特許第6937377号(P6937377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6937377トンネルを通過する車両による移動中の送信者識別
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937377
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】トンネルを通過する車両による移動中の送信者識別
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20210909BHJP
   H04H 60/32 20080101ALI20210909BHJP
   H04H 60/44 20080101ALI20210909BHJP
   H04H 60/51 20080101ALI20210909BHJP
   H04N 21/438 20110101ALI20210909BHJP
【FI】
   H04B1/16 A
   H04B1/16 G
   H04H60/32
   H04H60/44
   H04H60/51
   H04N21/438
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-542655(P2019-542655)
(86)(22)【出願日】2018年2月9日
(65)【公表番号】特表2020-508599(P2020-508599A)
(43)【公表日】2020年3月19日
(86)【国際出願番号】EP2018053351
(87)【国際公開番号】WO2018146278
(87)【国際公開日】20180816
【審査請求日】2019年9月19日
(31)【優先権主張番号】102017102680.0
(32)【優先日】2017年2月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506076628
【氏名又は名称】ヒルシュマン カー コミュニケーション ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Hirschmann Car Communication GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100121533
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 まどか
(72)【発明者】
【氏名】ストットスキ,ディミトリ
【審査官】 鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−175967(JP,A)
【文献】 特開2014−017668(JP,A)
【文献】 特開2008−016910(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/162294(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04H 60/32
H04H 60/44
H04H 60/51
H04N 21/438
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル受信システムを動作させる方法であって、受信機によって、1回のサイクルにおいて、特定可能な周波数範囲内の受信可能な送信者が第1の受信方法で登録及び保存され、保存された前記送信者はリストに加えられ、保存された前記送信者の数が確定され、
この処理が、先行するサイクルにおいて前記特定可能な周波数範囲内の前記受信可能な送信者の前記登録が完了すると、更なるサイクルにおいて繰り返される、方法において、
前記1回のサイクルで保存された前記送信者の数が前記更なるサイクルで保存された前記送信者の数と比較され、次いで、保存された前記送信者の2つの前記数の差が減少して特定可能な値だけ互いに乖離しているときに、前記第1の受信方法から他の受信方法への切り替えが行われ
前記第1の受信方法から前記他の受信方法への切り替えが完了すると、前記処理が、前記保存された送信者の前記2つの数の差が増加して再び特定可能な値だけ互いに乖離するまで繰り返され、その後、前記他の受信方法から更なる受信方法への切り替えが行われることを特徴とする、方法。
【請求項2】
モバイル受信システムを動作させる方法であって、受信機によって、1回のサイクルにおいて、特定可能な周波数範囲内の受信可能な送信者が第1の受信方法で登録及び保存され、保存された前記送信者はリストに加えられ、保存された前記送信者の数が確定され、
この処理が、先行するサイクルにおいて前記特定可能な周波数範囲内の前記受信可能な送信者の前記登録が完了すると、更なるサイクルにおいて繰り返される、方法において、
前記1回のサイクルで保存された前記送信者の数が前記更なるサイクルで保存された前記送信者の数と比較され、次いで、保存された前記送信者の2つの前記数の差が減少して特定可能な値だけ互いに乖離しているときに、前記第1の受信方法から他の受信方法への切り替えが行われ、
前記特定可能な値は、前記切り替えの前及び前記切り替えの後で異なることを特徴とする、方法。
【請求項3】
前記切り替えの前の前記受信可能な送信者が、1つおいて次の切り替えまで再生のために保存されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記受信可能な送信者は、これらが特定可能な受信品質を有するときにだけ保存され前記リストに加えられることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記受信品質は前記受信可能な送信者の電界度であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載されているように、モバイル受信デバイスを動作させる方法であって、受信機によって、1回のサイクルにおいて、特定可能な周波数範囲内で受信可能な送信者が第1の受信方法で登録及び記憶され、保存された送信者はリストに加えられ、保存された送信者の数が確定され、この処理が、先行するサイクルにおいて特定可能な周波数範囲内の受信可能な送信者の登録が完了すると、更なるサイクルにおいて繰り返される、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような方法は車両において採用され、この場合、受信機は車両の中に設置され、例えばアンテナと、受信機と、受信した高周波信号を再生可能な信号へと変換するための更なる手段と、を有する、対応する受信デバイスが存在する。この方法では、無線送信者から音響信号が受信され、この送信者は移動中の車両に登録される(受信可能な送信者)、その際、無線送信者は、車両の進路上にある無線通信塔により発せられる。更に、車両の移動中に、1つの無線通信塔から発せられた受信可能な送信者から、別の無線通信塔から発せられた同じ受信可能な送信者へと、切り替えが行われる方法が知られている。このような方法は既知であり、本発想とともに採用されるが、これ以上は説明しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
モバイル受信デバイスを動作させる上記した方法は、原理上は立証されている。しかしながら、受信可能な送信者が1回のサイクルにおいて受信されそれらを再生するために記憶されリストに加えられ、そして更なるサイクル(又は適用可能であれば更なる複数のサイクル)で、これらの送信者の一部(又は最悪の場合には送信者の全て)がもはや受信可能ではないときに、受信可能な送信者の受信及び再生に関して困難が存在する。このことは、例えば、車両がトンネル、多階の駐車場、又は地下駐車場に乗り入れるときに起こる可能性があり、この結果、発せられた送信者は外部条件によって遮蔽され、受信機にもはや一切到達しない、又は満足に再生された様式で受信機に到達しなくなる。
【0004】
この包括的な方法の場合には、この結果、次のサイクルにおいて、先行するサイクルにおいて登録し記憶しリストに加えること及び再生することがまだ可能であった、全ての送信者又はいずれかの送信者を記憶することが、もはや可能ではなくなる。この理由は、第1のサイクルの場合に採用された受信方法によって、例えばトンネル、多階の駐車場、又は地下駐車場などの中で送信者を引き続き受信することを可能にしないように、受信基準が選択されたからである。
【0005】
例えばFM+RDS、DAB、DVBなどの受信方法(送信方法)の場合、サービスを(例えば、ID及び/又はサービス名を援用して)個々に認識することを可能にするようなデータが送信される。自動車無線機/チューナ(受信機)では、目的は、リスト中のこれらのデータを表示して、表示された送信者から使用者が選択を行うことができるようにすることである。ただし、これらのサービスが可能な限り最新のものに維持され、更にまた使用者がそれらを選択するとすぐに実際に利用可能であるように、常に注意しなければならない。移動中の車両内では送信状況(landscape)(発せられた送信者及び受信機によって受信可能な送信者)が短時間で変わり得るので、目的は、いかにこの状況に最も効率的に対処するかして、これに適した課題へのアプローチ(例えば「監視方法」)を見つけることである。
【0006】
本発明はしたがって、送信者の受信を著しく損なう車両周囲の外部条件もまた考慮に入れるように、モバイル受信デバイスを動作させる方法を改善するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、特許請求の範囲に記載の特徴によって解決される。
【0008】
本発明によれば、1回のサイクルから保存された送信者の数が更なるサイクルから保存された送信者の数と比較され、次いで、保存された送信者のそれら2つの数が特定可能な値だけ互いに乖離しているときに、第1の受信方法から他の受信方法への切り替えが行われることが企図される。このことは、保存された送信者の数は上記1回のサイクルから登録されることを意味する。更なるサイクルが行われた後で、保存された送信者の数が再び登録される。これら2つの確認された数が互いに比較され、これらが一致するか又は互いに著しくは乖離していない場合には、続くサイクル又は複数のサイクルにおいても更に、現在の(第1の)受信方法が採用される。このことは、車両周囲の外部条件が、送信者の受信を損なわないか又は著しくは損なわないことを示している。
2つの確認された数を比較したときに特定可能な値文の著しい乖離が確定される場合のときのみ、これは、車両周囲の外部条件により送信者の受信が著しく損なわれており、この結果比較的多数の送信者をしたがってもはや受信、記憶、及び再生できないことを示している。これは、例えば、車両をトンネル、多階の駐車場、地下駐車場などに乗り入れる場合に当てはまる。しかしながら、送信者が引き続き受信されているにも関わらず、これらのエリア(トンネル、多階の駐車場、地下駐車場など)の中で原理的には依然として受信可能であるが、第1の受信方法が基礎とする受信基準に起因してもはや受信可能でないか又はもはや満足に再生できないことが望ましい。この理由により、本発明によれば、互いに乖離した送信者の確定した数が、第1の受信方法から第1の受信方法とは異なる受信基準に基づく、他の受信方法への切り替えの尺度となることが企図される。
受信基準の例として、受信レベルを挙げることが可能である。送信者を受信及び再生するための第1の受信方法の場合の受信レベルは、送信者が記憶されリストに加えられ再生されるかどうかを評価するための基礎としてより低い受信レベルを用いる、他の受信方法の場合の受信レベルよりも、大きくなくてはならない。
【0009】
他の受信基準を有する他の受信方法への切り替えが行われた後で、送信者の受信のための更なるサイクルを実行することが可能であり、この場合、他の受信方法の他の受信基準に一部又は完全に基づいて、第1の受信方法でも依然受信可能であった送信者は同様に受信可能であり、あるいは、それまで第1の受信方法で実際は受信可能であったが前提となる受信基準の結果として記憶されリストに加えられなかった他の送信者が、今や記憶すること及びリストへの追加について検討される。この結果、第1の受信方法の受信基準が許容する限りは、例えばトンネルに入る前に受信及び再生可能であったような送信者を、引き続き検討することが可能である。送信者のうちの1つが受信基準から逸脱し、この結果もはや満足に再生できない場合、これはもはや記憶されず、またもはやリストに加えられることもない。
しかしながら、リスト中の他の記憶された送信者は、それらがもはや第1の受信方法の受信基準は満たさないものの他の受信方法の受信基準を満たす限り、トンネルに入った後で更に検討される。このことは、トンネルに入る前に受信及び再生可能であった複数の送信者を、例えば、トンネルの走行中でも受信及び再生できる、という利点を有する。このことは、第1の受信方法の受信基準がトンネルを走行している間の基礎として用いられる場合には当てはまらないであろう。更に、トンネルを走行している間に、第1の受信方法の受信基準に基づいて(トンネルに入る前に)受信可能であったが、記憶されリストに加えられなかった他の送信者を、トンネルに入った後である今、受信し、記憶し、リストに加え、再生できることは、有利である。
【0010】
本発明に係る方法は、トンネルを走行している間継続的に繰り返され、この結果、トンネルの走行中はリスト中の数は著しくは変化しない(又は全く変化しない、すなわち同一のままである)ことになるが、このことは、車両が依然としてトンネルを走行中であることを示している。車両がトンネルを走行し終えてトンネルを離れるときにだけ、1回のサイクルにおけるリスト中の送信者の数が、トンネルの終了の直前、終了中、又は終了の直後に再び著しく変化することが、必然的に想定されるが、その理由は、無線通信塔から発せられた送信者の、トンネルによる、遮蔽が終わるからである。リスト中の送信者の数はトンネルに入ったときの2回以上のサイクル後に一般に著しく減少し(例えば半分)、このことはトンネルに入ったことを示しているが、一方で、トンネルから出た後の2回以上のサイクル後のリスト中の送信者の増加は逆に、トンネルから出たことを示している。
このことは結果的に、2回以上のサイクル後にリスト中の保存された送信者の数が特定可能な値だけ互いに著しく乖離(この場合は増加)するとき、トンネルの走行中に採用されていた他の受信方法から、トンネルに入る前に採用されていた第1の受信方法への、又は、場合によってはまた更なる(第3の)受信方法へのいずれかの切り替えが行われることを意味する。
【0011】
上記の説明は、車両が主要な進路からトンネルに入り、上記トンネルを走行し、その後トンネルから出て再び主要な進路に戻るときの、車両周囲の外部条件に基づいて行った。ただし、この説明は単に例として与えられており、トンネル状況に限定されるものではなく、本発明に係る方法は、車両周囲の外部条件に起因して信号受信が制限される同等の状況に適用できる。同等の状況は、例えば車両が多階の駐車場又は地下駐車場に乗り入れるときに当てはまるが、それでもこれは考えられる全ての状況を列挙してはいない。
【0012】
本発明の更なる発展形態では、切り替えの前及び切り替えの後で、特定可能な値は互いに同一であるか又は互いと異なっていることが企図されている。したがって、第1の受信方法から他の受信方法へと、又は他の受信方法から第1の若しくは更なる(第3の)受信方法へと、いつ切り替えを実行するかを決定するために利用可能な、2つの異なる基準が存在する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る方法について、以下で例を用いてより詳細に説明する。
【0014】
車両は例えば都市環境内を移動しており、送信者A、B、C、及びDが第1の受信方法EV1によって受信され、記憶され、リストに入れられるものと想定され、第1の受信方法EV1は、特定可能な受信品質を保証する受信基準に基づいている(これにより受信可能な送信者が記憶されリストに加えられる)。記憶される送信者の数はこの場合、4つの送信者である。これは、一般に都市環境内での車両の移動中、少なくとも1回のサイクルにおいて複数回、すなわち連続的に、確定されたものである。
【0015】
車両が地下駐車場内に移動される場合、地下駐車場に乗り入れた後で、もはやいずれの送信者も一切再生できない(第1の受信方法EV1の受信基準が、まだ弱くは受信可能であり得る送信者を記憶しリストに加えることをもはや許容しないため)か、あるいは、地下駐車場による遮蔽効果に起因して絶対的にいずれの送信者も受信され得ないかのいずれかであると、必然的に想定される。しかしながら、送信者が弱くではあるが依然として受信可能である場合、本発明は、「高い」受信基準を有する第1の受信方法EV1から「より低い」受信基準を有する他の受信方法EV2へと切り替えることによって、これを利用する。
切り替え基準として、本発明によれば、1回又は複数回のサイクル後の保存されたリスト中の送信者の数の変化が評価され、実際の切り替えのために考慮される。このことは、実際の受信状況が有利に検討され、他の基準は不精確であるから、これら他の基準(例えばナビゲーションシステムによる車両の位置の判定)は一切考慮する必要がないことを意味している。
【0016】
例示的なケースでは、こうして、地下駐車場への乗り入れ中又は乗り入れ後のいくつかのサイクル後に、4つ全ての送信者を受信することはもはや可能ではないというよりも、ただ1つの単独の送信者(例えばD)が受信され、記憶され、リストに加えられたこととが、確定される。したがって、1つの単独の送信者だけがまだリスト中にある。少なくとも2回のサイクル中のリスト中の送信者の(4つから1つへの)減少はこの場合、受信機が第1の受信方法EV1から第2の受信方法EV2へと切り替えを行わなければならないことを示す基準である。これら2つの受信方法EV1、EV2の受信基準が異なることに起因して、地下駐車場内で第2の受信方法EV2で依然として受信可能な個別の送信者Dを記憶することと、更にこれをリストに加えることとが、少なくとも可能である。加えて、地下駐車場内で受信方法EV2により少なくとも1つの更なる送信者Eをも受信できることが、更に考えられる。
この結果、リスト中の送信者の数は1から2に上昇することになるが、この上昇はまだ、他の受信方法EV2から第1の受信方法EV1又は場合によっては更なる(第3の)受信方法EV3への切り替えを可能にする、特定可能な値を上回っていない。地下駐車場における受信状況が、例えば、更なる新しい送信者(例えば、地下駐車場に乗り入れる前には受信できなかった新しい送信者E、F、若しくは更に多数)、又は更なる以前の送信者(例えば、地下駐車場に乗り入れる前に受信されていた送信者A、B、及び/若しくはC)を、示す場合にのみ、少なくとも2回のサイクル後のリスト中の送信者の数が以前の1つ又は2つから特定可能な値だけ互いに再び乖離し、この結果、再び切り替えを行うための基準が満たされ、切り替えが行われる。
これは車両が地下駐車場内に置かれている間の状況について説明しているが、その理由は、車両周囲の外部条件に起因して、地下駐車場に乗り入れる前にそれまで受信可能であった送信者、又は新しい送信者が、地下駐車場内で受信可能であることが除外されないからである。目標は常に、可能な限り多くの送信者を記憶しリストに加えること、及びそれらを満足のいく品質にまで再生することである。ただし、上記した状況はまた、車両が地下駐車場から再び出て来る状況にも関連している。典型的な実際のケースは、既により詳しく上述したように、地下駐車場における遮蔽に起因して、いずれの送信者ももはや一切受信可能でないか、あるいは、1つの送信者Dだけが受信可能であるか、のいずれかとして見ることができる。
車両が今や地下駐車場から外に出た場合、受信状況は、例えば、この1つの送信者Dとともに、乗り入れ前に受信可能であった送信者A、B、及びCを再び受信できる、というように変化する。少なくとも1回のサイクル後に確定されたリスト中の送信者の数の著しい上昇に起因して、この場合にも、他の受信方法EV2から第1の受信方法EV1又は更なる受信方法EV3のいずれかへと切り替えるための基準が満たされ、この結果、受信機はこの切り替えを行うことになる。この切り替え後、次いで更なるサイクルを行うことができ、この結果更に、既に以前にも記載したように、送信者状況が監視され、例えば地下駐車場から出た後で、以前の送信者A、B、C、及びDが受信され記憶されリストに加えられ再生されるだけでなく、新しい送信者E、Fなどを追加することもできる。
車両周囲の外部条件によっては、1つの既存の送信者又はいくつかの既存の送信者をもはや受信可能でないこともまた除外できないが、このことは、長いトンネル通過走行の場合にしばしば起きることである。本発明に係る方法はしたがってまた、送信者状況を監視することによって、更なる新しい受信可能な送信者を記憶し、それらを送信者の数のリストに加え、これらの送信者を再生することも可能にする。
【0017】
トンネルの例示的なケースでは、とりわけ重要な要素は以下のとおりである。
・トンネル入口を識別すること
・事前に知られている送信者とその周波数と良好な品質のデータを記録/保存すること
・トンネル内での特定の監視挙動(異なる監視モードの最適な使用)
・トンネル出口を識別すること
・利用可能な全送信者の可能な最速の記述(可能な限り全データとともに)
【0018】
このことは以下のように実行できる。サイクルの動作シークエンス(バックグラウンド監視)から、利用可能な良好な送信者の数が監視の開始前に最初に保存される。周波数が監視されるごとに、依然として利用可能な良好な送信者の現在の数がステーションリストから要求され、開始時に保存された数と比較される。送信者の臨界数を下回り次第(例えば、不十分な品質に起因して開始時に保存された送信者の50%が「見えなく(invisible)」なったとき)、トンネル入口が検出される。他方で、同じことがトンネル出口にも当てはまる。
【0019】
様々な監視モード(サイクルのタイプ)が存在する。違いは主に監視継続時間である。比較的高速ないわゆるスペクトル監視では、品質パラメータしか必要とされない。比較的低速な全情報監視(Full Information Scan)では、品質の良好な送信者の場合には、全ての追加データが待機される。
【0020】
トンネル内では、例えば、トンネル出口を可能な限り早く検出するために、スペクトル監視だけが行われる。この場合、新たに認識された、又は事前には未知であった、良好な送信者が、データを伴わずにリストに加えられる。
【0021】
第1のトンネルの監視サイクル(サイクル)の後で、利用可能な良好な送信者の数が保存され、それ以上は更新されない。更に、例えばバックグラウンド監視(BGS)からの、誤った検出を修正することができる。
【0022】
原理的には、トンネルが検出された後は送信者の数がそれ以上更新されないことを除いて、トンネル出口の場合にも(BGS及びAF追跡(AF−Following)から)トンネル入口の場合と同じアプローチが実行される。送信者の特定可能な数を上回り次第(例えば、トンネル検出の開始時に保存された送信者の数の150%に達したとき)、トンネル出口が検出される。
【0023】
トンネル入口の場合及びトンネル出口の場合の両方で、トンネル対処が機能する起点となることが意図されている、送信者の最低数が存在する。BGSから、例えば、トンネル入口を検出するための少なくとも6つの送信者、及び、例えば、トンネル出口を検出するための4つの送信者。AF追跡から、例えば、AFリスト中の、少なくとも2つの送信者及び少なくとも3つの送信者。
【0024】
原理的には、トンネル出口の検出が行われた瞬間から、トンネルの前に利用可能であった全ての送信者をリスト内で「表示する(unveil)」ことが可能である。ただしこれは、いくつかの送信者がもはや利用可能でない場合があり得る。トンネル出口で監視が周波数範囲の境界に到達した場合があり得るので、トンネル出口を起点として、スペクトル監視が再び最初から開始される。トンネルの前に既知であったステーション(送信者)の品質が良好であれば、それらは全データとともに表示される。新しいステーションは、最初はリストにおいてデータ無し(周波数のみ)で表示される。次の全情報監視がトリガされる、又は使用者が周波数への同調を行うやいなや、データがリスト内に入る。
【0025】
完全を期して、操作者に表示される送信者の数のリストは、それぞれの受信方法の受信基準を満たすような送信者しか含まないことを、改めて述べておく。
【0026】
この方法は好ましくはFM周波数の範囲内で採用される。この方法は一般に、特定のデータ(例えば送信名)を送信する全ての送信方法に対して採用されねばならない。