(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回転体もしくは直状体からの粉体の漏れを防止するシール材であって、該シール材を構成するパイル織物は複数のフィラメントからなるパイル糸から織られたストライプを形成する織りの組織であり、該織り組織で形成されたパイル織物のパイルが所定の長さにカットされストライプが形成されたカットパイル織物であり、該ストライプが形成されたカットパイル織物はカットパイルにより織物の表面にストライプが形成されてカットパイルの厚み差による段差を有し、かつ所定の長さにカットされたカットパイルの長さがパイルを支持するパイル支持糸のピッチの間隔よりも長いカットパイルの長さを有するシール部材であり、パイルが所定の長さにカットされストライプが形成されたカットパイル織物は、特性の異なる2種類以上の各パイル糸が列条のストライプを形成する織り組織であり、所定の長さにカットされ、カットパイル織物の表面が異なるパイル糸のカットパイルによるストライプを形成してカットパイルの厚み差による段差を形成したカットパイル織物であり、所定の長さのカットパイルの長さがパイル糸を支持する糸のピッチの間隔よりも長いことを特徴とするストライプのカットパイル織物からなるシール材。
所定の長さのカットパイルは、斜毛手段によりパイル支持糸を支点に同一方向へ斜毛されて傾斜しており、斜毛されたカットパイルによりカットパイル織物の表面がストライプでカットパイルからなる段差もしくはストライプを形成する複数のカットパイル糸のカットパイルの弾性の差による段差を有し、このカットパイルが斜毛されて傾斜したストライプの段差を有するカットパイル織物を用いて所定形状に形成して成る粉体の漏れ防止用シール材またはカットパイルの傾斜したストライプの段差を有するカットパイル織物からなるシール部材と貼り合せ部材と貼り合せて所定形状に形成したシール材であり回転体もしくは直状体からの粉体の漏れ防止用のシール材であることを特徴とする請求項1に記載のストライプのカットパイル織物からなるシール材。
回転体もしくは直状体からの粉体の漏れを防止するシール材であって、シール材を構成するシール部材はカットパイル織物からなるシール部材であり、このシール部材はパイル糸の特性の異なる複数のパイル糸であり、これらの特性の異なる各パイル糸は交互に配置の所定の列数からなり、一方向に連続的なストライプからなる所定長さのカットパイルからなるストライプのカットパイル織物であり、このストライプのカットパイル織物のカットパイルはパイルを支持するパイル支持糸を支点として斜毛手段により一方向へ傾斜しており、カットパイル織物の表面が径の異なる複数のカットパイル糸によって、表面がストライプからなる凹凸の段差を有するカットパイル織物もしくはパイル糸が伸縮の異なる複数のカットパイル糸からなるストライプを形成して凹凸の段差を有するカットパイル織物からなるシール部材、または材質の異なる複数のカットパイル糸によって表面がストライプで凹凸からなる段差を有するカットパイル織物もしくは弾性の差が異なるパイル糸によって表面がストライプである凹凸からなる弾性の差を有するカットパイル織物からなるシール部材であり、これらのストライプであるカットパイル織物のシール部材またはこのストライプであるカットパイル織物のシール部材と貼り合せ部材とからなる所定形状の粉体の漏れ防止用シール部材であり、このシール部材からなる回転体からの粉体の漏れ防止用のシール材であることを特徴とするストライプのカットパイル織物からなるシール材。
回転体からの粉体の漏れを防止するシール材であって、パイル糸が傾斜または斜毛されてストライプが形成されたパイル織物のシール部材であり、ストライプを形成するパイル糸は繊維からなるマルチフィラメントのパイル糸であり、ストライプを有するカットパイル織物は複数のパイル糸から成り、このパイル糸を形成するフィラメントの本数が異なったパイル糸を用いて、各々パイル径が異なるパイル糸を用いたストライプ織りのカットパイル織物、フィラメントの撚り数が異なりかつ各々のパイル糸の伸縮性が異なるパイル糸を用いたストライプからなるカットパイル織物、フィラメントの材質が異なりかつ各々のパイル糸の伸縮率および弾性が異なるパイル糸を用いたストライプからなるカットパイル織物、フィラメントの断面が異なるパイル糸を用いたストライプからなるカットパイル織物、パイル糸のフィラメントの太さが異なるパイル糸を用いたストライプからなるカットパイル織物で、これらのカットパイル織物の表面がストライプで凹凸を有する段差のカットパイル織物、もしくは、ストライプを形成する複数のパイル糸の弾性の差により、ストライプからなるカットパイル織物の表面がストライプを形成している各々のパイルの領域で弾性の差を有するストライプであるカットパイル織物からなるシール部材であり、このストライプであるカットパイル織物からなるシール部材を用いて所定の形状に形成したシール部材、またはこのシール部材と貼り合せ部材とを貼り合せて所定の形状に形成して粉体の漏れ防止用シール部材であり、このシール部材からなる回転体からの粉体の漏れ防止用のシール材であることを特徴とするストライプのカットパイル織物からなるシール材。
カットパイル織物からなるシール部材は、傾斜または斜毛されたカットパイルからなるストライプによる段差を有し、さらに、パイル織物のストライプを有するカットパイル織物のカットパイルの毛抜け防止の手段は、カットパイルを支持する地糸である熱融着繊維を含有するカットパイル支持糸による傾斜すなわち斜毛されたカットパイルの熱融着による毛抜け防止手段、カットパイルの傾斜すなわち斜毛後に該カットパイル織物の裏面に塗布のコーティング剤の固化による毛抜け防止手段、カットパイル織物の裏面に塗布の接着剤またはホットメルト型接着剤の固化または凝固による毛抜け防止手段の少なくとも1つ以上の手段によるカットパイルの毛抜け防止用のシール部材であって、このシール部材からなる回転体もしくは直状体からの粉体の漏れ防止用のシール材であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のストライプのカットパイル織物からなるシール材。
シール部材からなる回転体もしくは直状体からの粉体の漏れ防止用のシール材は、回転体もしくは直状体である粉体担持体の端部への当接に当って、粉体担持体の端部から粉体が外部へ洩れないように、粉体担持体の回転体の回転方向もしくは直状体の当接方向に対するシール部材の表面のカットパイルの角度またはストライプからなる縦ストライプの角度を粉体の外部への漏出方向と逆向きである粉体の戻し方向の角度としてシール部材の切断もしくは打抜きからなる回転体もしくは直状体からの粉体の漏れ防止用のシール部材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のストライプのカットパイル織物からなるシール材。
シール部材の切断もしくは打抜きからなる回転体もしくは直状体からの粉体の漏れ防止用のシール部材はカットパイルが一方向へ傾斜または斜毛されたカットパイル織物からなるシール部材または一方向へ傾斜または斜毛されたストライプからなる段差を有するカットパイル織物からなるシール部材であり、このシール部材の裏面に貼り合せた貼り合わせ部材が発泡体、エラストマー、熱可塑性樹脂、塑性変形可能部材、金属弾性部材から選ばれた部材であり、この部材に所定の荷重を加えて粉体の漏れ防止用としたシール部材であり、このシール部材からなる回転体若しくは直動体からの粉体の漏れ防止用のシール材であることを特徴とする請求項6に記載のストライプのカットパイル織物からなるシール材。
一方向へ傾斜または斜毛されたストライプからなる段差を有するカットパイル織物からなるシール部材は、シール部材として所定の形状に形成してなるシール部材または貼り合せ部材と貼り合せて所定の形状に形成してなるシール部材であって、このシール部材からなる電子写真画像形成装置の粉体担持体からの粉体の漏れ防止用の端部シール材または回転体もしくは直動体からの粉体の漏れ防止用のシール材であることを特徴とする請求項7に記載のストライプのカットパイル織物からなるシール材。
所定の形状に形成してなるシール部材または貼り合せ部材と貼り合せて所定の形状に形成してなるシール部材は、固形石鹸または金属石鹸である固形物からなる脂肪酸塩もしくはパラフィンまたはロウであるエステルワックスの被膜がシール部材の表面に摺擦塗布されているシール部材であり、このシール部材からなる回転体もしくは直状体からの粉体の漏れ防止用のシール材であることを特徴とする請求項8に記載のストライプのカットパイル織物からなるシール材。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について表および図面を参照して説明する。本発明におけるストライプからなる織り組織3aの例を示す。この織り組織3aはパイル4を有するパイル織物3bである。この織り組織3aはパイル4を形成するフィラメントからなるパイル糸6として、A列パイル糸6aとB列パイル糸6bからなる2種類のパイル糸6を使用し、
図1に見られるように、パイルを支持する地糸であるパイル支持糸5の緯糸5bと経糸5aに支持されて、緯糸5bと経糸5aの間から、緯糸5bと経糸5aに垂直に、A列パイル糸6aの2列とB列パイル糸6bの2列をそれぞれ交互に配置して、ストライプを形成する織り組織3aとなっている。なお、この例では、A列パイル糸6aの2列とB列パイル糸6bの2列の2種類から織り組織3aはなっているが、列の数は必要に応じて任意に構成でき、また、1種類のパイル糸6から織り組織3aを構成することもできる。
【0023】
ストライプを形成する織り組織3aでパイル糸6を有するパイル織物3bを、
図1のA列パイル糸6aからなる2列とB列パイル糸6bからなる2列の2種類から織り組織を形成し、この織り組織3aのパイル織物3bを所定の厚みにシャーリング(刈り揃え)により、パイル糸6を所定の長さのカットパイル長さ4cにカットしてA列のカットパイル4aとB列のカットパイル4bとする。このA列のカットパイル4aとB列のカットパイル4bを有するカットパイル織物3cを
図2に示す。
図2に見られるように、シャーリング時はA列のカットパイル4aとB列のカットパイル4bは略直毛状であり、捲縮性を有さない性質の異なるパイル糸6を用いることで、シャーリングにより一様にカットパイル織物3cの厚みは、カットパイル長さ4cとして一様に揃えられる。ところで、カットパイル4を形成するパイル糸6はシャーリング時に、開繊が良好になるように、フィラメント9が甘撚りされている方が好ましい。
【0024】
図2に示すA列のカットパイル4aとB列のカットパイル4bで各々のカットパイルはストレート性の繊維でA列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eが一定の方向へ揃えられて斜毛されている状態を、
図3に示す。シャーリング後に斜毛手段(すなわち傾斜手段)によりA列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eは地糸であるパイル支持糸5の緯糸5bを支点として、
図3に示すように、略一方向に斜毛され
図4の(b)の斜毛角度θ0に近似するように斜毛される。すなわち、
図3はA列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eが下方から上方へ緯糸5bを支点に斜毛されている状態を示し、下方と上方のカットパイル糸が近接あるいは接するように斜毛される。なお、上記の斜毛手段はブラシローラ、加圧ローラ、加圧ベルト等であり、これらの手段により一方向へ押圧することで、フィラメントの性質に応じた程度で一方向へそれぞれ斜毛される。また、カットパイルの開繊を良好にする手段としてはブラシなどで行うことがより好ましい。ところで、A列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eのパイル支持糸5に熱融着糸を含んでいる場合は、A列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eを斜毛した後に、パイル支持糸5を加熱し、A列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eのパイル糸6とパイル支持糸5を、パイル支持糸5に含む熱融着糸で、斜毛された状態を維持させると同時にパイル糸の毛抜け防止をすることができる。一方、パイル支持糸5に熱融着糸を含んでいない場合は、A列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eを斜毛した後で、段差を有するカットパイル織物3eの裏面に樹脂コーティングを行ってパイル糸6の毛抜け防止を行う。これらの毛抜け防止はパイルの抜け状態により、パイルのこれ以上の抜けが生じないように、パイルの抜け防止と併用して必要に応じて毛抜け防止の対応も行う。以上のとおり、本発明に基づいて異なるパイル径であるA列パイル糸6aとB列パイル糸6bのパイル糸6を用いてストライプからなるカットパイル織物3cで構成して斜毛手段により斜毛して、ストライプからなるカットパイル織物3eで、
図3の(b)に示すように、A列パイル糸6aをカットしたA列カットパイル糸6dの斜毛高さH2とB列パイル糸6bをカットしたB列カットパイル糸6eの斜毛高さH1による、段差3fが2列ずつ交互に形成されている。以上のように、本発明は、複数の異なるパイル径のA列パイル糸6aとB列パイル糸6bのパイル糸6を用いることで、ストライプからなるカットパイル織物3cを形成することができ、パイル支持糸5を支点に、A列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eを斜毛することで、カットパイル織物3eの表面に、ストライプからなる段差3fを形成することができる。
【0025】
カットパイル織物3eの表面にストライプからなる段差3fを形成する原理を
図4、
図5および
図6の各模式図により説明する。
図4および
図6の模式図により概略を示すように、本発明のカットパイル織物3eはカットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5の経糸5aまたは緯糸5bと、カットパイル糸6cの横倒れの防止あるいは横倒れの軽減を行う緯糸5bまたは経糸5aからなっている。
図5にカットパイル糸6cがフィラメント9から成っている状態を示している。
【0026】
図4の(a)もしくは
図5の(a)に示すように、パイル糸6の径をΦ
p、パイル支持糸5の径をΦ
s、粉体8の平均粒径をΦ
t、およびパイル支持糸5間のピッチをLとすると、本発明のカットパイル織物3eは、シャーリング後に
図4の(a)もしくは
図5の(a)に示すように、カットパイル4あるいはカットパイル糸6cが略垂直に立っている状態となっている。カットパイル4あるいはカットパイル糸6cはパイル支持糸5により支持され、斜毛手段によりパイル支持糸5を支点に上流側と下流側のカットパイル糸6cが近接あるいは接するように斜毛される。この時のカットパイル4あるいはカットパイル糸6cの傾斜角度である斜毛角度θ
0は、カットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5の径のΦ
sによって、あるいはカットパイル糸6cのパイル支持糸5、5間の距離であるピッチLによって、粉体8の移動方向における上流側のカットパイル糸6cが下流側のカットパイル6cへ近接する角度あるいは当接する角度である。この斜毛角度θ
0までカットパイル4あるいはカットパイル糸6cは斜毛される。このような斜毛角度θ
0の状態とすることで、斜毛角度θ
0の安定したカットパイル4あるいはカットパイル糸6cが得られる。
図4の(a)または(b)あるいは
図5の(a)または(b)に示すように、斜毛角度θ
0は、カットパイル4あるいはカットパイル糸6cの根元の半径であるr
0とパイル支持糸5間の距離であるピッチLの1/2(L/2)により決定される。式(1)のr
0は、パイル糸6の糸径Φ
pにパイル支持糸5の糸径Φ
sの1/2を加えた長さすなわち回転半径である。式(2)は回転半径r
0と支持糸5のピッチより算出される回転可能な斜毛角度θ
0である。そして、式(3)はカットパイル糸の6cの斜毛後の高さHが斜毛角度θ
0とカットパイル長さ4cから算出される。
r
0=Φ
p+(Φ
s/2)…(1)
r
0/(L/2)=sinθ
0…(2)
H=sinθ
0×
そして、2種類のパイル糸を用いた例として
図3に示すようにA列のカットパイル糸6dのパイル径をΦ
6d としB列のカットパイル糸6eのパイル径をΦ
6e としてパイル径の関係をΦ
6d>Φ
6eとした構成で緯糸のパイル支持糸の糸径ΦsはA列及びB列とも共通でありA列のカットパイル糸6dの回転半径r
6dとB列のカットパイル糸6eの回転半径r
6eはr
6d>r
6eの関係となり、A列のカットパイル糸6dの斜毛角度θ
6dはB列のカットパイル糸の斜毛角度θ
6eより大きくなり、A列のカットパイル糸6dの斜毛後の厚みH
2及びB列のカットパイル糸6eの斜毛後の厚みH
1は各々略ストレート繊維からなるマルチフィラメントのパイル糸を用いて場合はシャーリング後のカットパイル長さ4cはほぼ同じ長さでA列のカットパイル糸6dの斜毛後の厚みH
2の方がB列のカットパイル糸6eの斜毛後の高さH
1よりも厚くなり、その差(H
2−H
1=3f)により段差3fが形成され、段差3fを有するストライプのカットパイル織物3eを形成することができる。
よって、式(1)、式(2)、式(3)より複数の異なるパイル糸径のパイル糸6を用いることで各々の斜毛角度を有することができ、異なるパイル糸を同じ高さにシャーリングしたカットパイル糸6cを回転可能な角度であるカットパイル糸同士が近接あるいは接する角度まで斜毛することで各々のカットパイル糸6cによる厚みを有して段差3fを有するストライプのカットパイル織物3eを容易に形成することができる。さらに斜毛角度をカットパイル糸の回転可能な角度まで斜毛することで根元の隙間を最小限にすることができ、微細な粉体の漏れを防止することができる。
【0027】
一方、
図6に示すように、
図6は粉体8の平均粒径Φ
tを含んで粉体8の漏れ出し条件を説明する図である。試験結果より斜毛された隣り合うカットパイル4あるいはカットパイル糸6cの間に粉体8の1個が入る間隙があれば、すなわち斜毛された1本のカットパイル4あるいはカットパイル糸6cの両側に、2個の粉体8が入る間隙があれば、粉体8はこれらの間を通り抜けて漏出することが分かっている。したがって、
図6の(b)に示すように、斜毛されたカットパイル6あるいは斜毛されたカットパイル糸6cの根元の半径rの式は、
r=Φ
p+(Φ
s/2)+Φ
t…(4)
r/(L/2)=sinθ…(5)
と表される。したがって、上記の式(4)、(5)となるときのカットパイル糸6cの斜毛角度θよりも小さい角度の場合は粉体8、すなわち電子写真画像形成装置11の現像装置12の現像ローラ12aからのトナー8aである粉体8の漏出が防止できる。なお、複数のパイル糸6を用いたときは少なくとも1つのカットパイル糸6cが斜毛角度θよりも小さい角度に斜毛されていることが必要となり、カットパイル織物3cを斜毛させることでの形成あるいは装置に取り付けられて圧縮されて条件を満たしても良いものとなる。
【0028】
本願発明の一つである斜毛されたストライプのカットパイル織物3e形成においては、2種類の異なるパイル糸径を用いたパイル織物3bのパイル糸6がシャーリングされてストライプのカットパイル織物3cが形成される。ここで、パイル糸6を支持するパイル支持糸5と隣りのパイル支持糸5との間の距離Lはカットパイル織物3cを織る織機の機械設定の条件の一つである。そこで、カットパイル織物3cが隣り合う部分で同じ条件機械設定で織られ、かつ異なるパイル径のパイル糸6を用いて織られることで、斜毛手段により斜毛後に異なる斜毛角度θを有するA列のカットパイル4aの斜毛角度θ
4aとB列のカットパイル4bの斜毛角度θ
4bあるいはA列カットパイル糸6dの斜毛角度θ
6dとB列カットパイル糸6eの斜毛角度θ
6eが形成され隣り合う部分で斜毛後に異なる斜毛角度θに形成することができ、その結果、カットパイル織物3eの表面はストライプからなる段差3fを有している。したがって、この段差3fを有するカットパイル織物3eからなるカットパイル織物3eを用いてシール部材2を形成することができる。さらに、より多くの異なるパイル径のパイル糸6を用いてパイル織物3bを形成することで、図示していないが、断面が勾配を有するシール部材2も形成することができる。
【0029】
また、同じパイル径のパイル糸6であっても、パイル糸6を構成するフィラメント9の径を細くするかまたは太くすることで、パイル糸6の弾性を変化させることができるので、ストライプからなる異なる弾性を有する段差を有するカットパイル織物3eの表面を形成することができる。さらに、フィラメント9の径は同じ太さであるが弾性の異なるフィラメント9を用いることでカットパイル4の太さは同じであるがシール部材2の弾性は異ならせることができる。
【0030】
本願発明の一つは一方向に斜毛させたカットパイル織物3eからなるシール部材2を有するシール材1で、かつ、複数のパイル糸6でパイル糸6の径が異なるパイル糸6を用いることにより、ストライプのカットパイル織物3eが形成でき、カットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5を中心に粉体8の移動方向における上流側のカットパイル糸6cが下流側のカットパイル糸6cに近似または接するように、カットパイル4の斜毛を行い、カットパイル4の根元の隙間を最小限にするように構成し、根元からの粉体8であるトナー8aの漏れが防止できる構成である。さらに、ストライプからなり表面に段差3fを有する構成およびストライプからなりフィラメントの素材の異なるパイル糸6またはフィラメントの太さが異なる素材を用いることでストライプからなるカットパイル織物3eのフィラメントによるシール部材2の反発弾性を異ならせることができる。
【0031】
上記に加えて、パイル糸6を甘よりすることで、パイル糸6を支持するパイル支持糸5に対してシャーリング後のカットパイル糸6cのフィラメント9が広がるように構成することが可能である。したがって、カットパイル4の斜毛角度θを小さくすることができ、
図6の(c)のように、隣り合うカットパイル4間に隙間のない状態を形成することができる。同様に、パイル糸6を支持するパイル支持糸5の糸径を小さくすることおよび隣り合うパイル糸6間の距離を広げることで、斜毛角度θを小さくすることができる。その逆に斜毛角度θを大きくする場合は、フィラメント9で構成されているパイル糸6を支持するパイル支持糸5の糸径を太くすることおよび隣り合うパイル糸6間の距離を狭くすることで斜毛角度θを大きくすることができる。
【0032】
そして、斜毛されたカットパイル4を有するカットパイル織物3eからカットパイル4の抜け防止として、カットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5に熱融着糸を含ませてカットパイル織物3eを形成することで、加熱により熱融着したパイル支持糸5によるカットパイル糸6cの抜け防止や、カットパイル織物3eからなるシール部材2の裏面2aの樹脂コーティング剤の浸透硬化によるカットパイル糸6cの抜け防止や、もしくはカットパイル織物3eからなるシール部材2の裏面2aのホットメルト接着剤の加熱浸透固化による抜け防止などを施したカットパイル織物3eからなるシール部材2が形成できる。
【0033】
本願発明の斜毛されたストライプを有する段差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2の例を
図7の概略図で示す。この概略図では、パイル糸6が2種類の斜毛された低い高さのA列カットパイル糸6dおよび斜毛された高い高さのB列カットパイル糸6eから構成され、A列カットパイル糸6dが2列およびB列カットパイル糸6eが2列ずつで交互に繰り返して形成された例である。パイル支持糸5の緯糸5bはパイル糸6を支持するものであり、他方、パイル支持糸5の経糸5aはカットパイル4の横倒れを防止するものである。なお、上記における2列ずつからなる列の数は任意の数に設定でき、シール部材2の機能に準じて決定する。
【0034】
次に、本願発明の一つの1種類のマルチフィラメントのカットパイル糸6dが斜毛されたストライプを有する段差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2の例を
図8の概略図で示す。この概略図では、パイル糸6は1種類のカットパイル4、例えばA列カットパイル糸6dの1種類のカットパイル4が斜毛された状態の隣り合う2列が存在している。さらに、この1種類のカットパイル4の隣り合う2列と次の1種類のカットパイル4の隣り合う2列との間には、パイル支持糸5の経糸5aとこれらの経糸5aと交差する緯糸5bからなる織り組織3aだけからなる部分が存在する。そして、この織り組織3aの部分の隣り合う2列の経糸5aの間には,交差する緯糸5bだけの織り組織が存在する。すなわち、B列カットパイル糸6eの存在しない緯糸5bを有する織り組織3aだけの部分がある。そして、この織り組織3aの部分と、隣り合う2列のカットパイル糸6cの先端の部分との間には、
図8の(b)に示すように、段差3fが存在する。このように、これらの構成の繰返しからなるストライプを有するカットパイル織物3cを斜毛したカットパイル織物3eからなるシール部材2を、
図8の(a)の概略図は示している。
【0035】
本願発明の斜毛されたストライプを有する段差を有するカットパイル織物3eの毛抜け防止を施したシール部材2の裏面は接着10bを介して貼り合せ部材10である発泡体10aと貼り合わされて構成された例を
図9に示されている。さらに、必要に応じて貼り合せ部材10である発泡体10aの裏面には接着部材である両面テープ10cを有し、発泡体10aの裏面はその下部の座面へ貼り合わされる。このように、シール部材2と貼り合せ部材10との間の接着層は接着剤10bとするか、図示しないホットメルトもしくは両面テープなどとすることができる。
【0036】
貼り合せ部材10を貼り合わせたシール部材2を切断してシール1とするため、段差を有するカットパイル織物3eに対する貼り合せ部材10としては、弾性体であるエラストマー、ゴム部材、発泡体(スポンジ)などが挙げられる。また、貼り合せ部材10は、金属シートや、樹脂シートであっても良い。さらに、本願発明のシール部材2をそのままカットしてシール材1としても良い。これらのシール材1の下面をその下部の座面に貼り付ける場合は、両面テープ10cなどをシール材1もしくはシール部材2の裏面に設けて、下部の座面と貼り付けても良い。シール部材2と貼り合せ部材10を貼り合せたカットパイル織物3eを用いて所望のカットパイル糸6cの形状の大きさと、カットパイル糸6cの向きとを、ストライプの向きに対して所望の粉体の流れの方向を規制する角度である粉体規制角度αとして、段差を有するカットパイル織物3eを切断し、所望の形状の大きさとストライプの向きに対して所望の粉体8の規制角度である粉体規制角度αとなっているシール材1を得た状態の例を、
図10の(e)に示している。
【0037】
ここで、上記で切断して形成したシール材1の粉体8であるトナーの漏れ試験を行う振動試験装置13を、
図11に示す。
図11の(a)に示すように、加振器13aにアングル13bで保持されたトナーボックス13cにトナー8aを収納し、トナーボックス13cのカバー13dである側壁の下端にシール材1を貼付し、この側壁下端のシール材1とトナーボックス13cの低壁との間隙から振動に伴う評価試料13eであるシール材1からのトナー8aの漏れを試験する装置である。この場合、
図11の(b)に示すように、フィラメントの粉体規制角度α
fを45°とし、さらに加振器13aによる加振方向13gを
図11の(a)に示す方向として、振動の程度をピックアップセンサー13fで検知してトナー8aの漏れを試験する。
【0038】
図12の(a)は、現像剤担持ローラである現像ローラ12aを有する粉体担持室8bを左側に配し、供給ローラ12bをその右側に配し、さらに、トナー8aの撹拌部材であるアジテーター12dを有するトナー収納室12cを右側に配した側面を示す図である。なお、本願発明のシール材1を電子写真画像形性装置11における現像装置12の端部シール材1bとし、この端部シール材1bのストライプの向きを、
図12の(b)に示す粉体担持室8b内の左上向きの矢印方向に取り付け、この左上向きの矢印方向を粉体8であるトナー8aの流れ方向としている。
【0039】
本願発明の一つのカットパイル織物3eからなるシール部材2は、カットパイル織物3cの織り組織3aおよびパイル糸6とする条件の下で、斜毛手段を用いずにストライプからなる段差3fを有するカットパイル織物3e形成する例を、
図13および
図14により説明する。
【0040】
図13は、経緯二重組織を用いてパイルを作る方法で織るときの緯糸方向の断面である。パイル糸6を支持す地糸であるパイル支持糸5の緯糸5bおよび経糸5aからなる織り組織3aを上下対称に有する。そして、このように構成したパイル織りをパイル糸6の中央部で切断することにより、
図14のように、一度にカットパイル織物3cまたは段差を有するカットパイル織物3eが上下対称の織り組織3aとしてパイル織物3bから2つ製作することができる。ここで、この上下対称の織り組織3aでパイル糸6に所定の糸張力の下でA列のパイル糸6aに捲縮性フィラメント9aからなる伸縮性を有するマルチフィラメントのパイル糸6fとB列のパイル糸6bにストレート性フィラメント9bからなるマルチフィラメントのパイル糸6gを用いパイル織物3bを行ない、形成された織物3のパイル糸6を切断することで、パイル糸6の伸縮性の差によりカットパイル織物3cを斜毛せずに段差を有するストライプのカットパイル織物3eが形成できる。経緯2重の織り組織3aを用いたパイルを作る方法の織りは、
図13上で上下に存在する緯糸5bに係合されて、上下間に対称に形成されている。すなわち上下に地糸である緯糸5bおよび経糸5aのパイル支持糸5を有し、
図13に示すように、パイル糸6を支持する支持糸層5cが上下に二重の織り組織3aで存在するパイル織物3bとなっている。この二重の織り組織3aでは、上下間のパイル糸6に、織り条件によって張力が加えられている。また、パイル糸6に用いるフィラメント9は合成繊維よりなる捲縮性を有する合成繊維よりなる捲縮性フィラメント9aの多数のフィラメントであるマルチフィラメント9cと、ストレート性フィラメント9bで甘撚りされた多数のフィラメントからなるマルチフィラメント9cのストレート性フィラメントのパイル糸6gで、捲縮性フィラメントのパイル糸6fよりも伸縮性が小さいパイル糸6である。これらのマルチフィラメント9cからなるパイル糸6は所定の張力が加えられてパイル織物3bに織られている。このために捲縮性を有する捲縮性フィラメント9aのマルチフィラメント9cからなる捲縮性フィラメントのパイル糸6fは張力により伸びが生じている条件のパイル織物3bであり、一方、ストレート性フィラメント9bの甘撚りされたマルチフィラメント9cからなるストレート性フィラメントのパイル糸6gは張力を加えても顕著な伸びのない条件のパイル織物3bである。
【0041】
ところで、パイル支持糸5の緯糸5bおよび経糸5aからなる支持糸層5cを上下に有する二重の織り組織3aでかつ上下の支持糸層5cの間に存在するパイル糸6に、張力が加えられて織られたパイル織物3bは、段差を有するカットパイル織物3eとするために、A列の捲縮性フィラメント9aのマルチフィラメント9cからなる捲縮性フィラメントのパイル糸6fとB列のストレート性フィラメント9bのマルチフィラメント9cからなるパイル糸6gのそれぞれに、張力を加えた状態として、
図13に示すように、上下の支持糸層5cの間に存在するパイル糸6の中間で、上下に2分して刃物によって切断する。
【0042】
上記の切断によって、パイル支持糸5の緯糸5bおよび経糸5aである支持糸層5cを有する二重の織り組織3aでかつ上下に切り離されて、パイル糸6に加えられていた張力が解除された。そこで、
図14に示すように、捲縮性フィラメント9aのマルチフィラメント9cからなるA列の捲縮性カットパイル4dは捲縮された状態となって、切断前の元の長さに比して短くなっている。これに対して、B列のストレート性フィラメント9bでマルチフィラメント9cのカットパイル4eはストレート性フィラメント9bで甘撚りされたフィラメントであり捲縮性をほとんど有していないためカットパイル4eは縮んだ状態にはなっていない。その結果、切断されたマルチフィラメント9cの先端では、A列の捲縮性カットパイル4dの先端とB列のストレート性カットパイル4eの先端との間に、ストライプからなる段差3fが形成される。このように織り条件とパイル糸の特性によって段差を有するストライプのカットパイル織物3eが形成することができる。そして、捲縮性の繊維(フィレメント)を含むことで空隙の少ない領域(捲縮繊維部)が形成され斜毛手段により斜毛を施すことなく粉体のシール性を向上させることができる。また、この捲縮性繊維を含んだストライプからなる段差3fを形成しているカットパイル糸6cを、ストライプの方向である一方向に斜毛手段で斜毛することで、粉体8であるトナー8aの流れ出す方向が規制された方向性を有するシール部材2とすることもできる。本発明の一つである一方向の斜毛方向を有するストライプで段差3fを有するシール部材2のストライプの方向を、
図10に見られるように、長方形のシール材1の長辺に対する粉体規制角度αの方向にすることで、微小な粉体8であるトナー8aや塵埃などの漏れ出し防止に用いるシール材1とすることができる。また、回転体のシール部材2として用いる場合はカットカットパイル糸6cを斜毛させることがより好ましく、回転のない直状体に用いる場合は圧縮して用いるため斜毛せずとも使用することができる。
【0043】
本願発明は、主として回転体7aに当接して使用する微小な粉体8の漏れ出しを防止するシール材1である。ところで、上記したようにパイル織物3bのフィラメント9の特性の差異を利用することで、織り組織3aのカットパイル織物3cのカットパイル糸6cからなるストライプの段差を有するカットパイル織物3eをシール部材2としている。例えば、
図8に示すように、カットパイル糸6cからなる凸条3gと、カットパイル糸6cを有していない部分である織り組織3aだけの部分である凹条3hとから、ストライプを有する段差3fを設けている。この段差3fを有するシール部材2は、
図7に示すように、斜毛手段により斜毛されて、パイル糸6が2種類の斜毛された高さの高いA列カットパイル糸6dと斜毛されて高さの低いB列カットパイル糸6eの各々の2列の繰り返しから構成される。
図15に示すように織り条件とパイル糸の特性により隣り合う捲縮性フィラメント9aからなる2列のA列カットパイル糸6dの先端と、隣り合うストレート性フィラメント9bからなる2列のB列カットパイル糸6eの先端との高さの差である段差3fを捲縮性カットパイル4dのA列とストレート性のカットパイル4eのB列の繰り返しから構成される。そして、このようにして構成された段差を有するカットパイル織物3eをシール材1あるいはシール部材2として用いることができる。
【0044】
このシール材1を用いて、
図16に示すように、被シール部材7の下面に形成されている凸部7cと凹部7dとからなる段差7eに、その下方のシール1のパイル糸6の捲縮性フィラメント9aからなる2列のA列カットパイル4dとストレート性フィラメント9bからなる2列のB列カットパイル4eとの段差3fを当接することで、
図17に示すように、当接部の微小な粉体8すなわちトナー8aの漏れ出しを防止する。なお、このようにマルチフィラメント9cからなるパイル糸6として、ストレート性フィラメント9bのマルチフィラメント9cからなるパイル糸6gや捲縮性フィラメント9aのマルチフィラメント9cからなるパイル糸6fや捲縮性フィラメントaを含有するマルチフィラメント9cなどの適宜にマルチフィラメントの組み合わせからなるパイル糸6や、あるいは種々の異なる伸縮性を有するフィラメント9のマルチフィラメント9cからなる伸縮性を有するパイル糸6を用いて、ストライプからなる段差3fを有するカットパイル糸6cを有するシール1を得ることができる。さらに捲縮性フィラメント9aからなるマルチフィラメント9cのパイル糸6fを用いて、
図13に示す、上下の二重の織り組織3aからなるパイル織物3bを用いて、そのパイル糸6すなわち2列のA列パイル糸6fとその隣の2列のB列パイル糸6gとで、交互に存在するパイル糸6の上下の中間で切断した後に、捲縮性フィラメント9aの捲縮によってフィラメント間の空隙を減少でき、これにより、
図17に示すように、被シール部材7の静止時のシール性および動作時のシール性を共に向上させることができる。また、カットパイル織物3cについて経緯二重組織の織物にて説明してきたがこの織物に限るものではない。
【0045】
ここから、本願発明の具体例を実施例である表1および表2の記載事項を参照して説明する。先ず、第1の具体例では、すでに
図12で示したように、トナー8aが収納された粉体担持室8bに設置の回転体7aである現像ローラ12aの端部に当接している端部シール材1bから、トナー8aが外部へ漏れだすことを防止する構成である。この端部シール材1bは段差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2から形成される。さらに、この段差を有するカットパイル織物3eでは、カットパイル4を形成するフィラメント9からなるカットパイル糸6cは、地糸であるパイル支持糸5の緯糸5bと経糸5aからなる平織からなる下地3dの、緯糸5bに絡めて係止され、一方向へ列状で連続して形成されている。この現像ローラ12aである回転体7aには、例えば、
図12(a)の電子写真画像形成装置11の現像装置12の側面図に見られるように、トナー収納室12cのトナー8aはアジテーター12dで撹拌されて供給ローラ12bにより現像用トナー室12bの現像ローラ12aの周辺に供給される。したがって、この現像装置12のトナー8aは回転体7である現像ローラ12aの周囲の粉体担持体8b内に収納されている。
【0046】
ところで、この段差を有するカットパイル織物3eのカットパイル4は一定の長さのカットパイル長さ4dに切断されている。この段差を有するカットパイル織物3eのカットパイル4を形成しているカットパイル糸6cは、カットパイル4を支持するパイル支持糸5を支点として斜毛手段により略一方向の斜毛角度θにカットパイル4を傾斜させている。これらにおいては、
図4および
図5に示すように、カットパイル糸6cの糸径をΦ
p、カットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5の糸径をΦ
s、トナー8aである粉体8の平均粒径をΦ
tとするとき、カットパイル糸6cの根元の半径rは
r=Φ
p+(Φ
s/2)+Φ
t
であり、カットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5の支持糸間のピッチをLとするとき、
r/(L/2)=sinθ
である。なお、このθはパイル4の斜毛角度であり、粉体8のおれを防止するために、この斜毛角度θよりも斜毛した角度にすることが必要になり、段差を有するカットパイル織物3eでの形成でも良くあるいは装置に取り付けられて圧縮されて条件を満たしても良いものである。
【0047】
さらに、カットパイルの斜毛角度は、前期のカットパイル4の斜毛角度θと同じであるかあるいは斜毛角度θよりもよりも小さくなるように構成し、かつ、カットパイル長さ4cがカットパイル糸6cを支持しているパイル支持糸5からなる支持糸間のピッチLよりも長くなっている。さらに、このカットパイル糸6cが複数のカットパイル糸6cからなりストライプの段差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2あるいは裏面に反発男性を有する発泡体10aである貼り合わせ部材10を有する粉体8の漏れ防止用のシール材1となっている。以上に説明したように、本発明の第1の具体例のシール材1はカットパイル4を有し段差を有しカットパイル織物3eからなるシール材1である。
【0048】
次いで、本願発明の第2の具体例について説明する。この第2の具体例では、シール材1を構成するシール部材2がパイル織物3bからなるシール部材2の構成に係るものである。このシール部材2では、特性の異なる2種類以上の各パイル糸が列条に配置されてストライプを形成するストライプ織りの織り組織3aがパイル糸6を支持するパイル支持糸5間の一定のピッチLからなる支持間隔をあけた一方向の連続的な列状の模様で形成されている。さらに、一方向の連続的な列条の織り組織で形成されたパイル織物3bは、パイル糸6を支持する糸5のピッチLの間隔よりも長い一定の長さでパイル糸がカットされ、カットされたカットパイル織物3cの表面がストライプに形成される。
【0049】
さらに、
図4および
図5に示すように、このストライプを有するカットパイル織物3cからなるカットパイル4を有するカットパイル織物3cはカットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5を支点としてカットパイル4は斜毛手段により斜毛されて略一方向へ傾き、カットパイル4の傾斜したストライプと段差を有するカットパイル織物3eとなっている。さらに、このストライプを有するカットパイル織物3eからシール部材2が形成されている。このカットパイル4を有するシール部材2を用いて、もしくはこのカットパイル織物3eを貼り合せ部材10である反発弾性を有する発泡体10aと貼り合せて形成したシール部材2を用いて、一定の形状とすることで、粉体8の漏れ防止用シール材1としている。すなわち、この第2の具体例のシール材1は第1の具体例のカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0050】
さらに、本願発明の第3の具体例について説明する。この第3の具体例では、シール材1を構成するシール部材2がカットパイル織物3eからなるシール部材2の構成に係るものである。このシール部材2では、カットパイル織物3eは複数のパイル糸6を一方向の連続的な列状になるように形成し、この列状に形成したパイル糸6によって、ストライプからなるパイル織物3bに形成されており、このストライプを形成する織り組織3aからなるパイル織物3bはパイル4が一定のカットパイル長さ4cにカットされてカットパイル4に形成されている。したがって、この織物はカットパイル4を有するストライプを有するカットパイル織物3cである。
【0051】
このカットパイル4を有するストライプからなるカットパイル織物3cはカットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5を支点とし、カットパイル4はその斜毛手段により斜毛されて略一方向に少なくとも1つのカットパイル糸6cよって形成される領域における斜毛角度が斜毛角度θよりも小さくなるように構成されたカットパイル織物3eで、カットパイル織物3eの表面がストライプの方向と直交方向にストライプによる段差3fの形成、もしくはストライプからなる、カットパイル織物3eの表面上のカットパイル糸6cによる弾性の差を有して段差3fが形成されたストライプのカットパイル織物3eからなるシール部材2であり、この段差3fを有しストライプを有するカットパイル織物3eのシール部材2を用いて一定の形状に形成してまたは貼り合せ部材と貼り合せて一定の形状に形成して粉体8の漏れ防止用のシール材1である第1の具体例のストライプのカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0052】
次に、本願発明の第4の具体例について説明する。この第4の具体例では、シール材1を構成するシール部材2がカットパイル織物3cを斜毛し表面がストライプで段差3fが形成されたカットパイル織物3eからなるシール部材2であり、このカットパイル織物3cはカットパイル糸6cの特性の異なる、例えば弾性の異なる2種類のカットパイル糸6cの列からなり、各々のカットパイル糸6cの列が一定の数を形成して交互に配置されて一方向に連続的に織られている。この各々のカットパイル糸6cの列の形成によりストライプからなるカットパイル織物3cに構成されて一定の長さに切断されたパイル糸6であり、複数のカットパイル糸6cからなるカットパイル4のストライプからなるカットパイル織物3cである。このストライプからなるカットパイル織物3cをカットパイル糸6cを支持するパイル支持糸5を支点とし斜毛手段により略一方向に傾斜せしめてカットパイル織物3eが形成される。カットパイル織物3eの表面は特性の異なるカットパイル糸例えばパイル糸の径の異なる2種類のカットパイル糸6cによってストライプの方向と直交する方向にストライプによる段差3fの形成、もしくパイル糸が伸縮の異なる複数のカットパイル糸からなるストライプを形成して凹凸の段差3fの形成、さらに材質の異なる複数のカットパイル糸によって表面がストライプで凹凸からなる段差3fの形成、あるいはストライプからなる複数のカットパイル糸6cの弾性の差によりカットパイル織物3eの表面がストライプで段差3fが形成され表面が段差3fからなる弾性の差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2である。このストライプからなるカットパイル織物3eのシール部材2を用いて一定の形状に形成または貼り合せ部材10と貼り合せて一定の形状に形成して粉体8の漏れ防止用のシール材1としたストライプからなるカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0053】
さらに、上記のシール材1に用いるカットパイル織物3cのカットパイル糸6cは複数のフィラメント9からなるマルチフィラメント9cであり、このマルチフィラメント9cのカットパイル糸6cは支持されているパイル支持糸5に対して直交する方向に斜毛手段により略一方向に傾斜され、カットパイル織物3cの表面が異なる特性例えば異なる弾性のフィラメント9のマルチフィラメント9cであるカットパイル糸6cの列状の配置によって形成されるストライプのカットパイル織物3cに段差3fを形成したカットパイル織物3e、もしくはストライプ有する各々のカットパイル糸6cに用いているフィラメント9を各々異なる特性とし、ストライプからなるカットパイル織物3cの列状の表面が各々異なる弾性を有するようにカットパイル糸6cを構成するフィラメント9を選定し、斜毛手段によりフィラメント9を斜毛して形成したストライプで段差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2である。このストライプのカットパイル織物3eのシール部材2を用いて一定の形状に形成し、または貼り合せ部材10と貼り合せて一定の形状に形成し、粉体8の漏れ防止用のシール材1とした、第2、第3、第4の具体例のいずれかの具体例のストライプを有し段差を有するカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0054】
本願発明の第5の具体例について説明する。この第5の具体例では、上記のカットパイル糸6cが傾斜または斜毛され、ストライプからなる方向と直交する方向に段差3fを設ける手段がストライプからなる模様を形成するカットパイル糸6cの間に間隙を設ける手段、複数のカットパイル糸6cを用いたカットパイル織物3eにあっては使用するカットパイル糸6cの糸径が異なるカットパイル糸6cを用いた手段、カットパイル糸6cを構成する時の撚糸時の撚り数の異なるカットパイル糸6cを用いた手段、カットパイル糸6cに用いるフィラメント9の材質の異なるカットパイル糸6cを用いた手段、カットパイル糸6cを構成するフィラメント9の太さの異なるカットパイル糸6cを用いた手段、あるいはカットパイル糸6cを構成するフィラメント9の断面形状の異なるカットパイル糸6cを用いた手段における少なくとも一つの手段を用いて、カットパイル織物3eの表面上にカットパイル糸6cによる段差3fが形成、もしくはストライプからなる列状の表面がそれぞれ異なる弾性を有するカットパイル糸6cの段差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2である。このストライプからなる段差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2を用いて一定の形状に形成してまたは貼合わせ部材10と貼り合わせて一定の形状に形成して、トナー8aの漏れ防止用のシール材1であって、第5の具体例のストライプからなる段差を有するカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0055】
本願発明の第6の具体例について説明する。この第6の具体例では、上記のカットパイル織物3eは傾斜または斜毛されてストライプからなる段差3fを有し、カットパイル織物3eのカットパイル4の毛抜け防止手段として、パイル支持糸5である地糸に熱融着フィラメントを含ませ、このパイル支持糸5を斜毛してなる熱融着による毛抜け防止手段、カットパイル4の傾斜または斜毛後にカットパイル織物3cの裏面に塗布のコーティング剤による毛抜け防止手段、カットパイル織物3eの裏面の接着剤またはホットメルト接着剤による毛抜け防止手段を有し、これらの毛抜け防止手段の少なくとも1つ以上の手段による、カットパイル4の抜けを防止してなるシール部材2である。この毛抜け防止が施されて、カットパイル糸6cが傾斜されたストライプを有するカットパイル織物3eを用いて一定の形状に形成または貼り合せ部材10と貼り合せて一定の形状に形成して、トナー8aの漏れ防止用のシール材1であって、第6の具体例のストライプからなるカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0056】
本願発明の第7の具体例について説明する。この第7の具体例では、上記のシール材1を粉体担持室8bの内部に有する回転体7aの端部に当接させ、この粉体8が粉体担持室8bの外部に洩れ出さないように、回転体7aの回転方向に対してシール材1の表面のカットパイル4の粉体規制角度αまたはストライプを有するシール部材2の縦ストライプの向きである粉体規制角度αを、トナー8aである粉体8が漏れ出してくる方向の逆方向へトナー8aである粉体8を戻す粉体規制角度αになるように、ストライプを有するカットパイル織物3eを切断もしくは打抜きしてシール材1とし、このシール材1を回転体7aの端部に当接して、回転体7aの端部からトナー8aである粉体8が粉体担持室8bからストライプからなる凹凸状の段差3fを通じて外部へ、漏れ出すことを防止するシール材1であって、第7の具体例は第1〜第6の具体例のいずれかの1具体例であるストライプからなるカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0057】
本願発明の第8の具体例について説明する。この第8の具体例では、上記のシール材1はカットパイル4が斜毛されたカットパイル織物3eまたは段差3fを有する傾斜すなわち斜毛されたストライプからなるカットパイル織物3eからなるシール材1を表面とし、その裏面に貼った貼り合せ部材10が反発弾性を有する発泡体10a、あるいはエラストマー、熱可塑性樹脂、塑性変形可能材、金属弾性材から選ばれた部材であり、これらの部材に一定の荷重を加えることで粉体8であるトナー8aの漏れ出しを防止するシール材1であって、第8の具体例のストライプからなるカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0058】
本願発明の第9の具体例について説明する。この第9の具体例では、上記のカットパイル織物3eからなる段差3fを有するストライプからなる段差を有するカットパイル織物3eを一定の形状に形成してシール部材2とし、または該シール部材2に貼り合せ部材10をさらに貼り合せて一定の形状に形成してシール部材2とし、これらの一定の形状のシール部材2をストライプの方向を一定の向きを有する一定の大きさからなる形状のシール材1であって、このシール材1を電子写真画像形成装置11の粉体担持体の端部シール材1bおよび回転体7に当接して粉体8の漏れ出しを防止するシール材1であり、第9の具体例のストライプからなる段差を有するカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【0059】
本願発明の第10の具体例について説明する。この第10の具体例では、上記のストライプを有するカットパイル織物3eからなるシール部材2の表面に、固形石鹸、金属石鹸などの固形物からなる脂肪酸塩もしくはパラフィンあるいはロウであるエステルワックスなどを摺擦により、皮膜状に形成し、これらの一定の形状のシール部材2をストライプの方向を一定の向きを有する一定の大きさからなる形状のシール材1であって、このシール材1を電子写真画像形成装置11の粉体担持体の端部シール材1bおよび回転体7に当接して粉体8の漏れ出しを防止するシール材1であり、第10の具体例のストライプからなるカットパイル織物3eを用いたシール材1である。
【実施例】
【0060】
表1に示す構成および設計値でもって、A列パイル糸6aおよびB列パイル糸6bからなる2種類のパイル糸6を用いて、実施例1〜7における、シール部材2を形成するためのパイル織物3bをジャガード織機で製作してパイル糸の略中央部で切断し、さらに所定のカットパイル長4cに揃えるためシャーリング機にてカットを行ない所定のカットパイル織物3cを制作した。次に、このカットパイル織物3cを斜毛手段であるブラシローラにて一方向に十分に斜毛させてカットパイル織物3eを作成した。なお、これらのパイル織物3bはストライプの織物の構成であるA列パイル糸6aおよびB列パイル糸6bの2種類の異なる径および異なる本数のフィラメント9のパイル糸6であり、材質の相違するA列パイル糸6aおよびB列パイル糸6bで製作されている。
図1に示すように、パイル支持糸5の地糸である緯糸5bと経糸5aからなる平織の下地3dに、A列パイル糸6aの2列とB列パイル糸6bの2列を交互に配列することで、ストライプを有するカットパイル織物3cが形成され、斜毛手段により斜毛されて段差を有するカットパイル織物3eを形成している。表1では、縦列であるA列パイル糸6aおよびB列パイル糸6bについて、横列であるシール部材2の特性、パイル4の特性、パイル糸6の特性、パイル支持糸5の緯糸5bの特性、カットパイル4の斜毛角度θの特性、およびA列カットパイル糸6dおよびB列カットパイル糸6eからなる段差3fの特性などを、カットパイル織物3eからなるシール部材2の構成および設計値を配して、実施例1〜7としている。(この表1の実施例1〜7で、A列パイル糸6aのパイル径4bの大きさとデシテックスT当たりのフィラメント数(F)をB列パイル糸6bのパイル径4bの大きさとデシテックスT当たりのフィラメント数(F)を対比すると、A列パイル糸6aの方がB列パイル糸6bよりもフィラメント9の径は細くかつフィラメント9の本数は多い。)
【0061】
【表1】
【0062】
製作したカットパイル織物3cからなるシール部材2は表1に示す斜毛前のシール部材2の厚みの一定の厚みになるように、カットパイル4をシャーリングすなわち剪毛して、
図2に示すように、多数のフィラメント9からなるカットパイル糸6cすなわち異なるパイル径Φ
pの2種類からなるA列カットパイル糸6dおよびB列カットパイル糸6eとする。この場合、これらのカットパイル糸6cである2種類のA列カットパイル糸6dおよびB列カットパイル糸6eは略直毛状に立っている。このようにパイル径Φ
pの異なる2種類のカットパイル糸6cであっても、これらの2種類のカットパイル糸6cの片方が捲縮性フィラメント9aでなく、2種類ともストレート性フィラメント9bである場合には、これらの2種類の厚みは一様に同じで揃っている。なお、パイル糸6はシャーリング時に開繊が良好になるように、フィラメント9が甘撚りされていることが好ましい。
【0063】
上記のシャーリングの剪毛に続いて、
図3に示すように、斜毛手段によりカットパイル糸6cを斜毛した。この斜毛手段には、図示しないブラシローラをカットパイル織物3c上で一方向に回転させて、カットパイル織物3cのカットパイル4を一方向に斜毛している。なお、この
図2では、本願発明に基づいて、2種類の異なるパイル径Φpのカットパイル糸6cを用いて、ストライプを有するカットパイル織物3cを構成し、
図3では、本願発明に基づいて斜毛手段によりカットパイル4を斜毛し、
図3の(b)の正面図に示すように、カットパイル織物3eのカットパイル糸6cの支持糸である緯糸5bを支点に一方向に斜毛されて、A列カットパイル糸6dの斜毛高さH1とB列カットパイル糸6eの斜毛高さH2の差からなる段差3fを形成している。このように、本願発明は、複数の異なるパイル径Φpのカットパイル糸6cを用いることにより、ストライプからなるカットパイル織物3cを形成し、その上で、パイル支持糸5を支点にカットパイル糸6cを斜毛することで、本発明のカットパイル織物3eの表面にストライプの方向と直交する方向の段差3fすなわちストライプからなる凹凸状である段差3fを形成している。このように、本願発明は、複数の異なるパイル径Φpのカットパイル糸6cを用いることで、ストライプを有するカットパイル織物3cを形成し、パイル支持糸5を支点にカットパイル糸6cを斜毛することで、カットパイル織物3eの表面にストライプからなる段差3fを形成することができる。
【0064】
次に、カットパイル糸6cはカットパイル織物3eあるいはカットパイル織物3cの下地3dからの毛抜けを防止する手段として、カットパイル糸6cの地糸であるパイル支持糸5の緯糸5bに予め熱融着糸を含有させ、この緯糸5bに含有の熱融着糸を溶融させることで、カットパイル糸6cと平織のカットパイル織物3eの下地3dであるパイル支持糸5の緯糸5bを、熱融着により固着してシール部材2とした。A列カットパイル糸6cの斜毛後の高さである厚みとB列カットパイル糸6eの斜毛後の高さである厚みの差は段差3fである。これらは、表1の横欄に、例えば、斜毛後の厚み(mm)、および段差(mm)(A列の高さ−B列の高さ)として、パイル織物シール部材の構成および設計値をそれぞれ示している。
【0065】
次いで、作製したシール部材2のサンプルを測定して、表2に、シール部材2の実測値を示している。サンプルであるかっとパイル織物3eからなるシール部材2を、表2で、各実施例1〜実施例7のA列カットパイル糸6dの部分とB列カットパイル糸6eの部分を、A列カットパイル糸部、およびB列カットパイル糸部として縦欄に表示し、厚み(mm)、斜毛角度(°)、および段差(mm)(A列の高さ−B列の高さ)として横欄に表示している。なお、この表2において、A列カットパイル糸6dの部分の高さである厚みとB列カットパイル糸6eの部分の高さである厚みの差が段差3fであり、この段差3fを、表2で、段差(mm)(A列の高さ−B列の高さ)と記載している。
【0066】
【表2】
【0067】
異なる材質および糸径の2種類のカットパイル4を用いた結果、表2に示すようにカットパイル4の斜毛角度は、表1の設計値と近似しているか、またはそれ以下である斜毛角度となっている。さらに、異なる2種類のカットパイル4を用いたことにより、カットパイル4により段差3fを形成することができ、ストライプで段差を有するカットパイル織物3eからなるシール部材2を得ることができた。
【0068】
次いで、上記で得られた本願発明のシール部材2の実施例1〜実施例7と従来のパイル織物からなるシール部材の比較例1〜比較例2を対比して、パイル糸6のフィラメント9の密度(本数/inch
2)、カットパイル織物3eの1cm
2当りに100gの反発荷重を掛けた時のカットパイル糸6cの毛先および根元のそれぞれの耐振動性(加速度(m/s
2):50Hz)を、下記の表3に示す。さらに、表3に、加速度50m/s
2で漏れを生じさせない反発荷重(g/s
2)の最低値および実機のシール性(表面速度=560mm/s)の評価(○は良好)を示す。表3に示すように本発明のシール部材は従来シール部材と比較し根元のシール性が良好に改善され、かつ、低荷重にて粉体の漏れを防止することができる。また、パイル密度(フィラメント密度)が低い状態から高い状態においても従来にない低荷重で表面及び根元からの粉体の漏れを防止できる。以上のように低荷重でのシール性を可能とし段差を設けたことで接触面積の低減と合わせて摩擦熱の低減が可能なシール材であり高速でのシール性を可能とするシール材である。さらに低密度でのシール性を可能としているため省資源のシール材とすることもできる。
【0069】
【表3】
【0070】
このようにして得たシール部材2に発泡体10aを、
図9に示すように、両面テープの接着層10cで一体化した。すなわち、ストライプを有する織り組織3aで織られたパイル織物3bのパイル糸6が切断されてカットパイル4を有するカットパイル織物3cに形成され、さらにカットパイル4が斜毛手段により斜毛されて段差3fを有するストライプのカットパイル織物3eが形成さる。さらに上記したようにパイル支持糸5の地糸である緯糸5bに熱融着糸を含有させ、この熱融着糸の溶融によりカットパイル糸6cをパイル支持糸5の緯糸5bに有着させてカットパイル糸6cを構成するフィラメント9の毛抜け防止をしたシール部材2として
図9に示す。さらに該シール部材2の裏面2aに接着剤10bによって貼り合わせ部材10の弾性体でもある発泡体10aを貼り合わせている。上記の接着剤10bはホットメルトなどの接着剤10bやあるいは両面テープ10cの接着剤であってもよい。このような貼り合わせ部材10である弾性体には、エラストマー、ゴム部材、発泡体であるスポンジなどが挙げられる。また、このような弾性体に代えて、金属シートや樹脂シートをシール部材2に貼り合わせてもよい。このシール部材2と貼り合わせ部材10を貼り合わせてなる素材を、一定の形状でかつストライプの向きに対して一定の角度の向きのシール1として、
図10の(a)に示すように切断し、一定の形状でかつA列カットパイル糸6dとB列カットパイル糸6eの角度を粉体規制角度αとするシール材1得て、
図10の(b)に示すシール材1に形成した。