【実施例】
【0039】
以下に、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
【0040】
(実施例1)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が18本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0041】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は18本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.43mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔は0.5mm以下、樹脂の質量は80g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が460g/m
2、膜材料の厚さは0.60mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0042】
(実施例2)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が18本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0043】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を75質量部、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンB(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比50/50、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)271)を25質量部混合した樹脂溶液を準備した。該樹脂溶液に上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は18本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.43mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔は0.5mm以下、樹脂の質量は80g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が460g/m
2、膜材料の厚さは0.60mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0044】
(実施例3)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が18本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0045】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を50質量部、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンB(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比50/50、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)271)を50質量部混合した樹脂溶液を準備した。該樹脂溶液に上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は18本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.43mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔は0.5mm以下、樹脂の質量は80g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が460g/m
2、膜材料の厚さは0.60mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0046】
(実施例4)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が20本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0047】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は20本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.45mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔は0.5mm以下、樹脂の質量は80g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が480g/m
2、膜材料の厚さは0.62mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0048】
(実施例5)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が22本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0049】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は22本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.47mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔は0.5mm以下、樹脂の質量は85g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が505g/m
2、膜材料の厚さは0.64mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0050】
(実施例6)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が19本/25mm、緯糸密度が20本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0051】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が18質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は19本/25mm、緯方向の織密度は20本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.35mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔が0.5mmを超え、樹脂の質量は65g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が18質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が82質量%、膜材料の質量が365g/m
2、膜材料の厚さは0.5mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0052】
(実施例7)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が19本/25mm、緯糸密度が22本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0053】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は19本/25mm、緯方向の織密度は22本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.35mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔が0.5mmを超え、樹脂の質量は65g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が385g/m
2、膜材料の厚さは0.5mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0054】
(実施例8)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が19本/25mm、緯糸密度が25本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0055】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が16質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は19本/25mm、緯方向の織密度は25本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.35mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔が0.5mmを超え、樹脂の質量は65g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が16質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が84質量%、膜材料の質量が405g/m
2、膜材料の厚さは0.5mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0056】
(実施例9)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECG37 1/0 1.0Z)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が25本/25mm、緯糸密度が22本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0057】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンA(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比80/20、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)278)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は25本/25mm、緯方向の織密度は22本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.34mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔は0.5mm以下、樹脂の質量は80g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が470g/m
2、膜材料の厚さは0.48mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0058】
(比較例1)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製バルキー加工糸(商品名TDE300)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が18本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0059】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンB(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比50/50、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)271)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は18本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.43mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔は0.5mm以下、樹脂の質量は80g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が460g/m
2、膜材料の厚さは0.6mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0060】
(比較例2)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が21本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0061】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンB(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比50/50、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)271)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は21本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.3mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔が0.5mmを超え、樹脂の質量は55g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が17質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が83質量%、膜材料の質量が325g/m
2、膜材料の厚さは0.31mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0062】
(比較例3)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が23本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0063】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンB(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比50/50、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)271)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が16質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は23本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.3mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔が0.5mmを超え、樹脂の質量は55g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が16質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合が84質量%、膜材料の質量が335g/m
2、膜材料の厚さは0.31mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0064】
(比較例4)
(ガラス繊維織物の準備)
まず、経糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)、緯糸としてユニチカグラスファイバー株式会社製合撚糸(商品名ECDE75 1/2 3.8S)を準備した。上記経糸及び緯糸を用い、経糸密度が31本/25mm、緯糸密度が25本/25mmとなるように平織組織で製織し、ガラス繊維織物を得た。
【0065】
(樹脂コーティング)
コーティングする樹脂として、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体エマルジョンB(塩化ビニルユニット/アクリル酸エステルユニットの質量比50/50、固形分43質量%、ビニブラン(登録商標)271)を準備した。該樹脂エマルジョンに上記得られたガラス繊維織物を浸漬し、得られる膜材料の質量(g/m
2)に対する前記樹脂の質量(g/m
2)の割合が16質量%となるように浸漬したガラス繊維織物をニップロールで絞り、温度150℃、時間3分の条件で乾燥し、本発明の膜材料を得た。得られた膜材料において、ガラス繊維織物の経方向の織密度は31本/25mm、緯方向の織密度は25本/25mm、ガラス繊維織物の厚さは0.3mm、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔は0.5mm以下、樹脂の質量は55g/m
2、膜材料の質量(g/m
2)に対する樹脂の質量(g/m
2)の割合が16質量%、膜材料の質量(g/m
2)に対するガラス繊維織物の質量(g/m
2)の割合84質量%、膜材料の質量が345g/m
2、膜材料の厚さは0.31mmであった。なお、得られた膜材料中の可塑剤の含有量は、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体100質量部に対し、5質量部以下であった。
【0066】
(膜材料の評価)
実施例及び比較例の膜材料について、以下の評価をおこなった。
【0067】
(1)KES FB−2 PUREBENGINGTESTERにより測定される膜材料の、前記ガラス繊維織物の緯方向及び経方向における曲げ特性(gf・cm
2/cm)
前述した方法により測定した。
【0068】
(2)膜材料の垂直入射吸音率
前述した方法により測定した。
【0069】
(3)膜材料の不燃性
一般財団法人建材試験センターの「防耐火性能試験・評価業務方法書」(平成26年3月1日変更版)における4.10.2 発熱性試験・評価方法に従って測定される、輻射電気ヒーターからシートの表面に50kW/m
2の輻射熱を照射する発熱性試験において、(I)加熱開始後20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m
2を超えず、(II)加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m
2以下であり、(III)加熱開始後20分間、0.5mm四方以上の貫通孔がないものを○、上記(I)〜(III)の3つの要件のうち、一つでも満足しないものがある場合は×として評価した。
【0070】
(4)ガラス繊維織物を含む膜材料を経方向に懸垂させた膜天井とした場合のシワの発生
長さ2m、幅50cmに切り出した膜材料を、1.8m間隔に置いた棒にクリップではさみ、経方向に懸垂した状態で膜材料を設置してシワの発生について評価した。以下の基準により評価し、△以上を合格とした。
○:経方向に発生するシワが全く無く、実用上全く問題ないレベルであった。
△:経方向にシワが発生しているが、実用上問題ないレベルであった。
×:経方向に著しくシワが発生し、実用上問題あるレベルであった。
【0071】
(5)ガラス繊維織物を含む膜材料を経方向に懸垂させた膜材料とした場合の端部(ガラス繊維織物の耳部に相当する部分)のたるみ発生
長さ2m、幅50cmに切り出した膜材料を、1.8m間隔に置いた棒にクリップではさみ、経方向に懸垂した状態で膜材料を設置して端部に発生するたるみについて評価した。以下の基準により評価し、△以上を合格とした
○:端部に発生するたるみが全く無く、実用上問題ないレベルであった。
△:端部にたるみは発生するが、実用上問題ないレベルであった。
×:端部にたるみが発生し、実用上問題のあるレベルであった。
【0072】
(6)高周波誘電加熱による接合性
山本ビニター株式会社製YPO−5Aを用い、電流5A、鉄板温度100℃、接合時間4秒で接合したときに剥離性について評価した。以下の基準により評価し、2以上を合格とした。
3:手ではがそうとしても全く剥離せず、実用上全く問題ないレベルであった。
2:手ではがそうとすると剥離してしまうが、実用上問題ないレベルであった。
1:接着しておらず、実用上問題あるレベルであった。
【0073】
(7)膜材料に折曲げ応力が繰り返し加わった時の白化のし易さ
JIS R 3420:2013 7.14「クロスの耐折強さ」に従って試験を行い、膜材料試験片の折り曲げ部分における、折り曲げに起因する白線発生の有無を目視により観察し、該白線が確認された折り曲げ回数により評価した。なお、白線の有無の確認は、折り曲げ回数が5回、10回、20回、30回、40回、50回、60回、70回、80回、90回、100回の各回シートを黒台紙の上に設置して行った。また、試験片のn数は3とし、その平均値により評価した。該往復折り曲げ回数が多いほど、シートは、折曲げ応力が繰り返し加わっても白化を生じるのが抑制されていると評価される。そして、以下の基準により評価した。
5:折り曲げ回数が100回でも白線がつかない
4:折り曲げ回数が100回以下
3:折り曲げ回数が50回以下
2:折り曲げ回数が20回以下
1:折り曲げ回数が5回以下
【0074】
得られた結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
実施例1〜9の膜材料は、ガラス繊維織物と、該ガラス繊維織物にコーティング又は貼着された樹脂と、を含む膜材料であって、KES FB−2 PUREBENGINGTESTERにより測定される前記膜材料の、前記ガラス繊維織物の緯方向における曲げ特性が、24gf・cm
2/cm以上であることから、ガラス繊維織物を含む膜材料を経方向に懸垂させた膜天井とした場合にも経方向に沿うシワの発生を抑制することができるものであり、該膜材料を膜天井とした場合に、経方向に沿うシワの発生が抑制可能となり、美感に優れたものとなりやすくなることが確認された。
【0077】
中でも、実施例1、2、4、5及び9の膜材料は、KES FB−2 PUREBENGINGTESTERにより測定される前記膜材料の、前記ガラス繊維織物の緯方向における曲げ特性が、30〜50gf・cm
2/cmであり、かつ、経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔が0.5mm以下であることから、ガラス繊維織物を含む膜材料を経方向に懸垂させた膜天井とした場合にも経方向に沿うシワの発生を抑制することと、不燃性とをより両立するものであった。
【0078】
実施例3と6とを比較すると、経方向における曲げ特性(gf・cm
2/cm)は同等であるが、膜材料を経方向に懸垂させた膜天井とした場合の端部のたるみの評価は実施例6のほうが優れたものとなった。これは、実施例6が、経糸密度が比較的小さく、膜材料質量がより軽量なものとなっていることに起因している。その一方で、実施例6は、経糸密度が比較的小さく、ガラス繊維織物の経糸間の隙間の間隔が0.5mmを超えてしまい、不燃性が劣るものとなった。しかし、実施例1、2、4、5及び9によれば、経糸密度を比較的大きくし、経糸間の隙間の間隔及び緯糸間の隙間の間隔が0.5mm以下とした結果、膜材料の質量は実施例3と同等であったにも関わらず、ガラス繊維織物の経方向における曲げ特性が25〜35gf・cm
2/cmであることから、膜材料を経方向に懸垂させた場合に端部がたるみにくくなることと、不燃性とをより両立させやすくなるものであった。
【0079】
一方、比較例1〜4の膜材料は、実施例1〜9と比較し樹脂が柔らかいものであり、ガラス繊維織物の緯方向における曲げ特性が、24gf・cm
2/cm未満であったことから、ガラス繊維織物を含む膜材料を経方向に懸垂させた膜天井とした場合にも経方向に沿うシワの発生を抑制できないものであった。