(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937388
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】フィルターコア水流通路
(51)【国際特許分類】
B01D 29/11 20060101AFI20210909BHJP
B01D 39/16 20060101ALI20210909BHJP
B01D 39/20 20060101ALI20210909BHJP
B01D 61/18 20060101ALI20210909BHJP
C02F 1/44 20060101ALI20210909BHJP
B01D 29/07 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
B01D29/10 510E
B01D39/16 Z
B01D39/20 C
B01D61/18
C02F1/44 A
B01D29/06 510A
B01D29/10 530A
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-564467(P2019-564467)
(86)(22)【出願日】2018年5月24日
(65)【公表番号】特表2020-521626(P2020-521626A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(86)【国際出願番号】CN2018088209
(87)【国際公開番号】WO2018219207
(87)【国際公開日】20181206
【審査請求日】2019年12月23日
(31)【優先権主張番号】201720608875.9
(32)【優先日】2017年5月27日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517025833
【氏名又は名称】佛山市云米電器科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Foshan Viomi Electrical Technology Co.,Ltd.
(73)【特許権者】
【識別番号】517025844
【氏名又は名称】陳 小平
【氏名又は名称原語表記】Xiaoping CHEN
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 小平
【審査官】
青木 太一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/199161(WO,A1)
【文献】
特開2004−050083(JP,A)
【文献】
国際公開第2002/036248(WO,A1)
【文献】
実開平03−047089(JP,U)
【文献】
特開平04−326980(JP,A)
【文献】
特表2020−521627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00−35/05
B01D 35/10−37/04
B01D 39/00−39/20
B01D 53/22
B01D 61/00−71/82
C02F 1/44
C02F 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターコア水流通路であって、フィルターコアハウジング(1)を含み、前記フィルターコアハウジング(1)は、位置の高低に応じてそれぞれ上部領域(11)と下部領域(12)を含み、上部領域(11)と下部領域(12)は互いに連通し、前記上部領域(11)には前置フィルターコア(2)が設けられ、下部領域(12)には核心フィルターコア(3)が設けられ、前記フィルターコアハウジング(1)には、入水口(5)と出水口(6)が更に設けられ、入水口(5)は、核心フィルターコア(3)の周囲の下部領域(12)を介して上部領域(11)と連通し、出水口(6)は、前記核心フィルターコア(3)と連通し、
前記入水口(5)と出水口(6)の両方ともフィルターコアハウジング(1)の底部に配置され、
中央出水管(4)を更に含み、中央出水管(4)は、上端入口(41)と下端出口(42)を含み、上端入口(41)は、中空円筒状の前置フィルターコア(2)の内部キャビティの中部又は上部であって前記前置フィルターコア(2)の上端より下の位置まで延び、下端出口(42)は、核心フィルターコア(3)内に挿入され、
前記前置フィルターコア(2)の内部キャビティ内で、前記中央出水管(4)の外壁と前置フィルターコア(2)の内部キャビティの内壁の間には隙間があり、
水は、入水口(5)と核心フィルターコア(3)の外周側の下部領域(12)を通して上部領域(11)に進入し、前置フィルターコア(2)によって濾過された後、上端入口(41)から中央出水管(4)に流入し、中央出水管(4)の下端出口(42)から核心フィルターコア(3)に流入し、最終的に出水口(6)から流出する、ことを特徴とするフィルターコア水流通路。
【請求項2】
前記前置フィルターコア(2)は、少なくとも2種類の濾過材料を含み、内外の位置に応じて内層コア(21)と外層コア(22)が設けられ、前記外層コア(22)は、中空の内層コア(21)の外壁を覆い、水は、外層コア(22)の外側壁から内層コア(21)の内部キャビティに進入し、下に流動して下部領域(12)の核心フィルターコア(3)に進入する、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルターコア水流通路。
【請求項3】
前記フィルターコアハウジング(1)の上部領域(11)の内壁と前置フィルターコア(2)の外壁の間には隙間がある、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルターコア水流通路。
【請求項4】
前記入水口(5)の中央垂直線と出水口(6)の中央垂直線は互いに平行である、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルターコア水流通路。
【請求項5】
前記中空円筒状の前置フィルターコア(2)の上端には、前置フィルターコア上蓋(23)が設けられ、底部は中央出水管(4)の延伸支持台(44)上に載置され、中央出水管(4)の下端は核心フィルターコア(3)に挿入され、核心フィルターコア(3)の底部は限外濾過下蓋(7)上に載置され、限外濾過下蓋(7)には出口(71)が設けられ、出口(71)はフィルターコアハウジング(1)の底部の出水口(6)に接続され、それにより、前置フィルターコア(2)の内部キャビティを通して下に流れる水は、順に中央出水管(4)、核心フィルターコア(3)及び限外濾過下蓋(7)を通過し、最終的にフィルターコアハウジング(1)の底部の出水口(6)から流出する、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルターコア水流通路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水濾過フィルターコア技術の分野に関し、特に、フィルターコア水流通路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術のフィルターコアには、様々な構造やスタイルがあるが、単一のフィルターコアの水流通路には、次の欠点が依然として存在している。(1)従来のフィルターコアの単一な構造の影響で、水流通路は通常、一端から流入して、他端から流出する。即ち、水流はほぼ水平で直線方向に流動し、水流の速度が速く、濾過の効果がよくない。また、水流は一端の方向から流入し、それに対して他端の方向から流出し、フィルターコアの入水と出水が接続され、方向が異なるため、全体の体積が大きすぎ、フィルターコアの適用がある程度影響される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記の従来技術の欠点を克服し、簡単で合理的な構造を有し、同じ単位体積内の水流通路を明らかに延長し、濾過効果を改善するのに有益であり、広い適用範囲を有するフィルターコア水流通路を提供することである。
【0004】
本発明の目的は、次のように実現される。
【0005】
フィルターコア水流通路は、フィルターコアハウジングを含み、前記フィルターコアハウジングは、位置の高低に応じてそれぞれ上部領域と下部領域を含み、上部領域と下部領域は互いに連通し、前記上部領域には前置フィルターコアが設けられ、下部領域には核心フィルターコアが設けられる。前記フィルターコアハウジングには、入水口と出水口が更に設けられ、入水口は、核心フィルターコアの周囲の下部領域を介して上部領域と連通し、出水口は、前記核心フィルターコアと連通し、水は入水口と核心フィルターコアの外周側の下部領域を通して上部領域に進入し、前置フィルターコアによって濾過された後、核心フィルターコアに流入し、最終的に出水口から流出する。このタイプのフィルターコア水流通路では、水は入水口から下部領域の核心フィルターコアの周囲を通過して上部領域に進入し、前置フィルターコアの周囲から前置フィルターコア内に進入し、次に下方の下部領域に流入し、核心フィルターコアによって濾過された後、最終的に出水口から流出する。この水流通路は、実際にはフィルターコアハウジング内で下から上へ、そして上から下への水の流動経路を形成し、同じ単位体積内での水流通路を明らかに延長する。また、水流通路の方向には変化があるため、流速が遅くなることにより、水流濾過効果が向上する。さらに、水流の方向に変化があるため、フィルターコアの主な入口と主な出口の位置は制限されず、同じ側又は異なる側にあってもよい。それにより、フィルターコアの配置はより多様で柔軟となり、適用範囲がより広くなり、構造が簡単で合理的である。
【0006】
本発明の目的は、以下の技術的手段によって解決され得る。
【0007】
さらに、前記入水口と出水口は両方ともフィルターコアハウジングの底部に配置される。即ち、入水口と出水口の位置は同じ側に配置され、フィルターコアの通路が明らかに延長される。
【0008】
さらに、前記前置フィルターコアは、少なくとも2種類の濾過材料を含み、内外の位置に応じて内層コアと外層コアが設けられる。前記外層コアは、中空の内層コアの外壁を覆う。水は、外層コアの外側壁から内層コアの内部キャビティに進入し、下に流動して下部領域の核心フィルターコアに進入する。水が前置フィルターコアの外周から進入するので、入水面積が大きく、急速な入水が容易にされる。
【0009】
さらに、中央出水管が更に含まれる。中央出水管は、上端入口と下端出口を含む。上端入口は、中空の内層コアの内部キャビティの中部又は上部に延び、下端出口は、核心フィルターコア内に挿入される。中央出水管の配置によって、水は底部の外周の前置フィルターコアの周囲から上に流動する。ガスは通常上部にあるため、ガスは水によって中央出水管に押し出され、中央出水管から排出され、フィルターコア(前置フィルターコアの内部キャビティ)の上部に溜まらない。それにより、フィルターコア(前置フィルターコア)の上部が無駄になることがなく、水はすべて、フィルターコア(前置フィルターコア)全体のフィルター材料を通過できる。
【0010】
さらに、前記内層コアの内部キャビティ内で、中心出水管の外壁と内層コアの内部キャビティの内壁の間には隙間がある。このようにして、前置フィルターコアの外周からの水は、内層の内部キャビティの中央出水管に迅速に流れることができる。これは、中央出水管の入水口面積が比較的広いことに相当し、急速な入水を容易にする。
【0011】
さらに、前記フィルターコアハウジングの上部領域の内壁と前置フィルターコアの外壁の間には隙間があるため、水は前置フィルターコアの外周の底部方向から上に流動し、すべて前置フィルターコアの外周全体を通過できる。
【0012】
さらに、前記入水口の中央垂直線と出水口の中央垂直線は互いに平行であるため、入水方向と出水方向は互いに平行である。
【0013】
さらに、前記前置フィルターコアは中空円筒状であり、PP折り畳み外層コアと、PP折り畳み外層コアに覆われた中空のカーボンロッド複合フィルターコアの内層コアを含む。水は、順にPP折り畳み外層コアの外側壁と中空のカーボンロッド複合フィルターコアの内層コアの外側壁から進入して濾過され、次に中空のカーボンロッド複合フィルターコアの内層コアの内部キャビティを通して下に流出する。
【0014】
さらに、前記中空円筒状の前置フィルターコアの上部には、前置フィルターコア上蓋が設けられ、底部は中央出水管の延伸支持台上に載置される。中央出水管の下端は核心フィルターコアに挿入され、核心フィルターコアの底部は限外濾過下蓋上に載置される。限外濾過下蓋には出口が設けられ、出口はフィルターコアハウジングの底部の出水口に接続される。それにより、前置フィルターコアの内部キャビティを通して下に流れる水は、順に中央出水管、核心フィルターコア及び限外濾過下蓋を通過し、最終的にフィルターコアハウジングの底部の出水口から流出する。
【0015】
さらに、前記核心フィルターコアは限外濾過UFであり、限外濾過UFと限外濾過下蓋の底部の間には隙間がある。それにより、限外濾過下蓋上に特定の貯水区間を形成し、十分で安定した流速を保証することが容易になる。
【0016】
本発明の有利な効果は以下のとおりである。
【0017】
(1)このタイプのフィルターコア水流通路では、水は入水口から下部領域の核心フィルターコアの周囲を通過して上部領域に進入し、前置フィルターコアの周囲から前置フィルターコア内に進入し、次に下方の下部領域に流入し、核心フィルターコアによって濾過された後、最終的に出水口から流出する。この水流通路は、実際にはフィルターコアハウジング内で下から上へ、そして上から下への水の流動経路を形成し、同じ単位体積内での水流通路を明らかに延長する。また、水流通路の方向には変化があるため、流速が遅くなることにより、水流濾過効果が向上する。さらに、水流の方向に変化があるため、フィルターコアの主な入口と主な出口の位置は制限されず、同じ側又は異なる側にあってもよい。それにより、フィルターコアの配置はより多様で柔軟となり、適用範囲がより広くなり、構造が簡単で合理的である。
【0018】
(2)また、中央出水管が更に含まれるため、水は底部の外周の前置フィルターコアの周囲から上に流動する。ガスは通常上部にあるため、ガスは水によって中央出水管に押し出され、中央出水管から排出され、フィルターコア(前置フィルターコアの内部キャビティ)の上部に溜まらない。それにより、フィルターコア(前置フィルターコア)の上部が無駄になることがなく、水はすべて、フィルターコア(前置フィルターコア)全体のフィルター材料を通過できる。
【0019】
(3)さらに、前置フィルターコアの外周からの水は、内層の内部キャビティの中央出水管に迅速に流れることができる。これは、中央出水管の入水口面積が比較的広いことに相当し、急速な入水を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のフィルターコア水流通路の模式図である。
【
図2】本発明のフィルターコアの分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面及び実施例を参照しながら本発明を更に説明する。
【0022】
図1と
図2を参照されたい。フィルターコア水流通路は、フィルターコアハウジング1を含み、前記フィルターコアハウジング1は、位置の高低に応じてそれぞれ上部領域11と下部領域12を含み、上部領域11と下部領域12は互いに連通し、前記上部領域11には前置フィルターコア2が設けられ、下部領域12には核心フィルターコア3が設けられ、前記フィルターコアハウジング1には、入水口5と出水口6が更に設けられ、入水口5は、核心フィルターコア3の周囲の下部領域12を介して上部領域11と連通し、出水口6は、前記核心フィルターコア3と連通し、水は、入水口5と核心フィルターコア3の外周側の下部領域12を通して上部領域11に進入し、前置フィルターコア2によって濾過された後、核心フィルターコア3に流入し、最終的に出水口6から流出する。前記入水口5と出水口6の両方ともフィルターコアハウジング1の底部に配置される。
【0023】
前記前置フィルターコア2は、少なくとも2種類の濾過材料を含み、内外の位置に応じて内層コア21と外層コア22が設けられ、前記外層コア22は、中空の内層コア21の外壁を覆い、水は、外層コア22の外側壁から内層コア21の内部キャビティに進入し、下に流動して下部領域12の核心フィルターコア3に進入する。
【0024】
本実施例では、中央出水管4を更に含み、中央出水管4は、上端入口41と下端出口42を含み、上端入口41は、中空の内層コア21の内部キャビティの中部又は上部に延び、下端出口42は、核心フィルターコア3内に挿入される。中心出水管4の外壁と内層コア21の内部キャビティの内壁の間には隙間がある。
【0025】
より具体的な解決策は次のとおりである。前記フィルターコアハウジング1の上部領域11の内壁と前置フィルターコア2の外壁の間には隙間があり、入水口5の中央垂直線と出水口6の中央垂直線は互いに平行である。
【0026】
前記前置フィルターコア2は中空円筒状であり、PP折り畳み外層コア22と、PP折り畳み外層コア22に覆われた中空のカーボンロッド複合フィルターコアの内層コア21を含み、水は、順にPP折り畳み外層コア22の外側壁と中空のカーボンロッド複合フィルターコアの内層コア21の外側壁から進入して濾過され、次に中空のカーボンロッド複合フィルターコアの内層コア21の内部キャビティを通して下に流出する。
【0027】
前記中空円筒状の前置フィルターコア2の上部には、前置フィルターコア上蓋23が設けられ、底部は中央出水管4の延伸支持台44上に載置され、中央出水管4の下端は核心フィルターコア3に挿入され、核心フィルターコア3の底部は限外濾過下蓋7上に載置され、限外濾過下蓋7には出口71が設けられ、出口71はフィルターコアハウジング1の底部の出水口6に接続され、それにより、前置フィルターコア2の内部キャビティを通して下に流れる水は、順に中央出水管4、核心フィルターコア3及び限外濾過下蓋7を通過し、最終的にフィルターコアハウジング1の底部の出水口6から流出する。前記核心フィルターコア3は限外濾過UFであり、限外濾過UFと限外濾過下蓋7の底部の間には隙間がある。
【0028】
動作原理は次のとおりである。水は、フィルターコアハウジング1の底部の入水口5から進入し、核心フィルターコア3の周囲の下部領域12に沿って上方に流動し、前置フィルターコア2の周囲の上部領域11に進入する。水は、前置フィルターコア2の外層コア22の側壁を通して内層コア21内に進入し、初回の濾過を受けた後、中央出水管4を介して下に流動し、核心フィルターコア3に進入して二回目の濾過を受け、最終的に限外濾過下蓋7の出口71を介して出水口6から排出される。