(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6937758
(24)【登録日】2021年9月2日
(45)【発行日】2021年9月22日
(54)【発明の名称】液体ポンプを備えた電気的に動作するエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20210909BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20210909BHJP
【FI】
A24F40/40
A61M15/06
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-532227(P2018-532227)
(86)(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公表番号】特表2019-505192(P2019-505192A)
(43)【公表日】2019年2月28日
(86)【国際出願番号】EP2016077681
(87)【国際公開番号】WO2017108268
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年11月12日
(31)【優先権主張番号】15202075.6
(32)【優先日】2015年12月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ブライト ベン
(72)【発明者】
【氏名】マズール ベン
【審査官】
山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−524494(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/117704(WO,A1)
【文献】
特表2015−514429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00−47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に動作するエアロゾル発生システム用のカートリッジであって、
剛直なハウジングを備えた液体貯蔵部と、
前記剛直なハウジング内にある空気吸込み口弁であって、前記ハウジングの外部と前記ハウジングの内部との間の圧力差が閾値の圧力差を超えたときに、空気が前記液体貯蔵部内に入るのを可能にするように構成されている空気吸込み口弁と、
電気的に動作するエアロゾル発生システム内のポンプと係合するように構成された前記剛直なハウジングを通した出口とを備えた、カートリッジ。
【請求項2】
前記剛直なハウジング内の充填ポートを備え、それを通して液体が前記液体貯蔵部に流入できる、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記出口が前記ポンプとの係合の前にシールされる、請求項1または2に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記カートリッジが前記ポンプを備えた、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジが気化器を備え、前記ポンプが前記液体貯蔵部と前記気化器との間に接続され、液体を前記液体貯蔵部から前記気化器に汲み上げるように構成されている、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記気化器が電気ヒーターを備えた、請求項5に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記気化器が前記液体を前記電気ヒーターに運ぶように構成された毛細管材料を備えた、請求項6に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記ポンプが圧電マイクロポンプである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記弁が逆止め弁である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のカートリッジ。
【請求項10】
電気的に動作するエアロゾル発生システムであって、
剛直なハウジングを備えた液体貯蔵部と、
前記剛直なハウジング内にある空気吸込み口弁であって、前記ハウジングの外部と前記ハウジングの内部との間の圧力差が閾値の圧力差を超えたときに、空気が前記液体貯蔵部内に入るのを可能にするように構成されている空気吸込み口弁と、
液体を気化するように構成された気化器と、
前記剛直なハウジングを通して出口に接続され、かつ液体を前記液体貯蔵部から前記気化器に汲み上げるように構成されているポンプとを備えた、電気的に動作するエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記ポンプが圧電マイクロポンプである、請求項10に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記気化器が電気ヒーターを備える、請求項10または11に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記システムが前記ポンプおよび前記気化器を作動させる電力を供給するように構成された電源を備える、請求項10、11または12に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記気化器が起動されたときに前記ポンプを作動させるように構成されたコントローラを備えた、請求項10〜13のいずれか一項に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記システムが手持ち式の電気的に動作する喫煙装置である、請求項10〜14のいずれか一項に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的に動作する喫煙システムなど、電気的に動作するエアロゾル発生システムに関連する。特に本発明は、液体を貯蔵部から気化器に活発に汲み上げるシステムに関連する。
【背景技術】
【0002】
液体ベースの電気加熱式喫煙システムは、ますます一般的になりつつある。典型的に、これらのシステムは液体貯蔵部と、電気ヒーターと、液体を貯蔵部からヒーターに運ぶ毛細管芯とを備え、それらとともに電源および電気回路を備える。ヒーターは典型的に、毛細管芯の周りに巻き付けられた電線のコイルであり、抵抗加熱によって動作する。毛細管芯中の液体は、ヒーターによって気化させられて蒸気を形成する。ユーザーはシステムを吸煙し、空気がヒーターを通して流れるようになる。ヒーターを通る気流は蒸気を混入し、蒸気はその後、気流内で冷却されてエアロゾルを形成する。
【0003】
液体貯蔵部は、システムの残りの部分に固定または挿入される再充填可能または交換可能なカートリッジとして提供されうる。カートリッジはまた、芯およびヒーターを含みうる。別の方法として、芯およびヒーターは、カートリッジとは別個に、アトマイザー組立品内に提供されうる。
【0004】
液体貯蔵部は典型的に、シールされたエンクロージャであり、剛直なハウジングを有する。これは、使用前または使用中に液体が貯蔵部から漏れることが非常に望ましくないためである。使用に当たり漏れが不快かつ不都合であることとは別に、電気的に動作する喫煙システムで使用される液体は、皮膚に対して刺激性である場合がある。装置内への液体の漏れはまた、回路に損傷を与える場合があり、掃除が困難でありうる。そのため液体貯蔵部は典型的に、完全にシールされかつ頑丈な容器である。
【0005】
ところが、液体貯蔵部の容積が一定であることは、液体が液体貯蔵部から除去されると、貯蔵部の内部の圧力が低下することを意味する。この圧力低下は、液体が芯にあまり効率的に送達されないことを意味する。ほとんどのシステムにおいて、圧力が大気圧よりもかなり低く低下する前に、貯蔵部の内部と外部の圧力を釣り合わせるために、空気が芯を通して液体貯蔵部に入ることができる。ところが、芯を通したこの気流は吸い上げ能力を低下させ、それ故にエアロゾルの密度および風味にマイナスの影響を与えうる。
【0006】
よって、液体貯蔵部および芯の配置がヒーターへの液体の十分な送達を提供する一方で、電気的に動作するエアロゾル発生システム内の気化器に液体を送達するための、より効率的で信頼性の高い機構を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0007】
第一の態様において、電気的に動作するエアロゾル発生システムが提供されており、これは、
【0008】
剛直なハウジングを備えた液体貯蔵部と、剛直なハウジング内にある空気吸込み口弁であって、ハウジングの外部とハウジングの内部の間の圧力差が閾値の圧力差を超えた時に、空気が液体貯蔵部内に入るのを可能にするように構成されている空気吸込み口弁と、液体を気化するように構成された気化器と、剛直なハウジングを通して出口に接続され、かつ液体を液体貯蔵部から気化器に汲み上げるように構成されているポンプとを備える。
【0009】
液体貯蔵部と気化器の間でのポンプの使用は、気化器への液体送達の信頼性および効率を向上させる。加えて、本発明は液体貯蔵部内の空気吸込み口弁を提供する。これによって、貯蔵部の内部の圧力を大気圧と等しくすることができる。さらには、剛直な貯蔵部ハウジングを使用できるようにし、貯蔵部内の圧力低下の問題なく液体貯蔵部(特に再充填可能な貯蔵部)に必要な堅牢さが提供される。
【0010】
エアロゾル発生システムの液体貯蔵部は剛直なハウジングを有する。本明細書で使用される「剛直なハウジング」という用語は、自立型のハウジングを意味するように使用される。ハウジングは実質的に円柱状でもよい。空気吸込み口弁用の開口部は、シリンダーの一方の端に提供されうる。液体貯蔵部分のハウジングは、実質的に円形の断面を有しうる。
【0011】
液体貯蔵部は、液体を保持するためにハウジング内に担体材料をさらに備えうる。液体は、担体または支持体に吸着される、またはその他の方法で装填される場合がある。担体材料は、任意の適切な吸収性のプラグまたは本体、例えば発泡性の金属またはプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維またはセラミックで作成しうる。
【0012】
ポンプは圧電マイクロポンプなどのマイクロポンプでもよい。
【0013】
弁はボール逆止め弁またはダックビル逆止め弁などの逆止め弁でもよい。弁は液体貯蔵部のハウジングに押し込みばめで取り付けられうる。
【0014】
システムはポンプと気化器の間に位置する毛細管材料を備えうる。毛細管材料は繊維質または海綿状の構造を有する場合がある。毛細管材料は一束の毛細管を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は一般的に、液体をヒーターに移動するように整列していてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって搬送することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチックの材料、例えば紡がれたかまたは押し出された繊維(酢酸セルロース、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)でできた繊維性材料がある。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体は粘性、表面張力、密度、熱伝導率、沸点および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有し、これは液体が毛細管作用によって毛細管材料を通過して移動するのを可能にする。毛細管材料はエアロゾル形成基体を気化器に運ぶように構成されうる。毛細管材料は気化器内の隙間内に及びうる。
【0015】
気化器は電気ヒーターを含みうる。電気ヒーターは毛細管芯を囲む電線のコイルであってもよい。別の方法として、電気ヒーターはメッシュヒーターでもよい。メッシュヒーターは毛細管材料と接触しうる。電気ヒーターは誘導的に加熱されてもよく、または電源に電気的に接続されてもよい。別の方法として、気化器は振動メッシュまたは振動膜としうる。
【0016】
システムは、ポンプおよび気化器を作動させるための電力を供給するように構成された電源を備えうる。電源は電池としうる。電池は、例えばリチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池といったリチウム系の電池でもよい。電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池でもよい。電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また数多くの充放電サイクルのために構成されてもよい。電源は、1回以上の喫煙体験のための十分なエネルギーの保存を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は従来型の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約6分間、または6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な生成を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の例において、電源は所定の回数の吸煙、または加熱手段および作動手段の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有しうる。
【0017】
システムは電気回路を備えうる。電気回路はマイクロプロセッサを備え、これはプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向けICチップ(ASIC)または制御能力を有するその他の電子回路としうる。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。
【0018】
電気回路は気化器への電力供給を調節するように構成されてもよい。電力はシステムの起動後に気化器に連続的に供給されてもよく、毎回の吸煙ごとなど断続的に供給されてもよい。電気回路はポンプへの電力供給を調節するよう構成されてもよい。
【0019】
エアロゾル発生システムは電気回路と連通する吸煙検出器を備えうる。吸煙検出器は、ユーザーがいつシステムを吸ったかを検出するように構成されてもよい。電気回路は、吸煙検出器、またはポンプ、またはポンプおよび気化器の両方からの入力に応じて、気化器への電力を制御するように構成されうる。
【0020】
エアロゾル発生システムは、スイッチまたはボタンなどのユーザー入力を含んでもよい。これによって、ユーザーはシステムの電源を入れることができるようになる。スイッチまたはボタンは気化器を起動しうる。
【0021】
電気回路は、気化器の起動に基づいてポンプを作動させるように構成されうる。例えば、ポンプは気化器が起動された時に起動されてもよい。別の方法として、電気回路は、気化器の起動の後にポンプを作動させるように構成されてもよい。例えば、気化器は感知されたユーザー吸煙に基づいて、または別のユーザー入力に基づいて起動されてもよい。気化器の起動によって、気化器付近の液体が枯渇する。ポンプは、気化器の起動から一定時間経過後に、さらなる液体を気化器に供給するように制御されうる。電気回路はまた、システムがオンにされた時に、ポンプを作動するように構成されてもよい。システムを最後に使用してからかなりの時間が経過している場合、気化器が乾燥状態になっている恐れがあるため、気化器の起動前にポンプを作動させることが有益な場合がある。
【0022】
システムは電気的に作動する喫煙システムであってもよい。このシステムは手持ち式エアロゾル発生システムであってもよい。エアロゾル発生システムは従来型の葉巻たばこや紙巻たばこと匹敵するサイズであってもよい。喫煙システムの全長は、およそ30mm〜およそ150mmであってもよい。喫煙システムの外径は、およそ5mm〜およそ30mmであってもよい。
【0023】
液体貯蔵部内の液体は、植物由来材料を含みうる。液体はたばこを含んでもよい。液体はニコチンを含んでもよい。液体は、加熱に伴い液体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、液体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。液体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成剤は、使用において、密度の高い安定したエアロゾルの形成を容易にする、およびシステムの操作温度で熱分解に対して実質的に抵抗性のある任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびグリセリン(最も好ましい)など)である。液体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0024】
第二の態様において、電気的に動作するエアロゾル発生システム用のカートリッジが提供されており、剛直なハウジングを備えた液体貯蔵部と、剛直なハウジング内にある空気吸込み口弁であって、ハウジングの外部とハウジングの内部の間の圧力差が閾値の圧力差を超えた時に、空気が液体貯蔵部内に入るのを可能にするように構成されている空気吸込み口弁と、電気的に動作するエアロゾル発生システム内のポンプと係合するように構成された剛直なハウジングを通した出口とを備える。
【0025】
カートリッジは剛直なハウジング内に充填ポートを備えてもよく、それを通して液体は液体貯蔵部に流入できる。充填ポートは貫通可能な隔壁によって、または取り外し可能なプラグによってシールされうる。
【0026】
出口はポンプとの係合の前にシールされうる。例えば、カートリッジは、出口をシールする剥離可能なまたは貫通可能な隔壁、ホイルまたはフィルムを備えうる。
【0027】
カートリッジはポンプを備えてもよい。ポンプは圧電マイクロポンプでもよい。
【0028】
カートリッジは気化器を備えてもよい。ポンプは液体貯蔵部と気化器の間に接続されることができ、液体を液体貯蔵部から気化器に汲み上げるように構成されうる。
【0029】
気化器は電気ヒーターを含みうる。気化器は、液体をポンプから電気ヒーターに運ぶように構成された毛細管材料を備えうる。
【0030】
弁はボール逆止め弁またはダックビル逆止め弁などの逆止め弁でもよい。
【0031】
ポンプおよび気化器は、カートリッジとは分離して、ただしカートリッジと接続可能であるように、アトマイザー組立品内に提供されうる。エアロゾル発生システムは、電源および制御回路を備えた本体を追加的に備えうる。本体はカートリッジまたはアトマイザー組立品と接続可能としうる。
【0032】
本発明の第一の態様に関連して説明した特徴は、本発明の第二の態様にも適用されうる。
【0033】
本発明は、単なる例証として、添付図面を参照しながら、さらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明によるエアロゾル発生システムの第一の実施形態の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明によるカートリッジの構成要素の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明によるカートリッジの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明によるエアロゾル発生システムの図である。
図1は事実上、概略的である。特に、図示された構成要素は、個々にもあるいは相互に相対的にも必然的に等尺度ではない。システムは、手持ち式の電気的に動作する喫煙装置100であり、ハウジング110を備える。ハウジング110内には、電池112および制御回路114の形態の電源が提供されている。また、ハウジング内には、ユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成するために気化される液体エアロゾル形成基体を含む液体貯蔵部120がある。アトマイザー組立品130が、液体貯蔵部120に結合されたハウジング内に提供されている。アトマイザー組立品は気化器134(この例では電気ヒーター)と、液体を液体貯蔵部120から気化器134に汲み上げるように位置付けられたポンプ132とを備える。ポンプ132および電気ヒーター134はどちらも、後述する通り、制御回路114の制御下で電池112から電力が供給される。
【0036】
ハウジング110は空気吸込み口118および空気出口116を含む。空気出口116はハウジングのマウスピース側端に提供される。使用時、ユーザーはハウジングのマウスピース側端を吸う。これによって、空気が空気吸込み口118を通してハウジング内に引き出され、気化器134を通過し、出口116を通って出て、ユーザーの口に入る。気化器を通過して引き出された空気は、気化されたエアロゾル形成基体を混入する。気化されたエアロゾル形成基体は装置を通過して移動しながら冷却されてエアロゾルを形成し、ユーザーの口に入る。
【0037】
ヒーターの起動は、ユーザーがハウジング110にあるボタンを押すことによって直接制御されうる。別の方法として、システムは、システム内を通る気流を検出するマイクロホン115などの気流センサーを備えてもよく、ヒーターは気流センサーからの信号に基づいて起動されうる。ユーザーがシステムを通して空気を引き出す時(本明細書では喫煙を意味する)、空気は気流センサー115を通して流れる。気流センサーによって検出された気流が閾値を超えた場合、制御回路は電力をヒーターに供給することによって、ヒーターを起動しうる。制御回路は、所定の時間にわたり電力をヒーターに供給しうるか、または検出された気流が閾値を超えている限り電力をヒーターに供給しうる。制御回路は、専用の温度センサー、またはヒーターの電気抵抗を監視することなど、温度センシング手段を含みうる。次に制御回路は、ヒーターの温度を望ましい温度範囲内に上昇させるために、電力をヒーターに供給しうる。温度は、エアロゾル形成基体を気化するのに十分な高さであるべきであるが、有意な燃焼リスクがあるほど高いべきではない。
【0038】
ポンプはヒーターと同じ方法で起動されうる。例えば、制御回路は、電力がヒーターに供給されるのと同じ時間にわたり、ポンプに電力を供給しうる。別の方法として、制御回路はヒーターの起動の直後の期間に電力をポンプに供給しうる。
【0039】
この例における液体は水、グリセロール、プロピレングリコール、ニコチンおよび香料の混合物を含む。液体は液体貯蔵部120内に保持される。液体貯蔵部は、液体が消耗した時に交換可能なカートリッジとして提供される。使用前および使用中の液体の漏れを防止するために、液体貯蔵部は剛直なプラスチック材料から形成されたハウジングを有し、液密性である。本明細書で使用される「剛直な」とは、自立型のハウジングを意味する。この例において、貯蔵部は、アクリル系のフォトポリマーを使用して3Dプリンティングによって形成される。カートリッジは剛直である必要があり、出荷中および貯蔵中の有意な荷重に耐えることができる。ところが、液体貯蔵部ハウジングはシールされ剛直であるため、液体貯蔵部は一定の内部容積を有する。液体がポンプによって除去されるのに伴い液体貯蔵部内の内部圧力が低下することは、液体を貯蔵部から汲み上げる能力に悪影響を与えかねない。有意な圧力低下を防止するために、液体貯蔵部は均圧化用の空気吸込み口弁122を有する。均圧弁122は、貯蔵部の内部と貯蔵部の外部の間の圧力差が閾値圧力差を超える時、空気が液体貯蔵部内に入ることを可能にする。
【0040】
図2は、液体貯蔵部120、ポンプ132およびヒーター組立品の分解図であり、ヒーター組立品は管139、毛細管ノズル138およびヒーター136を備える。
図2に示す通り、液体貯蔵部は均圧弁122および液体出口124を備える。液体出口124は、ポンプ132の入口140と係合するように構成される。出口124は使用前に、取り外し可能キャップでシールされうるか、貫通可能なシールでシールされうる。
【0041】
ポンプは、Bartels Mikrotechnik GmbH(Konrad−Adenauer−Allee 11, 44263 Dortmund, Germany(
www.bartels−mikrotechnik.de))製のMP6ポンプなど、圧電マイクロポンプである。ポンプは、ヒーター組立品の管139と係合する出口142を有する。
【0042】
管139はポンプ132を毛細管ノズル138に接続する。毛細管ノズル138は2mlガラス毛細管である。ニッケルクロムのヒーターワイヤは、ノズル内の液体を加熱するために毛細管ノズルの周りに巻かれる。
【0043】
図3は、
図2の逆止め弁122の構造を詳細に示す。弁122は、Lee Company( 2 Pettipaug Rd, PO Box 424, Westbrook, CT 06498−0424 USA)製の直径5mm、セラミック製ボール逆止め弁である。弁122は貯蔵部ハウジングに押し込みばめで取り付けられるように設計される。弁はステンレス鋼本体150およびステンレス鋼フレーム156を含む。フレーム156上にあるステンレス鋼ばね154が、セラミックボール152を本体に押し付け、本体の開口部をシールする。ボールの全体にわたる圧力差が、ばねのバイアスに対してボールを移動させるのに十分なほど大きくなった時、開口部のシールは解除され、空気が液体貯蔵部120に入ることを可能にする。
【0044】
液体貯蔵部120はこの例において、カートリッジとして提供されている。カートリッジはシステムのハウジング110内に受けられる。カートリッジは、出口124がポンプの入口140と正しく係合するのを確実にするためにキーが付けられてもよい。ポンプ132およびヒーター組立品134は、交換可能なアトマイザー組立品130として提供される。アトマイザー組立品はハウジング110内に受けられるが、別の方法として、ハウジング110の部分を形成しうる。
【0045】
電池112は再充電可能なリン酸鉄リチウム電池である。充電用接点がハウジング112に提供される。電気回路114は、ヒーター134およびポンプ132への電力供給を制御するように構成されるプログラマブルマイクロプロセッサを含む。
【0046】
ハウジング110は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から形成され、ユーザーが片手で保持するのに快適なサイズおよび形状を有する。取り外し可能なマウスピースは空気出口116の周りに提供されうる。マウスピースは、カートリッジが保持されるハウジング内のくぼみにアクセスできるように除去されうる。
【0047】
ユーザーは作動させる前に、主要ハウジング、アトマイザー組立品および液体貯蔵部カートリッジを合わせて組み立てる。システムを起動するために、ユーザーはハウジング110のボタンを押す。この実施形態において、ユーザーが装置を起動した後、電気回路はポンプ132に電力を供給し、それによって液体がヒーター組立品134に汲み上げられる。次にユーザーは、装置のマウスピースを吸煙し、装置を通して空気を引き出す。装置は、装置を通した空気の流れを検出するマイクロホンである吸煙センサー115を含む。吸煙センサー用の気流は、空気吸込み口118よりもずっと小さい補助的な空気吸込み口117を通してシステムに入る。マイクロホン115からの信号に応答して、電気回路は、ヒーターが毛細管ノズル138内で液体を加熱して気化するように、ヒーター136に電力を供給する。次に、気化された液体基体は気流内で冷却されて凝結し、システムから引き出されてユーザーの口に入るエアロゾルを形成する。この例において、電気回路は吸煙の検出後に一定時間にわたり、ヒーターに電力を供給する。ところが、ヒーターに電力供給するための他の制御方式も使用されうる。電力は、液体が気化されている時に液体をノズル138内に補充するために電力がヒーターに供給されるのと同じ時間にわたり、ポンプに供給される。ユーザーはシステムの使用を終えた時、ボタンを使用してシステムをオフにできる。追加的に、電気回路は、所定の時間にわたりユーザー吸煙が検出されない場合にシステムをオフにするように構成されうる。
【0048】
液体がポンプによって液体貯蔵部から引き出される際、弁122は開き、貯蔵部の内部の圧力を貯蔵部の外部の圧力と等しくする。ユーザー吸煙中に貯蔵部へのエアロゾルの逆流が低減されるように、弁にはカバー用バッフルが提供されうる。
【0049】
図2および
図3を参照しながら説明した実施形態は、本発明によるシステムの一例にすぎない。
図4は、別の方法による液体貯蔵部と弁の配置を示す。
図4の液体貯蔵部は再充填可能な貯蔵部である。
図4に示す液体貯蔵部は、剛直な一般的に円筒形のハウジング160を有し、ポンプおよび均圧弁162と係合する液体出口164を有する。
図4の実施形態における均圧弁は、貯蔵部の内部と貯蔵部の外部の間の圧力差が閾値圧力差を超えた時に、空気が液体貯蔵部に入るのを可能にするように設計されているダックビル弁である。液体貯蔵部はまた、充填ポートを含み、それを通して液体貯蔵部は液体エアロゾル形成基体で再充填されることができる。充填ポートは弾性の隔壁166によってシールされる。液体貯蔵部を再充填するために、隔壁166は針によって貫通され、および液体が針を通して液体貯蔵部内に注入される。
【0050】
図2を参照しながら説明したヒーターに代替的な気化器を使用することも可能である。例えば、気化器は加熱メッシュまたは振動メッシュでもよく、ポンプは液体をメッシュの隙間に送達するように配置される。気化器は単一または一対の加熱プレートでもよく、ポンプはそのプレートに液体を送達しうる。気化器は、誘導的に加熱される要素としうる。
【0051】
図1に示す構成要素の代替的な配置、およびシステムを通した異なる気流経路を使用することも可能である。例えば、アトマイザーは、液体貯蔵部よりもシステムのマウスピースの近くにしうる。システムはまた、異なる位置にある吸気口および吸煙センサーを備えうる。