【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様により、半導体処理ツールからの
排出ストリームの処理中に少なくとも1つの処理ツールをモニタするためのモニタ装置を提供し、モニタ装置は、
排出ストリームの処理中に発生された処理特性データを受信するように作動可能な受信論理部と、処理特性データを少なくとも1つの処理ツールの
状態に寄与する寄与期間に関連付けられた寄与処理特性データと
状態に寄与しない非寄与期間に関連付けられた非寄与処理特性データとに分別するように作動可能な分別論理部と、
状態のステータスを決定する時に寄与処理特性データを利用し、かつ非寄与処理特性データを除外するように作動可能な故障論理部とを含む。
【0006】
第1の態様は、既存の技術の問題が、それらが顧客へのシステムの受渡し又は前回の保守活動の実施からの経過時間に典型的に依存する固定保守スケジュールに頼ることであることを認識している。そのようなスケジュールは、保守活動が予定されている時にシステムの
状態が保守を必要としない場合があり、又はシステムが想定を上回ってより集中的に使用されたことに起因して保守活動の必要性がある場合があるので、利用度及び保守活動の実際の必要性を考慮していない。第1の態様はまた、処理が作動する期間を測定することが可能である場合があるが、これは、不正確な保守活動をもたらす可能性もあることを認識している。
【0007】
従って、モニタ装置を提供する。モニタ装置は、1又は2以上の処理ツールをモニタすることができる。モニタは、半導体処理ツールの
排出ストリームの処理中である場合がある。モニタ装置は、処理特性データを受信することができる受信論理部を含むことができる。処理特性データは、
排出ストリームが処理される時に発生させることができる。分別論理部も提供することができる。分別論理部は、特性データがツールの
状態に寄与する期間中に発生されたか又はこの
状態に寄与しなかった期間中に発生されたかに基づいて処理特性データを分別、分離、又は分類することができる。従って、処理特性データは、寄与処理特性データと非寄与処理特性データとに分別することができる。故障論理部も提供することができる。故障論理部は、
状態のステータスを決定する時に寄与処理特性データを利用することができる。故障論理部はまた、ステータスを決定する時に非寄与処理特性データを除外することができる。このようにして、ツールの
状態に寄与する期間中に発生されたデータのみが、このツールの
状態のステータスを決定する時に使用される。この
状態に寄与しない期間中に発生された他のデータは、ツールの
状態のステータスの正確な評価を決定することができるように無視又は省略される。これは、ツールの
状態のステータスの正確でより信頼できる評価を与えることを助ける。
【0008】
一実施形態では、受信する段階は、処理ツールから処理特性データを受信する段階を含む。従って、データは、処理ツール自体から受信することができる。
【0009】
一実施形態では、寄与期間は、期間の第1の検出可能ステージを含み、非寄与期間は、第2の検出可能ステージを含む。従って、寄与期間及び非寄与期間は、処理ツールの作動又は非作動のあらゆる検出可能又は差別可能ステージを含むことができる。
【0010】
一実施形態では、寄与期間は、能動半導体処理が発生する期間を含み、非寄与期間は、能動半導体処理が発生しない期間を含む。従って、寄与期間は、能動半導体処理が発生する期間とすることができ、非寄与期間は、能動半導体処理が発生しない期間とすることができる。
【0011】
一実施形態では、寄与期間は、堆積が発生する期間を含み、非寄与期間は、堆積が発生しない期間を含む。従って、半導体処理ツール内の堆積の結果として発生する
状態に対して、寄与期間は、堆積が発生する期間であると考えられる。
【0012】
一実施形態では、寄与期間は、洗浄が発生する期間を含む。
【0013】
一実施形態では、非寄与期間は、パージが発生する期間を含む。
【0014】
一実施形態では、分別論理部は、処理特性データを閾値量と比較することによって寄与期間と非寄与期間を識別するように作動可能である。従って、仮に特性データが選択閾値量を通過すれば、それは、寄与及び非寄与期間の発生を識別することができる。
【0015】
一実施形態では、分別論理部は、処理特性データ内の変異の量を検出することによって寄与期間と非寄与期間を識別するように作動可能である。
【0016】
一実施形態では、分別論理部は、処理特性データ内のパターン照合によって寄与期間と非寄与期間を識別するように作動可能である。一実施形態では、分別論理部は、処理特性データ内の既知の処理パターン(典型的に処理ライブラリ内に含有される)に対するパターン照合によって寄与期間と非寄与期間を識別するように作動可能である。一実施形態では、分別論理部は、処理特性データ内の新しいパターン(典型的に処理ライブラリに追加するための)を識別するように作動可能である。従って、寄与期間及び/又は非寄与期間に関連付けることができる特定のパターンは、処理特性データ内で認識することができる。機械学習パターン照合アルゴリズムの例は、C5、K−平均、コホーネンマップ(クラスター化アルゴリズム)、及びニューラルネットワークを含む。
【0017】
一実施形態では、分別論理部は、処理特性データが閾値時間期間にわたって閾値量と交差するか否かを決定することによって寄与期間と非寄与期間を識別するように作動可能である。従って、これらの期間は、選択閾値時間期間にわたって選択閾値量が交差されることによって識別することができる。
【0018】
一実施形態では、分別論理部は、立ち上がりエッジ時間、立ち下がりエッジ時間、処理特性データ下の面積、及び処理特性データの値間の差のうちの少なくとも1つを決定することによって寄与期間と非寄与期間を識別するように作動可能である。従って、これらの期間は、様々な異なる方法で決定することができる。
【0019】
一実施形態では、分別論理部は、処理特性データのガウス混合解析によって寄与期間と非寄与期間を識別するように作動可能である。
【0020】
一実施形態では、故障論理部は、組合せ寄与処理特性データを与えるために寄与期間からの寄与処理特性データを組み合わせるように作動可能である。従って、寄与期間からの処理特性データは、組合せ寄与処理特性データを与えるために組み合わせるか、集めるか、又は互いに連結することができる。これは、ツールの
状態のステータスに影響を及ぼす累積データを与える。
【0021】
一実施形態では、故障論理部は、組合せ寄与処理特性データを与えるために寄与期間からの寄与処理特性データの平均を組み合わせるように作動可能である。従って、期間からの特性データそれ自体の全てを組み合わせるのではなく、その代わりにデータの平均又は他の統計的に変更された表現を組み合わせることができ、これは、データの安定性を高めることを助ける。
【0022】
一実施形態では、故障論理部は、将来寄与処理特性データを推定するために組合せ寄与処理特性データを外挿するように作動可能である。従って、組合せデータは、将来寄与処理特性データ値を推定、計算、又は近似するために外挿することができる。これは、故障論理部が、いつ保守を必要とする場合があるかを予想するのに使用することができるデータ値の予想を行うことを可能にする。
【0023】
一実施形態では、故障論理部は、将来寄与処理特性データを推定するために推定モデルを用いて組合せ寄与処理特性データを外挿するように作動可能である。
【0024】
一実施形態では、推定モデルは、将来寄与処理特性データを推定するために線形回帰、多項式回帰、差分比例計算、積分ベースの計算、カルマンフィルタリング、粒子フィルタリング、及び事例ベースの推論のうちの少なくとも1つを使用する。推定モデルは、例えば、事例ベースの推論のような経験ベースの技術と組み合わせることができる様々な数学的モデル化技術を使用することができる。精度を改善するために、異なる技術からの出力を組み合わせる実証層を使用して残存使用寿命に対する最適推定値を決定することができる。確率的推論が、このステージ中に広範囲にわたって適用される。
【0025】
一実施形態では、推定モデルは、第1の期間に対して線形回帰、多項式回帰、差分比例計算、積分ベースの計算、カルマンフィルタリング、粒子フィルタリング、及び事例ベースの推論のうちの少なくとも1つ、及び第2の期間に対して線形回帰、多項式回帰、差分比例計算、積分ベースの計算、カルマンフィルタリング、粒子フィルタリング、及び事例ベースの推論のうちの別の少なくとも1つを用いて将来寄与処理特性データを推定するために組合せ寄与処理特性データを外挿するように作動可能である。従って、異なる技術の組合せを使用することができ、その各々は、第1又は第2の期間中により適切である場合がある。
【0026】
一実施形態では、推定モデルは、ベイズ推定技術と将来寄与処理特性データ及び後続受信処理特性データ間の差とを用いて再帰的に較正するように作動可能である。従って、予想将来特性データは、後続受信の実特性データに対して比較することができ、推定モデルは、その推定の精度を改善するために再帰的に較正される。
【0027】
一実施形態では、故障論理部は、非寄与期間中に時間ベースの補正ファクタを将来寄与処理特性データに適用するように作動可能である。従って、寄与期間が発生していない時でさえも変更されるステータスを有する
状態に対して、これらの期間中に推定将来データに補正を加えることができる。例えば、一部の
状態のステータスは、洗浄中に変化し、典型的には、
状態のステータスの深刻度を低下させる。時間ベースの補正を適用することにより、これらを受け入れて予想を更に正確にすることができる。
【0028】
一実施形態では、故障論理部は、将来寄与処理特性データが故障閾値と交差する時に故障
状態を決定するように作動可能である。従って、故障論理部は、推定将来特性データが選択故障閾値と交差するか又はそれを超える時にステータスが故障であると決定する。
【0029】
一実施形態では、故障論理部は、将来寄与処理特性データが故障閾値と交差するまでの寄与期間の回数の表示を与えるように作動可能である。従って、故障論理部は、推定将来寄与特性データが故障閾値と交差するか又はそれを超えるまでに何回の寄与期間が残っているか(残存使用寿命)を示すことができる。これは、故障論理部が、故障の可能性が高くなるまでに何回の寄与期間が残っているかの表示をオペレータに提供することを可能にする。
【0030】
一実施形態では、故障論理部は、将来寄与処理特性データが対応する故障閾値と交差する時に故障
状態の複数の強度を決定するように作動可能である。従って、故障論理部は、故障
状態のいくつかの異なる強度又は深刻度を与えることができる。
【0031】
一実施形態では、故障論理部は、将来寄与処理特性データが故障閾値の各々と交差するまでの寄与期間の回数の表示を与えるように作動可能である。従って、故障論理部は、故障
状態のこれらの異なる深刻度の各々がいつ発生する場合があるかをオペレータに示すことができる。
【0032】
一実施形態では、各故障閾値は、公称作動処理特性データ値からの選択変異を用いて設定される。各閾値を設定するために様々な異なる方法を使用することができることは認められるであろう。
【0033】
一実施形態では、故障論理部は、非寄与処理特性データが非寄与期間中に選択量よりも大きく変異する時に故障
状態を識別するように作動可能である。従って、故障論理部は、非寄与期間中に非寄与特性データが選択閾値量よりも大きく変異又は変化する時に故障を識別することができる。
【0034】
一実施形態では、処理ツールは、真空ポンプ及び排除装置のうちの少なくとも一方を含む。
【0035】
一実施形態では、処理特性データは、処理ツール及び
排出ストリームのうちの一方の温度、処理ツール内の
排出ストリームの圧力、処理ツールの電力消費、及び処理ツールを通る流量のうちの少なくとも1つを含む。様々な異なる測定可能特性データを利用することができることは認められるであろう。
【0036】
第2の態様により、半導体処理ツールからの
排出ストリームの処理中に少なくとも1つの処理ツールをモニタする方法を提供し、本方法は、
排出ストリームの処理中に発生された処理特性データを受信する段階と、処理特性データを少なくとも1つの処理ツールの
状態に寄与する寄与期間に関連付けられた寄与処理特性データと
状態に寄与しない非寄与期間に関連付けられた非寄与処理特性データとに分別する段階と、
状態のステータスを決定する時に寄与処理特性データを利用し、かつ非寄与処理特性データを除外する段階とを含む。
【0037】
一実施形態では、受信する段階は、処理ツールから処理特性データを受信する段階を含む。
【0038】
一実施形態では、寄与期間は、期間の第1の検出可能ステージを含み、非寄与期間は、第2の検出可能ステージを含む。従って、寄与期間及び非寄与期間は、処理ツールの作動又は非作動のあらゆる検出可能又は差別可能ステージを含むことができる。
【0039】
一実施形態では、寄与期間は、能動半導体処理が発生する期間を含み、非寄与期間は、能動半導体処理が発生しない期間を含む。
【0040】
一実施形態では、寄与期間は、堆積が発生する期間を含み、非寄与期間は、堆積が発生しない期間を含む。
【0041】
一実施形態では、寄与期間は、洗浄が発生する期間を含む。
【0042】
一実施形態では、非寄与期間は、パージが発生する期間を含む。
【0043】
一実施形態では、分別は、処理特性データを閾値量と比較することによって寄与期間と非寄与期間を識別する段階を含む。
【0044】
一実施形態では、分別は、処理特性データ内の変異量を検出することによって寄与期間と非寄与期間を識別する段階を含む。
【0045】
一実施形態では、分別は、処理特性データ内のパターン照合によって寄与期間と非寄与期間を識別する段階を含む。
【0046】
一実施形態では、分別は、処理特性データが閾値時間期間にわたって閾値量と交差するか否かを決定することによって寄与期間と非寄与期間を識別する段階を含む。
【0047】
一実施形態では、分別は、立ち上がりエッジ時間、立ち下がりエッジ時間、処理特性データ下の面積、及び処理特性データ値間の差のうちの少なくとも1つを決定することによって寄与期間と非寄与期間を識別する段階を含む。
【0048】
一実施形態では、分別は、処理特性データのガウス混合解析によって寄与期間と非寄与期間を識別する段階を含む。
【0049】
一実施形態では、利用する段階は、組合せ寄与処理特性データを与えるために寄与期間からの寄与処理特性データを組み合わせる段階を含む。
【0050】
一実施形態では、利用する段階は、組合せ寄与処理特性データを与えるために寄与期間からの寄与処理特性データの平均を組み合わせる段階を含む。
【0051】
一実施形態では、利用する段階は、将来寄与処理特性データを推定するために組合せ寄与処理特性データを外挿する段階を含む。
【0052】
一実施形態では、利用する段階は、将来寄与処理特性データを推定するために推定モデルを用いて組合せ寄与処理特性データを外挿する段階を含む。
【0053】
一実施形態では、推定モデルを使用する段階は、将来寄与処理特性データを推定するために線形回帰、多項式回帰、差分比例計算、積分ベースの計算、カルマンフィルタリング、粒子フィルタリング、及び事例ベースの推論のうちの少なくとも1つを使用する段階を含む。
【0054】
一実施形態では、推定モデルを使用する段階は、将来寄与処理特性データを推定するために第1の期間に対して線形回帰、多項式回帰、差分比例計算、積分ベースの計算、カルマンフィルタリング、粒子フィルタリング、及び事例ベースの推論のうちの少なくとも1つ、及び第2の期間に対して線形回帰、多項式回帰、差分比例計算、積分ベースの計算、カルマンフィルタリング、粒子フィルタリング、及び事例ベースの推論のうちの別の少なくとも1つを用いて組合せ寄与処理特性データを外挿する段階を含む。
【0055】
一実施形態では、本方法は、ベイズ推定技術と将来寄与処理特性データ及び後続受信処理特性データ間の差とを用いて推定モデルを再帰的に較正する段階を含む。
【0056】
一実施形態では、利用する段階は、非寄与期間中に時間ベースの補正ファクタを将来寄与処理特性データに適用する段階を含む。
【0057】
一実施形態では、利用する段階は、将来寄与処理特性データが故障閾値と交差する時に故障
状態を決定する段階を含む。
【0058】
一実施形態では、利用する段階は、将来寄与処理特性データが故障閾値と交差するまでの寄与期間の回数の表示を与える段階を含む。
【0059】
一実施形態では、利用する段階は、将来寄与処理特性データが対応する故障閾値と交差する時に故障
状態の複数の強度を決定する段階を含む。
【0060】
一実施形態では、利用する段階は、将来寄与処理特性データが故障閾値の各々と交差するまでの寄与期間の回数の表示を与える段階を含む。
【0061】
一実施形態では、本方法は、公称作動処理特性データ値からの選択変異を用いて各故障閾値を設定する段階を含む。
【0062】
一実施形態では、利用する段階は、非寄与処理特性データが非寄与期間中に選択量よりも大きく変異する時に故障
状態を識別する段階を含む。
【0063】
一実施形態では、処理ツールは、真空ポンプ及び排除装置のうちの少なくとも一方を含む。
【0064】
一実施形態では、処理特性データは、処理ツール及び
排出ストリームのうちの一方の温度、処理ツール内の
排出ストリームの圧力、処理ツールの電力消費、及び処理ツールを通る流量のうちの少なくとも1つを含む。
【0065】
第3の態様により、コンピュータ上で実行された時に第2の態様の方法段階を実施するように作動可能なコンピュータプログラム製品を提供する。
【0066】
更に別の特定のかつ好ましい態様は、添付の独立及び従属請求項に示している。従属請求項の特徴は、適切な場合にかつ請求項に明示的に指すもの以外の組合せで独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0067】
装置特徴が機能を与えるように作動可能であるように説明される場合に、これは、その機能を与えるか又はその機能を与えるように適合又は構成された装置特徴を含むことは認められるであろう。
【0068】
ここで添付図面を参照して本発明の実施形態を以下で更に説明する。