【文献】
Int. J. Pharma Bio Sci.,2011年,Vol.2 Iss.2,pp.202-216
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0004】
ARN−509は、アンドロゲン受容体(AR)の強力で特異的な拮抗薬である。ARN−509の作用機序は、ARの核内移行及びアンドロゲン反応要素とのDNA結合の阻害を介した、アンドロゲン受容体シグナル伝達の拮抗作用である。
【0005】
アンドロゲンとアンドロゲン受容体の作用は、多くの疾患又は疾病、例えばその中でもアンドロゲン依存性癌、女性の男性化、及び座瘡に関与している。アンドロゲンとアンドロゲン受容体の作用を抑える及び/又はアンドロゲン受容体の濃度を低下させる化合物は、アンドロゲン受容体が役割を果たす疾患又は病態の治療において有用であることが分かっている。
【0006】
AR関連疾患又は病態としては、限定するものではないが、前立腺肥大症、多毛症、座瘡、前立腺の腺腫及び新生物、アンドロゲン受容体を含む良性又は悪性腫瘍細胞、過剰多毛症、脂漏症、子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群、アンドロゲン性脱毛症、性腺機能低下症、骨粗鬆症、精子形成の抑制、性欲、悪液質、拒食症、加齢に伴うテストステロン量の減少に対するアンドロゲン補充、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、膀胱癌、ホットフラッシュ、ケネディ病、筋委縮及び筋力低下、皮膚萎縮、骨量減少、貧血症、動脈硬化症、心臓血管疾患、エネルギーの減少、健康状態の損失、2型糖尿病、及び腹部脂肪蓄積が挙げられる。前立腺癌の発生及び進行におけるARの中心的な役割を考えれば、ARN−509は、癌、特に前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などの治療に有用である。
【0007】
ARN−509化学構造は次のとおりである。
【0009】
ARN−509、つまり4−[7−(6−シアノ−5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−8−オキソ−6−チオキソ−5,7−ジアザスピロ[3.4]オクタ−5−イル]−2−フルオロ−N−メチルベンズアミドは、現在、非水性の脂質ベースの溶液として臨床開発中であり、該溶液はソフトゲルカプセルに充填され、各カプセルは30mgのARN−509を含有する。研究段階である1日用量は、経口投与による240mg/日(つまり8個のソフトゲルカプセル)である。使用中、ARN−509含有ソフトゲルカプセルの保存寿命はわずか6ヶ月であり、低温流通体系での保存が必要であることが見出されている。
【0010】
本発明の一態様は、医薬製剤、特に固形医薬製剤、より具体的には、ARN−509を経口投与するための固形医薬製剤に関し、かかる処方は、改善された安定性、より長い保存寿命を有する、又は、患者、特に癌患者にとって低減された錠剤による不快な負担を提供する。本発明の医薬製剤は、治療アドヒアランス及び治療効果を向上させる手段を提供する。
【0011】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCASを含む固体分散体である。
【0012】
HPMCAS、つまりヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート又はヒプロメロースアセテートサクシネート(CAS番号71138−97−1)は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの酢酸エステル及びモノコハク酸エステルの混合物である(IUPAC名:セルロース、2−ヒドロキシプロピルメチルエーテル、酢酸塩、水素ブタンジオエート)。置換度/置換率(アセチル含量、コハク酸含量)及び粒径(微粉化及び粒状)に基づいて区別された種々のグレードが入手可能である。本発明の一態様では、ARN−509を有する分散体中のHPMCASは、HPMCAS LG(粒状グレード)又はHPMCAS LF(微粉化グレード)(Shin−Etsu Chemical Co.,Ltd)であり、特にHPMCAS LGである。
【0013】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LGを含む固体分散体である。
【0014】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LFを含む固体分散体である。
【0015】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCASからなる固体分散体である。
【0016】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LGからなる固体分散体である。
【0017】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LFからなる固体分散体である。
【0018】
本発明の固体分散体中のHPMCASの好ましいグレードは、HPMCAS LGであり、これは、HPMCAS LGの取扱特性がより良好で、より安全であることが理由である。
【0019】
本発明の一態様では、上述した固体分散体中のARN−509:HPMCASの重量比は、1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:3又は1:2〜1:3である。本発明の一態様では、ARN−509:HPMCASの重量比は1:2である。本発明の一態様では、ARN−509:HPMCASの重量比は1:3である。本発明の一態様では、ARN−509:HPMCAS LGの重量比は1:2である。本発明の一態様では、ARN−509:HPMCAS LGの重量比は1:3である。本発明の一態様では、ARN−509:HPMCAS LFの重量比は1:2である。本発明の一態様では、ARN−509:HPMCAS LFの重量比は1:3である。
【0020】
本発明の一態様は、上述した固体分散体からなる粒子である。
【0021】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCASを含む固体分散体からなる粒子であって、特に、ARN−509:HPMCASの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0022】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LGを含む固体分散体からなる粒子であって、特に、ARN−509:HPMCAS LGの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0023】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LFを含む固体分散体からなる粒子であって、特に、ARN−509:HPMCAS LFの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0024】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCASからなる固体分散体からなる粒子であって、特に、ARN−509:HPMCASの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0025】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LGからなる固体分散体からなる粒子であって、特に、ARN−509:HPMCAS LGの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0026】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LFからなる固体分散体からなる粒子であって、特に、ARN−509:HPMCAS LFの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0027】
本発明の一態様は、本明細書において上述した固体分散体を含む粒子である。
【0028】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCASを含む固体分散体を含む粒子であって、特に、ARN−509:HPMCASの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0029】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LGを含む固体分散体を含む粒子であって、特に、ARN−509:HPMCAS LGの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0030】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LFを含む固体分散体を含む粒子であって、特に、ARN−509:HPMCAS LFの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0031】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCASからなる固体分散体を含む粒子であって、特に、ARN−509:HPMCASの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0032】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LGからなる固体分散体を含む粒子であって、特に、ARN−509:HPMCAS LGの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0033】
本発明の一態様は、ARN−509及びHPMCAS LFからなる固体分散体を含む粒子であって、特に、ARN−509:HPMCAS LFの重量比が1:2又は1:3である、粒子である。
【0034】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509及びHPMCASを含む混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509及びHPMCASからなる混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:HPMCASの重量比は1:2又は1:3である。
【0035】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509及びHPMCAS LGを含む混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509及びHPMCAS LGからなる混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:HPMCAS LGの重量は1:2又は1:3である。
【0036】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509及びHPMCAS LFを含む混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、ARN−509及びHPMCAS LFからなる混合物を溶融押出し、続いて、該溶融押出混合物を摩砕することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:HPMCAS LFの重量比は1:2又は1:3である。
【0037】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509及びHPMCASを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509及びHPMCASからなる混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:HPMCASの重量比は1:2又は1:3である。
【0038】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509及びHPMCAS LGを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509及びHPMCAS LGからなる混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:HPMCAS LGの重量比は1:2又は1:3である。
【0039】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509及びHPMCAS LFを含む混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、本明細書に記載される粒子は、適切な溶媒中のARN−509及びHPMCAS LFからなる混合物を噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、ARN−509:HPMCAS LFの重量比は1:2又は1:3である。
【0040】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、本明細書に記載される固体分散体と、を含む医薬製剤である。
【0041】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、本明細書に記載される粒子と、を含む医薬製剤である。
【0042】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCASを含む固体分散体と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCASからなる固体分散体と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:HPMCASの重量は1:2又は1:3である。
【0043】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LGを含む固体分散体と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LGからなる固体分散体と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:HPMCAS LGの重量比は1:2又は1:3である。
【0044】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LFを含む固体分散体と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LFからなる固体分散体と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:HPMCAS LFの重量比は1:2又は1:3である。
【0045】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCASを含む固体分散体を含む粒子と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCASからなる固体分散体を含む粒子と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:HPMCASの重量比は1:2又は1:3である。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように溶融押出することによって入手可能であり、特に得られる。
【0046】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCASを含む固体分散体からなる粒子と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCASからなる固体分散体からなる粒子と、を含む医薬製剤である。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように溶融押出することによって入手可能であり、特に得られる。
【0047】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LGを含む固体分散体を含む粒子と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LGからなる固体分散体を含む粒子と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:HPMCAS LGの重量比は1:2又は1:3である。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように溶融押出することによって入手可能であり、特に得られる。
【0048】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LFを含む固体分散体を含む粒子と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LFからなる固体分散体を含む粒子と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:HPMCAS LFの重量比は1:2又は1:3である。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように溶融押出することによって入手可能であり、特に得られる。
【0049】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LGを含む固体分散体からなる粒子と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LGからなる固体分散体からなる粒子と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:HPMCAS LGの重量比は1:2又は1:3である。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように溶融押出することによって入手可能であり、特に得られる。
【0050】
本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LFを含む固体分散体からなる粒子と、を含む医薬製剤である。本発明の一態様は、製薬的に許容される担体と、ARN−509及びHPMCAS LFからなる固体分散体からなる粒子と、を含む医薬製剤である。一態様では、ARN−509:HPMCAS LFの重量比は1:2又は1:3である。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように噴霧乾燥することによって入手可能であり、特に得られる。一態様では、粒子は、本明細書において記載されるように溶融押出することによって入手可能であり、特に得られる。
【0051】
本発明の一態様は、界面活性剤が存在しない、本明細書において記載される固体分散体である。
【0052】
本発明の一態様は、界面活性剤が存在しない、本明細書において記載される粒子である。
【0053】
本発明の一態様は、界面活性剤が存在しない、本明細書において記載される医薬製剤である。
【0054】
本発明の一態様は、ARN−509が唯一の医薬品有効成分である、本明細書において記載される固体分散体である。
【0055】
本発明の一態様は、ARN−509が唯一の医薬品有効成分である、本明細書において記載される粒子である。
【0056】
本発明の一態様は、ARN−509が唯一の医薬品有効成分である、本明細書において記載される医薬製剤である。
【0057】
本明細書において記載される固体分散体又は粒子又は医薬製剤では、ARN−509は、塩基形態で、又は製薬的に許容される付加塩として、特に、製薬的に許容される酸付加塩として存在する。好ましくは、ARN−509は塩基形態で存在する。
【0058】
製薬的に許容される付加塩は、治療的に有効な無毒の塩形態を含んでいることを意味する。酸付加塩形態は、ARN−509の塩基形態を、適当な酸、例えば、無機酸、例えば、限定するものではないが、ハロゲン化水素酸(例えば塩酸、臭化水素酸等の酸);硫酸;硝酸;リン酸;メタリン酸等の酸;あるいは有機酸、例えば、限定するものではないが、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリメチル酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシ−プロパン酸、2−オキソプロパン酸、グリコール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリ−カルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、安息香酸、桂皮酸、ヒドロ桂皮酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、2−ナフタリンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ステアリン酸、ムコン酸、酪酸、フェニル酢酸、フェニル酪酸、バルプロ酸等の酸などで処理することにより得ることができる。
【0059】
逆に、上記塩基形態は、適切な塩基で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。
【0060】
更に、ARN−509及びその塩が形成することができる水和物、溶媒付加形態、及びその混合物が含まれる。そのような形態の例は、例えば水和物、アルコラート等(例えばエタノラート)である。
【0061】
一般に、成人ヒト治療のために用いられる投薬量は、典型的には、1日あたり0.01mg〜5000mgの範囲である。一態様では、成人ヒト治療のために用いられる投薬量は、1日あたり約1mg〜約1000mgである。別の態様では、成人ヒト治療のために用いられる投薬量は、1日あたり約100mg〜約500mgである。別の態様では、成人ヒト治療のために用いられる投薬量は、1日あたり240mgである。ARN−509の正確な投薬量及び投与回数は、当業者には分かるように、治療する特定の症状、治療する症状の重篤度、特定の患者の年齢、体重、及び全身的な身体状態、並びに個人が服用している可能性がある他の薬剤に依存し得る。更に、上記した1日量は、治療された被験者の反応に応じて及び/又はARN−509を処方した医師の評価に応じて増減させることができることは明らかである。したがって、本明細書で言及する投薬量はガイドラインに過ぎず、決して本発明の範囲又は使用を制限するものではない。本発明の一態様では、1日用量は、単一投与量で、又は同時に(又は短期間に)投与される分割投与量で、あるいは適切な間隔で、例えば、1日あたり2回、3回、4回、又はそれ以上のサブ投与量で、提供するのが好都合である。本発明の一態様では、1日用量は、4回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、同時に(又は短期間に)投与される4回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、3回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、同時に(又は短期間に)投与される3回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、2回の分割投与量で投与される。本発明の一態様では、1日用量は、同時に(又は短期間に)投与される2回の分割投与量で投与される。
【0062】
本発明の一態様では、医薬製剤は、240mgのARN−509を含む。
【0063】
本発明の一態様では、医薬製剤は、120mgのARN−509を含む。
【0064】
本発明の一態様では、医薬製剤は、60mgのARN−509を含む。
【0065】
本発明の一態様では、医薬製剤は、240mgのARN−509を含む。医薬製剤は1日1回投与される。
【0066】
本発明の一態様では、医薬製剤は、120mgのARN−509を含む。上記製剤のうちの2つは、毎日、好ましくは同時に(又は短期間に)投与される。
【0067】
本発明の一態様では、医薬製剤は、60mgのARN−509を含む。上記製剤のうちの4つは、毎日、好ましくは同時に(又は短期間に)投与される。
【0068】
本発明の製剤はまた、別の抗癌剤、具体的には別の抗前立腺癌剤、より具体的には、17α−ヒドロキシラーゼ/C17,20−リアーゼ(CYP17)を阻害するアンドロゲン生合成阻害薬、特に酢酸アビラテロンと併用することができる。本発明の製剤は更に、プレドニゾンと組み合わされてもよい。
【0069】
よって、本発明はまた、本発明による医薬製剤と、別の抗癌剤、具体的には別の抗前立腺癌剤、より具体的には、17α−ヒドロキシラーゼ/C17,20−リアーゼ(CYP17)を阻害するアンドロゲン生合成阻害薬、特に酢酸アビラテロンとの組み合わせに関する。
【0070】
上記組み合わせは、プレドニゾンを更に含むことができる。
【0071】
「固体分散体」という用語は、少なくとも2つの成分を含み、1つの成分が単数又は複数の他の成分全体にいくぶん均等に分散されている固体状態(液体又は気体状態の対語として)にある系を意味する。成分の該分散体が、系が全体にわたって化学的に及び物理的に均一又は均質であるようなものであるか、あるいは熱力学において定義される1相からなるような場合、そのような固体分散体は本明細書において「固溶体」と呼ばれる。固溶体は好ましい物理的系であり、それは通常その中の成分がそれらが投与される生物にとって容易に生物学的利用可能であるからである。この利点はおそらく、該固溶体が胃液などの液体媒体と接触するときに液体溶液を形成することができる容易さにより説明することができる。溶解の容易さは、少なくとも一部は、固溶体からの成分の溶解に必要なエネルギーが結晶性又は微結晶性固体相からの成分の溶解に必要なエネルギーより小さいという事実に帰することができる。
【0072】
「固体分散体」という用語は、全体にわたって固溶体より均質性が低い分散体も含む。そのような分散体は全体にわたっては化学的及び物理的に均一でないか又は1つより多い相を含む。例えば、「固体分散体」という用語は、少なくとも1つの成分(a)及び(b)を含み、かつ、非晶質、微結晶性、若しくは結晶性の(a)、又は非晶質、微結晶性、若しくは結晶性の(b)、又は両方が、(b)又は(a)を含む他の相、あるいは(a)及び(b)を含む固溶体中にいくぶん均等に分散されているドメイン又は小領域を有する、固体状の系にも関する。該ドメインは、何らかの物理的特徴によって明確に特色付けられ、全体としての系のサイズと比較してサイズが小さく、かつ系全体に均等に及び無作為に分布している領域である。
【0073】
ARN−509が非結晶相内にある固体分散体又は粒子が好ましく、その理由は、そのような固体分散体又は粒子は、ARN−509の一部又は全部が微結晶又は結晶形態にあるものより本質的に速い溶解速度を有するからである。
【0074】
あるいは、固体分散体は、非晶質若しくは微結晶のARN−509、又は非晶質又は微結晶のHPMCASが、ARN−509及びHPMCASを含む固溶体中にいくぶん均等に分散されている分散体の形態であってもよい。
【0075】
本発明の一態様において、ARN−509は、本明細書に記載される固体分散体中に非晶質形態で存在する。
【0076】
本発明の一態様において、本明細書に記載される固体分散体は固溶体である。
【0077】
固体分散体の調製するための様々な方法が存在し、該方法としては、例えば、溶融押出(例えば高温溶融押出)、噴霧乾燥、及び溶液蒸発、特に高温溶融押出及び噴霧乾燥が挙げられ、噴霧乾燥が好ましい。
【0078】
本発明による粒子は、最初に成分の固体分散体を調製し、次いで、任意追加的に、その分散体を粉砕又は摩砕することにより製造することができる。
【0079】
溶融押出プロセスは:
a)ARN−509及びHPMCASを混合する工程と、
b)任意選択的に、こうして得られた混合物と添加剤とをブレンドする工程と、
c)こうして得られたブレンド物を均一な溶融物が得られるまで加熱する工程と、
d)こうして得られた溶融物を1つ又は複数のノズルを介して押し出す工程と、
e)溶融物をそれが固化するまで冷却する工程と、を含む。
【0080】
「溶融物」及び「溶融」という用語は、固体状態から液体状態への変化を意味するだけではなく、ガラス状の状態又はゴム状の状態への遷移も指すことができ、その場合に混合物の1つの成分が他の成分中にいくぶん均質に埋め込まれるようになることができる。特定の場合には、1つの成分が溶融物であり、他の成分が溶融物中に溶解して溶液を形成し、該溶液は、冷却されると、有利な溶解性を有する固溶体を形成することができる。
【0081】
溶融押し出しの重要なパラメータの1つは、溶融押出作業時の温度である。本発明の溶融押出プロセスでは、作業温度は、好ましくは約160℃〜約190℃の範囲、より好ましくは約160℃〜175℃の範囲である。下限温度は、ARN−509が所与の一連の押出条件での押出中に依然として溶融状態である点によって規定される。ARN−509が完全に溶融されていない場合、押出物は望ましいバイオアベイラビリティを提供することができない。混合物の粘度が高すぎる場合、溶融押出プロセスが困難になる。高温では、成分は許容され得ない程度まで分解する場合がある。当業者は、最も適切な温度範囲を用いるべきであることを認識するであろう。
【0082】
成分は、加熱要素とあまりにも長く接触したままだと分解し始める場合があるので、押出速度も重要である。
【0083】
当業者は、上記の所与の範囲内で溶融押出プロセスのパラメータを最適化することができることが分かるであろう。作業温度は用いられる押出機の種類又は押出機内の形状の種類によっても決定される。押出機における成分の溶融、混合、及び溶解に必要なエネルギーのほとんどは、加熱要素によって与えることができる。しかしながら、押出機内の材料の摩擦も実質的量のエネルギーを混合物に与え、成分の均一な溶融物の形成を助けることができる。
【0084】
当業者は、本発明の主題の調製に最も適した押出機(例えば、1軸押出機、2軸押出機、又は多軸押出機など)を認識するであろう。
【0085】
また、適切な溶媒中の成分の混合物を噴霧乾燥することにより、該成分の固体分散体、又は該成分の固体分散体を含む若しくは該成分の固体分散体からなる粒子が得られるので、噴霧乾燥は、特に、HPMCASが押出条件に耐えるのに十分な安定性を有していない場合に、及び残留溶媒を固体分散体から有効に除去することができる場合に、溶融押出プロセスの有用な代替方法であり得る。更に別の考えられる調製法は、適切な溶媒中で成分の混合物を調製すること、該混合物を広い表面上に注いで薄膜を形成すること、及び該薄膜から溶媒を蒸発させることからなる。
【0086】
噴霧乾燥に適した溶媒は、ARN−509及びHPMCAS、特にHPMCAS LG又はHPMCAS LFが混和可能な任意の有機溶媒であり得る。本発明の一態様では、溶媒の沸点は、固体分散体のTg(ガラス転移温度)よりも低い。更に、溶媒は、比較的毒性が低く、International Committee on Harmonization(ICH)のガイドラインによって許容されるレベルまで分散体から除去されるべきである。このレベルまでの溶媒の除去は、噴霧乾燥プロセスに続く、例えばトレイ乾燥などの後乾燥工程を必要とし得る。溶媒としては、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、及びブタノール、特にメタノール;ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン;エステル、例えば、酢酸エチルおよび酢酸プロピル;並びに様々な他の溶媒、例えば、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、および1,1,1−トリクロロエタンが挙げられる。より低い揮発性の溶媒、例えば、ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシドも使用することができる。本発明の一態様では、噴霧乾燥に適した溶媒は、溶媒の混合物である。本発明の一態様において、噴霧乾燥するための溶媒は、アルコールとジクロロメタンの混合物、特に、メタノールとジクロロメタンの混合物であり、より具体的には、メタノールとジクロロメタンの6:4(w:w)又は5:5(w/w)混合物であり、6:4(w:w)の混合物が好ましい。
【0087】
本明細書に記載される粒子は、約1500μm、約1000μm、約500μm、約400μm、約250μm、約200μm、約150μm、約125μm、約100μm、約70μm、約65μm、約60μm、約55μm、約50μm、約45μm、約40μm、約3μm、約30μm、約25μm、又は約20μmのd
50を有する。噴霧乾燥によって得られる粒子は、好ましくは、約20μm〜約100μmの範囲のd
50値、特に約20μm〜約70μmの範囲のd
50値、より具体的には、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、又は約70μmの範囲のd
50値を有する。
【0088】
本明細書において用いる場合、d
50という用語は、当業者に既知の従来の意味を有し、当該技術分野において既知の粒径測定技術、例えば、沈降フィールドフロー分別、光子相関分光法、レーザ回折、又は分離板型遠心沈降によって測定することができる。本明細書で言及するd
50は、粒子の体積分布に関連付けられてもよい。その場合、「50μmのd
50」とは、粒子の体積の少なくとも50%が50μm未満の粒径を有することを意味する。言及した他の粒径についても同様に当てはまる。同じような方法で、d
50粒径は、粒子の重量分布に関連付けられてもよい。その場合、「50μmのd
50」とは、粒子の重量の少なくとも50%が50μm未満の粒径を有することを意味する。言及した他の粒径についても同様に当てはまる。通常、体積及び重量分布は、平均粒径に関して同一又はほぼ同一の値をもたらす。
【0089】
粒径は、錠剤形成速度、特に、大規模な特定の剤形又は製剤の流動性、したがって製造可能性、及び最終生成物の品質を決定する重要な因子であり得る。例えば、カプセルでは、粒径は、好ましくは、約100〜約1500μm(d
50)の範囲であってもよく、錠剤では、粒径は、好ましくは250μm未満、より好ましくは100μm(d
50)未満である。粒子が小さすぎると(<10〜20μm)、打錠機に粘着してしまい、製造可能性の問題が生じる場合が多い。
【0090】
本明細書に記載される粒子又は固体分散体は、1種又は複数種の製薬的に許容される賦形剤、例えば、可塑剤、着香料、着色剤、防腐剤などを更に含むことができる。特に高温溶融押出によって調製する場合には、該賦形剤は熱感受性であってはならず、言い換えると、それらは溶融押出機の作業温度で認識され得る崩壊又は分解を示してはならない。
【0091】
好適な可塑剤は製薬学的に許容されるものであり、低分子量ポリアルコール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコール;ポリエチレングリコール類、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール;1,000g/mol未満の分子量を有する他のポリエチレングリコール類;200g/mol未満の分子量を有する他のポリプロピレングリコール類;グリコールエーテル類、例えばモノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル;プロピレングリコールモノエチルエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル;エステル型可塑剤、例えばクエン酸トリエチル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、グリコール酸アリル;並びにアミン類、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン;トリエチレンテトラミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、低分子量ポリエチレングリコール類、エチレングリコール、低分子量ポリプロピレングリコール類、及び特にプロピレングリコールが好ましい。
【0092】
本発明の一態様では、本明細書に記載される粒子又は固体分散体は可塑剤を含有しない。
【0093】
本発明の固体分散体又は粒子は、治療的に有効な量のARN−509を含む医薬製剤に調製されることができる。まず第1に、錠剤及びカプセルなどの経口的投与のための医薬製剤が意図されているが、本発明の固体分散体又は粒子を、例えば直腸投与のための医薬製剤の製造に用いることもできる。好ましい製剤は、錠剤として成形される経口的投与に適合させられた製剤である。それらは通常の成分又は賦形剤(製薬的に許容される担体)を用い、通常の錠剤形成機を用いて、通常の錠剤形成法により製造することができる。そのような製剤の哺乳類による嚥下を容易にするために、製剤、特に錠剤に、適切な形状を付与するのが有利である。錠剤上のフィルムコートは、錠剤を嚥下できる容易さに更に寄与する。
【0094】
本発明の製剤、特に錠剤は、1種又は複数種の従来の賦形剤(製薬的に許容される担体)、例えば、崩壊剤、希釈剤、充填剤、結合剤、緩衝剤、潤滑剤、滑剤、増粘剤、甘味剤、着香料、及び着色剤などを含むことができる。いくつかの賦形剤は複数の目的に役立つことができる。好ましくは、本発明の製剤は、崩壊剤、希釈剤又は充填剤、潤滑剤、及び滑剤を含む。
【0095】
好適な崩壊剤は大きい膨張率を有するものである。その例は親水性で水に不溶性又は水溶性度が低い架橋ポリマー、例えばクロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)及びクロスカルメロースナトリウム(架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)である。本発明による錠剤中の崩壊剤の量は、便宜上、約3〜約15%(w/w)の範囲、好ましくは約3〜7%の範囲であってよく、特に約5%(w/w)である。崩壊剤は本来、大量に用いられると徐放製剤をもたらすので、崩壊剤を希釈剤又は充填剤と呼ばれる不活性物質で希釈するのが有利である。
【0096】
多様な材料を希釈剤又は充填剤として用いることができる。例は、ラクトース一水和物、無水ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、でんぷん、セルロース(例えば微結晶セルロース(Avicel(商標))、ケイ化微結晶セルロース)、二水和若しくは無水二塩基性リン酸カルシウム、及び当該技術分野において既知の他のもの、並びに及びそれらの混合物(例えば、Microcelac(商標)として商業的に入手可能なラクトース一水和物(75%)と微結晶セルロース(25%)の噴霧乾燥混合物)である。微結晶セルロース及びケイ化微結晶セルロースが好ましい。錠剤中の希釈剤又は充填剤の量は、便宜上、約20%〜約70%(w/w)の範囲であることができ、好ましくは約55%〜約60%(w/w)の範囲である。
【0097】
潤滑剤及び滑剤は、ある種の剤形の製造において用いることができ、通常は錠剤を製造する場合に用いられる。潤滑剤及び滑剤の例は、水素化植物油、例えば水素化綿実油、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、コロイドシリカ、コロイド無水シリカ、タルク、それらの混合物、及び当該技術において既知の他のものである。興味深い滑沢剤はステアリン酸マグネシウム、及びステアリン酸マグネシウムとコロイドシリカの混合物である。好ましい潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。好ましい滑剤はコロイド無水シリカである。
【0098】
滑剤は、概して、合計錠剤重量の0.2〜7.0%、具体的には0.5〜1.5%、より具体的には1〜1.5%(w/w)を構成する。
【0099】
潤滑剤は、概して、合計錠剤重量の0.2〜7.0%、具体的には0.2〜1%、より具体的には0.5〜1%(w/w)を構成する。
【0100】
着色剤及び顔料などの他の賦形剤も本発明の製剤に加えることができる。着色剤及び顔料は、二酸化チタン及び食物に適した染料を含む。着色剤は本発明の製剤における任意成分であるが、用いられる場合、着色剤は合計錠剤重量に基づいて最高3.5%の量で存在することができる。
【0101】
着香料は製剤において任意であり、合成香味油及び風味付け用芳香性物質又は天然油、植物の葉、花、果実などからの抽出物、並びにそれらの組み合わせから選択することができる。これらは桂皮油、冬緑油、ペパーミント油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油を含むことができる。着香料としてやはり有用なのは、バニラ、柑橘油、例えばレモン、オレンジ、グレープ、ライム、及びグレープフルーツなど、フルーツエッセンス、例えばリンゴ、バナナ、ナシ、もも、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコットなどである。着香料の量は、所望の感覚刺激効果を含むいくつかの因子に依存し得る。一般に、着香料は、約0%〜約3%(w/w)の量で存在する。
【0102】
当該技術分野において既知のとおり、錠剤ブレンド物を錠剤形成の前に乾式−粒状化又は湿式粒状化することができる。他の点では錠剤形成プロセス自体は標準的であり、通常の錠剤プレスを用いて、成分の所望のブレンド物又は混合物から適した形状に錠剤を成形することにより容易に実行される。
【0103】
本発明の錠剤は、味を改良するため、嚥下の容易さ及び優美な外観を与えるために、更にフィルムコーティングされてもよい。多くの好適なポリマー系フィルムコーティング材料が当該技術分野において既知である。好ましいフィルムコーティング材料は、Opadry II 85F210036 Greenである。ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、特にHPMC 2910 5mPa.s、及びアクリレート−メタクリレートコポリマーなどの他の好適なフィルム形成ポリマーも、本明細書において用いることができる。フィルム形成ポリマーの他に、フィルムコートは、可塑剤(例えばプロピレングリコール)及び、任意追加的に、顔料(例えば二酸化チタン)を更に含むことができる。フィルムコーティング懸濁液は、接着防止剤としてタルクも含有することができる。本発明による錠剤では、フィルムコートは、重量で、合計錠剤重量の約3%(w/w)以下の割合であるのが好ましい。
【0104】
好ましい製剤は、本明細書に記載される粒子又は固体分散体の重量が、製剤の総重量の20〜40%、特に30〜40%である製剤である。
【0105】
本発明は更に、ARN−509及びHPMCASをブレンドすることと、該ブレンド物を約160℃〜約190℃の温度で押出加工することと、を含む、本明細書に記載される固体分散体の調製プロセスに関する。
【0106】
本発明は更に、ARN−509及びHPMCASをブレンドすることと、該ブレンド物を約160℃〜約190℃の温度で押出加工することと、押出物を粉砕することと、任意選択的に、粒子を篩別することと、を含む、本明細書に記載される粒子の調製プロセスに関する。
【0107】
使用可能な好適な押出機は、Haake小型押出機、Leistritz 18mm押出機、及びLeistritz 27mm押出機である。
【0108】
本発明は更に、適切な溶媒中でARN−509及びHPMCASを混合することと、該混合物を噴霧乾燥させることと、を含む、本明細書に記載される粒子又は固体分散体の調製プロセスに関する。一態様では、適切な溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物である。一態様では、適切な溶媒は、混合物中のジクロロメタンとメタノールとの重量比が4:6又は5:5であり、4:6が好ましい、ジクロロメタンとメタノールの混合物である。
【0109】
本明細書に記載される固体分散体又は粒子を調製するためのARN−509の好ましい結晶形態は、無水結晶形態である形態Bである(下文を参照のこと、また、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/184681号も参照のこと)。
【0110】
本発明の別の目的は、特に錠剤又はカプセルの形態の、本明細書に記載される医薬製剤の調製プロセスであって、治療的に有効な量の本明細書に記載される固体分散体又は粒子を、製薬的に許容される担体とブレンドすること、及び該ブレンド物を錠剤に圧縮すること又は該ブレンド物をカプセルに充填することを特徴とする、調製プロセス、を提供することである。
【0111】
更に、本発明は、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などに罹患した哺乳類、特にヒトに投与、特に経口投与するための医薬製剤を調製する際に使用するための、本明細書に記載される固体分散体又は粒子に関する。
【0112】
更に、本発明は、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などに罹患した哺乳類、特にヒトに投与、特に経口投与するための医薬製剤を調製するための、本明細書に記載される固体分散体又は粒子の使用に関する。
【0113】
本発明はまた、哺乳類、特にヒトにおける、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などの治療方法に関し、該治療方法は、有効抗癌量の本明細書に記載される医薬製剤を、哺乳類、特にヒトに、特に経口的に投与することを含む。
【0114】
本発明は、更に、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などを治療するための薬剤の製造のための、本明細書中で特定される医薬製剤の使用に関する。又は、代替的に、本発明は、アンドロゲン受容体(AR)関連疾患又は病態、具体的には癌、より具体的には前立腺癌、例えば、限定するものではないが、去勢抵抗性前立腺癌、転移性去勢抵抗性前立腺癌、化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌、生化学的に再発したホルモン感受性陽性前立腺癌、又は高リスク非転移性去勢抵抗性前立腺癌などの治療で用いるための、本明細書中で特定される医薬製剤に関する。
【0115】
本発明はまた、容器と、本明細書に記載される医薬製剤と、パッケージに付随する指示書とを含む、商業的販売に適した製薬学的パッケージに関する。
【0116】
本明細書において数値に関連して使用される「約」という用語は、数値との関連において通常の意味を有することを意味する。必要に応じて、「約」という単語は、数値±10%、又は±5%、又は±2%、又は±1%で置き換えられてもよい。
【0117】
本明細書で引用される全ての文献は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。
【0118】
以下の実施例は、本発明を例示するものである。
【実施例】
【0119】
実施例1:ARN−509の形態
異なる(結晶)形態のARN−509を調製するために、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/184681号を参照する。異なる(結晶又は非晶質)形態のARN−509を使用して、本発明による固体分散体、粒子、又は製剤を調製することができる。
【0120】
本発明による固体分散体、粒子、又は製剤の調製に用いるためのARN−509の好ましい形態は、ARN−509の形態Bであり、形態Bは無水結晶である。形態Bを、ARN−509の形態A(回折データを含む国際公開第2013/184681号を参照する)をUSP水に懸濁させ、スラリーを55±5℃まで加熱し、この温度で少なくとも24時間保持した後、スラリーを25±5℃まで冷却することによって調製した。得られたスラリーを濾過し、湿ケーキをUSP水で1回洗浄した。湿ケーキをフィルタから取り出し、真空下で乾燥させて、ARN−509の形態Bを得た。以下の実施例2の参照も行う。
【0121】
形態Aの溶解度:水に対して0.01mg/mL。
【0122】
形態Bの溶解度:水に対して0.004mg/mL。
【0123】
(実施例2)
ARN−509の形態Bの特性評価
粉末XRD
PANalytical(Philips)X’PertPRO MPD回折計上でX線粉末回折(XRPD)分析を行なった。機器にはCu LFF X線管が備えられている。
【0124】
化合物をゼロバックグラウンド試料ホルダー上に広げた。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
ARN−509の形態BのX線粉末回折パターンは、ハローのない回折ピークを示し、この化合物が結晶性生成物として存在することを示している。ARN−509の形態BのXRDパターンを
図1に示す。
【0129】
赤外分光測定(マイクロATR−IR)
好適なマイクロATRアクセサリを使用して試料を分析した。
【0130】
【表4】
【0131】
ARN−509の形態Bのスペクトルを
図2に示す。
【0132】
示差走査熱量測定(DSC)
化合物を、標準的なアルミニウムのTA−Instrumentの試料皿中に移した。試料皿を適した覆いで密閉し、RCS冷却装置が備えられたTA−Instruments Q1000 MTDSC上でDSC曲線を記録した。以下のパラメータを用いた:
【0133】
【表5】
【0134】
ARN−509の形態BのDSC曲線は、生成物の溶融は194.9℃で起こり、融解熱は73J/gであったことを示している。これについては、
図3を参照されたい。
【0135】
実施例3.1:ARN−509:HPMCAS LG 1:3の固体分散体の調製:
【0136】
【表6】
a加工中に除去
【0137】
ジクロロメタン及びメタノールを適切な容器に移し、攪拌を開始した。攪拌を継続しながら、ARN−509の形態Bをこの溶媒混合物に加え、溶解するまで攪拌した。HPMCASを溶液に加え、一晩攪拌した。帯黄色の粘稠な混濁混合物を得た。格子状のフィルタで混合物をインライン濾過した。混合物を、好適な噴霧乾燥機(例えば、Niro A/S PSD3)を使用して、次のパラメータで噴霧乾燥させた:供給流速75kg/時間、出口温度46℃、凝縮器温度−9℃。
【0138】
噴霧乾燥物(SDP)を、好適な乾燥機、例えば箱形乾燥機の中で、真空、窒素流、及び乾燥温度40℃を用いて乾燥させた。
【0139】
実施例3.2:ARN−509:HPMCAS 1:3の固体分散体を含む錠剤の調製
【0140】
【表7】
a植物グレード
30,000錠当たり
【0141】
SDPを篩別し、好適なブレンダーを用いてコロイド無水シリカの一部(10/13)と混合して均質なブレンドを得た。クロスカルメロースナトリウムの一部(1/2)及び微結晶セルロース(全部)を篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して混合した。好適な圧縮技術(例えばローラー圧縮)を用いて乾燥粒状物を形成した。ケイ化微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウムの残り(1/2)、及びコロイド無水シリカ(3/13)を篩別し、乾燥粒状物に加え、好適なブレンダーを使用して混合した。ステアリン酸マグネシウムを篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して混合した。
【0142】
好適な錠剤プレスを使用してブレンド物を圧縮し、(60mgのARN−509を含有する)錠剤を得た。
【0143】
実施例3.3:コーティング錠剤の調製
【0144】
【表8】
a加工中に除去
857錠剤のバッチ当たり
【0145】
精製水を好適な容器に移した。コーティング粉体を加え、好適な混合機で混合した。好適なコータを使用して内核錠をコーティング懸濁液でフィルムコートした。
【0146】
実施例4.1:ARN−509:HPMCAS LF 1:2の固体分散体の調製
【0147】
【表9】
a加工中に除去
【0148】
(報告した量はSDP(噴霧乾燥物)1g当たりである。)
【0149】
アセトンを好適な容器に移し、HPMCAS及びARN−509の形態Bを加えた。好適な混合機を使用して各成分を混合した後、混合物を、好適な噴霧乾燥機(例えば、Buchi mini噴霧乾燥機)を使用して、次のパラメータで噴霧乾燥させた:噴霧速度6.2〜6.7グラム/分、出口温度46℃〜49℃、凝縮器温度−18℃〜−21℃。
【0150】
噴霧乾燥物(SDP)を好適な乾燥機、例えば箱形乾燥機の中で、真空、窒素流、及び乾燥温度40℃を用いて乾燥させた。
【0151】
実施例4.2:ARN−509:HPMCAS 1:2の固体分散体を含む錠剤の調製
【0152】
【表10】
(錠剤1つ当たりの量)
【0153】
SDP、ケイ化微結晶セルロースの一部(7110/9448)、コロイド無水シリカの一部(10/13)、及びクロスカルメロースナトリウムの一部(1/2)を篩別し、好適なブレンダーを使用して混合して均質なブレンド物を得た。好適な圧縮技術を用いて乾燥粒状物を形成した。ケイ化微結晶セルロースの残り(2338/9448)、コロイド無水シリカ(3/13)、及びクロスカルメロースナトリウム(1/2)を篩別し、乾燥粒状物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。ステアリン酸マグネシウムを篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。好適な錠剤プレスを使用してブレンド物を錠剤に圧縮した。
【0154】
実施例5.1:高温溶融押出(HME)によるARN−509:HPMCAS LF 1:3の固体分散体の調製
【0155】
【表11】
(報告した量はHME品1g当たりである。)
【0156】
HPMCAS及びARN−509の形態Bを、好適な容器の中で好適なブレンダーを使用してブレンドした。高温溶融押出は、Haake押出機で、フラッシュモード(flush mode)、最大温度180℃、スクリュー速度50rpmで行われた。高温溶融押出物を取集し、好適なミルで摩砕した。摩砕された高温溶融押出物を、好適な篩(250μm)を使用して篩別した。
【0157】
実施例5.2:ARN−509:HPMCAS LF 1:3の固体分散体を含む錠剤の調製(HME)
【0158】
【表12】
(錠剤1つ当たりの量)
【0159】
【表13】
(錠剤1つ当たりの量)
【0160】
ケイ化微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、及びコロイド無水シリカを篩別し、好適なブレンダーを使用して高温溶融押出物と混合し、均質なブレンド物を得た。ステアリン酸マグネシウムを篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。偏心打錠プレスを使用してブレンド物を錠剤に圧縮した。
【0161】
実施例6.1:ARN−509:HPMCAS LF 1:3の固体分散体の調製(SDP)
【0162】
【表14】
a加工中に除去
(報告した量はSDP(噴霧乾燥物)1g当たりである。)
【0163】
アセトンを好適な容器に移し、HPMCAS LF及びARN−509の形態Bを加えた。好適な混合機を使用して各成分を混合した後、混合物を、好適な噴霧乾燥機(例えば、Buchi mini噴霧乾燥機)を使用して、次のパラメータで噴霧乾燥させた:噴霧速度5.9〜6.6グラム/分、出口温度46℃〜49℃、凝縮器温度−15℃〜−21℃。
【0164】
噴霧乾燥物(SDP)を好適な乾燥機、例えば箱形乾燥機の中で、真空、窒素流、及び乾燥温度40℃を用いて乾燥させた。
【0165】
実施例6.2:ARN−509:HPMCAS 1:3の固体分散体を含む錠剤の調製
【0166】
【表15】
(錠剤1つ当たりの量)
【0167】
【表16】
(錠剤1つ当たりの量)
【0168】
SDP、ケイ化微結晶セルロースの一部(2955/4124)、コロイド無水シリカの一部(10/13)、及びクロスカルメロースナトリウムの一部(1/2)を篩別し、好適なブレンダーを使用して混合して均質なブレンド物を得た。好適な圧縮技術を用いて乾燥粒状物を形成した。ケイ化微結晶セルロースの残り(1169/4124)、コロイド無水シリカ(3/13)、及びクロスカルメロースナトリウム(1/2)を篩別し、乾燥粒状物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。ステアリン酸マグネシウムを篩別し、ブレンド物に加え、好適なブレンダーを使用して更に混合した。偏心打錠プレスを使用してブレンド物を錠剤に圧縮した。
【0169】
バイオアベイラビリティ試験
試験システム
種:マーシャルビーグル犬
供給元:マーシャルファーム、イタリア/USA
性別及び年齢:雄(n=12)、約1〜7歳
体重:実験段階の開始時に8〜13kg
【0170】
食事及び給水:
常に水へのアクセスを提供する
投薬:投薬後±2時間まで、投薬前に約21時間にわたって断食。その後、イヌは、午後遅くまで食べ物に自由にアクセスした。
【0171】
試験化合物及び製剤
製剤1:ARN−509−HPMC AS−LF比1/3のSDPを含有する60mgの錠剤
製剤2:ARN−509−HPMC AS−LF比1/3のHMEを含有する60mgの錠剤
製剤3:各カプセルが30mgのARN−509を含有しているソフトゲルカプセルに充填した非水性の脂質ベースの溶液
【0172】
血液試料採取及び血漿製剤
血液サンプル(EDTA上に2mL)を頸静脈から採取した。採取から1時間以内に、血液サンプルを遠心分離機にかけ、遠心分離の開始後2時間以内に、血漿を冷凍庫の中で保存した。
【0173】
【表17】
【0174】
バイオアナリシス
全試験サンプルを、修正されたLC−MS/MS法を用いて分析した。全サンプルには、HPLC−MS/MSを行う前に選択的サンプルクリーンアップ(selective sample cleanup)が施された。
【0175】
非キラルな逆相液体クロマトグラフィーを用いてHPLC分離を行った。後続のMS/MS分析は、三連四重極質量分析法を用いて多重反応モニタリング(MRM)モードで化合物用に最適化して行った。試験サンプルの濃度範囲を網羅するように作製した検量線に対してサンプルを定量した。検量線は試験サンプルと同一のマトリックスで作製した。分析バッチごとに、サンプルと同一のマトリックスで調製した独立の品質管理サンプルを、試験サンプルと共に検量線を用いて分析した。全ての分析バッチは、現在のFDAのガイドラインに沿って、検量線及びQC合否基準に基づいて合否が決定された。
【0176】
データ解析
個体の血漿濃度−時間プロファイルを、認証されたPhoenixソフトウェアを使用する薬物動態解析に供した。リニアアップ/ログダウン台形法を用いたノンコンパートメント解析を全データに使用した。
【0177】
結果
3つの製剤を1回経口投与した後の雄のビーグル犬における、ARN−509の平均C
max、T
max、AUC、及びF
rel値を以下に示す。
【0178】
【表18】
1)動物の大部分におけるT
lastは168時間であった。
2)n=3
【0179】
製剤1:HPMC AS−LF比1/3(SDP)
製剤2:HPMC AS−LF比1/3(HME)
製剤3:ソフトゲル参照カプセル
【0180】
実施例3.1及び5.1の粉末に対して実施した安定性試験
試験は、LDPE/Aluバッグに詰めた粉末に対して行われた。
【0181】
1.外観試験
以下の表a1及びa2に示す異なる保存条件で保存した実施例3.1及び実施例5.1の粉末の目視検査を行った。
【0182】
結果を下の表a1及び表a2に報告する。
【0183】
2.含水量
含水量を、米国薬局方、欧州薬局方(USP/Ph.Eur)に従って蒸発電量カールフィッシャー測定(vaporized coulometric Karl Fischer determination)により測定した。
【0184】
実施例3.1又は実施例5.1の粉末は、下の表a1又は表a2に示すとおりに保存された。
【0185】
約50.00mg(±5.00mg)の試料をバイアル瓶に正確に量り入れ、バイアル瓶をしっかりと固定した。
【0186】
結果を下の表a1又は表a2に報告する。
【0187】
以下の器具類、試薬、及び溶液、並びにパラメータを使用した。
【0188】
器具類
電量計:Metrohm社製の831 KF電量計
オーブン:Metrohm社製の774オーブンサンプルプロセッサ
発生電極:振動板電極Metrohm 6.0344.100
指示電極:ダブル白金ワイヤ電極Metrohm 6.0341.100
【0189】
試薬及び溶液
陽極液:ハイドラナール−クーロマットAGオーブン(Fluka 34739)
陰極液:ハイドラナール−クーロマットCG(Fluka 34840)
水質基準:ハイドラナール水質基準1.00(Fluka 34828)
【0190】
オーブンパラメータ
キャリアガス:N
2
流速:設定値60mL/分
最低読取り値20mL/分
オーブン温度:120℃
【0191】
電量計パラメータ
滴定パラメータ
注出時間:60秒
ドリフト補正:自動
開始条件
一時停止:60秒
起動ドリフト:最大12μg/分
時間条件OK:10秒
停止パラメータ
関連ドリフト(Rel. drift):5μg/分
【0192】
システムの適合要件を満たしている場合には、代替の電量計パラメータを使用することができる。
【0193】
3.結晶質ARN−509を検出するためのpXRD試験
異なる保存条件下で保存した実施例3.1及び実施例5.1の粉末の物理的安定性を、粉末X線回折により追跡調査した。これら粉末のXRDパターンを、時間ゼロにおいて測定した対応する粉末(非晶質物)のXRDパターンと比較した。
【0194】
粉末をゼロバックグラウンド試料ホルダーに移した。試料のX線測定を行った。
【0195】
結果を下の表a1又は表a2に報告する。
【0196】
以下の器具類及びパラメータを使用した。
【0197】
器具類
Pananalytical社製X’Pert PRO MPD回折計PW3050/60
X線管Cu LFF PW3373/10
検出器:X’Celerator
試料ステージ:スピナー
試料ホルダー:ゼロバックグラウンド試料ホルダー
【0198】
機器設定
スピナー回転時間:1rps
発生器電圧:45kV
発生器電流:40mA
【0199】
X線ビーム経路内の光学部品
入射ビーム路:
プログラム可能な発散スリット:照射幅15mm
ソーラースリット:0.04rad
ビームマスク:15mm
散乱防止スリット:1°
ビームナイフ+
【0200】
回折ビーム路:
プログラム可能な散乱防止スリット:1°
ソーラースリット:0.04rad
フィルタ:Ni
【0201】
機器パラメータ
ジオメトリ:Bragg−Brentano
放射線:CuKα
ステップサイズ:0.02°
走査範囲:3°2θ〜50°2θ
ステップ当たりの計数時間:60秒
【0202】
【表19】
a合格:白色〜淡黄色、微粒〜顆粒状の粉末
【0203】
【表20】
a合格:白色〜淡黄色−褐色、微粒〜顆粒状の粉末
【0204】
外観に関し、異なる保存条件にて医薬品中間体粉末を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0205】
含水量に関し、異なる保存条件にて医薬品中間体粉末を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0206】
結晶化度に関し、異なる保存条件にて医薬品中間体粉末を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0207】
4.ARN−509−クロマトグラフィー純度のアッセイ
異なる保存条件下で保存された実施例3.1及び実施例5.1の粉末におけるARN−509の濃度及びその分解生成物を、UV検出による勾配逆相UHPLCによって決定した。
【0208】
粉末は、下の表b1及び表b2に示されるとおりに保存した。
【0209】
約240.00mgの粉末を250mLの体積測定用のフラスコの中に正確に量り入れた。約125mLのアセトニトリルをメスシリンダーで加え、全部を機械的に30分間振盪し、マーカーの下側1cmになるまで水で一定容積に希釈した。全部を手で激しく振り混ぜた。試料溶液を室温に平衡化し、水で一定容積に希釈した。濾過する直前に、体積測定用のフラスコを手で激しく振り混ぜた。試料溶液を、耐化学性を有する0.2μmのフィルタに通して濾過した。最初の3mLの濾液は廃棄物容器の中に捨て、体積測定用のフラスコの中に戻さなかった。
【0210】
試料溶液は、冷蔵庫に入れて保存し、光から保護した(密閉型キャビネット)場合には、4日間安定している。
【0211】
結果を下の表b1及び表b2に報告する。
【0212】
次の溶液及び器具類及びパラメータを使用した。
【0213】
移動相
移動相A
10mm NH
4Ac+0.1% TFA/アセトニトリル(90/10、v/v)。
【0214】
移動相B
アセトニトリル
【0215】
同定、アッセイ、及びクロマトグラフィー純度のためのUHPLC条件
カラム:Acquity BEH C18、長さ150mm×内径2.1mm、粒径1.7μm
カラム温度:45℃
オートサンプラー温度:5℃
流速:0.40mL/分
検出:UV
波長:268nm
注入量:3μL
データ収集時間:35分
分析実行時間:40分
【0216】
下表に示されるとおりに線形勾配をプログラムした。
【0217】
【表21】
【0218】
【表22】
【0219】
【表23】
【0220】
異なる保存条件にて医薬品中間体粉末を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0221】
5.水分活性
水分活性は、Novasina a
w−メーターを用いて測定した。
【0222】
試験は実施例3.1及び5.1の粉末に対して行われた。
【0223】
結果を下の表c1及び表c2に報告する。
【0224】
【表24】
【0225】
【表25】
【0226】
実施例3.3の錠剤に対して実施した安定性試験
試験は、乾燥剤(シリカゲル)を備えたHDPEボトルの中で保存した錠剤に対して行われた。
【0227】
1.外観試験
下の表1に示す異なる保存条件で保存した実施例3.3の錠剤の目視検査を行った。
【0228】
結果を下の表1に報告する。
【0229】
2.含水量
含水量を、米国薬局方、欧州薬局方(USP/Ph.Eur)に従って蒸発電量カールフィッシャー測定により測定した。
【0230】
実施例3.3の錠剤を、下の表1に示すとおりに保存した。
【0231】
Retsch Mixer Millを使用して錠剤を粉砕した。粉砕直後に、約50.00mg(±5.00mg)の試料をバイアル瓶に正確に量り入れ、バイアル瓶をしっかりと固定した。
【0232】
結果を下の表1に報告する。
【0233】
以下の器具類、試薬、及び溶液、並びにパラメータを使用した。
【0234】
器具類
電量計:Metrohm社製の831 KF電量計
オーブン:Metrohm社製の774オーブンサンプルプロセッサ
発生電極:振動板電極Metrohm 6.0344.100
指示電極:ダブル白金ワイヤ電極Metrohm 6.0341.100
【0235】
試薬及び溶液
陽極液:ハイドラナール−クーロマットAGオーブン(Fluka 34739)
陰極液:ハイドラナール−クーロマットCG(Fluka 34840)
水質基準:ハイドラナール水質基準1.00(Fluka 34828)
【0236】
オーブンパラメータ
キャリアガス:N
2
流速:設定値60mL/分
最低読取り値20mL/分
オーブン温度:120℃
【0237】
電量計パラメータ
滴定パラメータ
注出時間:60秒
ドリフト補正:自動
開始条件
一時停止:60秒
起動ドリフト:最大12μg/分
時間条件OK:10秒
停止パラメータ
関連ドリフト(Rel. drift):5μg/分
【0238】
システムの適合要件を満たしている場合には、代替の電量計パラメータを使用することができる。
【0239】
【表26】
a合格:緑がかった楕円形の錠剤
光ICH:200W・h/m
2以上の積分近UVエネルギー(near UV energy)、1200klux・h以上の全体照明
【0240】
外観に関し、異なる保存条件にて医薬品中間体粉末を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0241】
含水量のわずかな増加が観察された。
【0242】
3.結晶質ARN−509を検出するためのpXRD試験
異なる保存条件下で保存した実施例3.3の異なる錠剤の物理的安定性を、粉末X線回折により追跡調査した。これら錠剤のXRDパターンを、時間ゼロにおいて測定した対応する錠剤(非晶質物)のXRDパターンと比較した。
【0243】
乳棒と乳鉢を使用して1つの錠剤を軽く粉砕して微粉にした。バックローディング技法を用いて粉末を16mmの試料ホルダー内に仕込んだ。試料のX線測定を行った。
【0244】
結果を下の表2に報告する。
【0245】
以下の器具類及びパラメータを使用した。
【0246】
器具類
Philips社製X’Pert PRO MPD回折計PW3050/60
X線管Cu LFF PW3373/10
検出器:X’Celerator
試料ステージ:スピナー
試料ホルダー:空洞径16mm、空洞深さ2.5mm
【0247】
機器設定
スピナー回転時間:1rps
発生器電圧:45kV
発生器電流:40mA
【0248】
X線ビーム経路内の光学部品
入射ビーム路:
プログラム可能な発散スリット:照射幅10mm
ソーラースリット:0.04rad
ビームマスク:10mm
散乱防止スリット:1°
ビームナイフ+
【0249】
回折ビーム路:
プログラム可能な散乱防止スリット:1°
ソーラースリット:0.04rad
フィルタ:Ni
【0250】
機器パラメータ
ジオメトリ:Bragg−Brentano
放射線:CuKα
ステップサイズ:0.02°
走査範囲:3°2θ〜50°2θ
ステップ当たりの計数時間:100秒
【0251】
【表27】
光線ICH:200W・h/m
2以上の積分近UVエネルギー、1200klux・h以上の全体照明
【0252】
異なる保存条件にて製剤を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0253】
4.ARN−509−クロマトグラフィー純度のアッセイ
異なる保存条件下で保存された実施例3.3の錠剤におけるARN−509の濃度及びその分解生成物を、UV検出による勾配逆相UHPLCによって決定した。
【0254】
錠剤を、下の表3に示すとおりに保存した。
【0255】
5つの錠剤を正確に量った。平均錠剤重量を決定した。錠剤を微粉に粉砕した。平均錠剤重量と等しい一定量の均質化粉末を、250mLの体積測定用のフラスコの中に正確に量り入れた。約125mLのアセトニトリルをメスシリンダーで加え、全部を機械的に30分間振盪し、マーカーの下側1cmになるまで水で一定容積に希釈した。全部を手で激しく振り混ぜた。試料溶液を室温に平衡化し、水で一定容積に希釈した。濾過する直前に、体積測定用のフラスコを手で激しく振り混ぜた。試料溶液を、耐化学性を有する0.45μmのフィルタに通して濾過した。最初の3mLの濾液は廃棄物容器の中に捨て、体積測定用のフラスコの中に戻さなかった。
【0256】
試料溶液は、冷蔵庫に入れて保存し、光から保護した(密閉型キャビネット)場合には、4日間安定している。
【0257】
結果を下の表3に報告する。
【0258】
以下の溶液及び器具類及びパラメータを使用した。
【0259】
移動相
移動相A
10mm NH
4Ac(酢酸アンモニウム水溶液)+0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)/アセトニトリル(90/10、v/v)。
【0260】
移動相B
アセトニトリル
【0261】
同定、アッセイ、及びクロマトグラフィー純度のためのUHPLC条件
カラム:Acquity BEH C18、長さ150mm×内径2.1mm、粒径1.7μm
カラム温度:45℃
オートサンプラー温度:5℃
流速:0.40mL/分
検出:UV
波長:268nm
注入量:3μL
データ収集時間:35分
分析実行時間:40分
【0262】
下表に示されるとおりに線形勾配をプログラムした。
【0263】
【表28】
【0264】
【表29】
光線ICH:200W・h/m
2以上の積分近UVエネルギー、1200klux・h以上の全体照明
【0265】
異なる保存条件にて製剤を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0266】
5.溶解
0.05Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中のセチルトリメチルアンモニウム臭化物(CTAB)900mL中において、パドル装置(USPタイプ2、欧州薬局方、日本薬局方)を75rpmで使用して、溶解試験を行った。
【0267】
頑丈なハウジングを備えたDistek(登録商標)サンプリングニードルで試料を採取し、Whatman(登録商標)Spartan(登録商標)0.45μm RC(再生セルロース)膜(直径30mm)フィルタで試料を濾過した。
【0268】
溶解試料中に存在するARN−509の量の測定は、UV検出によるアイソクラチック超高性能液体クロマトグラフィー(UHPLC)法に基づいた。
【0269】
試験は、下の表4に示す異なる保存条件で保存した実施例3.3の錠剤に対して行われた。
【0270】
以下の器具類、試薬、及び溶液、並びにパラメータを使用した。
【0271】
器具類
溶解機器:パドル装置(USPタイプ2、欧州薬局方、日本薬局方)。
UHPLC機器:UV検出器を備えたWaters Acquity H−Class。
データ収集システム:Waters Empower。
化学てんびん:0.01gの精度。
化学てんびん:0.01mgの精度。
pH計:0.01pH単位の精度。
温度計:0.1℃の精度。
【0272】
試薬及び溶液
試薬
臭化セトリモニウム、セチルトリメチルアンモニウム臭化物、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、(CTAB):プロアナリシス(Pro Analysis)、純度99.0%。
リン酸ナトリウム一塩基性一水和物(NaH
2PO
4.H
2O):ACSグレード。
トリフルオロ酢酸:HPLCグレード、純度99.0%。
アセトニトリル:HPLCグレード。
【0273】
移動相
移動相A:0.1%(v/v)TFA水溶液
移動相B:アセトニトリル
【0274】
手順
溶解パラメータ
装置:パドル装置(USPタイプ2、欧州薬局方、日本薬局方)
容器:1Lのガラス製
回転速度:75rpm
溶出溶媒:0.05Mリン酸緩衝液(pH4.5)中の0.5%(w/v)CTAB
溶媒の体積:900mL
溶媒脱気:不要
溶媒置換:不要
温度:37.0±0.5℃。
シンカー:シンカーは使用せず
試料導入:各溶解容器の中に1つの錠剤を移す
【0275】
最終分析−UHPLCパラメータ
条件
*
カラム:Acquity UHPLC(登録商標)CSH C18粒径1.7μm、2.1×内径50mm
カラム温度:60±5℃
試料温度:周囲温度
流速:0.6mL/分
検出:242nmのUV
注入量:3μL
溶出モード:イソクラティック
移動相:50/50(v:v)、0.1%TFA水溶液:アセトニトリル
好適な手段で脱気する。
実行時間(指針):1.5分
保持時間(指針):ARN−509で約0.7分
洗浄溶媒:アセトニトリル
ニードル洗浄:アセトニトリル
シール洗浄溶媒:90/10(v:V)、水:アセトニトリル
バージ溶媒:90/10(v:v)、水:アセトニトリル
サンプリングレート:標準フィルタ定数で20点/秒
【0276】
【表30】
光線ICH:200W・h/m
2以上の積分近UVエネルギー、1200klux・h以上の全体照明
【0277】
異なる保存条件にて製剤を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0278】
6.水分活性
水分活性は、Novasina a
w−メーターを用いて測定した。
【0279】
試験は実施例3.3の粉末に対して行われた。
【0280】
結果を下の表5に報告する。
【0281】
【表31】
【0282】
試験条件にて12ヶ月保存したのち、水分活性のわずかな減少が観察された。
【0283】
7.微生物学的純度
実施例3.3の錠剤の微生物学的純度を、米国薬局方(USP)<61>及び欧州薬局方(Ph.Eur.)2.6.12及び2.6.13に従って試験した。
【0284】
結果を下の表6に報告する。
【0285】
【表32】
【0286】
異なる保存条件にて製剤を保存している間に、安定性に関連した実質的な変化は観察されなかった。
【0287】
上述された条件、溶液、試薬、パラメータ、及び器具類と同等の条件、溶液、試薬、パ
ラメータ、及び器具類を認識することは当業者の知識の範囲内である。適切な基準溶液、
計算方法、適合性試験を認識することは当業者の知識の範囲内である。
以下の態様を包含し得る。
[1] ARN−509及びHPMCASを含む固体分散体。
[2] 前記分散体がARN−509及びHPMCASからなる、上記[1]に記載の固体分散体。
[3] 前記固体分散体中のARN−509:HPMCASの重量比が、1:1〜1:5の範囲内である、上記[1]又は[2]に記載の固体分散体。
[4] 前記固体分散体中のARN−509:HPMCASの重量比が1:3である、上記[3]に記載の固体分散体。
[5] ARN−509が非晶質形態で存在する、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[6] 前記分散体が固溶体である、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[7] 前記HPMCASがHPMCAS LGである、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[8] 噴霧乾燥によって得る、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[9] 高温溶融押出によって得る、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の固体分散体。
[10] 上記[1]〜[9]のいずれか一項で定義されている固体分散体からなる粒子。
[11] 上記[1]〜[9]のいずれか一項で定義されている固体分散体を含む粒子。
[12] 製薬的に許容される担体と、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の固体分散体と、を含む医薬製剤。
[13] 製薬的に許容される担体と、上記[10]又は[11]に記載の粒子と、を含む医薬製剤。
[14] 前記製剤が錠剤である、上記[12]又は[13]に記載の製剤。
[15] 経口投与に適している、上記[14]に記載の製剤。
[16] ARN−509とHPMCASを適切な溶媒中で混合する工程と、前記混合物を噴霧乾燥させる工程と、を含む、上記[8]に記載の固体分散体を調製するためのプロセス。
[17] 前記適切な溶媒が、ジクロロメタンとメタノールの混合物である、上記[16に記載のプロセス。
[18] 前記混合物中のジクロロメタンとメタノールとの重量比が4:6である、上記[17]に記載のプロセス。
[19] 前立腺癌の治療のための薬剤を調製するための、上記[12]〜[15]のいずれか一項に記載の医薬製剤の使用。
[20] 前記薬剤が経口投与用である、上記[19]に記載の使用。