(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記履歴情報は、構成変更要求に対応する時刻情報を含み、前記表示処理手段は、当該時刻情報に基づいて、前記システムにおける構成変更の履歴を時系列で表示するための表示情報を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の構成変更管理装置。
前記履歴情報は、構成変更要求に対応する時刻情報を含み、前記表示処理手段は、当該時刻情報に基づいて、指定された時刻に対応する時間になされた構成変更と、当該構成変更の対象環境を表示するための表示情報を作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の構成変更管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0014】
(システムの全体構成)
近年、仮想ネットワーク技術を用いてネットワークを構築する技術が普及しており、そのような環境下では物理的な設備構築を行わなくてもネットワークを構築することができ、自動構成スクリプトを用いたプロビジョニングが可能である。本実施の形態におけるシステムは、例えばそのようなネットワークにおけるシステムである。ただし、それに限定されるわけではなく、本実施の形態におけるシステムが物理的な設備構築を行うネットワークにおけるシステムであってもよい。
図1に、本実施の形態におけるシステムの全体構成を示す。
図1に示すように、本実施の形態における全体システムは、対象環境10、構成変更管理装置100、チャットシステム200、端末300を有する。
【0015】
対象環境10は、構成変更管理装置100による構成変更の対象であり、1つ又は複数のサーバ(コンピュータ)や通信装置からなる。通常、複数の対象環境10が存在し、当該複数の対象環境10により、例えば、ネットワークサービスを提供するシステムが構成される。各対象環境10を構成するサーバ、通信装置等は、物理的な装置であってもよいし、仮想マシンであってもよい。
【0016】
複数の対象環境はグループを構成する。例えば、地理的な拠点毎にグループが構成されてもよいし、提供サービス毎にグループが構成されてもよいし、組織毎にグループが構成されてもよいし、これら以外の観点に基づくグループが構成されてもよい。
【0017】
また、一例であるが、本実施の形態では、各グループにおける1つ又は複数の対象環境は、開発環境、テスト環境、ステージング環境、及び商用環境のうちの1つ又は複数を有する。以降、開発環境はdevと称され、ステージング環境はstaging(略してsg)と称され、商用環境はprod(略してpr)と称される場合がある。
【0018】
構成変更管理装置100は、端末300から送信される構成変更要求に基づいて、命令(本実施の形態では、スクリプト)を生成し、当該命令を実行することにより、特定の対象環境10に対する構成変更(設定変更、設定、等と称してもよい)の処理を行うとともに、構成変更に係る履歴を管理する。履歴管理の詳細については後述する。
【0019】
本実施の形態では、端末300からの構成変更要求の送信がチャットを用いて実施される。チャットシステム200は、当該チャットを実現するためのシステムである。なお、構成変更要求をチェットを使用して送信することは一例である。構成変更要求の送信については、端末300からメッセージを送信することが可能な任意の手段を使用することとしてよい。
【0020】
端末300は、対象環境10に対する構成変更等を行うユーザ(例:開発者)が使用する端末である。端末300は、メッセージを送信できる装置であればどのような装置でもよいが、例えば、PC、スマートフォン、タブレット等である。
【0021】
(構成変更管理装置100の機能構成、動作概要)
図2に、構成変更管理装置100の機能構成例を示す。
図2に示すように、構成変更管理装置100は、要求受付部101、構成変更命令生成部102、構成変更処理部103、表示処理部104、履歴情報格納部105、構成情報格納部106を備える。
【0022】
要求受付部101は、チャットシステム200を介して、端末300から送信された構成変更要求のメッセージを受信するとともに、構成変更要求の情報を履歴情報格納部105に格納する。構成変更命令生成部102は、構成変更要求のメッセージから、対象環境10に対する設定(構成変更)を実行する命令を生成する。本実施の形態では、当該命令は、自動的に設定(構築)を行うスクリプト(自動構築スクリプトと称してもよい)として生成される。
【0023】
構成変更処理部103は、構成変更命令生成部102により生成された命令を実行することにより、対象環境10の構成変更を実行するとともに、構成変更を実行したことを示す情報を履歴情報格納部105に格納する。表示処理部104は、履歴情報格納部105に格納された履歴情報、及び、構成情報格納部106に格納された構成情報に基づいて、対象環境について、どのような構成変更がなされたか、等を分かり良く端末300等に表示するための表示情報を生成する表示処理を実行する。
【0024】
履歴情報格納部105は構成変更に係る履歴情報を格納する。構成情報格納部106は、構成変更の対象となるシステム(複数の対象環境10を含む)の構成情報を格納する。なお、構成情報は、自動構築スクリプト(構成変更命令生成部102が生成する命令等)から自動的に生成可能であり、構成情報格納部106には、当該スクリプトと、スクリプトから生成された構成情報が格納されている。なお、自動構築スクリプトから構成情報を生成することは一例であり、他の方法で取得した構成情報が構成情報格納部106に格納されてもよい。
【0025】
図3は、構成変更管理装置100の動作イメージを示す図である。なお、本実施の形態では、構成変更要求を「RFC」とも呼ぶ。RFCは、Request For Changeの略である。
【0026】
図3において、ユーザの端末300に対し、ユーザがRFCとして、チャットにより、グループAについての構成変更要求1(RFC‐1)を示すメッセージを入力すると、当該構成変更要求1が送信され、構成変更管理装置100に入力される。構成変更管理装置100は、構成変更要求1に基づき、構成変更を行う命令を生成し、当該命令は構成情報格納部106に格納される。当該命令は、自動構築スクリプトである。当該命令は、グループAの対象環境に対して実行され、当該対象環境に構成変更が適用される。
【0027】
また、構成変更要求の情報、構成変更が適用されたか否かを示す情報は、履歴情報格納部105に格納される。
【0028】
図3の例では、履歴情報格納部105に格納される履歴情報の例として構成変更要求2(RFC‐2)に係る構成変更が、グループBにおける開発環境と、グループBにおけるステージング環境に適用されたことが示されている。
【0029】
また、構成変更管理装置100は、履歴情報格納部105に格納された履歴情報に基づいて、例えば、どの環境にどの構成変更が適用されたかをグラフィカルに表示することができる。一例として、
図3の例では、履歴情報格納部105に格納された情報に基づいて、構成変更要求2(RFC−2)に係る構成変更が、グループBの開発環境、及びステージング環境に適用されたことがグラフィカルに示されている。
【0030】
(ハードウェア構成例)
構成変更管理装置100は、例えば、コンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、構成変更管理装置100が有する機能は、当該コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ、ハードディスクなどのハードウェア資源を用いて、当該構成変更管理装置100で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0031】
図4は、構成変更管理装置100をコンピュータで実現する場合におけるハードウェア構成例を示す図である。
図4に示す構成変更管理装置100は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置150、補助記憶装置152、メモリ装置153、CPU154、インタフェース装置155、表示装置156、及び入力装置157等を有する。
【0032】
構成変更管理装置100での処理を実現するプログラムは、例えば、CD−ROM又はメモリカード等の記録媒体151によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体151がドライブ装置150にセットされると、プログラムが記録媒体151からドライブ装置150を介して補助記憶装置152にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体151より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置152は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0033】
メモリ装置153は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置152からプログラムを読み出して格納する。CPU154(プロセッサ)は、メモリ装置153に格納されたプログラムに従って構成変更管理装置100に係る機能を実現する。インタフェース装置155は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。表示装置156はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置157はキーボード及びマウス、ボタン、又はタッチパネル等で構成され、様々な操作指示を入力させるために用いられる。
【0034】
なお、構成管理装置100を遠隔から操作したり、遠隔で表示を行う場合には、表示装置156及び入力装置157を備えないこととしてもよい。
【0035】
(動作例)
次に、
図5に示すシーケンス図に記載の手順に沿って、本実施の形態に係る構成管理装置100に関わる動作例を説明する。
【0036】
図5に示す処理が開始あれる前提として、まず、端末300のユーザが、端末300に対し、構成変更要求を示すメッセージを入力する。前述したように、本実施の形態では、メッセージの送受信にチャットシステムを使用している。
【0037】
本実施の形態では、チャネルと呼ばれるグループ(チャットルーム)を形成可能なチャットシステムが使用される。当該チャットシステムを使用する際には、例えば
図6に示すように、複数のチャネル名が表示され、ユーザは、自身が使用したいチャネルを選択することで、当該チャネルに対応するグループ内でチャットを行うことができる。
【0038】
本実施の形態では、1つのチャネルは1つの対象環境に対応しているものとする。ただし、これは例であり、1つのチャネルが複数の対象環境(例:1つのグループ)に対応していてもよいし、複数のチャネルが1つの対象環境に対応していてもよい。
【0039】
一例として、ユーザは、あるグループ(例:abc)のステージング環境(例:abc−sg1)に対応するチャネルを選択し、構成変更要求を示すメッセージを端末300に入力する。abc−sg1に対応するチャネルを選択したということは、構成変更の対象がabc−sg1であることを示す。
【0040】
図7に、端末300に入力された構成変更要求を示すメッセージの例を示す。
図7の例は、あるファイル(シェルスクリプト)を、1〜5月に、10分間隔でcronで自動実行させる設定を行うための構成変更要求を示す。また、メッセージには、その構成変更をする理由(reason)も含めることができる。
【0041】
本実施の形態では、メッセージが構成変更要求であることを示すために「rfc:」が付される。構成変更管理装置100の要求受付部101は、受信したメッセージの先頭にrfc:が付されていることを検知すると、当該メッセージは、構成変更要求に係るメッセージであると判断できる。
【0042】
メッセージにおける「rfc:」以降の構成変更内容を示す部分は、構成変更内容を示すものであればその言語、文法等はどのようなものでもよい。ただし、本実施の形態では、構成変更要求のメッセージから、テンプレートを用いて構成変更のための命令(スクリプト)を自動生成することとしているため、当該テンプレートの適用に適した形式でメッセージが作成されている。
【0043】
また、構成変更内容を示す部分の記述を自然言語(あるいは自然言語に近い言語)として、構成変更管理装置100においてAI等の技術により、自然言語から構成変更内容を抽出することとしてもよい。
【0044】
図5のS101、S102において、端末300に入力された構成変更要求のメッセージは、チャットシステム200を経由して、構成変更管理装置100に届く。
【0045】
構成変更管理装置100の要求受付部101は、当該メッセージを受信すると、「rfc:」により、当該メッセージが構成変更要求のメッセージであることを把握するとともに、受信したメッセージのチャネル(例:abc−sg1)から、構成変更の対象を把握する(例:abc−sg1であることを把握する)。
【0046】
要求受付部101は、当該構成変更要求にIDを付与し、当該構成変更要求の情報を、テーブルのエントリとして、履歴情報格納部105に格納(登録)する(S103)。
【0047】
図8に、履歴情報格納部105に格納されるテーブルの例を示す。
図8のRFC−ID=56のエントリが
図7に示す入力に基づく構成変更要求に相当する。
図8に示すように、当該テーブルは、ID、要求時刻(request date)、対象環境(target environment)、構成変更の内容(request detail)、自動構築の命令は生成できたかどうかを示す情報(Automated)、テストは完了したかどうかを示す情報(status)、どの環境に適用されたかを示す情報(applied on)を含む。また、テーブルは、構成変更要求を発出したユーザ名、構成変更理由を含んでもよい。また、
図8の例では、時刻として、構成変更要求が発出された(あるいは構成変更要求を受信した時刻)が記録されるが、これに代えて、あるいは、これに加えて、当該構成変更要求に係る構成変更が適用された時刻を、適用対象となった対象環境毎に記録してもよい。
【0048】
続いて、構成変更命令生成部102が、S102で受信した構成変更要求のメッセージに基づいて、構成変更のための命令(スクリプト)を生成する(S104)。命令の生成方法は特定の方法に限定されないが、本実施の形態では、テンプレートを用いて命令を生成している。すなわち、構成変更命令生成部102は、メモリ等の記憶手段に、構成変更内容に対応する複数種類のテンプレートを保持しており、受信した構成変更要求の内容に対応するテンプレートを選択し、構成変更要求のメッセージの要素を当該テンプレートに適用することにより、命令を生成する。また、テンプレートの仕様のほかに、入力されたメッセージそのものを構成変更として実施する、外部のスクリプトを取り込む、過去に実施したスクリプトを再度実行するなどの各種手法を採用してもよい。
【0049】
例えば、RFC−ID=56の(cronジョブの設定)においては、構成変更命令生成部102は、複数のテンプレートの中からcronジョブの設定に対応するテンプレートを選択し、当該テンプレートを使用する。
【0050】
一例として、構成変更命令生成部102は、
図7の要求に対し、例えば、
図9に示すようにキー情報を取得し、それを例えば
図10(a)に示すテンプレートの対応する箇所に代入することで、
図10(b)に示すような命令(自動構築スクリプト)を生成する。このように命令を生成できた場合に、
図8のテーブルにおけるAutomatedの欄をCompletedにする。
【0051】
生成された命令は構成情報格納部106に格納される。次に、構成変更処理部103は、構成情報格納部106から命令を読み出し、当該命令に係る構成変更の対象となる対象環境10に対し、当該命令を実行することで、構成変更を実施する(S105)。具体的には、例えば、構成変更処理部103は、当該命令からコード(例:python code)を生成し、当該コードを対象環境10に送信し、対象環境10が当該コードを実行することで構成変更が実施される。あるいは、構成変更処理部103は、当該命令を対象環境10に送信し、対象環境10が当該命令からコードを生成し、当該コードを実行することで構成変更が実施されることとしてもよい。
【0052】
対象環境10は、構成変更が完了したことを構成変更管理装置100に通知する。これにより、構成変更管理装置100の構成変更処理部103は、対象環境10に対する構成変更が完了したことを把握し、履歴情報格納部105に格納されているテーブルの該当エントリにおいて、applied onの欄に構成変更が適用された対象環境(例:abc−sg1)を記録する(S106)。前述したように、S106において、構成変更が完了した時刻を、applied onの欄に記録した対象環境とともに記録してもよい。
【0053】
また、各対象環境10は、例えば定期的に、構成変更管理装置100の履歴情報格納部105にアクセスして、テーブルに記録されている構成変更要求に関わる情報をチェックする機能を有している。例えば、abc−sg1に対する構成変更要求であるRFC―ID=56の構成変更が完了して、applied onの欄にabc−sg1のみが記録されている状態において、abc−sg2(グループabcのステージング環境2)が、テーブルをチェックすることにより、abc−sg1に対してRFC―ID=56の設定変更が完了していることを把握する。そして、abc−sg2は、同じグループの環境に適用した構成変更は、自身にも適用すべきであると判断し、RFC‐ID=56の構成変更の命令を構成情報格納部106から取得し、当該命令を実行することで、RFC−ID=56の構成変更を実行し、完了報告を構成変更管理装置100に送信する。同様に、abc−dev2もRFC―ID=56の設定変更を実行し、完了報告を構成変更管理装置100に送信する。このときの状態が
図8に示されている。
【0054】
なお、上記の例では、各対象環境10が構成変更管理装置100の履歴情報格納部105にアクセス(ポーリング)することとしている。これに代えて、あるいはこれに加えて、構成変更管理装置100の構成変更処理部103は、ある対象環境に対する構成変更要求に基づいて当該対象環境に構成変更を適用した場合に、当該対象環境に関連する他の対象環境に対して当該構成変更を適用することとしてもよい。対象環境に関連する他の対象環境とは、例えば、同じグループに属する環境でもよいし、同じ種類(開発環境、テスト環境、ステージング環境、商用環境等の種類)に属する環境でもよいし、これら以外であってもよい。
【0055】
一例として、構成変更管理装置100は、
図11に示すような環境の関連性を示すテーブルを構成情報格納部106等の記憶手段に格納している。
図11の例では、同じグループに属する環境が関連性のある環境であり、例えば、構成変更処理部103は、構成変更要求に基づいてabc−sg1の構成変更を行った際に、当該テーブルを参照することで、abc−sg1に関連するabc−sg2等にも当該構成変更を適用することができる。なお、
図11におけるidは、構成情報のidである。例えば、構成情報格納部106には、idに紐づけられる形で構成情報が格納されており、
図11のidから構成情報格納部106に格納された構成情報を取得できる。
【0056】
(表示処理について)
本実施の形態における構成変更管理装置100は、履歴情報格納部105に格納された履歴情報と、構成情報格納部106に格納された構成情報とを用いることにより、様々な表示を行うことが可能である。
【0057】
表示はどの装置で行ってもよいが、一例として、端末300で表示を行う場合のシーケンスが
図5に示されている。
図5のS107において、表示要求が端末300から構成変更管理装置100に送信される。S108において、構成変更管理装置100の表示処理部104は、表示情報(端末300に表示される画面の情報)を作成する表示処理を行う。S109において、表示情報が端末300に送信され、S110において表示がなされる。
【0058】
以下の
図12〜
図14に示す情報(画面)は、端末300上に表示されるものであるが、
図12〜
図14に示す情報を、表示処理部104により作成される表示情報であると解釈してもよい。
【0059】
<表示例1>
図12は表示例1を示す。表示例1では、グループ毎に、開発環境(dev)、ステージング環境(staging)、及び商用環境(prod)の構成が示されている。この構成は、構成情報格納部106に格納された構成情報に基づくものであり、表示処理部104は、当該構成情報を用いて、当該構成を示す表示情報を作成する。例えば、
図12において、グループabcの開発環境として、abc−dev1とabc−dev2が存在することが示されている。
【0060】
また、
図12において、同じグループの複数の環境は、関連があることを示す線で結ばれている。このような関連性については、
図11に示すテーブルから把握することが可能である。
【0061】
また、
図12に示す表示例1では、
図5のS107の表示要求において、RFC−ID=59が指定され、当該IDの構成変更が適用された対象環境を強調表示するよう指示されている。
【0062】
表示処理部104は、当該表示要求に基づいて、履歴情報格納部105のテーブル(
図8)を参照し、RFC−ID=59に対応する情報により、nop−dev1、abc−sg1、及びabc−dev2に対してRFC−ID=59の設定変更が適用されたことを把握し、
図12に示すように、nop−dev1、abc−sg1、及びabc−dev2を強調表示する。強調表示の方法は特定の方法に限られないが、例えば、色を付ける等である。
【0063】
図12に示すような表示により、特定の設定変更がどの環境に適用されたかを一目で把握することができる。
【0064】
<表示例2>
図13は表示例2を示す。表示例2におけるベースとなる構成及び関連性の表示内容は、表示例1(
図12)と同じである。
【0065】
表示例2では、表示要求(
図5のS107)において特定の環境を指定することで、当該環境に適用された構成変更が時系列で表示される。
【0066】
図13の例では、特定の環境として、abc−sg1が指定されている。この場合、表示処理部104は、履歴情報格納部105のテーブル(
図8)を参照し、abc−sg1に対して、RFC−ID=52、53、54、55、56、59の構成変更が適用されたことを把握し、
図13に示すように、画面上のabc−sg1の近くの領域(ここでは吹き出しを使用)に、当該IDを、要求時刻とともに時系列で表示する。なお、要求時刻に代えて、あるいは、要求時刻とともに、構成変更が適用された時刻を表示してもよい。また、要求時刻と、構成変更が適用された時刻との差分が小さい(例:所定閾値以下)場合には、要求時刻と構成変更が適用された時刻のうちのどちらを表示してもよい。
【0067】
表示例2にように、指定した環境において適用された構成変更を時系列で表示することで、当該環境に適用された構成変更の内容を時系列で把握することができる。
【0068】
なお、
図13の例では、1つの環境についての構成変更を時系列で表示する例を示しているが、複数の環境を指定することで、複数の環境についての構成変更を時系列で表示することも可能である。
【0069】
<表示例3>
上述した表示例2では、ある対象環境についての構成変更を時系列で表示しているが、時刻の進行に着目して、ある時刻において、どの環境にどの設定変更が提供されたかを表示することも可能である。これを表示例3として説明する。
【0070】
図14は表示例3を示す。
図14のベースとなる構成及び関連性については、表示例1、2と同様に、構成情報等に基づき表示される。
【0071】
表示例3では、時刻を指定するためのユーザインタフェースとして、表示処理部104は、
図14に示すように、バーを表示する。バーは時刻の流れを表し、ユーザは、バー上の三角マークを移動させることにより、特定の時刻を指定することができる。
【0072】
例えば、
図14の左側に示すように、Aで示す時刻(時刻A)が三角マークで指定された場合において、表示処理部104は、履歴情報格納部105に格納されたテーブル(
図8)を参照し、当該時刻Aを含む所定幅の時間において適用された構成変更と、対象環境を抽出し、表示処理を行う。当該時刻Aを含む所定幅の時間とは、例えば、Tを予め定めた時間長として、(時刻A−T)から(時刻A+T)までの時間であってもよいし、(時刻A−T)から時刻Aまでの時間であってもよいし、その他の時間であってもよい。
【0073】
図14左側の例では、上記所定幅の時間の中で、環境1に対してRFC‐ID=58の構成変更が適用され、環境2に対してRFC‐ID=48の構成変更が適用されたことが示されている。
【0074】
図14の右側は、Bで示す時刻(時刻B)が三角マークにより指定された場合を示しており、この場合は、時刻Bに対する所定幅の時間の中で、環境1に対してRFC‐ID=58の構成変更が適用されたことが示されている。
【0075】
ユーザが、バー上で三角マークをずらしていくことで、どの環境にどの構成変更が適用されたかについての連続的な変化を表示でき、ユーザは、どの環境にどの構成変更がいつ適用されたかを容易に把握できる。また、例えば、2つの環境の相互接続等を行うに際して、相互のシステムにどのような変更が加えられ、どのような状況であったかを把握することができる。
【0076】
(実施の形態の効果等)
以上、説明したように、本実施の形態では、各環境への構成変更要求を自動で管理し、自動で適用し、結果を一覧で図示し、時系列での表示や拠点毎の表示などを行うこととしている。これにより、システムにおいてなされた構成変更の履歴を容易に把握することが可能となる。
【0077】
従来技術では、構成変更要求から構成変更手順の作成を行うには人が考える必要があったため、「構成変更要求管理」と「構成変更手順作成」と「構成管理」とを関連付けることを人手で行っていたため、構成変更の履歴を把握するために多大な労力を要していた。
【0078】
一方、本実施の形態に係る技術では、チャットシステムを用いることで構成変更要求を自動的に受け付けて、構成変更命令を自動的に作成する。更に、この構成変更命令を構成情報に取り込み(この取り込み自体は既存技術)、構成情報を自動的にメンテナンスすることが可能である。そして、各拠点における構成変更の適用に関する履歴を保持し、当該履歴を環境間の関連性とともに表示するので、構成変更の履歴を容易に把握できる。
【0079】
本実施の形態で説明した構成変更管理装置100を導入することで、人手による作業が大幅に削減されるので、構成変更管理のコストが大幅に削減される。また、構成変更管理装置100を導入することで、多くの環境における構成変更の履歴を一覧性を持って表示できるので、抜け漏れを防止して、構成変更を各環境に適用できる。
【0080】
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本実施の形態により、システムにおける構成変更を管理する構成変更管理装置であって、履歴情報格納手段と、端末から送信された構成変更要求に基づいて、当該構成変更要求に係る構成変更の対象となる対象環境に対して構成変更を適用し、当該構成変更要求と、当該対象環境の識別情報とを含む履歴情報を前記履歴情報格納手段に格納する構成変更手段と、前記履歴情報格納手段に格納された履歴情報に基づいて、前記システムにおける構成変更の履歴を表示するための表示情報を作成する表示処理手段とを備えることを特徴とする構成変更管理装置が提供される。
【0081】
履歴情報格納部105は履歴情報格納手段の例であり、構成変更命令生成部102及び構成変更処理部103は構成変更手段の例であり、表示処理部104は表示処理手段の例である。
【0082】
前記構成変更手段は、前記構成変更要求のメッセージから、前記対象環境に対する構成変更の命令を生成することとしてもよい。
【0083】
また、前記履歴情報は、構成変更要求に対応する時刻情報を含み、前記表示処理手段は、当該時刻情報に基づいて、前記システムにおける構成変更の履歴を時系列で表示するための表示情報を作成することとしてもよい。
【0084】
また、前記履歴情報は、構成変更要求に対応する時刻情報を含み、前記表示処理手段は、当該時刻情報に基づいて、指定された時刻に対応する時間になされた構成変更と、当該構成変更の対象環境を表示するための表示情報を作成することとしてもよい。
【0085】
前記構成変更要求は、前記端末にチャットのメッセージとして入力され、チャットシステムを介して、前記構成変更管理装置に送信されることとしてもよい。
【0086】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。