特許第6937304号(P6937304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6937304シート材料及びそれを含むパンチングテープ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937304
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】シート材料及びそれを含むパンチングテープ
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20210909BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20210909BHJP
   B32B 5/02 20060101ALI20210909BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20210909BHJP
   C08K 7/02 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
   C08J5/04
   C08J5/18
   B32B5/02 Z
   C08L101/00
   C08K7/02
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-530818(P2018-530818)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公表番号】特表2019-501996(P2019-501996A)
(43)【公表日】2019年1月24日
(86)【国際出願番号】EP2016080863
(87)【国際公開番号】WO2017102768
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年12月12日
(31)【優先権主張番号】15199830.9
(32)【優先日】2015年12月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591270796
【氏名又は名称】ハバシット アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・レーマン
(72)【発明者】
【氏名】ローラント・トレシュ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・テイラー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ニーダーベルガー
(72)【発明者】
【氏名】アントン・ハイマン
(72)【発明者】
【氏名】ブレント・ホワイトヘッド
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル・ライト
【審査官】 松浦 裕介
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−537050(JP,A)
【文献】 特開平03−167240(JP,A)
【文献】 特開昭62−193824(JP,A)
【文献】 英国特許出願公告第1311622(GB,A)
【文献】 米国特許第3719113(US,A)
【文献】 米国特許第4192494(US,A)
【文献】 国際公開第2007/025782(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B29B 11/16
B29B 15/08 − 15/14
B32B 1/00 − 43/00
C08J 5/04 − 5/10
C08J 5/24
C08J 5/00 − 5/02
C08J 5/12 − 5/22
C08K 3/00 − 13/08
C08L 1/00 − 101/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上層としての
a)ランダム配向繊維10〜50重量%、及び
b)熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマー90〜50重量%
から実質的になる混合物からなるシート材料(1)であって、
該重量%は、該混合物を基準とし
該シート材料(1)は、室温でショアD硬度40〜60を有し、
前記混合物において前記繊維a)が熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)に均一に分布していることを特徴とする、シート材料(1)、並びに、
下にある牽引層(4)
を含む、パンチングテープ(2)
【請求項2】
シート材料(1)は、実質的にゼロの残留ガス含有量を有することを特徴とする、請求項1に記載のパンチングテープ
【請求項3】
前記繊維a)が有機繊維であることを特徴とする、請求項1または2に記載のパンチングテープ
【請求項4】
前記有機繊維が天然繊維であることを特徴とする、請求項3に記載のパンチングテープ
【請求項5】
前記天然繊維が、セルロース、麻、亜麻、ラミー、サイザル、綿、及びジュートからなる群から選択される植物性繊維であるか、又はウール及びシルクからなる群から選択される動物性繊維であることを特徴とする、請求項4に記載のパンチングテープ
【請求項6】
前記有機繊維が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリオレフィン系繊維、アラミド及び合成セルロース誘導体からなる群から選択される合成繊維、又は二成分繊維であることを特徴とする、請求項3に記載のパンチングテープ
【請求項7】
前記合成繊維が、PET、PBT、ナイロン、ポリアクリルニトリル、アラミド、ポリエチレン若しくはポリプロピレンであるか、又は二成分繊維であることを特徴とする、請求項6に記載のパンチングテープ
【請求項8】
前記繊維が、ガラス、アスベスト及び炭素からなる群から選択される無機繊維であるか、又は金属繊維であることを特徴とする、請求項1または2に記載のパンチングテープ
【請求項9】
前記繊維の長さが15〜150mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のパンチングテープ
【請求項10】
前記混合物は、i)スチレンブロックコポリマー、ii)熱可塑性(コ)ポリオレフィン及びそれらの混合物、iii)エラストマーアロイ、iv)熱可塑性ポリウレタン、v)熱可塑性コポリエステル並びにvi)熱可塑性ポリアミドからなる群から選択される熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマー50〜90重量%を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のパンチングテープ
【請求項11】
前記熱可塑性物質がPVCであるか、又は前記熱可塑性エラストマーがTPUであることを特徴とする、請求項10に記載のパンチングテープ
【請求項12】
i)2つの層状複合体(7)を提供する工程、ここで各層状複合体(7)は、繊維のランダムな配向を有する予め組み立てられたシート状繊維層からなる上層(73)と、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーのシートからなる下層(71)と、該下層(71)の該熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーが含浸した該上層(73)の繊維からなる任意の中間層(72)とを含むか又はそれらからなり、該下層(71)及び任意の該中間層(72)における該熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーは85〜100の範囲のショアA硬度を有し、層状複合材料の90〜50重量%を構成し、該上層(73)及び任意の該中間層(72)における該繊維は該層状複合体の10〜50重量%を構成する、
ii)2つの層状複合体(7)を、下層(71)が互いに接触し、上層(73)が互いに外方を向くように、互いに重ね合わせる工程、及び
iii)熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーが融解して2つの上層(73)に浸透する温度で、熱及び圧力により2つの層状複合体(7)を共に結合させて、本発明のシート材料を形成する工程
を含む、請求項1〜11のいずれかに記載のパンチングテープ(2)の上層としてのシート材料(1)の製造方法。
【請求項13】
)請求項1〜11のいずれかに記載のパンチングテープ(2)の上層としてのシート材料(1)上に、シート材料又は上層がシート状の被加工品のために支持体として作用するようにシート状の被加工品を配置する工程、及び
b1)パンチを使用してシート状の被加工品からセクションを打ち抜く工程、又は
b2)ナイフ又はブレードを使用してシート状の被加工品からセクションを切断する工程
を含む、シート状の被加工品からセクションを打ち抜く又は切断する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、欧州特許出願第15199830.9号の優先権を主張する。PCT規則20.5の目的のために、この優先権の出願の全内容は、参照により本出願へ含まれるものとする。
【0002】
本発明は、シート状製品のスタンピングにおける支持体として適しており、パンチングテープとして又はそのパンチングテープにおける搬送及び作業の層として適しており、他の切断用途における耐切断性の支持体としても適している、シート材料に関する。
【背景技術】
【0003】
パンチング又はスタンピング装置では、コンベアベルトを使用して、スタンピングするシート状製品をスタンピングブレードに搬送する。コンベアベルトは、同時に、シート状製品又はシート材料のスタンピング又は打ち抜きの際の支持体又はアンビルとしても役立つ。このようなコンベアベルトは、一般に「パンチングテープ」と称する。このようなパンチングテープは、一般に、通常のコンベアベルトと同じ成分で形作られるが、スタンピング又は打ち抜きの際に支持体又はアンビルとして作用するカバー層は、耐水性の高い材料、通常ポリウレタンからなる。
【0004】
GB 1 311 622は、布の3つが重なった層と、ベルトの外表面に設けられている、厚さ3mmのナイロンのような耐摩耗性材料のコーティングとで構成されるパンチングベルトを使用してブランクを打ち抜くための装置を開示している。これらの布は、当業者により「織られた」布として理解されるであろう。図2は「布19及び21」における緯糸フィラメントの断面及び「布20」における経糸フィラメントの断面を示す。
【0005】
US5,699,707は、無端状のエンドレスコンベア36上にあり、微多孔質焼結プラスチックビーズ又はラテックスを浸透させた長網セルロースウェブのいずれかで作製された無端状の微多孔質支持ベルト56を含む、軟質シート材料を切断する切断機を開示している。微多孔質支持ベルトが焼結プラスチックビーズから作製されている場合、微多孔質支持ベルトには繊維がない。他方、微多孔質支持ベルトがラテックスを浸透させた長網セルロースウェブから製造される場合、その中の主成分、例えば80〜95重量%はセルロース繊維であり、ラテックスはゴム状の架橋プラスチックである。
【0006】
GB 2 458 687には、紙を切断又は穴をあけるための回転式穴開け器又はカッターが記載されている。穴開け端を有する回転シリンダは、「アンビルベルト」に対して切断中に作用し、「アンビルベルト」は、例えば、ポリウレタンで作製されていてもよい、すなわち繊維がない弾性表面を有する。
【0007】
US6,233,989には、支持ダイとスタンピングされる金属シートとの間に配置された緩衝パッドを有する、金属シートをスタンピングするための装置が記載されている。緩衝パッドは、圧縮可能な材料、「ニトリル」(すなわちニトリルゴム)、「ネオプレン」(すなわちクロロプレンゴム)又は「SBR」(すなわちスチレン−ブタジエンゴム)バインダー、つまり架橋ゴムであってもよいバインダーにより結合されている、例えば、ポリエステル、アラミド、及び紙繊維のような植物由来又はポリマーの繊維で作製されている。スタンピングは、緩衝パッドを切断するか、又は再使用のために切断されていないパッドが必要である場合には、緩衝パッドを切断することなく、行ってもよい。
【0008】
US4,419,913は、ウェブ材料のパターンを切断するための方法及び装置を開示しており、パターン材料のウェブは、空気の通過を可能とし垂直弾性を有するフリースのような粗い表面を有する柔軟性材料の対応するウェブ上に置かれる。この柔軟性材料のウェブは、見た目には、プラスチックマトリックスがないきれいなフリースである。
【0009】
本出願人は、本出願時に、牽引層(traction layer)及び1つ又は2つの含浸不織布を含むベルトを市販していた。そのようなベルトの一例は、タイプコードUM220SC−Bを有していた。このベルトは、とりわけ打ち抜き又はスタンピングのベルトとして適していることが示された。2つの含浸不織布は、繊維を主成分として含む。一方、出願人が市販しているタイプコードXVT−2197及びXVT−2249の専用パンチングベルトは、含浸織物ポリアミド布を含んでいた。
【0010】
US2004/168757には、強度を増加させるために、任意に引き延ばされた又は繊維形成された添加材料が未知の量で添加されてもよい、熱可塑性材料の継ぎ目のないベルトが記載されている。
【0011】
EP 0 638 414には、熱溶融性ポリマー粒子及び補強繊維の水性スラリーが形成され、該スラリーは脱水され、例えば、抄紙機上に脱水マットを形成し、脱水マットを乾燥させた後、乾燥マットに熱と圧力を加えて熱可塑性樹脂を溶融させる、熱可塑性基材の製造方法が記載されている。複合基材中のポリマーの量は、20〜90%、好ましくは30〜70%である。補強材料の量は、一般に10〜80%、好ましくは30〜70%である。
【0012】
慣習的に「スタンパブルシート」と称される熱可塑性物質の繊維補強層からなる硬質シート材料は、自動車産業における自動車部品又はエレクトロニクス産業におけるプリント基板のスタンピング及び成形に使用されている。成形及びスタンピングは高温で行われる。このようなスタンパブルシート及びその用途の説明については、例としてUS5,165,990が参照される。
【0013】
US5,316,834には、熱可塑性含浸織物又は編物の第1層及び熱可塑性含浸不織布の第2層からなる2層のスタンパブルシートが記載されている。第2層の不織布中の繊維は実質的に均一に分布しており、不織布は更にニードル加工されていてもよく、例えば、ウォータージェットニードリングが施された捲縮メタタイプのアラミド繊維のウェブであってもよい。このスタンパブルシートは、250〜300°Cでシリンダーのような製品に成形できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】GB 1 311 622
【特許文献2】US5,699,707
【特許文献3】GB 2 458 687
【特許文献4】US6,233,989
【特許文献5】US4,419,913
【特許文献6】US2004/168757
【特許文献7】EP 0 638 414
【特許文献8】US5,165,990
【特許文献9】US5,316,834
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上述のタイプのパンチングテープに適した改良されたシート材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
よって、本発明は、以下を提供する。
1.a)ランダム配向繊維10〜50重量%、及び
b)熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマー90〜50重量%
から実質的になる混合物からなるシート材料であって、
該重量%は混合物を基準とし、該シート材料は室温でショアD硬度40〜85、好ましくは40〜60、より好ましくは45〜55を有する、シート材料。
2.前記混合物において前記繊維a)が熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)に均一に分布していることを特徴とする、上記[1]のシート材料。
3.実質的にゼロの残留ガス含有量を有することを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載のシート材料。
4.前記繊維a)が有機繊維であることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のシート材料。
5.前記有機繊維が天然繊維であることを特徴とする、上記[4]に記載のシート材料。
6.前記天然繊維が、セルロース、麻、亜麻、ラミー、サイザル、綿、及びジュートからなる群から選択される植物性繊維であるか、又は、ウール及びシルクからなる群から選択される動物性繊維であることを特徴とする、上記[5]に記載のシート材料。
7.前記有機繊維が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリオレフィン系繊維、アラミド及び合成セルロース誘導体からなる群から選択される合成繊維、又は二成分繊維であることを特徴とする、上記[4]に記載のシート材料。
8.前記合成繊維は、PET、PBT、ナイロン、ポリアクリルニトリル、アラミド、ポリエチレン若しくはポリプロピレンであるか、又は、二成分繊維であることを特徴とする、上記[7]に記載のシート材料。
9.前記繊維は、ガラス、アスベスト及び炭素からなる群から選択される無機繊維であるか、又は、金属繊維であることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のシート材料。
10.前記繊維の長さが15〜150mmの範囲内であることを特徴とする、上記[1]〜[9]のいずれかに記載のシート材料。
11.前記混合物がi)スチレンブロックコポリマー、ii)熱可塑性(コ)ポリオレフィン及びそれらの混合物、iii)エラストマーアロイ、iv)熱可塑性ポリウレタン、v)熱可塑性コポリエステル並びにvi)熱可塑性ポリアミドからなる群から選択される熱可塑性物質又は熱可塑性物質50〜90重量%を含むことを特徴とする、上記[1]〜[10]のいずれかに記載のシート。
12.前記熱可塑性物質がPVCであるか、又は前記熱可塑性エラストマーがTPUであることを特徴とする、上記[11]に記載のシート材料。
13.i)2つの層状複合体を提供する工程、ここで、各層状複合体は、繊維のランダムな配向を有する予め組み立てられたシート状繊維層からなる上層と、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーのシートからなる下層と、下層の熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーが含浸した上層の繊維からなる任意の中間層とを含み又はからなり、下層及び任意の中間層における熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーは、層状複合体の90〜50重量%を構成し、上層及び任意の中間層における繊維は層状複合体の10〜50重量%を構成する、
ii)、2つの層状複合体をそれらの下層が互いに接触し、それらの上層が互いに外方を向くようにするように互いに積み重ねる工程、及び
iii)熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーが溶融して2つの上層に浸透する温度で、熱及び圧力により2つの層状複合体を共に結合させて本発明のシート材料を形成する工程
を含む、上記[1]に記載のシート材料の製造方法。
14.上記[1]〜[12]のいずれかに記載のシート材料及び牽引層を含む、パンチングテープ。
15.a)上記[1]〜[12]のいずれかに記載のシート材料上に、又は上記[14]に記載のパンチングテープの上層としてのシート材料上に、シート材料又はパンチングテープがシート状の被加工品の支持体として作用するようにシート状の被加工品を配置する工程、及び
b1)パンチを使用してシート状の被加工品からセクションを打ち抜く工程、又は
b2)ナイフ又はブレードを使用してシート状の被加工品からセクションを切断する工程、
を含む、シート状の被加工品からセクションを打ち抜く又は切断する方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明のシート材料の好適な製造方法の模式図を示す。
図2図2は、本発明のパンチングテープの透視図を示す。
図3図3は、パンチング試験におけるシート材料の試験のための実験装置の詳細を示す。
図4図4は、パンチング試験におけるシート材料の試験のための実験装置の詳細を示す。
図5図5は、パンチング試験を実施した後の参照シート材料及び本発明のシート材料の表面を示す。
図6図6は、パンチング試験を実施した後の参照シート材料及び本発明のシート材料の表面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
予期せぬことに、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーを主成分とするシート材料の補強材としてランダム配向繊維を使用することにより、パンチング用途における支持体として又はパンチングテープの最上層としてのこのようなシート材料の適合性が有利に影響され、そのようなシート材料又はパンチングテープの耐用年数を増加することができることが判明した。
【0019】
本発明のシート材料は、成分a)及びb)から「実質的になる」混合物からなる。「実質的になる」は、本発明の文脈において、他の名称のない成分が混合物の最大で1重量%を構成することを意味し、ただし、成分a)、b)及び最大で1重量%の他の名称のない成分の合計は、100重量%になることを条件とする。熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)に含まれる任意の可塑剤、染料又は着色剤は、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の重量の一部を形成するとみなされるべきであり、最大で1%の上記の名称のない成分ではない。
【0020】
本発明の第1の本質的な特徴は、成分b)としての繊維が「ランダム配向」であることが必要であり、シート材料の3つの全ての次元において、該繊維が主として又はほぼ完全にランダムな配向を有することを意味する(例えば、その長さ及び幅を、x及びy次元として指定してもよく、シート材料の表面に垂直な方向をz次元として指定してもよい)。
【0021】
本発明の第2の本質的な特徴は、混合物における繊維a)、及び熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の量である。熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの量は、本発明のシート材料上で、まず、その代表試料を、繊維が粒子中に完全に埋め込まれたままでないように十分に小さいサイズの粒子径の粉体に粉砕することにより測定することができる。本発明のシートが更なる層を含む本発明のパンチングテープの上層を形成する場合、粉体への粉砕前にパンチングテープから上層を面取りすることにより、シート材料の代表試料を得てもよい。好ましくは、代表試料は、繊維の半直径(又は半径)より一般的に小さい粒子径に粉砕される。このようにして得られた粉末は、次いで、熱可塑性物質若しくは熱可塑性エラストマー、又は繊維材料も溶解しない、炭化水素溶媒のような不活性溶媒で処理される。溶媒処理は、好ましくは熱及び/又は超音波を伴ってもよい。別の方法として特開2002−307046号公報に記載されているように、例えば、100〜120℃のような高温の蒸気、高圧で粉体を処理する。該処理は、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの断片から繊維断片を分解しなければならない。本発明のシート材料では、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーと繊維との間に実質的に化学結合はなく、また熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーは、通常、繊維材料と化学的に非相溶性であるため、この分解は一般的に可能である。このような処理の後、分離した熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの粒子及び分離した繊維材料の粒子は、物理的手段、例えば、機械的手段;遠心分離、沈降、又は浮上などにより密度の差異に基づいて分離することができ、収集し、乾燥し、秤量することができ、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマー及び本発明のシート材料の代表試料中に最初に存在する各タイプの繊維材料の重量が定量的に得られる。
【0022】
このような絶対重量に基づいて、代表試料の重量を基準とする成分の相対量及びシート材料の単位表面当たりの成分の重量の両方を算出することができる。
【0023】
本発明のシート材料の厚さDは、好ましくは0.3〜5mmの範囲、より好ましくは0.4〜2mmの範囲である。
【0024】
本発明の文脈において、任意の幾何学的に明確に定義されたシート又は層(本発明のシート材料、及び、例えば、その製造において出発物質として使用され得る熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの任意のシートを含む)の厚さDは、シート又は層上で直接測定され、次いで、Dとして指定される。
【0025】
本発明のシート材料がa)及びb)の他に、他の名称のない成分を実質的に含まない場合、出発物質のパラメータを用いてその厚さDは算出され得る。Dは、Dとして指定され、以下のように算出され得る(単位m):
【数1】
式(1)中、
・V/Aは、シート材料の表面単位当たりの完成したシート材料の体積(単位m/m)である。
・V/Aは、シート材料の表面単位当たりのシート材料の製造で使用された全ての熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの体積(単位m/m)である。
・(Dは、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーのk番目の幾何学的に明確に定義されたシートの厚さ(単位m)であり、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーがそのような幾何学的に明確に定義された複数のシートとして本発明のシート材料の製造に採用された際、その総計は、そのようなK個のシート全てにわたり実行される。
・V/Aは、シート材料の表面単位当たりのシート材料の製造に使用された全ての繊維の総体積(単位m/m)である。
・m/A=Wは、製造されたシート材料の表面で使用されるn番目のタイプの繊維の重量、その表面の単位当たりの重量、及び総計は使用されたN種類の全ての繊維(単位g/m)のいずれかであり、又は繊維が複数の予め組み合わされた繊維のシート状層(例えば、不織布)として使用される場合、そのようなn番目の予め組み立てられたシートの単位表面当たりの重量であり、その総計はN個の全ての使用された予備組み立てられたシート(単位g/m)である。
・ρは、使用されたn番目のタイプの繊維の密度(単位g/m)である。
【0026】
本発明の文脈において、上述の繊維の予め組み立てられたシート状層、より具体的には不織布の形態のような、任意の容易に圧縮可能な層の厚さDは、シート状層又は不織布の表面に垂直に作用する0.2バールの定められた圧力の下で、そのシート状層又は不織布の表面上で直接測定される。この圧力は、例えば、測定ゲージ自体により、又はシート状層若しくは不織布を圧縮する追加のダイにより加えられてもよい。そのような0.2バールの圧力下で測定された幾何学的な厚さは以下Dmpと指定される。
【0027】
本発明の文脈において、幾何学的には明確に定義されていない、本質的に非圧縮性のシート又は層、例えば、本発明のパンチングベルトの牽引層として使用される織られた繊維の厚さDは、以下の式
【数2】
を用いてD(単位:m)として近似してもよく、
式(2)中、
・Wは、シート材料又は層の代表試料の単位面積当たりの重量(単位g/m)である。
・ρは、代表試料の平均密度(単位g/m)であるか、
又は、上で概説したように0.2バールの圧力下で直接測定してもよい。
【0028】
本発明のシート材料の好適な第1の特徴は、前記繊維a)が熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーのマトリックス全体に可能な限り均一に分布していることである。このような均一性は、シート材料の断面において長さLの辺を有する任意の想定可能な仮想正方形の領域内にある場合に与えられると考えられる本発明の目的のためであり、常に少なくとも1種の繊維が存在する、ここで、Lは
【数3】
[式中、dは使用された全てのnタイプの繊維の重量平均直径(単位m)であり、Dmp(単位m)は上で定義した通りであり、W(単位g/m)、ρ(単位g/m)及びその合計は、式(1)で定義した通りである]
として決定される。シート材料の前記断面の分析は、典型的には150倍から600倍の倍率で顕微鏡下で行うことができる。
【0029】
本発明の文脈において、シート又は層の「代表試料」は、典型的には、0.25m以上の幾何学的表面を有することができる。
【0030】
本発明のシート材料の第2の好適な特徴は、実質的にゼロの残留ガス含有量を有することである。任意の有意なガスの含有量であっても、本発明のシート材料は、測定された厚さDが上記の式(1)により算出されたDよりも著しく大きくなるように膨潤する。
【0031】
本発明の目的において、「実質的にゼロのガス含有量」は、DがDの最大1.05倍、好ましくはDがDの最大1.03倍、より好ましくはDがDの最大1.01倍であることを意味する。含有される残留ガスの量(単位vol%)は、以下のようにこれらの2つのパラメータから算出され得る。
【数4】
【0032】
本発明のシート材料における繊維の長さは、好ましくは15〜150mmの範囲、より好ましくは30〜100mmの範囲である。これは、全ての繊維の平均長さではなく、各繊維の個々の長さを意味する。従って、実質的に全て、すなわち、少なくとも95%の繊維試料がこのような長さを有することを意味する。
【0033】
例示的な繊維材料は、無機又は有機の繊維である。
【0034】
無機繊維は、ガラス、アスベスト、瀝青及び炭素からなる群から選択されてもよく、又は鋼のような金属繊維であってもよい。
【0035】
有機繊維は、天然又は合成の繊維からなる群から選択されてもよい。天然繊維は、セルロース、麻、亜麻、ラミー、サイザル、綿若しくはジュートのような植物性繊維、又はウール若しくはシルクのような動物性繊維から選択されてもよい。合成繊維は、PET又はPBTのようなポリエステル;ナイロンのようなポリアミド;ポリアクリルニトリル;又はポリプロピレン若しくはポリエチレンのようなポリオレフィン系繊維;アラミド;又はビスコース繊維のような合成セルロース誘導体からなる群から選択されてもよい。合成繊維の例示的な更なる態様は、高融点タイプの繊維及び低融点タイプの繊維を有する二成分繊維、又は高融点コア及び低融点シースを有するコア−シース繊維である。
【0036】
繊維が合成又は無機である場合、繊維は好ましくは典型的には10〜100μmの範囲の直径を有する円筒形状を有する。
【0037】
繊維の力価(titer)は、好ましくは1〜200dtexの範囲、より好ましくは5〜100dtexの範囲である。
【0038】
繊維の最も好ましい態様は、50mm〜100mmの範囲の長さ、及び15μm〜50μmの直径を有する円筒形PET繊維である。
【0039】
繊維は、好ましくは、本発明のシート材料へ組み込む前に、シート状層、例えば、不織布、特にステープル不織布又はスパンレイド不織布の形態でシート状層に予め組み立てられる。そのような予め組み立てられたシート状層は、好ましくは80〜6000g/平方メートル、より好ましくは200〜1000g/平方メートルの範囲の単位表面積当たりの重量を有する。
【0040】
そのようなステープル又はスパンレイド不織布において、繊維の上記の3次元ランダム配向を達成することが特に好都合である。すなわち、予め組み立てられたシート状層の材料が作製される際に、前記x及びyの次元における繊維の最初の実質的に2次元のランダム配向が自動的に達成される。次いで、前記z次元で主に配向された更なる繊維を、通常のニードルパンチング又はハイドロエンタングルメント処理(「スパンレース」とも称されるウォータージェットによる繊維の機械的絡み合い)により、その予め組み立てられたシート状層に導入することができる。これは、繊維のランダム配向を3つのx、y及びzの全ての次元に与える。繊維の上記の好ましい長さの範囲は、主として上記のx及びyの次元に配向された繊維に適用され、一方、主にzの次元に配向された後に導入される繊維は、より短くてもよい。
【0041】
好ましい実施形態では、シート状材料の機械的抵抗性を高めるために、シート状材料における繊維交点同士を接着させる。そのような接着は、カレンダー又は加熱オーブンを使用して、ホットメルト接着剤として上記例示した熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの1つを用いて行ってもよい。あるいは、上記の二成分繊維又はコア−シース繊維を使用する場合、低融点繊維部分又は低融点シースが、それぞれこのようなホットメルト接着剤として機能し、繊維の交点を接着することができる。
【0042】
ランダム配向繊維a)の材料及び熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の両方の材料が融点を定義している場合、ランダム配向繊維a)の材料は好ましくは熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の融点よりも少なくとも20℃高い融点を有する。ランダム配向繊維a)の材料は定義された融点を有するが、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)が溶融範囲を有する場合、ランダム配向繊維a)の材料は、好ましくは熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の溶融範囲の上限境界温度値より少なくとも20°C高い融点を有する。ランダム配向繊維a)材料及び熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の材料の両方が溶融範囲を有する場合、ランダム配向繊維a)の材料の溶融範囲の下限境界温度値は、好ましくは熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の溶融範囲の上限境界温度値より少なくとも20℃高い。溶融範囲の「下限境界温度値」及び「上限境界温度値」は、それぞれ、材料がちょうど溶融し始める温度及び材料が完全に溶融した温度であると理解される。
【0043】
好ましくは前の段落に記載された3つの状況全てにおいて、温度差はより好ましくは少なくとも30℃、更に好ましくは少なくとも40℃である。
【0044】
本発明の完成したシート材料全体は、第3の本質的な特徴として40〜85の範囲、好ましくは40〜60の範囲、より好ましくは45〜55の範囲のショアD硬度を有する。ショアD硬度は室温で、すなわち25℃で測定される。
【0045】
熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の例示的な材料は、慣例的に知られているサブグループi)スチレンブロックコポリマー(TPE−s)、ii)熱可塑性(コ)ポリオレフィン及びそれらの混合物(TPO)、iii)エラストマーアロイ(TPE−v又はTPV)、iv)熱可塑性ポリウレタン(TPU)、v)熱可塑性コポリエステル及びvi)熱可塑性ポリアミドの1種から選択され得る。
【0046】
他方で、より好ましくは、TPU、特に1)芳香族ジイソシアネート(例えば、異性体の2,2’−、2,4’又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)が脂肪族鎖延長剤(例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチルプロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール及び3−メチルペンタン−1,5−ジオールのようなC〜Cジオール、又はジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールのようなグリコールエーテル、及びエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンのようなアミノアルコール)との反応で得られるハードセグメント、並びに2)ソフトセグメントとしての脂肪族ポリエステルポリオール又はポリエーテルポリオールからなるものである。
【0047】
他方、より好ましくは以下からなる群から選択されるTPOである:ii−1)XHC=CH構造のビニルモノマーのホモ−及びコポリマー、ここで、Xは、クロロ、アセトキシ、フェニル及びシアノからなる群から選択され、共重合化されるモノマー(コポリマー用)はエチレン及び/又はプロペンであり;並びにii−2)エチレン−アルファオレフィンコポリマー、ここで、該アルファオレフィンは、好ましくはプロペン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン及び1−オクテンからなる群から選択される。これらTPOのうち、最も好ましくは、ClHC=CH(=PVC)のホモポリマー、CHCOHC=CH及びエチレンのコポリマー(=EVA)、並びにエチレン−1−オクタンコポリマーである。
【0048】
本発明のシート材料を形成するマトリックスは、1種類の熱可塑性物質のみを含むか、又は1種類の熱可塑性エラストマーのみを含むことが好ましい。
【0049】
最も好ましくは、熱可塑性物質がPVCであるか、又は熱可塑性エラストマーがTPUである。
【0050】
出発材料として使用された熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーは、好ましくは85〜100、より好ましくは85〜95の範囲のショアA硬度を有する。熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの柔軟性(flexibility)及び/又は柔軟性(softness)は、慣例的でかつ相溶性のある可塑剤を添加することにより予め高められてもよい。
【0051】
繊維の前記好ましい均一分布及び前記残留ガスの好ましい不存在の両方を有するシート材料を得るために、その製造のための新しい方法が開発されている。この発明の方法は、本発明の概要に概説された工程i)、ii)及びiii)を含む。
【0052】
工程i)において提供される2つの層状複合体は、好ましくは繊維がランダム配向した予め組み立てられたシート状繊維層から誘導された、繊維からなる上層と、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの下層とを含む。上層及び下層は、上層に見られるような繊維と下層に見られるような熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーとからなる薄い中間層の任意の仲介を除き、互いに直接接触している。2つの層状複合体は、シート状繊維層のタイプ及びそれらが含む熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの層のタイプに関して互いに同一である。より好ましくは、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの層及び予め組み立てられたシート状繊維層の厚さD及びDmpに関してもそれぞれ同じである。更に好ましくは、それらの長さ(x方向)及び幅(y方向)に関しても同一である。最も好ましくは、2つの層状複合体はあらゆる点で互いに同一である。
【0053】
工程ii)の2つの層状複合体を互いに重ね合わせることは、それらの熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの層が空気ギャップ又は他の層の仲介なしに互いに接触するように行われる。
【0054】
熱及び圧力による2つの層状複合体の結合は、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーを軟化させて溶融させ、シート状の2つの繊維層に完全に浸透させ、2つの層状複合体を共に結合させ、本発明のシート材料を形成させることをもたらす。
【0055】
工程iii)の熱及び圧力による結合は、カレンダー、ホットプレス、又はいわゆる「ロトキュア」により達成されてもよい。後者は、連続して動作するデバイスであり、その周りを連続したベルトを備えた加熱ロールからなり、共に結合させるシートを加熱ロールに押圧する。市販されているロトキュアユニットの一例は、Berstorff(ドイツ)の「Rotocure AUMA」デバイスである。
【0056】
工程iii)は、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーが、通常のカレンダー加工の場合のように単に軟化するのではなく、溶融する十分に高い温度で行われる。熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーが、実質的に溶融されている場合に限り、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーは、シート状繊維層の全ての空隙に浸透し、上述の意味で「実質的にゼロのガス含有量」を有する本発明のシート材料を形成するのに十分に低い粘度を有する。「実質的に溶融した」とは、本発明の文脈において、溶融物が工程iii)で選択された温度で少なくとも20g/10分、好ましくは少なくとも30g/10分、最も好ましくは30〜60g/10分の8.7kgでのMFIを有する。いずれの場合においても、これは熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの分解を避けるために、温度を十分に低く保つことを条件とする。
【0057】
単なる軟化物の代わりに、溶融した熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーを使用することは、工程ii)で特定された層配置を必要とする。通常のカレンダー加工プロセスのように、ただ1つのシート状繊維層と、ただ1つの熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーのシートとを有する配置を使用することは、溶融した熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーをシート状繊維層へ浸透させる代わりに、カレンダーから単に流出させる。
【0058】
他方、繊維はプロセス工程iii)の間に溶融すべきではない。この理由のために、繊維a)の融点(又は溶融範囲)と、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)の融点(又は溶融範囲)との上で概説した温度差が好ましい。
【0059】
より好ましくは工程iii)において、圧力は、2つのカレンダーロール、2つのプレス板、又はロトキュアのベルト及び加熱ロールのいずれかにより印加され、2つのカレンダーロール、2つのプレス板、又はロトキュアのベルト及び加熱ロールは、それぞれ上記式(1)によりその和K=2、N=2を用いて算出された距離Dと実質的に等しい距離に維持される。これは、第1層状複合体が、厚さ(Dを有する熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの層の第1シートと単位面積当たりの重量W及び(重量平均)繊維材料密度ρを有する第1シート状繊維層とを含み、第2層状複合体が、厚さ(Dを有する熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーの層の第2シートと単位面積当たりの重量W及び(重量平均)繊維材料密度ρを有する第2シート状繊維とを含むからである。そのような距離Dを維持することにより、軟化又は溶融した熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーによる2つの層状複合体に含まれるあらゆるガスの実質的に完全な移動が、工程iii)において達成され、繊維の均一な分布を有する実質的にガスを含まない本発明のシート材料を得ることができる。
【0060】
本発明の方法は、好ましくは工程i)に必要とされる層状複合体を提供する前の工程を更に含む。それぞれの層状複合体について、1つの熱可塑性物質のシートが、例えば不織布の形態で予め組み立てられたシート状繊維層の上に(又はその逆に)、他の層又は材料の仲介なしに、例えば不織布の形態で配置されている。必要に応じて、工程iii)について上記で例示した装置を用いて、2つの層を任意に加熱及び加圧下において結合してもよく、更に必要に応じて熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーがいくつかの含有量で予め組み立てられたシート状繊維層へ浸透するように結合してもよい。
【0061】
本発明のシート材料は、好ましくは打ち抜かれるシート状被加工物用のキャリア基材として又はイントロダクションで記載したようにパンチングテープにおいて使用される。本発明の例示的なパンチングテープは、本発明のシート材料と、更に織物を含有する又は織物からなる1つの牽引層とを含む。本発明のシート材料及び牽引層は、ホットメルト接着剤として熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーのみを使用して互いに直接接着されてもよい。あるいは、共に結合する材料、すなわち牽引層及びシート材料の両方と相溶性のある、ポリウレタン、ゴム、ゴム混合物及びフェノール−ホルムアルデヒド樹脂のような熱硬化性(架橋性)接着剤を用いてもよい。パンチングテープは、好ましくは織布である2つ又は3つの牽引層を任意に含むことができる。牽引層の織りは、平織り又は綾織りであってもよい。その中のフィラメントの材料は、コンベアベルト布に慣例的に使用される任意の材料であってもよく、好ましくはポリエステルであり、より好ましくはPETであってもよい。
【0062】
本発明のパンチングテープは、シート状被加工品の打ち抜き、スタンピング又は切断が行われる任意のデバイスに使用することができ、パンチングテープは、打ち抜き、スタンピング又は切断の作業の間にシート状材料を搬送し、支持するのに役立つ。打ち抜き、スタンピング又は切断の装置それ自体は従来のものである。本発明のプロセスでは、シート状の被加工品は、例えば、アルミニウム箔のようなシート状の金属、プラスチック箔、紙又はボール紙であってもよい。シート状の被加工品の厚さは、好ましくは0.2〜3mmの範囲であり、より柔軟性のある材料はその範囲内でより大きな厚さとすることができる。本発明の打ち抜き又は切断プロセスは、好ましくは室温で又は室温にわずかに近い温度、例えば、15〜35℃、好ましくは20〜30℃で行われる。本発明のシート材料又はパンチングテープは、打ち抜き又は切断作業中に不動の平坦な支持体上に、又は本発明のパンチングテープの場合には、ロール上に、パンチ、ナイフ若しくはブレードの打ち抜き又は切断の動作中に多くの背圧を有するために、支持される。
【0063】
本発明のシート材料及びパンチングテープは、その表面に過度の損傷が存在すると容易に再生することができる。IRランプのアレイのような損傷した表面を均一に加熱して、主成分である熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマー材料をほぼ融点まで軟化させることで十分である。このように柔らかくなると、表面の切れ目が再び閉じて、凹凸が再び平坦になり、きれいで、平らで滑らかな表面が改質される。そのような再生は、その場で行うことができ、よって、打ち抜き装置から取り除くことなく行うことができる。本発明のパンチングテープの場合において、そのような再生は、実際の打ち抜き操作の間にそうであるように、駆動ローラ及び遊びローラの周りをループしながら行われてもよい。実際には、30回までの再生サイクルが今までに成功裏に実施されており、30回目の再生サイクル後のパンチングテープは元の未使用のパンチングテープと許容限界内での同じ挙動を示す。再生不可能な従来のパンチングテープの、典型的には6〜12ヶ月、状況により約2ヶ月しかない補修の寿命と比較して、上記のような再生を伴う本発明のパンチングテープの補修の典型的な寿命は、2〜3年のサービス補修まで延長することができる。更に、従来技術のパンチングテープと比較して本発明のパンチングテープの大きな利点の1つは、いわゆる周知の「フィンガーエンド」の端部接合技術を使用して、開放端の端部接合を可能にし無端状テープを形成できることである。この技術は、未だに無限でないテープの端部を交互の歯と凹部とのジグザグに切断して、一方のテープ端部の1つの歯を他方のテープ端部の対応する凹部に係合させ、及びその逆により係合させる。そのようなジグザグ端部は、単にホットプレスを使用して、場合によってはホットメルト接着剤を併用して簡単に接合することができる。ポリアミド又はPCV製のような従来技術のパンチングテープは、典型的には前記フィンガーエンド技術よりも遅くて精度の低い、端部同士の接着を必要する。
【0064】
同様に、本発明のシート材料は、偶然にその一部が完全に打ち抜かれていなければならない場合、容易に修復することができる。打ち抜かれた部分をシート材料の対となる孔に再挿入し、継ぎ目を溶接するには、例えば、IRランプ又は他の熱源のアレイを用い、シート材料に含まれる熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーを(単独の)ホットメルト接着剤として使用することにより達成される。
【0065】
本発明は、図面を参照して、以下の実施例により更に説明される。
【実施例】
【0066】
実施例1:本発明のシート材料の製造
図1を参照する。
単位面積当たりの重量640g/m、厚さDmp約4.2mmを有するPET繊維の縫った不織布5を準備した。同様に、幅1.6m、厚さD約0.39mmのTPU(「エスタン」タイプ、ルブリゾール)の幾何学的によく定義されたシート6が提供された。不織布5とTPUシート6とを重ね合わせ、カレンダーを用いて貼り合わせた。上層73(縫った不織布5から形成されている)、下層71(TPU層から形成されている)、及びTPUが含浸した不織布からなる薄い境界層72からなる層状複合体7が得られた。
【0067】
このようにして得られる層状複合体7を横軸に沿って半分に切断して、あらゆる点で同一である2つの層状複合体7を得た。2つの複合体を、互いの上に積み重ね、それらの下層71は互いに接触し、それらの上層73は周囲へと外側を向き、互いに背いている。
【0068】
このようにして得られた二重の複合体を、一般的な説明に記載されているようにロトキュアに通して、2つの下層71を共に結合させた。
【0069】
この最終工程におけるロトキュアのベルトと加熱ロールとの間の距離Dを以下のように算出した:
【数5】
[式中、D、W及びρは、上記及び/又は式(1)で定義された通りであり、PETについては後者は1.38g/cmである]。二重の複合体における2つの層状複合体7はあらゆる点で互いに同一であるため、式(1)について概説したように、k=1.2及びn=1.2を合計する代わりに、2の係数を単に採用した。
【0070】
このような距離Dを用いることにより、上層73に含まれる残留空気が、浸透している溶融TPUにより周囲に放出された。
【0071】
厚さD約1.7mm及びショアD硬度50を有する、TPU全体に均一に分散した不織布からなる、実質的にガス不含の本発明のシート材料が得られた。
【0072】
実施例2:本発明のパンチングベルト2の製造
図2を参照する。
実施例1に記載したように調製された本発明のシート材料1を、経糸として約1000dtexのPETマルチフィラメントと緯糸として約0.3mmの直径を有するナイロンモノフィラメントとを用いた、2/1綾織りを有する織布からなる慣例的な牽引層3に結合させた。結合は、接着剤4として熱硬化性架橋ポリウレタンを使用する慣例的なカレンダーで行った。
【0073】
実施例3:打ち抜き用途における従来技術のシート材料、及び本発明のシート材料の比較耐久性試験
図3〜6を参照する。
実施例1に関して記載されたものと同様の構造の本発明のシート材料、及び従来技術の標準シート材料(Habasitタイプ XVT−2295)の両方を試験した。
この試験のために、空気圧シリンダーにより垂直方向に操作可能な加圧ピストンロッドと回転可能な支持体8とを備える実験室プレスフレームを使用した(図3に示す円形の矢印で示す)。回転可能な支持体8に固定ねじ9を用いて試験試料を固定した。ピストンロッド上に、回転可能な支持体8に向かって、刃が下向きで、婉曲したナイフ10を固定した。空気圧シリンダの作用により、ピストンロッドに固定されたナイフ10を下方に移動させ、制御可能な圧力で回転可能な支持体8に押しつけることができる。試験のために、シリンダーに6バールの空気圧を使用した。湾曲したナイフ10(図3図4を参照)は、刃面に平行な方向のナイフの後縁部から刃先(cutting edge)まで見たときに、フックに似た湾曲を有し、刃先の全長は220mmである。刃先の始端101は、回転可能な支持体8の回転中心から約110mm離れており、端部102は、回転可能な支持体8の回転中心から約70mm離れていた。端部102付近の刃先の湾曲は、その中心が回転可能な支持体8の回転中心と一致するようにほぼ円形に位置するようなものであったが、その始点101に向かって湾曲は、回転可能な支持体8の回転中心に対してほぼ軸方向となる。
【0074】
本発明のシート材料1又は標準シート材料1refの試料のいずれかの試験手順は以下の通りであった。
【0075】
約90×90mm表面の試料を、シート材料の隅に4つの固定ねじ9を用いて、回転可能な支持体8の上に取り付けた。
【0076】
ピストンロッド/空気圧シリンダの作用によるナイフ10の垂直移動を、支持体8に固定された試料上にある80g/mの試験紙が湾曲したナイフ10によりちょうどきれいに切断されるように調整した。これは、ナイフ10が試料1又は1refの表面にわずかに入ることを必要とした。
【0077】
このように調整したナイフの垂直方向の移動によって、ナイフ10を用いて試料に対して1000回のプレス切断を行った。各プレス切断の後、回転可能な支持体8を用いて試料を2〜3°の角度だけ回転させた。これにより、試料上に異なるスタンピング密度SDを発現させることができる。
【数6】
としてスタンピング密度SDは定義される。ここで、Lはナイフ10の長さ(単位 メートル)であり、Nはプレス切断数(無次元)であり、Aはプレス切断を受けるシート材料表面の表面(単位 平方メートル)である。従って、SDは単位1/メートルを有する。前記異なるスタンピング密度は、湾曲したナイフ10の向き及び湾曲と、各プレス切断後の回転可能な支持体8の回転との効能により、それらの中心が回転可能な支持体8の回転中心と一致する同心円上に配置されるであろう。
【0078】
1000回のプレス切断の後、上記のように80g/mの紙シートを用いて湾曲したナイフ10の垂直方向の移動を再度調整し、さらに1000回のプレス切断を試料に対して行った。
【0079】
次に、湾曲したナイフ10を貫通させた試料の表面を撮影した。標準シート材料の試料1refの写真を図5に示し、本発明のシート材料の試料1の写真を図6に示す。これらの写真は、標準シート材料1refが本発明のシート材料1よりも上で定義したスタンピング密度SDの変化に対してより敏感に反応することを示している。それは、不可逆的な材料損失を示す2つの円形凹部を示す。環状境界111により画定された第1の凹部は、湾曲したナイフ10がシート材料上に切断作用を及ぼしている周辺を表している(この第1の周辺部の外側では、シート材料は湾曲したナイフ10の刃先と決して接触しなかった)。第2のより顕著な凹部は、環状境界部112により画定され、この第2の周辺部内で湾曲したナイフ10が最も高いパンチング密度SDを発現するという事実に起因する。なぜなら、湾曲したナイフ10の湾曲は、その中心が回転可能な支持体8の回転中心(上記参照)と一致するように、実質的にほぼ円を描くため、湾曲したナイフ10の刃先の長い部分がシート材料のかなり狭い軸方向に切断されるからである。本発明のシート材料はより少ない損失を出したが、より増加した表面の不均一性を示した。しかしながら、この不均一性は、一般的な部分において上述の再生プロセスを使用して完全に元に戻すことができる。
【0080】
実施例4:打ち抜き用途における従来技術のパンチングテープと、本発明のパンチングテープとの比較耐久試験である。
実施例2に関して記載されたものと同様の構成の本発明のパンチングテープを試験した。
フィールド試験は、自動車部品製造業者に設置された打ち抜きプレスで実施された。この打ち抜きプレスは厚さ0.7mmのアルミニウムシートから自動車の熱シールドを製造するためのブランクを打ち抜いた。打ち抜きプレスは、のこぎり状の刃形の切断ダイを有していた。この試験は、3年間(2011年〜2014年)にわたり成功した。
本明細書の当初の開示は、少なくとも下記の態様を包含する。
〔1〕a)ランダム配向繊維10〜50重量%、及び
b)熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマー90〜50重量%
から実質的になる混合物からなるシート材料であって、
該重量%は、該混合物を基準とし
該シート材料は、室温でショアD硬度40〜85を有する、シート材料。
〔2〕前記混合物において前記繊維a)が熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーb)に均一に分布していることを特徴とする、〔1〕に記載のシート材料。
〔3〕実質的にゼロの残留ガス含有量を有することを特徴とする、〔1〕又は〔2〕に記載のシート材料。
〔4〕前記繊維a)が有機繊維であることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシート材料。
〔5〕前記有機繊維が天然繊維であることを特徴とする、〔4〕に記載のシート材料。
〔6〕前記天然繊維が、セルロース、麻、亜麻、ラミー、サイザル、綿、及びジュートからなる群から選択される植物性繊維であるか、又はウール及びシルクからなる群から選択される動物性繊維であることを特徴とする、〔5〕に記載のシート材料。
〔7〕前記有機繊維が、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリオレフィン系繊維、アラミド及び合成セルロース誘導体からなる群から選択される合成繊維、又は二成分繊維であることを特徴とする、〔4〕に記載のシート材料。
〔8〕前記合成繊維が、PET、PBT、ナイロン、ポリアクリルニトリル、アラミド、ポリエチレン若しくはポリプロピレンであるか、又は二成分繊維であることを特徴とする、〔7〕に記載のシート材料。
〔9〕前記繊維が、ガラス、アスベスト及び炭素からなる群から選択される無機繊維であるか、又は金属繊維であることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のシート材料。
〔10〕前記繊維の長さが15〜150mmの範囲内であることを特徴とする、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載のシート材料。
〔11〕前記混合物は、i)スチレンブロックコポリマー、ii)熱可塑性(コ)ポリオレフィン及びそれらの混合物、iii)エラストマーアロイ、iv)熱可塑性ポリウレタン、v)熱可塑性コポリエステル並びにvi)熱可塑性ポリアミドからなる群から選択される熱可塑性物質又は熱可塑性物質50〜90重量%を含むことを特徴とする、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載のシート。
〔12〕前記熱可塑性物質がPVCであるか、又は前記熱可塑性エラストマーがTPUであることを特徴とする、〔11〕に記載のシート材料。
〔13〕i)2つの層状複合体(7)を提供する工程、ここで各層状複合体(7)は、繊維のランダムな配向を有する予め組み立てられたシート状繊維層からなる上層(73)と、熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーのシートからなる下層(71)と、該下層(71)の該熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーが含浸した該上層(73)の繊維からなる任意の中間層(72)とを含むか又はそれからなり、該下層(71)及び任意の該中間層(72)における該熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーは85〜100の範囲のショアA硬度を有し、層状複合材料の90〜50重量%を構成し、該上層(73)及び任意の該中間層(72)における該繊維は該層状複合体の10〜50重量%を構成する、
ii)2つの層状複合体(7)を、下層(71)が互いに接触し、上層(73)が互いに外方を向くように、互いに重ね合わせる工程、及び
iii)熱可塑性物質又は熱可塑性エラストマーが融解して2つの上層(73)に浸透する温度で、熱及び圧力により2つの層状複合体(7)を共に結合させて、本発明のシート材料を形成する工程
を含む、〔1〕に記載のシート材料(1)の製造方法。
〔14〕上層としての〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のシート材料(1)、及び、下にある牽引層(4)を含む、パンチングテープ(2)。
〔15〕a)〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載のシート材料上に、又は〔14〕に記載のパンチングテープの上層としてのシート材料上に、シート材料又は上層がシート状の被加工品のために支持体として作用するようにシート状の被加工品を配置する工程、及び
b1)パンチを使用してシート状の被加工品からセクションを打ち抜く工程、又は
b2)ナイフ又はブレードを使用してシート状の被加工品からセクションを切断する工程
を含む、シート状の被加工品からセクションを打ち抜く又は切断する方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6