3について受信品質を測定し、測定した受信品質を基地局eNBに報告することになる。
【0026】
これにより、システム帯域が広く、隣接セルの干渉が周波数によって異なるような場合であっても、ユーザ装置UEの消費電力を抑えつつ、受信品質の測定を適切に行うことが可能になる。
【0027】
また、ユーザ装置UEは、アタッチ時などのタイミングで、複数の周波数範囲が設定された測定帯域情報を受信して受信品質の測定を行う能力を有するか否かを示す能力情報(例えば、UE Capability Information)を基地局eNBに送信するようにしてもよい。これにより、基地局eNBは、ユーザ装置UEが能力を有している場合にのみ、複数の周波数範囲が設定された測定帯域情報をユーザ装置UEに送信することが可能になる。
【0028】
(同期信号及び参照信号について) ステップS12において、同期信号(セル固有の同期信号)及び/又は参照信号(セル固有の参照信号)を用いた受信品質の測定を、RRC Idle状態のユーザ装置UEに実行させるために、基地局eNBは、測定帯域情報で指示する測定帯域で、予め同期信号及び/又は参照信号を送信しておく必要がある。しかしながら、従来のLTEの規定では、同期信号はシステム帯域内の中心の6RBで送信されることが固定的に規定されている。従って、本実施の形態を実現するためには、基地局eNBが、品質測定に用いられる同期信号及び参照信号をシステム帯域内の任意の帯域で送信可能にする仕組みが必要になる。
【0029】
[同期信号について]
本実施の形態では、基地局eNBは、
図6に示すように、同期信号をシステム帯域内の任意の帯域で送信するとともに、同期信号と同一の帯域又は所定のオフセット分ずれた帯域で、キャリアの中心周波数及び/又はシステム帯域幅を含む報知情報(Master Information Block(MIB))を送信しておく。所定のオフセットは、予め標準仕様で定められていてもよい。また、同期信号の信号系列とオフセット値との対応関係を予め標準仕様で定めておき、ユーザ装置UEは、受信した同期信号の信号系列からオフセット値を認識するようにしてもよい。
【0030】
基地局eNBは、より具体的には、システム帯域幅を示す情報を、Physical Broadcast Channel(PBCH)で送信されるMIBに含めて送信し、キャリアの中心周波数を示す情報を、Physical Downlink Shared Channel(PDSCH)で送信されるSystem Information Block(SIB)(例えばSIB1)に含めて送信するようにしてもよい。若しくは、基地局eNBは、キャリアの中心周波数を示す情報をMIBに含めて送信し、システム帯域幅を示す情報をSIB(例えばSIB1)に含めて送信するようにしてもよい。また、基地局eNBは、システム帯域幅を示す情報及びキャリアの中心周波数を示す情報を、MIBに含めて送信するようにしてもよい。なお、SIBが送信される無線リソースの位置(時間リソース及び周波数リソース)を示す情報は、MIBに含まれている。
【0031】
基地局eNBは、同期信号を、従来のLTEと同様に6PRBで送信するようにしてもよいし、これに限定されず、6PRB以外の帯域幅で送信するようにしてもよい。
【0032】
これにより、ユーザ装置UEは、セルサーチにより同期信号を検出した後、報知情報を受信することで、キャリアの中心周波数とシステム帯域幅とを認識することが可能になる。また、ユーザ装置UEは、同期信号がシステム帯域のうちどの位置に存在するのかを認識することが可能になる。
【0033】
[参照信号について]
基地局eNBは、ユーザ装置UEが受信品質の測定に用いる参照信号(例えばCRS(Cell Specific Reference Signal)を、同期信号と同一帯域で時間多重して送信するようにしてもよい。
図7Aに、同期信号と参照信号とが同一帯域で時間多重されて送信される様子を示す。また、
図7Bに、同期信号と参照信号とが時間多重される際のリソースマッピングの一例を示す。同期信号が送信されるスロット内で参照信号が送信されるシンボル(又はリソースエレメント)は、予め標準仕様等で定められていてもよいし、同期信号の系列に基づき一意に決定されるようにしてもよい。
【0034】
また、基地局eNBは、ユーザ装置UEが受信品質の測定に用いる参照信号を、同期信号とは異なる帯域で送信するようにしてもよい。
図8に、同期信号と3つの参照信号とが、それぞれ異なる帯域で送信される様子を示す。基地局eNBは、各参照信号が送信される帯域(周波数リソース)を示す情報をMIBに含めて送信するようにしてもよいし、SIB(例えばSIB1)に含めて送信するようにしてもよい。また、参照信号が送信されるシンボル(又はリソースエレメント)は、予め標準仕様等で定められていてもよいし、同期信号の系列に基づき一意に決定されるようにしてもよい。これにより、ユーザ装置UEは、セルサーチにより同期信号を検出した後、報知情報を受信することで、受信品質の測定に用いる参照信号が送信されるリソースを認識することができる。
【0035】
また、セル再選択(Cell reselection)を行うユーザ装置UEが、各参照信号が送信されるリソースを認識できるようにするため、基地局eNBは、更に、再選択先のセルにおいて各参照信号が送信される帯域(周波数リソース)を示す情報を、特定のSIB(例えばSIB3及びSIB5)に含めて送信するようにしてもよい。また、再選択先のセルにおいて参照信号が送信されるシンボル(又はリソースエレメント)は、予め標準仕様等で定められていてもよいし、同期信号の系列に基づき一意に決定されるようにしてもよい。ユーザ装置UEは、特定のSIBで当該情報を受信することで、再選択先のセルで、受信品質の測定に用いるべき参照信号が送信されるリソースを認識することができる。
【0036】
(ビームフォーミングが行われる場合の受信品質の測定方法について)
5Gでは、従来のLTEで用いられる周波数よりも高い周波数帯(例えば6GHz以上)が用いられることが想定されている。高い周波数帯が用いられると一般的にはカバレッジが狭くなる。そこで、3GPPでは、セル内で複数の狭いビームを送信するとともに、ビーム方向を時間の経過に従って順次切替えることで、360度のエリア全体でカバレッジを確保する、ビームスイーピング(Beam sweeping)と呼ばれる技術が提案されている。例えば、
図9の例では、基地局から右方向に複数の狭いビーム(Narrow beam)で信号が送信されている。基地局は、当該複数の狭いビームの送信方向を、時間の経過に従って、上方向、左方向、下方向といったように順次切り替えることで、360度全体で信号を送信する。ビーム送信方向を切替える時間間隔について、例えば、1サブフレーム(LTEでは1ms)内で、360度全体に信号が送信されるようにビーム送信方向を切替えることが提案されている。
【0037】
ここで、従来のLTEでは、待ち受け状態(RRC Idle Mode)のユーザ装置UEは、自身の状態遷移に応じて、セル選択又はセル再選択を行う。セル選択とは、所定の周波数をスキャンすることで発見されたセルのうち、セル選択基準(Cell selection criterion S)を満たすセルの中から受信品質が最も高いセル(最強セル:Strongest cell)を選択することである。セル選択基準は、3GPP仕様書(非特許文献1)によれば、以下に示す式1で定義される。また、式1で用いられるSrxlevは式2で定義され、Squalは式3で定義される。
【0038】
Srxlev > 0 AND Squal > 0 (式1)
Srxlev = Q
rxlevmeas - (Q
rxlevmin + Q
rxlevminoffset) - Pcompensation - Q
offsettemp (式2)
Squal = Q
qualmeas - (Q
qualmin + Q
qualminoffset) - Q
offsettemp (式3)
Srxlevは、受信レベルの値(RX level value)である。Squalは、受信品質の値(quality value)である。Q
rxlevmeasは、測定したセルの受信レベル(RSRP)の値である。Q
qualmeasは、測定したセルの受信品質(RSRQ)の値である。Q
rxlevminは、要求される受信レベルの最小値である。Q
qualminは、要求される受信品質の最小値である。Q
rxlevminoffset、Q
qualminoffset及びQ
offsettempは、それぞれ所定のオフセット値である。Pcompensationは、ユーザ装置UEの上り送信電力に関する補正値である。
【0039】
セル再選択とは、所定の周波数をスキャンすることで発見されたセルのうち、上述のセル選択基準(Cell selection criterion S)を満たすセルを、セルランキング基準(Cell ranking criterion R)を用いて順位づけし、最もランクの高いセル(ベストセル:best cell)を選択することである。セルランキング基準は、3GPP仕様書(非特許文献1)によれば、以下に示す式4及び式5で定義される。なお、式4はサービングセル、式5は隣接セルに適用される。
【0040】
R
s = Q
meas,s + Q
Hyst - Q
offsettemp (式4)
R
n = Q
meas,n - Q
offset - Q
offsettemp (式5)
Q
measは、RSRPの値である。より具体的には、Q
meas,sは、サービングセルのRSRPの値であり、Q
meas,nは隣接セルのRSRPの値である。Q
Hyst及びQ
offsettempはそれぞれ所定のオフセット値である。
【0041】
上述したビームスイーピングが行われる場合、同一の基地局eNBから複数のビームが送信されることになる。ここで、基地局eNBは、
図9に示すように、複数のビームの各々で、同一のセルID(PCI:Physical cell id)を用いて同期信号(セル固有の同期信号)及び参照信号(セル固有の参照信号)を送信することが想定される。また、基地局eNBは、報知情報(MIB、SIB)についても、複数のビームの各々で同一の情報が送信することが想定される。この場合、従来のLTEの仕組みに従うと、複数のビームを受信したユーザ装置UEは、同一のセルIDを有するセルが複数存在しているものと誤認識する可能性がある。
【0042】
そこで、ユーザ装置UEは、測定対象のセルにおいて、同一のセルIDを有する複数のビームを受信した場合、複数のビームの中で送信される信号(同期信号又は参照信号)を測定し、測定した各ビームの受信品質のうち最も高い受信品質(例えば、RSRP/RSRQ/RS−SINR/その他の測定指標)を、測定対象のセルの受信品質とみなすようにしてもよい。
【0043】
この場合、上述の式2及び式3において、Q
rxlevmeasは、測定したセルの中で(又は同一のセルIDを有するビームの中で)、最も受信レベル(RSRP)の高いビームの受信レベル(RSRP)の値と規定されてもよい。また、Q
qualmeasは、測定したセルの中で(又は同一のセルIDを有するビームの中で)、最も受信品質(RSRQ)の高いビームの受信品質(RSRQ)の値と規定されてもよい。また、上述の式4及び式5において、Q
measは、測定したセルの中で(又は同一のセルIDを有するビームの中で)、最も受信レベル(RSRP)の高いビームの受信レベル(RSRP)の値と規定されてもよい。
【0044】
また、他の方法として、ユーザ装置UEは、測定対象のセルにおいて、同一のセルIDを有する複数のビームを受信した場合、複数のビームの中で送信される信号(同期信号又は参照信号)を測定し、測定した各ビームの受信品質(例えば、RSRP/RSRQ/RS−SINR/その他の測定指標)の平均値を、測定対象のセルの受信品質とみなすようにしてもよい。
【0045】
この場合、上述の式2及び式3において、Q
rxlevmeasは、測定したセルの中で(又は同一のセルIDを有するビームの中で)、各ビームの受信レベル(RSRP)の平均値と規定されてもよい。また、Q
qualmeasは、測定したセルの中で(又は同一のセルIDを有するビームの中で)、各ビームの受信品質(RSRQ)の平均値と規定されてもよい。また、上述の式4及び式5において、Q
measは、測定したセルの中で(又は同一のセルIDを有するビームの中で)、各ビームの受信レベル(RSRP)の平均値と規定されてもよい。
【0046】
なお、以上の説明において、セルIDを、ECGI(Evolved Cell Global Identifier)に置き換えてもよい。また、式1〜式5において、RSRP及びRSRQのいずれか一方又は両方に代えて、RS−SINR又はその他の測定指標を用いるようにしてもよい。
【0047】
以上の説明において、「ビーム」は、「プリコードされた信号」と称されてもよいし、特定のアンテナポートから送信される信号」と称されてもよい。なお、アンテナポートは、3GPPで規定されている論理的なアンテナポートを意味する。また、特定のアンテナポートは、例えば、ビームスイーピングを行うために規定されるアンテナポートであってもよい。
【0048】
以上説明した測定方法によれば、ビームスイーピングが行われる場合であっても、受信品質の測定を適切に行うことが可能になる。
【0049】
<機能構成>
以下、本発明の実施の形態の動作を実行するユーザ装置UEの機能構成例を説明する。
【0050】
(ユーザ装置)
図10は、実施の形態に係るユーザ装置の機能構成の一例を示す図である。
図10に示すように、ユーザ装置UEは、信号送信部101、信号受信部102、記憶部103、及び測定部104を備える。なお、
図10は、ユーザ装置UEにおいて本発明に特に関連する機能部のみを示すものであり、ユーザ装置UEは、少なくともLTE(5Gを含む)に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。
【0051】
信号送信部101は、ユーザ装置UEから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部102は、基地局eNBから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。また、信号受信部102は、システム帯域幅のうち、受信品質を測定する周波数範囲を指示する測定帯域情報を、基地局eNBから受信し、受信した測定帯域情報を記憶部103に格納する。なお、測定帯域情報には、複数の周波数範囲が含まれていてもよい。また、信号受信部102は、RRC Connected状態である場合、測定帯域情報を、RRCメッセージを介して基地局eNBから受信し、RRC Idle状態である場合、測定帯域情報を、報知情報を介して基地局eNBから受信するようにしてもよい。
【0052】
記憶部103は、基地局eNBから受信した測定帯域情報を記憶する機能を有する。
【0053】
測定部104は、測定帯域情報で指示される周波数範囲で受信品質の測定を行う機能を有する。また、測定部104は、測定帯域情報で指示される周波数範囲にマッピングされる参照信号又は同期信号のいずれか一方を用いて受信品質の測定を行うようにしてもよい。また、測定部104は、測定帯域情報で指示される周波数範囲において、複数のビーム(特定のアンテナポート)から送信される信号の各々が受信され、かつ、受信された信号の各々に含まれるセルIDが同一である場合、セルIDが同一である信号のうち受信品質が高い信号を、測定された受信品質とみなすようにしてもよい。
【0054】
(基地局)
図11は、実施の形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。
図11に示すように、基地局eNBは、信号送信部201、信号受信部202、及び通知部203を備える。なお、
図11は、基地局eNBにおいて本発明に特に関連する機能部のみを示すものであり、基地局eNBは、少なくともLTE(5Gを含む)に準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。
【0055】
信号送信部201は、基地局eNBから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部202は、ユーザ装置UEから各種の無線信号を受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。また、信号送信部201は、システム帯域のうち、測定帯域情報で指示される周波数範囲で同期信号を送信するとともに、システム帯域幅を示す情報及び/又はキャリアの中心周波数を示す情報を含むMIBを送信する機能を含む。また、信号送信部201は、システム帯域のうち、測定帯域情報で指示される周波数範囲で同期信号を送信するとともに、システム帯域幅を示す情報を含むMIBとキャリアの中心周波数を示す情報を含むSIBとを送信するようにしてもよい。また、信号送信部201は、システム帯域のうち、測定帯域情報で指示される周波数範囲で同期信号を送信するとともに、キャリアの中心周波数を示す情報を含むMIBとシステム帯域幅を示す情報を含むSIBとを送信するようにしてもよい。
【0056】
通知部203は、システム帯域幅のうち、ユーザ装置UEに受信品質を測定させる周波数範囲を指示する測定帯域情報を、ユーザ装置UEに通知する機能を含む。
【0057】
<ハードウェア構成>
上記実施の形態の説明に用いたブロック図(
図10及び
図11)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0058】
例えば、実施の形態におけるユーザ装置UE及び基地局eNBは、本発明の測定方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図12は、実施の形態に係るユーザ装置及び基地局のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のユーザ装置UE及び基地局eNBは、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0059】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ装置UE及び基地局eNBのハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0060】
ユーザ装置UE及び基地局eNBにおける各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0061】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、ユーザ装置UEの信号送信部101、信号受信部102、記憶部103、及び測定部104、基地局eNBの信号送信部201、信号受信部202、及び通知部203は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0062】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ装置UEの信号送信部101、信号受信部102、記憶部103、及び測定部104、基地局eNBの信号送信部201、信号受信部202、及び通知部203は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0063】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、実施の形態に係る測定方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0064】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD−ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0065】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、ユーザ装置UEの信号送信部101、及び、信号受信部102、基地局eNBの信号送信部201、及び、信号受信部202は、通信装置1004で実現されてもよい。
【0066】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0067】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0068】
また、ユーザ装置UE及び基地局eNBは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0069】
<まとめ>
以上、実施の形態によれば、基地局及びユーザ装置を有する無線通信システムにおけるユーザ装置であって、システム帯域幅のうち、受信品質を測定する周波数範囲を指示する測定帯域情報を、前記基地局から受信する受信部と、前記測定帯域情報で指示される前記周波数範囲で受信品質の測定を行う測定部と、を有するユーザ装置が提供される。このユーザ装置UEによれば、受信品質の測定方法を、当該ユーザ装置において柔軟に設定することが可能であり、従って、セル毎に隣接セルの干渉を的確に測定することが可能となる。
【0070】
また、前記測定帯域情報には、複数の周波数範囲が含まれるようにしてもよい。これにより、システム帯域が広く、隣接セルの干渉が周波数によって異なるような場合であっても、ユーザ装置UEの消費電力を抑えつつ、受信品質の測定を適切に行うことが可能になる。
【0071】
また、前記受信部は、RRC Connected状態である場合、前記測定帯域情報を、RRCメッセージを介して前記基地局から受信し、RRC Idle状態である場合、前記測定帯域情報を、報知情報を介して前記基地局から受信するようにしてもよい。これにより、ユーザ装置UEは、RRCの状態に応じて、測定帯域情報の取得方法を変更することが可能になる。
【0072】
また、前記測定部は、前記測定帯域情報で指示される周波数範囲にマッピングされる参照信号又は同期信号のいずれか一方を用いて受信品質の測定を行うようにしてもよい。これにより、ユーザ装置UEは、参照信号又は同期信号を用いて受信品質の測定を行うことが可能になる。
【0073】
また、前記測定部は、前記測定帯域情報で指示される周波数範囲において、複数の特定のアンテナポートから送信される信号の各々が受信され、かつ、受信された信号の各々に含まれるセルIDが同一である場合、セルIDが同一である信号のうち受信品質が高い信号を、測定された受信品質とみなすようにしてもよい。これにより、ユーザ装置UEは、ビームスイーピングが行われる場合であっても、受信品質の測定を適切に行うことが可能になる。
【0074】
また、実施の形態によれば、基地局及びユーザ装置を有する無線通信システムにおける基地局であって、システム帯域幅のうち、前記ユーザ装置に受信品質を測定させる周波数範囲を指示する測定帯域情報を、前記ユーザ装置に通知する通知部と、前記周波数範囲で同期信号を送信するとともに、前記システム帯域幅を示す情報又はキャリアの中心周波数を示す情報を含むMaster Information Block、MIB、を送信する送信部と、を有し、前記送信部は、前記MIBを、前記周波数範囲と同一の周波数範囲、又は、前記周波数範囲から所定のオフセット分ずれた周波数範囲で送信する、基地局が提供される。この基地局eNBにより、受信品質の測定方法を、ユーザ装置において柔軟に設定することが可能となり、従って、セル毎に隣接セルの干渉を的確に測定することが可能となる。
【0075】
また、実施の形態によれば、基地局及びユーザ装置を有する無線通信システムにおけるユーザ装置が実行する測定方法であって、システム帯域幅のうち、受信品質を測定する周波数範囲を指示する測定帯域情報を、前記基地局から受信するステップと、前記測定帯域情報で指示される前記周波数範囲で受信品質の測定を行うステップと、を有する測定方法が提供される。この測定方法により、受信品質の測定方法を、ユーザ装置において柔軟に設定することが可能となり、従って、セル毎に隣接セルの干渉を的確に測定することが可能となる。
【0076】
<実施形態の補足>
基地局eNBは、当業者によって、NodeB(NB)、基地局、ベースステーション(Base Station)、gNB、またはいくつかの他の適切な用語で称されてもよい。
【0077】
測定帯域情報の送信は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、測定帯域情報の送信は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI))、Medium Access Control(MAC)シグナリング、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCメッセージは、RRCシグナリングと0呼ばれてもよい。また、RRCメッセージは、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0078】
本明細書で説明した実施の形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE−A)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、Future Radio Access(FRA)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0079】
判定又は判断は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0080】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナル)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。
【0081】
UEは、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0082】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0083】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0084】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0085】
本明細書で説明した実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0086】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0087】
所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0088】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0089】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0090】
本国際特許出願は2016年5月12日に出願した日本国特許出願第2016−096524号及び2016年9月29日に出願した日本国特許出願2016−192351号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2016−096524号及び日本国特許出願第2016−192351号の全内容を本願に援用する。