特許第6937701号(P6937701)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 太陽インキ製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6937701-ドライフィルムおよびプリント配線板 図000018
  • 特許6937701-ドライフィルムおよびプリント配線板 図000019
  • 特許6937701-ドライフィルムおよびプリント配線板 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937701
(24)【登録日】2021年9月2日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】ドライフィルムおよびプリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20210909BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20210909BHJP
   B32B 27/38 20060101ALI20210909BHJP
   B32B 27/24 20060101ALI20210909BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20210909BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20210909BHJP
   C08K 9/06 20060101ALI20210909BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20210909BHJP
   G03F 7/032 20060101ALI20210909BHJP
   C08J 7/04 20200101ALI20210909BHJP
【FI】
   H05K3/28 F
   H05K1/03 610L
   H05K1/03 610R
   B32B27/38
   B32B27/24
   B32B27/20 Z
   C08L63/00 C
   C08K9/06
   G03F7/004 512
   G03F7/004 501
   G03F7/032 501
   C08J7/04 ZCFD
【請求項の数】9
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2017-561542(P2017-561542)
(86)(22)【出願日】2016年12月6日
(86)【国際出願番号】JP2016086192
(87)【国際公開番号】WO2017122460
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2019年11月19日
(31)【優先権主張番号】特願2016-4825(P2016-4825)
(32)【優先日】2016年1月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】310024066
【氏名又は名称】太陽インキ製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 新
(72)【発明者】
【氏名】播磨 英司
(72)【発明者】
【氏名】中条 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】興津 諭
(72)【発明者】
【氏名】青山 良朋
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−216317(JP,A)
【文献】 特開2015−179829(JP,A)
【文献】 特開2005−264109(JP,A)
【文献】 特開2015−056480(JP,A)
【文献】 特開2009−227992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/28
H05K 1/03
B32B 27/00 −27/42
C08L 63/00
C08K 9/06
G03F 7/004
G03F 7/032
C08J 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムと、該フィルム上に形成したエポキシ樹脂を含む樹脂層と、を有するドライフィルムであって、
前記樹脂層の溶融粘度が、100℃で60〜5500dPa・sであり、
前記樹脂層の貯蔵弾性率が、100℃で80〜5500Paであり、
前記樹脂層が、前記エポキシ樹脂として、少なくとも液状エポキシ樹脂を含み、
前記液状エポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂全質量あたり60質量%未満であり、
前記樹脂層を硬化して得られる硬化膜上にメッキレジストを形成する用途に用いられることを特徴とするドライフィルム。
【請求項2】
前記樹脂層中の残留溶剤量が、1.0〜7.0質量%である請求項1記載のドライフィルム。
【請求項3】
前記樹脂層中に、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、シクロヘキサノン、炭素数が8以上の芳香族炭化水素およびメチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも2種の有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載のドライフィルム。
【請求項4】
前記樹脂層が、前記エポキシ樹脂として、さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の半固形エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のドライフィルム。
【請求項5】
前記樹脂層が、フィラーを含み、
前記フィラーの平均粒径が、0.1〜10μmである請求項1〜4のいずれか一項記載のドライフィルム。
【請求項6】
前記樹脂層が、フィラーを含み、
前記フィラーの配合量が、樹脂層全量(樹脂層が溶剤を含む場合は溶剤を除く全量)あたり40〜80質量%である請求項1〜5のいずれか一項記載のドライフィルム。
【請求項7】
前記樹脂層が、フィラーを含み、
前記フィラーが、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イソシアネート基を有するシランカップリング剤、ビニル基を有するシランカップリング剤、スチリル基を有するシランカップリング剤、メタクリル基を有するシランカップリング剤およびアクリル基を有するシランカップリング剤の少なくともいずれか1種で表面処理されている請求項1〜6のいずれか一項記載のドライフィルム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
【請求項9】
請求項8記載の硬化物を具備することを特徴とするプリント配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライフィルムおよびプリント配線板に関し、詳しくは、埋め込み性および平坦性に優れる樹脂層を有するドライフィルム、該ドライフィルムを硬化して得られる硬化物を具備するプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等に用いられるプリント配線板に設けられるソルダーレジストや層間絶縁層等の保護膜や絶縁層の形成手段の一つとして、ドライフィルムが利用されている(例えば特許文献1〜3)。ドライフィルムは、所望の特性を有する硬化性樹脂組成物をキャリアフィルムの上に塗布後、乾燥工程を経て得られる樹脂層を有し、一般的には、キャリアフィルムとは反対側の面を保護するための保護フィルムがさらに積層された状態で市場に流通している。ドライフィルムの樹脂層を、回路パターンを有する基材にラミネートした後、パターニングや硬化処理を施すことによって、上記のような保護膜や絶縁層をプリント配線板に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−15119号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2002−162736号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特開2003−131366号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドライフィルムの樹脂層を基材にラミネートする際に、基材上の回路パターンの凹凸に対して十分に樹脂層が埋め込まれずに、樹脂層と基材の間に気泡が生じてしまうことがあり、このような気泡によって樹脂層と基材との密着性が損なわれる場合があった。
【0005】
また、ラミネート後のドライフィルムの樹脂層の外側の表面を平坦にするために、真空ラミネートやプレスが行われているが、基材上の回路パターンの凹凸が外側の表面に転写されてしまうため、平坦性が十分ではなかった。特に、近年の電子機器の軽薄短小化の流れからプリント配線板も薄型化し、ドライフィルムの樹脂層もより一層薄くなることが求められている。これにより、真空ラミネートやプレスを行ったとしても基材への樹脂層の埋め込み性や、樹脂層の外側表面の平坦性を得ることが難しくなっている。
【0006】
そこで本発明の目的は、埋め込み性および平坦性に優れる樹脂層を有するドライフィルム、および、該ドライフィルムを硬化して得られる硬化物を具備するプリント配線板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記を鑑み鋭意検討した結果、100℃における溶融粘度が60〜5500dPa・sであり、100℃における貯蔵弾性率が10〜5500Paであり、液状エポキシ樹脂をエポキシ樹脂全量に対し60質量%未満で含有する樹脂層を有するドライフィルムを用いることによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明のドライフィルムは、フィルムと、該フィルム上に形成したエポキシ樹脂を含む樹脂層と、を有するドライフィルムであって、前記樹脂層の溶融粘度が、100℃で60〜5500dPa・sであり、前記樹脂層の貯蔵弾性率が、100℃で80〜5500Paであり、前記樹脂層が、前記エポキシ樹脂として、少なくとも液状エポキシ樹脂を含み、
前記液状エポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂全質量に対し60質量%未満であることを特徴とするものである。
【0009】
本発明のドライフィルムは、前記樹脂層中の残留溶剤量が、1.0〜7.0質量%であることが好ましい。
【0010】
本発明のドライフィルムは、前記樹脂層中に、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、シクロヘキサノン、炭素数が8以上の芳香族炭化水素およびメチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも2種の有機溶剤を含むことが好ましい。
【0011】
本発明のドライフィルムは、前記樹脂層が、前記エポキシ樹脂として、さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の半固形エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
【0012】
本発明のドライフィルムは、前記樹脂層が、フィラーを含み、前記フィラーの平均粒径が、0.1〜10μmであることが好ましい。
【0013】
本発明のドライフィルムは、前記樹脂層が、フィラーを含み、前記フィラーの含有量が、樹脂層全量(樹脂層が溶剤を含む場合は溶剤を除く全量)あたり40〜80質量%であることが好ましい。
【0014】
本発明のドライフィルムは、前記樹脂層が、フィラーを含み、前記フィラーが、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イソシアネート基を有するシランカップリング剤、ビニル基を有するシランカップリング剤、スチリル基を有するシランカップリング剤、アクリル基を有するシランカップリング剤およびメタクリル基を有するシランカップリング剤の少なくともいずれか1種で表面処理されていることが好ましい。
【0015】
本発明の硬化物は、前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
【0016】
本発明のプリント配線板は、前記硬化物を具備することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、埋め込み性および平坦性に優れる樹脂層を有するドライフィルム、および、該ドライフィルムを硬化して得られる硬化物を具備するプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の積層構造体の一実施態様を模式的に示す概略断面図である。
図2】本発明の積層構造体の他の一実施態様を模式的に示す概略断面図である。
図3】エポキシ樹脂の液状判定に用いた2本の試験管を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<ドライフィルム>
本発明のドライフィルムは、フィルムと、該フィルム上に形成した樹脂層と、を有するドライフィルムであって、前記樹脂層の溶融粘度が、100℃で60〜5500dPa・sであり、前記樹脂層の貯蔵弾性率が、100℃で80〜5500Paであり、前記樹脂層が、前記エポキシ樹脂として、少なくとも液状エポキシ樹脂を含み、前記液状エポキシ樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂全量に対し60質量%未満であることを特徴とする。詳しいメカニズムは明らかではないが、樹脂層の溶融粘度および貯蔵弾性率の両方を上記範囲に調整し、かつ、樹脂層に含まれる液状エポキシ樹脂のエポキシ樹脂全量に対する割合を60質量%未満にすることによって、埋め込み性と平坦性が顕著に改善される。
【0020】
また、本発明のドライフィルムによれば、表面が平坦な硬化膜を形成することができるので、その上にメッキレジストを形成した場合、メッキレジストのラインの欠落や現像不良を抑制することができる。すなわち、本発明のドライフィルムによれば、メッキレジストの形成性に優れた硬化物を得ることができる。これによって、樹脂層の上に高精細な導電回路を形成することも可能となる。
これに対し、ドライフィルムの樹脂層の溶融粘度が100℃で60dPa・s未満または樹脂層の貯蔵弾性率が100℃で80Pa未満となると、ドライフィルムのラミネート時に気泡を巻き込みやすくなり、埋め込み性を得ることが困難になる。一方、樹脂層の溶融粘度が100℃で5500dPa・s超または樹脂層の貯蔵弾性率が100℃で5500Pa超となると、樹脂層の外側表面の平坦性を得ることが困難になる。樹脂層の溶融粘度は、100℃で400〜3000dPa・sであることが好ましく、樹脂層の貯蔵弾性率が、100℃で100〜3500Paであることが好ましい。また、液状エポキシ樹脂の含有量がエポキシ樹脂全量に対し60質量%以上となる場合も、ドライフィルムの埋め込み性と樹脂層の外側表面の平坦性を得ることが困難となる。
【0021】
前記樹脂層の溶融粘度が、100℃で3000dPa・s以下であり、前記樹脂層の貯蔵弾性率が、100℃で3000Pa以下であると、平坦性およびメッキレジストの形成性に優れるため好ましい。
【0022】
前記樹脂層の溶融粘度が、100℃で100dPa・s以上であり、前記樹脂層の貯蔵弾性率が、100℃で100Pa以上であると、ラミネート時に気泡を巻き込みにくく、より埋め込み性に優れるため好ましい。
【0023】
前記樹脂層の溶融粘度が、100℃で500〜3000dPa・sであり、前記樹脂層の貯蔵弾性率が、100℃で500〜3000Paであることがさらに好ましい。
【0024】
樹脂層の溶融粘度および貯蔵弾性率の調整方法は特に限定されないが、後述するように、フィラーの配合量、粒径、種類等を選択することによって容易に調整することができる。また、熱硬化性成分や硬化剤によっても調整することができる。
【0025】
図1は、本発明のドライフィルムの一実施形態を示した概略断面図である。樹脂層12が、フィルム13上に形成された二層構造のドライフィルム11である。また、図2に示すように、第一のフィルム23の上に樹脂層22を形成し、樹脂層22の表面を保護するために、さらに第二のフィルム24を積層した三層構造のドライフィルム21であってもよい。必要に応じて、フィルムと樹脂層との間に他の樹脂層を設けてもよい。
【0026】
[樹脂層]
本発明のドライフィルムの樹脂層は、一般にBステージ状態と言われる状態であり、硬化性樹脂組成物から得られるものである。具体的には、ドライフィルムの樹脂層は、フィルムに硬化性樹脂組成物を塗布後、乾燥工程を経て得られる。前記硬化性樹脂組成物は、上記溶融粘度、貯蔵弾性率および液状エポキシ樹脂の配合量を満たす限り、その他の成分の種類や配合量は特に限定されない。樹脂層の膜厚は特に限定されず、例えば、乾燥後の膜厚が1〜200μmであれば良いが、樹脂層の膜厚が薄くなるほど本発明の効果が顕著に得られる。具体的には、樹脂層の膜厚が好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下であるほど本発明の効果を発揮しやすくなるので好ましい。
【0027】
前記樹脂層は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、従来公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ樹脂、分子中にエポキシ基を多数有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、水素添加されたエポキシ樹脂であってもよい。前記樹脂層は、前記エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂を、前記エポキシ樹脂全質量あたり60質量%未満の含有量で含む。前記樹脂層は、液状エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂として、固形エポキシ樹脂および半固形エポキシ樹脂の少なくとも何れか一方を含有する。本明細書において、固形エポキシ樹脂とは40℃で固体状であるエポキシ樹脂をいい、半固形エポキシ樹脂とは20℃で固体状であり、40℃で液状であるエポキシ樹脂をいい、液状エポキシ樹脂とは20℃で液状のエポキシ樹脂をいう。
【0028】
液状の判定は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行う。
(1)装置
恒温水槽:
攪拌機、ヒーター、温度計、自動温度調節器(±0.1℃で温度制御が可能なもの)を備えたもので深さ150mm以上のものを用いる。
尚、後述する実施例で用いたエポキシ樹脂の判定では、いずれもヤマト科学社製の低温恒温水槽(型式BU300)と投入式恒温装置サーモメイト(型式BF500)の組み合わせを用い、水道水約22リットルを低温恒温水槽(型式BU300)に入れ、これに組み付けられたサーモメイト(型式BF500)の電源を入れて設定温度(20℃または40℃)に設定し、水温を設定温度±0.1℃にサーモメイト(型式BF500)で微調整したが、同様の調整が可能な装置であればいずれも使用できる。
【0029】
試験管:
試験管としては、図3に示すように、内径30mm、高さ120mmの平底円筒型透明ガラス製のもので、管底から55mmおよび85mmの高さのところにそれぞれ標線31、32が付され、試験管の口をゴム千33aで密閉した液状判定用試験管30aと、同じサイズで同様に標線が付され、中央に温度計を挿入・支持するための孔があけられたゴム栓33bで試験管の口を密閉し、ゴム栓33bに温度計34を挿入した温度測定用試験管30bを用いる。以下、管底から55mmの高さの標線を「A線」、管底から85mmの高さの標線を「B線」という。
温度計34としては、JIS B7410(1982)「石油類試験用ガラス製温度計」に規定する凝固点測定用のもの(SOP−58目盛範囲20〜50℃)を用いるが、0〜50℃の温度範囲が測定できるものであればよい。
【0030】
(2)試験の実施手順
温度20±5℃の大気圧下で24時間以上放置した試料を、図3(a)に示す液状判定用試験管30aと図3(b)に示す温度測定用試験管30bにそれぞれA線まで入れる。2本の試験管30a、30bを低温恒温水槽にB線が水面下になるように直立させて静置する。温度計は、その下端がA線よりも30mm下となるようにする。
試料温度が設定温度±0.1℃に達してから10分間そのままの状態を保持する。10分後、液状判断用試験管30aを低温恒温水槽から取り出し、直ちに水平な試験台の上に水平に倒し、試験管内の液面の先端がA線からB線まで移動した時間をストップウォッチで測定し、記録する。試料は、設定温度において、測定された時聞が90秒以内のものを液状、90秒を超えるものを固体状と判定する。
【0031】
固形エポキシ樹脂としては、DIC社製HP−4700(ナフタレン型エポキシ樹脂)、DIC社製EXA4700(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、日本化薬社製NC−7000(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬社製EPPN−502H(トリスフェノールエポキシ樹脂)等のフェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC社製エピクロンHP−7200H(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC−3000L等のビフェニル/フェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製エピクロンN660、エピクロンN690、日本化薬社製EOCN−104S等のノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学社製YX−4000等のビフェニル型エポキシ樹脂;新日鉄住金化学社製TX0712等のリン含有エポキシ樹脂;日産化学工業社製TEPIC等のトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0032】
半固形エポキシ樹脂としては、DIC社製エピクロン860、エピクロン900−IM、エピクロンEXA―4816、エピクロンEXA−4822、旭チバ社製アラルダイトAER280、東都化成社製エポトートYD−134、三菱化学社製jER834、jER872、住友化学工業社製ELA−134等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC社製エピクロンHP−4032等のナフタレン型エポキシ樹脂;DIC社製エピクロンN−740等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
半固形状エポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。それらの半固形状エポキシ樹脂を含むことにより、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高く、CTEが低くなり、クラック耐性に優れる。
【0033】
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0034】
エポキシ樹脂は、2種以上を組み合わせて用いることができる。エポキシ樹脂の配合量は、溶剤を除いたドライフィルムの樹脂層全量基準で、5〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、5〜35質量%がさらに好ましい。また、液状エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂全質量あたり、5〜45質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが特に好ましい。
【0035】
前記樹脂層は、フィラーを含有することが好ましい。フィラーを含有することによって、絶縁層の周囲にある銅等の導体層と熱強度を合わせることにより、ドライフィルムの熱特性を向上することができる。フィラーとしては従来公知の無機フィラーおよび有機フィラーが使用でき、特定のものに限定されないが、塗膜の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性の向上に寄与する無機フィラーが好ましい。無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムネオジム、チタン酸バリウム錫、チタン酸鉛、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカなどのシリカ、タルク、クレー、ノイブルグ珪土粒子、ベーマイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の体質顔料や、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金、白金等の金属粉体が挙げられる。
上記フィラーの中でも、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸バリウムネオジム、チタン酸バリウム錫、チタン酸鉛、酸化チタンを使用すると、誘電率を高くすることでき、回路の隠ぺい性を向上させることができるので、好ましい。
無機フィラーは球状粒子であることが好ましい。フィラーの平均粒径は、0.1〜10μmであることが好ましい。なお、本願明細書において、フィラーの平均粒径は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒径である。平均粒径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。レーザー回折法による測定装置としては、日機装社製Nanotrac waveなどが挙げられる。
【0036】
前記無機フィラーは、表面処理されていることが好ましい。表面処理としては、カップリング剤による表面処理が好ましい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を用いることができる。中でも、シランカップリング剤が好ましい。
【0037】
シランカップリング剤としては、有機基として、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イソシアネート基を有するシランカップリング剤、ビニル基を有するシランカップリング剤、スチリル基を有するシランカップリング剤、メタクリル基を有するシランカップリング剤、アクリル基を有するシランカップリング剤等を用いることができる。特に、下地回路との密着性に優れることから、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましい。
【0038】
また、無機フィラーは、アルミナ処理等の有機基を導入しない表面処理がされていてもよい。
【0039】
表面処理した無機フィラーは、表面処理された状態でドライフィルムの樹脂層に配合されていればよく、硬化性樹脂組成物を調整する際に表面未処理の無機フィラーと表面処理剤とを別々に配合して組成物中で無機フィラーが表面処理されてもよいが、硬化性樹脂組成物を調整する際に予め表面処理した無機フィラーを配合することが好ましい。予め表面処理した無機フィラーを配合することによって、樹脂層の硬化後の平坦性およびメッキレジストの形成性がより向上し、また、加湿後の誘電正接に優れる。予め表面処理する場合は、溶剤に無機フィラーを予備分散した予備分散液を配合することが好ましく、表面処理した無機フィラーを溶剤に予備分散し、該予備分散液を組成物に配合するか、表面未処理の無機フィラーを溶剤に予備分散する際に十分に表面処理した後、該予備分散液を組成物に配合することがより好ましい。
ここで、予めビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理したシリカを配合すると加湿後の誘電正接に優れる。また、予めビニル基を有するシランカップリング剤で表面処理したアルミナを配合すると放熱性に優れる。
【0040】
フィラーの配合量は、溶剤を除いたドライフィルムの樹脂層全量基準で、25〜85質量%であることが好ましく、40〜85質量%であることがより好ましい。フィラーの配合量が25〜85質量%の場合、埋め込み性に優れる。25質量%以上であると、線膨張係数を低くでき、放熱特性に優れる。
また、フィラーを2種以上組み合わせて用いると、平坦性およびメッキレジストの形成性に優れるため好ましい。ここで、フィラーとして平均一次粒径が100nm以下のナノフィラーを含む場合、フィラーの充填効率を高くすることができる。これにより、加湿後の誘電正接を低くでき、線膨張係数を小さくでき、リフロー後の冷熱サイクル時のクラック耐性を向上できる。
【0041】
前記樹脂層中の残留溶剤量が、1.0〜7.0質量%であることが好ましく、3.0〜5.0質量%であることがより好ましく、3.5〜4.5質量%であることがさらにより好ましい。残留溶剤が7.0質量%以下であると、熱硬化時の突沸を抑え、表面の平坦性が良好となる。また、溶融粘度が下がり過ぎて樹脂が流れてしまうことを抑制でき、平坦性が良好となる。残留溶剤が1.0質量%以上であると、ラミネート時の流動性が良好で、平坦性および埋め込み性が良好となる。また、残留溶剤が3.0〜5.0質量%であると、ドライフィルムのハンドリング性および塗膜特性に優れる。
【0042】
前記樹脂層中に、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、シクロヘキサノン、炭素数が8以上の芳香族炭化水素およびメチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも2種の有機溶剤を含むことが好ましい。樹脂層の形成にそのような有機溶剤を含む樹脂組成物を用いると、乾燥マージンを得られやすくなる。すなわち、乾燥時間を長くとることができ、乾燥時間の自由度が向上する。
【0043】
前記硬化性樹脂組成物は、液状エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物であり、具体例として、光硬化性熱硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、光重合開始剤を含有する光硬化性熱硬化性樹脂組成物、光塩基発生剤を含有する光硬化性熱硬化性樹脂組成物、光酸発生剤を含有する光硬化性熱硬化性樹脂組成物、ネガ型光硬化性熱硬化性樹脂組成物およびポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物、アルカリ現像型光硬化性熱硬化性樹脂組成物、溶剤現像型光硬化性熱硬化性樹脂組成物、膨潤剥離型熱硬化性樹脂組成物、溶解剥離型熱硬化性樹脂組成物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚、液状エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂としては、前記樹脂層が含有するエポキシ樹脂として例示したものが挙げられる。
【0044】
(光硬化性熱硬化性樹脂組成物)
光硬化性熱硬化性樹脂組成物の一例として、エポキシ樹脂の他に、カルボキシル基含有樹脂と、光重合開始剤とを含む樹脂組成物について、下記に説明する。
【0045】
カルボキシル基含有樹脂は、カルボキシル基が含まれることによりアルカリ現像性とすることができる。また、光硬化性や耐現像性の観点から、カルボキシル基の他に、分子内にエチレン性不飽和結合を有することが好ましいが、エチレン性不飽和結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを使用してもよい。カルボキシル基含有樹脂がエチレン性不飽和結合を有さない場合は、組成物を光硬化性とするために分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(感光性モノマー)を併用する必要がある。エチレン性不飽和結合としては、アクリル酸もしくはメタアクリル酸またはそれらの誘導体由来のものが好ましい。カルボキシル基含有樹脂の中でも、共重合構造を有するカルボキシル基含有樹脂、ウレタン構造を有するカルボキシル基含有樹脂、エポキシ樹脂を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂、フェノール化合物を出発原料とするカルボキシル基含有樹脂が好ましい。カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーまたはポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
【0046】
(1)後述するような2官能またはそれ以上の多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などの2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。ここで、2官能またはそれ以上の多官能エポキシ樹脂は固形であることが好ましい。
【0047】
(2)後述するような2官能エポキシ樹脂の水酸基を、さらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。ここで、2官能エポキシ樹脂は固形であることが好ましい。
【0048】
(3)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸などの不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0049】
(4)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ノボラック型フェノール樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ナフトールとアルデヒド類の縮合物、ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類との縮合物などの1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に、(メタ)アクリル酸などの不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0050】
(5)1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に、不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0051】
(6)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物などのジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に、酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
【0052】
(7)ジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸などのカルボキシル基含有ジアルコール化合物と、ジオール化合物との重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
【0053】
(8)ジイソシアネートと、カルボキシル基含有ジアルコール化合物と、ジオール化合物との重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
【0054】
(9)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレンなどの不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0055】
(10)多官能オキセタン樹脂に、アジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などのジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に、2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂に、さらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどの1分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0056】
(11)上述した(1)〜(10)のいずれかのカルボキシル基含有樹脂に、1分子中に環状エーテル基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
【0057】
なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語で、以下他の類似の表現についても同様である。
【0058】
カルボキシル基含有樹脂の酸価は、40〜150mgKOH/gであることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g以上とすることにより、アルカリ現像が良好になる。また、酸価を150mgKOH/gを以下とすることで、正常なレジストパターンの描画をし易くできる。より好ましくは、50〜130mgKOH/gである。
【0059】
カルボキシル基含有樹脂の配合量は、溶剤を除いたドライフィルムの樹脂層全量基準で、20〜60質量%であることが好ましい。20質量%以上とすることにより塗膜強度を向上させることができる。また60質量%以下とすることで粘性が適当となり加工性が向上する。より好ましくは、20〜50質量%である。
【0060】
光重合開始剤としては、公知のものを用いることができるが、なかでも、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が好ましい。光重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
光重合開始剤の配合量としては、例えば、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対し、0.1〜30質量部である。
【0061】
オキシムエステル系光重合開始剤を使用する場合の配合量は、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.01〜5質量部とすることが好ましい。0.01質量部以上とすることにより、銅上での光硬化性がより確実となり、耐薬品性などの塗膜特性が向上する。また、5質量部以下とすることにより、塗膜表面での光吸収が抑えられ、深部の硬化性も向上する傾向がある。より好ましくは、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して0.5〜3質量部である。
【0062】
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤またはアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いる場合のそれぞれの配合量は、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、0.01〜15質量部であることが好ましい。0.01質量部以上とすることにより、銅上での光硬化性がより確実となり、耐薬品性などの塗膜特性が向上する。また、15質量部以下とすることにより、十分なアウトガスの低減効果が得られ、さらに硬化被膜表面での光吸収が抑えられ、深部の硬化性も向上する。より好ましくはカルボキシル基含有樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部である。
【0063】
上記した光重合開始剤と併用して、光開始助剤または増感剤を用いてもよい。光開始助剤または増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、およびキサントン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、光重合開始剤として用いることができる場合もあるが、光重合開始剤と併用して用いることが好ましい。また、光開始助剤または増感剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0064】
光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、耐熱性、絶縁信頼性等の特性を向上させる目的で、エポキシ樹脂以外の熱硬化性成分が含まれていてもよい。そのような熱硬化性成分としては、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。
【0065】
熱硬化性成分の配合量は、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して10〜100質量部が好ましい。
【0066】
光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化触媒を含有することが好ましい。そのような熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などが挙げられる。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を熱硬化触媒と併用する。
【0067】
熱硬化触媒の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。
【0068】
光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、上記したカルボキシル基含有樹脂、光重合開始剤、およびエポキシ樹脂に加えて、感光性モノマーが含まれていてもよい。感光性モノマーは、分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物である。感光性モノマーは、活性エネルギー線照射によるカルボキシル基含有樹脂の光硬化を助けるものである。
【0069】
感光性モノマーとして用いられる化合物としては、例えば、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;前記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および前記アクリレートに対応する各メタクリレート類のいずれか少なくとも1種から適宜選択して用いることができる。
【0070】
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物などを感光性モノマーとして用いてもよい。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、光硬化性を向上させることができる。
【0071】
感光性モノマーとして用いられる分子中にエチレン性不飽和結合を有する化合物の配合量は、好ましくはカルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、5〜100質量部、より好ましくは5〜70質量部の割合である。エチレン性不飽和結合を有する化合物の配合量を5質量部以上とすることにより、光硬化性熱硬化性樹脂組成物の光硬化性が向上する。また、配合量を100質量部以下とすることにより、塗膜硬度を向上させることができる。
【0072】
光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも、フィラーを含有することが好ましく、着色剤、エラストマー、熱可塑性樹脂等の他の成分が含まれていてもよい。以下、これら成分についても説明する。
【0073】
光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、得られる硬化物の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、フィラーを配合することができる。フィラーとしては、特に制限はないが、例えば、前記樹脂層が含有するフィラーとして例示したものが挙げられる。フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0074】
フィラーの添加量は、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは500質量部以下、より好ましくは0.1〜400質量部、特に好ましくは0.1〜300質量部である。フィラーの添加量が500質量部以下の場合、光硬化性熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎず、印刷性が良く、硬化物が脆くなりにくい。
【0075】
光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、着色剤が含まれていてもよい。着色剤としては、赤、青、緑、黄、黒、白などの公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
【0076】
着色剤の添加量は特に制限はないが、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、特に好ましくは0.1〜7質量部の割合で充分である。
【0077】
また、光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、得られる硬化物に対する柔軟性の付与、硬化物の脆さの改善などを目的にエラストマーを配合することができる。エラストマーとしては、例えばポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステルウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステルアミド系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー等が挙げられる。また、種々の骨格を有するエポキシ樹脂の一部または全部のエポキシ基を両末端カルボン酸変性型ブタジエン−アクリロニトリルゴムで変性した樹脂等も使用できる。更にはエポキシ含有ポリブタジエン系エラストマー、アクリル含有ポリブタジエン系エラストマー、水酸基含有ポリブタジエン系エラストマー、水酸基含有イソプレン系エラストマー等も使用することができる。エラストマーは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上の混合物として使用してもよい。
【0078】
エラストマーの添加量は、カルボキシル基含有樹脂100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは1〜30質量部、特に好ましくは、5〜30質量部である。エラストマーの添加量が50質量部以下の場合、光硬化性熱硬化性樹脂組成物のアルカリ現像性が良好となり、現像可能な可使時間が短くなりにくい。
【0079】
また、光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、ブロック共重合体、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。また、微粉シリカ、ハイドロタルサイト、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤、レベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、防錆剤、蛍光増白剤などのような公知慣用の添加剤類の少なくとも何れか一種を配合することができる。
【0080】
使用できる有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、2−メトキシプロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の他、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラクロロエチレン、テレビン油等が挙げられる。また、丸善石油化学社製スワゾール1000、スワゾール1500、スタンダード石油大阪発売所社製ソルベッソ100、ソルベッソ150、三共化学社製ソルベント#100、ソルベント#150、シェルケミカルズジャパン社製シェルゾールA100、シェルゾールA150、出光興産社製イプゾール100番、イプゾール150番等の有機溶剤を用いてもよい。このような有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0081】
光硬化性熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有するドライフィルムを用いたプリント配線板の製造方法としては、従来公知の方法を用いればよい。例えば、図2に示すような、第一のフィルムと第二のフィルムとの間に樹脂層が挟まれたドライフィルムの場合、下記のような方法でプリント配線板を製造することができる。ドライフィルムから第二のフィルムを剥離して、樹脂層を露出させ、回路パターンが形成された基板上に、真空ラミネーター等を用いてドライフィルムの樹脂層をラミネートし、樹脂層にパターン露光を行う。第一のフィルムは、ラミネート後露光前または露光後のいずれかに、剥離すればよい。その後、アルカリ現像を行うことにより、基板上にパターニングされた樹脂層を形成し、パターニングされた樹脂層を光照射および熱により硬化させて、硬化被膜を形成することによりプリント配線板を製造することができる。
【0082】
(熱硬化性樹脂組成物)
熱硬化性樹脂組成物の一例として、光硬化性成分を含まず、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物について、下記に説明する。
【0083】
熱硬化性樹脂組成物には、フィラーを配合することが好ましく、得られる硬化物の物理的強度等を上げることができる。フィラーとしては、特に制限はないが、例えば、前記樹脂層が含有するフィラーとして例示したものが挙げられる。フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0084】
使用できる有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物で例示した有機溶剤が挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0085】
熱硬化性樹脂組成物は硬化剤を含有することができる。硬化剤としては、フェノール樹脂、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、マレイミド化合物、脂環式オレフィン重合体等が挙げられる。硬化剤は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、少なくともシアネートエステル樹脂又は活性エステル樹脂を使用することにより、加湿後の誘電正接を低くすることができる。また、少なくともシアネートエステル樹脂又はマレイミド化合物を使用することにより、リフロー後の冷熱サイクル時のクラック耐性が向上する。
樹脂層が熱硬化性樹脂組成物からなる場合は、高温で硬化すると気泡が発生しやすが、本発明のドライフィルムによれば、フェノール樹脂、活性エステル樹脂、シアネートエステル樹脂等の高温での硬化を要する硬化剤を含有する場合であっても、硬化後に気泡が生じにくい。また、硬化剤は、ビフェニル骨格およびナフトール骨格の少なくとも何れか一方の構造を有することが好ましい。
【0086】
前記フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、クレゾール/ナフトール樹脂、ポリビニルフェノール類、フェノール/ナフトール樹脂、α−ナフトール骨格含有フェノール樹脂、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ザイロック型フェノールノボラック樹脂等の従来公知のものを、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記フェノール樹脂の中でも、水酸基当量が130g/eq.以上のものが好ましく、150g/eq.以上のものがより好ましい。水酸基当量が130g/eq.以上のフェノール樹脂としては、例えば、ジシクロペンタジエン骨格フェノールノボラック樹脂(GDPシリーズ、群栄化学社製)、ザイロック型フェノールノボラック樹脂(MEH−7800、明和化成社製)、ビフェニルアラルキル型ノボラック樹脂(MEH−7851、明和化成社製)、ナフトールアラルキル型硬化剤(SNシリーズ、新日鉄住金社製)、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック樹脂(LA−3018−50P、DIC社製)などが挙げられる。
【0087】
前記シアネートエステル樹脂は、一分子中に2個以上のシアネートエステル基(−OCN)を有する化合物である。シアネートエステル樹脂は、従来公知のものをいずれも使用することができる。シアネートエステル樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、アルキルフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールS型シアネートエステル樹脂が挙げられる。また、一部がトリアジン化したプレポリマーであってもよい。
【0088】
前記活性エステル樹脂は、一分子中に2個以上の活性エステル基を有する樹脂である。活性エステル樹脂は、一般に、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。中でも、ヒドロキシ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物を用いて得られる活性エステル化合物が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。また、活性エステル樹脂としては、ナフタレンジオールアルキル/安息香酸型でもよい。
【0089】
前記マレイミド化合物は、マレイミド骨格を有する化合物であり、従来公知のものをいずれも使用できる。マレイミド化合物は、2以上のマレイミド骨格を有することが好ましく、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、1,2−ビス(マレイミド)エタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,6−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、2,2’−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、およびこれらのオリゴマー、ならびにマレイミド骨格を有するジアミン縮合物のうちの少なくとも何れか1種であることがより好ましい。前記オリゴマーは、上述のマレイミド化合物のうちのモノマーであるマレイミド化合物を縮合させることにより得られたオリゴマーである。マレイミド化合物は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0090】
前記硬化剤は、熱硬化性成分のエポキシ基等の熱硬化反応が可能な官能基と、その官能基と反応する硬化剤中の官能基との比率が、硬化剤の官能基/熱硬化反応が可能な官能基(当量比)=0.2〜2となるような割合で配合することが好ましい。硬化剤の官能基/熱硬化反応が可能な官能基(当量比)を上記範囲内とすることで、デスミア工程におけるフィルム表面の粗化を防止することができる。より好ましくは硬化剤の官能基/熱硬化反応が可能な官能基(当量比)=0.2〜1.5であり、さらに好ましくは硬化剤の官能基/熱硬化反応が可能な官能基(当量比)=0.3〜1.0である。
フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、マレイミド化合物の官能基当量(g/eq.)が200以上であると、反りを小さくすることができる。
【0091】
熱硬化性樹脂組成物は、得られる硬化被膜の機械的強度を向上させるために、さらに熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂は、溶剤に可溶であることが好ましい。溶剤に可溶である場合、ドライフィルムの柔軟性が向上し、クラックの発生や粉落ちを抑制できる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂或いはその骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0092】
熱可塑性樹脂の配合量は、溶剤を除いた樹脂層全量基準で、0.5〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%の割合である。熱可塑性樹脂の配合量が上記範囲外になると、均一な粗化面状態を得られ難くなる。
【0093】
さらに、熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じてゴム状粒子を含有することができる。このようなゴム状粒子としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプロピレンゴム、ウレタン変性ポリブタジエンゴム、エポキシ変性ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基または水酸基で変性したアクリロニトリルブタジエンゴム、およびそれらの架橋ゴム粒子、コアシェル型ゴム粒子等が挙げられ、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのゴム状粒子は、得られる硬化被膜の柔軟性を向上させたり、クラック耐性が向上したり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上させるために添加される。
【0094】
ゴム状粒子の平均粒径は0.005〜1μmの範囲が好ましく、0.2〜1μmの範囲がより好ましい。本発明におけるゴム状粒子の平均粒径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム状粒子を超音波などにより均一に分散させ、日機装社製Nanotrac waveを用いて、ゴム状粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。
【0095】
ゴム状粒子の配合量は、溶剤を除いた樹脂層全量基準で、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。0.5質量%以上の場合、クラック耐性が得られ、導体パターン等との密着強度を向上できる。10質量%以下の場合、熱膨張係数(CTE)が低下し、ガラス転移温度(Tg)が上昇して硬化特性が向上する。
【0096】
本発明のドライフィルムの樹脂層は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。このような硬化促進剤の具体例としては、イミダゾールおよびその誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物、金属触媒等の従来公知の硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤の中でも、BHAST耐性が得られることから、ホスホニウム塩類が好ましい。
【0097】
硬化促進剤は、1種を単独または2種以上混合して用いることができる。硬化促進剤の使用は必須ではないが、特に硬化を促進したい場合には、熱硬化性成分100質量部に対して好ましくは0.01〜5質量部の範囲で用いることができる。金属触媒の場合、熱硬化性成分100質量部に対して金属換算で10〜550ppmが好ましく、25〜200ppmが好ましい。
【0098】
熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の従来公知の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、難燃剤、チタネート系、アルミニウム系の従来公知の添加剤類を用いることができる。
【0099】
熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有するドライフィルムを用いたプリント配線板の製造方法としては、従来公知の方法を用いればよい。例えば、図2に示すような、第一のフィルムと第二のフィルムとの間に樹脂層が挟まれたドライフィルムの場合、下記のような方法でプリント配線板を製造することができる。ドライフィルムから第二のフィルムを剥離し、回路パターンが形成された回路基板に加熱ラミネートした後、熱硬化させる。熱硬化は、オーブン中で硬化、もしくは熱板プレスで硬化させてもよい。回路が形成された基材と本発明のドライフィルムをラミネートもしくは熱板プレスする際に、銅箔もしくは回路形成された基材を同時に積層することもできる。回路パターンが形成された基板上の所定の位置に対応する位置に、レーザー照射またはドリルでパターンやビアホールを形成し、回路配線を露出させることで、プリント配線板を製造することができる。この際、パターンやビアホール内の回路配線上に除去しきれないで残留した成分(スミア)が存在する場合にはデスミア処理を行う。第一のフィルムは、ラミネート後、熱硬化後、レーザー加工後またはデスミア処理後のいずれかに、剥離すればよい。
【0100】
(光塩基発生剤を含有する光硬化性熱硬化性樹脂組成物)
光塩基発生剤を含有する光硬化性熱硬化性樹脂組成物(以下、光塩基発生剤含有組成物とも称する)の一例として、エポキシ樹脂の他に、アルカリ現像性樹脂と、光塩基発生剤とを含む組成物について、下記に説明する。
【0101】
アルカリ現像性樹脂は、フェノール性水酸基、チオール基およびカルボキシル基のうち1種以上の官能基を含有し、アルカリ溶液で現像可能な樹脂であり、好ましくはフェノール性水酸基を2個以上有する化合物、カルボキシル基含有樹脂、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する化合物、チオール基を2個以上有する化合物が挙げられる。
【0102】
カルボキシル基含有樹脂としては、公知のカルボキシル基を含む樹脂を用いることができる。カルボキシル基の存在により、樹脂組成物をアルカリ現像性とすることができる。また、カルボキシル基の他に、分子内にエチレン性不飽和結合を有する化合物を用いてもよいが、本発明においては、カルボキシル基含有樹脂として、エチレン性不飽和結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いることが好ましい。
【0103】
本発明に用いることができるカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物に含まれるカルボキシル基含有樹脂として挙げた(1)〜(11)の他に、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
【0104】
(12)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
【0105】
(13)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
【0106】
(14)上記(12)または(13)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
【0107】
(15)上記(12)または(13)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
【0108】
(16)前述するような多官能エポキシ樹脂に飽和モノカルボン酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有樹脂。ここで、多官能エポキシ樹脂は固形であることが好ましい。
【0109】
(17)後述するような多官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有ポリエステル樹脂。
【0110】
(18)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
【0111】
(19)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に飽和モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
【0112】
(20)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に飽和モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
【0113】
(21)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
【0114】
(22)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、飽和モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
【0115】
(23)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
【0116】
(24)上記(12)〜(23)のいずれかの樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有樹脂。
【0117】
上記のようなアルカリ現像性樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数のカルボキシル基やヒロドキシ基等を有するため、アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記アルカリ現像性樹脂のヒドロキシル基当量またはカルボキシル基当量は、80〜900g/eq.であることが好ましく、さらに好ましくは、100〜700g/eq.である。ヒドロキシル基当量またはカルボキシル基当量が900g/eq.以下の場合、パターン層の密着性が得られ、アルカリ現像が容易となる。一方、ヒドロキシル基当量またはカルボキシル基当量が80g/eq.以上の場合には、現像液による光照射部の溶解が抑えられ、必要以上にラインが痩せたりせずに、正常なレジストパターンの描画が容易となるため好ましい。また、カルボキシル基当量やフェノール基当量が大きい場合、アルカリ現像性樹脂の含有量が少ない場合でも、現像が可能となるため、好ましい。
【0118】
アルカリ現像性樹脂の酸価は、40〜150mgKOH/gであることが好ましい。アルカリ現像性樹脂の酸価が40mgKOH/g以上とすることにより、アルカリ現像が良好になる。また、酸価を150mgKOH/gを以下とすることで、正常なレジストパターンの描画をし易くできる。より好ましくは、50〜130mgKOH/gである。
【0119】
アルカリ現像性樹脂の配合量は、溶剤を除いたドライフィルムの樹脂層全量基準で、20〜60質量%であることが好ましい。20質量%以上とすることにより塗膜強度を向上させることができる。また60質量%以下とすることで粘性が適当となり塗布性が向上する。より好ましくは、30〜50質量%である。
【0120】
光塩基発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、上記の熱反応性化合物の付加反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば2級アミン、3級アミンが挙げられる。
【0121】
光塩基発生剤として、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。
【0122】
前記光塩基発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光塩基発生剤含有組成物中の光塩基発生剤の配合量は、好ましくは熱反応性化合物100質量部に対して1〜50質量部であり、さらに好ましくは、1〜40質量部である。1質量部以上の場合、現像が容易になるため好ましい。
【0123】
光塩基発生剤含有組成物には、フィラーを配合することが好ましく、得られる硬化物の物理的強度等を上げることができる。フィラーとしては、特に制限はないが、例えば、前記樹脂層が含有するフィラーとして例示したものが挙げられる。フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0124】
使用できる有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物で例示した有機溶剤が挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0125】
光塩基発生剤含有組成物には、必要に応じてさらに、メルカプト化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。
また、上記の光塩基発生剤含有組成物には、微粉シリカ、ハイドロタルサイト、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤および/またはレベリング剤、シランカップリング剤、防錆剤などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【0126】
光塩基発生剤含有組成物からなる樹脂層を有するドライフィルムを用いたプリント配線板の製造方法としては、従来公知の方法を用いればよい。例えば、図2に示すような、第一のフィルムと第二のフィルムとの間に樹脂層が挟まれたドライフィルムの場合、下記のような方法でプリント配線板を製造することができる。ドライフィルムから第二のフィルムを剥離して、樹脂層を露出させ、回路パターンが形成された基板上に、真空ラミネーター等を用いてドライフィルムをラミネートする。その後、ネガ型のパターン状の光照射にて光塩基発生剤含有樹脂組成物に含まれる光塩基発生剤を活性化して光照射部を硬化し、アルカリ現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成することができる。第一のフィルムは、ラミネート後または露光後のいずれかに、剥離すればよい。また、光照射後かつ現像前に、樹脂層を加熱することが好ましい。これにより、樹脂層を十分に硬化して、さらに硬化特性に優れたパターン層を得ることができる。尚、光照射後かつ現像前の加熱は、未照射部が熱硬化しない温度であることが好ましい。また、現像後に、熱硬化(ポストキュア)を行うことが好ましい。現像後、紫外線照射を行うことで、光照射時に活性化せずに残った光塩基発生剤を活性化させた後に、熱硬化(ポストキュア)を行ってもよい。
【0127】
(ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物)
ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物の一例として、エポキシ樹脂の他に、光照射によりカルボキシル基を発生する化合物を含む樹脂組成物について、下記に説明する。
【0128】
光照射によりカルボキシル基を発生する化合物の中でも、ナフトキノンジアジド化合物を用いることが好ましい。ナフトキノンジアジド化合物は、従来より、カルボキシル基やフェノール性水酸基と錯体を形成することによりカルボキシル基等のアルカリ可溶性を抑え、その後の光照射によって錯体が解離して、アルカリ可溶性を発現させる系に用いられている。この場合、ナフトキノンジアジド化合物が膜中に残存していると、光照射によって錯体が解離し可溶性が発現するおそれがあるため、半導体分野等では、残存するナフトキノンジアジド化合物は、最終的に高温で飛ばすことで除去されていた。しかし、プリント配線板の分野ではこのような高温をかけることができず、安定性の観点から永久塗膜として使用できないために、ナフトキノンジアジド化合物は、実際上、用いられていなかった。本発明において、光照射によりカルボキシル基を発生する化合物としてナフトキノンジアジド化合物を用いた場合には、未露光部に残存するナフトキノンジアジド化合物は、熱硬化反応時に架橋構造に取り込まれて安定化するので、従来のような除去の問題を生ずることなく、膜強靭性、すなわち、耐屈曲性や、電気特性を向上させることができる。特に、光照射によりカルボキシル基を発生する化合物としてのナフトキノンジアジド化合物を、ポリアミドイミド樹脂と熱硬化成分とを併用することで、現像性や解像性を良好に確保しつつ、屈曲性を効果的に向上することができるものとなり、好ましい。
【0129】
ナフトキノンジアジド化合物としては、具体的には例えば、トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のTS533,TS567,TS583,TS593)や、テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノンジアジド付加物(例えば、三宝化学研究所社製のBS550,BS570,BS599)等を使用することができる。
【0130】
ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物には、フィラーを配合することが好ましく、得られる硬化物の物理的強度等を上げることができる。フィラーとしては、特に制限はないが、例えば、前記樹脂層が含有するフィラーとして例示したものが挙げられる。フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0131】
ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物が含有するアルカリ現像性樹脂の具体例としては、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物で例示したカルボキシル基含有樹脂、および、前記光塩基発生剤含有組成物で例示したアルカリ現像性樹脂等が挙げられる。
【0132】
ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物には、耐熱性、絶縁信頼性等の特性を向上させる目的でエポキシ樹脂以外の熱硬化性成分が含まれていてもよい。熱硬化性成分としては、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。
【0133】
使用できる有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、前記光硬化性熱硬化性樹脂組成物で例示した有機溶剤が挙げられる。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0134】
ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物は、フィラーを含有することが好ましい。フィラーとしては、特に制限はないが、例えば、前記樹脂層が含有するフィラーとして例示したものが挙げられる。フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0135】
ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも、ブロック共重合体、着色剤、エラストマー、熱可塑性樹脂等の他の成分が含まれていてもよい。また、ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じてさらに、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。また、微粉シリカ、ハイドロタルサイト、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤およびレベリング剤の少なくとも何れか1種、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、防錆剤、蛍光増白剤などのような公知慣用の添加剤類の少なくとも何れか一種を配合することができる。
【0136】
ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を有するドライフィルムを用いたプリント配線板の製造方法としては、従来公知の方法を用いればよい。例えば、図2に示すような、第一のフィルムと第二のフィルムとの間に樹脂層が挟まれたドライフィルムの場合、下記のような方法でプリント配線板を製造することができる。ドライフィルムから第二のフィルムを剥離し、樹脂層を露出させ、回路パターンが形成された基板上に、真空ラミネーター等を用いてドライフィルムをラミネートする。その後、樹脂層に光をポジ型のパターン状に照射し、樹脂層をアルカリ現像して、光照射部を除去することによりポジ型のパターン層を形成することができる。第一のフィルムは、ラミネート後または露光後のいずれかに、剥離すればよい。また、現像後に、樹脂層を加熱硬化(ポストキュア)し、未照射部を硬化することによって、プリント配線板を製造することができる。ポジ型感光性熱硬化性樹脂組成物においては、光照射により発生する酸によって、アルカリ現像液に対して可溶な組成に変化するので、アルカリ現像によるポジ型のパターン形成が可能となる。
【0137】
[フィルム]
キャリアフィルムと保護フィルムとの間に挟まれた樹脂層を有するドライフィルムをラミネートする際には、多くの場合、保護フィルムを剥離して、保護フィルムと接していた側の樹脂層の面が基材と接触するようにラミネートされる。しかしながら、キャリアフィルムを剥離して、キャリアフィルムと接していた側の樹脂層の面が基材と接触するようにラミネートされる場合もある。本発明においては、キャリアフィルムおよび保護フィルムによって、図2に示すように樹脂層が第一のフィルムと第二のフィルムとの間に挟まれていることが好ましい。また、基材にラミネートする際に基材と接触する樹脂層の面(即ちラミネート面)と接する側のフィルムが第二のフィルムであって、第二のフィルムの前記樹脂層に接する面が、算術平均表面粗さRaが0.1〜1.2μmであることが好ましく、0.3〜1.2μmであることがより好ましく、0.4〜1.2μmであることがさらに好ましい。なお、算術平均表面粗さRaとは、JIS B0601に準拠して測定された値を意味する。第二のフィルムは、キャリアフィルムと保護フィルムのどちらであってもよい。好ましくは、第一のフィルムがキャリアフィルムであり、第二のフィルムが保護フィルムである。
【0138】
キャリアフィルムとは、ドライフィルムの樹脂層を支持する役割を有するものであり、該樹脂層を形成する際に、硬化性樹脂組成物が塗布されるフィルムである。キャリアフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができる。を好適に使用することができるが、これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムを好適に使用することができる。キャリアフィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10〜150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。また、キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、スパッタもしくは極薄銅箔が形成されていてもよい。
【0139】
保護フィルムとは、ドライフィルムの樹脂層の表面に塵等が付着するのを防止するとともに取扱性を向上させる目的で、樹脂層のキャリアフィルムとは反対の面に設けられる。保護フィルムとしては、例えば、前記キャリアフィルムで例示した熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができるが、これらの中でも、ポリエステルフィルムおよびポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10〜150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。保護フィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。
【0140】
上記したような算術平均表面粗さRaを有する第二のフィルムとして、熱可塑性樹脂フィルムを使用する場合、フィルムを成膜する際の樹脂中にフィラーを添加したり、フィルム表面をブラスト処理したり、あるいはヘアライン加工、マットコーティング、またはケミカルエッチング等により、表面を所定の形態にすることができ、上記した算術平均表面粗さRaを有する熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。例えば、樹脂中にフィラーを添加する場合に、フィラーの粒径や添加量を調整することにより、算術平均表面粗さRaを制御することができる。また、ブラスト処理する場合は、ブラスト材やブラスト圧等の処理条件を調整することにより、算術平均表面粗さRaを制御することができる。このような表面粗さを有する熱可塑性樹脂フィルムとして、市販のものを使用してもよく、例えば、東レ社製ルミラーX42、ルミラーX43、ルミラーX44、ユニチカ社製エンブレットPTH−12、エンブレットPTH−25、エンブレットPTHA−25、エンブレットPTH−38、王子エフテックス社製アルファンMA−411、MA−420、E−201FおよびER−440等が挙げられる。
【0141】
第一のフィルムは、前記樹脂層に接する面の算術平均表面粗さRaが0.1μm以下であることが好ましい。0.1μm以下の場合、硬化後の樹脂層の表面の平坦性が良好となり、光沢度も良好となる。また、第一のフィルムと第二のフィルムの算術平均表面粗さRaに差があると、見た目(光沢の有無)でどちらのフィルムかを認識し易くなり、作業上のミスを防止することができる。
【0142】
また、第二のフィルムを剥離し易くなるため、第一のフィルムの厚さAは、第二のフィルムの厚さBよりも大きいことが好ましい。より好ましくは、厚さAと厚さBとの差(A−B)が1μm以上である。また、第一のフィルムと第二のフィルムの厚さに差があると、手触りや見た目でどちらのフィルムかを認識し易くなり、作業上のミスを防止することができる。
【0143】
第一のフィルムの厚さは10〜100μmが好ましいが、15μm以上であることがより好ましい。10μm以上の場合、ドライフィルムを基材にラミネート後、第一のフィルムを剥離せずに熱処理を施しても第一のフィルムが熱収縮しにくく、熱収縮によって厚さが均一ではなくなったり、熱収縮によって第一のフィルムに生じたスジに沿って樹脂層が流れてしまい、樹脂層にもスジが生じたりするという品質の劣化を防ぐことができる。
【0144】
本発明のドライフィルムの樹脂層が感光性樹脂組成物からなる場合は、第一のドライフィルムを剥離せずに露光できるようにするため、第一のフィルムとして上記の熱可塑性樹脂のような光透過性の材料を用いることが好ましい。その場合、第一のフィルムの厚さは、45μm以下であることが好ましい。45μm以下の場合、アンダーカットが低減される。より好ましくは40μm以下である。
【0145】
本発明のドライフィルムは、プリント配線板の永久保護膜の形成に好ましく用いることができ、中でもソルダーレジスト層、層間絶縁層、フレキシブルプリント配線板のカバーレイの形成に好ましく用いることができる。また、本発明のドライフィルムは、埋め込み性に優れるため、気泡の影響が大きいパッケージ基板のような微細回路を備えたプリント配線板に好適に用いることができ、特にL/S=10/10μm以下の微細回路を備えたプリント配線板に好適に用いることができる。さらに、ドライフィルムのラミネート方法として気泡が生じ易い真空ラミネートを採用した場合にも、本発明のドライフィルムを好適に用いることができる。また、本発明のドライフィルムの樹脂層の硬化物は、メッキレジストの形成性に優れるため、層間絶縁層の形成に用いることが好ましい。本発明のドライフィルムを用いて、配線を貼り合わせることによって配線板を形成してもよい。また、半導体チップ用の封止樹脂としても用いることができる。コアレス基板の最外層や層間絶縁層の形成にも用いることができる。
【実施例】
【0146】
以下、本発明の実施例、比較例および試験例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
【0147】
[表面処理された無機フィラーの調整]
(表面処理されたシリカA〜Dの調整および表面処理されたアルミナA、Bの調整)
フラスコ中に、それぞれの無機フィラー100g、アルコール水溶液2000g(水:アルコール=1:9重量比)を加え、室温で回転数300rpmで30分程度撹拌し、スラリー状にした。次いで、それぞれのシランカップリング剤を無機フィラーの重量に対し1wt%用意し、液滴が飛び散らないように、10分間かけゆっくりとスラリー中へ滴下し、10分間、300rpmでスラリーを撹拌した。その後、円形定性ろ紙を行い表面処理されたフィラーを取り出した。次いで、表面処理した無機フィラーを浅いトレーに広げ、110℃にて60分間乾燥を行い、シランカップリング剤で表面処理された無機フィラーを得た。用いた無機フィラーおよびシランカップリング剤については、下記表1の注釈に記載した。
【0148】
(実施例1〜34および比較例1〜12)
<ドライフィルムの作製>
下記表1、3、5、7、9、11、13および15に記載の実施例、比較例に示す処方にて各成分を配合し、ロールミル分散し、粘度0.5〜20dPa・s(回転粘度計5rpm、25℃)になるように硬化性樹脂組成物を調整した。次いで、バーコーターを用いて、ドライフィルムの膜厚が乾燥後、15μmになるように、キャリアフィルム(ルミラーS10、厚み38μm、表面処理なし、Ra=0.03μm、東レ社製)上に塗布した。次いで、熱風循環式乾燥炉にて残留溶剤量が3.5〜4.5%となるように85℃、5〜15分間乾燥を行い、キャリアフィルム上に硬化性樹脂層を形成した。次いで、保護フィルム(MA−411、厚み15μm、Ra=0.45μm、王子エフテック社製)を乾燥塗膜面上に設定温度70℃にてロールラミネーターし、3層構造のドライフィルムを得た。
【0149】
<樹脂層の貯蔵弾性率G’および溶融粘度>
上記で作製した各々のドライフィルムについて、保護フィルムを剥離し、1チャンバー式社真空ラミネーターMVLP−500(名機社製)にて2枚のドライフィルムの樹脂層を重ね合わせて熱圧着し、樹脂層の厚みが350μmになるようにした。その際、フィルムに熱を加えないようにするため、温度は40℃、圧力0.5MPa、1min間ラミネートし、フィルムを重ねた。次いで、粘度・粘弾性測定装置レオストレスRS−6000(HAAKE社製)にて、キャリアフィルムを剥離した後、それぞれの樹脂層の温度―粘弾性測定を行った。測定条件については、昇温モード5℃/min、オシレーションモードひずみ量8%、周波数1Hz、測定センサーΦ20mmのパラレルプレート、センサー間のギャップ300μmにて行った。ギャップに対して樹脂層を厚くすることで、加熱時にも、ギャップ間に十分な樹脂厚みを確保できる。前記のような方法にて測定した温度−貯蔵弾性率G’、粘度ηの曲線より、100℃での貯蔵弾性率および溶融粘度を、「樹脂層の貯蔵弾性率G’」、「樹脂層の溶融粘度」とした。測定結果は、表中に示す。
【0150】
<埋め込み性(気泡の発生 FLS(ファインライン&スペース))>
銅厚10μm、L(ライン:配線幅)/S(スペース:間隔幅)=5/5μm、アスペクト比2.0の櫛歯パターンの微細回路が形成されている両面プリント配線基板に前処理として、メック社製CZ−8101処理にて0.5μm相当のエッチング処理を行った。次いで、上記で作製を行った厚み15μmのドライフィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機社製)を用い、L/Sが形成された基板上にラミネートした。ラミネート条件は、5kgf/cm、100℃、1分、1Torrの条件にて加熱ラミネートし、次いで熱板プレス工程で10kgf/cm、100℃、1分の条件にてレベリングさせた。ラミネート後にラインとスペースの境界部分に空気が入り込み、気泡(ボイド)が発生しているか否かを100ヶ所、キャリアフィルムを剥がした後に確認した。この方法にて評価したものを「ラミネート後」とした。次いで、樹脂層を硬化させた状態にて同様に気泡の発生の有無を評価したものを「硬化後」とした。硬化条件については、次項に詳細を示す。評価基準は以下のとおりである。
○: ボイドが確認されなかった。
△: 1〜5ヶ所のボイドが確認された。
×: 粘度および弾性率が高く、細線を有する基板への埋め込みができなかった。
【0151】
<硬化後の基板の平坦性>
前記の<埋め込み性(気泡の発生 FLS)>に記載の方法にて、微細回路が形成されている基板上にラミネートした各々のドライフィルムの樹脂層について、硬化システムが熱硬化性のものは、キャリアフィルムを剥離した後に、熱風循環式乾燥炉にて、180℃、30分熱硬化させた後に、200℃にて60分間熱硬化させ、樹脂層を完全に硬化させた。
一方、硬化システムが光・熱硬化性のものは、キャリアフィルム上から、細線部分上が完全に露光されるように、露光量300mJ/cm(i線、ウシオ投影露光機)にて光硬化をさせた後、キャリアフィルムを剥離した。次いで、1wt%の炭酸ナトリウム水溶液、0.2MPaの圧力、液温30℃にて、60秒間現像をおこなった。次いで、高圧水銀灯照射装置にて1000mJ/cm露光を行った。その後、熱風循環式乾燥炉にて、180℃、60分間熱硬化させ、樹脂層を完全に硬化させた。
それぞれの硬化方法にて完全硬化させた基板について、細線に対して垂直方向の硬化膜の表面の凹凸を接触型表面粗さ計測装置(SE−300、小坂研究所社製)にて、長さ20mmの幅で硬化膜上の凹凸を測定した。評価基準は以下のとおりである。
◎:微細回路上で、凹凸が最大公差0.3μm未満。あわせて微細回路の銅焼けがみられなかった。
○:微細回路上で、凹凸が最大公差0.3μm未満。
△:微細回路上で、凹凸が最大で公差0.3μm以上1.0μm未満。
×:微細回路上で、凹凸が最大で公差1.0μm以上。
××:微細回路上で、凹凸が最大で公差5.0μm以上。回路の凹凸が顕著に見られた。
【0152】
<下地回路との密着性>
電解銅箔GTS−MP−18μm(古河サーキットフォイル社製)の光沢面に、メック社製CZ−8101処理にて0.5μm相当のエッチング処理を行った。
その後、処理面側に対して、それぞれのドライフィルムを<埋め込み性(気泡の発生 FLS)>に記載の方法にて、ラミネートを行い、次いで<硬化後の基板の平坦性>の方法にて、樹脂層を完全硬化させた。その後、樹脂層側に2液型接着剤アラルダイトを用い、1.6mmtFR−4のエッチアウト板に張り合わせを行い、接着層を室温にて硬化させ、CZ処理銅箔−樹脂層−FR4材の3層構造を得た。得られた基板について、JIS−C−6481の銅張積層版試験方法、ピール強度の測定方法(試験片幅10mm、90°方向、速度50mm/min)に準拠し、それぞれの樹脂層のCZ処理面との接着力を測定した。判断基準は以下に示す通りである。
◎:接着力が5.0N/cm以上。
○:接着力が3.0N/cm以上5.0N/cm未満。
×:粘度もしくは弾性率が高く、評価サンプルの作製を行うことができなかった。
【0153】
<メッキレジストの形成性>
<硬化後の基板の平坦性>に記載の方法にて作製した硬化基板について、さらにその表面にメッキレジストを形成し、評価を行った。
具体的には、作製した硬化基板について、過マンガン酸デスミア処理(アトテック社製、垂直デスミア向けセキュリガントMVシリーズ)にて、膨潤60℃5分、過マンガン酸80℃20分、還元50℃5分処理することにより、基板表面を粗化処理した。次いで、無電解銅めっき処理(上村工業社製、アルカリイオンタイプPd)を用い、0.3μmの厚みの銅シード層を基板表面に形成した。その後、銅シード層表面をアルカリ脱脂した後、めっきレジストフォーテックRY−3625(日立化成工業社製、SAP用メッキレジスト、厚み25μm)を、ロールラミネーターを用い、110℃、0.4MPaの圧力条件にて基板表面に張り合わせを行った。次いで、EXP−2960(オーク製作所社製、平行光露光機)にて、ガラス乾板ネガマスクL/Sパターン(20mm×20mmのエリアの範囲に、L/S=10/10μmのパターンが形成されているネガマスク)を用い、露光量100mJ/cmにて、基板表面にネガパターンを形成した。次いで、1wt%の炭酸ナトリウム水溶液にて、30℃にて30秒間現像を行い、L/Sパターンを基板表面に形成した。得られた基板について、SEMを用い観察した。20mm×20mmの範囲で無作為に、100箇所抽出を行い、メッキレジストの形成性の評価(ラインが飛んでいる状態や、凹みにより現像不良個所が発生している状態の有無の確認)を行った。判断基準は以下に示す通りである。
○:形成性良好。
△:L/Sの形成不良(ラインの欠落、現像不良)が、1箇所以上10箇所未満見られた。
×:L/Sの形成不良(ラインの欠落、現像不良)が、10箇所以上見られた。
××:下地が平坦でないため、設計値どおりのパターン形成ができていなかった。
【0154】
<加湿後の誘電正接>
<ドライフィルムの作製>に記載の方法で作製した樹脂層の厚み15μmのドライフィルムを電解銅箔GTS−MP−18μm(古河サーキットフォイル社製)の光沢面上に、<埋め込み性(気泡の発生 FLS)>に記載の方法にて、ラミネートを行い、次いで<硬化後の基板の平坦性>の方法にて、樹脂層を完全硬化させた。その後、銅箔から硬化物を剥離し、厚み15μmの硬化物を得た。
得られた硬化物について、温度85℃、湿度85%RHに設定された高温高湿槽に、100時間保管し、取り出し10分以内に、SPDR誘電体共振器とネットワークアナライザー(ともにアジレント社製)を用い、23℃における5.1GHzの加湿時の誘電正接の測定を行った。判断基準は以下に示す通りである。
◎◎:5GHzでの誘電正接が0.005未満。
◎ :5GHzでの誘電正接が0.005以上、0.01未満。
○ :5GHzでの誘電正接が0.01以上0.015未満。
△ :5GHZでの誘電正接が0.015以上0.02未満。
× :5GHzでの誘電正接が0.02以上。
【0155】
<放熱特性>
<加湿後の誘電正接>と同様の方法にて得られた15μmの硬化物を、JIS−R1611に記載の方法に準拠し、硬化物の熱伝導率の測定を行った。判断基準は以下に示す通りである。
◎:熱伝導率が1W/m・K以上。
○:熱伝導率が0.3W/m・K以上、1W/m・K未満。
△:熱伝導率が0.3W/m・K未満。
×:粘度もしくは弾性率が高く、評価サンプルの作製を行うことができなかった。
【0156】
<熱膨張係数>
<加湿後の誘電正接>と同様の方法にて得られた15μmの硬化物を銅箔より剥離した後、測定サイズ(3mm×10mmのサイズ)にサンプルを切り出し、セイコーインスツル社製TMA6100に供した。TMA測定は、試験加重5g、サンプルを10℃/分の昇温速度で室温より昇温、連続して2回測定した。2回目における、Tg以下の領域における熱膨張係数(CTE(α1))として評価した。判断基準は以下に示す通りである。
◎◎:ガラス転移温度以下のCTEが10ppm未満。
◎:ガラス転移温度以下のCTEが10ppm以上17ppm未満。
○:ガラス転移温度以下のCTEが17ppm以上30ppm未満。
△:ガラス転移温度以下のCTEが30ppm以上。
×:粘度もしくは弾性率が高く、評価サンプルの作製を行うことができなかった。
【0157】
<基板反り>
厚み200μm、サイズ100×100mmの銅張積層板(MCL−E−770G、日立化成社、銅厚18μm、前処理としてCZ−8101 1μm相当のエッチング処理を施した)上に、<ドライフィルムの作製>の記載の方法にて作製した、樹脂厚み15μmのドライフィルムを真空ラミネーターを用い、基板の片面にラミネートし、次いでキャリアフィルムを剥離後、熱風循環式乾燥炉を用い、樹脂層を完全に硬化させた。得られた基板について、基板の4隅をノギスを用い反り量を測長し以下の判断基準に従い、評価を行った。
◎:反りの最大値が3mm未満。
○:反りの最大値が3mm以上15mm未満。
△:反りの最大値が15mm以上。
×:粘度もしくは弾性率が高く、評価サンプルの作製を行うことができなかった。
【0158】
<リフロー+TCT(Thermal Cycling Test)>
各実施例および比較例のドライフィルム厚み(樹脂厚15μm)を、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(名機社製)を用いて、銅張積層板の銅上に5kgf/cm、80℃、1分、1Torrの条件にてラミネートした。その後、キャリアフィルムを剥がし、熱風循環式乾燥炉にて加熱し、樹脂層を180℃にて30分間硬化させた。その後、COレーザー加工機(日立ビアメカニクス社製)を用いてトップ径65μm、ボトム径50μmになるようにビア形成を行った。
硬化系が、光・熱硬化性のものについては、<硬化後の基板の平坦性>に記載の方法にて、Φ65μmのネガパターンを用い、露光および現像を行い、次いで紫外線照射および本硬化を行い、ビアの形成を行った。
次いで、得られたビアパターンに対して、市販の湿式過マンガン酸デスミア(ATOTECH社製)、無電解銅めっき(スルカップPEA、上村工業社製)、電解銅めっき処理の順に処理を行い、樹脂層上に銅厚み25μm、ビア部分をフィルドするように銅めっき処理を施した。次いで熱風循環式乾燥炉にて200℃にて60分間、熱硬化を行い、完全硬化させた銅めっき処理を施した試験基板を得た。得られた試験用基板を、鉛フリーアセンブリの条件(ピーク温度270℃、10秒間)にて、リフロー処理3サイクル熱衝撃を加えた後、−65℃で30分、150℃で30分を1サイクルとして冷熱サイクル処理を施した。2000および3000サイクル経過後、ビア底や壁面の状態を光学顕微鏡により観察するために、ビア中心部分を精密切断機で裁断、研磨し断面状態の観察を行った。評価基準は、下記に従い評価を行った。観察ビア数は100穴とした。
◎:3000サイクル終了後で、クラック発生なし。
○:2000サイクル終了後で、クラックの発生なし。3000サイクルで1〜5ヶ所のクラックが発生。
△:2000サイクル終了後で、1〜5ヶ所のクラックが発生。
×:溶融粘度、貯蔵弾性率が最適範囲を超えているため、テストピースが作製できなかった。
【0159】
<比誘電率>
<ドライフィルムの作製>に記載の方法で作製した樹脂層の厚み15μmのドライフィルムを電解銅箔GTS−MP−18μm(古河サーキットフォイル社製)の光沢面上に、<埋め込み性(気泡の発生 FLS)>に記載の方法にて、ラミネートを行い、次いで<硬化後の基板の平坦性>の方法にて、樹脂層を完全硬化させた。その後、銅箔から硬化物を剥離し、厚み15μmの硬化物を得た。
得られた硬化物について、SPDR誘電体共振器とネットワークアナライザー(ともにアジレント社製)を用い、23℃における1GHzの比誘電率の測定を行った。判断基準は以下に示す通りである。
◎:1GHzでの比誘電率が10.0以上。
○:1GHzでの比誘電率が5.0以上10.0未満。
【0160】
<回路隠蔽性>
前記<埋め込み性(気泡の発生 FLS)>および<硬化後の基板の平坦性>に記載の方法で微細回路基板上に硬化膜を形成した後、キャリアフィルムを剥離しプリント配線板を得た。
得られた評価基板につき、硬化膜上からの銅回路の変色を目視により確認して、回路の隠蔽性について評価した。判断基準は下記に示す通り。
◎:変色が確認されない。
×:変色が確認された。
【0161】
【表1】
*1:DIC社製HP−820、アルキルフェノール型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量:225g/eq
*2:日本化薬社製NC−3000L、ビフェニルアラルキル型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量:275g/eq
*3:大阪ガスケミカル社製CG−500、フルオレン系固形エポキシ樹脂、エポキシ当量:311g/eq
*4:日産化学社製TGIC、トリグリシジルイソシアヌラート(固形エポキシ樹脂)、エポキシ当量:99g/eq
*5:三菱化学社製1003、Bis−A型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量:720g/eq
*6:DIC社製TD−2131、フェノールノボラック樹脂、水酸基当量:104g/eq
*7:明和化成社製MEH−7851−4H、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、水酸基当量:240g/eq
*8:DIC社製LA−3018、ATN含有フェノールノボラック樹脂、水酸基当量:151g/eq
*9:丸善化学社製マルカリンカーM、ポリビニルフェノール、水酸基当量120g/eq
*10:ロンザジャパン社製PT−30、ノボラック型シアネートエステル樹脂、シアネート当量:124g/eq
*11:ロンザジャパン社製BA−3000、Bis−A型シアネートエステル樹脂、シアネート当量:284g/eq
*12:大和化成工業社製BMI−1100、N,N’−ジフェニルメタンビスマレイミド、マレイミド当量:179g/eq
*13:日本化薬社社製MIR−3000、ビフェニル骨格含有ビスマレイミド、マレイミド当量:275g/eq
*14:エア・ウォータ社製PC−1100−02、多官能型活性エステル樹脂、活性エステル当量:154g/eq
*15:DIC社製EXB9416、ナフトール末端、ジシクロペンタジエン骨格含有活性エステル樹脂、活性エステル当量:220g/eq
*16:日本乳化剤社製RMA−11902、フェノール樹脂を出発原料とするアクリル基を有する感光性カルボキシル基含有樹脂(固形分:65%)
*17:新中村化学工業社製A−DCP、ジシクロペンタジエン骨格アクリル酸モノマー*18:東亜合成社製HPS−500、D50=0.5μmの球状シリカ
*19:東亜合成社製HPS−1000、D50=1.0μmの球状シリカ
*20:上記で調整した表面処理されたシリカA(アドマテックス社製ナノシリカ(平均一次粒径(D50)=50nm)の1wt%のアミノシラン処理品)
*21:電気化学工業社製FB−5SDX、D50=4.9μmの球状シリカ
*22:上記で調整した表面処理されたシリカB(HPS−500/KBE−1003、HPS−500の1wt%ビニルシラン処理品)
*23:上記で調整した表面処理されたシリカC(HPS−500/KBE−9103、HPS−500の1wt%アミノシラン処理品)
*24:上記で調整した表面処理されたシリカD(HPS−1000/KBE−1003、HPS−1000の1wt%ビニルシラン処理品)
*25:上記で調整した表面処理されたシリカE(FB−5SDX/KBE−9103、FB−5SDXの1wt%アミノシラン処理品)
*26:電気化学工業社製ASFP−20、D50=0.3μmの球状アルミナ
*27:電気化学工業社製DAM−03、D50=3.7μmの球状アルミナ
*28:上記で調整した表面処理されたアルミナA(ASFP−20/KBE−1003、ASFP−20の1wt%ビニルシラン処理品)
*29:上記で調整した表面処理されたアルミナB(DAM−03/KBE−1003、DAM−03の1wt%ビニルシラン処理品)
*30:龍森社製ヒューズレックスWX、D50=1.5μmの不定形シリカ
*31:信越化学社製KBE−1003、ビニルトリエトキシシラン
*32:信越化学社製KBE−402、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン
*33:信越化学社製KBE−9103、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン
*34:BASFジャパン社製イルガキュア369、α-アミノアルキルフェノン系光重
合開始剤
*35:コバルトアセチルアセトナート1wt%、DMF溶液
*36:四国化成社製2E4MZ−AP、イミダゾール
*37:三菱化学社製YL7600、低誘電骨格含有フェノキシ樹脂
*38:シクロヘキサノン
*39:DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
*40:出光興産社製 イプゾール100、 芳香族系高沸点溶剤
【0162】
【表2】
【0163】
【表3】
【0164】
【表4】
【0165】
【表5】
【0166】
【表6】
【0167】
【表7】
【0168】
【表8】
【0169】
【表9】
*42:DIC社製EPICLON 860、ビスフェノールA型半固形エポキシ樹脂、エポキシ当量:245g/eq
*43:DIC社製HP−4032、ナフタレン型半固形エポキシ樹脂、エポキシ当量:150g/eq
*44:DIC社製N−740、フェノールノボラック型半固形エポキシ樹脂、エポキシ当量:180g/eq
【0170】
【表10】
【0171】
【表11】
*45: 堺化学工業製BT−03B D50=0.3μm

*46:石原産業製タイペークCR−97 D50=0.25μm
*47:堺化学工業製CZ−03 D50=0.3μm
【0172】
【表12】
【0173】
【表13】
【0174】
【表14】
*48:ラミネート不可
【0175】
【表15】
【0176】
【表16】
【0177】
上記表に示す結果から、実施例1〜34のドライフィルムの場合、樹脂層の埋め込み性および平坦性に優れることがわかる。一方、樹脂層の溶融粘度が100℃で60〜5500dPa・sを満たさないか、樹脂層の貯蔵弾性率が100℃で80〜5500Paを満たさない比較例1〜11のドライフィルム、および、樹脂層における液状エポキシ樹脂の含有量が60質量%以上の比較例12のドライフィルムは、埋め込み性および平坦性に劣るものであった。
【符号の説明】
【0178】
11 二層構造のドライフィルム
12 樹脂層
13 フィルム
21 三層構造のドライフィルム
22 樹脂層
23 第一のフィルム
24 第二のフィルム
30a 液状判定用試験管
30b 温度測定用試験管
31 標線(A線)
32 標線(B線)
33a、33b ゴム栓
34 温度計
図1
図2
図3