(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937306
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】連結装置
(51)【国際特許分類】
F16L 23/02 20060101AFI20210909BHJP
F04D 19/04 20060101ALI20210909BHJP
F04B 37/16 20060101ALI20210909BHJP
F16L 55/04 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
F16L23/02 Z
F04D19/04 Z
F04B37/16 E
F16L55/04
【請求項の数】27
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-532390(P2018-532390)
(86)(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公表番号】特表2019-501351(P2019-501351A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】EP2016080975
(87)【国際公開番号】WO2017108528
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年11月8日
(31)【優先権主張番号】202015008803.1
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508206070
【氏名又は名称】レイボルド ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】エングランダー,ハインリッヒ
【審査官】
伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−077714(JP,A)
【文献】
特表2010−519475(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102006004314(DE,A1)
【文献】
特開2011−226466(JP,A)
【文献】
特表2007−524033(JP,A)
【文献】
特表2010−507040(JP,A)
【文献】
特開2003−003988(JP,A)
【文献】
特表2004−533582(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第2133581(EP,A2)
【文献】
米国特許第05671956(US,A)
【文献】
国際公開第2015/055985(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 23/00
F04D 19/04
F04B 37/16
F16L 55/00
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプに連結されるように構成されている第1の管端部を、内容物が排出されるチャンバに連結されるように構成されている第2の管端部に連結するための連結装置であって、
前記真空ポンプを内容物が排出される前記チャンバに流体的に連結するための管要素を備えており、
前記管要素は、前記管要素を前記第1の管端部及び前記第2の管端部の夫々に連結するための連結要素を夫々の側に有しており、2つの前記連結要素の少なくとも1つはトルクを伝達するように構成されており、
トルクを伝達するように構成されている少なくとも1つの前記連結要素を対応する前記第1の管端部又は前記第2の管端部から機械的に分離するための分離要素を更に備えており、
前記分離要素は、圧縮可能な流体が充填されている少なくとも1つの流体チャンバと、前記第1の管端部及び前記第2の管端部の夫々に固定して連結されるように構成されている2つの保持要素とを有しており、
トルクを伝達するように構成されている少なくとも1つの前記連結要素は、前記保持要素に設けられている凹部内に延びている突起部を有しており、
前記流体チャンバ内の圧力を変えることにより、前記連結要素の突起部と前記保持要素の凹部との接触を制御して、前記連結要素と前記第1の管端部又は前記第2の管端部との機械的な分離を制御することを特徴とする連結装置。
【請求項2】
前記圧縮可能な流体は気体であることを特徴とする請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記分離要素によって生成される力が調整可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結装置。
【請求項4】
前記力は軸方向の力であることを特徴とする請求項3に記載の連結装置。
【請求項5】
前記軸方向の力を、前記流体チャンバ内の圧力を変えることにより調整することを特徴とする請求項4に記載の連結装置。
【請求項6】
2つの前記連結要素はトルクを伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項7】
前記流体チャンバは2つの前記保持要素の間に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の連結装置。
【請求項8】
前記分離要素は、前記管要素を囲んでいる外側要素を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の連結装置。
【請求項9】
前記外側要素は、前記管要素を完全に囲んでいることを特徴とする請求項8に記載の連結装置。
【請求項10】
前記外側要素は環状の構成であることを特徴とする請求項8又は9に記載の連結装置。
【請求項11】
前記外側要素は、少なくとも1つの保持要素に対して軸方向に移動するように構成されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項12】
前記外側要素は、両方の保持要素に対して軸方向に移動するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の連結装置。
【請求項13】
前記外側要素と前記外側要素に対して移動するように構成されている前記保持要素との間に配置されている第1の密閉要素を更に備えていることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項14】
前記外側要素と第2の前記保持要素との間に配置されている第2の密閉要素を更に備えていることを特徴とする請求項13に記載の連結装置。
【請求項15】
第2の前記保持要素は、軸方向に移動するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載の連結装置。
【請求項16】
前記管要素と2つの前記保持要素との間に密閉要素が夫々配置されていることを特徴とする請求項8〜15のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項17】
少なくとも1つの前記流体チャンバは、前記外側要素、前記管要素及び2つの前記保持要素によって画定されていることを特徴とする請求項8〜16のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項18】
少なくとも1つの前記流体チャンバは、前記管要素を環状に囲んでいることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項19】
少なくとも1つの前記流体チャンバは供給管を有していることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項20】
バルブが前記供給管に配置されていることを特徴とする請求項19に記載の連結装置。
【請求項21】
前記外側要素は、前記管要素と固定して連結されていることを特徴とする請求項8〜17のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項22】
前記外側要素は、前記管要素とブリッジ要素を介して一体に形成されていることを特徴とする請求項21に記載の連結装置。
【請求項23】
前記分離要素は2つの流体チャンバを有していることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項24】
前記流体チャンバ内の圧力が互いに独立して調整されることを特徴とする請求項23に記載の連結装置。
【請求項25】
前記突起部は、軸方向に配置されていることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1つに記載の連結装置。
【請求項26】
前記凹部の断面は、トルクが通常動作中に伝えられないように前記突起部の断面より大きいことを特徴とする請求項1〜25のいずれか1つに記載の連結装置。
【請求項27】
前記外側要素及び/又は前記保持要素の少なくとも1つは、動作中に機械的な分離を示すためのマークを有していることを特徴とする請求項8〜17,21及び22のいずれか一項に記載の連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプに連結されるように構成されている第1の管端部を、真空チャンバに連結されるように構成されている第2の管端部に連結するための連結装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
ターボ分子ポンプのような真空ポンプを内容物が排出されるチャンバに連結するとき、真空ポンプが、特にロータの回転により生じる振動を内容物が排出されるチャンバに伝えるという問題が生じる。このような問題は、内容物が排出されるチャンバ又は内容物が排出されるチャンバに連結された装置で行われる処理又は測定に影響を及ぼす場合がある。例えば、電子顕微鏡は振動の影響を非常に受けやすい。
【0003】
真空ポンプから内容物が排出されるチャンバに伝えられる振動を減衰させるために、真空ポンプに連結されるように構成されている管端部と、内容物が排出されるチャンバに連結されるように構成されている管端部との間に減衰要素を設けることがよく行われている。減衰要素は、例えば真空気密性を保証するために可撓性の金属ベローズを有している。金属ベローズは、例えば弾性の減衰要素に囲まれている。しかしながら、例えばロータの阻止のようなポンプの故障の場合、このような減衰要素は生じる力及びトルクを吸収するか又は伝えることができない。このため、減衰要素が完全に破壊する場合があり、ひいては、ポンプが減衰要素及び/又は内容物が排出されるチャンバから完全に外れる場合がある。これは、急速に回転するロータの高い運動エネルギーにより非常に危険である。
【0004】
更に、連結要素が欧州特許出願公開第2410184 号明細書で知られている。連結要素は2つの管部分を有しており、管部分の一方は、真空ポンプに連結されるように構成されている管端部に固定して連結されており、第2の管部分は、内容物が排出されるチャンバに連結されるように構成されている管端部に固定して連結されている。2つの管端部の間に、2つの環状のエラストマ密閉部分が設けられている。これらの密閉部分は、2つの密閉部分と内側で対向して2つの密閉部分の間に配置されているブリッジを有するクランプ型要素に囲まれている。真空ポンプが動作中ではないとき、2つの管部分は、エラストマ環によって離れる方向に押されて、管部分を囲むクリップによって機械的に連結されている。2つのエラストマ環が圧縮されて、ひいては2つの管部分の機械的な連結部分がクリップを介して切断されるので、振動を更に伝えるこの機械的な連結部分は、生成された真空によって切断される。しかしながら、この連結装置は、機械的な連結部分の切断が明瞭に定められないという点で特に不利である。例えば、切断は生成される真空の量に依存する。更に、密閉環を定期的に交換しなければならないので、密閉環の弾性特性が変わる。更に、横向き荷重がポンプに作用する場合、連結要素が透過性を有することになるという危険性がある。
【0005】
本発明の目的は、高い安全性を保証しながら、望ましい機械的な分離をもたらたす、真空ポンプに連結されるように構成されている第1の管要素を、内容物が排出されるチャンバに連結されるように構成されている第2の管要素に連結するための連結装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、本目的は請求項1のような連結装置によって達成される。
【0007】
連結装置は、真空ポンプ又はターボ分子ポンプに連結されるように構成されている第1の管端部を、内容物が排出されるチャンバに連結されるように構成されている第2の管端部に連結する機能を果たす。ここで、第1の管端部は、真空ポンプの一部及び/又は真空ポンプの入口フランジであってもよい。従って、第2の管要素は内容物が排出されるチャンバの一部であってもよい。本発明によれば、連結要素は、内容物が排出されるチャンバに真空ポンプを流体的に連結するための管要素を有している。管要素は、内容物を排出するために必要な真空連結部分をもたらす。従って、管要素は、連結要素を夫々の側に有している、及び/又は連結要素と連結されている。2つの連結要素は、管要素を2つの管端部の1つに夫々連結する機能を果たす。2つの連結要素の少なくとも1つは、トルクの伝達専用に適応するように構成されている。特に動作中、連結要素はあらゆる軸方向の力、つまり管要素の長手方向の力を伝えることができない。このため、真空ポンプから内容物が排出されるチャンバへの振動の伝達、及び/又は第1の管端部から第2の管端部への振動の伝達が不可能であるか、又は少なくとも著しく減少することが保証される。他方では、少なくとも1つの連結要素がトルクを伝達してもよい。このようなトルクは、特に破壊の場合だけでなく、真空ポンプが始動するか又は減速するときにも生じる管要素の長手軸芯の周りのトルクである。従って、安全性が保証される。2つの連結要素がこのように構成されていることが好ましい。
【0008】
本発明によれば、分離要素が設けられている。分離要素は、トルクの伝達専用に適応している少なくとも1つの連結要素を対応する管端部から機械的に分離する機能を果たす。特に、2つの連結要素がトルクの伝達専用に適応している場合、分離要素は2つの連結要素を機械的に分離する機能を果たす。ここで、分離要素は、動作中に真空によって生じる力に対抗する軸方向の力を生成することが好ましい。結果として、真空ポンプが動作中ではないとき、及びポンプの故障、ポンプの破壊などによって真空が低下するとき、分離要素によって生成される軸方向の力は真空によって生成される反力より大きい。このため、生じるトルクを容易に伝えることができるように、2つの管端部が機械的に連結される。他方では、動作中、振動の伝達が少なくとも著しく減少するように、分離要素によって生成される力と真空によって生成される力との力の均衡により軸方向の分離が行われる。
【0009】
特に好ましい実施形態によれば、分離要素によって生成される軸方向の力は調整可能である。このような調整は、例えば調整可能なばねを用いて実現され得る。
【0010】
分離要素は、圧縮可能な流体が充填された少なくとも1つの流体チャンバを有していることが好ましい。流体は、特には気体であり、特に好ましくは空気である。従って、少なくとも1つの流体チャンバ内の圧力を調整することによって、加えられる軸方向の力が調整され得る。分離要素は少なくとも2つの保持要素を有していることが好ましい。2つの保持要素は、管端部の1つに固定して連結されるように夫々構成されている。保持要素と対応する管端部とが固定して連結されているため、力及びトルクは、特に真空ポンプに連結されるように構成されている管端部から一方の保持要素に伝えられることができ、他方の保持要素から内容物が排出されるチャンバに伝えられることができる。特に2つの保持要素の少なくとも1つを対応する管端部と一体に形成するか、又は分離不可能な連結部分を形成することが更に可能である。
【0011】
流体チャンバは2つの保持要素の間に配置されていることが好ましい。従って、流体チャンバ内の圧力の上昇によって、2つの保持要素は離れる方向に押される。
【0012】
分離要素は、特に管要素を完全に囲んでいる外側要素を更に有していることが好ましい。ここで、外側要素は好ましくは環状の構成である。好ましくは、外側要素は、2つの保持要素と軸方向に重なり合っており、外側要素は、2つの保持要素の内の1つと固定して連結されているか、又は2つの保持要素の内の1つと一体に形成されていることが更に可能である。外側要素は、2つの保持要素の内のいずれか一方と固定して連結されていないことが好ましい。従って、外側要素は、特に2つの保持要素の内の1つに対して、好ましくは両方の保持要素に対して軸方向に移動するように構成されている、及び/又は対応する軸方向の相対移動が可能である。
【0013】
第1の密閉要素が、外側要素と外側要素に対して移動するように構成されている保持要素との間に配置されていることが好ましい。密閉要素は、特に弾性の密閉要素であり、特には保持要素を囲んでいる密閉環である。密閉環は、本質的にはあらゆる力、特に振動を伝えない。
【0014】
更に、外側要素と、特に外側要素に対して軸方向に移動するように構成されている第2の保持要素との間に配置されている第2の密閉要素が設けられていることが好ましい。第2の密閉要素は、好ましくは第1の密閉要素に相当するように構成されている。
【0015】
更に、管要素と2つの保持要素との間に密閉要素が夫々配置されていることが好ましい。密閉要素は、第1の密閉要素に相当するように好ましくは構成されているため、密閉要素も本質的にあらゆる力又は振動を伝えない。
【0016】
好ましい実施形態によれば、流体チャンバは、外側要素、管要素及び2つの保持要素によって画定されている。流体チャンバの画定は、ここでは特に外側要素の内面及び管要素の対向する外面によって実現されている。保持要素は、特には保持要素の前面で流体チャンバを画定している。好ましい実施形態によれば、流体チャンバは環状の構成であり、特には管要素を完全に囲んでいる。そのため、軸方向の均一な力が生成され得る。そのため、特には、好ましくは環状の流体チャンバの周方向の力の変化が回避される。
【0017】
特に好ましい実施形態によれば、流体チャンバは供給管に連結されている。供給管は流体、特に気体を供給する機能を果たす。バルブが供給管に配置されていることが好ましい。従って、流体チャンバ内の圧力を変えて動作条件に適合させることが容易に可能である。そのため、本質的に振動が真空ポンプから内容物が排出されるチャンバに伝えられないように、動作中の分離が実現される。
【0018】
更に、特に環状に構成された外側要素が管要素にブリッジ要素を介して固定して連結されていることが好ましい。このような構成は、例えばねじ連結による設置を簡略化する機能を果たし得る。管要素を外側要素と一体に形成することが更に可能である。
【0019】
更に好ましい実施形態によれば、分離要素は2つの流体チャンバを有している。各流体チャンバが本質的に2つの保持要素の内の1つに作用するように、2つの流体チャンバは、特に軸方向に直列に配置されている。ここで、2つの流体チャンバ内の圧力が別々に調整可能であることが特に好ましい。このために、流体チャンバ毎に1つの管が気体のような圧縮可能な流体を供給して排出するために設けられており、好ましくはバルブが各管に配置されていることが好ましい。
【0020】
好ましい実施形態によれば、凹部内に延びて軸方向に配置された突起部が設けられているように、トルクの伝達に適応している少なくとも1つの伝達要素が構成されている。例えば、突起部は連結要素に設けられており、凹部は保持要素に設けられている。この実施形態では、連結要素に設けられた突起部は、保持要素に設けられた凹部と対向する。同様に、突起部は連結要素に更に設けられ得る。
【0021】
真空ポンプの損傷の場合、又は真空ポンプの加速若しくは減速中のみ、トルクが連結要素を介して伝えられるので、凹部の断面が突起部の断面より大きいことが好ましい。そのため、通常動作中、トルク、ひいては振動が伝えられないことが保証される。
【0022】
2つの連結要素は上述したように構成されており、好ましい方法で処理されていることが好ましい。
【0023】
第一に、少なくとも1つの流体チャンバ内の圧力は、連結要素が2つの管端部の間に配置されている管端部間に軸方向に連結部分を形成する。好ましい実施形態によれば、連結要素の突起部が対応する凹部の底部に載置されることにより、連結部分の形成が特に実現される。真空ポンプが真空を生成すると、少なくとも1つの流体チャンバ内の圧力によって生成される軸方向の力に対抗する軸方向の反力が生成される。このため、機械的な連結部分の切断、ひいては分離が行われる。
【0024】
分離が調整された真空及び少なくとも1つの流体チャンバ内の調整された圧力で行われたか否かを外側から容易に検出することを可能にするマークを設けることが特に好ましい。このために、外側要素及び/又は保持要素の少なくとも1つにマークが設けられてもよい。
【0025】
以下に、本発明を、添付図面を参照して好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係る連結装置の好ましい実施形態を示す断面略図である。
【
図3】本発明に係る連結装置の第2の実施形態を示す断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
連結装置は、特に真空ポンプに連結されている第1の管端部10を、特に内容物が排出されるチャンバに連結されている第2の管端部12に連結する機能を果たす。流体連結のために、管要素14が設けられている。管要素14は、特に図示されていない固定ねじを介して夫々の連結環16に2つの反対側の端部で連結されている。連結環16は、密閉部分を有するセンタリング環18を有している。センタリング環18は、2つの管端部10, 12のフランジ20とフランジ20に対向しているフランジ22との間に夫々配置されている。フランジ22は2つの保持要素24の夫々の一部分である。保持要素24は夫々、環状の構成であり、管要素14を囲んでいる。2つの保持要素24は夫々、第1の管端部10及び/又は第2の管端部12にクランプ27を介して固定されており、ひいては強固に連結されている。
【0028】
管要素14は、2つの管端部10, 12に連結要素26を介して連結されて
いる。ここで、特に真空ポンプの故障の場合にトルクが連結部分を介して伝えられ得るように、連結部分が実現されている。このようなトルクは長手軸芯28の周りに生じるトルクである。軸方向、つまり長手軸芯28の方向に、2つの管端部10, 12、及び/又は2つの管端部10, 12に固定して連結されている保持要素24に対する管要素14の少なくとも僅かな移動が可能である。このために、保持要素24(
図2)は、径方向の内側に面する突部30を有している。突部30は凹部32を有しており、凹部32内に突起部34(
図1)が延びている。図示されている例示的な実施形態では、突起部34はねじ頭である。ここで、凹部32の直径はねじ頭34の直径より僅かに大きい。
【0029】
更に、連結装置は分離要素36を備えている。軸方向の力、つまり、長手軸芯28に沿って生じ得る力が伝えられ得るように、及び/又はこの力の伝達が大幅に減少するように、分離要素は、2つの連結要素26を2つの管端部10, 12から機械的に分離する機能を果たす。従って、真空ポンプから内容物が排出されるチャンバ及びチャンバに連結されている構成要素に振動が伝えられない、及び/又はこの振動が僅かに伝えられるだけである。図示されている例示的な実施形態では、分離要素36は環状に構成された外側要素38を有している。外側要素38は、2つの環状に構成された保持要素24に対して軸方向、つまり長手方向28に移動するように構成されている。外側要素38と2つの保持要素24との間に、環状の密閉要素40が夫々配置されている。
【0030】
2つの保持要素24の内面に、管要素14に向かって密閉するための環状の密閉要素42が設けられてもよい。特に、この領域でも保持要素24と管要素14との間の軸方向の移動性が可能になる。
【0031】
分離要素36の外側要素38はブリッジ要素44を介して管要素14に連結されている。この連結は固定連結であり、ブリッジ要素44は、例えばねじ連結によって管要素14のブリッジ状の突出部46に連結されている。管要素14の軸方向の移動によって、外側要素38が常に軸方向に移動する。
【0032】
軸方向の移動のために、2つの流体チャンバ48, 50が形成されており、
図1に示されている例示的な実施形態では、ブリッジ要素44, 46に設けられている連絡管52によって互いに流体的に連結されている。従って、流体チャンバ48, 50は、外側要素38の内面、2つの保持要素24の前面及び管要素14の外面によって画定されている。流体チャンバ48, 50は供給管54を有しており、供給管54にバルブ56が配置されている。従って、バルブ56を介して、流体、特に圧縮空気が2つの流体チャンバ48, 50に供給されるか、又は流体チャンバ48, 50から排出されることができる。
【0033】
2つの管端部10, 12を軸方向に分離するため、ひいては振動の伝達を防止する、特には減少するために、本発明に係る連結装置を用いて流体チャンバ48, 50内の圧力を高めることが可能である。このため、2つの対向する環状の保持要素24が離れる方向に押される。真空ポンプが作動する前、突起部及び/又はねじ頭34が凹部32の底部に軸方向に夫々載置されているので、2つの管端部10, 12が軸方向に連結されている。動作中に、管要素14、更に2つの管端部10, 12に真空ポンプによって真空が生じる。そのため、反力が生じる。このため、対応する力比率の場合、突起部34は凹部32の底部領域に載置されなくなる。
【0034】
従って、確実な分離を保証するために、流体チャンバ48, 50内の圧力は真空に適合していなければならない。本発明によれば、圧力の適合は、圧縮空気を供給管54を介して供給するか又は排出することにより簡単な方法で可能である。
【0035】
更に、保持要素24に対する外環38、ひいては管要素14の位置を簡単な方法で読むことができるように、外環38及び/又は2つの保持要素24の内の一方にマークが設けられていることが好ましい。そのため、軸方向の分離を保証するために、流体チャンバ48, 50内の所要の圧力が簡単な方法で決定され得る。
【0036】
図3に示されている実施形態では、同様の要素及び同一の要素が同一の参照番号によって表されている。
【0037】
重要な差異は、外環38が管要素14と一体に形成されているということである。図示されている例示的な実施形態では、連結が固体ブリッジ58によって実現されている。図示されている例示的な実施形態では、固体ブリッジ58は2つの流体チャンバ48, 50を連結するためのいかなる孔も有していない。更に正確に言えば、流体チャンバ48, 50毎に供給管60が夫々設けられており、供給管60にバルブ62が夫々配置されている。そのため、微調整が可能であるように、2つの流体チャンバ48, 50内の圧力を互いに独立して調整することが可能である。従って、この実施形態でも、2つのマークが設けられており、一方のマークが外側要素38と
図3では上側の保持要素である保持要素24との間の相対位置を示し、第2のマークが
図3では下側の保持要素である保持要素24に対する相対位置を示すことが好ましい。