特許第6937449号(P6937449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6937449錠制御装置、錠制御プログラム及び錠制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6937449
(24)【登録日】2021年9月1日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】錠制御装置、錠制御プログラム及び錠制御方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20210909BHJP
【FI】
   E05B49/00 J
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2021-69704(P2021-69704)
(22)【出願日】2021年4月16日
(62)【分割の表示】特願2020-173033(P2020-173033)の分割
【原出願日】2020年10月14日
【審査請求日】2021年4月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】村上 裕介
(72)【発明者】
【氏名】岸 利光
(72)【発明者】
【氏名】楊 帥
【審査官】 芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2020/013150(WO,A1)
【文献】 特開2003−138815(JP,A)
【文献】 特開2012−202072(JP,A)
【文献】 特開2017−96068(JP,A)
【文献】 特開2018−115446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠を開閉する錠開閉機器に関連付けられた領域に、前記錠開閉機器に関連付けられたユーザ又はユーザ機器が入ったことを特定する特定部と、
前記錠の施錠履歴を取得する取得部と、
前記施錠履歴が、前記領域に前記ユーザ又は前記ユーザ機器が入ったことが特定されたことに基づく検出期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信する錠制御部と、
を有する、錠制御装置。
【請求項2】
前記検出期間は、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域内に入ったことが特定されてから所定時間経過するまでの期間である、
請求項1に記載の錠制御装置。
【請求項3】
前記検出期間は、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域内に入ったことが特定されてから、前記ユーザ機器が前記錠開閉機器との通信を開始するまでの期間である、
請求項2に記載の錠制御装置。
【請求項4】
前記取得部は前記施錠履歴に加えて前記錠の施錠状態を取得し、
前記錠制御部は、前記施錠履歴が前記検出期間内に前記錠が施錠されなかったことに加えて、前記錠が施錠されていることを前記施錠状態が示すことを条件として、前記錠制御指示を送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の錠制御装置。
【請求項5】
前記錠制御部は、前記施錠履歴が前記検出期間内に前記錠が施錠されなかったことに加えて、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たことを示す外出情報が、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域内に入った時点より前に記憶部に設定されていたことを条件として、前記錠制御指示を送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の錠制御装置。
【請求項6】
前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たか否かを判定する第1外出判定部をさらに有し、
前記第1外出判定部は、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たと判定したことに基づいて、前記外出情報を前記記憶部に設定する、
請求項5に記載の錠制御装置。
【請求項7】
前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たか否かを判定する第1外出判定部と、
前記第1外出判定部によって前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たと判定された場合に、前記第1外出判定部とは異なる方法で前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たか否かを判定する第2外出判定部と、
をさらに有し、
前記第2外出判定部は、前記第1外出判定部及び前記第2外出判定部が前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たと判定したことに基づいて、前記外出情報を前記記憶部に設定する、
請求項5に記載の錠制御装置。
【請求項8】
前記取得部は、前記特定部により前記領域に前記ユーザ又は前記ユーザ機器が入ったことが特定されたことに応じて、前記錠開閉機器が発信する無線信号の探索を開始する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の錠制御装置。
【請求項9】
前記領域は、前記ユーザにより指定された領域である、
請求項1から8のいずれか一項に記載の錠制御装置。
【請求項10】
前記ユーザ機器は、前記錠制御装置である、
請求項1から9のいずれか一項に記載の錠制御装置。
【請求項11】
プロセッサに、
錠を開閉する錠開閉機器に関連付けられた領域に、前記錠開閉機器に関連付けられたユーザ又はユーザ機器が入ったことを特定するステップと、
前記錠の施錠履歴を取得するステップと、
前記施錠履歴が、前記領域に前記ユーザ又は前記ユーザ機器が入ったことが特定されたことに基づく検出期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信するステップと、
を実行させる、錠制御プログラム。
【請求項12】
プロセッサが実行する、
錠を開閉する錠開閉機器に関連付けられた領域に、前記錠開閉機器に関連付けられたユーザ又はユーザ機器が入ったことを特定するステップと、
前記錠の施錠履歴を取得するステップと、
前記施錠履歴が、前記領域に前記ユーザ又は前記ユーザ機器が入ったことが特定されたことに基づく検出期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信するステップと、
を有する、錠制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠の開閉を制御する錠制御装置、錠制御プログラム及び錠制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スマートフォン等の携帯端末がドアに設置された錠開閉装置と近距離通信を行うことによって、当該錠開閉装置に当該ドアの錠を開閉させるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−96068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシステムにおいて、例えばユーザが手動でドアを施錠した後に、携帯端末が錠開閉装置と通信を行った場合に、ユーザが意図していないにも関わらずドアが解錠されてしまい、セキュリティが低下する可能性があるという問題があった。例えば、無線通信の不具合等により携帯端末から錠開閉装置への解錠指示の送信に遅延が発生した場合に、ユーザがドアを手動で解錠して家に入り再びドアを施錠した後、携帯端末から錠開閉装置に解錠指示が送信されてしてしまい、ドアが解錠されてしまうという状況が考えられる。このような状況では、ユーザが再び手動でドアを施錠する手間が掛かる、又はドアが解錠されていることにユーザが気付かないという問題が生じる。
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、ユーザが意図していないにも関わらず通信によってドアの錠が解錠されることを抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の錠制御装置は、錠を開閉する錠開閉機器に関連付けられた領域に、前記錠開閉機器に関連付けられたユーザ又はユーザ機器が入ったことを特定する特定部と、前記錠の施錠履歴を取得する取得部と、前記施錠履歴が、前記領域に前記ユーザ又は前記ユーザ機器が入ったことが特定されたことに基づく検出期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信する錠制御部と、を有する。
【0007】
前記検出期間は、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域内に入ったことが特定されてから所定時間経過するまでの期間であってもよい。
【0008】
前記検出期間は、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域内に入ったことが特定されてから、前記ユーザ機器が前記錠開閉機器との通信を開始するまでの期間であってもよい。
【0009】
前記取得部は前記施錠履歴に加えて前記錠の施錠状態を取得し、前記錠制御部は、前記施錠履歴が前記検出期間内に前記錠が施錠されなかったことに加えて、前記錠が施錠されていることを前記施錠状態が示すことを条件として、前記錠制御指示を送信してもよい。
【0010】
前記錠制御部は、前記施錠履歴が前記検出期間内に前記錠が施錠されなかったことに加えて、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たことを示す外出情報が、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域内に入った時点より前に記憶部に設定されていたことを条件として、前記錠制御指示を送信してもよい。
【0011】
前記錠制御装置は、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たか否かを判定する第1外出判定部をさらに有し、前記第1外出判定部は、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たと判定したことに基づいて、前記外出情報を前記記憶部に設定してもよい。
【0012】
前記錠制御装置は、前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たか否かを判定する第1外出判定部と、前記第1外出判定部によって前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たと判定された場合に、前記第1外出判定部とは異なる方法で前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たか否かを判定する第2外出判定部と、をさらに有し、前記第2外出判定部は、前記第1外出判定部及び前記第2外出判定部が前記ユーザ又は前記ユーザ機器が前記領域から出たと判定したことに基づいて、前記外出情報を前記記憶部に設定してもよい。
【0013】
前記取得部は、前記特定部により前記領域に前記ユーザ又は前記ユーザ機器が入ったことが特定されたことに応じて、前記錠開閉機器が発信する無線信号の探索を開始してもよい。
【0014】
前記領域は、前記ユーザにより指定された領域であってもよい。
【0015】
前記ユーザ機器は、前記錠制御装置であってもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の錠制御プログラムは、プロセッサに、錠を開閉する錠開閉機器に関連付けられた領域に、前記錠開閉機器に関連付けられたユーザ又はユーザ機器が入ったことを特定するステップと、前記錠の施錠履歴を取得するステップと、前記施錠履歴が、前記領域に前記ユーザ又は前記ユーザ機器が入ったことが特定されたことに基づく検出期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信するステップと、を実行させる。
【0017】
本発明の第3の態様の錠制御方法は、プロセッサが実行する、錠を開閉する錠開閉機器に関連付けられた領域に、前記錠開閉機器に関連付けられたユーザ又はユーザ機器が入ったことを特定するステップと、前記錠の施錠履歴を取得するステップと、前記施錠履歴が、前記領域に前記ユーザ又は前記ユーザ機器が入ったことが特定されたことに基づく検出期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信するステップと、を有する。
【0018】
本発明の第4の態様の錠制御装置は、錠を開閉する錠開閉機器と無線通信をする錠制御装置であって、前記錠の施錠履歴を取得する取得部と、前記施錠履歴が所定期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信する錠制御部と、を有する。
【0019】
本発明の第5の態様の錠制御プログラムは、錠を開閉する錠開閉機器と無線通信をする装置のプロセッサに、前記錠の施錠履歴を取得するステップと、前記施錠履歴が所定期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信するステップと、を実行させる。
【0020】
本発明の第6の態様の錠制御方法は、錠を開閉する錠開閉機器と無線通信をする装置のプロセッサが実行する、前記錠の施錠履歴を取得するステップと、前記施錠履歴が所定期間内に前記錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、前記錠開閉機器に前記錠を解錠するための錠制御指示を送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザが意図していないにも関わらず通信によってドアの錠が解錠されることを抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る錠制御システムの模式図である。
図2】実施形態に係る錠制御システムのブロック図である。
図3】ユーザが外出する際の処理を説明するための模式図である。
図4】ユーザが帰宅する際の処理を説明するための模式図である。
図5】錠制御装置が実行する錠制御方法における、ユーザが外出する際の処理のフローチャートを示す図である。
図6】錠制御装置が実行する錠制御方法における、ユーザが帰宅する際の処理のフローチャートを示す図である。
図7】変形例に係る錠制御システムの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[錠制御システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る錠制御システムSの模式図である。錠制御システムSは、錠制御装置1と、錠開閉機器2とを含む。錠制御システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0024】
錠制御装置1は、錠開閉機器2によるドアの錠の開閉を制御するコンピュータである。本実施形態において、錠制御装置1は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯通信端末であり、またユーザが保持するユーザ機器である。また、錠制御装置1は、パーソナルコンピュータ、サーバ等であってもよい。錠制御装置1は、Bluetooth(登録商標) Low Energy(以下、BLE)等の近距離無線通信によって、錠開閉機器2と通信可能である。
【0025】
錠開閉機器2は、ドアの錠を開閉する、すなわち解錠(開錠)及び施錠するための装置である。ドアは、サムターン(錠を開閉するためのつまみ)によって施錠及び解錠される錠を備える扉(開閉体)であり、例えば、建物内の居室に出入りするためドア、又は建物自体に出入りするためのドアである。錠開閉機器2は、錠制御システムSを利用するユーザであって、ドアの錠を開閉する権限を有するユーザに関連付けられている。
【0026】
錠開閉機器2は、建物のドアの室内側(すなわち、サムターンが設けられている側)において、サムターンを覆う位置に取り付けられている。錠開閉機器2は、例えば、両面テープ等の粘着部材や、ねじ等の締結部材によって、ドアに固定される。また、錠開閉機器2は、ドアに一体化され、又はドアに内蔵されてもよい。錠開閉機器2は、モータ等の動力によってサムターンを操作可能である。錠開閉機器2は、錠制御装置1が送信した錠制御指示に従って、ドアの錠を解錠し又は施錠するように、サムターンを操作する。
【0027】
本実施形態に係る錠制御システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。錠制御装置1は、錠開閉機器2に関連付けられた指定領域にユーザ又はユーザ機器が入ったことに対応する起点タイミングを特定する。ユーザ機器は、ユーザが保持する機器であり、本実施形態においては錠制御装置1である。ユーザ機器は、錠制御装置1とは異なる、ユーザが保持する機器であってもよい。
【0028】
指定領域は、錠開閉機器2が錠制御装置1と通信可能になる範囲より広い領域である。指定領域は、例えば、ユーザによって指定された、錠開閉機器2が設置されたドア又は建物を含む領域である。錠制御装置1は、ユーザ機器の位置情報や、指定領域周辺に設けられたカメラが撮像したユーザの撮像画像に基づいて、ユーザ又はユーザ機器が指定領域に入ったことを検出する。
【0029】
錠制御装置1は、特定した起点タイミングを端点とした検出期間を決定する(1)。検出期間は、例えば、起点タイミングから所定時間経過した時点までの期間、又は起点タイミングからユーザ機器である錠制御装置1が錠開閉機器2との通信を開始した時点までの期間である。
【0030】
錠制御装置1は、錠開閉機器2と近距離無線通信で通信可能になると、錠の施錠履歴を取得する(2)。施錠履歴は、例えば、錠が施錠された日時と、錠が解錠された日時とを含む情報である。また、施錠履歴は、錠が解錠された日時を含まず、少なくとも錠が施錠された日時を含む情報であってもよい。錠制御装置1は、錠開閉機器2から施錠履歴を取得し、又は錠制御装置1の記憶部に記憶された施錠履歴を取得する。
【0031】
錠制御装置1は、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信する(3)。錠開閉機器2は、錠制御装置1が送信した錠制御指示に従って錠を解錠する。
【0032】
このように本実施形態に係る錠制御システムSにおいて、錠制御装置1は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域に入ったことを起点とする検出期間内に錠が施錠されなかったことを条件として、錠開閉機器2に錠を解錠させる。すなわち、錠制御装置1は、錠開閉機器2が設置された建物を含む領域にユーザが入った時点付近に施錠された履歴があった場合に、錠開閉機器2に錠を解錠させない。これにより、錠制御装置1は、ユーザが意図的に錠を施錠した直後に自動的に解錠してしまうことを防ぐことができるため、ユーザが意図していないにも関わらず通信によってドアの錠が解錠されることを抑制できる。
【0033】
[錠制御システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る錠制御システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0034】
錠制御装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。錠制御装置1は、図2に示す具体的な構成に限定されない。錠制御装置1は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0035】
記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部11は、錠制御装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。
【0036】
制御部12は、第1外出判定部121と、第2外出判定部122と、タイミング特定部123と、期間決定部124と、取得部125と、錠制御部126とを有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、第1外出判定部121、第2外出判定部122、タイミング特定部123、期間決定部124、取得部125及び錠制御部126として機能する。制御部12の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部12の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0037】
錠制御装置1が本実施形態に係る処理を実行するための構成を以下に説明する。まず、第1外出判定部121及び第2外出判定部122は、ユーザが外出する際に、ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出たか否かを判定する処理を行う。
【0038】
図3は、ユーザが外出する際の処理を説明するための模式図である。錠制御装置1は、ユーザから、指定領域Rを指定する操作を予め受け付ける。指定領域Rは、錠開閉機器2が錠制御装置1と通信可能になる通信範囲Cより広い領域である。錠制御装置1は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示部に、ユーザに関連付けられた錠開閉機器2の位置、すなわち錠開閉機器2が設置されたドア又は建物の位置を含む所定範囲の地図を表示する。ユーザは、表示された地図上で、錠開閉機器2の位置を含む指定領域Rを指定する操作を行う。
【0039】
錠制御装置1は、ユーザによる操作に基づいて、当該ユーザに関連付けられた錠開閉機器2と、当該ユーザによって指定された指定領域Rと、を関連付けた情報を、記憶部11に記憶させる。また、錠制御装置1は、錠開閉機器2の位置に基づいて自動的に指定領域Rを決定してもよい。
【0040】
第1外出判定部121は、例えば、GPS(Global Positioning System)等を用いた既知の測位処理を実行することによって、ユーザが保持するユーザ機器である錠制御装置1の位置を取得する。第1外出判定部121は、ユーザ機器の位置が指定領域Rの内側から外側に移動した場合に、ユーザ機器が指定領域Rから出たと判定し、ユーザ機器の位置が指定領域Rの内側から外側に移動していない場合に、ユーザ機器が指定領域Rから出ていないと判定する。
【0041】
また、第1外出判定部121は、例えば、指定領域周辺に設けられたカメラが撮像したユーザの撮像画像に対して既知の人物認識処理を実行することによって、ユーザの位置を取得してもよい。この場合に、第1外出判定部121は、ユーザの位置が指定領域Rの内側から外側に移動した場合に、ユーザが指定領域Rから出たと判定し、ユーザの位置が指定領域Rの内側から外側に移動していない場合に、ユーザが指定領域Rから出ていないと判定する。第1外出判定部121は、その他の方法でユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たか否かを判定してもよい。
【0042】
第2外出判定部122は、第1外出判定部121によってユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たと判定された場合に、第1外出判定部121とは異なる方法で、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たか否かを判定する。第2外出判定部122は、例えば、第1外出判定部121によってユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たと判定された場合に、錠開閉機器2が発するBLEのアドバタイズ信号等の無線信号の探索を開始する。また、第2外出判定部122は、錠開閉機器2が設置された建物内のルータやアクセスポイント等の無線LAN(Local Area Network)機器が発するビーコン等の無線信号を探索してもよい。
【0043】
第2外出判定部122は、第1外出判定部121による判定から所定時間内(例えば、60秒以内)に無線信号を受信できない場合に、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たと判定し、所定時間内に無線信号を受信できた場合に、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出ていないと判定する。第2外出判定部122は、その他の方法でユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たか否かを判定してもよい。
【0044】
そして第2外出判定部122は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たと判定した場合に、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たことを示す外出情報を記憶部11に設定する。外出情報を設定することは、例えば記憶部11に記憶されている外出フラグを1にすることである。このように、第1外出判定部121及び第2外出判定部122は、異なる2つの方法でユーザ又はユーザ機器が指定領域から出たか否かを判定することによって、例えばGPSによる位置の誤差等に起因してユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たことを誤判定する確率を低減できる。
【0045】
錠制御装置1は、第2外出判定部122による判定を行わず、第1外出判定部121による判定のみを行ってもよい。この場合には、第1外出判定部121は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たと判定した場合に、ユーザ機器が指定領域Rから出たことを示す外出情報を記憶部11に設定する。
【0046】
次に第1外出判定部121は、ユーザが帰宅する際に、ユーザ又はユーザ機器が指定領域に入ったか否かを判定する処理を行う。図4は、ユーザが帰宅する際の処理を説明するための模式図である。
【0047】
第1外出判定部121は、例えば、GPS等を用いた既知の測位処理を実行することによって、ユーザが保持するユーザ機器である錠制御装置1の位置を取得する。第1外出判定部121は、ユーザ機器の位置が指定領域Rの外側から内側に移動した場合に、ユーザ機器が指定領域Rに入ったと判定し、ユーザ機器の位置が指定領域Rの外側から内側に移動していない場合に、ユーザ機器が指定領域Rに入っていないと判定する。
【0048】
また、第1外出判定部121は、例えば、指定領域周辺に設けられたカメラが撮像したユーザの撮像画像に対して既知の人物認識処理を実行することによって、ユーザの位置を取得してもよい。この場合に、第1外出判定部121は、ユーザの位置が指定領域Rの外側から内側に移動した場合に、ユーザが指定領域Rに入ったと判定し、ユーザの位置が指定領域Rの外側から内側に移動していない場合に、ユーザが指定領域Rに入っていないと判定する。第1外出判定部121は、その他の方法でユーザ又はユーザ機器が指定領域Rに入ったか否かを判定してもよい。
【0049】
第1外出判定部121は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rに入ったと判定した場合に、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rに入った時点より前に、記憶部11に当該ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たことを示す外出情報が設定されているか否かを判定する。錠制御装置1は、記憶部11に外出情報が設定されていた場合、すなわち外出フラグが1である場合に、以降の処理を実行し、記憶部11に外出情報が設定されていなかった場合、すなわち外出フラグが0(ゼロ)である場合に、処理を終了する。このように、錠制御装置1は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域R内に入った時点より前に外出情報が記憶部11に設定されていたことを条件として後述のように錠開閉機器2に錠を解錠させることによって、ユーザが在宅したままにも関わらず錠が解錠されることを防ぐことができる。
【0050】
タイミング特定部123は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rに入った時点を、指定領域Rにユーザ又はユーザ機器が入ったことに対応する起点タイミングとして特定する。また、タイミング特定部123は、起点タイミングから所定時間(例えば、300秒)経過した時点を、起点タイミングとは異なる終点タイミングとして特定する。期間決定部124は、起点タイミングから終点タイミングまでの検出期間、すなわち起点タイミングを第1端点とし、終点タイミングを第2端点とした検出期間を決定する。
【0051】
取得部125は、検出期間中に、錠開閉機器2が発信する無線信号を探索し、当該無線信号を受信できるか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定する。錠開閉機器2が発信する無線信号は、錠開閉機器2が常時発信する信号であり、例えばBLEのアドバタイズ信号である。錠制御装置1は、錠開閉機器2が発信する無線信号を受信できる場合に、錠開閉機器2と通信可能な通信範囲C内に入っている。また、取得部125は、無線信号の強度が閾値以上である場合に無線信号を受信できると判定し、無線信号の強度が閾値未満である場合に無線信号を受信できないと判定してもよい。
【0052】
検出期間の長さ(例えば、300秒)は、第2外出判定部122が無線信号を検出する期間の長さ(例えば、60秒)よりも長いことが望ましい。ユーザの外出判定時には、第1外出判定部121がユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たことを誤判定した場合に第2外出判定部122が短い時間であっても無線信号を検出できる一方で、ユーザの帰宅判定時には、ユーザが指定領域R内に入ってからさらに通信範囲C内に入るまでの移動に長い時間が掛かる可能性があるためである。また、錠制御装置1は、ユーザから、第2外出判定部122が無線信号を検出する期間の長さと、検出期間の長さとの少なくとも一方の指定を受け付けてもよい。
【0053】
取得部125は、検出期間が経過しても錠開閉機器2が発信する無線信号を受信できない場合に、処理を終了する。取得部125は、検出期間中に錠開閉機器2が発信する無線信号を受信できた場合に、近距離無線通信によって錠開閉機器2に接続する。このとき、取得部125は、記憶部11において、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rから出たことを示す外出情報の設定を解除する。外出情報の設定を解除することは、例えば記憶部11に設定されている外出フラグを0(ゼロ)にすることである。
【0054】
タイミング特定部123は、起点タイミングから所定時間経過した時点ではなく、ユーザ機器である錠制御装置1が錠開閉機器2との通信を開始した時点を、終点タイミングとして特定してもよい。この場合に、期間決定部124は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域R内に入った時点である起点タイミングを第1端点とし、ユーザ機器が錠開閉機器2との通信を開始した時点である終点タイミングを第2端点とした検出期間を決定する。取得部125は、起点タイミングから錠開閉機器2が発信する無線信号を探索し続け、近距離無線通信によって錠開閉機器2に接続できた時点で、タイミング特定部123に終点タイミングを決定させるとともに期間決定部124に検出期間を決定させる。
【0055】
取得部125は、錠開閉機器2と近距離無線通信で通信可能になると、錠開閉機器2が設置された錠の施錠履歴を取得する。施錠履歴は、例えば、錠が施錠された日時と、錠が解錠された日時とを含む情報である。また、施錠履歴は、錠が解錠された日時を含まず、少なくとも錠が施錠された日時を含む情報であってもよい。取得部125は、錠開閉機器2から施錠履歴を取得し、又は記憶部11に記憶された施錠履歴を取得する。また、施錠履歴が錠制御装置1及び錠開閉機器2とは異なる外部装置に記憶されている場合には、取得部125は、当該外部装置から施錠履歴を取得してもよい。
【0056】
さらに取得部125は、施錠履歴に加えて、錠の施錠状態を取得してもよい。施錠状態は、錠が解錠された状態にあるか、又は錠が施錠された状態にあるかを含む情報である。
【0057】
錠制御部126は、取得部125が取得した施錠履歴から、錠が最後に施錠された日時を特定する。そして錠制御部126は、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されなかったことを示すこと、すなわち錠が最後に施錠された日時が検出期間に含まれていないことを条件として、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信する。錠制御指示は、錠開閉機器2に錠を解錠させる信号、又は錠開閉機器2に錠の施錠状態と解錠状態とを切り替えさせる信号である。一方、錠制御部126は、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されたことを示す場合、すなわち錠が最後に施錠された日時が検出期間に含まれている場合には、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信しない。
【0058】
また、解錠されてから所定期間経過後に錠開閉機器2が錠を自動的に施錠する機能(オートロック機能)が有効である場合に、錠制御部126は、錠を解錠することに加えて、錠が自動的に施錠されるまでの時間を長くするための錠制御指示を送信してもよい。
【0059】
また、錠制御部126は、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されなかったことを示すことに加えて、取得部125が取得した施錠状態が、錠が施錠されていることを示すことを条件として、錠制御指示を送信してもよい。これにより、錠制御部126は、錠が既に施錠状態にあるにも関わらずさらに錠制御指示を送信することを防ぎ、無駄な通信を削減できる。
【0060】
錠開閉機器2は、錠制御装置1が送信した錠制御指示に従って、モータ等を駆動し、錠を解錠するようにサムターンを操作する。このように、錠制御装置1は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域Rに入ったことを起点とする検出期間内に錠が施錠されなかったことを条件として錠開閉機器2に錠を解錠させるため、ユーザが自発的に錠を施錠した直後等、ユーザが意図していないにも関わらず通信によってドアの錠が解錠されることを抑制できる。
【0061】
また、錠制御部126は、第1ユーザが指定領域Rに入ったことに応じて錠制御指示を送信した後、所定時間内に第1ユーザとは異なる第2ユーザが錠を施錠した場合に、錠制御指示を再び送信してもよい。この場合に、施錠履歴は、錠が施錠又は解錠された日時と、錠を施錠又は解錠したユーザを識別可能なユーザ識別情報とを関連付けた情報を含む。ユーザ識別情報は、錠を施錠又は解錠することの契機となるユーザ機器に予め設定されている。取得部125は、錠制御部126が錠開閉機器2に錠制御指示を送信してから所定時間の間、施錠履歴を繰り返し取得する。そして錠制御部126は、施錠履歴に基づいて、錠制御指示を送信することの契機となった第1ユーザとは異なる第2ユーザが錠を施錠した場合に、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を再び送信する。
【0062】
これにより、例えば、錠制御装置1が錠開閉機器2に錠を解錠させた後であって、第1ユーザがドアにたどり着く前に、第2ユーザが施錠してしまった場合に、錠制御装置1は自動的に錠を再び解錠する。そのため、錠制御装置1は、第1ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0063】
また、錠制御部126は、指定領域Rに入ったユーザを識別可能なユーザ識別情報と、施錠履歴において錠を解錠したユーザを識別可能なユーザ識別情報を考慮して、解錠するか否かを決定してもよい。この場合に、錠制御装置1は、ユーザ識別情報が異なる場合に解錠するか否かの設定を予め受け付ける。ユーザ識別情報が異なる場合に解錠すると設定された場合に、錠制御部126は、ユーザ識別情報を考慮せずに、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信する。
【0064】
一方、ユーザ識別情報が異なる場合に解錠しないと設定された場合に、錠制御部126は、施錠履歴が、検出期間内に、指定領域Rに入ったユーザ(ユーザ識別情報)によって錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信する。これにより、錠制御装置1は、例えば、施錠履歴に基づいて錠制御指示を送信する際に、錠を施錠したユーザを考慮するかしないかとユーザの希望に応じて切り替えることができる。
【0065】
[錠制御方法のフローチャート]
図5は、錠制御装置1が実行する錠制御方法における、ユーザが外出する際の処理のフローチャートを示す図である。図5のフローチャートは、例えば、錠制御装置1がユーザから錠の自動解錠を許可する操作を受け付けたことを契機として開始される。まず第1外出判定部121は、記憶部11において、ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出たことを示す外出情報の設定を解除する(S11)。外出情報の設定を解除することは、例えば記憶部11に設定されている外出フラグを0(ゼロ)にすることである。
【0066】
第1外出判定部121は、ユーザ、又はユーザ機器である錠制御装置1の位置を取得する(S12)。第1外出判定部121は、ユーザ又はユーザ機器の位置が指定領域の内側から外側に移動した場合に、ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出たと判定し、ユーザ又はユーザ機器の位置が指定領域の内側から外側に移動していない場合に、ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出ていないと判定する。
【0067】
ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出ていない場合に(S13のNO)、第1外出判定部121は、ステップS12を繰り返す。ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出た場合に(S13のYES)、第1外出判定部121は、錠開閉機器2が発するBLEに基づくアドバタイズ信号等の無線信号の探索を開始する(S14)。
【0068】
第2外出判定部122は、第1外出判定部121による判定から所定時間内(例えば、60秒以内)に無線信号を受信できた場合に(S15のYES)、ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出ていないと判定し、処理を終了する。第2外出判定部122は、所定時間内に無線信号を受信できない場合に(S15のNO)、ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出たと判定し、ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出たことを示す外出情報を記憶部11に設定する(S16)。外出情報を設定することは、例えば記憶部11に記憶されている外出フラグを1にすることである。
【0069】
図6は、錠制御装置1が実行する錠制御方法における、ユーザが帰宅する際の処理のフローチャートを示す図である。図6のフローチャートは、例えば、図5のフローチャートに引き続いて開始される。
【0070】
第1外出判定部121は、ユーザ、又はユーザ機器である錠制御装置1の位置を取得する(S21)。第1外出判定部121は、ユーザ機器の位置が指定領域の外側から内側に移動した場合に、ユーザ機器が指定領域に入ったと判定し、ユーザ機器の位置が指定領域の外側から内側に移動していない場合に、ユーザ機器が指定領域に入っていないと判定する。
【0071】
ユーザ又はユーザ機器が指定領域に入っていない場合に(S22のNO)、第1外出判定部121は、ステップS21を繰り返す。ユーザ又はユーザ機器が指定領域に入った出た場合に(S22のYES)、第1外出判定部121は、記憶部11に設定された外出情報を取得する。
【0072】
外出情報が設定されていない場合、すなわち外出フラグが0(ゼロ)である場合に(S23のNO)、錠制御装置1は処理を終了する。外出情報が設定されている場合、すなわち外出フラグが1である場合に(S23のYES)、錠制御装置1は以降の処理を行う。
【0073】
タイミング特定部123は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域に入った時点を、指定領域にユーザ又はユーザ機器が入ったことに対応する起点タイミングとして特定する。また、タイミング特定部123は、起点タイミングから所定時間(例えば、300秒)経過した時点を、起点タイミングとは異なる終点タイミングとして特定する。期間決定部124は、起点タイミングから終点タイミングまでの検出期間、すなわち起点タイミングを第1端点とし、終点タイミングを第2端点とした検出期間を決定する(S24)。
【0074】
取得部125は、検出期間中に、錠開閉機器2が発信するBLEに基づくアドバタイズ信号等の無線信号を探索し、当該無線信号を受信できるか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定する(S25)。取得部125は、検出期間が経過しても錠開閉機器2が発信する無線信号を受信できない場合に(S26のNO)、処理を終了する。取得部125は、検出期間中に錠開閉機器2が発信する無線信号を受信できた場合に(S26のYES)、以降の処理を行う。
【0075】
取得部125は、検出期間中に錠開閉機器2が発信する無線信号を受信できた場合に、BLEによる近距離無線通信によって錠開閉機器2に接続する。このとき、取得部125は、記憶部11において、ユーザ又はユーザ機器が指定領域から出たことを示す外出情報の設定を解除する(S27)。外出情報の設定を解除することは、例えば記憶部11に設定されている外出フラグを0(ゼロ)にすることである。
【0076】
取得部125は、錠開閉機器2と近距離無線通信で通信可能になると、錠開閉機器2が設置された錠の施錠履歴を取得する(S28)。錠制御装置1は、錠開閉機器2から施錠履歴を取得し、又は記憶部11に記憶された施錠履歴を取得する。
【0077】
錠制御部126は、取得部125が取得した施錠履歴から、錠が最後に施錠された日時を特定する。錠制御部126は、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されなかったことを示す場合、すなわち錠が最後に施錠された日時が検出期間に含まれていない場合に(S29のNO)、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信する(S30)。錠制御部126は、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されたことを示す場合に(S29のYES)、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信せずに処理を終了する。
【0078】
本実施形態では、ユーザが保持するスマートフォン等のユーザ機器が錠制御装置1として機能しているが、ユーザ機器と錠制御装置1とが異なる装置であってもよい。この場合に、錠制御装置1は、ユーザ機器と通信可能なサーバとして構成される。ユーザ機器は、錠開閉機器2が発信する無線信号を受信できた場合に、移動体通信や無線LANを介して錠制御装置1に通知する。錠制御装置1は、ユーザ機器から錠開閉機器2が発信する無線信号を受信したこと(すなわち、ユーザ又はユーザ機器が錠開閉機器2の近傍にいること)を示す通知を受けたことを契機として、ユーザ機器から取得した又は記憶部11に記憶された施錠履歴に基づいて上述のように錠を解錠するか否かを判定する。
【0079】
そして錠制御装置1は、錠を解錠すると判定した場合に、移動体通信や無線LANを介して、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信する。これにより、ユーザ機器とサーバである錠制御装置1とで処理を分散し、ユーザ機器の処理負荷を低減することができる。
【0080】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る錠制御システムSにおいて、錠制御装置1は、ユーザ又はユーザ機器が指定領域に入ったことを起点とする検出期間内に錠が施錠されなかったことを条件として、錠開閉機器2に錠を解錠させる。すなわち、錠制御装置1は、錠開閉機器2が設置された建物を含む領域にユーザが入った時点付近に施錠された履歴があった場合に、錠開閉機器2に錠を解錠させない。これにより、錠制御装置1は、ユーザが意図的に錠を施錠した直後に自動的に解錠してしまうことを防ぐことができるため、ユーザが意図していないにも関わらず通信によってドアの錠が解錠されることを抑制できる。
【0081】
[変形例]
上述の実施形態では、ユーザ機器である錠制御装置1が錠開閉機器2と近距離無線通信で通信可能になったことを契機として、施錠履歴に基づく錠制御指示が送信される。これに対して、本変形例では、錠制御装置1とは異なるユーザ機器が発信した信号を、錠開閉機器2とは異なる受信機が受信したことを契機として、施錠履歴に基づく錠制御指示が送信される。以下、本変形例において上述の実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0082】
図7は、本変形例に係る錠制御システムSの模式図である。錠制御システムSは、錠制御装置1及び錠開閉機器2に加えて、受信機3と、発信機4とを含む。受信機3は、BLE等の近距離無線通信の無線信号を受信可能な装置である。受信機3は、錠開閉機器2に関連付けられており、例えば錠開閉機器2が設置された建物内に設けられている。また、受信機3は、錠制御装置1及び錠開閉機器2と、無線通信によって通信可能である。
【0083】
発信機4は、近距離無線通信の無線信号を送信可能な装置である。発信機4は、ユーザが保持しているユーザ機器である。発信機4は、BLEに基づくアドバタイズ信号等の無線信号を常時発信している。
【0084】
ユーザが帰宅する際、錠開閉機器2が設置された建物にユーザが接近すると、ユーザ機器である発信機4が発信した無線信号を、受信機3が受信する。受信機3は、発信機4が発信した無線信号を受信した時点の日時を示す受信情報を、錠制御装置1に送信する。
【0085】
タイミング特定部123は、発信機4が送信した受信情報に基づいて、ユーザ機器である発信機4が発信した無線信号を錠開閉機器2に関連付けられた受信機3が受信した時点を、起点タイミングとして特定する。また、タイミング特定部123は、起点タイミングから所定時間(例えば、300秒)遡った時点を、起点タイミングとは異なる終点タイミングとして特定する。期間決定部124は、起点タイミングから終点タイミングまでの検出期間、すなわち起点タイミングを第1端点とし、終点タイミングを第2端点とした検出期間を決定する。
【0086】
取得部125は、期間決定部124が検出期間を決定した後、錠開閉機器2が設置された錠の施錠履歴を取得する。取得部125は、錠開閉機器2から受信機3を介して施錠履歴を取得し、又は記憶部11に記憶された施錠履歴を取得する。
【0087】
錠制御部126は、取得部125が取得した施錠履歴から、錠が最後に施錠された日時を特定する。そして錠制御部126は、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されなかったことを示すこと、すなわち錠が最後に施錠された日時が検出期間に含まれていないことを条件として、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を、受信機3を介して送信する。一方、錠制御部126は、施錠履歴が検出期間内に錠が施錠されたことを示す場合に、錠開閉機器2に錠を解錠するための錠制御指示を送信しない。
【0088】
本変形例によれば、錠制御装置1は、ユーザ機器が発信する無線信号を受信した時点を起点とする検出期間内に錠が施錠されなかったことを条件として錠開閉機器2に錠を解錠させる。すなわち、錠制御装置1は、錠開閉機器2に関連付けられた受信機3にユーザ機器である発信機4を有するユーザが近付いた時点付近に施錠された履歴があった場合に、錠開閉機器2に錠を解錠させない。これにより、錠制御装置1は、ユーザが意図的に錠を施錠した直後に自動的に解錠してしまうことを防ぐことができるため、ユーザが意図していないにも関わらず通信によってドアの錠が解錠されることを抑制できる。また、ユーザ機器である発信機4は、無線信号を発信する機能のみを有すればよいため、単純及び軽量に構成されることができる。
【0089】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0090】
錠制御装置1のプロセッサは、図5図6に示す錠制御方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、錠制御装置1のプロセッサは、図5図6に示す錠制御方法を実行するためのプログラムを記憶部11から読み出し、該プログラムを実行して錠制御システムSの各部を制御することによって、図5図6に示す錠制御方法を実行する。図5図6に示す錠制御方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0091】
S 錠制御システム
1 錠制御装置
11 記憶部
12 制御部
121 第1外出判定部
122 第2外出判定部
123 タイミング特定部
124 期間決定部
125 取得部
126 錠制御部
2 錠開閉機器
3 受信機
4 発信機

【要約】
【課題】ユーザが意図していないにも関わらず通信によってドアの錠が解錠されることを抑制できるようにする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る錠制御装置1は、錠を開閉する錠開閉機器に関連付けられた領域に、錠開閉機器に関連付けられたユーザ又はユーザ機器が入ったことに対応する起点タイミングを特定するタイミング特定部123と、錠の施錠履歴を取得する取得部125と、施錠履歴が起点タイミングを端点とした検出期間内に錠が施錠されなかったことを示すことを条件として、錠開閉機器に錠を解錠するための錠制御指示を送信する錠制御部126と、を有する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7