特許第6937649号(P6937649)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6937649衝撃吸収部材及びそれを用いた衝撃吸収構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937649
(24)【登録日】2021年9月2日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】衝撃吸収部材及びそれを用いた衝撃吸収構造体
(51)【国際特許分類】
   F16F 7/12 20060101AFI20210909BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20210909BHJP
   B62D 21/00 20060101ALN20210909BHJP
【FI】
   F16F7/12
   B62D21/15 B
   !B62D21/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-189259(P2017-189259)
(22)【出願日】2017年9月29日
(65)【公開番号】特開2019-65892(P2019-65892A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】五之治 巧
(72)【発明者】
【氏名】川口 聡
(72)【発明者】
【氏名】初見 浩之
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−196952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 7/12
B62D 21/15
B62D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部材の端部に取り付ける衝撃吸収部材であって、
前記衝撃吸収部材は前記基部材と水平方向に配置した中空部と、前記中空部の上下方向の一方又は両方に配置した縦壁部と、前記中空部と縦壁部とを斜めに繋いだ斜めリブを有し、
前記中空部は前記基部材の端部に取り付けるための上下一対のフランジ部を有することを特徴とする衝撃吸収部材。
【請求項2】
請求項記載の衝撃吸収部材を前記基部材の両側の端部に対向して取り付けたことを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項3】
前記基部材は前記両側の衝撃吸収部材の対向方向と直交する方向の断面が中空断面形状であることを特徴とする請求項記載の衝撃吸収構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に電池モジュール等の駆動電源や、高電圧部品等を搭載する際にこれらを保護するための衝撃吸収部材及びそれを用いた衝撃吸収構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド自動車の分野においては、駆動電源用に電池モジュール等のバッテリー及びそれらを制御するための高電圧部品等が必要であり、各種取付部材を用いて車両側に取り付けることが検討されている。
この場合に、これらのバッテリーや高電圧部品を外部からの衝撃から保護する必要がある。
例えば特許文献1には、バッテリーを搭載するフレーム部材に脆弱部を設けた技術を開示する。
しかし、同公報に開示するフレーム部材の構造にあっては、脆弱部の変形を超える荷重には対応ができない問題があり、また脆弱部に水平方向から入力される荷重を吸収できても、斜め上方又は斜め下方からの衝撃に対しては脆弱部が変形されることなく、バッテリー等に衝撃が直接的に伝達されてしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−39890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、外部からの衝撃に対して保護効果が大きい衝撃吸収部材及びそれを用いた衝撃吸収構造体の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る衝撃吸収部材は、基部材の端部に取り付ける衝撃吸収部材であって、前記衝撃吸収部材は前記基部材と水平方向に配置した中空部と、前記中空部の上下方向の一方又は両方に配置した縦壁部と、前記中空部と縦壁部とを斜めに繋いだ斜めリブを有することを特徴とする。
【0006】
ここで基部材とは、電池モジュール等の電源部や高電圧部品等を車両に取り付けるための部材をいう。
取付構造に制限はなく、基部材の上に積載するように搭載する方法のみならず、下側に吊り下げるように取り付ける等、各種態様に対応できる。
【0007】
また、本発明において中空部の上下方向の一方又は両方に配置した縦壁部とは、中空部の基部材の取付基部側又は中空部の先端側、さらには中空部の上面又は下面の途中から上方に向けて立設したもの、下方に向けて垂下したもの、あるいはその両方を設けたもの、いずれでもよい。
【0008】
本発明において、中空部は基部材の端部に取り付けるための上下一対のフランジ部を有するのが好ましい。
このようにすると、上下一対のフランジ部の間に基部材の端部を差し込むように、連結することができる。
【0009】
本発明に係る衝撃吸収部材は、基部材に入力される衝撃から保護したい部位及び方向に向けて取り付けることができ、基部材の形状や構造にも制限されない。
例えば、上記衝撃吸収部材を基部材の両側の端部に対して取り付けた衝撃吸収構造体にすることができる。
この場合に、基部材は前記両側の衝撃吸収部材の対向方向と直交する方向の断面が中空断面形状であると、基部材の衝撃保護効果も高くなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る衝撃吸収部材の衝撃吸収変形の詳細は後述するが、基部材に向けて水平方向からの衝撃に対しては、中空部が梁として作用する。
例えば、上方に立設した縦壁と、中空部とを斜めリブにて繋ぐように連結した例で説明すると、中空部に上方から斜めに入力された衝撃は、斜めリブが引張るように吸収し、中空部の下側から斜めに入力された衝撃は、斜めリブが支えるようにして吸収することになるので、衝撃の入力方向を問わず、その保護効果が高い。
なお、詳細は後述する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は本発明に係る衝撃吸収部材を用いた衝撃吸収構造体の例を示し、(b)はその分解図を示す。
図2】(a)は平面図、(b)はA−A線断面端面図を示す。
図3】(a)〜(c)は衝撃の吸収作用の説明図である。
図4】(a)は上側にのみ斜めリブを設けた例を示し、(b),(c)はその衝撃吸収例を示す。
図5】(a),(b)は斜めリブの変形例を示す。
図6】斜めリブを有しない場合の変形説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る衝撃吸収部材及び衝撃吸収構造体の構造例を以下図に基づいて説明する。
図1図2に実施例1を示す。
基部材10の両側の端部に衝撃吸収部材20を連結した例になっている。
基部材10は、電池モジュールや高電圧部品を搭載するためのものである。
本実施例は基部材10がパネル状になっているが、フレーム枠状であってもよく、構造に制限はない。
基部材10は、上面パネル11と下面パネル12のサイドを縦リブ13a,13bで連結し、中央部を中リブ13cで連結した中空断面形状の例になっていて、両側のサイド部に車両に固定するための固定部15及びこれに固定孔15aを設けてある。
【0013】
基部材10に対して、衝撃吸収部材20の取付位置は、外部からの衝撃を吸収したい方向に合わせて取り付ければよく、例えば基部材10を車両に取り付けた際に、車両の前方側と後方側に一対の衝撃吸収部材20,20が位置するようにしてもよい。
また、一方の衝撃吸収部材のみを取り付ける態様であってもよい。
【0014】
衝撃吸収部材20は、基部材10の水平方向に位置する中空部21と、この中空部21に連結した上方側の縦壁部22、下方側の縦壁部23を有する。
上方側の縦壁部22は、中空部21と斜めに繋ぐように連結した斜めリブ24を有する。
下方側に垂下した縦壁部23は、中空部21と斜めに繋いだ斜めリブ25を有する。
本実施例は、縦壁部22,23の先端部と中空部21の先端側とを斜めリブ24,25で連結した例になっているが、縦壁部,中空部の途中で連結した斜めリブでもよく、斜めリブの繋ぎ方は、斜め方向に配置されていればよい。
さらには、図3(c)に示すように、中空部21の先端側の縦壁部28を設けて、図2とは逆方向に斜めリブ24a,25aを設けた構造であってもよい。
【0015】
中空部21は、外部からの衝撃を向ける受圧部21aと、水平方向の上下一対の水平リブ21b,21cと、基部材10の端面に当接する伝達部21dからなる中空断面形状の梁となっている。
また、中空部21の伝達部21dから上下一対のフランジ部26a,26bを延在させ、基部材10の端部をこのフランジ部26a,26bで挟み込むように、差し込み連結する構造になっている。
【0016】
これにより図2(b)に示すように、受圧部21aに入力された衝撃fは、中空部21を介して基部材10に伝達される。
また、図3(a)に示すように、斜め上方からの衝撃fは、中空部21を下方に曲げる変形力Dを生じさせるが、上側の斜めリブ24に引張り力Sが作用し、下側の斜めリブ25に圧縮力Pが作用するので、中空部21の変形が抑え、衝撃力が基部材に伝達されやすくなる。
これとは逆に、図3(b)に示すように受圧部21aに斜め下方から衝撃が加わると、上側の斜めリブ24に圧縮力Pが作用し、下側の斜めリブ25に引張り力Sが作用されるで、同様に衝撃力が基部材に伝達される。
これは図3(c)に示すように、受圧側に縦壁部28を形成し、斜めリブ24a,25aの連結方向を逆にしても同様の作用が生ずる。
【0017】
上記のような変形作用は図4に示すように、縦壁部22を上方側の片方あるいは下側の片方のみに設けても生ずる。
この場合には上方斜めからの衝撃力fに対しては、斜めリブ24が引張り力Sを受け、下方斜めからの衝撃力fに対しては、圧縮力Pが作用する。
また、図5に示すように、縦壁部22と斜めリブ24との間に水平リブ27を形成しても同様の作用が生ずる。
【0018】
図6は、参考のために斜めリブがない場合の例を示す。
中空部121を有し、縦壁部を122,123の中空部に設定したとしても、斜めリブが無いと中空部121が上方d又は下方dに曲がり変形するだけで、衝撃力が充分に基部材に伝達されない。
【符号の説明】
【0019】
10 基部材
20 衝撃吸収部材
21 中空部
22 縦壁部
24 斜めリブ部
26a フランジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6