(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アパーチャと前記光分散モジュールとの間に配置された光ファイバ光コンベアを更に備え、前記光ファイバ光コンベアは、前記アパーチャを通過した対物レンズの結像集束光を前記光分散モジュールに伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光検出システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
サンプルによって放射された光を集束及び検出するように構成された光検出システムが提供される。システムの態様は、集束光のコア領域からの選択的側方散乱(SSC)波長光の選択的検出を可能にするように構成されたコア領域のSSC集束モジュールを備える。光検出システムにおけるコア領域の選択的SSC集束モジュールは、サブマイクロメートルサイズの粒子を含むサンプル成分の改善された検出に応じる。
【0017】
本発明をより詳細に説明する前に、本発明が、説明される特定の実施形態に限定されず、そのようなものとして変化可能であることを理解されたい。本発明の範囲が、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で用いられる用語が、特定の実施形態だけを説明するためにあり、且つ限定的であるようには意図されていないこともまた理解されたい。
【0018】
値域が与えられる場合に、その範囲の上限及び下限と、その表示範囲における任意の他の表示値又は介在値との間で、文脈が明白に別段の指示をしていない限り、下限の単位の10分の1まで、各介在値が、本発明内に包含されると理解される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、より小さな範囲に独立して含まれてもよく、且つまた表示範囲における任意の特に除外された境界に従って、本発明内に包含される。表示範囲が、境界の1つ又は両方を含む場合に、これらの含まれる範囲のどちらか又は両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
【0019】
別段の定義がされない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的な用語は、本発明が属する技術分野の当業者よって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で説明される方法及び材料と類似の又は等価などんな方法及び材料もまた、本発明の実施又は試験において用いることができるが、代表的な実例的方法及び材料が、今説明される。
【0020】
本明細書で列挙される全ての出版物及び特許は、あたかも各個別の出版物又は特許が、参照によって援用されるように具体的に個々に示されているかのように参照によって本明細書に援用され、且つ列挙される出版物が関連する方法及び/又は材料を開示し説明するために、参照によって本明細書で援用される。どんな出版物の引用も、出願日に先立つその開示に対してであり、本発明が先行発明によるかかる出版に先行する資格がないという承認として解釈されるべきでない。更に、提供される発行日は、独立して確認される必要があり得る実際の発行日とは異なる可能性がある。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明白に別段の指示をしていない限り、複数の指示物を含むことが注目される。特許請求の範囲が、どんな任意選択の要素も排除するように起草され得ることが、更に注目される。かかるものとして、この明細書は、クレーム要素の列挙に関連する「もっぱら(solely)」、「だけ(only)」等のようなかかる排他的な用語の使用又は「否定的な」制限の使用のための先行的根拠として働くように意図されている。
【0022】
この開示を読めば当業者に明らかになるように、本明細書で説明され図示される個別実施形態のそれぞれは、本発明の範囲又は趣旨から逸脱せずに、他の幾つかの実施形態のいずれかにおける特徴から容易に分離されるか又はそれらの特徴と組み合わされ得る別個のコンポーネント及び特徴を有する。どんな列挙される方法も、列挙されたイベントの順序で、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。
【0023】
光検出システム
上記で要約したように、サンプルによって放射された光を集束及び検出するように構成された光検出システムが提供される。システムの態様は、コア領域の選択的側方散乱(SSC)集束モジュールを含む。本明細書で説明されるようなコア領域のSSC集束モジュールは、集束光のコア領域からのSSC波長光の選択的検出を可能にするように構成されている。幾つかの実施形態において、コア領域の選択的SSC集束モジュールを光検出システムに包含することは、サブマイクロメートルサイズの粒子を含むサンプル成分の改善された検出に応じる。
【0024】
本明細書で説明されるようなコア領域のSSC集束モジュールを含む光検出システムは、現在利用可能なシステムと比較して、SSC検出において信号対雑音比を改善することに用途を見出す。これは、例えば、サブ細胞サイズの粒子、例えばサブマイクロメートルサイズの範囲にある粒子の検出における改善を可能にする。ある実施形態において、光検出システムは、二重SSC検出に応じるように構成され、それは、細胞及びサブ細胞サイズの粒子の両方の同時検出及び分析を可能にする。ここで、かかる実施形態の例が、以下でより詳細に説明される。
【0025】
図1Aは、検出ゾーン10を有するフローセルと、検出ゾーンから結像集束光を生成するための対物レンズアセンブリ11と、光分散モジュール13及び1つ又は複数の検出器(
図1Aにおいて14、15及び16として示されている)に集束光を伝達する光コンベア12とを備える一般的な光検出システムの概略図を提供する。光路は、点線矢印によって表される。この図において、検出器14及び15は、(2つの相異なる波長用の)蛍光波長検出器を表し、検出器16は、SSC波長光の検出器を表す。
【0026】
光検出システムにおいて、対物レンズの集束光の画像サイズ(
図1B、20を参照)は、集束光を検出器に伝達するシステムの光伝達要素の表面のサイズ(
図1B、22)、例えば光ファイバ光コンベアのコアよりかなり小さくなり得る。(検出器の活性表面に光を伝播する適切な光ファイバプロトコルは、限定するわけではないが、米国特許第6,809,804号明細書に記載されているフローサイトメータ光ファイバプロトコルなどのフローサイトメータ光ファイバプロトコルを含み、その米国特許の開示は、参照によって本明細書で援用される。)例えば、ある光検出システムは、光ファイバ光コンベアのコア直径が、約800マイクロメートルであるのに対して、直径(「コア領域」とも呼ばれる)約200マイクロメートルの画像を生成する集光システムを含む。サイズにおけるこの差は、かなりの量の集束された背景SSC波長光が検出器に伝達されることを可能にし、それによって、信号対雑音比を低減する。従って、光検出システムにおける非コア領域結像SSC波長光の検出の除去又は低減は、検出効率に影響せずに、光ノイズをかなり低減する(
図1B、24で表される)。
【0027】
以下で詳述するように、コア領域の選択的SSC集束モジュールは、コア領域の外側にあるSSC光の通過を選択的にブロックする光マスクを有する1つ又は複数のアパーチャと、1つ又は複数の光フィルタと、1つ又は複数の光伝達要素と、1つ又は複数の検出器と、それらの任意の組み合わせとから選択された、対物レンズの結像集束SSC波長光のコア領域の選択的検出を単独で又は組み合わせで可能にする1つ又は複数の要素を含む。代表的な実施形態が、以下で提示される。
【0028】
ある実施形態において、フローセルの検出ゾーンから対物レンズの結像集束光を生成するように構成された集光システムと、対物レンズの結像集束光を受光するように構成された検出器と、集光システムと検出器との間に配置されたアパーチャであって、コア領域の外側にある対物レンズの結像集束光からのSSC波長光が検出器に達することをブロックするように構成された光マスクを含むアパーチャと、を含む光検出システムが提供される。換言すれば、アパーチャは、対物レンズの結像集束光のコア領域と一致するサイズ(光マスクによって画定される)を有する。
【0029】
開示される光検出システムの集光システムは、任意の便利な方法で構成されてもよい。ある態様において、集光システムは、コリメートレンズ、集束レンズ、拡大鏡、縮小レンズ又は他のレンズの1つ又は組み合わせを含み得る1つ又は複数の対物レンズであって、フローセルの検出ゾーンから光を受光し、且つシステムにおける1つ又は複数の検出器に伝達される結像光を生成するように構成される1つ又は複数の対物レンズを備える。フローセルの検出ゾーンから対物レンズの結像集束光を生成するように構成された任意の便利な集光システムを用いることができる。使用され得る集光システムの例は、米国特許第3,960,449号明細書、同第4,347,935号明細書、同第4,667,830号明細書、同第5,245,318号明細書、同第5,464,581号明細書、同第5,483,469号明細書、同第5,602,039号明細書、同第5,643,796号明細書、同第5,700,692号明細書、同第6,372,506号明細書、及び同第6,809,804号明細書に開示されている集光システムを含み、これらの米国特許の開示は、参照によって本明細書で援用される。
【0030】
ある実施形態において、対物レンズの結像集束SSC波長光のコア領域は、70μm〜450μm、70μm〜400μm、100μm〜400μm、200μm〜400μm等を含む50μm〜500μmにわたる直径を有する。かかるものとして、ある実施形態において、コア領域は、約500μm、約475μm、約450μm、約425μm、約400μm、約375μm、約350μm、約325μm、約300μm、約275μm、約250μm、約225μm、約200μm、約175μm、約150μm、約125μm、約100μm、約75μm、約50μm、又は中間の何れかにおける直径を有する。
【0031】
ある実施形態において、光検出システムは、SSC波長光以外の波長光を集束し検出するように構成される。当該技術分野において周知のように、例えば対物レンズアセンブリを備えた集光システムによって集束され結像された光の相異なる波長の焦点距離は、互いに異なる場合が多い。この現象は、色収差と呼ばれ、
図1Cにおいて図式化される。この図は、レンズ32によって集束された光の3つの相異なる波長用の光路及び焦点距離/焦点を示す(ライン24、26及び28のペアによって表される光の波長を伴う。焦点距離は、同様に番号を付けられたラインの交点であり、時には焦点と呼ばれる)。色収差によって、波長24の非コア領域の光の通過をブロックするアパーチャ30(アパーチャにおける開口部は、34で示されている)が、集光システムと検出器(図示せず)との間に配置された場合に、それは、他の波長(ライン26及び28)における光の大部分をブロックし、それは、例えば追加の検出器/光コンベアを用いる他の波長の検出に否定的な影響を及ぼす。
【0032】
従って、ある実施形態において、アパーチャの光マスクは、コア領域の外側にある対物レンズの結像集束光からのSSC波長光が検出器に達することを選択的にブロックする。「選択的にブロックする」ことによって、光マスクが、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10の、少なくとも15の、少なくとも20の、少なくとも30の、少なくとも40の、少なくとも50の、又はより多くの光波長を含む少なくとも1つの非SSC波長光の通過をブロックしない。ある実施形態において、アパーチャの光マスクは、SSC波長光の通過だけをブロックする。従って、ある実施形態において、アパーチャの光マスク要素は、光(又は帯域通過)フィルタに似た方法で機能するが、光(又は帯域通過)フィルタは、種々様々な光検出用途に用いられる(以下で更に詳細に説明される)。
【0033】
ある実施形態において、非SSC波長光は、フローストリームにおける粒子、例えば細胞又はサブ細胞粒子から放射される光である。光は、粒子自体から、且つ/又は発光特性を有する粒子上の若しくは粒子における成分、例えば蛍光分子から放射され得る。かかる実施形態は、蛍光タグ付き抗体に結合される、且つ/又は蛍光蛋白質に関連付けられるかそれを表す細胞又は粒子を含む。この点に関して限定は意図されていない。
【0034】
ある実施形態において、光検出システムは、1つ又は複数の検出器に伝達される前に対物レンズの結像集束光を処理する分散(又は分離)モジュールを更に含む。光分散/分離モジュールは、多色光をその成分波長に分離する装置を指す(かかるものとして、これらのモジュールは、時に「波長分離器」と呼ばれる)。ある実施形態によれば、波長分離は、多色光の特定の波長もしくは波長領域を選択的に通過させるか又はブロックすることを含んでもよい。対象の光分散装置は、限定するわけではないが、数ある波長分離装置の中で、着色ガラス、帯域通過フィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックミラー、回折格子、モノクロメータ、及びそれらの組み合わせを含む。ある例において、光分散モジュールは、3nm〜95nm、5nm〜95nm、10nm〜90nm、12nm〜85nm、15nm〜80nmなど2nm〜100nmにわたる最小帯域幅を有する1つ又は複数の帯域通過フィルタを含み、且つ20nm〜50nmにわたる最小帯域幅を有する帯域通過フィルタを含む。
【0035】
ある実施形態において、光検出システムは、アパーチャと検出器との間に配置された光コンベアを更に備え、光コンベアは、アパーチャを通過した対物レンズの結像集束光を検出器に伝達するように構成されている。幾つかの実施形態において、光コンベアは、光ファイバ光コンベアである。ある実施形態において、光コンベアは、光分散モジュールと検出器との間に配置されている。更に、多数の光コンベアが、光検出システムに存在し、各光コンベアが、対応する(相異なる)検出器に関連付けられてもよい。例えば、本明細書で説明されるような光検出システムは、光分散モジュールによって処理(又は分離)される光の各相異なる波長を検出するように構成された光コンベア及び検出器を有することができる。光コンベアが、光ファイバである実施形態において、光ファイバのコアの直径(光ファイバの光伝達部分である)は、アパーチャを通過する集束SSC光のコア領域の直径より大きい。従って、アパーチャは、コア領域の外側にあるSSC波長光が、光コンベアによって検出器に伝達されることを防ぐように機能し、そのようにしてSSC波長集束光における光ノイズを低減する。
【0036】
結像集束光を検出するための任意の便利な検出器が、本明細書で説明される光検出システムにおいて用いられてもよい。対象の検出器は、限定するわけではないが、数ある光検出器の中で、能動画素センサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、強化型電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、光子計数器、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含んでもよい。ある実施形態において、集束光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、能動画素センサ(APS)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化膜半導体(NMOS)画像センサで測定される。
【0037】
幾つかの実施形態において、結像センサは、CCDカメラである。例えば、カメラは、電子倍増CCD(EMCCD)カメラ又は強化型CCD(ICCD)カメラであってもよい。他の実施形態において、結像センサは、CMOS型カメラである。集束光が、CCDで測定される場合に、CCDの活性検出表面積は、0.01cm
2 〜10cm
2 、0.05cm
2〜9cm
2 、0.1cm
2 〜8cm
2 、0.5cm
2 〜7cm
2 、及び1cm
2 〜5cm
2 などで変化してもよい。
【0038】
主題のシステムにおける光検出器の数は、希望どおり変化してもよい。例えば、主題のシステムは、2つ以上の光検出器、3つ以上の光検出器、4つ以上の光検出器、5つ以上の光検出器、及び10以上の光検出器など、1つ以上の光検出器を備えてもよい。ある実施形態において、システムは、1つの光検出器を備える。他の実施形態において、システムは、2つの光検出器を備える。
【0039】
主題のシステムが、1つを超える光検出器を備える場合に、各光検出器は、同じであってもよく、又は2つ以上の光検出器の集合は、相異なるタイプの光検出器の組み合わせであってもよい。例えば、主題のシステムが、2つの光検出器を備える場合に、幾つかの実施形態において、第1の光検出器は、CCD型装置であり、第2の光検出器(又は結像センサ)は、CMOS型装置である。他の実施形態において、第1及び第2の光検出器の両方とも、CCD型装置である。更に他の実施形態において、第1及び第2の光検出器の両方とも、CMOS型装置である。更に他の実施形態において、第1の光検出器は、CCD型装置であり、第2の光検出器は、光電子増倍管(PMT)である。更に他の実施形態において、第1の光検出器は、CMOS型装置であり、第2の光検出器は、光電子増倍管である。更に他の実施形態において、第1及び第2の光検出器の両方とも、光電子増倍管である。
【0040】
本開示の実施形態において、対象の検出器は、2つ以上の波長、5つ以上の相異なる波長、10以上の相異なる波長、25以上の相異なる波長、50以上の相異なる波長、100以上の相異なる波長、200以上の相異なる波長、300以上の相異なる波長などの1つ又は複数の波長における集束光、及び400以上の相異なる波長で、フローストリームにおけるサンプルによって放射された測定光を測定するように構成されている。幾つかの実施形態において、本明細書で説明されるような光検出システムにおける2つ以上の検出器は、集束光の同じ波長又は重複する波長を測定するように構成されている(以下で更に説明される)。
【0041】
幾つかの実施形態において、対象の検出器は、一連の波長(例えば200nm〜1000nm)にわたる集束光を測定するように構成されている。ある実施形態において、対象の検出器は、一連の波長にわたる光スペクトルを集束するように構成されている。例えば、システムは、200nm〜1000nmの波長領域の1つ又は複数にわたる光スペクトルを集束するように構成された1つ又は複数の検出器を含んでもよい。更に他の実施形態において、対象の検出器は、1つ又は複数の特定波長で、フローストリームにおけるサンプルによって放射された光を測定するように構成されている。例えば、システムは、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びそれらの任意の組み合わせの1つ又は複数で光を測定するように構成された1つ又は複数の検出器を含んでもよい。ある実施形態において、1つ又は複数の検出器は、蛍光測定においてサンプルと共に用いられるフルオロフォアなど、特定のフルオロフォアとペアにされるように構成されていてもよい。
【0042】
実施形態において、検出器は、連続的に又は離散間隔で光を測定するように構成されている。幾つかの例において、対象の検出器は、集束光の測定を連続的に行うように構成されている。他の例において対象の検出器は、0.001ミリ秒ごとに、0.01ミリ秒ごとに、0.1ミリ秒ごとに、1ミリ秒ごとに、10ミリ秒ごとに、100ミリ秒ごとに、及び1000ミリ秒ごとに、又はある他の間隔で光を測定するなど、離散間隔で測定を行うように構成されている。
【0043】
本開示の追加の態様は、フローセルの検出ゾーンから対物レンズの結像集束光を生成するように構成された集光システムと、対物レンズの結像集束光を受光するように構成された検出器と、対物レンズの結像集束光の少なくとも第1の光路及び第2の光路を生成するように構成された光フィルタであって、第1の光路が、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を含み、且つ例えば光コンベアを介して検出器に伝達される光フィルタとを備える光検出システムに向けられる。
【0044】
開示される光検出システムに用途を見出す集光システム及び検出器の例は、上記で提示されたので、ここでは反復されない。
【0045】
ある実施形態において、光フィルタが、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を反射するように構成されているのに対して、他の実施形態において、光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を通過させるように構成されている。
【0046】
図2Aは、本明細書で詳述されるようなアパーチャを有する際の本開示の実施形態の概略図を提示する(要素10〜16の名称が、
図1Aにおける通りであることに留意されたい)。この図において、集束結像光(点線矢印は光路を示す)は、コア領域の外側にあるSSC波長光が、(光ファイバ光コンベア12及び光分散モジュール13を通って)SSC検出器16に達することを選択的にブロックする光マスクを有するアパーチャ17を通して導かれる。光マスクは、蛍光検出器14及び15によって検出される光の蛍光波長をブロックしない。従って、アパーチャ17は、検出器14及び15によって検出される光の波長に影響を及ぼさない一方で、SSC波長光におけるノイズを低減する働きをする。ある実施形態において、1つの追加の光波長だけが、SSC波長以外に検出され、従って単一の追加の検出器だけが用いられる(即ち検出器14又は検出器15であり、両方ではない)。
【0047】
図2Bは、光フィルタが、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも少なくとも一部を検出器に反射するように構成される本開示の実施形態の概略図を提示する。この図において、集束結像光は、第1の光路を形成するためにSSC波長光の少なくとも一部を反射するように構成される一方で、第2の光路を形成するために他の光波長が通過できるようにする光フィルタ18に導かれる。ある実施形態において、第1の光路に反射されないSSC波長光の部分は、第2の光路の一部として光フィルタ18を通過する。次に、第1の光路は、コア領域の外側にあるSSC波長光が、(光ファイバ光コンベア12bを通って)SSC検出器16bに達することをブロックするアパーチャ19を通して導かれる。この実施形態において、アパーチャ19は、追加の光波長が第2の光路において検出されるので、全ての光をブロックできることに留意されたい。更に、第1の光路に方向転換されなかったSSC波長光は、(
図1A及び
図2Aにおけるように)第2の光路において別個のSSC波長検出器16によって検出される。この構成は、本明細書で詳述するように二重SSC波長検出を可能にする。
【0048】
光フィルタが、第1の光路を形成するために、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の一部を(反射するのではなく)通過させるように構成される実施形態がまた考えられることがここで注目される。従って、ある実施形態において、集束結像光は、集束光の第1の光路を形成するために、SSC波長光の少なくとも一部を通過させる一方で、第2の光路を形成するために他の光波長を反射するように構成される光フィルタに導かれる。ある実施形態において、光フィルタを通過しないSSC波長光の部分(即ち第1の光路の部分)は、第2の光路の部分として光フィルタによって反射される。次に、第1の光路は、
図2Bにおいて第1の光路用に説明されているような検出器に導かれる。
【0049】
図2Cは、SSC波長光の第1の光路が、検出器16bに直接送られるという点を除いて、
図2Bに示されている実施形態に似た追加の実施形態の概略図を示す(即ち、
図2Bの光コンベア要素12bは、この実施形態においては削除される)。
【0050】
図3は、光フィルタからの第1の光路における光検出の3つの構成の代表的な例を示す。要素50は、集束SSC波長光の少なくとも一部を含む第1の入射光路を表す。左のパネルにおいて、第1の光路(即ちSSC波長光の一部)は、コア領域の外側にある第1の光路が通過して検出器に達することをブロックするアパーチャ要素19を通して導かれる。第1の光路が通路するアパーチャ要素の部分40は、コア領域の直径である。第1の光路のコア領域42(即ち40を通過する光)は、直接検出されるか(図示せず)又は光コンベア12bによって伝達される。この場合に、光ファイバ光コンベアは、コア領域より大きい直径を有するコア44(即ち光伝達面)を有する。中央のパネルにおいて、アパーチャ要素19は、光コンベアに直接配置(直接装着)されている(又は検出器(図示せず)に直接装着されている)。かかる実施形態において、光コンベア/検出器は、アパーチャの背後に直接配置されていると言うことができる。右のパネルにおいて、光コンベア12bは、そのコア44が、第1の光路のコア領域のサイズであるように、従ってアパーチャ要素が必要とされないように構成されている。幾つかの実施形態において、検出器は、コア領域のサイズである光検出領域を有し、従ってアパーチャは、必要とされない(図示せず)。
【0051】
ある実施形態において、第1の光路は、55%〜98%、60%〜96%、70%〜94%、80%〜92%、85%〜90%、及びそれらの間の任意の範囲を含む、対物レンズの結像集束SSC波長光の50%〜99%を含む。従って、ある実施形態において、第1の光路は、対物レンズの結像集束SSC波長光の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、及び少なくとも約99%を含む。
【0052】
上記で注目したように、光フィルタは、第1の光路が、光フィルタによって反射された光によって生成されるように構成することができるか、又は第1の光路が、光フィルタを通過する光によって生成されるように構成することができる。
【0053】
ある実施形態において、光検出システムは、対物レンズの結像集束光の第2の光路にあるSSC波長光を受光するように構成された第2の検出器を含む。これらの実施形態の幾つかにおいて、光検出システムは、第2の検出器が、コア及び非コア領域のSSC波長光の両方を検出するように構成されている。かかる実施形態において、光検出システムは、第1の検出器を用いてサブ細胞粒子(第1の光路におけるコア領域のSSC波長光)を、且つ第2の検出器を用いて、より大きな粒子(例えば細胞)を検出することができる。これらの実施形態の幾つかにおいて、対物レンズの集束SSC波長光のより多くの部分が、第2の光路と比較して、第1の光路に存在する。例えば、その場合に、第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約99%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約1%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約98%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約2%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約97%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約3%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約96%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約4%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約95%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約5%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約90%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約10%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約80%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約20%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約70%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約30%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約60%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約40%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約51%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約49%を含む。(光フィルタの使用からのどんな光損失も、上記の数字において除外されることに留意されたい)。
【0054】
ある実施形態において、光フィルタは、第2の光路が、集束光の少なくとも1つの非SSC波長を含むように構成されている。例えば、第2の光路は、フローストリームにおける粒子、例えばサブ細胞粒子又は細胞から放射される非SSC波長光を含むことができる。非SSC光波長及びそれらの検出の例は、上記で提示されたので、ここでは反復されない。
【0055】
本開示の態様は、サンプルによって放射された光を測定するためのシステムであって、光源と、検出ゾーンを有するフローセルと、本開示の光検出システムとを備えるシステムを提供する。上記で詳述したように、本開示の光検出システムは、本開示のコア領域の選択的側方散乱(SSC)集束モジュールを含むことができる。コア領域のSSC集束モジュールは、集束光のコア領域からのSSC波長光の選択的検出を可能にするように構成されている。上記で説明されたコア領域のSSC集束モジュールの任意の構成を用いることができる。
【0056】
ある態様において、サンプルによって放射された光を測定するためのシステムの光検出システムは、対物レンズの結像集束SSC波長光のコア領域の選択的検出を単独で又は組み合わせで可能にする1つ又は複数の要素を有するコア領域の選択的SSC集束モジュールを含む。かかる要素は、コア領域の外側にあるSSC光の通過を選択的にブロックする光マスクを有する1つ又は複数のアパーチャと、1つ又は複数の光フィルタと、1つ又は複数の光伝達要素と、1つ又は複数の検出器と、それらの任意の組み合わせとから選択することができる。
【0057】
従って、ある実施形態において、サンプルによって放射された光を測定するためのシステムであって、光源と、検出ゾーンを有するフローセルと、フローセルの検出ゾーンから対物レンズの結像集束光を生成するように構成された集光システムと、対物レンズの結像集束光を受光するように構成された検出器と、集光システムと検出器との間に配置されたアパーチャであって、コア領域の外側にある対物レンズの結像集束光からのSSC波長光が検出器に達することをブロックするように構成された光マスクを含むアパーチャとを備えるシステムが提供される。従って、アパーチャは、対物レンズの結像集束光のコア領域に一致するサイズ(光マスクによって画定される)を有する。ある実施形態において、サンプルによって放射された光を測定するためのシステムは、SSC波長光以外の光の波長を集束して検出するように構成されている。従って、幾つかの実施形態において、アパーチャの光マスクは、少なくとも1つの非SSC波長光の通過をブロックしない。かかる実施形態は、上記で詳細に説明されたので、ここでは反復されない。
【0058】
本開示の追加の態様は、サンプルによって放射された光を測定するためのシステムであって、光源と、検出ゾーンを有するフローセルと、フローセルの検出ゾーンから対物レンズの結像集束光を生成するように構成された集光システムと、対物レンズの結像集束光を受光するように構成された検出器と、対物レンズの結像集束光の少なくとも第1の光路及び第2の光路を生成するように構成された光フィルタであって、第1の光路が、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を含み、且つ例えば光コンベアを介して検出器に伝達される光フィルタとを備えるシステムに向けられる。
【0059】
ある実施形態において、光フィルタが、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を反射するように構成されているのに対して、他の実施形態において、光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を通過させるように構成されている。かかる実施形態は、上記で詳細に説明されたので、ここでは反復されない。
【0060】
実施形態において、サンプルによって放射された光を測定するためのシステムの光源は、任意の適切な広帯域又は狭帯域光源であってもよい。サンプルにおける成分(例えば細胞、ビード、非細胞粒子等)に依存して、光源は、250nm〜1250nmなど、300nm〜1000nmなど、350nm〜900nmなど、及び400nm〜800nmなど、200nm〜1500nmにわたって変化する光波長を放射するように構成されてもよい。例えば、光源は、200nm〜900nmの波長を有する光を放射する広帯域光源を含んでもよい。他の例において、光源は、200nm〜900nmにわたる波長を放射する狭帯域光源を含む。例えば、光源は、200nm〜900nmにわたる波長を有する光を放射する狭帯域LED(1nm〜25nm)であってもよい。幾つかの実施形態において、光源は、連続波レーザなどのレーザである。例えば、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであってもよい。ある実施形態において、光源は、フローサイトメータにおけるレーザである。
【0061】
他の実施形態において、光源は、限定するわけではないが、ハロゲンランプと、重水素アークランプと、キセノンアークランプと、連続スペクトルを備えた広帯域LED、スーパールミネッセンス発光ダイオード、半導体発光ダイオード、ワイドスペクトルLED白色光源、一体型マルチLEDなどの発光ダイオードとを有するランプなどの非レーザ光源である。幾つかの例において、非レーザ光源は、数ある光源の中で、安定したファイバ結合広帯域光源、白色光源、又はそれらのその任意の組み合わせである。
【0062】
光源は、フローストリームから0.001mm以上、0.005mm以上、0.01mm以上、0.05mm以上、0.1mm以上、0.5mm以上、1mm以上、5mm以上、10mm以上、25mm以上、及び100mm以上など、サンプル(例えばフローサイトメータにおけるフローストリーム)から任意の適切な距離に配置されてもよい。加えて、光源は、10°〜90°など、15°〜85°など、20°〜80°など、25°〜75°など、及び30°〜60°などの任意の適切な角度(例えば、フローストリームの垂直軸に対して)、例えば90°でサンプルを照射する。
【0063】
光源は、連続的に又は離散間隔でサンプルを照射するように構成されてもよい。幾つかの例において、システムは、フローサイトメータにおける検査ポイントで連続的にフローストリームを照射する連続波レーザを有するなど、サンプルを連続的に照射するように構成される光源を備える。他の例において、対象のシステムは、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごと、及び1000ミリ秒ごと、又はある他の間隔など、離散間隔でサンプルを照射するように構成される光源を含む。光源が、離散間隔でサンプルを照射するように構成される場合に、システムは、光源を用いたサンプルの間欠照射に応じるために、1つ又は複数の追加コンポーネントを備えてもよい。例えば、これらの実施形態において主題のシステムは、光源に対してサンプルをブロックするか又はさらすために1つ又は複数のレーザビームチョッパー、手動又はコンピュータ制御ビームストップを備えてもよい。
【0064】
ある実施形態において、主題のシステムは、フローストリームにおけるサンプルによって放射された光を検出するためのフローセルノズル及び光学サブシステムを使用するフローサイトメータシステムを備える。サンプルを分析するための適切なフローサイトメータシステム及び方法は、限定するわけではないが、Ormerod(ed.),Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley−Liss(1955);Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan:49(pt1):17−28;Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502−11;Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335−344;and Herbig,et al.(2007) Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203−255;に説明されるフローサイトメータシステム及び方法を含み、これらの文献の開示は、参照によって本明細書に援用される。ある例において、対象のフローサイトメトリーシステムは、BD Biosciences FACSCanto(登録商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVantage(登録商標),BD Biosciences FACSort(登録商標),BD Biosciences FACSCount(登録商標),BD Biosciences FACScan(登録商標),及びBD Biosciences FACSCalibur(登録商標)システム、BD Biosciences Influx(登録商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(登録商標)セルソータ、及びBD Biosciences Aria(登録商標)セルソータ等を含む。
【0065】
ある実施形態において、主題のシステムは、米国特許第3,960,449号明細書、同第4,347,935号明細書、同第4,667,830号明細書、同第4,704,891号明細書、同第4,770,992号明細書、同第5,030,002号明細書、同第5,040,890号明細書、同第5,047,321号明細書、同第5,245,318号明細書、同第5,317,162号明細書、同第5,464,581号明細書、同第5,483,469号明細書、同第5,602,039号明細書、同第5,620,842号明細書、同第5,627、040号明細書、同第5,643,796号明細書、同第5,700,692号明細書、同第6,372,506号明細書、同第6,809,804号明細書、同第6,813,017号明細書、同第6,821,740号明細書、同第7,129,505号明細書、同第7,201,875号明細書、同第7,544,326号明細書、同第8,140,300号明細書、同第8,233,146号明細書、同第8,753,573号明細書、同第8,975,595号明細書、同第9,092,034号明細書、同第9,095,494、及び同第9,097,640号明細書で説明されるフローサイトメータの1つ又は複数のコンポーネントを組み込むフローサイトメータシステムであり、これらの米国特許の開示は、参照によって本明細書で援用される。
【0066】
サンプルによって放射された光を測定するための方法
本開示の態様は、サンプルから放射された光を測定するための方法を含む。ある実施形態において、サンプルによって放射された光は、本明細書で説明されるようなコア領域のSSC集束モジュールを有する光検出システムを用いて集束され測定される。
【0067】
ある実施形態において、フローストリームを分析する方法であって、フローストリームを光源で照射することと、照射されたフローストリームの検出ゾーンから集束される対物レンズの結像集束光を生成することと、対物レンズの結像集束光をコア領域のSSC集束モジュールを通して検出器へ通過させることであって、コア領域のSSC集束モジュールが、コア領域の外側にある側方散乱(SSC)波長光が検出器に達することを選択的にブロックし、それによって、フローストリームを分析することとを含む方法が提供される。
【0068】
分析されるサンプルは、ユーザに対象となる任意のサンプルとすることができる。ある実施形態において、サンプルは、生物学的成分を含むか、又は生物学的サンプルである。「生物学的サンプル」と言う用語は、生物全体、例えば原核細胞、真核細胞、植物、菌類、又はある場合に血液、粘液、リンパ液、関節液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液及び精液において見つかり得る動物組織のサブセット、細胞又は構成成分に由来するか又はそれらを含むサンプルを指すために、従来的な意味で用いられる。かかるものとして、「生物学的サンプル」は、本来の生物又はその組織のサブセットと同様に、限定するわけではないが、例えば血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚片、呼吸器、消化管、心臓血管、尿生殖路、涙、唾液、乳、血球、腫瘍、臓器を含む、生物から又はその組織のサブセットから調製されたホモジネートと、分離、浄化又は強化された生物学的粒子(例えばDNA、RNA、タンパク質、サブ細胞器官等)と、溶解物又は抽出物とを指す。生物学的サンプルは、健康な組織及び病変組織(例えば、癌性、悪性、壊死等)の両方を含む任意のタイプの生体組織であってもよい。ある実施形態において、生物学的サンプルは、血液又はその派生物、例えば血漿、涙、尿、精液などの液体サンプルであり、幾つかの例において、サンプルは、静脈穿刺又は指穿刺から取得された血液など、全血を含む血液サンプルである(ここで血液は、防腐剤、抗凝血剤など、分析に先立って任意の試薬と組み合わされるか又は組み合わされなくてもよい)。
【0069】
ある実施形態において、サンプルの起源は、「哺乳動物」又は「哺乳類」であり、これらの用語は、肉食動物目(例えばイヌ及びネコ)、げっ歯目(例えばマウス、モルモット及びラット)並びに霊長目(例えばヒト、チンパンジー及びサル)を含む哺乳綱内の生物を説明するために広く用いられる。幾つかの例において、主題は、ヒトである。方法は、両性の、且つあらゆる成長段階(即ち新生児、幼児、年少者、青年又は成人)におけるヒト被験者から得られたサンプルに適用されてもよく、ある実施形態において、ヒト被験者は、年少者、青年又は成人である。本開示の実施形態は、ヒト被験者からのサンプルに適用されてもよいが、方法が、限定するわけではないが、トリ、マウス、ネズミ、イヌ、ネコ、家畜及びウマなどの他の被験動物(即ち「非ヒト被験者」)からのサンプルに対して実行されてもよいことを理解されたい。
【0070】
ある実施形態に従って方法を実行する際に、サンプル(例えばフローサイトメータのフローストリームにおける)は、光源からの光で照射される。任意の便利な光源が、用いられてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、サンプルは、広帯域光源で照射され、広帯域光源は、例えば、50nm以上、100nm以上、150nm以上、200nm以上、250nm以上、300nm以上、350nm以上、400nm以上、及び500nm以上にわたるなど、広範囲の波長を有する光を放射する。他の実施形態において、方法は、例えば、50nm以下、40nm以下、30nm以下、25nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、2nm以下の範囲のような狭い範囲の光を放射する光源で且つ特定の光波長(即ち単色光)を放射する光源を含むなど、特定の波長又は狭い範囲の波長を狭帯域光源で放射することを含む。方法が、狭帯域光源で照射することを含む場合に、対象の狭帯域光源プロトコルは、限定するわけではないが、狭波長LED、1つ又は複数の光帯域通過フィルタに結合されたレーザダイオード若しくは広帯域光源、回折格子、モノクロメータ、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ある実施形態において、方法は、1つ又は複数のレーザでサンプルを照射することを含み、レーザのタイプ及び数は、集束される所望の光と同様にサンプルに依存して変化する。かかるものとして、レーザ(単数又は複数)は、1つ又は複数のガスレーザ、1つ又は複数の色素レーザ、1つ又は複数のエキシマレーザ、1つ又は複数の金属蒸気レーザ、1つ又は複数の固体レーザ、及びそれらの組み合わせから選択することができる。
【0071】
サンプルは、2つ以上の光源、3つ以上の光源、4つ以上の光源、5つ以上の光源、及び10以上の光源など、上記で言及した光源の1つ又は複数で照射されてもよい。光源は、光源タイプの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、幾つかの実施形態において、方法は、1つ又は複数のガスレーザ、1つ又は複数の色素レーザ、及び1つ又は複数の固体レーザを有するアレイなどのレーザアレイで、フローストリームにおけるサンプルを照射することを含む。
【0072】
サンプルは、250nm〜1250nmなど、300nm〜1000nmなど、350nm〜900nmなど、及び400nm〜800nmなど、200nm〜1500nmにわたる波長で照射されてもよい。例えば、光源が、広帯域光源である場合に、サンプルは、200nm〜900nmの波長で照射されてもよい。他の例において、光源が、複数の狭帯域光源を含む場合に、サンプルは、200nm〜900nmの範囲における特定の波長で照射されてもよい。例えば、光源は、複数の狭帯域LED(1nm〜25nm)であって、それぞれが、200nm〜900nmの一連の波長を有する光を独立して放射する複数の狭帯域LEDであってもよい。他の実施形態において、狭帯域光源は、1つ又は複数のレーザ(レーザアレイなど)を含み、サンプルは、上記で説明したように、ガスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、及び固体レーザを有するレーザアレイなどを用いて、200nm〜700nmにわたる特定の波長で照射される。
【0073】
1つを超える光源が用いられる場合に、サンプルは、同時に若しくは連続して、又はそれらの組み合わせで、光源によって照射されてもよい。例えば、サンプルは、両方の光源で同時に照射されてもよい。他の実施形態において、フローストリームは、両方の光源で連続して照射される。2つの光源が、連続して照射する場合に、各光源がサンプルを照射する時間は、0.01マイクロ秒以上、0.1マイクロ秒以上、1マイクロ秒以上、5マイクロ秒以上、10マイクロ秒以上、30マイクロ秒以上、及び60マイクロ秒以上など、他と関係なく0.001マイクロ秒以上であってもよい。例えば、方法は、0.01マイクロ秒〜75マイクロ秒、0.1マイクロ秒〜50マイクロ秒、1マイクロ秒〜25マイクロ秒、及び5マイクロ秒〜10マイクロ秒など、0.001マイクロ秒〜100マイクロ秒にわたる期間の間、光源(例えばレーザ)でサンプルを照射することを含んでもよい。サンプルが、2つ以上の光源で連続して照射される実施形態において、サンプルが各光源によって照射される時間は、同じか又は異なってもよい。
【0074】
サンプルは、連続的に又は離散間隔で照射されてもよい。幾つかの例において、方法は、サンプルを光源で連続的に照射することを含む。他の例において、サンプルは、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒、及び1000ミリ秒ごと又はある他の間隔で照射するなど、離散間隔で光源によって照射される。
【0075】
光源に依存して、サンプルは、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、2.5mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、15mm以上など、25mm以上など、及び50mm以上など、変化する距離から照射されてもよい。同様に角度又は照射もまた、15°〜85°など、20°〜80°など、25°〜75°など、及び30°〜60°の10°〜90°にわたって、例えば90°の角度に変化してもよい。
【0076】
ある実施形態において、照射されたサンプルによって放射された光は、集光システム、例えば対物レンズアセンブリによって処理され、且つ上記で説明したようなコア領域のSSC集束モジュールを有する光検出システムによって測定される。
【0077】
従って、ある実施形態において、方法は、照射されたサンプルから(例えば照射されたフローストリームの検出ゾーンから)放射された光を集束すること、及びそこから対物レンズの結像光を生成することを含む。ある態様において、対物レンズの結像光を生成することは、1つ又は複数の対物レンズに集束光を通過させることを含み、1つ又は複数の対物レンズは、コリメートレンズ、集束レンズ、拡大鏡、縮小レンズ、又は(例えばフローセルの検出ゾーンから)集束光を受光するように、且つ結像光を生成するように構成された他のレンズの1つ又は組み合わせを有してもよい。
【0078】
ある実施形態において、方法は、アパーチャを通して検出器へ対物レンズの結像集束光を通過させることを含み、アパーチャは、コア領域の外側にあるSSC波長光が検出器の達することをブロックする光マスクを有する。(開示される方法のこの態様は、コア領域の外側にあるSSC波長光が、検出器に達することをブロックすると説明することができる。)上記のように、ある実施形態において、対物レンズの結像集束SSC波長光のコア領域は、70μm〜450μm、70μm〜400μm、100μm〜400μm、200μm〜400μm等を含む、50μm〜500μmにわたる直径を有する。かかるものとして、ある実施形態において、コア領域は、約500μm、約475μm、約450μm、約425μm、約400μm、約375μm、約350μm、約325μm、約300μm、約275μm、約250μm、約225μm、約200μm、約175μm、約150μm、約125μm、約100μm、約75μm、約50μm、又は中間の何れかの直径を有する。
【0079】
ある実施形態において、アパーチャの光マスクは、コア領域の外側にある対物レンズの結像集束光からのSSC波長光が検出器に達することを選択的にブロックする。「選択的にブロックする」ことによって、光マスクが、少なくとも2つの、少なくとも3つの、少なくとも4つの、少なくとも5つの、少なくとも6つの、少なくとも7つの、少なくとも8つの、少なくとも9つの、少なくとも10の、少なくとも15の、少なくとも20の、少なくとも30の、少なくとも40の、少なくとも50の又はより多くの光波長を含む、少なくとも1つの非SSC波長光の通過をブロックしないことが意味される。ある実施形態において、アパーチャの光マスクは、SSC波長光の通過だけをブロックする。従って、ある実施形態において、アパーチャの光マスク要素は、光フィルタ(又は帯域通過フィルタ)に似た方法で機能し、光フィルタ(又は帯域通過フィルタ)は、種々様々な光検出用途において用いられる。
【0080】
ある実施形態において、方法は、1つ又は複数の追加の検出器(例えば第2の検出器、第3の検出器等)によって、アパーチャの光マスクを通過する1つ又は複数の非SSC光波長を検出することを含む。ある実施形態において、1つ又は複数の非SSC光波長は、フローストリームにおける粒子、例えば細胞、サブ細胞粒子から放射される光である。光は、粒子自体から、且つ/又は発光特性を有する粒子上の又は粒子における構成物質、例えば蛍光分子から放射されてもよい。かかる実施形態は、蛍光タグ付き抗体に結合される、且つ/又は蛍光蛋白質に関連付けられるかそれを表す細胞又は粒子を含む。この点に関して限定は意図されていない。
【0081】
ある実施形態において、方法は、1つ又は複数の検出器に伝達される前に光を処理する光分散(又は分離)モジュールに、対物レンズの結像集束光を通過させることを更に含む。光分散/分離モジュールは、多色光をその成分波長に分離する装置を指す(かかるものとして、これらのモジュールは、時に「波長分離器」と呼ばれる)。ある実施形態によれば、波長分離は、多色光の特定の波長又は波長領域を選択的に通過させるか又はブロックすることを含んでもよい。対象の光分散装置は、限定するわけではないが、数ある波長分離装置の中で、着色ガラス、帯域通過フィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックミラー、回折格子、モノクロメータ、及びそれらの組み合わせを有する。ある例において、光分散モジュールは、3nm〜95nmなど、5nm〜95nmなど、10nm〜90nmなど、12nm〜85nmなど、15nm〜80nmなど、及び20nm〜50nmにわたる最小帯域幅を持つ帯域通過フィルタを有する、2nm〜100nmにわたる最小帯域幅を持つ1つ又は複数の帯域通過フィルタを有する。
【0082】
上記で詳述した態様に加えて、開示される方法のある実施形態は、対物レンズの結像集束光の少なくとも第1の光路及び第2の光路を生成するように構成された光フィルタに対物レンズの結像集束光を導くことを含む。実施形態において、光フィルタは、上記のようにSSC波長光を選択的にブロックする光マスクを有するアパーチャの代わりに用いられる。かかる場合に、対物レンズの結像集束光の第1の光路は、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を含む。ある実施形態において、光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を反射するのに対して、他の実施形態において、光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を通過させる。
【0083】
ある実施形態において、第1の光路は、55%〜98%、60%〜96%、70%〜94%、80%〜92%、85%〜90%、及びそれらの間の任意の範囲を含む、対物レンズの結像集束SSC波長光50%〜99%を含む。従って、第1の光路は、対物レンズの結像集束SSC波長光の少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%を含んでもよい。
【0084】
ある実施形態において、集束光の第1の光路にないSSC波長光の部分は、第2の光路に存在する。一般に、対物レンズの集束SSC波長光のより多くの部分が、第2の光路と比較して、第1の光路に存在する。その場合に、例えば、第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約99%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約1%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約98%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約2%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約97%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約3%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約96%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約4%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約95%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約5%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約90%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約10%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約80%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約20%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約70%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約30%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約60%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約40%を含む。第1の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約51%を含み、第2の光路は、対物レンズの集束SSC波長光の約49%を含む。
【0085】
ある実施形態において、方法は、対物レンズの結像集束光の第1の光路を、アパーチャを通して検出器に導くことを更に含み、アパーチャは、コア領域の外側にあるSSC波長光が通過して検出器に達することをブロックする(コア領域の寸法は、上記で説明された)。ある実施形態において、上記で詳細に説明されたように(例えば
図3及びその説明を参照)、第1の光路におけるSSC波長光のコア領域は、直接検出されるか、又は光コンベア(例えば光ファイバ)によって検出器に伝達される。かかる実施形態において、光コンベアは、アパーチャを通過した第1の光路のコア領域より大きい直径を持つ光伝達面を有してもよい。幾つかの例において、アパーチャ及び光コンベア(又は検出器)は、直接接していてもよく、一方で他の実施形態において、それらは、接していなくてもよい(例えば
図3の左及び中央のパネル)。
【0086】
ある実施形態において、方法は、コア領域のサイズである光コンベアの光伝達面、例えばコア領域の直径であるコアを有する光ファイバ(
図3の右のパネルを参照)上に対物レンズの結像集束光の第1の光路を導くことを含む。かかる実施形態において、アパーチャ要素は、必要とされない。光コンベア(例えば光ファイバ)がない実施形態において、対物レンズの結像集束光の第1の光路は、コア領域のサイズである光検出面を有する検出器に導かれる。
【0087】
ある実施形態において、方法は、1つ又は複数の追加の検出器(例えば第2の検出器、第3の検出器等)によって、対物レンズの結像集束光の第2の光路における1つ又は複数の光波長を検出することを含む。第1及び第2の光路を生成する光フィルタの構成に依存して、第2の光路は、光フィルタによって反射されるか又は光フィルタによって通過される対物レンズの集束光とすることができる。
【0088】
ある実施形態において、第2の光路において検出される1つ又は複数の光波長は、少なくとも1つの非SSC波長光を含む。ある実施形態において、少なくとも1つの非SSC波長光は、フローストリームにおける粒子、例えば細胞、サブ細胞粒子(例えば上記のような)から放射される光である。ある実施形態において、SSC及び非SSC波長光の両方が、第2の光路において検出される。上記で注目したように、第2の光路におけるSSC波長光は、第1の光路にないSSC波長光の部分である。一般に、第2の光路におけるSSC波長光の部分は、第1の光路における部分より少ない。SSC波長光が、第1及び第2の光路の両方において別々に検出される場合に、それは、検査中のサンプルの相異なる様相を評価するために用いることができる。例えば、第1の光路におけるSSC波長光(非コア領域のSSC波長光が検出されることをブロックするように処理される)は、検査中のサンプルにおけるサブマイクロメートルサイズの粒子(例えばサブ細胞器官、小胞等)を識別するために用いることができ、一方で第2の光路におけるSSC波長光(非コア領域のSSC波長光が検出されることをブロックするように処理される)は、検査中のサンプルにおけるより大きな粒子を識別するために用いることができる。
【0089】
ある実施形態において、方法は、(上記のように)1つ又は複数の検出器に伝達される前に光を処理する光分散(又は分離器)モジュールに、対物レンズの結像集束光の第2の光路を通過させることを更に含む。
【0090】
主題の方法を実行する際に、本明細書で開示されるような光検出システムを通して伝播される光は、5つ以上の相異なる波長、10以上の相異なる波長、25以上の相異なる波長、50以上の相異なる波長、100以上の相異なる波長、200以上の相異なる波長、300以上の相異なる波長など、及び400以上の相異なる波長で集束光を測定することを含み、1つ又は複数の波長で測定される。
【0091】
幾つかの実施形態において、方法は、一連の波長(例えば200nm〜1000nm)にわたって集束光を測定することを含む。例えば、方法は、200nm〜1000nmの波長領域の1つ又は複数にわたる光スペクトルを集束することを含んでもよい。更に他の実施形態において、方法は、1つ又は複数の特定の波長で集束光を測定することを含む。例えば、集束光は、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びそれらの任意の組み合わせの1つ又は複数で測定されてもよい。ある実施形態において、方法は、あるフルオロフォアの蛍光ピーク波長に一致する光の波長を測定することを含む。
【0092】
集束光は、連続的に又は離散間隔で測定されてもよい。幾つかの例において、方法は、光の測定を連続的に行うことを含む。他の例において、光は、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒、及び1000ミリ秒ごと、又はある他の間隔などの離散間隔で測定される。
【0093】
集束光の測定は、主題の方法の間に、2回以上、3回以上、5回以上、及び10回以上など、1回以上行われても良い。ある実施形態において、光は、2回以上測定され、ある複数の例におけるデータは平均化される。
【0094】
光測定は、限定するわけではないが、数ある光検出器の中で、能動画素センサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、強化型電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、光子計数器、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、光電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、及びそれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含む任意の便利なプロトコルで行われてもよい。ある実施形態において、伝達された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、能動画素センサ(APS)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化膜半導体(NMOS)画像センサで測定される。ある実施形態において、光は、電荷結合素子(CCD)で測定される。伝達される光が、CCDで測定される場合に、CCDの活性検出表面積は、0.01cm
2 〜10cm
2 など、0.05cm
2 〜9cm
2 など、0.1cm
2 〜8cm
2 など、0.5cm
2 〜7cm
2 など、及び1cm
2 〜5cm
2 で変化してもよい。
【0095】
キット
本開示の態様は、キットを更に含み、キットは、本明細書で説明されるようなコア領域の選択的SSC集束モジュールを含む。本明細書で説明されるようなコア領域のSSC集束モジュールは、集束光のコア領域からのSSC波長光の選択的検出を可能にするように構成されている。かかるものとして、キットは、例えばコア領域の外側にあるSSC波長光をブロックするか又は選択的にブロックするための1つ又は複数のアパーチャ要素と、1つ又は複数の光フィルタと、1つ又は複数の光伝達要素と、1つ又は複数の検出器と、それらの任意の組み合わせとを有することができる。ある実施形態において、アパーチャ要素(単複)は、アパーチャ直径を増加又は低減させるための調整可能なアパーチャを有してもよく、調整可能なアパーチャは、それを通過するSSC波長光のコア領域のサイズを調整する。ある実施形態において、コア領域の選択的SSC集束モジュールは、既存の光検出システム、例えばフローサイトメータに追加されるように構成され、且つかかるものとして、モジュールを装着又は挿入するためのハードウェアを有していてもよい。
【0096】
キットの様々な分析コンポーネントが、別個のコンテナに存在してもよく、又はそれらの幾つか又は全ては、予め組み合わされ/組み立てられてもよい。例えば、アパーチャ及び光ファイバ光コンベアは、予め組み立てられ、単一の密封パッケージに存在することができる。
【0097】
上記のコンポーネントに加えて、主題のキットは、(ある実施形態において)例えば、コア領域の選択的SSC集束モジュールを光検出装置に追加するための、又は主題の方法の態様に従ってコア領域の選択的SSC集束モジュールを有するシステムを用いるための指示を更に含んでもよい。これらの指示は、様々な形態で主題のキットに存在してもよく、指示の1つ又は複数が、キットに存在してもよい。これらの指示が存在し得る1つの形態は、適切な媒体又は基板、例えば情報が印刷される1枚又は複数枚の紙、キットのパッケージング、添付文書等における印刷情報として存在する。これらの指示の更に別の形態は、コンピュータ可読媒体、例えばディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブ等であり、それらの上に情報が記録されている。存在可能なこれらの指示の更に別の形態は、隔たったサイトにおける情報にアクセスするために、インターネットを介して用いられ得るウェブサイトアドレスである。
【0098】
ユーティリティ
本明細書で詳述されるようなコア領域のSSC集束モジュールを含む光検出システムは、現在利用可能なシステムとして比較して、SSC検出における信号対雑音比を改善することに用途を見出す。開示されるコア領域のSSC集束モジュールは、多数の光波長を含む対物レンズの結像光で観察される色収差を考慮するように構成されている。これは、例えば、フローストリームにおいて検査されるサンプルにおけるサブ細胞(即ちサブマイクロメートル)サイズの粒子の検出における改善を可能にし、例えばフローサイトメータにおいて、サブマイクロメートルサイズの粒子及びより大きな粒子例えば細胞の両方の改善された同時検出及び分析を可能にする。
【0099】
添付の請求項にもかかわらず、本明細書に記載される開示は、以下の付記によっても定義される。
1.フローセルの検出ゾーンから対物レンズの結像集束光を生成するように構成された集光システムと、
対物レンズの結像集束光を少なくとも2つの光波長に分離するように構成された光分散モジュールと、
少なくとも2つの光波長の第1の光波長を検出するように構成された第1の検出器及び少なくとも2つの光波長の第2の光波長を検出するように構成された第2の検出器であって、第1の光波長がSSC波長光である第1及び第2の検出器と、
集光システムと光分散モジュールとの間に配置されたアパーチャであって、コア領域の外側にある対物レンズの結像集束光からのSSC波長光が第1の検出器に達することを選択的にブロックするように構成された光マスクを含むアパーチャと
を備える光検出システム。
2.アパーチャは、コア領域と一致するために50μm〜500μmにわたる直径を有する付記1に記載の光検出システム。
3.光マスクは、少なくとも1つの非SSC波長光の通過をブロックしない付記1又は2に記載の光検出システム。
4.非SSC波長光は、フローストリームにおける粒子から放射される光である付記3に記載の光検出システム。
5.アパーチャと光分散モジュールとの間に配置された光ファイバ光コンベアを更に備え、光ファイバ光コンベアは、アパーチャを通過した対物レンズの結像集束光を光分散モジュールに伝達するように構成されている付記1〜4のいずれか一つに記載の光検出システム。
【0100】
6.検出器は、フォトダイオードに基づいた光検出器又は光電子増倍管(PMT)を含む付記5に記載の光検出システム。
7.光ファイバ光コンベアは、コア領域より大きい直径を有するコアを含む付記6に記載の光検出システム。
8.フローセルの検出ゾーンから対物レンズの結像集束光を生成するように構成された集光システムと、
対物レンズの結像集束SSC波長光を受光するように構成された検出器と、
対物レンズの結像集束光の少なくとも第1の光路及び第2の光路を生成するように構成された光フィルタであって、第1の光路が、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を含み、且つ第1の光路が検出器に伝達される光フィルタと、
コア領域の外側にある、第1の光路におけるSSC波長光が通過して検出器に達することをブロックするように構成されたアパーチャと
を備える光検出システム。
9.第1の光路は、集束SSC波長光の50%〜99%を含む付記8に記載の光検出システム。
10.対物レンズの結像集束光の第2の光路を少なくとも2つの光波長に分離するように構成された光分散モジュールと、
少なくとも2つの光波長の第1の光波長を検出するように構成された第2の検出器及び少なくとも2つの光波長の第2の光波長を検出するように構成された第3の検出器と
を更に備える付記8又は9に記載の光検出システム。
【0101】
11.アパーチャは、コア領域と一致するために50μm〜500μmにわたる直径を有する付記1〜10のいずれか一つに記載の光検出システム。
12.第2の光路は、少なくとも1つの非SSC波長光を含む付記8〜11のいずれか一つに記載の光検出システム。
13.非SSC波長光は、フローストリームにおける粒子から放射される光である付記12に記載の光検出システム。
14.アパーチャと検出器との間に配置された光ファイバ光コンベアを更に備え、光ファイバ光コンベアは、アパーチャを通過した対物レンズの結像集束光を検出器に伝達するように構成されている付記8〜13のいずれか一つに記載の光検出システム。
15.光ファイバ光コンベアは、コア領域より大きい直径を有するコアを含む付記14に記載の光検出システム。
【0102】
16.アパーチャが、光ファイバ光コンベアに直接装着されている付記15に記載の光検出システム。
17.アパーチャが、検出器に直接装着されている付記8に記載の光検出システム。
18.光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光を反射するように構成されている付記8〜17のいずれか一つに記載の光検出システム。
19.光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光を通過させるように構成されている付記8〜17のいずれか一つに記載の光検出システム。
20.フローセルの検出ゾーンから対物レンズの結像集束光を生成するように構成された集光システムと、
対物レンズの結像集束SSC波長光を受光するように構成された検出器と、
対物レンズの結像集束光の少なくとも第1の光路及び第2の光路を生成するように構成された光フィルタであって、第1の光路が、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を含み、且つ第1の光路が検出器に伝達される光フィルタと、
SSC波長光のコア領域からの第1の光路におけるSSC波長光を検出器に選択的に伝達するように構成された光ファイバ光コンベアと
を備える光検出システム。
【0103】
21.第1の光路は、集束SSC波長光の50%〜99%を含む付記20に記載の光検出システム。
22.対物レンズの結像集束光の第2の光路を少なくとも2つの光波長に分離するように構成された光分散モジュールと、
少なくとも2つの光波長の第1の波長を検出するように構成された第2の検出器及び少なくとも2つの光波長の第2の波長を検出するように構成された第3の検出器と
を更に備える付記20又は21に記載の光検出システム。
23.光ファイバ光コンベアの光伝達コアは、コア領域と一致するために50μm〜500μmにわたる断面直径を有する付記20〜22のいずれか一つに記載の光検出システム。
24.第2の光路は、少なくとも1つの非SSC波長光を含む付記20〜23のいずれか一つに記載の光検出システム。
25.非SSC波長光は、フローストリームにおける粒子から放射される光である付記24に記載の光検出システム。
【0104】
26.検出器は、フォトダイオードに基づいた光検出器又は光電子増倍管(PMT)を含む付記20〜25のいずれか一つに記載の光検出システム。
27.光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光を反射するように構成されている付記20〜26のいずれか一つに記載の光検出システム。
28.光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光を通過させるように構成されている付記20〜26のいずれか一つに記載の光検出システム。
29.光源と、
検出ゾーンを含むフローセルと、
付記1〜28のいずれか一つに記載の光検出システムと
を備えるフローサイトメータ。
30.フローストリームを分析する方法であって、
フローストリームを光源で照射することと、
照射されたフローストリームの検出ゾーンから集束される対物レンズの結像集束光を生成することと、
アパーチャを通して光分散モジュールまで対物レンズの結像集束光を通過させることであって、
(i)アパーチャが、コア領域の外側にある側方散乱(SSC)波長光が通過することを選択的にブロックする光マスクを含み、
(ii)光分散モジュールが、対物レンズの結像集束光を少なくとも第1及び第2の光波長に分離するように構成され、第1の光波長がSSC波長光であることと、
フローストリームを分析するために、第1及び第2の光波長を検出することと
を含む方法。
【0105】
31.アパーチャは、コア領域と一致するために50μm〜500μmにわたる直径を有する付記30に記載の方法。
32.アパーチャは、コア領域と一致するために、直径において200μm〜400μmにわたる直径を有する付記30に記載の方法。
33.光マスクは、少なくとも1つの非SSC光波長の通過をブロックしない付記30〜32のいずれか一つに記載の方法。
34.非SSC光波長は、フローストリームにおける粒子から放射される光である付記33に記載の方法。
35.光ファイバ光コンベアによってアパーチャを通された対物レンズの結像光を光分散モジュールに伝達することを更に含む付記30〜34のいずれか一つに記載の方法。
【0106】
36.フローストリームを分析する方法であって、フローストリームを分析するために、
フローストリームを光源で照射することと、
照射されたフローストリームの検出ゾーンから集束される対物レンズの結像光を生成することと、
対物レンズの結像集束光の少なくとも第1の光路及び第2の光路を生成するように構成された光フィルタ上に対物レンズの結像集束光を導くことであって、第1の光路が、対物レンズの結像集束光からのSSC波長光の少なくとも一部を含むことと、
第1の光路におけるSSC波長光のコア領域を検出器に選択的に伝達するように構成された光ファイバ光コンベアを通して集束SSC波長の第1の光路を伝達することと
を含む方法。
37.光ファイバ光コンベアの光伝達コアは、コア領域と一致するために50μm〜500μmにわたる断面直径を有する付記36に記載の方法。
38.光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光を反射するように構成される付記36又は37に記載の方法。
39.光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光を通過させるように構成される付記36又は37に記載の方法。
40.第1の光路は、集束SSC波長光の50%〜99%を含む付記36〜39のいずれか一つに記載の方法。
【0107】
41.集束SSC波長光の第2の光路にあるSSC波長光が、第2の検出器によって検出される付記36〜40のいずれか一つに記載の方法。
42.検出器は、フォトダイオードに基づいた光検出器又は光電子増倍管(PMT)を含む付記36〜41のいずれか一つに記載の方法。
43.第2の光路は、少なくとも1つの非SSC波長光を含み、方法は、少なくとも1つの非SSC光波長を検出することを更に含む付記36〜42のいずれか一つに記載の方法。
44.非SSC波長光は、フローストリームにおける粒子から放射される光である付記43に記載の方法。
45.フローストリームを分析する方法であって、フローストリームを分析するために、
フローストリームを光源で照射することと、
照射されたフローストリームの検出ゾーンから集束される対物レンズの結像光を生成することと、
対物レンズの結像集束光の少なくとも第1の光路及び第2の光路を生成するように構成された光フィルタ上に対物レンズの結像集束光を導くことであって、第1の光路が、対物レンズの結像集束光からの側方散乱(SSC)波長光の少なくとも一部を含むことと、
アパーチャを通して検出器まで集束SSC波長光の第1の光路を通過させることであって、アパーチャが、コア領域の外側にあるSSC波長光の通過をブロックすることと
を含む方法。
【0108】
46.アパーチャは、コア領域と一致するために50μm〜500μmにわたる直径を有する付記45に記載の方法。
47.光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光を反射するように構成される付記45又は46に記載の方法。
48.光フィルタは、第1の光路を生成するために、対物レンズの結像集束光を通過させるように構成される付記45又は46に記載の方法。
49.第1の光路は、集束SSC波長光の50%〜99%を含む付記45〜48のいずれか一つに記載の方法。
50.集束SSC波長光の第2の光路にあるSSC波長光が、第2の検出器によって検出される付記45〜49のいずれか一つに記載の方法。
【0109】
51.検出器は、フォトダイオードに基づいた光検出器又は光電子増倍管(PMT)を含む付記45〜50のいずれか一つに記載の方法。
52.第2の光路は、少なくとも1つの非SSC波長光を含み、方法は、少なくとも1つの非SSC光波長を検出することを更に含む付記45〜51のいずれか一つに記載の方法。
53.非SSC波長光は、フローストリームにおける粒子から放射される光である付記52に記載の方法。
54.光ファイバ光コンベアによってアパーチャを通過した第1の光路を検出器に伝達することを更に含む付記45〜53のいずれか一つに記載の方法。
55.アパーチャが、光ファイバ光コンベアに直接装着される付記54に記載の方法。
【0110】
56.アパーチャが、検出器に直接装着される付記45に記載の方法。
【0111】
前述の発明は、明確な理解のために実例及び例によって多少詳細に説明されたが、ある変更及び修正が、添付の請求項の趣旨又は範囲から逸脱せずにこの開示に行われ得ることが、この開示の教示に照らして当業者には容易に明らかになる。
【0112】
従って、前述の記載は、単に本発明の原理を示すだけである。本明細書では明示的に説明も図示もされなかったけれども、本発明の原理を具体化し、且つその趣旨と範囲内に含まれる様々な配置を当業者が考案できることが理解されよう。更に、本明細書で挙げられた全ての例及び条件付きの言葉は、かかる特に挙げられた例及び条件に限定されない本発明の原理を理解する際に読者を支援するように主に意図されている。更に、本発明の原理、態様及び実施形態を列挙する本明細書の全ての言明と同様にそれらの具体例は、それらの構造的及び機能的な均等物を包含するように意図されている。加えて、かかる均等物が、現在周知の均等物及び将来開発される均等物の両方、即ち構造にかかわらず同じ機能を実行するどんな開発される要素も含むことが意図されている。従って、本発明の範囲は、本明細書で図示され説明される例示的な実施形態に限定されるようには意図されていない。もっと正確に言えば、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。
【0113】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年2月18日出願の米国仮特許出願第62/117,800号明細書の優先権を主張し、その仮特許出願の開示は、参照によって本明細書で援用される。