(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937566
(24)【登録日】2021年9月2日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】熱管理物品
(51)【国際特許分類】
F01D 5/28 20060101AFI20210909BHJP
C23C 4/129 20160101ALI20210909BHJP
C23C 4/134 20160101ALI20210909BHJP
C23C 4/137 20160101ALI20210909BHJP
【FI】
F01D5/28
C23C4/129
C23C4/134
C23C4/137
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-230733(P2016-230733)
(22)【出願日】2016年11月29日
(65)【公開番号】特開2017-133496(P2017-133496A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2019年11月17日
(31)【優先権主張番号】14/962,759
(32)【優先日】2015年12月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】スリカーンス・チャンドルドゥ・コッティリンガム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・コンラッド・シェイファー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・リー・トリソン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ツイ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エドワード・シック
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第2863014(EP,A1)
【文献】
特開昭53−074613(JP,A)
【文献】
米国特許第06617003(US,B1)
【文献】
特開2010−216472(JP,A)
【文献】
特表2008−506063(JP,A)
【文献】
特開2008−200836(JP,A)
【文献】
特開2012−136776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/129
C23C 4/134
C23C 4/137
F01D 5/28
F01D 25/00
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面を有する基材(102)と、
前記基材(102)の前記外面上に配置され、第1コーティング面を含む第1コーティングと、
前記基材(102)の前記外面と前記第1コーティング面との間に配置された少なくとも1つの通路(104)であって、前記少なくとも1つの通路(104)が少なくとも1つの流体経路(304)を画定する通路壁(300)を備える、前記少なくとも1つの通路(104)と、
前記基材(102)の前記外面と前記第1コーティングとの間に配置された第2コーティングと、
を備え、
前記通路壁(300)は、前記基材(102)の前記外面と直接接触する最下部の表面と、前記第1コーティング面に隣接する最上部の表面とを含み、
前記第1コーティングは、セラミックコーティングである遮熱コーティング、熱成長酸化物、セラミックトップコート、ボンドコーティング、拡散コーティング、多孔性被覆からなる群より選択され、
前記第2コーティングが、前記通路壁(300)の最下部表面と位置合わせされた第2のコーティング面と、前記第2のコーティング面の反対側に配置され、前記通路壁(300)の最上面と最下部表面との間に配置された第3のコーティング面とを備える、
熱管理物品(100)。
【請求項2】
外面を有する基材(102)と、
前記基材(102)の前記外面上に配置され、第1コーティング面を含む第1コーティングと、
前記基材(102)の前記外面と前記第1コーティング面との間に配置された少なくとも1つの通路(104)であって、前記少なくとも1つの通路(104)が少なくとも1つの流体経路(304)を画定する通路壁(300)を備え、前記通路壁(300)が、前記基材(102)の前記外面と直接接触する最下部の表面と、前記第1コーティング面に隣接する最上部の表面とを含む、前記少なくとも1つの通路(104)と、
前記基材(102)の前記外面と前記第1コーティングとの間に配置された第2コーティングと、
を備え、
前記第1コーティングは、セラミックコーティング、熱成長酸化物、セラミックトップコートからなる群より選択され、
前記第2コーティングが、前記通路壁(300)の最下部表面と位置合わせされた第2のコーティング面と、前記第2のコーティング面の反対側に配置され、前記通路壁(300)の最上面と最下部表面との間に配置された第3のコーティング面とを備える、
熱管理物品(100)。
【請求項3】
前記熱管理物品(100)がタービン構成要素である、請求項1または2に記載の熱管理物品(100)。
【請求項4】
前記通路壁(300)が、超合金、ニッケル基超合金、コバルト基超合金、ステンレス鋼、合金鋼、チタニウム合金、アルミニウム合金、耐熱合金、セラミック、イットリウム安定化ジルコニア、アルミナ、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される壁材料を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の熱管理物品(100)。
【請求項5】
前記通路壁(300)の壁厚(302)が約0.003インチから約0.02インチまでの間である、請求項4に記載の熱管理物品(100)。
【請求項6】
前記第2コーティング(500)が、遮熱コーティング、熱成長酸化物、セラミックトップコート、ボンドコーティング、拡散コーティング、アブレイダブルコーティング、多孔性被覆からなる群より選択される、請求項1乃至5のいずれかに記載の熱管理物品(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの通路(104)が、長さおよび幾何学的形状を有しており、前記幾何学的形状が前記長さに沿って変化している、請求項1乃至6のいずれかに記載の熱管理物品(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの通路(104)が断面形態(306)を有し、前記断面形態(306)が、規則形、不規則形、溝付き形状(308)、円形(310)、楕円形、長円形、多角形、三角形、四辺形、正方形、長方形、台形、平行四辺形、五角形、六角形、七角形、八角形、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1乃至7のいずれかに記載の熱管理物品(100)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの通路(104)が、前記少なくとも1つの流体経路(304)に作用する少なくとも1つのタービュレータ(312)を備える、請求項1乃至8のいずれかに記載の熱管理物品(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの通路(104)が、前記少なくとも1つの流体経路(304)内に配置された少なくとも1つのセンサ(314)を備える、請求項1乃至9のいずれかに記載の熱管理物品(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱管理物品、および熱管理物品を形成する方法に関する。より詳細には、本発明は、基材と第1コーティング面との間に配置される少なくとも1つの通路を含む熱管理物品、および熱管理物品を形成する方法に関する。熱管理物品は、ガスタービン構成要素を含んでもよいが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンには、効率化とコスト削減のための修正が絶えずなされている。ガスタービンの効率化の方法の1つは、運転温度を上げることを含む。運転温度を上げた結果、より極端な運転条件を招き、その条件が、タービン構成要素の耐熱性を高める、かつガスタービンの高温ガス経路内にある反応性のガスからタービンを保護するように設計される、高性能の超合金材料および複雑なコーティングシステムの開発につながっている。
【0003】
タービン構成要素の耐用温度はまた、冷却流路を使用することによっても高めることができる。冷却流路は、通常はガスタービンの高温の領域で使用されるタービン構成要素の金属基材およびセラミック基材に組み入れられる。しかし、冷却流路と、ガスタービンの高温ガス経路に露出しているタービン構成要素の表面との間の距離が、冷却流路の冷却効果に影響する。冷却流路を高温ガス経路から隔てる、タービン構成要素に対する保護コーティングの厚さを増すことは、冷却流路の効果を低下させる。
【発明の概要】
【0004】
例示的な実施形態においては、熱管理物品が、基材と、基材上に配置されている第1コーティングとを備える。第1コーティングは、第1コーティング面、および、基材と第1コーティング面との間に配置された少なくとも1つの通路を含む。少なくとも1つの通路は、少なくとも1つの流体経路を画定する。
【0005】
別の例示的な実施形態においては、熱管理物品を形成する方法が、少なくとも1つの通路を基材に取り付けることを含む。少なくとも1つの通路は、壁厚を有し、かつ少なくとも1つの流体経路を画定する通路壁を備える。第1コーティングが基材および通路壁に塗布され、第1コーティング面を形成する。少なくとも1つの通路は、基材と第1コーティング面との間に配置されている。
【0006】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の原理を一例として示した添付の図面と併せて、下記の好ましい実施形態のより詳細な説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態に係る、熱管理物品の斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る、
図1の熱管理物品の部分の拡大斜視図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る、第1コーティングを有する、
図2の熱管理物品の部分の斜視断面図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る、複数のコーティング層を含む第1コーティングを有する、
図2の熱管理物品の部分の斜視断面図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る、第2コーティングを有する、
図3の熱管理物品の部分の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
可能な限り、図面全体で、同じ部品は同じ参照番号を用いて表記する。
【0009】
熱管理物品の例および熱管理物品を形成する方法の例を提供する。本開示の実施形態は、本明細書で開示する1以上の特徴を利用していない方法と比べ、製造コストを削減し、冷却効率を高め、熱伝達効率を高め、許容運転温度を高め、運転を効率化し、冷却流体の使用量を削減し、発電出力を増加させ、またはこれらの組み合わせを提供する。
【0010】
図1を参照すると、熱管理物品100が、基材102と、少なくとも1つの通路104とを含む。一実施形態では、基材102はタービン構成要素である。一実施形態では、図示されているように、少なくとも1つの通路104にコーティングを塗布する前に、少なくとも1つの通路104が基材102上に配置されている。タービン構成要素は、高温ガス経路構成要素、ブレード(バケット)(図示)、ベーン(ノズル)、シュラウド、燃焼器、燃焼器ライナ、燃焼器トランジションピース、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切なタービン構成要素でもよい。基材102は、1以上のコーティングを含んでいてもよい。
【0011】
基材102は、金属、合金、鉄基合金、セラミック、鋼、MCrAlY、遮熱コーティング、ボンドコーティング、耐環境コーティング、ガラス繊維複合材、炭素複合材、耐熱合金、クロム・モリブデン合金、クロム・モリブデン・バナジウム合金、コバルト・クロム・モリブデン合金、超合金、ニッケル基超合金、コバルト基超合金、セラミックマトリクス複合材、炭素繊維強化炭素(C/C)、炭素繊維強化炭化ケイ素(C/SiC)、炭化ケイ素繊維強化炭化ケイ素(SiC/SiC)、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な基材材料を含んでいてもよい。
【0012】
図2を参照すると、一実施形態では、熱管理物品100を形成する方法が、少なくとも1つの通路104を基材102に取り付けることを含む。少なくとも1つの通路104を基材102に取り付けることは、つなぎ溶接部200を形成することによって少なくとも1つの通路104を基材に溶接すること(図示)、少なくとも1つの通路104を基材102に抵抗溶接すること、少なくとも1つの通路104を基材102にろう付けすること、少なくとも1つの通路104を基材102にろう付けペーストでろう付けすること、少なくとも1つの通路104を基材102にろう付けテープでろう付けすること、少なくとも1つの通路104を基材102にろう付け箔でろう付けすること、少なくとも1つの通路104を基材102にろう付けシートでろう付けすること、少なくとも1つの通路104を基材102に予備焼結プリフォームでろう付けすること、少なくとも1つの通路104を基材102に高温接着剤で接着すること、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な取り付け技術を含んでいてもよい。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1つの通路104が、流体源(不図示)に接続されており、流体源と流体連通している(不図示)。流体源は、流路、空洞、穴、孔、管、流体供給ライン、マニホールド、プレナム、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な 流体源であってもよい。流体源は、基材102外面、基材102内、熱管理物品100内、またはこれらの組み合わせに、配置されてもよい。一実施形態では、冷却流体が、流体源から少なくとも1つの通路104に入り、少なくとも1つの通路104を通って流れる。
【0014】
少なくとも1つの通路104は、任意の適切な平均外径を有することができる。一実施形態では、平均外径が約0.01インチから約0.1インチまで、代替的には約0.02インチから約0.075インチまで、代替的には約0.03インチから約0.045インチまで、代替的には約0.25インチ未満、代替的には約0.1インチ未満、代替的には約0.05インチ未満である。
【0015】
図3を参照すると、一実施形態では、少なくとも1つの通路104が、壁厚302を有する通路壁300を備え、少なくとも1つの流体経路304を画定する。少なくとも1つの流体経路304は、流体源と流体連通していてもよい。通路壁300は、基材102に取り付けられていても、基材102に取り付けられていなくてもよい。本明細書で使用する「基材102に取り付けられている」とは、通路壁300が、少なくとも1か所で、基材102と直接、物理的に接触していることをいう。少なくとも1つの通路104は、長さおよび幾何学的形状を有する。少なくとも1つの通路104の幾何学的形状は、少なくとも1つの通路104の長さに沿って一定であっても、少なくとも1つの通路104の長さに沿って変化していてもよい。一実施形態では、少なくとも1つの通路104の幾何学的形状は、基材102の幾何学的形状に適合している。少なくとも1つの通路104の幾何学的形状は、基材の幾何学的形状に予め適合させても、または少なくとも1つの通路104をつける間に基材の幾何学的形状に適合させてもよい。本明細書で使用する、少なくとも1つの通路104の幾何学的形状が、基材102の幾何学的形状に「適合している」とは、仮に少なくとも1つの通路104を、基材102の幾何学的形状の部分に直接接触するように配置した場合、少なくとも1つの通路104が、少なくとも1つの通路104の長さのほぼ全体に沿って基材102と接触するほど、少なくとも1つの通路104の形状が、基材102の、少なくとも1つの通路104がつけられる部分の幾何学的形状に十分に似ていることをいう。
【0016】
通路壁300は、超合金、ニッケル基超合金、コバルト基超合金、ステンレス鋼、合金鋼、チタニウム合金、アルミニウム合金、耐熱合金、セラミック、イットリウム安定化ジルコニア、アルミナ、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な壁材料を含んでいてもよい。本明細書で使用する「耐熱合金」は、ニオブ合金、モリブデン合金、タングステン合金、タンタル合金、レニウム合金、バナジウム合金、およびこれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0017】
一実施形態では、壁厚302が、約0.06インチ未満、代替的には約0.03インチ未満、代替的には約0.02インチ未満、代替的には約0.015インチ未満、代替的には約0.001インチから約0.06インチまでの間、代替的には約0.001インチから約0.03インチまでの間、代替的には約0.002インチから約0.0025インチまでの間、代替的には約0.003インチから約0.02インチまでの間、代替的には約0.005インチから約0.015までの間である。
【0018】
少なくとも1つの通路104は、断面形態306を備える。断面形態306は、少なくとも1つの通路104の長さに沿って一定であっても、または少なくとも1つの通路104の長さに沿って変化していてもよい。断面形態306は、規則形、不規則形、溝付き形状308、円形310、楕円形、長円形、多角形、三角形、四辺形、正方形、長方形、台形、平行四辺形、五角形、六角形、七角形、八角形、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な形態であってもよい。一実施形態では、少なくとも1つの通路104は、少なくとも1つの流体経路304に作用する少なくとも1つのタービュレータ312を備える。少なくとも1つのタービュレータは、ピン(図示)、ピンバンク、脚、フィン、こぶ、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な構造を含んでいてもよい。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つの通路104が、少なくとも1つの流体経路304内に配置された少なくとも1つのセンサ314を含む。少なくとも1つのセンサ314は、熱電対、温度計、圧力計、圧力変換器、質量流量センサ、ガスメータ、酸素センサ、水分センサ、湿度センサ、加速度計、ピエゾ振動センサ、またはこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な装置であってもよい。
【0020】
熱管理物品100が、基材102上に配置されている第1コーティング316を含む。第1コーティング316は、第1コーティング面318を有する。少なくとも1つの通路104は、基材102と第1コーティング面318との間に配置されている。第1コーティング316は、遮熱コーティング、耐環境コーティング、熱成長酸化物、セラミックトップコート、ボンドコーティング、拡散コーティング、アブレイダブルコーティング、多孔性被覆のうち少なくとも1つを含むが、これらに限定されない任意の適切なコーティングであってもよい。ボンドコーティングは、MCrAlYコーティングを含んでもよいが、これに限定されない。遮熱コーティングは、セラミックコーティングを含んでもよいが、これに限定されない。
【0021】
一実施形態では、熱管理物品100を形成する方法が、第1コーティング316を、基材102および通路壁300に塗布して、第1コーティング面318を形成することを含む。第1コーティング316を塗布することは、熱溶射、大気プラズマ溶射、高速酸素燃料熱溶射、高速空気燃料溶射、真空プラズマ溶射、電子ビーム物理蒸着のうち少なくとも1つを含むが、これらに限定されない任意の適切な技術を含んでいてもよい。
【0022】
別の実施形態では、熱管理物品100を形成する方法が、少なくとも1つの通路104が基材102と関連付けて配置される前、または少なくとも1つの通路104が基材102に取り付けられる前に、第1コーティング316の一部分を基材102に塗布し、その後、第1コーティング316の上記部分の上に少なくとも1つの通路104を配置することと、第1コーティング316の残りを、基材102および通路壁300に塗布することとを含む。
【0023】
代替実施形態(不図示)では、少なくとも1つの通路104が、3次元印刷を含むが、これに限定されない付加製造法によって第1コーティング316を塗布することによって、基材102と第1コーティング面318との間に形成されてもよい。
【0024】
図4を参照すると、一実施形態では、第1コーティング316は、複数のコーティング層400を含む。第1コーティング316内の複数のコーティング層400の各々の層は、第1コーティング316内の複数のコーティング層400の他の層と、同じコーティングであっても、異なるコーティングであってもよい。複数のコーティング層400は、連続的に塗布しても、同時に塗布してもよい。一実施形態では、複数のコーティング層400は、第1のコーティング層402および第2のコーティング層404を含む。複数のコーティング層400は、第1のコーティング層402および第2のコーティング層404に限定されず、第3のコーティング層、ならびに任意の数の追加的コーティング層を含んでいてもよい。一実施形態では、第1のコーティング層402がボンドコーティングを含み、第2のコーティング層404が遮熱コーティングを含む。
【0025】
一実施形態では、第1のコーティング層402は、約0.001インチから約0.05インチまで、代替的には約0.002インチから約0.025インチまで、代替的には約0.003インチから約0.015インチまで、代替的には約0.005インチから約0.01インチまで、代替的には約0.05インチ未満、代替的には約0.025インチ未満、代替的には約0.015インチ未満の厚みを有している。別の実施形態では、第2のコーティング層404は、約0.005インチから約0.25インチ、代替的には約0.01インチから約0.15インチまで、代替的には約0.02インチから約0.06インチまで、代替的には約0.25インチ未満、代替的には約0.15インチ未満、代替的には約0.1インチ未満の厚みを有している。
【0026】
図5を参照すると、一実施形態では、熱管理物品100は、第1コーティング面318上に配置された、第2コーティング500を含む。第2コーティング500は、遮熱コーティング、耐環境コーティング、熱成長酸化物、セラミックトップコート、ボンドコーティング、拡散コーティング、アブレイダブルコーティング、多孔性被覆のうち少なくとも1つを含むが、これらに限定されない任意の適切なコーティングでもよい。熱管理物品100は、第1コーティング316および第2コーティング500に限定されず、第3コーティング、ならびに第2コーティング500に対し塗布される任意の数の追加的コーティングを含んでもよい。一実施形態では、第1コーティング316はボンドコーティング、第2コーティング500は遮熱コーティングである。別の実施形態では、第1コーティング316はボンドコーティング、第2コーティング500は遮熱コーティング、第3コーティングはアブレイダブルコーティングである。
【0027】
熱管理物品100を形成する方法は、第1コーティング面318に対し第2コーティング500を塗布することを含んでいてもよい。第2コーティング500を塗布することは、熱溶射、大気プラズマ溶射、高速酸素燃料熱溶射、高速空気燃料溶射、真空プラズマ溶射、電子ビーム物理蒸着のうち少なくとも1つを含むが、これらに限定されない任意の適切な技術を含んでいてもよい。
【0028】
本発明を、好ましい実施形態を参照して説明してきたが、当業者には、本発明の各要素は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えられること、および、同等のものと置換できることが理解されよう。さらに、本発明の本質的範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるための多くの修正も、行うことができる。従って本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、本発明は添付の特許請求の範囲に該当するすべての実施形態を含むことを意図する。
【符号の説明】
【0029】
100 熱管理物品
102 基材
104 少なくとも1つの通路
200 つなぎ溶接部
300 通路壁
302 壁厚
304 少なくとも1つの流体経路
306 断面形態
308 溝付き形状
310 円形
312 少なくとも1つのタービュレータ
314 少なくとも1つのセンサ
316 第1コーティング
318 第1コーティング面
400 複数のコーティング層
402 第1のコーティング層
404 第2のコーティング層
500 第2コーティング